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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1375259
審判番号 訂正2021-390018  
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-01-19 
確定日 2021-04-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6536337号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6536337号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 事案の概要
1 手続の経緯
特許第6536337号(以下、「本件特許」という。)は、平成27年10月7日の出願(特願2015-199108号)であって、平成31年4月22日に特許査定され、その後、請求項1及び2に係る発明について、令和1年6月14日に特許権の設定の登録がされ、令和3年1月19日に訂正審判(以下「本件審判」という。)が請求されたものである。

2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、「特許第6536337号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。また、請求人が求める訂正の内容は、以下のとおりである。

3 訂正の内容
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、
「複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段と、
を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段と、
前記第1所定処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記第2所定処理を開始する場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
を備え、
割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記第1所定処理が実行される構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2所定処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2所定処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記第1所定処理では遊技を進行させるための処理が実行され、
前記第2所定処理では遊技を進行させるための処理とは異なる処理が実行され、
前記第2所定処理には、所定の管理を行うための管理用処理と、当該管理用処理の結果に対応する報知を行うための報知用処理と、が含まれており、
前記退避記憶手段として、前記第1所定処理に対応させて設けられた第1退避記憶手段と、前記第2所定処理に対応させて設けられた第2退避記憶手段と、を備えており、
前記退避実行手段は、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記内部記憶手段の情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段と、
前記第2所定処理を実行している状況において前記内部記憶手段の情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段と、
を備え、
前記第2所定処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記第1所定処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに記憶されており、
前記第2所定処理として、第1処理と第2処理とが設定されており、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第1処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第1処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第1処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第2処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であることを特徴とする遊技機。」と記載されているのを、

「複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記領域内処理では遊技を進行させるための処理が実行され、
前記領域外処理では遊技を進行させるための処理とは異なる処理が実行され、
前記領域外処理には、所定の管理を行うための管理用処理と、当該管理用処理の結果に対応する報知を行うための報知用処理と、が含まれており、
前記退避記憶手段として、前記領域内処理に対応させて設けられた第1退避記憶手段と、前記領域外処理に対応させて設けられた第2退避記憶手段と、を備え、
前記退避実行手段は、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段と、
前記領域外処理を実行している状況において前記内部記憶手段の情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段と、
を備え、
前記領域外処理として、第1処理と第2処理とが設定されており、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第1処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第1処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第1処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第2処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であることを特徴とする遊技機。」と訂正する。

なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所及び訂正に関連する箇所等を表す。以下同様。

(2)訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0008】に、
「上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段と、
前記第1所定処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記第2所定処理を開始する場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
を備え、
割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記第1所定処理が実行される構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2所定処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2所定処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記第1所定処理では遊技を進行させるための処理が実行され、
前記第2所定処理では遊技を進行させるための処理とは異なる処理が実行され、
前記第2所定処理には、所定の管理を行うための管理用処理と、当該管理用処理の結果に対応する報知を行うための報知用処理と、が含まれており、
前記退避記憶手段として、前記第1所定処理に対応させて設けられた第1退避記憶手段と、前記第2所定処理に対応させて設けられた第2退避記憶手段と、を備えており、
前記退避実行手段は、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記内部記憶手段の情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段と、
前記第2所定処理を実行している状況において前記内部記憶手段の情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段と、
を備え、
前記第2所定処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記第1所定処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに記憶されており、
前記第2所定処理として、第1処理と第2処理とが設定されており、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第1処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第1処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第1処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第2処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であることを特徴とする。」と記載されているのを、

「上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記領域内処理では遊技を進行させるための処理が実行され、
前記領域外処理では遊技を進行させるための処理とは異なる処理が実行され、
前記領域外処理には、所定の管理を行うための管理用処理と、当該管理用処理の結果に対応する報知を行うための報知用処理と、が含まれており、
前記退避記憶手段として、前記領域内処理に対応させて設けられた第1退避記憶手段と、前記領域外処理に対応させて設けられた第2退避記憶手段と、を備え、
前記退避実行手段は、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段と、
前記領域外処理を実行している状況において前記内部記憶手段の情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段と、
を備え、
前記領域外処理として、第1処理と第2処理とが設定されており、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第1処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第1処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第1処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第2処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であることを特徴とする。」と訂正する。

第2 当合議体の判断
以下、本件訂正前の請求項1を、「訂正前請求項1」という。また、訂正前請求項1に係る発明を、「訂正前発明1」という。
訂正後についても、「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に、「訂正後請求項1」、「訂正後発明1」という。

1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
ア 訂正前請求項1では、「前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段と、」「前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段と、」「を備え」ることが特定されるとともに、「前記第2所定処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記第1所定処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに記憶されて」いることが特定されていたものを、訂正後請求項1では、「前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、」「前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、」「を備え」という記載に訂正することにより、明瞭にするものである。また、これに伴い、訂正前請求項1における「第1所定処理」、「第2所定処理」という記載は、それぞれ「領域内処理」、「領域外処理」という記載に言い改められることになった。
したがって、訂正事項1により訂正された上記の事項は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。

イ また、訂正後請求項1では、「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、」「を備え」るという構成を追加し、さらに訂正前請求項1の「割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記第1所定処理が実行される構成」について「前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成」と訂正することで、特定処理に対して割込み処理が割り込んで開始されること、及びその特定処理に第1所定処理及び第2所定処理が含まれていることに減縮するものとなった。
そして、「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、」との訂正に伴い、訂正前請求項1における「前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合」(2箇所あり)を、「前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合」に減縮し、訂正前請求項1における「前記第1所定処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合」(2箇所あり)を、「前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合」に減縮し、さらに訂正前請求項1における「前記第1所定処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合」(2箇所あり)を、「前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合」に減縮するための訂正を行っている。
したがって、訂正事項1により訂正された上記の事項は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。

ウ 以上のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同条同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

エ また、請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2についても訂正されることとなるところ、請求項2についての訂正も、同様である。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、本件明細書の段落【0008】の記載を、訂正事項1による特許請求の範囲の訂正に伴い、整合性を図るために訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(3)小括
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」、及び同条同項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とし、訂正事項2は、同条同項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
ア 訂正後請求項1の「前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、」に関して、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。

「【0506】
図59は主側ROM73におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図59に示すように、主側ROM73においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。具体的には、アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)?X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)?X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)?X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。また、アドレスX(k+6)?X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)?X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)?X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)?X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)?X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM73における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。」

以上の記載から、本件明細書等の「アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリア」が訂正後請求項1の「所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域」に対応し、同じく「アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに」「集約して記憶されている」「特定制御用のプログラム」が訂正後請求項1の「所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラム」に対応し、同じく「特定制御」が訂正後請求項1の「領域内処理」に対応するといえる。そして、本件明細書等において、「特定制御」が主側MPU72で実行されるのが明らかであるから、訂正後請求項1の「領域内処理を実行する領域内処理実行手段」も本件明細書等に記載されているといえる。
また、本件明細書等の「アドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリア」は、「アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリア」(所定アドレス範囲)の外部のアドレス範囲の記憶領域であるといえるから、訂正後請求項1の「前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域」に対応する。
また、本件明細書等の「アドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに」「集約して記憶されている」「非特定制御用のプログラム」が訂正後請求項1の「前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラム」に対応し、同じく「非特定制御」が訂正後請求項1の「領域外処理」に対応するといえる。そして、本件明細書等において、「非特定制御」が主側MPU72で実行されるのが明らかであるから、訂正後請求項1の「領域外処理を実行する領域外処理実行手段」も本件明細書等に記載されているといえる。
そうすると、訂正後請求項1の「前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、」が本件明細書等に記載されていることは明らかである。

イ 訂正後請求項1の「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段」及び「前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、」に関して、本件明細書等には、以下の記載がある。

「【0076】
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
【0077】
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS301)、その後に表示クリア処理を実行する(ステップS302)。表示クリア処理では、前回のゲームで所定の表示が行われるように特別表示部67が表示制御されている場合、その所定の表示が消去されるようにする。これにより、特別表示部67は何も表示さていない消灯状態となる。
【0078】
その後、開始待ち処理を実行する(ステップS303)。図11は開始待ち処理を示すフローチャートである。開始待ち処理では、前回のゲームでいずれかのリプレイ入賞が発生している場合(ステップS401:YES)、前回のゲームにおけるベット数と同数の遊技媒体がベットされた状態とするための自動投入処理を行う(ステップS402)。具体的には、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたベットカウンタの値を、前回のゲームにおけるベット数に対応する値に設定する。ベットカウンタは、各ゲームにおける遊技媒体のベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
・・・略・・・
【0082】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正を監視するための第1非特定制御処理を実行する(ステップS412)。当該第1非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
・・・略・・・
【0084】
開始待ち処理では、リセットボタン56に対する不正を監視するための第2非特定制御処理を実行する(ステップS416)。当該第2非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0085】
通常処理(図10)の説明に戻り、ステップS303の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップ304)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS303)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS305)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS303)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、既に説明した受付禁止処理を実行する(ステップS306)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS307)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理(ステップ307)の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS308)。
【0086】
その後、メダル払出処理を実行する(ステップS309)。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合にはクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。」

「【0505】
<特定制御と非特定制御との区別について>
次に、主側MPU72にて実行される特定制御と非特定制御との違いについて説明する。本スロットマシン10では主側MPU72にて実行される各種制御のうち、一部の不正監視に関する制御が非特定制御とされ、それ以外の不正監視に関する制御及び遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御を含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされている。特定制御について詳細には、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に実行されるメイン処理(図8)による制御、及び定期的に実行されるタイマ割込み処理(図9)による制御は特定制御に含まれている。また、開始待ち処理(図11)にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理及びリール制御処理(図24)にて実行される第3非特定制御処理を除く、通常処理(図10)による制御、例えばスタートレバー41の操作に基づき実行される役の抽選処理、リール32L,32M,32Rの駆動制御及び全てのリール32L,32M,32Rが回転した場合における特典の付与制御は特定制御に含まれている。」

「【0513】
次に、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して主側MPU72にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理について説明する。まず第1非特定制御処理について説明する。」

以上の記載から、本件明細書等の「通常処理」が訂正後請求項1の「特定処理」に対応し、同じく「タイマ割込み処理」が訂正後請求項1の「割込み処理」に対応する。そして、本件明細書等には、通常処理(特定処理)に対してタイマ割込み処理(割込み処理)が割り込んで開始されることが記載されているとともに、通常処理(特定処理)に、特定制御(領域内処理)及び非特定制御(領域外処理)が含まれることが記載されていることは明らかである。
してみると、訂正後請求項1の「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段」及び「前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、」は、本件明細書等に記載されている。

ウ 請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2についても訂正されることとなるところ、請求項2についての訂正も、同様である。

エ したがって、訂正事項1は、本件明細書等の記載に基づくものであって、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0008】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であり、請求項1についての訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
また、請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2についても訂正されることとなるところ、請求項2についての訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもないことは、明らかである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0008】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正前発明1と同様、訂正後発明1が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

5 一群の請求項について
本件審判は、特許権全体に対して請求されたものであり、請求項ごとに請求されたものではないから、一群の請求項に関する特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するか否かの検討を要しない。

第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0003】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベッドされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-045989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
なお、以上の問題はスロットマシンに限らず、例えば遊技媒体として遊技球を用いる遊技機にも該当する問題である。
【0007】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、各種制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記領域内処理では遊技を進行させるための処理が実行され、
前記領域外処理では遊技を進行させるための処理とは異なる処理が実行され、
前記領域外処理には、所定の管理を行うための管理用処理と、当該管理用処理の結果に対応する報知を行うための報知用処理と、が含まれており、
前記退避記憶手段として、前記領域内処理に対応させて設けられた第1退避記憶手段と、前記領域外処理に対応させて設けられた第2退避記憶手段と、を備え、
前記退避実行手段は、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段と、
前記領域外処理を実行している状況において前記内部記憶手段の情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段と、
を備え、
前記領域外処理として、第1処理と第2処理とが設定されており、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第1処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第1処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第1処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第2処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各種制御を好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態におけるスロットマシンの正面図である。
【図2】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
【図3】左リールの組立斜視図である。
【図4】各リールの図柄配列を示す図である。
【図5】表示窓部から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。
【図6】入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。
【図7】スロットマシンの電気的構成図である。
【図8】主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図10】主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。
【図11】主側MPUにて実行される開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図12】主側MPUにて実行される抽選処理を示すフローチャートである。
【図13】通常モード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【図14】通常モード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【図15】第1RTモード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【図16】第1RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【図17】第2RTモード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【図18】第2RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【図19】(a)ステッピングモータの駆動系を示す接続図であり、(b)ステッピングモータの駆動特性を示す図である。
【図20】相励磁の内容を説明するための説明図である。
【図21】(a)加速用テーブルを説明するための説明図であり、(b)停止用テーブルを説明するための説明図である。
【図22】(a)26ステップが割り当てられている図柄が所定の位置に存在していると認識される場合における各ステップ数と相励磁の関係とを説明するための説明図であり、(b)24ステップが割り当てられている図柄が所定の位置に存在していると認識される場合における各ステップ数と相励磁の関係とを説明するための説明図である。
【図23】各リールの各図柄に割り当てられているステップ数を説明するための説明図である。
【図24】主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。
【図25】主側MPUにて実行される左リールのステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。
【図26】主側MPUにて実行されるステップ数監視処理を示すフローチャートである。
【図27】(a)IV=4で当選時の左リールのスベリテーブルを説明するための説明図であり、(b)IV=4で当選時の中リールのスベリテーブルを説明するための説明図であり、(c)IV=4で当選時の右リールのスベリテーブルを説明するための説明図である。
【図28】主側MPUにて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。
【図29】(a)?(j)従来の停止操作の無効期間の設定態様を示すタイムチャートである。
【図30】主側MPUにて実行される有効操作判定処理を示すフローチャートである。
【図31】(a)?(j)有効操作判定処理が実行されることによるリールの停止制御の実行態様を示すタイムチャートである。
【図32】第1の別形態における有効操作判定処理を示すフローチャートである。
【図33】(a)?(j)第1の別形態における有効操作判定処理が実行されることによるリールの停止制御の実行態様を示すタイムチャートである。
【図34】第2の別形態における有効操作判定処理を示すフローチャートである。
【図35】第3の別形態における有効操作判定処理を示すフローチャートである。
【図36】主側MPUにて実行される遊技終了時の対応処理を示すフローチャートである。
【図37】主側MPUにて実行されるART準備状態処理を示すフローチャートである。
【図38】主側MPUにて実行されるART状態処理を示すフローチャートである。
【図39】主側MPUにて実行されるART終了分岐処理を示すフローチャートである。
【図40】(a)特別表示部の正面図であり、(b)特別表示部の表示内容を説明するための説明図である。
【図41】(a),(b)画像表示装置における報知内容と特別表示部における表示内容との関係を説明するための説明図である。
【図42】主側MPUにて実行される報知制御処理を示すフローチャートである。
【図43】主側MPUにて実行される分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【図44】演出側MPUにて実行される報知用処理を示すフローチャートである。
【図45】(a)?(d)特別表示部及び画像表示装置のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子を示すタイムチャートである。
【図46】別形態における分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【図47】(a)?(e)画像表示装置にて表示されるエンディング画像の内容を説明するための説明図であり、(f)キャラクタROMに記憶されている画像データの内容を説明するための説明図である。
【図48】主側MPUにて実行されるBB用処理を示すフローチャートである。
【図49】演出側MPUにて実行されるエンディング表示制御処理を示すフローチャートである。
【図50】主側MPUにて実行される当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【図51】エンディングベース画像の種類が変更される様子を説明するための説明図である。
【図52】第1の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【図53】第2の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【図54】第2の別形態においてエンディングベース画像の種類が変更される様子を説明するための説明図である。
【図55】第3の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【図56】第4の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【図57】第4の別形態における第1順序と第2順序とを説明するための説明図である。
【図58】第4の別形態におけるBB用処理を示すフローチャートである。
【図59】主側ROMにおけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。
【図60】主側RAMにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【図61】主側MPUにて実行される第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図62】主側MPUにて実行される第2非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図63】主側MPUにて実行される第3非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図64】第1の別形態における開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図65】第1の別形態における第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図66】(a)第2の別形態における開始待ち処理を示すフローチャートであり、(b)第2の別形態におけるリール制御処理を示すフローチャートである。
【図67】第2の別形態における非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。
【図68】第3の別形態における非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。
【図69】第3の別形態における第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
【0012】
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
【0013】
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
【0014】
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
【0015】
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0016】
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ33に連結されており、各ステッピングモータ33の駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール32L,32M,32Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール32Lを例に挙げて図3に基づいて説明する。なお、図3は左リール32Lの組立斜視図である。
【0017】
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材34と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルト(図3では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材34に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材34の中心部はステッピングモータ33の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ33の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材34が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
【0018】
ステッピングモータ33は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート35の側面にねじ固定されている。モータプレート35には、発光素子36aと受光素子36bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ36が設置されている。一方、円筒骨格部材34には、半径方向に延びるセンサカットバン37がねじ固定されている。このセンサカットバン37の先端部37aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ36の両素子36a,36bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転することにセンサカットバン37の先端部37aの通過をリールインデックスセンサ36が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
【0019】
ステッピングモータ33は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより504ステップ進むことで1回転されるように設定されており、このステップ数によってステッピングモータ33の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。各リール32L,32M,32Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には20個の図柄が描かれている。この場合、詳細は後述するが所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り換えるには24ステップ(すなわち24パルス)又は26ステップ(すなわち26パルス)を要する。そして、24ステップの出力が8回行われるとともに26ステップの出力が12回行われることにより、1周分に対応する504ステップとなる。主制御装置70は、リールインデックスセンサ36の検出信号が出力された時点からのステップ数(すなわちパルス数)により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0020】
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
【0021】
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
【0022】
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
【0023】
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
【0024】
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
【0025】
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
【0026】
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
【0027】
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
【0028】
図4には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応させて番号が「0」?「19」まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0029】
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「LUCKY」 図柄(例えば、左リール32Lの13番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの12番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)の8種類がある。そして、図4に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0030】
図5は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された20個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
【0031】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
【0032】
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
【0033】
以下、図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図6は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
【0034】
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「BAR」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄及び「LUCKY」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。第1補填入賞?第3補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
【0035】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、ベル入賞となる。ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「9」となる。
【0036】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「7」となる。
【0037】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「7」となる。
【0038】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「2」となる。
【0039】
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2転落リプレイ入賞となる。
【0040】
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
【0041】
また、上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく遊技状態の移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の遊技状態が設定されており、これら遊技状態間の移行は遊技状態の移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各遊技状態の内容及び各遊技状態への移行条件については後に詳細に説明する。
【0042】
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、第1BB入賞及び第2BB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2BB入賞となる。第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
【0043】
BB状態とは、後述する通常モードであって非AT状態である場合(この状態を通常遊技状態ともいう)よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態とは、当該BB状態以外のいずれの遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.1)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42?44の停止操作タイミングとは無関係にベル入賞が成立することとなる。BB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数(例えば「350」)以上となることが終了条件として設定されている。
【0044】
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
【0045】
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音叉は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
【0046】
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。
【0047】
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示する付与数表示部66と、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われる特別表示部67とがそれぞれ設けられている。これら表示部65?67は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。但し、これに限定されることはなく、表示部65?67の一部又は全部が、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
【0048】
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
【0049】
スロットマシン10には、主制御装置70以外にも演出制御装置80が設けられている。演出制御装置80は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
【0050】
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
【0051】
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
【0052】
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくはリールインデックスセンサ36)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a,45b、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
【0053】
ちなみに、投入メダル検出センサ45a,45bは、メダル投入口45から投入されたメダルがホッパ装置53に誘導される場合に通過する誘導通路において当該誘導通路の通路方向に2個並設させて設けられている。つまり、投入メダル検出センサ45a,45bとして、上記誘導通路の上流側に設けられた第1投入メダル検出センサ45aと、当該第1投入メダル検出センサ45aよりも上記誘導通路の下流側に設けられた第2投入メダル検出センサ45bとを備えている。第1投入メダル検出センサ45aがON状態であって第2投入メダル検出センサ45bがOFF状態である状態となった後に、第1投入メダル検出センサ45a及び第2投入メダル検出センサ45bの両方がON状態となり、さらに第1投入メダル検出センサ45aがOFF状態であって第2投入メダル検出センサ45bがON状態である状態となることで、1枚のメダルが投入されたことがMPU72にて特定される。なお、上記一連のサイクルが終了して第1投入メダル検出センサ45a及び第2投入メダル検出センサ45bの両方がOFF状態となるよりも前に新たなメダルが第1投入メダル検出センサ45aにて検出されることがないように、上記誘導通路が形成されている。
【0054】
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくはステッピングモータ33)、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、特別表示部67及び演出制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。既に説明したとおりセレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45a,45bにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45a,45bにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
【0055】
また、MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置80に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように特別表示部67の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置80により行われるのに対して、特別表示部67の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置80において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる特別表示部67についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
【0056】
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
【0057】
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板81を具備している。演出制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
【0058】
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
【0059】
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
【0060】
また、演出制御基板81には、図示は省略するが、MPU82の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、画像表示装置63に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して画像表示装置63に表示させる。キャラクタROMは、画像表示装置63に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、画像表示装置63に表示させる表示データを記憶するためのメモリである。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき演出の実行内容を決定した場合、その決定した演出の実行内容に従って、各更新タイミングに対応する画像の内容を指示する描画リストをVDPに出力する。VDPは、当該描画リストに従ってキャラクタROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用してビデオRAMに表示データを作成する。そして、VDPは、その作成した表示データに対応する画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。
【0061】
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれ演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
【0062】
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72において起動されるメイン処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
【0064】
初期化処理が終了した後は設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作が行われているか否かを判定する(ステップS102)。ON操作が行われている場合には(ステップS102:YES)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、そのまま当選確率設定処理を実行する(ステップS105)。一方、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、クリア処理(ステップS104)を実行した後に、当選確率設定処理を実行する(ステップS105)。
【0065】
クリア処理では、主側RAM74における全部のエリアを初期化する。この場合、主側RAM74においてスロットマシン10の設定値を記憶するエリア、後述する終了画面カウンタ113のエリア、BB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、BB状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、AT状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリア、及び後述する抽選モードの種類を示すデータが記憶されたエリアも含めて主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。これにより、クリア処理が実行された場合には、電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態となるとともに、電源遮断前の状態が異常の発生を契機として遊技の進行が規制された状態であった場合にはその異常状態が解除される。
【0066】
当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、遊技パネル20に設けられた特別表示部67に現在の設定値を表示する。特別表示部67は画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にそれに対応する報知を実行するための表示部であり、設定変更に際しての設定値の表示用として兼用される。なお、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には当選確率設定処理の開始に際して特別表示部67には「設定1」に対応する表示が行われ、クリア処理(ステップS104)が実行されていない場合には電源遮断前の状態における設定値に対応する表示が行われる。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値を特別表示部67に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、特別表示部67における設定値の表示が終了される。当選確率設定処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS106)。通常処理については後に詳細に説明する。
【0067】
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS107以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。
【0068】
復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS107)。具体的には、設定値が「設定1」?「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認する(ステップS108)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS109)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
【0069】
ステップS107?ステップS109の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS110)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS111)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU82に送信した後に(ステップS112)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS113)。
【0070】
一方、ステップS107?ステップS109のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS114)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS115)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS116)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
【0071】
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
【0072】
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
【0073】
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0074】
ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータ33を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、異常報知を解除するための解除操作が行われているか否かを監視し、異常報知を解除するための解除操作が行われていることを特定した場合には異常報知を解除するための異常報知解除コマンドを演出側MPU82に送信する。これにより、いずれの種類の異常報知が行われている状況であってもその異常報知が解除される。なお、キーシリンダ14に対して所定の錠操作が行われている状況においてリセットボタン56が押圧操作されることで、異常報知を解除するための解除操作が行われたことになる。
【0075】
ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS210では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS211では、各種コマンドを演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS212では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS213では、先のステップS201にて主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS214にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0076】
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
【0077】
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS301)、その後に表示クリア処理を実行する(ステップS302)。表示クリア処理では、前回のゲームで所定の表示が行われるように特別表示部67が表示制御されている場合、その所定の表示が消去されるようにする。これにより、特別表示部67は何も表示さていない消灯状態となる。
【0078】
その後、開始待ち処理を実行する(ステップS303)。図11は開始待ち処理を示すフローチャートである。開始待ち処理では、前回のゲームでいずれかのリプレイ入賞が発生している場合(ステップS401:YES)、前回のゲームにおけるベット数と同数の遊技媒体がベットされた状態とするための自動投入処理を行う(ステップS402)。具体的には、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたベットカウンタの値を、前回のゲームにおけるベット数に対応する値に設定する。ベットカウンタは、各ゲームにおける遊技媒体のベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0079】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bにて既に説明したような正規の順序でメダルを検出している場合(ステップS403:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたベットカウンタの値が最大規定数である「3」以上でなければ(ステップS404:NO)、そのベットカウンタの値を1加算し(ステップS405)、ベットカウンタの値が最大規定数である「3」以上であれば(ステップS404:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたクレジットカウンタの値を1加算する(ステップS406)。クレジットカウンタは、貯留記憶されている仮想メダルの数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、自動投入処理(ステップS402)が実行されている場合、本スロットマシン10においてはベットカウンタの値が最大規定数以上となっているため、正規の順序でメダルが検知された場合には(ステップS403:YES)、クレジットカウンタの値が1加算される。
【0080】
開始待ち処理では、いずれかのクレジット投入ボタン47?49が操作されている場合(ステップS407:YES)、その操作に対応するベット数が設定されるようにするためのクレジット投入の対応処理を実行する(ステップS408)。クレジット投入の対応処理では、第1クレジット投入ボタン47が操作されている場合にはその時点でベット可能な最大分の遊技媒体がベットされた状態となるようにし、第2クレジット投入ボタン48又は第3クレジット投入ボタン49が操作された場合にはそれに対応するベット状態となるようにする。この場合、仮想メダルがそのベットに際して使用された場合にはそのベットされた仮想メダルの数分の値が上記クレジットカウンタから減算される。また、操作されたクレジット投入ボタン47?49に対応するベット数に設定するために必要な数の仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、貯留記憶されている仮想メダルとの関係でベット可能な最大分の遊技媒体がベットされた状態となる。なお、自動投入処理(ステップS402)が実行されている場合、クレジット投入ボタン47?49の操作は無効化される。
【0081】
開始待ち処理では、ベットカウンタの値が最大規定数以上であってクレジットカウンタの値が上限貯留数(具体的には「50」)以上である場合(ステップS409:YES)、受付禁止処理を実行する(ステップS410)。受付禁止処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を停止することでセレクタ52を受付禁止状態に設定する。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。なお、既に受付禁止状態である場合にはその状態を維持させる。一方、ベットカウンタの値が最大規定数未満である場合又はクレジットカウンタの値が上限貯留数未満である場合(ステップS409:NO)、受付許可処理を実行する(ステップS411)。受付許可処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を開始することでセレクタ52を受付許可状態に設定する。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。なお、既に受付許可状態である場合にはその状態を維持させる。
【0082】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正を監視するための第1非特定制御処理を実行する(ステップS412)。当該第1非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0083】
開始待ち処理では、精算ボタン51が操作されている場合であって(ステップS413:YES)、自動投入処理(ステップS402)が実行されていない場合(ステップS414:NO)、ベットカウンタ及びクレジットカウンタの合計数に対応するメダルがメダル排出口58を介してメダル受け皿59に排出されるようにするためにホッパ装置53を駆動制御する(ステップS415)。これにより、内部的に貯留された遊技媒体が実際のメダルとして遊技者に払い出されることとなる。
【0084】
開始待ち処理では、リセットボタン56に対する不正を監視するための第2非特定制御処理を実行する(ステップS416)。当該第2非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0085】
通常処理(図10)の説明に戻り、ステップS303の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップ304)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS303)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS305)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS303)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、既に説明した受付禁止処理を実行する(ステップS306)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS307)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理(ステップS307)の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS308)。
【0086】
その後、メダル払出処理を実行する(ステップS309)。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合にはクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
【0087】
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS310)。そして、既に説明した受付許可処理を実行する(ステップS311)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
【0088】
通常処理(図10)のステップS307にて実行される抽選処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0089】
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS501)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0?65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
【0090】
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出す(ステップS502)。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。なお、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にBB状態が存在している。ステップS502では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
【0091】
「設定3」である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図13は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図14の説明図を適宜参照する。
【0092】
通常モード用抽選テーブルには、図13に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
【0093】
具体的には、インデックス値IV=1には、ベル当選データと、第1補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図14に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
【0094】
本スロットマシン10においてはストップボタン42?44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42?44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42?44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞?第3補填入賞、ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞、チェリー入賞、第1BB入賞及び第2BB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42?44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
【0095】
インデックス値IV=2には、図13に示すように、ベル当選データと、第2補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
【0096】
インデックス値IV=3には、図13に示すように、ベル当選データと、第3補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
【0097】
インデックス値IV=4には、図13に示すように、第1スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図14に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞が成立しない可能性がある。
【0098】
インデックス値IV=5には、図13に示すように、第2スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図14に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第2スイカ入賞が成立しない可能性がある。
【0099】
インデックス値IV=6には、図13に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図14に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
【0100】
インデックス値IV=7には、図13に示すように、第1BB当選データが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図14に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングよっては、第1BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=8には、図13に示すように、第2BB当選データが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図14に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングよっては、第2BB入賞が成立しない可能性がある。
【0101】
ここで、第1BB当選データ及び第2BB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、第1BB当選データ及び第2BB当選データは、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、第1BB当選データ又は第2BB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては第1BB当選データ及び第2BB当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、第1BB当選データ又は第2BB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
【0102】
インデックス値IV=9?12には、図13に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=9で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が左リール32Lであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
【0103】
図13の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/5.0であり、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は約1/131であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は約1/187であり、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=8の際に当選となる確率は、それぞれ約1/218であり、インデックス値IV=9の際に当選となる確率、インデックス値IV=10の際に当選となる確率、インデックス値IV=11の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=12の際に当選となる確率は、それぞれ約1/28.0である。
【0104】
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=9?12の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図13参照)。これらインデックス値IV=9?12のいずれかに当選する確率は約1/7.0である。そして、インデックス値IV=9?12のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
【0105】
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図15及び図16は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0106】
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図15に示すように、インデックス値IV=1?8のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図13)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1?6には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1?6のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=7?8には通常モード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいていずれかのBB役に当選する確率は同一となっている。
【0107】
インデックス値IV=9以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図15に示すように、インデックス値IV=9?12の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=9?12のいずれかに当選する確率は約1/10.1である。インデックス値IV=9で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=9?12のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
【0108】
第1RTモード用抽選テーブルには、図15に示すように、インデックス値IV=13?18の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=13?18のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
【0109】
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=13で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
【0110】
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=19に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=19において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.7で当選となる。そして、このインデックス値IV=19で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
【0111】
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=9?19にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.9となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/7.0となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
【0112】
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図17及び図18は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0113】
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=1?8のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図13)及び第1RTモード用抽選テーブル(図15)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1?6には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1?6のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=7?8には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいていずれかのBB役に当選する確率は同一となっている。
【0114】
インデックス値IV=9以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=9?14の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=9?14のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
【0115】
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=9で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
【0116】
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=15に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=15において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=15で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
【0117】
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=9?15にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.9となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/7.0となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.9となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
【0118】
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」?「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどBB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、いずれかのBB役に当選している状況であればBB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしても第1BB役及び第2BB役が抽選対象から除外される。また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもBB状態である場合に抽選処理(図12)にて参照されるBB用抽選テーブルが記憶されている。BB用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、ベル役、第1スイカ役及び第2スイカ役の3種類のみが設定されており、ベル役の当選確率は約1/1.1に設定され、第1スイカ役の当選確率は約1/100に設定され、第2スイカ役の当選確率は約1/100に設定されている。これにより、BB状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
【0119】
抽選処理(図12)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS502)、インデックス値IVを「1」とし(ステップS503)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS504)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS501にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
【0120】
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS505)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS506)。当選データの取得処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM74にセットされる。当該当選データがセットされた状態は、その当選データがBB当選データ以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後に「0」クリアされ、BB当選データであれば入賞が成立した場合に「0」クリアされる。
【0121】
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS505:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(ステップS507)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS508)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS504に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS504では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS505では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
【0122】
ステップS506の処理を実行した場合、又はステップS508にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行した後に(ステップS509)、演出内容の決定処理を実行する(ステップS510)。演出内容の決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。当該大枠の内容として、BB状態又は後述するAT状態が発生することの期待度が徐々に低くなるように高期待度内容と中期待度内容と低期待度内容とが設定されている。演出内容の決定処理では所定ゲーム数以内にAT状態に移行するか否かという条件と、今回のゲームにおいて当選となっている役という条件との組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
【0123】
BB状態及びAT状態ではない状況について具体的には、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選した場合には98%の確率で高期待度内容が選択されるとともに2%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選しなかった場合には80%の確率で高期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況においてBB役に当選した場合には70%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各15%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7?10のいずれかに当選している場合には30%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各35%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7?10のいずれにも当選していない場合には80%の確率で低期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択される。
【0124】
演出内容の決定処理において決定された大枠の内容に対応する情報をゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS511)。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容を演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0125】
演出側MPU82は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、後述する報知用処理(図44)におけるその他の処理にて、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握し、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を抽選により決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM83から演出側RAM84に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
【0126】
ここで、主側MPU72における演出内容の決定処理では全ての遊技状態において、インデックス値IV=1?3のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行されるとともに、インデックス値IV=9以降のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行される。そして、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行される場合を除き、インデックス値IV=1?3及びインデックス値IV=9以降のいずれかに当選している場合においてその個別のインデックス値IVを特定可能とする情報が、主側MPU72から演出側MPU82に送信されない。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されていないにも関わらず、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63などの演出実行手段においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されてしまわないようにすることが可能となる。
【0127】
その後、報知制御処理を実行する(ステップS512)。報知制御処理では、詳細は後述するが、特別表示部67の表示制御を行うための処理を実行するとともに、特別表示部67における表示内容に対応する報知が画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。
【0128】
<リール制御処理>
次に、通常処理(図10)のステップS308にて実行されるリール制御処理について説明する。リール制御処理の説明に先立ち、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33についてより詳細に説明する。
【0129】
図19(a)はステッピングモータ33の駆動系を示す接続図であり、図19(b)はステッピングモータ33の駆動特性を示す図である。図20は相励磁の内容を説明するための説明図である。
【0130】
ステッピングモータ33として、ハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型に限らず、種々のステッピングモータを使用することができる。
【0131】
ハイブリッド型のステッピングモータ33は、図19(a)に示すように、中央に配置された回転子91と、回転子91の周囲に配置され第1?第4ポール92?95を有する固定子90とを備えている。回転子91は、N極に看破された手前側回転子91aと、S極に看破された奥側回転子91bとで構成され、手前側回転子91aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子91bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子91aと奥側回転子91bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
【0132】
第1ポール92と第3ポール94には、図19(b)に示すように、励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール93と第4ポール95にも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
【0133】
第1ポール92の励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール92をS極に励磁するとともに第3ポール94をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール94の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール92をN極に励磁するとともに第3ポール94をS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール93の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール93をS極に励磁するとともに第4ポール95をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール95の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール93をN極に励磁するとともに第4ポール95をS極に励磁する相を逆B相と称する。
【0134】
ステッピングモータ33に対する励磁信号は励磁データとして、図19(b)に示すモータドライバ96に与えられる。この励磁データは主側RAM74に格納されており、タイマ割込み処理によって適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ33に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
【0135】
ステッピングモータ33が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子91を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール92の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第3ポール94の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール93の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第4ポール95の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール92の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第3ポール94の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール93の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第4ポール95の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子91は図19(a)において時計方向に回転する。
【0136】
本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転となるまでの加速期間及び定速回転を維持させるための期間においては、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動では以下の(1)?(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。すなわち、1組のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図20に示すように1-2相励磁駆動は、(1)A相に通電し(1相励磁)、(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様、(3)B相に通電し、(4)B相と逆A相の両方に通電し、(5)逆A相に通電し、(6)逆A相と逆B相の両方に通電し、(7)逆B相に通電し、(8)逆B相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。本実施形態では504パルスの励磁信号によりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
【0137】
図21(a)は、リール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合における励磁パターンが設定された加速用テーブルを説明するための説明図である。
【0138】
加速時の初期励磁相としては、特定の励磁相のみを駆動する1相励磁の他に特定の2つの励磁相を同時に駆動する2相励磁が考えられる。リールの大きさやイナーシャなどによっても相違するが、通常のスロットマシンであれば1相励磁でもリールを初速ゼロから加速させることが可能である。しかしながら、2相励磁の方が1相励磁よりも回転トルクが大きいため、十分な初速を得るためには初期励磁は2相励磁の方が好ましい。
【0139】
図21(a)に示す励磁パターンでは、1.49msecごとの割込みタイミングに同期して2相励磁に設定してからは130割込みの間、この励磁状態を保持する。なお、初期励磁としての2相励磁は、図20に示した励磁順2、励磁順4、励磁順6及び励磁順8のうち前回の回転停止時の励磁相に対応した励磁順が選択されることとなる。
【0140】
2相励磁の状態を130割込みに亘って保持した後は、1-2相励磁を交互に繰り返すが、相励磁の保持期間として、図21(a)に示すように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。具体的には、初期励磁である2相励磁に続く1相励磁が8割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるというように、保持期間が徐々に短くなるように設定されている。そして、最終的に2割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返され、最後には1相励磁が2割込みに亘って行われるように設定されている。このように加速用テーブルの最後が1相励磁であるため、定速回転期間における最初の相励磁の種類は2相励磁となる。このように各相励磁における保持期間を定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができるとともに、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。
【0141】
主側ROM73には加速用テーブルが2種類設定されており、これら2種類の加速用テーブルのうち一方は加速順序の数すなわちステップ数が図21(a)のように24ステップに設定されており、他方は加速順序の数すなわちステップ数が図21(a)の場合よりも多い26ステップに設定されている。この場合、26ステップの加速用テーブルでは、25番目の加速順序では1割込みに亘って2相励磁が行われるとともに、26番目の加速順序では1割込みに亘って1相励磁が行われる。これにより、26ステップの加速用テーブルにおける最後の相励磁の種類は24ステップの加速用テーブルと同様に1相励磁となるため、いずれの加速用テーブルが利用される場合であっても定速回転期間における最初の相励磁の種類は2相励磁となる。
【0142】
また、26ステップの加速用テーブルの方が24ステップの加速用テーブルよりも加速期間が長くなる。但し、これに限定されることはなく、例えば最初の加速順序における割込み数を26ステップの加速用テーブルの方が24ステップの加速用テーブルよりも少なくするとともに、その少なくした分の割込み数を、26ステップの加速用テーブルにおける25番目の加速順序の割込み数と26番目の加速順序の割込み数との和と同数とする構成としてもよい。これにより、いずれの加速用テーブルが利用される場合であっても加速期間を同一又は略同一とすることが可能となる。
【0143】
ステッピングモータ33を停止させる際には4相励磁が利用される。4相励磁では、A相、逆A相、B相及び逆B相の全てを励磁する。相反する2相を励磁した場合には磁束を打ち消し合うことになるが、ステッピングモータ33の回転中は誘導電圧によって逆起電力が生じ、例えばA相と逆A相とに流れる電流の差分のトルクが発生する。そして、4相励磁とした場合、相反する2相同士において当該トルクが発生する。したがって、4相励磁であっても制動力を生じさせることが可能である。但し、4相励磁をした場合における制動力は、1相励磁の場合よりも小さい。
【0144】
4相励磁を利用してステッピングモータ33が停止される場合について図21(b)の説明図を参照しながら説明する。図21(b)は、リール32L,32M,32Rの回転を停止させる場合における励磁パターンが設定された停止用テーブルを説明するための説明図である。
【0145】
ステッピングモータ33が停止される場合、図21(b)に示すように、1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されている状況において停止指令が発生することにより4相励磁が開始される。この場合、4相励磁が開始されるタイミングは、1割込みに亘って2相励磁が実行された後のタイミングに定められている。この4相励磁は、100割込み(149msec)に亘って継続される。そして、100割込みに亘って4相励磁を行った後は、1相励磁を34割込み(50.7msec)に亘って行った後に、当該1相励磁を終了させる。この1相励磁の対象となる相は、目標とする停止角度の位置に対応する1相となっている。
【0146】
上記のように制動の開始に際して最も制動力が弱い4相励磁を利用することによりステッピングモータ33の回転子91を滑らかに停止させることが可能となる。但し、制動力が弱いことに起因して4相励磁を行った場合、4相励磁を開始したタイミングから慣性によってある程度は回転子91が進むこととなる。この慣性で進むステップ数はリールユニット31の仕様によって相違するものであり、そのステップ数はリールユニット31を利用した実験によって設計段階である程度は把握することが可能であるものの一定とはならずにある程度のばらつきが生じ得る。これに対して、4相励磁を所定期間に亘って行った後に、目標とする停止角度の位置に対応する1相を対象とした1相励磁を所定期間に亘って行うことにより、停止位置を設計した位置とすることが可能となる。
【0147】
主側ROM73には停止用テーブルが2種類設定されており、これら2種類の停止用テーブルのうち一方は後述する24ステップに対応する図柄を目標とする所定の位置に停止させる場合に利用され、他方は後述する26ステップに対応する図柄を目標とする所定の位置に停止させる場合に利用される。図21(b)に示す停止用テーブルは24ステップに対応する停止用テーブルであり、26ステップに対応する停止用テーブルは4相励磁を行う期間が24ステップに対応する停止用テーブルの場合よりも長く設定されており、具体的には105割込みに設定されている。これにより、26ステップに対応する停止用テーブルを利用した方が、24ステップに対応する停止用テーブルを利用した場合よりも、慣性で進むステップ数が2ステップ分多くなる。
【0148】
但し、これに限定されることはなく、所定の位置に停止させる図柄が24ステップに対応する図柄及び26ステップに対応する図柄のいずれであっても同一の停止用テーブルを利用する構成としてもよい。この場合、24ステップに対応する図柄を停止させる場合及び26ステップに対応する図柄を停止させる場合のいずれであっても、所定の位置に停止させる図柄に対応するステップ数のうち最後のステップとなる回転位置にてリール32L,32M,32Rが停止するように、26ステップに対応する図柄が所定の位置に存在していると把握される状態となってから停止用テーブルの利用が開始されるまでの期間を、24ステップに対応する図柄が所定の位置に存在していると把握される状態となってから停止用テーブルの利用が開始されるまでの期間よりも長くする必要がある。
【0149】
次に、ステッピングモータ33のステップ数を利用してリール32L,32M,32Rの回転位置の管理を行うための構成について説明する。
【0150】
既に説明したとおり本スロットマシン10では各リール32L,32M,32Rの各ベルト上に20個の図柄が描かれている。これに対して、各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33及び円筒骨格部材34はベルト上に21個の図柄が付されているリールに対して利用されていたものが流用されており、1回転するために要するステップ数は504ステップとなっている。この場合、リールに付されている図柄数が21個であれば、所定の位置(表示窓部21L,21M,21Rから視認可能は範囲における各リール32L,32M,32Rの下段の位置)においてある図柄から次の図柄へ切り換える場合に必要なステップ数(すなわち各図柄に割り当てられているステップ数)は24ステップで一定となる。しかしながら、リール32L,32M,32Rに付されている図柄数が20個であれば、図柄の切り換えに必要なステップ数を24ステップで一定とすると総ステップ数が504ステップ未満となってしまい、25ステップで一定としたとしても総ステップ数が504ステップ未満となってしまい、26ステップで一定とすると総ステップ数が504ステップを超えてしまう。その一方、図柄の切り換えに必要なステップ数を図柄毎に大きく相違させるとそれに応じて各図柄のサイズが大きく相違してしまうとともに、所定の位置に存在している図柄の種類の管理が行いづらくなる。さらにまた、既に説明したとおりリール32L,32M,32Rを停止させる場合には最終的に1相励磁を行うこととなるとともに、各リール32L,32M,32Rを停止させる場合には所定の位置に停止表示される図柄に割り当てられている最後のステップ数に対応する励磁が行われた位置にて当該図柄が停止表示されるように停止制御が行われるため、各図柄に割り当てられているステップ数のうち最後のステップ数に対応する励磁は1相励磁であることが好ましい。
【0151】
上記のような事情において本スロットマシン10では、各図柄に割り当てられているステップ数として24ステップと26ステップとの2種類が利用されている。図22(a)は26ステップが割り当てられている図柄が所定の位置に存在していると認識される場合における各ステップ数と相励磁の関係とを説明するための説明図であり、図22(b)は24ステップが割り当てられている図柄が所定の位置に存在していると認識される場合における各ステップ数と相励磁の関係とを説明するための説明図である。図22(a)及び図22(b)に示すように、26ステップの場合及び24ステップの場合のいずれであっても、1ステップ毎に2相励磁と1相励磁とが交互に切り換えられる。そして、26ステップの場合及び24ステップの場合のいずれであっても、最初のステップ数(図22(a)では「26」の場合、図22(b)では「24」の場合)における励磁は2相励磁で共通しているとともに、最後のステップ数(「1」の場合)における励磁は1相励磁で共通している。これにより、26ステップ及び24ステップのいずれが割り当てられた図柄であっても最後のステップ数は1相励磁とすることが可能となる。また、26ステップの図柄と24ステップの図柄とがどの順番で配列されたとしても所定の位置に存在している図柄の最後のステップ数が1相励磁となるとともにその次の図柄の最初のステップ数が2相励磁となり、定速回転においては図柄を跨ぐ場合であっても2相励磁と1相励磁とが交互に切り換えられることとなる。
【0152】
図23は各リール32L,32M,32Rの各図柄に割り当てられているステップ数を説明するための説明図である。各リール32L,32M,32Rにおいて20個の図柄はリール32L,32M,32Rの周回方向に連続する5個の図柄を1個のグループとして、第1グループ、第2グループ、第3グループ及び第4グループの4個のグループに分類されている。
【0153】
第1グループは0番の図柄?4番の図柄であり、第2グループは5番の図柄?9番の図柄であり、第3グループは10番の図柄?14番の図柄であり、第4グループは15番の図柄?19番の図柄である。各グループにおいてリール32L,32M,32Rの回転方向の先頭に存在している図柄(0番の図柄、5番の図柄、10番の図柄、15番の図柄)は26ステップが割り当てられており、回転方向の次に存在している図柄(1番の図柄、6番の図柄、11番の図柄、16番の図柄)は24ステップが割り当てられており、回転方向の次に存在している図柄(2番の図柄、7番の図柄、12番の図柄、17番の図柄)は26ステップが割り当てられており、回転方向の次に存在している図柄(3番の図柄、8番の図柄、13番の図柄、18番の図柄)は24ステップが割り当てられており、回転方向の次に存在している図柄、すなわち各グループにおいてリール32L,32M,32Rの回転方向の最後尾に存在している図柄(4番の図柄、9番の図柄、14番の図柄、19番の図柄)は26ステップが割り当てられている。
【0154】
つまり、各グループにおいて回転方向の先頭を1番目とした場合に1番目、3番目及び5番目に存在している図柄には26ステップが割り当てられており、2番目及び4番目に存在している図柄には24ステップが割り当てられている。この場合、24ステップが割り当てられている図柄の数が8個となり26ステップが割り当てられている図柄の数が12個となるため、合計のステップ数は各リール32L,32M,32Rの1周分に相当する504ステップとなる。また、上記のようにステップ数の配列態様が各グループにおいて一定となっていることにより、各グループにおける図柄の順序に基づき、各図柄のステップ数が26ステップ及び24ステップのうちいずれであるのかを特定することが可能となる。
【0155】
各リール32L,32M,32Rの各図柄には図柄管理データが設定されている。図柄管理データは所定の位置に存在している図柄の種類を管理するためのデータであり、各図柄に設定されている図柄管理データのデータ量は1バイトとなっている。当該1バイトのデータのうち上位の4ビットにグループ情報が設定されており、下位の4ビットに図柄順序情報が設定されている。グループ情報は図柄が第1グループ?第4グループのいずれのグループに属しているのかを示す情報であり、「0」が第1グループに対応しており、「1」が第2グループに対応しており、「2」が第3グループに対応しており、「3」が第4グループに対応している。また、図柄順序情報は図柄が各グループにおいて回転方向の先頭から何番目に存在しているのかを示す情報であり、「0」が1番目に対応しており、「1」が2番目に対応しており、「2」が3番目に対応しており、「3」が4番目に対応しており、「4」が5番目に対応している。したがって、図柄管理データは、例えば19番の図柄であれば16進数で「34H」となり、10番の図柄であれば16進数で「20H」となり、7番の図柄であれば16進数で「12H」となり、1番の図柄であれば16進数で「01H」となる。
【0156】
上記のように図柄管理データが設定されていることにより、図柄管理データの下位4ビットに設定されている図柄順序情報のみを参照することで、所定の位置に存在している図柄に割り当てられているステップ数を特定することが可能となる。特に、上記のように図柄管理データが設定された構成においては各グループにおいて先頭の図柄、3番目の図柄及び5番目の図柄は図柄管理データの最下位のビットが「0」となり、2番目の図柄及び4番目の図柄は図柄管理データの最下位のビットが「1」となる。これに対して、先頭の図柄、3番目の図柄及び5番目の図柄は既に説明したとおり26ステップが割り当てられるとともに、2番目の図柄及び4番目の図柄は既に説明したとおり24ステップが割り当てられる。これにより、図柄管理データの最下位のビットを参照するだけで、所定の位置に存在している図柄に割り当てられているステップ数を特定することが可能となる。よって、当該ステップ数を特定するための処理構成を簡素化することが可能となる。
【0157】
また、各グループに含まれている図柄数が同一であるため、所定の位置に存在している図柄の図柄管理データにおける下位4ビットの値が16進数で「4」である場合にはその次に所定の位置に存在することとなる図柄は一義的に次のグループの先頭の図柄となる。これにより、図柄管理データによる図柄の管理を行い易くなる。
【0158】
以下、図24のフローチャートを参照しながらリール制御処理について説明する。
【0159】
まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS601)。回転開始処理では、前回のゲームで役の抽選処理(図12)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にて各リール32L,32M,32Rを駆動制御するための処理が開始される。
【0160】
図25は左リール32Lのステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。なお、中リール32M及び右リール32Rのそれぞれに対してもステッピングモータ制御処理が実行されるが、その処理構成は左リール32Lのステッピングモータ制御処理と同一である。
【0161】
左リール32Lが回転していない状況であって左リール32Lの回転開始タイミングである場合(ステップS701:NO、ステップS702:YES)、主側ROM73から加速用テーブル(図21(a)参照)を読み出し(ステップS703)、当該加速用テーブルに従って左リール32Lの回転を開始させる(ステップS704)。そして、加速期間においては(ステップS701及びステップS705:YES)、上記加速用テーブルに従って加速用処理を実行する(ステップS706)。これにより、左リール32Lが定速回転に向けて加速されることとなる。
【0162】
ここで、加速用テーブルの読み出しに際しては、回転開始時において所定の位置に停止している図柄の図柄管理データを把握することにより、当該図柄の次に所定の位置を通過することとなる図柄が24ステップの図柄及び26ステップの図柄のうちいずれであるのかを把握する。そして、24ステップの図柄である場合には既に説明した24ステップの加速用テーブルを主側ROM73から読み出して加速用処理を実行し、26ステップの図柄である場合には既に説明した26ステップの加速用テーブルを主側ROM73から読み出して加速用処理を実行する。これにより、左リール32Lの回転開始時に所定の位置に停止している図柄に対応した態様で加速用処理を実行することが可能となり、左リール32Lが定速回転となっている状況における駆動制御を行い易くなる。
【0163】
加速用処理を実行した後は、ステップ数監視処理を実行する(ステップS713)。なお、ステップ数監視処理は、後述するステップS709、ステップS711及びステップS712の各処理を実行した後も実行する。図26はステップ数監視処理を示すフローチャートである。
【0164】
ステップ数監視処理では、まずステップ数の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS801)。左リール32Lのステッピングモータ33に1パルスの励磁信号を新たに与えた場合にはステップ数の更新タイミングであると判定する。また、左リール32Lの停止期間において4相励磁を行っている状況では励磁信号が新たに与えられていなくても左リール32Lの回転位置が変化するため、4相励磁を行っている状況ではスロットマシン10の設計段階において決定された更新契機の割込み数が発生する度にステップ数の更新タイミングであると判定する。
【0165】
ステップ数の更新タイミングである場合(ステップS801:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたステップ数カウンタ111(図7参照)の値を1減算する(ステップS802)。ステップ数カウンタ111は、所定の位置(左リール32Lにおいて表示窓部21Lから視認可能な範囲における下段の位置)に存在しているとして管理対象となっている図柄に割り当てられているステップ数のうち残りのステップ数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。後述するステップS812又はステップS813にて、各グループにおける図柄の順序に応じて「26」又は「24」をステップ数カウンタ111にセットし、そのセットされた値をステップ数の更新タイミングとなる度に1減算する。なお、ステップ数カウンタ111は各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられている。
【0166】
1減算後におけるステップ数カウンタ111の値が「0」となった場合には(ステップS803:YES)、管理対象の図柄を次の順番の図柄に更新するための処理を実行する。具体的には、まず主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた図柄管理カウンタ112(図7参照)における下位4ビットの値を1加算する(ステップS804)。図柄管理カウンタ112は図柄管理データと同様に1バイトのデータ量となっており、現状の管理対象となっている図柄に対応する図柄管理データを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。図柄管理カウンタ112の下位4ビットは図柄順情報に対応しており、図柄管理カウンタ112の上位4ビットはグループ情報に対応している。なお、図柄管理カウンタ112は各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられている。
【0167】
1加算後における図柄管理カウンタ112において下位4ビットの値が最大値である「4」よりも大きい場合(ステップS805:YES)、図柄管理カウンタ112における上位4ビットの値を1加算するとともに(ステップS806)、図柄管理カウンタ112における下位4ビットの値を「0」クリアする(ステップS807)。また、1加算後における図柄管理カウンタ112の上位4ビットの値が最大値である「3」よりも大きい場合(ステップS808:YES)、図柄管理カウンタ112の全ビットを「0」クリアする(ステップS809)。
【0168】
上記のようにステップS804?ステップS809の処理が実行されることにより、図柄管理カウンタ112の値が次の順番の図柄に対応する値となる。例えば、0番の図柄に対応する値である「00H」が図柄管理カウンタ112に設定されている状況においてステップS804の処理が実行された場合、ステップS806、ステップS807及びステップS809の処理は実行されずに、図柄管理カウンタ112の値は1番の図柄に対応する値である「01H」となる。また、例えば4番の図柄に対応する「04H」が図柄管理カウンタ112に設定されている状況においてステップS804の処理が実行された場合、さらにステップS806及びステップS807の処理が実行されることで、図柄管理カウンタ112の値は5番の図柄に対応する値である「10H」となる。また、例えば19番の図柄に対応する「34H」が図柄管理カウンタ112に設定されている状況においてステップS804の処理が実行された場合、さらにステップS806、ステップS807及びステップS809の処理が実行されることで、図柄管理カウンタ112の値は0番の図柄に対応する値である「00H」となる。
【0169】
ステップ数監視処理では、1減算後におけるステップ数カウンタ111の値が「0」ではない場合であっても(ステップS803:NO)、左リール32Lのリールインデックスセンサ36の検出状態がON状態である場合には(ステップS810:YES)、図柄管理カウンタ112の全ビットを「0」クリアする(ステップS809)。これにより、左リール32Lが1周したことがリールインデックスセンサ36により検出された場合には、管理対象の図柄が強制的に0番の図柄となる。
【0170】
ステップ数監視処理では、ステップS805にて否定判定をした場合、ステップS808にて否定判定をした場合、又はステップS809の処理を実行した場合、図柄管理カウンタ112の最下位のビットが「0」であるか否かを判定する(ステップS811)。最下位のビットが「0」である場合(ステップS811:YES)、新たに管理対象となった図柄は各グループにおいて先頭の図柄、3番目の図柄及び5番目の図柄のいずれかであることを意味する。したがって、ステップ数カウンタ111に「26」をセットする(ステップS812)。一方、最下位のビットが「1」である場合(ステップS811:NO)、新たに管理対象となった図柄は各グループにおいて2番目の図柄及び4番目の図柄のいずれかであることを意味する。したがって、ステップ数カウンタ111に「24」をセットする(ステップS813)。
【0171】
左リール32Lのステッピングモータ制御処理(図25)の説明に戻り、加速期間が終了した後における定速期間においては(ステップS701:YES、ステップS705、ステップS707及びステップS710:NO)、定速用処理を実行する(ステップS712)。定速用処理では、現状のステップ数カウンタ111の値に基づき2相励磁及び1相励磁のうちいずれを実行するのかを特定する。具体的には、ステップ数カウンタ111の値が偶数である場合には2相励磁を行うように励磁信号を出力し、ステップ数カウンタ111の値が奇数である場合には1相励磁を行うように励磁信号を出力する。
【0172】
なお、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの加速期間においては各ストップボタン42?44の停止操作を無効なものとして扱い、加速期間が終了して各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となることにより各ストップボタン42?44の停止操作を有効なものとして扱う。また、主側MPU72は、加速期間や後述する無効期間を含めてストップボタン42?44の操作が無効化されている場合にはストップボタン42?44の図示しないランプを消灯させることにより無効化されていることを遊技者に報知し、各ストップボタン42?44の操作が有効化されている場合には停止指令が発生していないストップボタン42?44のランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能であることを遊技者に報知する。
【0173】
リール制御処理(図24)の説明に戻り、回転開始処理(ステップS601)を実行した後は、全リール32L,32M,32Rが停止してしないことを条件として(ステップS602:NO)、ステップS603?ステップS615の処理を実行する。具体的には、まず投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正を監視するための第3非特定制御処理を実行する(ステップS603)。当該第3非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0174】
その後、ストップボタン42?44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS604)。いずれかのストップボタン42?44が操作されている場合には(ステップS604:YES)、その操作がリール32L,32M,32Rの停止指令の発生契機となる有効な操作であるか否かを判定するための有効操作判定処理を実行する(ステップS605)。有効操作判定処理の詳細内容は後述するが、今回の操作がリール32L,32M,32Rの停止指令の発生契機となる有効な操作である場合には主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた停止指令フラグに「1」がセットされる。なお、停止指令フラグは各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。
【0175】
いずれかの停止指令フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS606:YES)、その停止指令フラグを「0」クリアした後に(ステップS607)、停止指令コマンドをセットする。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42?44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく演出側MPU82に送信されるコマンドである。
【0176】
その後、ストップボタン42?44が操作されたタイミングで所定の位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS609)。具体的には、主側RAM74の図柄管理カウンタ112に設定されている値を、主側ROM73において後述する特定制御用のデータとして記憶されている図柄管理データテーブル121(図7参照)に照合することで、現状の管理対象となっている図柄の図柄番号を確認する。図柄管理データテーブル121は各リール32L,32M,32Rに対して共通のテーブルであり、図柄管理データと図柄番号との対応関係が1対1で定められている。
【0177】
その後、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を把握する(ステップS610)。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42?44が操作された場合に、所定の位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS610では、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」?「4」のいずれかの値を把握する。当該停止情報は、抽選処理(図12)における停止情報第1設定処理(ステップS509)において主側ROM73における後述する特定制御用のデータから主側RAM74に読み出されるとともに、リール制御処理(図24)における停止情報第2設定処理(ステップS615)においてリール32L,32M,32Rの停止態様に応じて適宜変更される。その後、把握したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、所定の位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS611)。
【0178】
停止図柄の図柄番号を決定した後は、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS612)。制動対象フラグは、停止制御の開始条件が成立しているものの停止制御が完了していないリール32L,32M,32Rが存在していることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。制動対象フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS612:NO)、ステップS602の処理に戻る。
【0179】
制動対象フラグに「1」がセットされている場合(ステップS612:YES)、停止制御の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS613)。図柄管理カウンタ112の値が停止図柄の図柄番号に対応する値となっている場合であって、ステップ数カウンタ111の値が、停止用テーブル(図21(b)参照)に従った停止制御を開始することで今回の停止図柄に割り当てられている最後のステップ数に対応する励磁が行われた場合に存在することとなる位置に当該図柄が停止表示されることに対応する値となっている場合に、停止制御の開始タイミングであると判定する。停止制御の開始タイミングではない場合(ステップS613:NO)、ステップS602の処理に戻る。停止制御の開始タイミングである場合(ステップS613:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた停止開始フラグに「1」をセットする(ステップS614)。停止開始フラグは、停止用テーブルを利用した停止制御を開始すべきことを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられている。
【0180】
詳細は後述するが本スロットマシン10では複数のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御が開始されることが有り得る。したがって、ステップS613では、停止制御の対象となっているリール32L,32M,32Rが複数存在している場合、停止制御の対象となっているリール32L,32M,32Rのそれぞれについて停止制御の開始タイミングであるか否かを判定する。そして、ステップS614では、停止制御の開始タイミングであると判定したリール32L,32M,32Rに対応する停止開始フラグに「1」をセットする。
【0181】
左リール32Lについて停止開始フラグに「1」がセットされた場合、左リール32Lのステッピングモータ制御処理(図25)におけるステップS707にて肯定判定をする。なお、当該肯定判定を行った場合にこの停止開始フラグを「0」クリアする。この場合、主側ROM73における後述する特定制御用のデータに設けられた停止用テーブル(図21(b)参照)を読み出し(ステップS708)、当該停止用テーブルに従った停止制御を開始する(ステップS709)。そして、当該停止制御が行われている期間においては(ステップS710:YES)、上記停止用テーブルに従って停止用処理を実行する(ステップS711)。これにより、今回決定された停止図柄が、当該停止図柄に割り当てられている最後のステップに対応する相励磁が行われた場合に存在することとなる位置にて停止表示される。
【0182】
ここで、停止用テーブルの読み出しに際しては、停止図柄の図柄管理データを把握することにより、当該停止図柄が24ステップの図柄及び26ステップの図柄のうちいずれであるのかを把握する。そして、24ステップの図柄である場合には既に説明した24ステップの停止用テーブルを主側ROM73から読み出して停止用処理を実行し、26ステップの図柄である場合には既に説明した26ステップの停止用テーブルを主側ROM73から読み出して停止用処理を実行する。これにより、停止図柄に対応した態様で停止用処理を実行することが可能となり、24ステップの図柄及び26ステップの図柄のいずれであっても、今回決定された停止図柄が、当該停止図柄に割り当てられている最後のステップに対応する相励磁が行われた場合に存在することとなる位置にて停止表示されることとなる。
【0183】
ちなみに、複数のリール32L,32M,32Rの停止開始フラグに同時に「1」がセットされることが考えられ、この場合には停止開始フラグに「1」がセットされている各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応するステッピングモータ制御にて上記のような停止制御が行われる。この場合、その停止制御に際して利用される停止用テーブル(図21(b))はいずれのリール32L,32M,32Rに対しても同一である。つまり、主側ROM73には各リール32L,32M,32Rに対して共通の停止用テーブルが記憶されており、いずれのリール32L,32M,32Rの停止制御が行われる場合であってもその共通の停止用テーブルが読み出される。当該構成においては、共通の停止用テーブルが複数のリール32L,32M,32Rのそれぞれに対応させて、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに同時に複数読み出されることがある。但し、当該構成に限定されることはなく主側ROM73に停止用テーブルが各リール32L,32M,32Rに対応させて複数種類記憶されている構成としてもよい。
【0184】
リール制御処理(図24)の説明に戻り、ステップS614の処理を実行した後は、停止情報第2設定処理を行い(ステップS615)、ステップS602に戻る。停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(図12)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42?44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」?「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリテーブルが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73の後述する特定制御用のデータとして記憶されている。
【0185】
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図12)のステップS509にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図24)のステップS615にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じてスベリテーブルを設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データ、リール32L,32M,32Rの停止順序、及び停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目に基づいてスベリテーブルを変更する。
【0186】
ここで、上記のとおり各リール32L,32M,32Rにおいて各図柄は第1グループ?第4グループに分類されているが、同一のリール32L,32M,32Rにおいては各グループの図柄配列が共通する配列となっている。左リール32Lについて具体的には、各グループに「リプレイ」図柄が1個存在しているが、「リプレイ」図柄は各グループにおいて2番目(第1グループであれば1番、第2グループであれば6番、第3グループであれば11番、第4グループであれば16番)に配置されている。この場合、左リール32Lには「リプレイ」図柄が4個存在することとなるが、1個の「リプレイ」図柄と周回方向の次に配置されている「リプレイ」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、各グループに「ベル」図柄が1個存在しているが、「ベル」図柄は各グループにおいて5番目(第1グループであれば4番、第2グループであれば9番、第3グループであれば14番、第4グループであれば19番)に配置されている。この場合、左リール32Lには「ベル」図柄が4個存在することとなるが、1個の「ベル」図柄と周回方向の次に配置されている「ベル」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、第1グループ及び第3グループには「白7」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「BAR」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて1番目(第1グループであれば0番、第2グループであれば5番、第3グループであれば10番、第4グループであれば15番)に配置されている。また、第1グループ及び第3グループには「赤7」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「チェリー」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて3番目(第1グループであれば2番、第2グループであれば7番、第3グループであれば12番、第4グループであれば17番)に配置されている。また、第1グループ及び第3グループには「LUCKY」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「スイカ」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて4番目(第1グループであれば3番、第2グループであれば8番、第3グループであれば13番、第4グループであれば18番)に配置されている。
【0187】
上記構成においては左リール32Lの各グループでは、1番目に「白7」図柄又は「BAR」図柄が配置され、2番目に「リプレイ」図柄が配置され、3番目に「赤7」図柄又は「チェリー」図柄が配置され、4番目に「LUCKY」図柄又は「スイカ」図柄が配置され、5番目に「ベル」図柄が配置されていることとなる。この場合、スベリテーブルとして、左リール32Lの全ての図柄に対してスベリ数が1対1で対応させて設定されたデータを用意する必要はなく、1個のグループに含まれる5個の図柄に対してスベリ数が1対1で対応させて設定されたデータを用意すれば足りる。
【0188】
図27(a)はIV=4で当選となった場合に左リール32Lにおいて利用されるスベリテーブルT1を説明するための説明図である。当該スベリテーブルT1には、図柄管理データの下位4ビットに設定される情報である「0」?「4」の5種類の図柄順情報に1対1で対応させてスベリ数のデータが設定されている。例えば、図柄順情報が「0」である場合のスベリ数が「2」に設定されているため、IV=4で当選となっている場合において所定の位置である下段に0番、5番、10番及び15番のうちのいずれかの図柄が存在している状況で左ストップボタン42が操作された場合には下段に2番、7番、12番又は17番の図柄が最終的に停止する。この場合、7番又は17番の図柄が下段に停止した場合には左リール32LにおけるメインラインML上の位置にIV=4の当選役データに対応する第1スイカ入賞の成立を可能とする「スイカ」図柄が停止し、2番又は12番の図柄が下段に停止した場合には左リール32LにおけるメインラインML上の位置に「スイカ」図柄の代替図柄として「LUCKY」図柄が停止する。また、例えば、図柄順情報が「3」である場合のスベリ数が「4」に設定されているため、IV=4で当選となっている場合において所定の位置である下段に3番、8番、13番及び18番のうちのいずれかの図柄が存在している状況で左ストップボタン42が操作された場合には下段に7番、12番、17番又は2番の図柄が最終的に停止する。この場合、7番又は17番の図柄が下段に停止した場合には左リール32LにおけるメインラインML上の位置にIV=4の当選役データに対応する第1スイカ入賞の成立を可能とする「スイカ」図柄が停止し、2番又は12番の図柄が下段に停止した場合には左リール32LにおけるメインラインML上の位置に「スイカ」図柄の代替図柄として「LUCKY」図柄が停止する。このように1個のグループに含まれる5個の図柄に対してのみスベリ数が設定されたスベリテーブルT1を全てのグループに利用する構成であることにより、各スベリテーブルT1のデータ容量を小さくすることが可能となり、結果的に主側ROM73においてスベリテーブルT1を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0189】
中リール32Mについて具体的には、各グループに「スイカ」図柄が1個存在しているが、「スイカ」図柄は各グループにおいて1番目(第1グループであれば0番、第2グループであれば5番、第3グループであれば10番、第4グループであれば15番)に配置されている。この場合、中リール32Mには「スイカ」図柄が4個存在することとなるが、1個の「スイカ」図柄と周回方向の次に配置されている「スイカ」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、各グループに「ベル」図柄が1個存在しているが、「ベル」図柄は各グループにおいて4番目(第1グループであれば3番、第2グループであれば8番、第3グループであれば13番、第4グループであれば18番)に配置されている。この場合、中リール32Mには「ベル」図柄が4個存在することとなるが、1個の「ベル」図柄と周回方向の次に配置されている「ベル」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、各グループに「リプレイ」図柄が1個存在しているが、「リプレイ」図柄は各グループにおいて5番目(第1グループであれば4番、第2グループであれば9番、第3グループであれば14番、第4グループであれば19番)に配置されている。この場合、中リール32Mには「リプレイ」図柄が4個存在することとなるが、1個の「リプレイ」図柄と周回方向の次に配置されている「リプレイ」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、第1グループ及び第3グループには「白7」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「赤7」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて2番目(第1グループであれば1番、第2グループであれば6番、第3グループであれば11番、第4グループであれば16番)に配置されている。また、第1グループ及び第3グループには「BAR」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「チェリー」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて3番目(第1グループであれば2番、第2グループであれば7番、第3グループであれば12番、第4グループであれば17番)に配置されている。
【0190】
上記構成においては中リール32Mの各グループでは、1番目に「スイカ」図柄が配置され、2番目に「白7」図柄又は「赤7」図柄が配置され、3番目に「BAR」図柄又は「チェリー」図柄が配置され、4番目に「ベル」図柄が配置され、5番目に「リプレイ」図柄が配置されていることとなる。この場合、スベリテーブルとして、中リール32Mの全ての図柄に対してスベリ数が1対1で対応させて設定されたデータを用意する必要はなく、1個のグループに含まれる5個の図柄に対してスベリ数が1対1で対応させて設定されたデータを用意すれば足りる。
【0191】
図27(b)はIV=4で当選となった場合に中リール32Mにおいて利用されるスベリテーブルT2を説明するための説明図である。当該スベリテーブルT2には、図柄管理データの下位4ビットに設定される情報である「0」?「4」の5種類の図柄順情報に1対1で対応させてスベリ数のデータが設定されている。例えば、図柄順情報が「0」である場合のスベリ数が「4」に設定されているため、IV=4で当選となっている場合において所定の位置である下段に0番、5番、10番及び15番のうちのいずれかの図柄が存在している状況で中ストップボタン43が操作された場合には下段に4番、9番、14番又は19番の図柄が最終的に停止する。この場合、中リール32MにおけるメインラインML上の位置にIV=4の当選役データに対応する第1スイカ入賞の成立を可能とする「スイカ」図柄が停止する。また、例えば、図柄順情報が「3」である場合のスベリ数が「1」に設定されているため、IV=4で当選となっている場合において所定の位置である下段に3番、8番、13番及び18番のうちのいずれかの図柄が存在している状況で中ストップボタン43が操作された場合には下段に4番、9番、14番又は19番の図柄が最終的に停止する。この場合、中リール32MにおけるメインラインML上の位置にIV=4の当選役データに対応する第1スイカ入賞の成立を可能とする「スイカ」図柄が停止する。このように1個のグループに含まれる5個の図柄に対してのみスベリ数が設定されたスベリテーブルT2を全てのグループに利用する構成であることにより、各スベリテーブルT2のデータ容量を小さくすることが可能となり、結果的に主側ROM73においてスベリテーブルT2を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0192】
右リール32Rについて具体的には、各グループに「リプレイ」図柄が1個存在しているが、「リプレイ」図柄は各グループにおいて1番目(第1グループであれば0番、第2グループであれば5番、第3グループであれば10番、第4グループであれば15番)に配置されている。この場合、右リール32Rには「リプレイ」図柄が4個存在することとなるが、1個の「リプレイ」図柄と周回方向の次に配置されている「リプレイ」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、各グループに「スイカ」図柄が1個存在しているが、「スイカ」図柄は各グループにおいて4番目(第1グループであれば3番、第2グループであれば8番、第3グループであれば13番、第4グループであれば18番)に配置されている。この場合、右リール32Rには「スイカ」図柄が4個存在することとなるが、1個の「スイカ」図柄と周回方向の次に配置されている「スイカ」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、各グループに「ベル」図柄が1個存在しているが、「ベル」図柄は各グループにおいて5番目(第1グループであれば4番、第2グループであれば9番、第3グループであれば14番、第4グループであれば19番)に配置されている。この場合、右リール32Rには「ベル」図柄が4個存在することとなるが、1個の「ベル」図柄と周回方向の次に配置されている「ベル」図柄との間に存在している図柄数は最大スベリ数である4個となる。また、第1グループ及び第3グループには「白7」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「赤7」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて2番目(第1グループであれば1番、第2グループであれば6番、第3グループであれば11番、第4グループであれば16番)に配置されている。また、第1グループ及び第3グループには「BAR」図柄が1個存在しているとともに第2グループ及び第4グループには「チェリー」図柄が1個存在しているが、それら各図柄は対応するグループにおいて3番目(第1グループであれば2番、第2グループであれば7番、第3グループであれば12番、第4グループであれば17番)に配置されている。
【0193】
上記構成においては右リール32Rの各グループでは、1番目に「リプレイ」図柄が配置され、2番目に「白7」図柄又は「赤7」図柄が配置され、3番目に「BAR」図柄又は「チェリー」図柄が配置され、4番目に「スイカ」図柄が配置され、5番目に「ベル」図柄が配置されていることとなる。この場合、スベリテーブルとして、右リール32Rの全ての図柄に対してスベリ数が1対1で対応させて設定されたデータを用意する必要はなく、1個のグループに含まれる5個の図柄に対してスベリ数が1対1で対応させて設定されたデータを用意すれば足りる。
【0194】
図27(c)はIV=4で当選となった場合に右リール32Rにおいて利用されるスベリテーブルT3を説明するための説明図である。当該スベリテーブルT3には、図柄管理データの下位4ビットに設定される情報である「0」?「4」の5種類の図柄順情報に1対1で対応させてスベリ数のデータが設定されている。例えば、図柄順情報が「0」である場合のスベリ数が「2」に設定されているため、IV=4で当選となっている場合において所定の位置である下段に0番、5番、10番及び15番のうちのいずれかの図柄が存在している状況で右ストップボタン44が操作された場合には下段に2番、7番、12番又は17番の図柄が最終的に停止する。この場合、右リール32RにおけるメインラインML上の位置にIV=4の当選役データに対応する第1スイカ入賞の成立を可能とする「スイカ」図柄が停止する。また、例えば、図柄順情報が「3」である場合のスベリ数が「4」に設定されているため、IV=4で当選となっている場合において所定の位置である下段に3番、8番、13番及び18番のうちのいずれかの図柄が存在している状況で右ストップボタン44が操作された場合には下段に7番、12番、17番又は2番の図柄が最終的に停止する。この場合、右リール32RにおけるメインラインML上の位置にIV=4の当選役データに対応する第1スイカ入賞の成立を可能とする「スイカ」図柄が停止する。このように1個のグループに含まれる5個の図柄に対してのみスベリ数が設定されたスベリテーブルT3を全てのグループに利用する構成であることにより、各スベリテーブルT3のデータ容量を小さくすることが可能となり、結果的に主側ROM73においてスベリテーブルT3を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0195】
リール制御処理(図24)の説明に戻り、全リール32L,32M,32Rが停止した場合には(ステップS602:YES)、ステップS616にて入賞判定処理を実行した後に、入賞結果コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS617)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
【0196】
図28は入賞判定処理を示すフローチャートである。入賞判定処理では、まず左リール32Lに対応させて設けられた図柄管理カウンタ112の値を把握し(ステップS901)、その把握した値に対してステップS804?ステップS809の処理を実行した後の値を主側ROM73の図柄管理データテーブル121に照合することで左リール32LにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する(ステップS902)。また、中リール32Mに対応させて設けられた図柄管理カウンタ112の値を把握し(ステップS903)、その把握した値に対してステップS804?ステップS809の処理を実行した後の値を主側ROM73の図柄管理データテーブル121に照合することで中リール32MにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する(ステップS904)。また、右リール32Rに対応させて設けられた図柄管理カウンタ112の値を把握し(ステップS905)、その把握した値に対してステップS804?ステップS809の処理を実行した後の値を主側ROM73の図柄管理データテーブル121に照合することで右リール32RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する(ステップS906)。
【0197】
その後、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている各図柄について、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出す。その後、図柄組合せの論理演算処理として、ステップS902、ステップS904及びステップS906のそれぞれにて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する(ステップS907)。
【0198】
その後、ステップS907において導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する(ステップS908)。ステップS908にて肯定判定をした場合には、その入賞データが今回のゲームの開始時に抽選処理(図12)にて選択された当選役と対応しているか否かを判定する(ステップS909)。当選役と対応している場合(ステップS909:YES)、入賞対応処理を実行する(ステップS910)。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(図11)にて自動投入処理(ステップS402)が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
【0199】
一方、当選役と対応していない場合には(ステップS909:NO)、異常報知コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS911)。演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、ステップS912にて動作禁止処理を実行した後に、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理を禁止し、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とする。この動作禁止状態は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
【0200】
<ステップ数の配列態様に関する構成の効果>
以上のとおり、リール32L,32M,32Rの回転位置を特定するために各図柄にステッピングモータ33のステップ数が割り当てられているとともに各図柄に割り当てられているステップ数が全て同一である構成ではない構成において、リール32L,32M,32Rの回転方向に連続する5個の図柄のかたまりを1個のグループとすることにより第1?第4グループが設定されているとともに、第1?第4グループはいずれも当該グループに含まれる図柄に対応するステップ数の当該図柄の並びに対応する配列態様が同一の配列態様となっている。これにより、一のグループに含まれる図柄に対応するステップ数の特定を行うための処理構成を全てのグループについて共通して利用することで、リール32L,32M,32Rに付されている全ての図柄に対応するステップ数を特定することが可能となる。
【0201】
各図柄には図柄管理データが設定されており、図柄管理データの下位4ビットに設定されている図柄順序情報のみを参照することで、所定の位置に存在している図柄に割り当てられているステップ数を特定することが可能となる。これにより、ステップ数を特定するための処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
【0202】
特に、各グループにおいて先頭の図柄、3番目の図柄及び5番目の図柄は図柄管理データの最下位のビットが「0」となり、2番目の図柄及び4番目の図柄は図柄管理データの最下位のビットが「1」となる。これに対して、先頭の図柄、3番目の図柄及び5番目の図柄には26ステップが割り当てられているとともに、2番目の図柄及び4番目の図柄には24ステップが割り当てられている。これにより、図柄管理データの最下位のビットを参照するだけで、所定の位置に存在している図柄に割り当てられているステップ数を特定することが可能となる。よって、当該ステップ数を特定するための処理構成を簡素化することが可能となる。
【0203】
また、各グループに含まれている図柄数が同一であるため、所定の位置に存在している図柄の図柄管理データにおける下位4ビットの値が16進数で「4」である場合にはその次に所定の位置に存在することとなる図柄は一義的に次のグループの先頭の図柄となる。これにより、図柄管理データによる図柄の管理を行い易くなる。
【0204】
各グループに含まれる図柄の数が最大スベリ数に1加算した値であるとともに、各グループ内における「ベル」図柄の配列順序が同一となっている。これにより、「ベル」図柄を所定の位置に停止させるべき状況となった場合にはストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく当該「ベル」図柄を所定の位置に停止させることが可能な構成としながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。これは各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄についても同様である。
【0205】
各グループに共通して含まれている図柄については、各グループにおけるその図柄の配列順序が各グループ間で共通している。また、各グループに共通して含まれていない図柄については、その図柄が含まれているグループにおけるその図柄の配列順序と、その図柄が含まれていないグループにおけるその図柄に対応する代替図柄の配列順序とが同一となっている。そして、このような構成において、1個のグループに含まれる5個の図柄に対してのみスベリ数が設定されたスベリテーブルT1?T3を全てのグループに利用する構成である。これにより、各スベリテーブルT1?T3のデータ容量を小さくすることが可能となり、結果的に主側ROM73においてスベリテーブルT1?T3を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0206】
各図柄に対応するステップ数は26ステップ及び24ステップの2種類のみである。これにより、各図柄のそれぞれに対応するステップ数が全て同一である構成ではない構成において、各図柄に対応するステップ数を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0207】
各グループ内において26ステップに対応する図柄と24ステップに対応する図柄とが交互に配列されている。これにより、一方のステップ数に対応する図柄が局所的にまとまって存在してしまわないようにすることが可能となる。
【0208】
26ステップの場合における最後のステップ数に対応する相励磁の種類と24ステップの場合における最後のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一となっている。これにより、26ステップに対応する図柄及び24ステップに対応する図柄のいずれを所定の位置に停止させる場合であっても、その停止させた状態における相励磁の種類を共通のものとすることが可能となる。よって、いずれの図柄を所定の位置に停止させた場合であっても、ステッピングモータ33の相励磁の状態を共通のものとすることが可能となる。
【0209】
また、26ステップの場合における最初のステップ数に対応する相励磁の種類、及び24ステップの場合における最初のステップ数に対応する相励磁の種類も同一である。これにより、26ステップに対応する図柄及び24ステップに対応する図柄のいずれであっても、最初のステップ数に対応する相励磁の種類が共通の開始時の種類となるとともに最後のステップ数に対応する相励磁の種類が共通の終了時の種類となる。これにより、26ステップ数に対応する図柄と24ステップに対応する図柄とをどのように配列したとしても、リール32L,32M,32Rが定速回転する場合にはステップ数が1進む度に1相励磁及び2相励磁のうち一方から他方に切り換えられる構成とすることが可能となる。
【0210】
26ステップと24ステップとの差が「2」である。これにより、26ステップと24ステップとの差を極力抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0211】
リール32L,32M,32Rを加速させる場合に利用される加速用テーブルが、26ステップに対応する図柄が所定の位置に停止している状況からリール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合と、24ステップに対応する図柄が所定の位置に停止している状況からリール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合とのそれぞれに対応させて設定されている。これにより、26ステップに対応する図柄が所定の位置に停止している状況からリール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合、及び24ステップに対応する図柄が所定の位置に停止ている状況からリール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合のそれぞれに対応する態様でリール32L,32M,32Rの加速制御を行うことが可能となる。
【0212】
リール32L,32M,32Rを停止させる場合に利用される停止用テーブルが、26ステップに対応する図柄を所定の位置に停止させる場合と、24ステップに対応する図柄を所定の位置に停止させる場合とのそれぞれに対応させて設定されている。これにより、26ステップに対応する図柄を所定の位置に停止させる場合、及び24ステップに対応する図柄を所定の位置に停止させる場合のそれぞれに対応する態様でリール32L,32M,32Rの停止制御を行うことが可能となる。
【0213】
<ステップ数の配列態様に関する構成の別形態>
(1)上記実施形態では図柄に対応するステップ数の配列態様が同一となるグループとして第1?第4グループの4個のグループが存在している構成としたが、これに代えて、2個のグループが存在している構成としてもよく、3個のグループが存在している構成としてもよく、5個のグループが存在している構成としてもよく、6個以上のグループが存在している構成としてもよい。この場合、各グループに含まれる図柄の数をグループ間で同一とするためには、リール32L,32M,32Rに付されている図柄数を各グループに含まれる図柄数で除算した結果が2以上の整数となるようにする必要がある。
【0214】
(2)少なくとも1個のリール32L,32M,32Rにおいて、第1?第4グループのうち所定の2個のグループは図柄に対応するステップ数の配列態様が所定態様で同一であり、当該所定の2個のグループとは異なるグループは図柄に対応するステップ数の配列態様が所定態様とは異なる態様である構成としてもよい。この場合であっても、所定の2個のグループにおいては図柄に対応するステップ数の配列態様が同一となるため、これら所定の2個のグループについては図柄に対応するステップ数の特定を共通の処理で行うことが可能となる。
【0215】
(3)図柄に対応するステップ数として26ステップと24ステップとが設定されている構成に代えて、他のステップ数が設定されている構成としてもよい。また、図柄に対応するステップ数として26ステップ及び24ステップの2種類のみが設定されている構成に代えて、3種類以上のステップ数が設定されている構成としてもよい。
【0216】
(4)各グループにおいて26ステップと24ステップとが図柄の並びに対して交互に設定されている構成に限定されることはなく、各グループにおいて26ステップと24ステップとが交互に設定されていない構成としてもよい。
【0217】
(5)各抽選結果、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止結果などに対応するスベリ数を導出するためのデータを、リール32L,32M,32Rの回転中に作成する構成としてもよい。
【0218】
この場合であっても、その作成されるデータは1個のグループに含まれる図柄と1対1で対応する分のスベリ数のデータのみが設定されており、各グループに対して共通して利用される構成としてもよい。これにより、リール32L,32M,32Rの回転中に作成するデータ量を抑えることが可能となる。
【0219】
また、スベリ数を導出するためのデータを作成する場合に、各図柄を所定の位置に停止させる場合の優先度が設定された優先度データが利用される構成においては、その優先度データは1個のグループに含まれる図柄と1対1で対応する分の優先度のデータのみが設定されており、各グループに対して共通して利用される構成としてもよい。これにより、主側ROM73において優先度データを予め記憶しておくための記憶容量を抑えることが可能となる。
【0220】
<停止操作の無効期間について>
次に、一のリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に設定される次の停止操作の無効期間について説明する。
【0221】
まず従来の停止操作の無効期間の設定態様について図29のタイムチャートを参照しながら説明する。図29(a)は左リール32Lが定速回転している期間を示し、図29(b)は左リール32Lが停止制御されている期間を示し、図29(c)は左ストップボタン42の停止操作タイミングを示し、図29(d)は中リール32Mが定速回転している期間を示し、図29(e)は中リール32Mが停止制御されている期間を示し、図29(f)は中ストップボタン43の停止操作タイミングを示し、図29(g)は右リール32Rが定速回転している期間を示し、図29(h)は右リール32Rが停止制御されている期間を示し、図29(i)は右ストップボタン44の停止操作タイミングを示し、図29(j)は停止操作の無効期間を示す。
【0222】
全リール32L,32M,32Rが定速回転を行っている状況であるt1のタイミングで、図29(c)に示すように左ストップボタン42が停止操作される。この場合、その停止操作タイミングにおいて左リール32Lにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、t2のタイミングで、その決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図29(a)及び図29(b)に示すように左リール32Lの停止制御が開始され、t3のタイミングで左リール32Lの停止が完了する。この場合、従来の構成では停止操作を無効化させるための固定無効期間(具体的には207msec)が図29(j)に示すようにt1のタイミングで設定される。したがって、t3のタイミングで左リール32Lの停止が完了していたとしても当該t3のタイミングでは未だ固定無効期間が経過していないため、t3のタイミングよりも後のタイミングであるt4のタイミングとなるまで中リール32M及び右リール32Rの停止操作は無効化される。
【0223】
その後、最初の固定無効期間が経過したタイミングよりも後のタイミングであるt5のタイミングで、図29(f)に示すように中ストップボタン43が停止操作される。この場合、その停止操作タイミングにおいて中リール32Mにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、t6のタイミングで、その決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図29(d)及び図29(e)に示すように中リール32Mの停止制御が開始され、t7のタイミングで中リール32Mの停止が完了する。この場合、固定無効期間(具体的には207msec)が図29(j)に示すようにt5のタイミングで設定されており、t7のタイミングで中リール32Mの停止が完了していたとしても当該t7のタイミングでは未だ固定無効期間が経過していないため、t7のタイミングよりも後のタイミングであるt9のタイミングとなるまで右リール32Rの停止操作は無効化される。したがって、中リール32Mの停止が完了したt7のタイミングよりも後であって固定無効期間が経過するt9のタイミングよりも前のタイミングであるt8のタイミングで、図29(i)に示すように右ストップボタン44が停止操作されているが、この停止操作は無効となる。
【0224】
その後、2回目の固定無効期間が経過したタイミングよりも後のタイミングであるt10のタイミングで、図29(i)に示すように右ストップボタン44の停止操作が再度実行される。この場合、その停止操作タイミングにおいて右リール32Rにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、t11のタイミングで、その決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図29(g)及び図29(h)に示すように右リール32Rの停止制御が開始され、t13のタイミングで右リール32Rの停止が完了する。また、固定無効期間(具体的には207msec)が図29(j)に示すようにt10のタイミングで設定されているが、この固定無効期間はt12のタイミングで経過する。
【0225】
上記のような従来の構成の場合には停止操作の無効期間が固定無効期間として設定されるため、リール32L,32M,32Rの停止制御が完了しているか否かに関係なく固定無効期間が経過するまでは停止操作が無効化されてしまう。そうすると、無効期間が無意味に継続してしまうこととなり遊技の円滑な進行を阻害する要因となってしまう。また、例えば左リール32Lを第1停止させて中リール32Mを第2停止させるとともに右リール32Rを第3停止させようと考えていた遊技者が、左リール32Lが完全に停止した後に中ストップボタン43を操作したものの左リール32Lの停止操作に対する固定無効期間中であることでその操作が無効化され、さらに中ストップボタン43の操作に続けて右ストップボタン44を操作するとともにその右ストップボタン44の操作が上記固定無効期間の経過後であったことで有効に受け付けられた場合、第2停止の対象が意図せず右リール32Rとなってしまう。このような事象が後述するART状態中に発生すると、例えば画像表示装置63において表示されている停止順序でリール32L,32M,32Rを停止させようとしたにも関わらず当該停止順序とは異なる停止順序でリール32L,32M,32Rに停止指令が発生してしまい、遊技者の意思に反して第2RTモード又は第1RTモードからの転落が発生してしまう可能性がある。
【0226】
これに対して、本スロットマシン10では上記のような固定無効期間が設定されない構成となっている。但し、電源装置54から主制御装置70に供給される電力との関係で、各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33に同時励磁可能な最大数は10相である。既に説明したとおりリール32L,32M,32Rの停止制御が行われない状況ではステッピングモータ33に対して1相励磁及び2相励磁のいずれかが実行されるのに対して、リール32L,32M,32Rの停止制御に際しては1個のステッピングモータ33に対して4相励磁が所定期間に亘って行われる。そうすると、3個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御が行われると、同時励磁の数が最大励磁数である10相よりも大きい12相となってしまう。したがって、固定無効期間が設定されない構成であっても3個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御が行われないように、停止操作が無効化される期間が生じ得る構成となっている。以下、このような停止制御を行うための処理構成について説明する。
【0227】
図30は、リール制御処理(図24)におけるステップS605にて実行される有効操作判定処理を示すフローチャートである。有効操作判定処理はいずれかのストップボタン42?44が操作された場合に実行される。
【0228】
まず主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたいずれかの制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1001)。制動対象フラグは、停止制御の開始条件が成立しているものの停止制御が完了していないリール32L,32M,32Rが存在していることを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられている。
【0229】
いずれかの制動対象フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1001:YES)、その「1」がセットされている制動対象フラグに対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が完了しているか否かを判定する(ステップS1002)。停止制御が完了しているのであれば(ステップS1002:YES)、停止制御が完了しているリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグを「0」クリアする(ステップS1003)。
【0230】
ステップS1001にて否定判定をした場合、ステップS1002にて否定判定をした場合、又はステップS1003の処理を実行した場合、回転中であって停止制御の開始待機対象及び停止制御の実行対象となっていないリール32L,32M,32Rに対する停止操作が発生したか否かを判定する(ステップS1004)。停止制御の開始待機対象となる状況とは、リール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した後であって、その停止指令が発生したリール32L,32M,32Rの回転位置が、スベリ数との関係で決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能となる回転位置となる前の状況である。また、停止制御の実行対象となる状況とは、停止指令が発生したリール32L,32M,32Rの回転位置が、スベリ数との関係で決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能となる回転位置となることで、停止用テーブルを利用した停止制御が実行されている状況である。
【0231】
回転中であって停止制御の開始待機対象及び停止制御の実行対象となっていないリール32L,32M,32Rに対する停止操作が発生した場合には、「1」がセットされている制動対象フラグが2個以上存在しているか否かを判定することで、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している状況であるか否かを判定する(ステップS1005)。停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している場合には(ステップS1005:YES)、新たな停止指令を発生することなく本有効操作判定処理を終了する。これにより、2個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっている場合には残りのリール32L,32M,32Rに対する停止操作が無効化されるため、同時励磁の数が最大励磁数である10相を超えないようにすることが可能となる。
【0232】
ちなみに、2個のリール32L,32M,32Rに対して停止制御が行われている場合におけるこれら2個のリール32L,32M,32Rに対する最大の同時励磁数は8相であるため、最大励磁数の10相に対して2相の余裕がある。そして、リール32L,32M,32Rの停止制御が行われない状況ではステッピングモータ33に対して1相励磁及び2相励磁のいずれかが実行されるため、2個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御を行ったとしても残りの1個のリール32L,32M,32Rに対して回転駆動制御を行うことが可能である。
【0233】
一方、「1」がセットされている制動対象フラグの数が2個未満である場合には(ステップS1005:NO)、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する停止指令フラグに「1」をセットする(ステップS1006)。これにより、リール制御処理(図24)におけるステップS606にて肯定判定されることにより、今回の停止操作に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。また、ステップS1007では、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」をセットする。
【0234】
上記のような有効操作判定処理が実行されることによるリール32L,32M,32Rの停止制御の実行態様について図31のタイムチャートを参照しながら説明する。図31(a)は左リール32Lが定速回転している期間を示し、図31(b)は左リール32Lが停止制御されている期間を示し、図31(c)は左ストップボタン42の停止操作タイミングを示し、図31(d)は中リール32Mが定速回転している期間を示し、図31(e)は中リール32Mが停止制御されている期間を示し、図31(f)は中ストップボタン43の停止操作タイミングを示し、図31(g)は右リール32Rが定速回転している期間を示し、図31(h)は右リール32Rが停止制御されている期間を示し、図31(i)は右ストップボタン44の停止操作タイミングを示し、図31(j)は停止操作の無効期間を示す。
【0235】
全リール32L,32M,32Rが定速回転を行っている状況であるt1のタイミングで、図31(c)に示すように左ストップボタン42が停止操作される。この場合、その停止操作タイミングにおいて左リール32Lにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、t2のタイミングで、その決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図31(a)及び図31(b)に示すように左リール32Lの停止制御が開始される。
【0236】
その後、左リール32Lの停止制御が行われている状況であるt3のタイミングで、図31(f)に示すように中ストップボタン43が停止操作される。この場合、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているのは左リール32Lの1個のみである。したがって、中リール32Mについても停止制御を行うための処理が開始される。具体的には、t3のタイミングにおいて中リール32Mにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、t4のタイミングで、その決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図31(d)及び図31(e)に示すように中リール32Mの停止制御が開始される。
【0237】
この場合、t3のタイミングにおいて左リール32Lは停止制御の実行対象となっており中リール32Mは停止制御の開始待機対象となる。つまり、t3のタイミングにおいて「1」がセットされている制動対象フラグが2個以上存在することとなる。したがって、図31(j)に示すようにt3のタイミングで停止操作の無効期間が開始される。この停止操作の無効期間において仮に右ストップボタン44が操作されたとしてもその操作は無効なものとして扱われる。
【0238】
その後、t5のタイミングで、図31(b)に示すように左リール32Lの停止制御が完了する。これにより、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが中リール32Mの1個のみとなるため、当該t5のタイミングで図31(j)に示すように停止操作の無効期間が終了する。
【0239】
その後、中リール32Mの停止制御が行われている状況であるt6のタイミングで、図31(i)に示すように右ストップボタン44が停止操作される。この場合、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているのは中リール32Mの1個のみである。したがって、右リール32Rについても停止制御を行うための処理が開始される。具体的には、t6のタイミングにおいて右リール32Rにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。
【0240】
その後、t7のタイミングで、図31(e)に示すように中リール32Mの停止制御が完了する。また、その後のt8のタイミングで、右リール32Rについて決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図31(g)及び図31(h)に示すように右リール32Rの停止制御が開始される。そして、t9のタイミングで、図31(h)に示すように右リール32Rの停止制御が完了する。
【0241】
ここで、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上とならない限り停止操作が無効化されない構成においては、2個のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が受け付けられた場合に停止操作タイミングが先側であるリール32L,32M,32Rよりも先に、停止操作タイミングが後側であるリール32L,32M,32Rの停止が完了することが起こり得る。このような状況が生じる場合について以下に説明する。
【0242】
全リール32L,32M,32Rが定速回転を行っている状況であるt10のタイミングで、図31(c)に示すように左ストップボタン42が停止操作される。この場合、その停止操作タイミングにおいて左リール32Lにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。具体的には、停止制御を開始するまでのスベリ数として「4」が選択され、その「4」のスベリ数に対応する図柄が停止図柄として決定される。
【0243】
その後、左リール32Lにおいて所定の位置に未だ停止図柄が到達しておらず左リール32Lが停止制御の開始待機対象となっている状況であるt11のタイミングで、図31(f)に示すように中ストップボタン43が停止操作される。この場合、その停止操作タイミングにおいて中リール32Mにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。具体的には、停止制御を開始するまでのスベリ数として「1」が選択され、その「1」のスベリ数に対応する図柄が停止図柄として決定される。また、t11のタイミングにおいて停止制御の開始待機対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上となるため、図31(j)に示すようにt11のタイミングで停止操作の無効期間が開始される。
【0244】
その後、左リール32Lにおいて所定の位置に未だ停止図柄が到達しておらず左リール32Lが停止制御の開始待機対象となっている状況であるt12のタイミングで、中リール32Mの停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなる。これにより、当該t12のタイミングで、図31(d)及び図31(e)に示すように中リール32Mの停止制御が開始される。
【0245】
その後、中リール32Mの停止制御が実行されている状況であるt13のタイミングで、左リール32Lの停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなる。これにより、当該t13のタイミングで、図31(a)及び図31(b)に示すように左リール32Lの停止制御が開始される。
【0246】
その後、t14のタイミングで、図31(e)に示すように中リール32Mの停止制御が完了する。これにより、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが左リール32Lの1個のみとなるため、当該t14のタイミングで図31(j)に示すように停止操作の無効期間が終了する。
【0247】
その後、左リール32Lの停止制御が行われている状況であるt15のタイミングで、図31(i)に示すように右ストップボタン44が停止操作される。この場合、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているのは左リール32Lの1個のみである。したがって、右リール32Rについても停止制御を行うための処理が開始される。具体的には、t15のタイミングにおいて右リール32Rにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、停止制御を開始するまでのスベリ数として「0」が選択され、所定の位置に存在している図柄が停止図柄として決定される。
【0248】
その後、左リール32Lの停止制御が行われている状況であるt16のタイミングで、図31(g)及び図31(h)に示すように右リール32Rの停止制御が開始される。そして、t17のタイミングで図31(b)に示すように左リール32Lの停止制御が完了し、t18のタイミングで図31(h)に示すように右リール32Rの停止制御が完了する。
【0249】
<有効操作判定処理が実行されることによる効果>
以上の構成によれば、1個のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が行われた場合に従来のような固定無効期間が設定されのではなく、1個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっている状況であっても他のリール32L,32M,32Rの停止操作が有効なものとして扱われる。これにより、停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rの停止制御が完了したにも関わらず停止操作の無効期間が継続してしまうという事象が発生しないようにすることが可能となる。よって、停止操作の無効期間が無意味に継続してしまわないようにすることが可能となり、停止操作に基づく遊技の進行を円滑なものとすることが可能となる。
【0250】
1個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっている状況であっても他のリール32L,32M,32Rの停止操作が有効なものとして扱われることにより、1個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっている状況であっても他のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となり得る。これにより、1回のゲームにおいて全リール32L,32M,32Rを停止させるまでに要する最短期間を短縮することが可能となり、ゲームの消化効率を高めることが可能となる。
【0251】
1個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象となっている状況で別のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が行われて当該別のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象となった場合、前者のリール32L,32M,32Rのスベリ数よりも後者のリール32L,32M,32Rのスベリ数の方が少ない場合には後者のリール32L,32M,32Rの方が前者のリール32L,32M,32Rよりも先に停止する事象が発生する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止操作の順序とリール32L,32M,32Rの実際の停止順序とが一致しない状況を生じさせることが可能となり、遊技者に意外性を与えることが可能となる。
【0252】
停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個存在している場合には、回転中のリール32L,32M,32Rに対する新たな停止操作が無効化される。これにより、主制御装置70に供給される電力との関係で各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33に同時励磁可能な最大数が10相である構成において、同時励磁の数が当該最大励磁数を超えない範囲で上記のような優れた効果を生じさせることが可能となる。つまり、主制御装置70に供給される電力を敢えて大きくすることなく、上記のような優れた効果を生じさせることが可能となる。
【0253】
停止指令が発生した後であって停止制御が完了していないリール32L,32M,32Rが2個存在している場合に回転中のリール32L,32M,32Rに対する新たな停止操作が無効化される構成であるため、当該停止操作を無効化する状況であるか否かを特定する場合に停止指令が発生した後であって停止制御が完了していないリール32L,32M,32Rが存在しているか否かを特定するだけでよく、停止制御の開始対象対象ではなく停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが存在しているか否かを特定する必要が生じない。よって、停止操作を無効化する状況であるか否かを特定するための処理構成を簡素化することが可能となる。
【0254】
<有効操作判定処理に関する構成の別形態>
<有効操作判定処理の第1の別形態>
次に、有効操作判定処理の第1の別形態について説明する。第1の別形態では、停止操作の順序に従ってリール32L,32M,32Rが停止されるように停止操作の無効期間が設定される。以下、当該無効期間の設定を可能とする構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0255】
図32は、第1の別形態における有効操作判定処理を示すフローチャートである。有効操作判定処理は、いずれかのストップボタン42?44が操作された場合に、リール制御処理(図24)におけるステップS605にて実行される。
【0256】
まず主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたいずれかの開始待機期間フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1101)。開始待機期間フラグは、停止指令が発生した後であってその停止指令が発生したリール32L,32M,32Rの回転位置が停止図柄を所定の位置に停止させることを可能とする回転位置となるタイミングよりも前のタイミングであることを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられている。リール32L,32M,32Rの停止操作が行われた場合に決定されたスベリ数が大きな値ほど開始待機期間フラグに「1」がセットされている期間が長くなる。
【0257】
いずれかの開始待機期間フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1101:YES)、その開始待機期間フラグに対応するリール32L,32M,32Rに対して決定されている停止図柄が所定の位置に停止可能となる位置に到達することで当該リール32L,32M,32Rに対して停止制御が開始されたか否かを判定する(ステップS1102)。「1」がセットされている開始待機期間フラグに対応するリール32L,32M,32Rに対して停止用テーブル(図21(b)参照)に従った停止制御が開始されている場合にステップS1102にて肯定判定をする。ステップS1102にて肯定判定をした場合には、停止制御が開始されているリール32L,32M,32Rに対応する開始待機期間フラグを「0」クリアする(ステップS1103)。
【0258】
ステップS1101にて否定判定をした場合、ステップS1102にて否定判定をした場合、又はステップS1103の処理を実行した場合、主側RAM74のいずれかの制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1104)。いずれかの制動対象フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1104:YES)、その「1」がセットされている制御対象フラグに対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が完了していることを条件として(ステップS1105:YES)、その制動対象フラグを「0」クリアする(ステップS1106)。
【0259】
ステップS1104にて否定判定をした場合、ステップS1105にて否定判定をした場合、又はステップS1106の処理を実行した場合、回転中であって停止制御の開始待機対象及び停止制御の実行対象となっていないリール32L,32M,32Rに対する停止操作が発生したか否かを判定する(ステップS1107)。当該停止操作が発生した場合には、主側RAM74のいずれかの開始待機期間フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、いずれかのリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象となっているか否かを判定する(ステップS1108)。いずれかのリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象となっている場合には(ステップS1108:YES)、新たな停止指令を発生することなく本有効操作判定処理を終了する。これにより、いずれかのリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象となっている場合には残りのリール32L,32M,32Rに対する停止操作が無効化されるため、停止操作の順序に従ってリール32L,32M,32Rが停止されるようにすることが可能となる。
【0260】
停止制御の開始待機対象となっているリール32L,32M,32Rが存在していない場合には(ステップS1108:NO)、「1」がセットされている制動対象フラグが2個以上存在しているか否かを判定することで、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している状況であるか否かを判定する(ステップS1109)。停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している場合には(ステップS1109:YES)、新たな停止指令を発生することなく本有効操作判定処理を終了する。これにより、2個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっている場合には残りのリール32L,32M,32Rに対する停止操作が無効化されるため、同時励磁の数が最大励磁数である10相を超えないようにすることが可能となる。
【0261】
一方、「1」がセットされている制動対象フラグの数が2個未満である場合には(ステップS1109:NO)、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する停止指令フラグに「1」をセットする(ステップS1110)。これにより、リール制御処理(図24)におけるステップS606にて肯定判定されることにより、今回の停止操作に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。また、ステップS1111では今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する開始待機期間フラグに「1」をセットするとともに、ステップS1112では今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」をセットする。
【0262】
上記のような有効操作判定処理が実行されることによるリール32L,32M,32Rの停止制御の実行態様について図33のタイムチャートを参照しながら説明する。図33(a)は左リール32Lが定速回転している期間を示し、図33(b)は左リール32Lが停止制御されている期間を示し、図33(c)は左ストップボタン42の停止操作タイミングを示し、図33(d)は中リール32Mが定速回転している期間を示し、図33(e)は中リール32Mが停止制御されている期間を示し、図33(f)は中ストップボタン43の停止操作タイミングを示し、図33(g)は右リール32Rが定速回転している期間を示し、図33(h)は右リール32Rが停止制御されている期間を示し、図33(i)は右ストップボタン44の停止操作タイミングを示し、図33(j)は停止操作の無効期間を示す。
【0263】
全リール32L,32M,32Rが定速回転を行っている状況であるt1のタイミングで、図33(c)に示すように左ストップボタン42が停止操作される。この場合、その停止操作タイミングにおいて左リール32Lにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。また、t1のタイミングで左リール32Lが停止制御の開始待機対象となるため、図33(j)に示すように当該t1のタイミングで停止操作の無効期間が開始される。
【0264】
その後、t2のタイミングで、t1のタイミングで決定された左リール32Lの停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図33(a)及び図33(b)に示すように左リール32Lの停止制御が開始される。この場合、左リール32Lは停止制御の開始待機対象から停止制御の実行対象となるため、図33(j)に示すように当該t2のタイミングで停止操作の無効期間が終了する。
【0265】
その後、左リール32Lの停止制御が行われている状況であるt3のタイミングで、図31(f)に示すように中ストップボタン43が停止操作される。この場合、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているのは左リール32Lの1個のみである。したがって、中リール32Mについても停止制御を行うための処理が開始される。具体的には、t3のタイミングにおいて中リール32Mにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。そして、t4のタイミングで、その決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図33(d)及び図33(e)に示すように中リール32Mの停止制御が開始される。
【0266】
この場合、t3のタイミングにおいて中リール32Mが停止制御の開始待機対象となる。したがって、図33(j)に示すようにt3のタイミングで停止操作の無効期間が開始される。この停止操作の無効期間において仮に右ストップボタン44が操作されたとしてもその操作は無効なものとして扱われる。また、t4のタイミングで中リール32Mの停止制御が開始されるが、未だに左リール32Lに対する停止制御が行われている状況であるため、t4のタイミングであっても停止操作の無効期間が継続される。
【0267】
その後、t5のタイミングで、図31(b)に示すように左リール32Lの停止制御が完了する。これにより、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが中リール32Mの1個のみとなるため、当該t5のタイミングで図33(j)に示すように停止操作の無効期間が終了する。
【0268】
その後、中リール32Mの停止制御が行われている状況であるt6のタイミングで、図33(i)に示すように右ストップボタン44が停止操作される。この場合、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているのは中リール32Mの1個のみである。したがって、右リール32Rについても停止制御を行うための処理が開始される。具体的には、t6のタイミングにおいて右リール32Rにおける所定の位置に存在している図柄の種類と役の抽選処理の結果に対応するスベリテーブルとに基づき最終的に所定の位置に停止させる図柄の種類が決定される。
【0269】
その後、t7のタイミングで、図33(e)に示すように中リール32Mの停止制御が完了する。また、その後のt8のタイミングで、右リール32Rについて決定された停止図柄を所定の位置に停止させることが可能なタイミングとなることで、図33(g)及び図33(h)に示すように右リール32Rの停止制御が開始される。そして、t9のタイミングで、図31(h)に示すように右リール32Rの停止制御が完了する。
【0270】
以上のような第1の別形態の構成によれば、停止指令が発生した後であってその停止指令の発生対象となったリール32L,32M,32Rに対して停止用テーブルを利用した停止制御が開始されるまでの期間である開始待機期間においては、他のリール32L,32M,32Rの停止操作が無効化される。これにより、リール32L,32M,32R毎に開始待機期間が変動し得る構成であったとしても、停止操作の順序に従ってリール32L,32M,32Rが停止されるようにすることが可能となる。
【0271】
また、上記のように停止操作の無効期間が設定される構成であっても1個のリール32L,32M,32Rが停止制御の実行対象となっている状況において他のリール32L,32M,32Rの停止操作が無効化されない。これにより、本第1の別形態であっても、1回のゲームにおいて全リール32L,32M,32Rを停止させるまでに要する最短期間を短縮することが可能となり、ゲームの消化効率を高めることが可能となる。
【0272】
<有効操作判定処理の第2の別形態>
次に、有効操作判定処理の第2の別形態について説明する。第2の別形態では、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個存在している状況であっても停止操作の無効期間は設定されることはなく、その代わりに、当該状況において残りの1個のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が行われた場合には3個のリール32L,32M,32Rの全てにおいて停止制御の実行期間が重複し得ることを条件としてその停止操作が無効なものとして扱われる。以下、当該無効化を可能とする構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0273】
図34は、第2の別形態における有効操作判定処理を示すフローチャートである。有効操作判定処理は、いずれかのストップボタン42?44が操作された場合に、リール制御処理(図24)におけるステップS605にて実行される。
【0274】
ステップS1201?ステップS1203では上記実施形態における有効操作判定処理(図30)のステップS1001?ステップS1003と同一の処理を実行する。
【0275】
ステップS1201にて否定判定をした場合、ステップS1202にて否定判定をした場合、又はステップS1203の処理を実行した場合、回転中であって停止制御の開始待機対象及び停止制御の実行対象となっていないリール32L,32M,32Rに対する停止操作が発生したか否かを判定する(ステップS1204)。当該停止操作が発生した場合には、主側RAM74に「1」がセットされている制動対象フラグが2個以上存在しているか否かを判定することで、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している状況であるか否かを判定する(ステップS1205)。
【0276】
停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個未満である場合には(ステップS1205:NO)、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する停止指令フラグに「1」をセットする(ステップS1208)。これにより、リール制御処理(図24)におけるステップS606にて肯定判定され、今回の停止操作に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。また、ステップS1209では、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」をセットする。
【0277】
一方、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上である場合には(ステップS1205:YES)、各リール32L,32M,32Rの停止制御の実行期間を把握する(ステップS1206)。具体的には、既に停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32R(以下、停止制御中リールともいう)についてはその停止制御が終了するまでに要する時間を把握する。この時間の把握は停止制御中リールに対して読み出されている停止用テーブル(図21(b))の残りの使用時間を、当該停止用テーブルの使用が終了するまでのタイマ割込み処理の残りの割込み回数から把握する。また、停止制御の開始待機対象となっているリール32L,32M,32R(以下、開始待機中リールともいう)については、所定の位置に現状到達している図柄の種類及びその図柄の回転位置を当該開始待機中リールに対応するステップ数カウンタ111及び図柄管理カウンタ112から把握するとともに、当該開始待機中リールの停止図柄を把握する。そして、それら把握した情報を利用して停止図柄が所定の位置に停止可能となる位置に到達するまでに要する時間を把握することで、停止制御の開始待機期間が経過するまでに要する時間を把握する。この時間がその開始待機中リールについて停止制御が開始されるまでに要する時間となる。また、停止用テーブル(図21(b))を利用した停止制御の実行期間はいずれのリール32L,32M,32Rであっても一定であるため、その一定の時間を把握することにより、開始待機中リールについて停止制御が終了する時間を把握する。
【0278】
上記のように各時間を把握した後は、それら把握した各時間に基づき、全てのリール32L,32M,32Rにおける停止制御の実行期間が重複し得るか否かを判定する(ステップS1207)。全てのリール32L,32M,32Rにおける停止制御の実行期間が重複し得る場合には(ステップS1207:YES)、新たな停止指令を発生することなく本有効操作判定処理を終了する。これにより、同時励磁の数が最大励磁数である10相を超えないようにすることが可能となる。全てのリール32L,32M,32Rにおける停止制御の実行期間が重複する状況が発生しない場合には(ステップS1207:NO)、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する停止指令フラグに「1」をセットする(ステップS1208)。これにより、リール制御処理(図24)におけるステップS606にて肯定判定され、今回の停止操作に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。また、ステップS1209では、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」をセットする。
【0279】
以上のような第2の別形態の構成によれば、全てのリール32L,32M,32Rにおいて停止制御の実行期間が重複し得る状況とならない限りは、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している状況であっても残りのリール32L,32M,32Rに対する停止操作が無効化されない。この場合、ステップS1206及びステップS1207の処理を実行する必要がある点で上記実施形態や上記第1の別形態よりも処理構成が複雑化するものの、リール32L,32M,32Rの停止操作が無効化される期間を短くすることが可能となる。
【0280】
<有効操作判定処理の第3の別形態>
次に、有効操作判定処理の第3の別形態について説明する。第3の別形態では、電源装置54から主制御装置70に供給される電力との関係で、各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33に同時励磁可能な最大数は8相となっている。これに対して、リール32L,32M,32Rの停止制御が行われない状況ではステッピングモータ33に対して1相励磁及び2相励磁のいずれかが実行され、リール32L,32M,32Rの停止制御に際しては1個のステッピングモータ33に対して4相励磁が所定期間に亘って行われる。そうすると、1個のリール32L,32M,32Rが回転中に2個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御が行われると、同時励磁の数が最大励磁数である8相よりも大きい9相以上となってしまう。したがって、2個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御が行われないように、停止操作が無効化される期間が生じ得る構成となっている。以下、当該無効期間の設定を可能とする構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0281】
図35は、第3の別形態における有効操作判定処理を示すフローチャートである。有効操作判定処理は、いずれかのストップボタン42?44が操作された場合に、リール制御処理(図24)におけるステップS605にて実行される。
【0282】
まず主側RAM74のいずれかの制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1301)。いずれかの制動対象フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1301:YES)、その「1」がセットされている制動対象フラグに対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が完了しているか否かを判定する(ステップS1302)。停止制御が完了しているのであれば(ステップS1302:YES)、停止制御が完了しているリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグを「0」クリアする(ステップS1303)。
【0283】
ステップS1301にて否定判定をした場合、ステップS1302にて否定判定をした場合、又はステップS1303の処理を実行した場合、回転中であって停止制御の開始待機対象及び停止制御の実行対象となっていないリール32L,32M,32Rに対する停止操作が発生したか否かを判定する(ステップS1304)。当該停止操作が発生した場合には、主側RAM74のいずれかの制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが1個以上存在している状況であるか否かを判定する(ステップS1305)。停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっているリール32L,32M,32Rが1個以上存在している場合には(ステップS1305:YES)、新たな停止指令を発生することなく本有効操作判定処理を終了する。これにより、1個のリール32L,32M,32Rが停止制御の開始待機対象又は停止制御の実行対象となっている場合には残りのリール32L,32M,32Rに対する停止操作が無効化されるため、同時励磁の数が最大励磁数である8相を超えないようにすることが可能となる。
【0284】
一方、全ての制動対象フラグが「0」である場合には(ステップS1305:NO)、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する停止指令フラグに「1」をセットする(ステップS1306)。これにより、リール制御処理(図24)におけるステップS606にて肯定判定されることにより、今回の停止操作に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。また、ステップS1307では、今回新たに停止操作が行われたリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」をセットする。
【0285】
以上のような第3の別形態の構成によれば、主制御装置70に供給される電力との関係で各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33に同時励磁可能な最大数が8相である構成において、同時励磁の数が当該最大励磁数を超えない範囲で、1回のゲームにおいて全リール32L,32M,32Rを停止させるまでに要する最短期間を短縮することが可能となり、ゲームの消化効率を高めることが可能となる。
【0286】
<有効操作判定処理に関する構成のさらなる別形態>
(1)上記実施形態における有効操作判定処理(図30)が実行される場合のようにリール32L,32M,32Rの停止操作の順序とリール32L,32M,32Rの停止が完了する順序とが一致しないことが起こり得る構成において、このような停止操作の順序と停止完了の順序との不一致がBB役の当選期待度やART状態への移行期待度を表すための演出として実行される構成としてもよい。例えば、停止操作の順序と停止完了の順序との不一致が発生した場合には当該不一致が発生しない場合よりもBB役の当選期待度又はART状態への移行期待度が高くなる構成としてもよい。これにより、当該不一致が発生するか否かに遊技者が注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、1回のゲームにおいて上記不一致が複数回発生し得る構成とするとともに、上記不一致が発生した回数が多いほどBB役の当選期待度又はART状態への移行期待度が高くなる構成としてもよい。これにより、上記不一致が発生するか否かに遊技者が注目するだけでなく、上記不一致が1ゲーム内で発生する回数にも遊技者が注目することとなる。
【0287】
(2)停止制御に際して4相励磁に代えて3相励磁が行われる構成としてもよく、4相励磁に加えて3相励磁が行われる構成としてもよい。この場合、同時に励磁可能な相の数が9相である構成において停止制御に際して4相励磁に代えて3相励磁が行われる構成である場合、3個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御が行われ得る構成としてもよい。
【0288】
(3)停止指令が発生した後であって4相励磁による停止制御が完了していないリール32L,32M,32Rの数が2個である状況において残りの1個の回転中のリール32L,32M,32Rに対して停止操作が行われた場合、4相励磁による停止制御の対象となっている2個のリール32L,32M,32Rのうちいずれかの停止制御が完了するまではその停止操作の対象となったリール32L,32M,32Rに対して2相励磁による停止制御を行い、4相励磁による停止制御の対象となっている2個のリール32L,32M,32Rのうちいずれかの停止制御が完了した場合には2相励磁による停止制御の対象となっているリール32L,32M,32Rに対する停止制御が2相励磁から4相励磁に切り換えられる構成としてもよい。これにより、残りの1個のリール32L,32M,32Rに対する停止制御を早期に開始することが可能となる。
【0289】
(4)リール32L,32M,32Rが4個以上設けられている構成としてもよい。この場合、加速中及び定速回転中には1相励磁又は2相励磁が行われるとともに停止制御中には4相励磁が行われる構成であって同時に励磁可能な相の数が12相である構成においては、4個のリール32L,32M,32Rの全てについて停止制御が完了していない状況では停止制御を同時に行うことが可能なリール32L,32M,32Rの数は2個となり、1個のリール32L,32M,32Rの停止制御が完了している状況では停止制御を同時に行うことが可能なリール32L,32M,32Rの数は3個となる。
【0290】
(5)リール32L,32M,32Rを回転させる駆動手段がステッピングモータ33以外のモータである構成としてもよい。この場合であっても、同時に停止制御を行うことが可能なリール32L,32M,32Rの数がリール32L,32M,32Rの総数から1減算した数以下に設定されている構成としてもよい。
【0291】
<遊技終了時の対応処理>
次に、通常処理(図10)のステップS310にて実行される遊技終了時の対応処理について図36のフローチャートを参照しながら説明する。
【0292】
遊技終了時の対応処理では、いずれかのBB役の当選状態又はBB状態である場合(ステップS1401:YES)、BB用処理を実行する(ステップS1402)。BB用処理では、いずれかのBB役に当選している状態であれば今回のゲームにおいてその当選となっているBB役に対応するBB入賞が発生したか否かを判定し、BB入賞が発生しているのであれば主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたBB状態フラグに「1」をセットすることで、遊技状態をBB状態に移行させる。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(図12)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。また、BB状態に移行したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてBB状態用の演出を開始させる。なお、BB状態に移行させた場合に主側RAM74からBB当選データを消去することで、BB役に当選した状態を解除する。また、第1BB入賞及び第2BB入賞のいずれが発生した場合であっても同一のBB状態となる。
【0293】
BB状態におけるBB用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したか否かを判定し、遊技媒体の付与が発生している場合には主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた合計付与数カウンタに今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数を加算する。そして、その加算後における合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値以上であるか否かを判定する。終了基準数に対応する値未満であればそのままBB用処理を終了する。終了基準数に対応する値以上であれば、主側RAM74のBB状態フラグを「0」クリアすることでBB状態を終了させる。また、BB状態が終了したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、画像表示装置63においてエンディング画像を表示させ、その後に、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるBB状態用の演出を終了させる。
【0294】
なお、BB状態が終了した場合、BB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてBB状態が開始された場合、BB状態の開始前における状態に関係なくBB状態の終了後には後述するART準備状態処理が実行される状態となる。ちなみに、AT状態においてBB状態に移行した場合には、ART状態の実行回を1回増加させるべく、後述する残ART実行カウンタの値が1加算される。
【0295】
いずれかのBB役の当選状態及びBB状態のいずれでもなく(ステップS1401:NO)、さらにAT状態ではない場合(ステップS1403:NO)、RTモードの移行処理(ステップS1404)、移行チャンス管理処理(ステップS1405)及びゲーム数解除管理処理(ステップS1406)を実行する。なお、BB状態及びAT状態のいずれでもない状態におけるゲームにおいて中リール32M又は右リール32Rに対する停止操作が最初に行われた場合、左リール32Lから停止操作を行うべきことを示す報知が実行されるものの、その後のゲームにおいて利益の付与を制限するようなペナルティは付与されない。
【0296】
RTモードの移行処理(ステップS1404)では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第2RTモードに移行させる。また、RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には通常モードに移行させる。
【0297】
移行チャンス管理処理(ステップS1405)では、今回のゲームが通常モードであって役の抽選処理(図12)にてインデックス値IV=4?6のいずれかにて当選となったか否かを判定する。通常モードにおいてインデックス値IV=4?6のいずれかにて当選となっている場合、AT状態への移行抽選処理を実行する。AT状態への移行抽選処理は、BB役の当選状態、BB状態及びAT状態のいずれでもない状況であって主側MPU72の抽選モードが通常モードである場合に実行される。AT状態への移行抽選処理では、インデックス値IV=4?6のそれぞれに対応したAT移行抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば1.49msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記AT移行抽選テーブルに対して照合する。AT移行抽選テーブルは、インデックス値IV=4で当選となった場合には5%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=5で当選となった場合には10%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=6で当選となった場合には15%の確率でAT移行当選となるように設定されている。
【0298】
AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたAT状態カウンタに「1」をセットする。AT状態カウンタは、主側MPU72にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。非AT状態である場合はAT状態カウンタの値が「0」であり、AT状態である場合にはAT状態カウンタの値が1以上である。AT状態カウンタに「1」がセットされることにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS1408)を実行することとなる。
【0299】
また、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、AT状態の実行回の抽選処理を実行する。AT状態が開始される場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたARTゲーム数カウンタに1実行回の継続ゲーム数がセットされ、ARTゲーム数カウンタの値が「0」となった場合にその1実行回が終了する。AT状態の実行回の抽選処理では、その実行回の回数を抽選により決定する。AT状態の実行回の抽選処理では、実行回抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば1.49msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記実行回抽選テーブルに対して照合する。実行回抽選テーブルは、1回の実行回が50%の確率で選択され、2回の実行回が30%の確率で選択され、3回の実行回が15%の確率で選択され、5回の実行回が5%の確率で選択されるように設定されている。AT状態の実行回の抽選処理にて選択された実行回の値は、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた残ART実行カウンタにセットされる。ARTゲーム数カウンタはART状態の1実行回における残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、残ART実行カウンタはART状態の残りの実行回を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0300】
なお、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合にはそのゲームでAT状態への移行が行われる構成に限定されることはなく、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合には所定の前兆ゲーム数(例えば32ゲーム)が消化された後に、AT状態への移行が行われる構成としてもよい。この場合、前兆ゲーム数の計測が行われている状況における各ゲームにおいてAT状態への移行を遊技者に期待させることが可能な演出を上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行することで遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
【0301】
ゲーム数解除管理処理(ステップS1406)では、AT状態が前回終了する場合に設定された解除ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。つまり、1ゲームが終了する度に解除ゲーム数の値を1減算し、残りの解除ゲーム数の値が「0」となった場合には主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。これにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS1408)を実行することとなる。また、AT状態カウンタに「1」をセットする場合には、主側RAM74の残ART実行カウンタに「1」をセットする。
【0302】
主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上である場合、AT状態であることを意味するため、ステップS1403にて肯定判定をしてステップS1407に進む。ステップS1407ではAT状態カウンタの値を把握し、その把握した値に対応する処理を実行する。具体的には、AT状態カウンタの値が「1」であればART準備状態処理を実行し(ステップS1408)、AT状態カウンタの値が「2」であればART状態処理を実行し(ステップS1409)、AT状態カウンタの値が「3」であればART終了分岐処理を実行する(ステップS1410)。ステップS1402の処理を実行した場合、ステップS1406の処理を実行した場合、又はステップS1408?ステップS1410のいずれかの処理を実行した場合、ゲーム終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1411)。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。以下、ステップS1408?ステップS1410の各処理について説明する。
【0303】
まずART準備状態処理(ステップS1408)について説明する。
【0304】
ART準備状態は、ART状態への移行可能条件が成立した場合において、ART状態に移行する前に滞在することとなる状態である。ART準備状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART準備状態では、通常モード用抽選テーブル(図13)又は第1RTモード用抽選テーブル(図15)におけるインデックス値IV=9?12のいずれか(以下、昇格対象役ともいう)で当選となった場合に第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序(以下、昇格発生用の停止順序ともいう)が報知される。ART状態への移行は、ART準備状態処理又はART終了分岐処理が実行されている状況において、第1RTモードにて昇格対象役で当選となり昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止操作されて抽選モードが第2RTモードに移行した場合に発生する。
【0305】
図37はART準備状態処理を示すフローチャートである。ART準備状態処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS1501)。ペナルティ事象には、昇格対象役で当選となった場合において昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。ART準備状態においては昇格対象役に当選した場合には昇格発生用の停止順序が画像表示装置63にて報知されることとなるが、当該報知が実行されているにも関わらず昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止操作されない事象はペナルティ事象となる。
【0306】
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS1501:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS1502)。ペナルティフラグは、ART準備状態においてペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART準備状態からART状態に移行する場合に「0」クリアされる。
【0307】
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=4?6のいずれかに当選しており(ステップS1503:YES)、さらに主側RAM74のペナルティフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1504:NO)、初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1505)。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART準備状態からART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=4?6のそれぞれに対応した初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば1.49msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=4→IV=5→IV=6の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1506:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた初期上乗せカウンタに加算する(ステップS1507)。初期上乗せカウンタは、ART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数の上乗せ分を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0308】
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1508:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1509)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図36)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS1409)を実行することとなり、遊技状態がART準備状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aのデータ設定を行う(ステップS1510)。その後、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であることを条件として(ステップS1511:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値を1減算する(ステップS1512)。
【0309】
ART準備状態処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS1513)。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0310】
次に、遊技終了時の対応処理(図36)におけるART状態処理(ステップS1409)について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
【0311】
ART状態処理では、今回の処理回がART準備状態又はART終了分岐状態からART状態に移行した直後の処理回であるか否かを判定することで、今回の処理回がART状態の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1601)。ART状態の開始タイミングである場合には(ステップS1601:YES)、ARTゲーム数カウンタへのセット処理を実行する(ステップS1602)。
【0312】
ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が1以上であれば、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の途中でBB状態に移行して当該BB状態の終了後にART状態に再度移行する場合には、その実行途中であったART状態の実行回における残りの継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。一方、ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であれば、当該ARTゲーム数カウンタに初期継続ゲーム数である「50」をセットした後に、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の1実行回が新たに開始される場合には、ART状態の1実行回における初期継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。
【0313】
ART状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=4?6のいずれかで当選している場合(ステップS1603:YES)、継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1604)。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=4?6のそれぞれに対応した継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば1.49msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=4→IV=5→IV=6の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1605:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する(ステップS1606)。
【0314】
ART状態処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1607)。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1608:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードであるか否かを判定する(ステップS1609)。残ART実行カウンタの値が1以上である場合又は通常モードではない場合(ステップS1609:NO)、主側RAM74のAT状態カウンタに「3」をセットする(ステップS1610)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図36)における次回の処理回においてART終了分岐処理(ステップS1410)を実行することとなり、遊技状態がART状態からART終了分岐状態に移行する。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードである場合(ステップS1609:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタを「0」クリアする(ステップS1611)。これにより、AT状態が終了することとなる。
【0315】
ART状態処理では、RTモードの移行処理を実行する(ステップS1612)。RTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第2RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0316】
次に、遊技終了時の対応処理(図36)におけるART終了分岐処理(ステップS1410)について説明する。
【0317】
ART終了分岐状態は、ART状態の1実行回が終了した場合に滞在する遊技状態である。ART終了分岐状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART終了分岐状態においては主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば最終的にART状態に復帰し、当該残ART実行カウンタの値が「0」であってもART状態に復帰し得る。ここで、ART状態の1実行回が終了した場合にART終了分岐状態に移行するため、ART終了分岐状態に移行したタイミングにおいて抽選モードが第2RTモードとなっている可能性が高い。この場合において残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、第2RTモードから第1RTモードへの移行を一旦発生させて、その後に第2RTモードに再度移行するのに合わせてART状態の新たな実行回が開始される。
【0318】
ART終了分岐状態であっても上記のとおりインデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合にはベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるため、遊技者にとって有利な状態となる。この場合に、残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、少なくとも抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行するまではART終了分岐状態に滞在することとなる。その一方、ART終了分岐状態において第2RTモードである場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第2転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0319】
図39はART終了分岐処理を示すフローチャートである。ART終了分岐処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS1701)。ペナルティ事象には、昇格対象役(通常モード用抽選テーブル(図13)におけるIV=9?12及び第1RTモード用抽選テーブル(図15)におけるIV=9?12)で当選となった場合において昇格発生用の停止順序が報知されているにも関わらず、昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止操作されなかったことが含まれる。また、ペナルティ事象には、第1RTモード用抽選テーブル(図15)におけるIV=13?18のいずれかで当選となった場合において転落回避用の停止順序が報知されているにも関わらず、転落発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止操作されたことが含まれる。
【0320】
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS1701:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS1702)。ペナルティフラグは、ペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART終了分岐状態が終了する場合に「0」クリアされる。
【0321】
ART終了分岐処理では、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1703:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1704:YES)、当該残ART実行カウンタの値を1減算した後に(ステップS1705)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1706)。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であれば、ステップS1705の処理を実行することなく、AT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1706)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図36)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS1409)を実行することとなり、遊技状態がART終了分岐状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aのデータ設定を行う(ステップS1707)。
【0322】
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選することで、遊技者はART状態の新たな実行回を容易に開始させることが可能となる。一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況においては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序であれば第2RTリプレイ入賞が発生し、ART状態の新たな実行回が開始されることとなる。つまり、残ART実行カウンタの値が「0」であっても遊技者の予測に基づきART状態の新たな実行回を開始させることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0323】
ART終了分岐処理では、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1708:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば(ステップS1709:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1710)。これにより、AT状態が終了することとなる。また、抽選モードが通常モードとなるようにするために、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aのデータ設定を行う(ステップS1711)。
【0324】
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能なリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を容易に回避させることが可能となる。また、仮に、当該状況において第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態は継続される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況においては、遊技者の操作ミスによって第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。
【0325】
一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能な停止順序であれば第1転落リプレイ入賞が発生しない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第1転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0326】
ART終了分岐処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS1712)。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0327】
<報知制御処理>
次に、主側MPU72において抽選処理(図12)におけるステップS512にて実行される報知制御処理について説明する。報知制御処理では、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための制御を実行するとともに、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したことを報知するための制御を実行する。この場合、報知制御処理においては各種報知を画像表示装置63にて行わせるためのコマンドの設定処理を実行するとともに、当該コマンドの設定処理を実行する場合には当該コマンドにおいて指示する報知内容に対応する表示を特別表示部67にて行わせるための設定処理を実行する。報知制御処理の具体的な処理内容の説明に先立ち、特別表示部67について詳細に説明する。
【0328】
図40(a)は特別表示部67の正面図である。特別表示部67には、7個の表示用セグメント101?107が設けられている。各表示用セグメント101?107は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメント101?107のみを点灯させることができるとともに、任意の組合せの表示用セグメント101?107を点灯させることができる。上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメント101?107においてはいずれも同一の色が表示されることとなるが、これに限定されることはなく、各表示用セグメント101?107において異なる色が表示される構成としてもよく、各表示用セグメント101?107のそれぞれにおいて複数種類の色を表示することが可能な構成としてもよい。第1?第7表示用セグメント101?107はいずれも直線状の表示用セグメントであり、所謂7セグメント表示器となるように第1?第7表示用セグメント101?107が配列されている。これにより、特別表示部67において、数字の「1」?「9」及びアルファベットの「H」といったように複数種類の表示を行うことが可能である。なお、特別表示部67は上記のようなセグメント表示器である構成に限定されることはなく、複数種類の記号、数字又は文字を表示することが可能であれば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置を用いてもよい。
【0329】
本スロットマシン10では、既に説明したとおり、インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止指令が発生した順序が所定の停止順序となった場合にベル入賞が発生する。また、通常モード用抽選テーブル(図13及び図14)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=9?12のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止指令が発生した順序が所定の停止順序となることで第1RTリプレイ入賞が成立し、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=9?12のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止指令が発生した順序が所定の停止順序となることで第2RTリプレイ入賞が成立する。また、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=13?18のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止指令が発生した順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が成立する。また、第2RTモード用抽選テーブル(図17及び図18)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=9?14のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止指令が発生した順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が成立する。
【0330】
このようにリール32L,32M,32Rの停止指令が発生した順序に対応して入賞の成立態様が相違する構成において、画像表示装置63において報知され得るリール32L,32M,32Rの停止順序としては、第1停止が左リール32Lであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、が存在している。これら停止順序は、合計で9種類存在している。
【0331】
また、ART終了分岐状態においては、第2RTモード用抽選テーブル(図17及び図18)におけるインデックス値IV=9?14のいずれかで当選となった場合、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)におけるインデックス値IV=9?12のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2RTリプレイ入賞を発生させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)におけるインデックス値IV=13?18のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。
【0332】
上記構成において、特別表示部67では当選役との関係で画像表示装置63にて報知される内容に対応させた表示が行われる。特別表示部67の表示内容について、図40(b)を参照しながら説明する。
【0333】
特別表示部67の表示内容は、画像表示装置63における上記8種類の停止順序の報知内容に1対1で対応させて設定されているとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われることに対応させて設定されている。具体的には、第1停止が左リール32Lであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「1」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「2」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「3」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「4」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「5」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「6」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「7」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「8」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「9」の数字が表示内容として設定されており、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「H」の文字が表示内容として設定されている。
【0334】
上記のように特別表示部67の表示内容が設定されていることにより、画像表示装置63における異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないこととなる。これにより、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
【0335】
なお、画像表示装置63における上記各報知内容に対して特別表示部67の表示内容が1対1で対応させて設定されている構成に限定されることはなく、上記各報知内容の一部又は全部に対しては特別表示部67の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。この場合であっても、異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないようにすることで、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
【0336】
図41(a)及び図41(b)は画像表示装置63における報知内容と特別表示部67における表示内容との関係を説明するための説明図である。
【0337】
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、図41(a1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1?G3が表示され、各単位表示画像G1?G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には、左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、図41(a1)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
【0338】
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、特別表示部67では図41(a2)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「6」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1?G3が表示されるとともに各単位表示画像G1?G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、特別表示部67ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
【0339】
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合、図41(b1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1?G3が表示されるものの、各単位表示画像G1?G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示は行われない。具体的には、左単位表示画像G1、中単位表示画像G2及び右単位表示画像G3のそれぞれにおいて同一の画像として「?」の画像が表示される。また、各単位表示画像G1?G3とは別に、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像として「狙え!!」という文字画像G4が表示される。
【0340】
画像表示装置63においては上記のように抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されるのに対して、特別表示部67では図41(b2)に示すように、抽選モードの分岐タイミングであることに対応する「H」の表示が行われる。この「H」の表示は、リール32L,32M,32Rの停止順序には対応していない。このように画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合には、特別表示部67においてもリール32L,32M,32Rの停止順序を特定不可とする表示が行われるようにすることで、リール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に予測させるという遊技内容が特別表示部67の表示内容によって消失されてしまわないようにすることが可能となる。
【0341】
ここで、図1に示すように、特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。これにより、画像表示装置63に比べて特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、特別表示部67は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して特別表示部67が離間された位置に配置されることとなり、これによっても特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0342】
図42は報知制御処理を示すフローチャートである。
【0343】
報知制御処理では、インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合(ステップS1801:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上であって、主側RAM74のペナルティフラグの値が「0」であることを条件として(ステップS1802:YES、ステップS1803:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1804)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73において後述する特定制御用のデータとして設けられた表示対応テーブルを参照することで、今回当選となったインデックス値IVにおいてベル入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73において後述する特定制御用のデータの一部を記憶するためのエリアとして設けられた表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、ベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0344】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1805)。報知実行コマンドは、今回のゲームにおいて当選役と関係する報知を実行すべきことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、停止順コマンドは、今回のゲームにおいて報知すべきリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。報知実行コマンドは1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドが送信対象としてセットされる。停止順コマンドは、画像表示装置63にて報知させる停止順序の種類に1対1で対応させて設定されており、ステップS1805ではベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1805にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0345】
報知制御処理では、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1806:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「1」又は「2」である場合(ステップS1807:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1808)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0346】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1809)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1RTリプレイ入賞及び第2RTリプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1809にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0347】
報知制御処理では第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1810:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「2」である場合、又はAT状態カウンタの値が「1」であって第2RTモードではない場合(ステップS1811:YES、ステップS1812:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1813)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0348】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1814)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1814にてセットされた各種コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1813にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
【0349】
なお、AT状態カウンタの値が「1」である場合というのはART準備状態であり、ART準備状態においては第2RTモードである場合には第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序を報知しない構成とすることで、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに移行させる契機を生じさせることが可能となる。ART準備状態からART状態への移行は第1RTモードから第2RTモードに移行した場合に発生するため、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに一旦移行させることで、ART準備状態からART状態への移行契機を発生させる機会を担保することが可能となる。
【0350】
報知制御処理では、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「3」である場合、すなわちART終了分岐状態である場合(ステップS1815:YES)、分岐対応の報知制御処理を実行する(ステップS1816)。分岐対応の報知制御処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。
【0351】
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1901:YES)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1902)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0352】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1903)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0353】
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1904:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1905:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1906)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0354】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1907)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1907にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1906にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
【0355】
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1904:YES、ステップS1905:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1908)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0356】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1909)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0357】
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1910:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1911:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1912)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0358】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1913)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1913にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0359】
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1910:YES、ステップS1911:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1914)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0360】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1915)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0361】
なお、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば、当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容となるように特別表示部67の表示制御が実行されるとともに、当該停止順序が画像表示装置63にて報知されるように報知実行コマンド及び停止実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする。
【0362】
次に、演出側MPU82にて実行される報知用処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。報知用処理は例えば4msec周期で実行される。
【0363】
主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドの両方を受信している場合(ステップS2001:YES)、停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS2002)。但し、このタイミングでは今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序の画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS2003)。報知遅延期間はリール32L,32M,32Rが回転を開始して定速回転となるまでの加速期間よりも短い期間として設定されており、例えば0.5msecに設定されている。計測用カウンタにセットされた値は、報知用処理が開始される度に減算される。
【0364】
報知用処理では、主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドのうち報知実行コマンドのみを受信し、当該報知実行コマンドを受信するタイミングの前後の監視期間において停止順コマンドを受信していない場合(ステップS2004:YES)、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS2005)。但し、このタイミングでは抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS2006)。この報知遅延期間に対応する値は、ステップS2003の場合と同様である。
【0365】
報知用処理では、演出側RAM84の計測用カウンタを利用して計測している報知遅延期間が経過した場合(ステップS2007:YES)、報知開始処理を実行する(ステップS2008)。報知開始処理では、今回がステップS2003にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS2002にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図41(a1)に示すように、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される。一方、報知開始処理では、今回がステップS2006にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS2005にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図41(b1)に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される。
【0366】
報知用処理では、その他の処理を実行する(ステップS2009)。その他の処理では、例えば主側MPU72からゲーム終了コマンドを受信している場合、そのゲームにおいて画像表示装置63に最終的に表示した画像の表示を終了させて、次のゲームの開始を待機する画像の表示を開始する。この場合、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知する画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その停止順序を報知する画像の表示を終了させる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その画像の表示を終了させる。
【0367】
次に、図45のタイムチャートを参照しながら、特別表示部67及び画像表示装置63のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子について説明する。図45(a)はリール32L,32M,32Rの回転期間を示し、図45(b)はリール32L,32M,32Rの加速期間を示し、図45(c)は特別表示部67における当選役に関する報知の実行期間を示し、図45(d)は画像表示装置63における当選役に関する報知の実行期間を示す。
【0368】
t1のタイミングで、図45(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始され、図45(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が開始される。また、t1のタイミングで、図45(c)に示すように主側MPU72による直接的な表示制御に基づき特別表示部67において当選役との関係の報知が開始される。
【0369】
その後、リール32L,32M,32Rの加速期間における途中のタイミングであるt2のタイミングで、図45(d)に示すように演出側MPU82による直接的な表示制御に基づき画像表示装置63において当選役との関係の報知が開始される。つまり、当選役に関する報知が画像表示装置63だけではなく特別表示部67においても行われる構成において、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始された後に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始される。
【0370】
その後、t3のタイミングで、図45(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が終了し、リール32L,32M,32Rにおいて定速回転が開始される。その後、t4のタイミングで図45(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、当該t4のタイミングで、図45(d)に示すように画像表示装置63における当選役に関する報知が終了される。その後、t5のタイミングで、図45(c)に示すように特別表示部67における当選役に関する報知が終了される。そして、その後のt6のタイミングで図45(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が新たに開始される。但し、当該ゲームでは当選役に関する報知は実行されない。
【0371】
上記構成の場合、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始されたタイミング以降に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始され、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63における当選役に関する報知が終了したタイミング以降に、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67における当選役に関する報知が終了する。つまり、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている期間は、特別表示部67にて当選役に関する報知が実行されている期間にその全体が含まれることとなる。これにより、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている場合には確実に特別表示部67において当選役に関する報知が実行されることとなり、画像表示装置63にて実行されている当選役に関する報知が不正行為によるものであるか否かの確認を特別表示部67の表示内容を利用して行う場合において、当該確認を任意のタイミングで行うことが可能となる。
【0372】
<特別表示部67に関する構成の効果>
主側MPU72における抽選処理(図12)にてインデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、その報知を確認した遊技者はその停止順序に従ってリール32L,32M,32Rの停止操作を行うことでベル入賞を成立させることが可能となる。これは第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役及び第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合も同様であり、報知されている停止順序に従ってリール32L,32M,32Rの停止操作を行うことで当選となっている役に対応するリプレイ入賞を成立させることが可能となる。また、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選となった場合に第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、その報知を確認した遊技者はその停止順序に従ってリール32L,32M,32Rの停止操作を行うことで第2転落リプレイ入賞の成立を回避させることが可能となる。これは第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合も同様である。当該構成において、上記のように所定の停止順序となることで所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合に、停止順序の報知が演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63にて実行される構成であることにより、画像表示装置63への遊技者の注目度を高めるべく画像表示装置63にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が主側MPU72に及ばないようにすることが可能となる。
【0373】
但し、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63にて停止順序の報知が実行される構成においては、主側MPU72と演出側MPU82との間の通信経路や演出側MPU82に対して不正を施すことで画像表示装置63にて停止順序の報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、画像表示装置63にて停止順序の報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0374】
これに対して、演出側MPU82により制御される画像表示装置63にて停止順序の報知が実行されるだけではなく、主側MPU72により直接的に制御される特別表示部67においてその報知対象の停止順序に対応する報知が行われる。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されている場合に特別表示部67においても報知対象の停止順序に対応する報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0375】
所定の停止順序となることで所定の入賞が発生する所定対応役に当選していない場合、特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されない。これにより、特別表示部67の役割を明確なものとすることが可能となる。
【0376】
画像表示装置63において停止順序の報知が実行される場合、特別表示部67においてその報知対象の停止順序に対応する報知が実行される。これにより、画像表示装置63において実行されている停止順序の報知が正規のものであるか否かの確認を停止順序の報知が実行される場合には毎回行うことが可能となる。
【0377】
特別表示部67における停止順序に対応する報知は画像表示装置63における停止順序の報知よりも、報知対象となっている停止順序の内容を遊技者が把握しづらい態様で行われる。これにより、画像表示装置63だけではなく特別表示部67が設けられた構成において画像表示装置63への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別表示部67における報知態様を簡素な態様としたとしても遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0378】
特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い。これにより、画像表示装置63だけではなく特別表示部67が設けられた構成において画像表示装置63への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別表示部67における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0379】
画像表示装置63において停止順序の報知を実行することを可能とする停止順コマンドが主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成において、当該停止順コマンドには役の抽選処理の結果そのものは含まれない。これにより、主側MPU72と演出側MPU82との間の通信経路に不正にアクセスして停止順コマンドを不正に取得したとしても、その停止順コマンドから役の抽選処理の結果を把握しようとすることを不可とすることが可能となる。よって、停止順コマンドを取得することによる不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
【0380】
画像表示装置63における停止順序め報知及び特別表示部67における停止順序に対応する報知を実行するか否かの決定が主側MPU72において集約して実行される。これにより、主側MPU72と演出側MPU82との間で双方向通信を行わなくても、画像表示装置63にて停止順序の報知が実行される場合に特別表示部67にて停止順序に対応する報知が実行されるようにすることが可能となる。
【0381】
画像表示装置63にて実行される停止順序の報知の種類が複数種類設定されている構成において、特別表示部67においては停止順序の報知の種類に対応する態様で報知が実行される。これにより、停止順序の報知の種類が複数種類設定されている構成であっても、特別表示部67における報知の内容を確認することで今回のゲームに対応する停止順序の報知の内容を把握することが可能となる。
【0382】
所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合であっても画像表示装置63において停止順序の報知が実行されない場合には、特別表示部67において停止順序に対応する報知は実行されない。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されるのが好ましくない状況において、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0383】
停止順序の報知は実行されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される場合、特別表示部67において停止順序に対応する報知は実行されない。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されるのが好ましくない状況において、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される場合、停止順序に対応する報知ではないものの画像表示装置63における表示内容に対応する表示が特別表示部67にて実行される。これにより、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示されている場合であっても、特別表示部67を確認することでその画像表示装置63に表示されている画像が正規のものか否かを確認することが可能となる。
【0384】
特別表示部67において停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降のタイミングで画像表示装置63において停止順序の報知が開始される。これにより、画像表示装置63において停止順序の報知が開始されたタイミングで特別表示部67を確認することで、その停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
【0385】
特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降に画像表示装置63における停止順序の報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において画像表示装置63における停止順序の報知が開始される。これにより、停止操作が有効化される前に画像表示装置63における停止順序の報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
【0386】
画像表示装置63における停止順序の報知が終了した後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する。これにより、画像表示装置63における停止順序の報知が終了する前に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了してしまうことがないため、画像表示装置63における停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
【0387】
<分岐対応の報知制御処理の別形態>
次に、分岐対応の報知制御処理の別形態について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。図46は本別形態における分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【0388】
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2101:YES)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2102)。この場合に、ART終了分岐状態である場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
【0389】
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2103:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS2104:YES)、表示データの設定処理を実行する(ステップS2105)。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2106)。これにより、画像表示装置63では第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
【0390】
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS2103:YES、ステップS2104:NO)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2107)。この場合に、ART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
【0391】
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2108:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS2109:YES)、表示データの設定処理を実行する(ステップS2110)。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2111)。これにより、画像表示装置63では第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
【0392】
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS2108:YES、ステップS2109:NO)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2112)。この場合に、ART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
【0393】
<特別表示部67に関する構成のさらなる別形態>
(1)画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合及びリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合にのみ特別表示部67において表示が行われる構成に限定されることはなく、これら以外の場合においても特別表示部67において表示が行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が実行されない状況であっても、所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合には特別表示部67においてそれに対応する報知が行われる構成としてもよい。また、例えば画像表示装置63において停止順序の報知が実行されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が実行される場合には特別表示部67において停止順序に対応する報知が行われる構成としてもよい。但し、画像表示装置63において停止順序が報知されないにも関わらず遊技者が停止順序を明確に特定可能な態様で特別表示部67において報知が行われると、例えばインデックス値IV=1?3のいずれかに当選した場合にはART状態であるか否かに関係なくベル入賞が成立してしまうこととなる。したがって、そのような状況において特別表示部67にて報知を行う場合には停止順序を特定しづらい態様で当該報知が行われるようにすることが好ましい。
【0394】
(2)役の抽選処理の結果に対応する報知が演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される場合には、それに対応する報知が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、全てのリール32L,32M,32Rの回転が終了する前に、そのゲームにおける役の抽選処理の結果に対応する表示色でキャラクタや文字などの画像が画像表示装置63にて表示される構成においては、その画像が表示されるよりも前のタイミング、その画像の表示タイミングと同時のタイミング又はその画像が表示された後のタイミングにおいて、当該ゲームの役の抽選処理の結果に対応する表示又はその表示色に対応する表示が特別表示部67において実行される構成としてもよい。より具体的には、通常リプレイ役が当選となった場合に画像表示装置63にて青色のキャラクタや文字などの画像が表示される場合には、それに対応する青色対応表示が特別表示部67において行われるようにし、第1スイカ役又は第2スイカ役が当選となった場合に画像表示装置63にて緑色のキャラクタや文字などの画像が表示される場合には、それに対応する緑色対応表示が特別表示部67において行われるようにする構成が考えられる。これにより、役の抽選処理の結果に対応する表示色が画像表示装置63にて報知される場合には、それに対応する表示が特別表示部67において行われることとなる。なお、当該構成を、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて入賞役が変化する構成ではないスロットマシンに適用してもよく、リール32L,32M,32Rの停止順序が演出側MPU82の制御に基づき報知される構成ではないスロットマシンに適用してもよい。
【0395】
(3)役の抽選処理の結果に関係なく各ゲームにおいて特別表示部67にて何らかの表示が行われる構成としてもよい。この場合、役の抽選処理の結果に対応する報知が特別表示部67において行われる構成としてもよいが、特別表示部67を確認することで役の抽選処理の結果が遊技者に明確に把握されてしまうのは好ましくないため、役の抽選処理の結果を特定しづらい態様で当該報知が行われるようにすることが好ましい。
【0396】
(4)画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合にはその停止順序に対応する報知が特別表示部67において行われるが、画像表示装置63において停止順序の報知が行われない場合には役の抽選処理の結果を特定不可とするような表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容が抽選により決定され、その抽選結果に対応する表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。これにより、画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合には当該停止順序に対応する報知が特別表示部67にて行われるようにしながら、停止順序の報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容を不規則なものとすることが可能となる。この場合、特別表示部67の機能が遊技者にとって分かりづらくなり、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0397】
(5)画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われる場合には、それに対応する報知が特別表示部67において行われるが、それ以外の場合においては役の抽選処理の結果を特定不可とするような表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容が抽選により決定され、その抽選結果に対応する表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。
【0398】
(6)主側MPU72に動作電力が供給されている場合には特別表示部67において何らかの表示が常時行われている構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われるゲームにおいてはそれに対応する報知が特別表示部67において行われ、それ以外の場合には待機中であることを示す待機表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。これにより、主側MPU72と特別表示部67との間の電気経路に何らかの異常が発生しているか否かの確認、及び特別表示部67に故障が発生しているか否かの確認を、特別表示部67を目視するだけで行うことが可能となる。
【0399】
(7)画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間が、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間に含まれている構成としたが、これに限定されることはなく、画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間の少なくとも一部が、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間に含まれていない構成としてもよい。例えば、特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始されたタイミング以降に画像表示装置63において停止順序の報知が開始されるものの画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている途中で特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了される構成としてもよく、特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了したタイミング以降に画像表示装置63における停止順序の報知が開始される構成としてもよく、画像表示装置63において停止順序の報知が開始された後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始され、画像表示装置63において停止順序の報知が終了したタイミング以降に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよく、画像表示装置63において停止順序の報知が開始された後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始され、画像表示装置63において停止順序の報知が終了するよりも前のタイミングで特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよい。特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間を、画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間よりも短くすることにより、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0400】
(8)特別表示部67がクレジット表示部65又は付与数表示部66といった他の情報を報知するための表示部内に設けられている構成としてもよい。例えば、クレジット表示部65及び付与数表示部66のうち一方である対象表示部が当該対象表示部の外縁を区画する区画枠部と、対象表示部の報知対象の情報を報知するための報知発光部とを備えた構成において、特別表示部67が対象表示部の区画枠部に区画された領域内において報知発光部と隣接する位置に配置されている構成としてもよい。この場合、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0401】
(9)特別表示部67に入賞の結果に影響を与えるリール32L,32M,32Rの数と同数の単位表示部を設定し、各単位表示部において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示を実行する構成としてもよい。この場合、特別表示部67においても画像表示装置63と同様にリール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に明確に把握させることを可能とする報知が実行されることとなる。
【0402】
(10)第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役及び第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役の少なくとも一つの役については、リール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となった場合に対応する抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が発生するのではなく、少なくとも一のリール32L,32M,32Rについてその回転位置に対する停止操作タイミングが所定の操作タイミングとなった場合に対応する抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が発生する構成としてもよい。この場合、その役について移行契機となるリプレイ入賞の発生を可能とさせる場合又は当該リプレイ入賞の発生を回避可能とさせる場合には、画像表示装置63においては停止操作タイミングを遊技者が認識可能となる報知が行われるとともに、特別表示部67においては当該報知内容に対応する報知が行われることとなる。
【0403】
(11)演出側MPU82の制御により停止態様の報知を実行するための装置は、画像表示装置63に限定されることはなく、当該画像表示装置63に代えて又は加えて、停止態様を報知するための専用発光部が演出側MPU82により制御されることで停止態様の報知が実行される構成としてもよく、スピーカ62が演出側MPU82により制御されることで停止態様の報知が実行される構成としてもよい。
【0404】
(12)停止態様の報知を実行するか否かが主側MPU72により決定される構成は必須ではなく、停止態様の報知を実行するか否かの決定が主側MPU72及び演出側MPU82のそれぞれにおいて行われる構成としてもよく、停止態様の報知を実行するか否かの決定が演出側MPU82において行われる構成としてもよい。但し、停止態様の報知を実行するか否かの決定が演出側MPU82において行われる構成の場合、その決定結果の情報が演出側MPU82から主側MPU72に送信される必要がある。
【0405】
(13)演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する報知の内容に対して、特別表示部67における表示内容が1対1で対応している構成に限定されることはなく、画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する1種類の報知の内容に対して、特別表示部67における表示内容が複数種類設定されている構成としてもよい。
【0406】
例えば、画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、そのゲームにおいて当選となっている役の種類に1対1で対応する表示が特別表示部67にて行われる構成としてもよい。この場合、同一の停止順序が画像表示装置63にて報知される状況であっても、そのゲームにおいて当選となった役の種類に応じて特別表示部67における表示内容が相違することとなる。
【0407】
また、画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、その停止順序の報知内容に対応する複数種類の表示内容から抽選により選択された一の表示内容が選択され、その選択された表示内容が特別表示部67にて表示される構成としてもよい。この場合であっても、同一の停止順序が画像表示装置63にて報知される状況であっても、特別表示部67における表示内容が相違し得ることとなる。
【0408】
上記各構成によれば、特別表示部67において報知されている内容が遊技者にとって分かりづらくなる。但し、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する報知の内容に特別表示部67の表示内容を対応させるべく、画像表示装置63において所定の報知が実行される場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容と、画像表示装置63において所定の報知とは異なる報知が実行される場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容とが完全に相違する構成とすることが好ましい。
【0409】
(14)特別表示部67においては役の抽選処理の結果に対応する表示が実行される構成としてもよい。この場合、役の抽選処理の結果に対して、特別表示部67における表示内容が1対1で対応している構成としてもよい。また、当該構成に代えて、役の抽選処理の各結果に対して、特別表示部67における表示内容が複数種類設定されている構成としてもよい。これにより、特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する表示が行われるようにしながら、特別表示部67を確認したとしてもその役の抽選処理の結果を遊技者が把握しづらくなる。但し、役の抽選処理の結果に特別表示部67の表示内容を対応させるべく、役の抽選処理の結果が所定の結果である場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容と、役の抽選処理の結果が当該所定の結果とは異なる結果である場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容とが完全に相違する構成とすることが好ましい。この場合、役の抽選処理の一の結果に対して設定されている特別表示部67の表示内容の種類はいずれの役の抽選処理の結果であっても同数である構成としてもよく、役の抽選処理の結果に応じて異なる数である構成としてもよい。
【0410】
なお、当該構成を、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて入賞役が変化する構成ではないスロットマシンに適用してもよく、リール32L,32M,32Rの停止順序が演出側MPU82の制御に基づき報知される構成ではないスロットマシンに適用してもよい。例えば、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて入賞可能な役の種類に対応する報知が実行される構成に対して当該構成を適用してもよい。
【0411】
(15)特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する表示が実行される構成である場合、全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に、特別表示部67における役の抽選処理の結果に対応する表示が開始される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rが回転している状況において特別表示部67を確認したとしても、そのゲームにおける役の抽選処理の結果が特定されてしまわないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、役の抽選処理が実行された後であって全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止される前に、特別表示部67における役の抽選処理の結果に対応する表示が開始される構成としてもよい。
【0412】
<エンディング画像の表示内容>
次に、BB状態が終了した場合に画像表示装置63にて表示されるエンディング画像について説明する。図47(a)?図47(e)は画像表示装置63にて表示されるエンディング画像の内容を説明するための説明図である。
【0413】
図47(a)?図47(e)に示すようにエンディング画像が表示される場合、画像表示装置63にはエンディングベース画像X1として画像A?画像Eのいずれかが表示されるとともに、エンディングベース画像X1の手前に存在しているようにして文字画像X2が表示される。文字画像X2としては、今回のBB状態において遊技者に付与された遊技媒体の合計数が表示される。
【0414】
エンディングベース画像X1においては、人、猫、魚、犬といった動物又は動物以外の物を象形した個別画像が所定の背景画像の前方に存在しているような画像が表示される。例えば図47(a)に示す画像Aには所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像として、男の子のキャラクタ画像が表示される。また、例えば図47(b)?図47(e)に示す画像B?画像Eには所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像として、女の子のキャラクタ画像が表示される。
【0415】
エンディングベース画像X1を表示させるための画像データとして、演出制御基板81に設けられたキャラクタROM131には、図47(f)の説明図に示すように、画像Aを表示させるための第1ベース画像データ132と、画像Bを表示させるための第2ベース画像データ133と、画像Cを表示させるための第3ベース画像データ134と、画像Dを表示させるための第4ベース画像データ135と、画像Eを表示させるための第5ベース画像データ136と、が設けられている。エンディングベース画像X1を表示させるために第1ベース画像データ132が使用されることにより、図47(a)の説明図に示すような画像Aが画像表示装置63に表示される。また、エンディングベース画像X1を表示させるために第2ベース画像データ133が使用されることにより、図47(b)の説明図に示すような画像Bが画像表示装置63に表示される。また、エンディングベース画像X1を表示させるために第3ベース画像データ134が使用されることにより、図47(c)の説明図に示すような画像Cが画像表示装置63に表示される。また、エンディングベース画像X1を表示させるために第4ベース画像データ135が使用されることにより、図47(d)の説明図に示すような画像Dが画像表示装置63に表示される。また、エンディングベース画像X1を表示させるために第5ベース画像データ136が使用されることにより、図47(e)の説明図に示すような画像Eが画像表示装置63に表示される。これら画像A?画像Eは、図47(a)?図47(e)に示すように、所定の背景画像の種類が相違しているとともに所定の背景画像の前方に存在しているように表示される個別画像の種類が相違している。これにより、エンディングベース画像X1として画像A?画像Eのいずれが表示されているのかを明確に区別することが可能となる。
【0416】
本スロットマシン10ではBB状態が実行される度にエンディング画像において表示されるエンディングベース画像X1の種類が予め定められた順序に従って切り換えられ、画像A?画像Eのそれぞれが当該予め定められた順序に従って1回ずつ表示対象となった場合には表示切換サイクルが1回終了したものとして新たな周回の表示切換サイクルが開始されて画像A?画像Eのそれぞれが上記予め定められた順序に従って再度1回ずつ表示対象となる。そして、表示切換サイクルが繰り返されることとなる。
【0417】
具体的には、メイン処理(図8)においてクリア処理(ステップS104)が実行されて主側RAM74の初期化が実行された場合、その後に最初に発生したBB状態におけるエンディング画像ではエンディングベース画像X1として画像Aが表示される。その後は、BB状態が実行される度に、画像B→画像C→画像D→画像E→画像A→画像B→・・・といった順序で、エンディングベース画像X1の種類が切り換えられる。これにより、エンディング画像の表示態様を多様化させることが可能となる。また、所定のエンディングベース画像X1に興味を持っている遊技者は、その所定のエンディングベース画像X1が表示されるBB状態となるまで遊技を継続することが期待され、さらには所定のエンディングベース画像X1が表示された場合には当該所定のエンディングベース画像X1が再度表示されるBB状態となるまで遊技を継続することが期待される。
【0418】
上記のようにエンディングベース画像X1の種類が予め定められた順序に従って変更される構成において、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されない場合であって、スロットマシン10の設定値が変更されない場合には、スロットマシン10の電源が遮断されて主側MPU72及び演出側MPU82への動作電力の供給が停止されたとしても、その順序は維持される。
【0419】
一方、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には当該主側RAM74が初期化されることに伴って、上記順序は維持されない。具体的には、主側RAM74が初期化される前に実行された最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1の種類がいずれであったとしても、主側RAM74が初期化された後の最初のBB状態においては画像Aが表示される。また、スロットマシン10の設定値が変更された場合にも上記順序は維持されない。具体的には、スロットマシン10の設定値が変更される前に実行された最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1の種類がいずれであったとしても、設定値が変更された後の最初のBB状態においては画像Aが表示される。これにより、遊技ホールの一営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において画像Eが表示されていないことを確認しておき、次の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態において画像Aが表示されたことを確認することで、スロットマシン10の設定値が変更された可能性があることを把握することが可能となる。この場合、スロットマシン10の設定値が変更されたか否かに注目している遊技者は、一営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態を確認したいと考えて本スロットマシン10の遊技を継続することが期待されるとともに、次の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態を確認したいと考えて本スロットマシン10の遊技を早期に開始することが期待される。したがって、本スロットマシン10において遊技が行われる機会を多くすることが可能となる。
【0420】
以下、上記のようなエンディング画像の表示を可能とするための処理構成について説明する。図48は主側MPU72にて実行されるBB用処理を示すフローチャートである。BB用処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1402にて実行される。
【0421】
まずBB開始用処理を実行する(ステップS2201)。BB開始用処理では、BB状態ではない遊技状態であっていずれかのBB役に当選している状態であれば今回のゲームにおいてその当選となっているBB役に対応するBB入賞が発生したか否かを判定し、BB入賞が発生しているのであれば主側RAM74のBB状態フラグに「1」をセットすることで、遊技状態をBB状態に移行させる。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(図12)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。また、BB状態に移行したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてBB状態用の演出を開始させる。なお、BB状態に移行させた場合に主側RAM74からBB当選データを消去することで、BB役に当選した状態を解除する。また、第1BB入賞及び第2BB入賞のいずれが発生した場合であっても同一のBB状態となる。
【0422】
BB用処理では、BB進行用処理を実行する(ステップS2202)。BB進行用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したか否かを判定し、遊技媒体の付与が発生している場合には主側RAM74の合計付与数カウンタに今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数を加算する。そして、その加算後における合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値以上であるか否かを判定する。なお、合計付与数カウンタはBB状態が新たに開始された場合に「0」クリアされる。合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値未満であればそのままBB進行用処理を終了する。合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値以上であれば、主側RAM74のBB状態フラグを「0」クリアすることでBB状態を終了させるとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたBB状態終了フラグに「1」をセットする。
【0423】
BB用処理では、主側RAM74のBB状態終了フラグに「1」がセットされている場合、BB状態の終了条件が成立しているとして(ステップS2203:YES)、ステップS2204?ステップS2209に示すBB終了用処理を実行する。なお、ステップS2203にて肯定判定をした場合にBB状態終了フラグを「0」クリアする。
【0424】
BB終了用処理では、まず主側RAM74の合計付与数カウンタの値を把握する(ステップS2204)。これにより、今回のBB状態において遊技者に付与された遊技媒体の合計数を把握することが可能となる。
【0425】
その後、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた終了画面カウンタ113の値を把握する(ステップS2205)。終了画面カウンタ113は、BB状態のエンディング画像において表示するエンディングベース画像X1の種類を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。終了画面カウンタ113の値が「0」である場合がエンディングベース画像X1として画像Aを表示する状況であることに対応し、終了画面カウンタ113の値が「1」である場合がエンディングベース画像X1として画像Bを表示する状況であることに対応し、終了画面カウンタ113の値が「2」である場合がエンディングベース画像X1として画像Cを表示する状況であることに対応し、終了画面カウンタ113の値が「3」である場合がエンディングベース画像X1として画像Dを表示する状況であることに対応し、終了画面カウンタ113の値が「4」である場合がエンディングベース画像X1として画像Eを表示する状況であることに対応する。主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には終了画面カウンタ113の値が「0」となることで、次回のBB状態におけるエンディングベース画像X1の表示対象が画像Aとなる。
【0426】
その後、BB終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2206)。BB終了コマンドとは、BB状態のエンディング画像を表示することを演出側MPU82に指示するためのコマンドである。BB終了コマンドには、ステップS2204にて把握した遊技媒体の合計付与数に対応する情報がセットされるとともに、ステップS2205にて把握した終了画面カウンタ113の値に対応する情報がセットされる。ステップS2206にてセットされたBB終了コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。BB終了コマンドを受信した場合における演出側MPU82の処理内容については後に説明する。
【0427】
BB終了コマンドをセットした後は、終了画面カウンタ113の値を1加算する(ステップS2207)。そして、その1加算後における終了画面カウンタ113の値が5以上であれば(ステップS2208:YES)、終了画面カウンタ113の値を「0」クリアする(ステップS2209)。ステップS2207?ステップS2209の処理が実行されることにより、次回のBB状態におけるエンディング画像では、今回のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して次の表示順序のエンディングベース画像X1が表示対象となる。
【0428】
図49は演出側MPU82にて実行されるエンディング表示制御処理を示すフローチャートである。エンディング表示制御処理は、報知用処理(図44)におけるその他の処理(ステップS2009)にて実行される。
【0429】
BB終了コマンドを受信している場合(ステップS2301:YES)、その受信したBB終了コマンドから今回のBB状態における遊技媒体の合計付与数を把握する(ステップS2302)。また、受信したBB終了コマンドから終了画面カウンタ113の値に対応する情報を読み出し、その読み出した情報に対応するエンディングベース画像X1の種類を演出側ROM83に予め記憶された対応テーブルを参照することで把握する(ステップS2303)。
【0430】
その後、エンディング表示の開始設定処理を実行する(ステップS2304)。エンディング表示の開始設定処理では、ステップS2303にて把握した種類のエンディングベース画像X1が表示されている状態で、ステップS2302にて把握した合計付与数の文字画像X2が表示されるようにするための画像表示指示を演出制御基板81のVDPに対して行う。VDPは、その画像表示指示に従って、キャラクタROM131から画像データを読み出して描画処理を実行する。これにより、画像表示装置63には、エンディング画像として、図47(a)?図47(e)のいずれかに示すような画像が表示される。
【0431】
図50は主側MPU72にて実行される当選確率設定処理を示すフローチャートである。当選確率設定処理は、メイン処理(図8)におけるステップS105にて実行される。
【0432】
まず現状の設定値を基準設定値として主側MPU72のレジスタに別保存する(ステップS2401)。その後、設定値の変更用処理を実行する(ステップS2402)。設定値の変更用処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、特別表示部67に現在の設定値を表示する。この場合、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には当選確率設定処理の開始に際して特別表示部67には「設定1」に対応する表示が行われ、クリア処理(ステップS104)が実行されていない場合には電源遮断の前の状態における設定値に対応する表示が行われる。その後、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値を特別表示部67に表示する。設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。そして、スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に設定値の変更用処理を終了する。この場合、特別表示部67における設定値の表示が終了される。また、最終的に決定された設定値は主側RAM74に記憶される。
【0433】
設定値の変更用処理を実行した後は、設定値の変更が行われたか否かを判定する(ステップS2403)。具体的には、主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値と、主側RAM74に記憶されている現状の設定値とを比較し、両方の値が一致している場合には設定値の変更が行われていないと判定し、両方の値が一致していない場合には設定値の変更が行われたと判定する。
【0434】
設定値の変更が行われたと判定した場合には(ステップS2403:NO)、主側RAM74の終了画面カウンタ113の値を「0」クリアする(ステップS2404)。これにより、設定値の変更が行われた場合には、前回のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1の種類に関係なく、次回のBB状態においては画像Aが表示されることとなる。
【0435】
ここで、クリア処理(ステップS104)は当選確率設定処理よりも前に実行されるため、クリア処理(ステップS104)が実行されて主側RAM74が初期化された場合には当選確率設定処理が開始される時点で設定値は「設定1」となっている。この場合に、設定値の変更用処理において設定値が「設定1」から変更されなかった場合には、ステップS2403において設定値の変更は発生しなかったと判定され、ステップS2404の処理は実行されない。しかしながら、クリア処理(ステップS104)が実行された場合には既に説明したとおり終了画面カウンタ113の値が「0」クリアされる。つまり、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合、及びスロットマシン10の設定値が変更された場合のいずれであっても終了画面カウンタ113の値が「0」クリアされ、BB状態におけるエンディングベース画像X1の表示対象はいずれの場合であっても画像Aとなる。したがって、一営業日の本スロットマシン10における最後のBB状態のエンディングベース画像X1と、次の営業日の本スロットマシン10における最初のBB状態のエンディングベース画像X1とを確認したとしても、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)及びスロットマシン10の設定値の変更のうちいずれが実行されたのかを把握できないようにすることが可能となり、エンディングベース画像X1の表示内容によるスロットマシン10の状態情報の提供が過剰なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
【0436】
図51はエンディングベース画像X1の種類が変更される様子を説明するための説明図である。t1のタイミング?t8のタイミングのそれぞれにおいてBB状態が発生するとした場合に、t1のタイミング?t8のタイミングの途中で主側RAM74のクリア処理(ステップS104)及びスロットマシン10の設定値の変更が行われないとすると、BB状態が発生する度にエンディングベース画像X1の種類が予め定められた順序に従って切り換わる。この場合、t7のタイミングとt8のタイミングとの間で遊技ホールの営業日の切り換わりが発生したとしても、図51(a)に示すようにt7のタイミングではエンディングベース画像X1として画像Bが表示され、t8のタイミングではエンディングベース画像X1として画像Bの次の順序として設定されている画像Cが表示される。
【0437】
一方、t7のタイミングとt8のタイミングとの間で主側RAM74のクリア処理(ステップS104)又はスロットマシン10の設定値の変更が行われた場合には、図51(b)に示すようにt7のタイミングではエンディングベース画像X1として画像Bが表示されているにも関わらず、t8のタイミングではエンディングベース画像X1として画像Cではなく画像Aが表示される。
【0438】
<エンディングベース画像X1の表示に関する構成による効果>
BB状態においてエンディング画像が表示されるだけではなく、BB状態が発生する度に表示対象となるエンディングベース画像X1の種類が順次変更されるため、エンディング画像の表示態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。この場合に、使用対象の設定値が変更された場合には当該変更が行われた後に発生したBB状態において表示対象となるエンディングベース画像X1の種類が、当該変更が行われる前におけるエンディングベース画像X1の種類の変更態様の規則性に反する種類となり得る。これにより、スロットマシン10の設定値が変更されたか否かに注目している遊技者は、一営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態を確認したいと考えて本スロットマシン10の遊技を継続することが期待されるとともに、次の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態を確認したいと考えて本スロットマシン10の遊技を早期に開始することが期待される。したがって、本スロットマシン10において遊技が行われる機会を多くすることが可能となる。
【0439】
スロットマシン10の設定値の変更が行われた場合には設定値の変更が行われる前に実行されたBB状態におけるエンディングベース画像X1の種類に関係なく、エンディングベース画像X1の表示対象が画像Aとなる。これにより、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態におけるエンディングベース画像X1の種類を確認していなかったとしても、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態におけるエンディングベース画像X1の種類が画像Aであることを確認した遊技者はスロットマシン10の設定値が変更された可能性があると予測することとなる。よって、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態におけるエンディングベース画像X1を確認しなかった遊技者に対して、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態におけるエンディングベース画像X1を確認したいと考えさせることが可能となり、本スロットマシン10において遊技が行われる機会を多くすることが可能となる。
【0440】
使用対象の設定値が変更された場合だけではなく主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合にもその後に発生したBB状態において表示対象となるエンディングベース画像X1の種類が画像Aとなる。これにより、一営業日の最初に発生したBB状態において表示対象となったエンディングベース画像X1の種類が画像Aであることを確認した遊技者は、その契機が使用対象の設定値の変更、及び主側RAM74のクリア処理(ステップS104)のうちいずれであるかを予測しながら遊技を行うこととなる。よって、エンディングベース画像X1の種類を確認することで設定値の変更の有無を予測させ易くしながらも、使用対象の設定値が変更されたことが明確に理解できてしまわないようにすることが可能となる。
【0441】
終了画面カウンタ113が主側RAM74に設けられており、設定値の変更に際してのエンディングベース画像X1の種類の調整処理が主側MPU72にて実行される構成である。さらにまた、画像表示装置63におけるエンディング画像の表示に際しては設定値の変更の有無に関係なく主側MPU72から演出側MPU82に終了画面カウンタ113の値に対応する情報がセットされたコマンドが送信され、設定値の変更の有無や設定値の変更度合いに対応した情報は主側MPU72から演出側MPU82に送信されない。これにより、設定値の変更に際してそれに対応したコマンドを主側MPU72から演出側MPU82に送信する必要がなくなり、コマンドの不正取得によって設定値の変更の有無や設定値の変更度合いを把握しようとする行為を阻止することが可能となる。
【0442】
<エンディングベース画像X1を切り換える構成の別形態>
<エンディングベース画像X1を切り換える構成の第1の別形態>
次に、エンディングベース画像X1を切り換える構成の第1の別形態について説明する。第1の別形態では、設定値が変更された場合のエンディングベース画像X1の種類が、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して、次の順序とは異なる所定個数後の順序の種類となる。以下、当該エンディングベース画像X1の切り換えを行うための構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0443】
図52は、第1の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【0444】
まず現状の設定値を基準設定値として主側MPU72のレジスタに別保存する(ステップS2501)。その後、上記実施形態における当選確率設定処理(図50)のステップS2402と同様に設定値の変更用処理を実行する(ステップS2502)。
【0445】
設定値の変更用処理を実行した後は、設定値の変更が行われたか否かを判定する(ステップS2503)。具体的には、主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値と、主側RAM74に記憶されている現状の設定値とを比較し、両方の値が一致している場合には設定値の変更が行われていないと判定し、両方の値が一致していない場合には設定値の変更が行われたと判定する。
【0446】
設定値の変更が行われたと判定した場合には(ステップS2503:NO)、終了画面カウンタ113の加算処理を実行する(ステップS2504)。当該加算処理では、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた差分カウンタに「2」をセットする。そして、終了画面カウンタ113の値を1加算するとともに差分カウンタの値を1減算するという処理を、差分カウンタの値が「0」となるまで繰り返す。この場合、1加算後における終了画面カウンタ113の値が5以上となった場合には終了画面カウンタ113の値を「0」クリアする。当該加算処理が実行されることにより、終了画面カウンタ113の値が「2」だけエンディングベース画像X1の種類の切り換え順序側に変更されることとなる。
【0447】
上記構成によれば、設定値の変更が行われた場合には、前回のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して次の順番のエンディングベース画像X1ではなく2個後の順番のエンディングベース画像X1が次回のBB状態において表示されることとなる。つまり、設定値が変更された場合のエンディングベース画像X1の種類が、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して、次の順序とは異なる所定個数後の順序の種類となる。この場合、遊技ホールの一営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1を確認しておくとともに、次の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1を確認することで、スロットマシン10の設定値が変更された可能性があることを把握することが可能となる。これにより、スロットマシン10の設定値が変更されたか否かに注目している遊技者は、一営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態を確認したいと考えて本スロットマシン10の遊技を継続することが期待されるとともに、次の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態を確認したいと考えて本スロットマシン10の遊技を早期に開始することが期待される。したがって、本スロットマシン10において遊技が行われる機会を多くすることが可能となる。
【0448】
また、設定値の変更が行われた場合には、設定値の変更が行われる前に実行されたBB状態におけるエンディングベース画像X1の種類を基準として、設定値の変更が行われた後に実行されるBB状態におけるエンディングベース画像X1の種類が変更される。したがって、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1を確認したとしても設定値の変更が行われたか否かの予測を一切行うことはできず、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態及び当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のそれぞれのエンディングベース画像X1の種類を確認する必要が生じる。よって、これら両BB状態におけるエンディングベース画像X1の種類を確認することの重要性を高めることが可能となる。
【0449】
ここで、クリア処理(ステップS104)は当選確率設定処理よりも前に実行されるため、クリア処理(ステップS104)が実行されて主側RAM74が初期化された場合には当選確率設定処理が開始される時点で設定値は「設定1」となっている。この場合に、設定値の変更用処理において設定値が「設定1」から変更されなかった場合には、ステップS2503において設定値の変更は発生しなかったと判定され、ステップS2504の処理は実行されない。しかしながら、クリア処理(ステップS104)が実行された場合には終了画面カウンタ113の値が「0」クリアされる。つまり、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されるとともにその後にスロットマシン10の設定値が変更されなかった場合と、スロットマシン10の設定値が変更された場合とで、エンディングベース画像X1の種類の設定態様が相違することとなる。これにより、エンディングベース画像X1を確認することで設定値を予測する場合に注目する対象が多様化することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0450】
特に、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されるとともにその後にスロットマシン10の設定値が変更されなかった場合には、スロットマシン10の設定値は最も有利度の低い「設定1」となる。したがって、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されるとともにその後にスロットマシン10の設定値が変更されなかった状況と、スロットマシン10の設定値が変更された状況と、これらいずれでもない状況とを区別することは遊技者にとって重要なこととなる。この場合に上記のように主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されるとともにその後にスロットマシン10の設定値が変更されなかった場合と、スロットマシン10の設定値が変更された場合とで、エンディングベース画像X1の種類の設定態様を相違させることにより、エンディングベース画像X1を確認することの重要性を高めることが可能となる。
【0451】
<エンディングベース画像X1を切り換える構成の第2の別形態>
次に、エンディングベース画像X1を切り換える構成の第2の別形態について説明する。第2の別形態では、スロットマシン10の設定値が変更された場合には変更の前後における設定値の差分に対応する態様でエンディングベース画像X1の種類が変更される。以下、当該エンディングベース画像X1の切り換えを行うための構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0452】
図53は、第2の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【0453】
まず現状の設定値を基準設定値として主側MPU72のレジスタに別保存する(ステップS2601)。その後、上記実施形態における当選確率設定処理(図50)のステップS2402と同様に設定値の変更用処理を実行する(ステップS2602)。
【0454】
設定値の変更用処理を実行した後は、設定値の変更が行われたか否かを判定する(ステップS2603)。具体的には、主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値と、主側RAM74に記憶されている現状の設定値とを比較し、両方の値が一致している場合には設定値の変更が行われていないと判定し、両方の値が一致していない場合には設定値の変更が行われたと判定する。
【0455】
設定値の変更が行われたと判定した場合には(ステップS2603:NO)、主側RAM74に記憶されている現状の設定値が主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値よりも大きい値であるか否かを判定する(ステップS2604)。現状の設定値の方が基準設定値よりも大きい値である場合には(ステップS2604:YES)、現状の設定値に対する基準設定値の差分を算出し(ステップS2605)、差分の加算処理を実行する(ステップS2606)。
【0456】
差分の加算処理では、ステップS2605にて算出した差分の値を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた差分カウンタに設定する。そして、終了画面カウンタ113の値を1加算するとともに差分カウンタの値を1減算するという処理を、差分カウンタの値が「0」となるまで繰り返す。この場合、1加算後における終了画面カウンタ113の値が5以上となった場合には終了画面カウンタ113の値を「0」クリアする。差分の加算処理が実行されることにより、基準設定値よりも高い設定値に変更された場合には、その差分の値だけ終了画面カウンタ113の値がエンディングベース画像X1の通常の切り換え順序側に変更されることとなる。
【0457】
一方、主側RAM74に記憶されている現状の設定値が主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値以下である場合には(ステップS2604:NO)、基準設定値に対する現状の設定値の差分を算出し(ステップS2607)、差分の減算処理を実行する(ステップS2608)。
【0458】
差分の減算処理では、ステップS2607にて算出した差分の値を主側RAM74の差分カウンタに設定する。そして、終了画面カウンタ113の値を1減算するとともに差分カウンタの値を1減算するという処理を、差分カウンタの値が「0」となるまで繰り返す。この場合、1減算後における終了画面カウンタ113の値が「0」を下回った場合には終了画面カウンタ113の値を「4」に設定する。差分の減算処理が実行されることにより、基準設定値よりも低い設定値に変更された場合には、その差分の値だけ終了画面カウンタ113の値がエンディングベース画像X1の通常の切り換え順序側とは逆側に変更されることとなる。
【0459】
図54(a)及び図54(b)は上記のように当選確率設定処理が実行された場合におけるエンディングベース画像X1の切り換わり態様を説明するための説明図である。
【0460】
図54(a)に示すように、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態のエンディングベース画像X1が画像Bであった場合、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されずに且つスロットマシン10の設定値が変更されなかった場合には、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のエンディングベース画像X1は画像Cとなる。一方、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されずにスロットマシン10の設定値が2段階高い設定値に変更された場合には、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のエンディングベース画像X1は画像Eとなる。また、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されずにスロットマシン10の設定値が3段階低い設定値に変更された場合にも、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のエンディングベース画像X1は画像Eとなる。
【0461】
このように本別形態によれば、設定値の変更度合いに対応する態様でエンディングベース画像X1の種類の変更が行われる。これにより、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態及び当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のそれぞれのエンディングベース画像X1の種類を確認することで設定値の変更の有無を把握することができるだけではなく、設定値の変更度合いも予測することが可能となる。よって、これら両BB状態におけるエンディングベース画像X1の種類を確認することの重要性を高めることが可能となる。
【0462】
また、順次切り換えられる対象となるエンディングベース画像X1の種類数が「設定値の種類数(具体的には「6」)-1」の2倍以下となっているため、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態において表示されるエンディングベース画像X1の種類が変更される場合においていずれの種類のエンディングベース画像X1が選択されたとしても、前日の営業日における本スロットマシン10の設定値よりも段階が高い設定値への変更及び段階が低い設定値への変更の両方が想定され得る。これにより、エンディングベース画像X1の内容により設定値の変更の有無及び設定値の変更度合いを予測した遊技者であっても、前日の営業日よりも高い設定値への変更及び前日の営業日よりも低い設定値への変更のうちいずれが行われたのかを把握することができない。よって、エンディングベース画像X1の表示内容によるスロットマシン10の状態情報の提供が過剰なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
【0463】
さらにまた、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には終了画面カウンタ113の値が「0」クリアされるためエンディングベース画像X1の表示対象が画像Aとなるとともに、さらにその後に設定値が変更された場合には画像Aが表示対象である状態を基準としてエンディングベース画像X1の表示対象の種類が変更される。これにより、エンディングベース画像X1の表示内容から予測する要素が多様化することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0464】
図54(b)に示すように、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態のエンディングベース画像X1が画像Cであった場合、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されずに且つスロットマシン10の設定値が変更されなかった場合には、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のエンディングベース画像X1は画像Dとなる。また、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されずにスロットマシン10の設定値が5段階高い設定値に変更された場合には、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のエンディングベース画像X1は画像Dとなる。また、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されずにスロットマシン10の設定値が5段階低い設定値に変更された場合にも、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のエンディングベース画像X1は画像Dとなる。
【0465】
このように順次切り換えられる対象となるエンディングベース画像X1の種類数が「設定値の種類数(具体的には「6」)-1」以下となっているため、当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態において表示されるエンディングベース画像X1の種類が前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において表示されるエンディングベース画像X1に対して次の順番の種類であった場合には、前日の営業日における本スロットマシン10の設定値の維持、前日の営業日における本スロットマシン10の設定値よりも段階が高い設定値への変更、及び前日の営業日における本スロットマシン10の設定値よりも段階が低い設定値への変更のいずれもが想定され得る。これにより、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して通常の切り換え順序の次の順番に該当する種類のエンディングベース画像X1が表示されたとしても、高い段階への設定値への変更及び低い段階への設定値への変更の両方の可能性を残すことが可能となる。よって、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して通常の切り換え順序の次の順番に該当する種類のエンディングベース画像X1が表示された場合に、遊技者は様々な予測を行うこととなり遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0466】
<エンディングベース画像X1を切り換える構成の第3の別形態>
次に、エンディングベース画像X1を切り換える構成の第3の別形態について説明する。第3の別形態では、スロットマシン10の設定値が変更された場合には高い段階の設定値に変更された場合と低い段階の設定値に変更された場合とで異なる種類のエンディングベース画像X1が表示対象となるように当該エンディングベース画像X1の種類が変更される。以下、当該エンディングベース画像X1の切り換えを行うための構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0467】
図55は、第3の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【0468】
まず現状の設定値を基準設定値として主側MPU72のレジスタに別保存する(ステップS2701)。その後、上記実施形態における当選確率設定処理(図50)のステップS2402と同様に設定値の変更用処理を実行する(ステップS2702)。
【0469】
設定値の変更用処理を実行した後は、設定値の変更が行われたか否かを判定する(ステップS2703)。具体的には、主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値と、主側RAM74に記憶されている現状の設定値とを比較し、両方の値が一致している場合には設定値の変更が行われていないと判定し、両方の値が一致していない場合には設定値の変更が行われたと判定する。
【0470】
設定値の変更が行われたと判定した場合には(ステップS2703:NO)、主側RAM74に記憶されている現状の設定値が主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値よりも大きい値であるか否かを判定する(ステップS2704)。現状の設定値の方が基準設定値よりも大きい値である場合には(ステップS2704:YES)、終了画面カウンタの加算処理を実行する(ステップS2705)。当該加算処理では、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた差分カウンタに「2」をセットする。そして、終了画面カウンタ113の値を1加算するとともに差分カウンタの値を1減算するという処理を、差分カウンタの値が「0」となるまで繰り返す。この場合、1加算後における終了画面カウンタ113の値が5以上となった場合には終了画面カウンタ113の値を「0」クリアする。当該加算処理が実行されることにより、終了画面カウンタ113の値が「2」だけエンディングベース画像X1の通常の切り換え順序側に変更されることとなる。
【0471】
一方、現状の設定値の方が基準設定値よりも小さい値である場合には(ステップS2704:NO)、終了画面カウンタの減算処理を実行する(ステップS2706)。当該減算処理では、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた差分カウンタに「2」をセットする。そして、終了画面カウンタ113の値を1減算するとともに差分カウンタの値を1減算するという処理を、差分カウンタの値が「0」となるまで繰り返す。この場合、1減算後における終了画面カウンタ113の値が「0」を下回った場合には終了画面カウンタ113の値を「4」に設定する。当該減算処理が実行されることにより、終了画面カウンタ113の値が「2」だけエンディングベース画像X1の通常の切り換え順序側とは逆側に変更されることとなる。
【0472】
上記構成によれば上記第1の別形態における作用効果に加え、以下の作用効果を奏することが可能である。
【0473】
高い段階の設定値に変更された場合と低い段階の設定値に変更された場合とで、異なる種類のエンディングベース画像X1が表示対象となる。これにより、前日の営業日における本スロットマシン10の最後のBB状態及び当日の営業日における本スロットマシン10の最初のBB状態のそれぞれのエンディングベース画像X1の種類を確認することで設定値の変更の有無を把握することができるだけではなく、高い段階の設定値及び低い段階の設定値のうちいずれに変更されたのかを予測することが可能となる。よって、これら両BB状態におけるエンディングベース画像X1の種類を確認することの重要性を高めることが可能となる。
【0474】
<エンディングベース画像X1を切り換える構成の第4の別形態>
次に、エンディングベース画像X1を切り換える構成の第4の別形態について説明する。第4の別形態では、スロットマシン10の設定値が変更された場合にはエンディングベース画像X1の切り換え順序が変更される。以下、当該エンディングベース画像X1の切り換えを行うための構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0475】
図56は、第4の別形態における当選確率設定処理を示すフローチャートである。
【0476】
まず現状の設定値を基準設定値として主側MPU72のレジスタに別保存する(ステップS2801)。その後、上記実施形態における当選確率設定処理(図50)のステップS2402と同様に設定値の変更用処理を実行する(ステップS2802)。
【0477】
設定値の変更用処理を実行した後は、設定値の変更が行われたか否かを判定する(ステップS2803)。具体的には、主側MPU72のレジスタに別保存した基準設定値と、主側RAM74に記憶されている現状の設定値とを比較し、両方の値が一致している場合には設定値の変更が行われていないと判定し、両方の値が一致していない場合には設定値の変更が行われたと判定する。
【0478】
設定値の変更が行われたと判定した場合には(ステップS2803:NO)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた順序フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2804)。順序フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS2804:YES)、順序フラグを「0」クリアし(ステップS2805)、順序フラグに「1」がセットされていない場合には(ステップS2804:NO)、順序フラグに「1」をセットする(ステップS2806)。
【0479】
ここで、本別形態ではエンディングベース画像X1の切り換え順序として第1順序と第2順序とが設定されている。図57はこれら第1順序と第2順序とを説明するための説明図である。第1順序である場合、BB状態が発生する度にエンディングベース画像X1は画像A→画像B→画像C→画像D→画像E→画像A→・・・という順序で変更される。第2順序である場合、BB状態が発生する度にエンディングベース画像X1は画像E→画像D→画像C→画像B→画像A→画像E→・・・という順序で変更される。つまり、第1順序と第2順序とはエンディングベース画像X1を切り換える順序が逆の順序となっている。
【0480】
これに対応させて第1順序である場合には、終了画面カウンタ113の値が「0」である場合に画像Aが選択され、終了画面カウンタ113の値が「1」である場合に画像Bが選択され、終了画面カウンタ113の値が「2」である場合に画像Cが選択され、終了画面カウンタ113の値が「3」である場合に画像Dが選択され、終了画面カウンタ113の値が「4」である場合に画像Eが選択される。一方、第2順序である場合には、終了画面カウンタ113の値が「0」である場合に画像Eが選択され、終了画面カウンタ113の値が「1」である場合に画像Dが選択され、終了画面カウンタ113の値が「2」である場合に画像Cが選択され、終了画面カウンタ113の値が「3」である場合に画像Bが選択され、終了画面カウンタ113の値が「4」である場合に画像Aが選択される。
【0481】
順序フラグはエンディングベース画像X1の切り換え順序が第1順序及び第2順序のうちいずれであるのかを主側MPU72にて特定するためのフラグである。順序フラグの値が「0」である場合には第1順序が選択され、順序フラグの値が「1」である場合には第2順序が選択される。なお、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には順序フラグも「0」クリアされる。したがって、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合であってその後に設定値の変更が行われなかった場合には、順序フラグの値が「0」に維持されエンディングベース画像X1の切り換え順序は第1順序となる。
【0482】
当選確率設定処理(図56)では、ステップS2805又はステップS2806の処理を実行した場合、終了画面カウンタ113の修正処理を実行する(ステップS2807)。当該修正処理では、順序フラグの切り換えが行われたとしても、次回のBB状態において表示されるエンディングベース画像X1の種類が元から設定されていたエンディングベース画像X1の種類、すなわち前日の営業日において設定されていたエンディングベース画像X1の切り換え順序に従った場合における、前日の営業日において最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して次の順番の種類となるように、終了画面カウンタ113の値を修正する。具体的には、現状の終了画面カウンタ113の値が「0」であれば「4」に修正し、現状の終了画面カウンタ113の値が「1」であれば「3」に修正し、現状の終了画面カウンタ113の値が「2」であればその状態を維持し、現状の終了画面カウンタ113の値が「3」であれば「1」に修正し、現状の終了画面カウンタ113の値が「4」であれば「0」に修正する。これにより、順序フラグの切り換えが行われたとしても、元から設定されていた種類のエンディングベース画像X1が次のBB状態において表示対象となる。
【0483】
図58は、第4の別形態におけるBB用処理を示すフローチャートである。
【0484】
ステップS2901?ステップS2902では上記実施形態におけるBB用処理(図48)のステップS2201?ステップS2202と同一の処理を実行する。その後、BB状態の終了条件が成立していることを条件として(ステップS2903:YES)、ステップS2904?ステップS2911に示すBB終了用処理を実行する。
【0485】
BB終了用処理では、まず主側RAM74の合計付与数カウンタの値を把握する(ステップS2904)。これにより、今回のBB状態において遊技者に付与された遊技媒体の合計数を把握することが可能となる。
【0486】
その後、主側RAM74の終了画面カウンタ113の値を把握する(ステップS2905)。また、主側RAM74の順序フラグの値に対応する画像対応テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出す(ステップS2906)。画像対応テーブルは順序フラグの取り得る値に1対1で対応させて設定されており、各画像対応テーブルには終了画面カウンタ113の値に1対1で対応させてエンディングベース画像X1の種類が設定されている。順序フラグが「0」である場合にはエンディングベース画像X1の切り換え順序が第1順序となる画像対応テーブルを読み出し、順序フラグが「1」である場合にはエンディングベース画像X1の切り換え順序が第2順序となる画像対応テーブルを読み出す。その後、ステップS2906にて読み出した順序対応テーブルから、現状の終了画面カウンタ113の値に対応するエンディングベース画像X1の種類を把握する(ステップS2907)。
【0487】
その後、BB終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2908)。BB終了コマンドとは、BB状態のエンディング画像を表示することを演出側MPU82に指示するためのコマンドである。BB終了コマンドには、ステップS2904にて把握した遊技媒体の合計付与数に対応する情報がセットされるとともに、ステップS2907にて把握したエンディングベース画像X1の種類の情報がセットされる。ステップS2908にてセットされたBB終了コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。演出側MPU82はBB終了コマンドを受信した場合、上記実施形態と同様に画像表示装置63にてエンディング画像を表示させる。この場合、BB終了コマンドにセットされている種類のエンディングベース画像X1が表示対象となる。
【0488】
BB終了コマンドをセットした後は、終了画面カウンタ113の値を1加算する(ステップS2909)。そして、その1加算後における終了画面カウンタ113の値が5以上であれば(ステップS2910:YES)、終了画面カウンタ113の値を「0」クリアする(ステップS2911)。ステップS2909?ステップS2911の処理が実行されることにより、次回のBB状態におけるエンディングベース画像X1として、今回のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して、現状設定されている切り換え順序における次の順番の種類のエンディングベース画像X1が設定される。
【0489】
上記構成によれば、設定値が変更される度にエンディングベース画像X1の切り換え順序が第1順序と第2順序との間で切り換えられる。これにより、前日の営業日におけるエンディングベース画像X1の切り換え順序と当日の営業日におけるエンディングベース画像X1の切り換え順序との両方を確認することで、設定値が変更されたか否かを予測することが可能となる。
【0490】
また、設定値が変更されてエンディングベース画像X1の切り換え順序が変更されたとしても、その後に最初に表示対象となるエンディングベース画像X1の種類が設定値の変更前に次回の表示対象として設定されていたエンディングベース画像X1の種類と同一となるように終了画面カウンタ113の修正処理が実行される。この場合、設定値が変更されてエンディングベース画像X1の切り換え順序が変更されたとしてもその後に最初に表示対象となるエンディングベース画像X1の種類は、前日の営業日において設定されていたエンディングベース画像X1の切り換え順序に従った場合における、前日の営業日において最後のBB状態において表示されたエンディングベース画像X1に対して次の順番の種類となる。これにより、前日の営業日における最後のBB状態のエンディングベース画像X1と当日の営業日における最初のBB状態のエンディングベース画像X1とを確認しただけでは設定値の変更が行われたか否かを確認することが不可であり、両営業日のそれぞれにおいてBB状態のエンディング画像を複数回確認する必要がある。よって、設定値が変更されたか否かに興味がある遊技者を、本スロットマシン10において長い時間に亘って遊技させることが可能となる。
【0491】
<エンディングベース画像X1を切り換える構成のさらなる別形態>
(1)BB状態のエンディング画像において今回のBB状態におけるエンディングベース画像X1とは別に、次回のBB状態におけるエンディング画像にて表示されるエンディングベース画像X1の種類を遊技者に認識可能とさせるための報知画像が表示される構成としてもよい。これにより、一営業日の最後のBB状態におけるその報知画像を確認しておき、次の営業日における最初のBB状態のエンディングベース画像X1の種類を確認することで、設定値の変更の有無を予測することが可能となる。この場合、エンディングベース画像X1の種類の変更順序を認識していなくても、一営業日の最後のBB状態と次の営業日の最初のBB状態とのそれぞれのエンディング画像を確認することで設定値の変更の有無を予測することが可能となる。
【0492】
(2)主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されたとしても、終了画面カウンタ113の値が「0」クリアされないようにしてもよい。例えば、書き換え可能なROMを設け、当該ROMに終了画面カウンタ113を設定する又は動作電力の停止時に終了画面カウンタ113の値を当該ROMに記憶させる構成としてもよい。この場合、上記実施形態のうち第4の別形態以外の形態であれば、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されたとしても設定値が変更されない場合には、その後に最初に実行されるBB状態のエンディングベース画像X1の種類は、その前の営業日の最後に実行されたBB状態のエンディングベース画像X1の種類に対して次の順番の種類となる。また、上記第4の別形態であれば、終了画面カウンタ113の値だけではなく順序フラグの値が、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されたとしても「0」クリアされないようにすることにより、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されたとしても設定値が変更されない場合にはエンディングベース画像X1の種類の変更順序がそのまま維持される。上記構成によれば、設定値が変更されたか否かを予測し易くなる。
【0493】
(3)上記実施形態のうち第4の別形態以外の形態において、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には設定値が変更された場合とは異なる種類のエンディングベース画像X1となる構成としてもよい。また、上記第4の別形態において、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合にはエンディングベース画像X1の変更順序が、設定値が変更された場合とは異なる変更順序となる構成としてもよい。上記構成によれば、設定値が変更されたか否かを予測し易くなる。
【0494】
(4)主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行されたとしても設定値は初期化されずにそれまでの設定値が維持される構成としてもよい。また、当該構成において、設定値の初期化は主側RAM74のクリア処理(ステップS104)を実行させるための操作とは別の操作を要する構成としてもよい。
【0495】
(5)エンディングベース画像X1の種類数が5個である構成に限定されることはなく、4個以下であってもよく6個以上であってもよい。この場合に、エンディングベース画像X1の種類数が3個以上であることにより、設定値の変更後におけるエンディングベース画像X1の種類をそれまでの変更態様の規則性に従わない態様とすることが可能となる。
【0496】
また、エンディングベース画像X1の種類数が設定値の種類数(具体的には「6」)以上である構成としてもよい。当該構成を上記第2の別形態に適用することにより、設定値の変更が行われた場合には設定値の変更の前後における設定値の差に関係なく、設定値の変更後におけるエンディングベース画像X1の種類をそれまでの変更態様の規則性に従わない態様とすることが可能となる。
【0497】
また、エンディングベース画像X1の種類数が「設定値の種類数(具体的には「6」)-1」の2倍よりも多い構成としてもよい。当該構成を上記第2の別形態に適用することにより、設定値が大きい値に変更された場合におけるエンディングベース画像X1の種類と、設定値が小さい値に変更された場合におけるエンディングベース画像X1の種類とを確実に相違させることが可能となる。
【0498】
(6)上記第2の別形態において、設定値が大きい値に変更された場合と設定値が小さい値に変更された場合とでエンディングベース画像X1に対する設定値の差分の反映態様が異なる構成としてもよい。例えば、設定値が大きい値に変更された場合及び設定値が小さい値に変更された場合のいずれにおいても所定の変更順序でエンディングベース画像X1の種類が変更されるとともに、大きい値側への設定値の差分が「1」である場合と小さい値側への設定値の差分が「1」である場合とで種類のずれ量が相違する構成としてもよい。この場合、所定の変更順序に従ったエンディングベース画像X1の種類のずれ量に基づいて設定値の変更度合いを遊技者に予測させることが可能となる。
【0499】
(7)上記第2の別形態において、設定値が大きい値に変更された場合と設定値が小さい値に変更された場合とで、エンディングベース画像X1の種類を変更させる方向性が逆である構成に限定されることはなく、同一の方向に変更される構成としてもよい。この場合であっても、設定値がどの程度ずれたのかを遊技者に予測させることが可能となる。
【0500】
(8)演出側RAM84にバックアップ電力が供給されるようにするとともに、終了画面カウンタ113を当該演出側RAM84に設定する構成としてもよい。この場合、主側MPU72は前回の営業日から設定値が変更された場合には設定値の変更の有無又は設定値の変更度合いなどの情報がセットされたコマンドを演出側MPU82に送信し、演出側MPU82はそのコマンドを受信した場合、上記各形態のように終了画面カウンタ113の値を修正する構成としてもよい。これにより、主側MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、エンディングベース画像X1の種類を利用して設定値の変更の有無又は設定値の変更度合いを遊技者に予測させることが可能となる。
【0501】
(9)設定値の変更の有無又は設定値の変更度合いを示唆するために利用される演出はエンディング画像の表示演出に限定されることはなく、BB状態のオープニング画像の表示演出、ART状態のオープニング画像の表示演出、及びART状態のエンディング画像の表示演出のいずれかを利用してもよい。また、BB状態及びART状態のいずれでもない通常遊技状態において画像表示装置63に表示される背景画像の種類が一定の変更順序に従ってループするように切り換えられる構成においてはその背景画像の種類が変更される場合の規則性を利用して上記示唆が行われる構成としてもよい。また、複数の表示演出のそれぞれにおいて表示演出の種類が変更される場合の規則性を利用した上記示唆が行われる構成としてもよい。この場合、設定値の示唆が行われる対象が複数種類存在することとなるため設定値を予測するために注目する対象が多様化し遊技の興趣向上が図られる。
【0502】
(10)上記第1の別形態、上記第2の別形態及び上記第3の別形態では、設定値の変更に伴ってエンディングベース画像X1の種類を変更する場合、次回のBB状態の表示対象として設定されているエンディングベース画像X1の種類を基準として当該種類を変更する構成としたが、これに代えて、前回のBB状態において表示対象となったエンディングベース画像X1の種類を基準として当該種類を変更する構成としてもよい。
【0503】
(11)設定値の変更が行われた場合には、その後に最初に実行されるBB状態において所定の種類のエンディングベース画像X1が表示対象として選択されない構成としてもよい。所定の種類は、エンディングベース画像X1の全種類のうちの一部であればよく、5種類のうち1種類又は2種類が上記所定の種類として設定されている構成としてもよい。例えば画像Cが上記所定の種類として設定されている場合、設定値の変更が行われる前に実行された最後のBB状態におけるエンディングベース画像X1の表示対象が画像Bであった場合には本来であればその後に最初に実行されるBB状態におけるエンディングベース画像X1の表示対象は画像Cとなるが、当該画像Cは上記所定の種類に設定されているため、その次の順番として設定されている画像Dが表示対象となる。この場合、所定の営業日において最後に実行されたBB状態のエンディングベース画像X1の種類が画像Bであることを確認するとともに、その次の営業日において最初に実行されたBB状態のエンディングベース画像X1の種類が画像Dであることを確認することで、設定値の変更が行われたことを把握することが可能となる。
【0504】
また、当該構成において主側RAM74のクリア処理が実行された場合に表示対象のエンディングベース画像X1の種類が初期化される構成としてもよく、初期化されない構成としてもよい。主側RAM74のクリア処理が実行された場合にエンディングベース画像X1の種類が初期化される構成においては、その初期化に際して表示対象のエンディングベース画像X1の種類が画像Aといった固定の種類となるようにしてもよい。この場合、主側RAM74の初期化が実行された場合、及び設定値の変更が行われた場合のいずれであるのかをエンディングベース画像X1の種類を確認することで把握することが可能となる。
【0505】
<特定制御と非特定制御との区別について>
次に、主側MPU72にて実行される特定制御と非特定制御との違いについて説明する。本スロットマシン10では主側MPU72にて実行される各種制御のうち、一部の不正監視に関する制御が非特定制御とされ、それ以外の不正監視に関する制御及び遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御を含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされている。特定制御について詳細には、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に実行されるメイン処理(図8)による制御、及び定期的に実行されるタイマ割込み処理(図9)による制御は特定制御に含まれている。また、開始待ち処理(図11)にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理及びリール制御処理(図24)にて実行される第3非特定制御処理を除く、通常処理(図10)による制御、例えばスタートレバー41の操作に基づき実行される役の抽選処理、リール32L,32M,32Rの駆動制御及び全てのリール32L,32M,32Rが回転した場合における特典の付与制御は特定制御に含まれている。
【0506】
図59は主側ROM73におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図59に示すように、主側ROM73においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。具体的には、アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)?X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)?X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)?X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。また、アドレスX(k+6)?X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)?X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)?X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)?X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)?X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM73における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【0507】
上記のように特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、例えば特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよく、例えば非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよい。よって、プログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、それに伴ってプログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別して修正する場合の作業を効率的に行うことが可能となる。
【0508】
特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲と、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、特定制御用のアドレス範囲と非特定制御用のアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【0509】
特定制御用のアドレス範囲及び非特定制御用のアドレス範囲のそれぞれにおいて、プログラムとデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、プログラムとデータとで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、プログラムが記憶されたエリアのアドレス範囲と、データが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、プログラムのアドレス範囲とデータのアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【0510】
図60は主側RAM74における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図60に示すように、主側RAM74においても特定制御用のワークエリア74a及び特定制御用のスタックエリア74bのアドレス範囲と、非特定制御用のワークエリア74c及び非特定制御用のスタックエリア74dのアドレス範囲とが明確に区別されている。具体的には、アドレスY(1)?Y(r+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア74aとして設定されている。また、アドレスY(1)?Y(r+2)に連続するアドレスY(r+3)?Y(r+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+6)?Y(s+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア74bとして設定されている。また、アドレスY(r+6)?Y(s+2)に連続するアドレスY(s+3)?Y(s+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+6)?Y(t+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア74cとして設定されている。また、アドレスY(s+6)?Y(t+2)に連続するアドレスY(t+3)?Y(t+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+6)?Y(u+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア74dとして設定されている。なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM74における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【0511】
上記のように特定制御用のワークエリア74aと、非特定制御用のワークエリア74cとが区別して設定されていることにより、主側MPU72において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで主側RAM74の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行する場合に他方において必要な主側RAM74のデータが消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0512】
特定制御用のスタックエリア74bと、非特定制御用のスタックエリア74dとが区別して設定されていることにより、特定制御を実行する場合に主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避する場合と非特定制御を実行する場合に主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避する場合とでそれぞれ異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行している状況において主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避する場合に、他方において退避されている主側MPU72のレジスタのデータが消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0513】
次に、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して主側MPU72にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理について説明する。まず第1非特定制御処理について説明する。
【0514】
第1非特定制御処理は、既に説明したとおり開始待ち処理(図11)におけるステップS412にて実行される。第1非特定制御処理が開始される場合について詳細には、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して開始待ち処理(図11)を実行している状態において特定制御用のプログラムにて第1非特定制御処理の呼び出しが指定されていることにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用することで実行される第1非特定制御処理が開始される。つまり、第1非特定制御処理を呼び出す処理は特定制御用のプログラムに設定されており、第1非特定制御処理は非特定制御用のプログラムに設定されている。図61は第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0515】
第1非特定制御処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する(ステップS3001)。タイマ割込み処理(図9)は既に説明したとおり特定制御において実行される処理に含まれている。第1非特定制御処理が開始された場合にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止することで、非特定制御に対応している処理を実行している途中で特定制御に対応する処理を実行する必要が生じない。
【0516】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3002)。これにより、第1非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。後述するように第1非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第1非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を第1非特定制御処理が開始される前の状態に復帰させることが可能となる。
【0517】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3003)。第1非特定制御処理が終了する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0518】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3004)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3005)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0519】
その後、第1投入メダル検出センサ45aがONであるか否かを判定し(ステップS3006)、ONである場合には(ステップS3006:YES)、主側MPU72のレジスタに設定された第1投入検出フラグに「1」をセットする(ステップS3007)。なお、第1投入検出フラグに「1」がセットされた状態は、第2投入メダル検出センサ45bにおいてメダルを検出している状態から検出していない状態となった場合に「0」クリアされる。ステップS3006にて否定判定をした場合、又はステップS3007の処理を実行した場合、第2投入メダル検出センサ45bがONであるか否かを判定する(ステップS3008)。第2投入メダル検出センサ45bがONである場合には(ステップS3008:YES)、上記第1投入検出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3009)。
【0520】
第1投入検出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3009:NO)、正規のメダルの投入であれば第1投入メダル検出センサ45aにてメダルが検出された後に第2投入メダル検出センサ45bにてメダルが検出されるはずであるのに対して、第1投入メダル検出センサ45aにてメダルが検出されていない状況下で第2投入メダル検出センサ45bにてメダルが検出されたこととなる。この場合、不正用治具を利用して投入メダル検出センサ45a,45bにメダルの通過を誤検出させる行為が行われた可能性がある。そこで、異常報知コマンドを演出側MPU82に送信する(ステップS3010)。なお、開始待ち処理(図11)が実行されている状況における第1非特定制御処理の最長の実行周期は、第1投入メダル検出センサ45aにてメダルを検出している最短期間、第1投入メダル検出センサ45aにてメダルの検出を開始してから第2投入メダル検出センサ45bにてメダルの検出が開始されるまでの最短期間、及び第2投入メダル検出センサ45bにてメダルを検出している最短期間のいずれよりも短く設定されている。
【0521】
演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正行為が行われたことに対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。この異常報知状態は、第1非特定制御処理が終了した後に実行されるタイマ割込み処理(図9)の異常解除判定処理(ステップS208)にて、キーシリンダ14に対する解錠操作が行われたことが特定されている状況においてリセットボタン56が操作されたことが特定された場合に演出側MPU82に異常解除コマンドが送信されることで解除される。つまり、非特定制御を実行している状況で開始された異常報知を解除するか否かの監視処理及び当該異常報知を解除するための解除処理は特定制御として実行される。主側MPU72は非特定制御が実行されている期間よりも特定制御が実行されている期間の方が長く設定されているため、当該特定制御として上記監視処理及び上記解除処理を実行することで異常報知の解除操作が行われた場合に異常報知を即座に解除することが可能となる。なお、キーシリンダ14には解除操作が行われたことを特定するためのセンサが設けられており、このセンサの検出信号は主側MPU72に入力される。
【0522】
異常報知コマンドを送信した後は、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに設けられた投入異常カウンタの値を1加算する(ステップS3011)。そして、投入異常カウンタの値が「3」以上である場合(ステップS3012:YES)、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。この動作禁止状態は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
【0523】
ちなみに、投入異常カウンタは第1非特定制御処理が40000回実行された場合又は主側RAM74が初期化された場合に「0」クリアされる。ゲームが開始されることなく開始待ち処理(図11)が繰り返し実行される場合、第1非特定制御処理が40000回実行されるまでに約40秒を要する。これにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対する異常行為が所定期間内に所定回数発生した場合に遊技の進行を停止させる構成において、投入異常カウンタの「0」クリアを非特定制御による処理として実行することが可能となる。
【0524】
ステップS3008にて否定判定をした場合、ステップS3009にて肯定判定をした場合、又はステップS3012にて否定判定をした場合、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS3013)。これにより、第1非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第1非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第1非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0525】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3014)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0526】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3015)。そして、その読み出した特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3016)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第1非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。
【0527】
その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3017)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。そして、本第1非特定制御処理を終了する。第1非特定制御処理が終了することにより、特定制御用のプログラムを利用して開始待ち処理(図11)におけるステップS413を実行する。なお、第1非特定制御処理が終了した場合に開始待ち処理(図11)において復帰すべき処理がステップS413であることを示すデータは、第1非特定制御処理が開始される前に特定制御用のワークエリア74aに記憶されている。但し、当該データが非特定制御用のワークエリア74cに記憶されている構成としてもよい。
【0528】
次に、第2非特定制御処理について説明する。
【0529】
第2非特定制御処理は、既に説明したとおり開始待ち処理(図11)におけるステップS416にて実行される。第2非特定制御処理が開始される場合について詳細には、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して開始待ち処理(図11)を実行している状態において特定制御用のプログラムにて第2非特定制御処理の呼び出しが指定されていることにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用することで実行される第2非特定制御処理が開始される。つまり、第2非特定制御処理を呼び出す処理は特定制御用のプログラムに設定されており、第2非特定制御処理は非特定制御用のプログラムに設定されている。図62は第2非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0530】
第2非特定制御処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する(ステップS3101)。タイマ割込み処理(図9)は既に説明したとおり特定制御において実行される処理に含まれている。第2非特定制御処理が開始された場合にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止することで、非特定制御に対応している処理を実行している途中で特定制御に対応する処理を実行する必要が生じない。
【0531】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3102)。これにより、第2非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。後述するように第2非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第2非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を第2非特定制御処理が開始される前の状態に復帰させることが可能となる。
【0532】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3103)。第2非特定制御処理が終了する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0533】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3104)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3105)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0534】
その後、キーシリンダ14に対する解錠操作が行われていない状況においてリセットボタン56が操作されたか否かを判定する(ステップS3106)。既に説明したとおりスピーカ62及び画像表示装置63により異常報知が実行されている状態は、キーシリンダ14に対して解錠操作を行うとともにリセットボタン56を操作することで解除することができる。この場合、キーシリンダ14に対する解錠操作を行わなくてもリセットボタン56を操作すれば異常報知が実行されている状態を解除することができると考える不正行為者が想定され、当該不正行為者は例えば投入メダル検出センサ45a,45bに対して不正行為を行うことで開始されてしまった異常報知の実行状態を解除するためにキーシリンダ14に対する解錠操作を行うことなく不正用治具を筐体11内に挿入してリセットボタン56を不正に操作することが考えられる。このような行為が行われた場合にはステップS3106にて肯定判定をし、異常報知コマンドを演出側MPU82に送信する(ステップS3107)。
【0535】
演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、リセットボタン56の不正操作が行われたことに対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。この動作禁止状態は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
【0536】
ステップS3106にて否定判定をした場合、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS3108)。これにより、第2非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第2非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第2非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0537】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3109)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0538】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3110)。そして、その読み出した特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3111)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第2非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。
【0539】
その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3112)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。そして、本第2非特定制御処理を終了する。第2非特定制御処理が終了することにより、特定制御用のプログラムを利用して通常処理(図10)におけるステップS304を実行する。なお、第2非特定制御処理が終了した場合に復帰すべき処理が通常処理(図10)のステップS304であることを示すデータは、第2非特定制御処理が開始される前に特定制御用のワークエリア74aに記憶されている。但し、当該データが非特定制御用のワークエリア74cに記憶されている構成としてもよい。
【0540】
次に、第3非特定制御処理について説明する。
【0541】
第3非特定制御処理は既に説明したとおりリール制御処理(図24)におけるステップS603にて実行される。第3非特定制御処理が開始される場合について詳細には、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してリール制御処理(図24)を実行している状態において特定制御用のプログラムにて第3非特定制御処理の呼び出しが指定されていることにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用することで実行される第3非特定制御処理が開始される。つまり、第3非特定制御処理を呼び出す処理は特定制御用のプログラムに設定されており、第3非特定制御処理は非特定制御用のプログラムに設定されている。図63は第2非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0542】
第3非特定制御処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する(ステップS3201)。タイマ割込み処理(図9)は既に説明したとおり特定制御において実行される処理に含まれている。第3非特定制御処理が開始された場合にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止することで、非特定制御に対応している処理を実行している途中で特定制御に対応する処理を実行する必要が生じない。
【0543】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3202)。これにより、第3非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。後述するように第3非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第3非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を第3非特定制御処理が開始される前の状態に復帰させることが可能となる。
【0544】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3203)。第3非特定制御処理が終了する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0545】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3204)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3205)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0546】
その後、いずれかの投入メダル検出センサ45a,45bがONであるか否かを判定する(ステップS3206)。既に説明したとおり通常処理(図10)ではリール32L,32M,32Rの回転を開始する前に受付禁止処理(ステップS306)を実行するため、リール制御処理(図24)において回転開始処理(ステップS601)が実行された後は基本的には投入メダル検出センサ45a,45bにてメダルが検出されることはない。この状況においていずれかの投入メダル検出センサ45a,45bがONとなる状況というのはメダル投入口45から不正用治具が挿入されている可能性が高い。そこでステップS3206にて肯定判定をした場合には、異常報知コマンドを演出側MPU82に送信する(ステップS3207)。
【0547】
演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正行為が行われたことに対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。この動作禁止状態は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
【0548】
ステップS3206にて否定判定をした場合、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS3208)。これにより、第3非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第3非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第3非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0549】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3209)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0550】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3210)。そして、その読み出した特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3211)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第3非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。
【0551】
その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3212)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。そして、本第3非特定制御処理を終了する。第3非特定制御処理が終了することにより、特定制御用のプログラムを利用してリール制御処理(図24)におけるステップS604の処理を実行する。なお、第3非特定制御処理が終了した場合にリール制御処理(図24)において復帰すべき処理がステップS604であることを示すデータは、第3非特定制御処理が開始される前に特定制御用のワークエリア74aに記憶されている。但し、当該データが非特定制御用のワークエリア74cに記憶されている構成としてもよい。
【0552】
<特定制御と非特定制御とが区別される構成の効果>
開始待ち処理(図11)において第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理が実行される場合には主側MPU72のレジスタにその時点で記憶されているデータが主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避される。同様に、リール制御処理(図24)において第3非特定制御処理が実行される場合には主側MPU72のレジスタにその時点で記憶されているデータが主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避される。これにより、非特定制御に対応する処理が実行される場合に、特定制御に対応する処理の実行に際して主側MPU72のレジスタに記憶されたデータが書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。また、非特定制御に対応する処理が終了する場合に、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、非特定制御に対応する処理が終了した場合には当該非特定制御に対応する処理の実行前における主側MPU72のレジスタの状態から特定制御に対応する処理を実行することが可能となる。
【0553】
非特定制御に対応する処理が実行される場合にはタイマ割込み処理(図9)の実行が禁止される。これにより、特定制御用のスタックエリア74bにデータが退避された状態で非特定制御に対応する処理が実行されている状況においてさらに処理の割込みが発生してしまうことを阻止することが可能となる。よって、データを退避するための処理構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0554】
開始待ち処理(図11)では非特定制御に対応する処理として、第1非特定制御処理(ステップS412)が実行されるとともに第2非特定制御処理(ステップS416)が実行される構成において、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理とが一連の処理として集約されているのではなく、さらに第1非特定制御処理が終了する場合にタイマ割込み処理の実行が一旦許可されるとともに第2非特定制御処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が再度許可される。これにより、非特定制御に対応する処理を実行するためにタイマ割込み処理の実行が継続して禁止される期間を短くすることが可能となり、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理との間でタイマ割込み処理が実行される機会を担保することが可能となる。
【0555】
特定制御に対応する処理の実行に際して主側MPU72のレジスタに記憶されたデータの特定制御用のスタックエリア74bに対する退避と復帰が、第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理のそれぞれに対応させて個別に行われる。これにより、第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理のそれぞれにおいて上記データの退避が行われるようにするとともに、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理との間でタイマ割込み処理が実行される機会が担保された構成において、特定制御に対応する処理の実行に際して主側MPU72のレジスタに記憶されたデータが特定制御用のスタックエリア74bに退避された状況においてタイマ割込み処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0556】
非特定制御に対応する処理が実行される場合にはその時点における主側MPU72のレジスタのデータが特定制御用のスタックエリア74bに退避されるだけではなく、非特定制御に対応する処理が終了する場合にはその時点における主側MPU72のレジスタのデータが非特定制御用のスタックエリア74dに退避される。これにより、特定制御に対応する処理が実行される場合と、非特定制御に対応する処理が実行される場合とで、主側MPU72のレジスタのデータ状態をそれに合わせて切り換えることが可能となり、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のそれぞれを適切に行うことが可能となる。
【0557】
主側ROM73において、特定制御に対応する処理を実行するための特定制御用のプログラムのアドレス群と、非特定制御に対応する処理を実行するための非特定制御用のプログラムのアドレス群とが明確に区別されている。これにより、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のうち一方のみのプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0558】
主側RAM74においても特定制御に対応する処理を実行する場合の使用エリアのアドレス群と非特定制御に対応する処理を実行する場合の使用エリアのアドレス群とが、特定制御用のワークエリア74a及び非特定制御用のワークエリア74cとして明確に区別されている。これにより、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のうち一方の処理を実行する場合に他方の処理において利用されている情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0559】
<特定制御と非特定制御とが区別される構成の別形態>
<特定制御と非特定制御とが区別される構成の第1の別形態>
本第1の別形態では、主側MPU72にて非特定制御が実行される場合の処理構成が上記実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。図64は第1の別形態における開始待ち処理を示すフローチャートである。
【0560】
開始待ち処理では、ステップS3301のその他の処理として、上記実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS401?ステップS411と同一の処理を実行する。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS3302)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3303)。これにより、第1非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。ちなみに、これらステップS3301?ステップS3303の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
【0561】
その後、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して第1非特定制御処理を実行する(ステップS3304)。図65は本第1の別形態における第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0562】
第1非特定制御処理では、まず特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3401)。第1非特定制御処理が終了して開始待ち処理に復帰する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0563】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3402)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3403)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0564】
その後、ステップS3404のその他の処理として、上記実施形態における第1非特定制御処理(図61)のステップS3006?ステップS3012と同一の処理を実行する。これにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対して不正行為が行われているか否かの監視処理が実行されるとともに、当該不正行為が行われていた場合にはそれに対処するための処理が実行される。
【0565】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS3405)。これにより、第1非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第1非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第1非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0566】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3406)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3407)。
【0567】
第1非特定制御処理が終了した場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してステップS3305?ステップS3309の処理を実行する。具体的には、第1非特定制御処理のステップS3407にて読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3305)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第1非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3306)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0568】
その後、ステップS3307のその他の処理として上記実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS413?ステップS415と同一の処理を実行する。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS3308)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3309)。これにより、第2非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。
【0569】
その後、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して第2非特定制御処理を実行する(ステップS3310)。第2非特定制御処理では、第1非特定制御処理と同様に、まず特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる。その後、上記実施形態における第2非特定制御処理(図62)のステップS3106?ステップS3107と同一の処理を実行する。これにより、リセットボタン56の不正操作が行われているか否かの監視処理が実行されるとともに、当該不正行為が行われていた場合にはそれに対処するための処理が実行される。その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる。また、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。
【0570】
第2非特定制御処理が終了した場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してステップS3311?ステップS3312の処理を実行する。具体的には、第2非特定制御処理の最後に読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3311)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第2非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3312)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0571】
なお、第3非特定制御処理についても、当該第3非特定制御処理を開始する前に特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して、ステップS3302?ステップS3303と同一の処理を実行する。また、第3非特定制御処理が開始される場合に非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用してステップS3401?ステップS3403と同一の処理を実行する。また、第3特定制御処理が終了する場合に非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用してステップS3405?ステップS3407と同一の処理を実行する。また、第3非特定制御処理を終了してリール制御処理に復帰した場合に特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して、ステップS3305?ステップS3306と同一の処理を実行する。
【0572】
上記構成によれば、非特定制御に対応する処理を開始する場合にはその時点における主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避する処理、及び非特定制御に対応する処理を終了する場合には特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる処理は、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。また、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する処理、及びタイマ割込み処理(図9)の実行を許可する処理も、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。これにより、特定制御に対応する処理及び特定制御に対応する処理の実行に際して利用されるデータを扱う処理を実行するためのプログラム及びデータを、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータに集約することが可能となる。
【0573】
<特定制御と非特定制御とが区別される構成の第2の別形態>
本第2の別形態では、主側MPU72にて非特定制御が実行される場合の処理構成が上記実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0574】
図66(a)は本別形態における開始待ち処理を示すフローチャートであり、図66(b)は本別形態におけるリール制御処理を示すフローチャートである。図66(a)に示すように開始待ち処理では、ステップS3501のその他の処理として、上記実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS401?ステップS411と同一の処理を実行し、ステップS3502にて第1非特定制御処理の代わりに非特定制御の呼び出し処理を実行し、ステップS3503のその他の処理として、上記実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS413?ステップS415と同一の処理を実行し、ステップS3504にて第2非特定制御処理の代わりに非特定制御の呼び出し処理を実行する。また、図66(b)に示すようにリール制御処理では、ステップS3601では上記実施形態におけるリール制御処理(図24)のステップS601と同様に回転開始処理を実行し、ステップS3602では全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には(ステップS3602:NO)、ステップS3603にて第3非特定制御処理の代わりに非特定制御の呼び出し処理を実行し、ステップS3604では上記実施形態におけるリール制御処理(図24)のステップS604?ステップS615と同一の処理を実行する。また、全リール32L,32M,32Rが停止した場合には(ステップS3602:YES)、ステップS3605にて上記実施形態におけるリール制御処理(図24)のステップS616?ステップS617と同一の処理を実行する。
【0575】
図67は開始待ち処理(図66(a))のステップS3502及びステップS3504、並びにリール制御処理(図66(b))のステップS3603にて実行される非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。当該非特定制御の呼び出し処理は、後述するステップS3704にて起動される非特定制御処理を除き、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
【0576】
非特定制御の呼び出し処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS3701)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3702)。これにより、非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。
【0577】
その後、特定制御用のデータとして主側ROM73に記憶されているモジュールアドレステーブルを主側RAM74における特定制御用のワークエリア74aに読み出し、今回の呼び出し対象に対応した非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムが記憶された主側ROM73のエリアのアドレスをそのモジュールアドレステーブルから取得する(ステップS3703)。モジュールアドレステーブルは、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となる処理の種類と、実行対象となる非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスとの対応関係が設定されている。具体的には、開始待ち処理(図66(a))のステップS3502にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第1非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、開始待ち処理(図66(a))のステップS3504にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第2非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、リール制御処理(図66(b))のステップS3603にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第3非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得される。
【0578】
その後、ステップS3703にて取得したアドレスに対応する種類の非特定制御処理を実行する(ステップS3704)。この場合、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用してその非特定制御処理を実行する。当該非特定制御処理としては第1非特定制御処理と、第2非特定制御処理と、第3非特定制御処理とが存在しているが、これら第1?第3非特定制御処理の処理内容は上記第1の別形態における第1?第3非特定制御処理の処理内容と同一である。この場合、各非特定制御処理においては最初の処理として、まず特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる。その後、今回の非特定制御処理に対応する不正監視処理を実行する。その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる。また、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。
【0579】
今回の実行対象となった非特定制御処理の実行が終了した場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してステップS3705及びステップS3706の処理を実行する。具体的には、今回実行された非特定制御処理における最後の処理にて読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3705)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3706)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0580】
上記構成によれば、非特定制御に対応する処理を開始する場合にはその時点における主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避する処理、及び非特定制御に対応する処理を終了する場合には特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる処理は、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。また、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する処理、及びタイマ割込み処理(図9)の実行を許可する処理も、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。これにより、特定制御に対応する処理及び特定制御に対応する処理の実行に際して利用されるデータを扱う処理を実行するためのプログラム及びデータを、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータに集約することが可能となる。
【0581】
また、特定制御用のスタックエリア74bにデータを退避させるための処理、特定制御用のスタックエリア74bからデータを復帰させるための処理、タイマ割込み処理の実行を禁止する処理、及びタイマ割込み処理の実行を許可する処理は、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理のそれぞれに対して設定されているのではなく、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理の中から実行対象の処理を呼び出すための処理に対して設定されている。これにより、特定制御用のプログラムの容量をその分だけ抑えることが可能となる。
【0582】
<特定制御と非特定制御とが区別される構成の第3の別形態>
本第3の別形態では、非特定制御の呼び出し処理の内容が上記第2の別形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第2の別形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0583】
上記第2の別形態における非特定制御の呼び出し処理(図67)は、ステップS3704の非特定制御処理を除き、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成としたが、本別形態における非特定制御の呼び出し処理はその全てが非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。つまり、開始待ち処理(図66(a))のステップS3502及びステップS3504、並びにリール制御処理(図66(b))のステップS3603では、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して、非特定制御の呼び出し処理が開始されるようにするための設定処理が行われるだけで、非特定制御の呼び出し処理自体は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
【0584】
図68は本別形態における非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。
【0585】
まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS3801)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS3802)。これにより、非特定制御の呼び出し処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。
【0586】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3803)。非特定制御の呼び出し処理が終了して開始待ち処理又はリール制御処理に復帰する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0587】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3804)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3805)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0588】
その後、非特定制御用のデータとして主側ROM73に記憶されているモジュールアドレステーブルを主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに読み出し、今回の呼び出し対象に対応した非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムが記憶された主側ROM73のエリアのアドレスをそのモジュールアドレステーブルから取得する(ステップS3806)。モジュールアドレステーブルは、上記第2の別形態と同様に、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となる処理の種類と、実行対象となる非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスとの対応関係が設定されている。具体的には、開始待ち処理(図66(a))のステップS3502にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第1非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、開始待ち処理(図66(a))のステップS3504にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第2非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、リール制御処理(図66(b))のステップS3603にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第3非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得される。
【0589】
ちなみに、開始待ち処理(図66(a))のステップS3502及びステップS3504、並びにリール制御処理(図66(b))のステップS3602では、非特定制御の呼び出し処理が開始されるようにするための設定処理を実行するだけではなく、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を示すデータを主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる処理を実行する。ステップS3806ではその非特定制御用のワークエリア74cに記憶されたデータを利用して非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を特定し、それに対応した種類の非特定制御処理に対応する開始アドレスをモジュールアドレステーブルから取得する。但し、当該構成に限定されることはなく、開始待ち処理(図66(a))のステップS3502及びステップS3504、並びにリール制御処理(図66(b))のステップS3602では、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を示すデータを主側RAM74における特定制御用のワークエリア74aに記憶させ、ステップS3806ではその特定制御用のワークエリア74aに記憶されたデータを利用して非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を特定し、それに対応した種類の非特定制御処理に対応する開始アドレスをモジュールアドレステーブルから取得する構成としてもよい。
【0590】
その後、ステップS3806にて取得したアドレスに対応する種類の非特定制御処理を実行する(ステップS3807)。当該非特定制御処理としては第1非特定制御処理と、第2非特定制御処理と、第3非特定制御処理とが存在している。これら各非特定制御処理では、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可又は禁止するための処理、及び主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避又は復帰させるための処理を実行することなく、各非特定制御処理に対応する不正監視を行うための処理を実行する。第1非特定制御処理について具体的には、図69のフローチャートに示すように、ステップS3901?ステップS3907にて、上記別形態における第1非特定制御処理(図61)のステップS3006?ステップS3012の処理のみを実行する。第2非特定制御処理では、上記実施形態における第2非特定制御処理(図62)のステップS3106及びステップS3107の処理のみを実行する。第3非特定制御処理では、上記実施形態における第3非特定制御処理(図63)のステップS3206及びステップS3207の処理のみを実行する。
【0591】
非特定制御の呼び出し処理では、ステップS3807にて非特定制御処理を実行した後は、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS3808)。これにより、非特定制御の呼び出し処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり非特定制御の呼び出し処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、非特定制御の呼び出し処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0592】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS3809)。非特定制御の呼び出し処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0593】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS3810)。そして、その読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS3811)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の非特定制御の呼び出し処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS3812)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0594】
上記構成によれば、非特定制御に対応する処理を実行する場合にデータを退避及び復帰する処理、並びにタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止及び許可する処理はいずれも非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。これにより、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータの容量を抑えることが可能となる。
【0595】
また、非特定制御に対応する処理を実行する場合にデータを退避及び復帰する処理、並びにタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止及び許可する処理は、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理のそれぞれに対して設定されているのではなく、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理の中から実行対象の処理を呼び出すための処理に対して設定されている。これにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータの容量をその分だけ抑えることが可能となる。
【0596】
<特定制御と非特定制御とが区別される構成のさらなる別形態>
(1)上記各実施形態では主側ROM73を1個のみ設け、その1個の主側ROM73に対して特定制御用のプログラム、特定制御用のデータ、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータの全てが記憶されている構成としたが、これに代えて、主側MPU72に対してバスを介して複数(例えば2個)の主側ROM73を接続し、そのうちの一部(例えば1個)の主側ROM73に特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶させ、それとは異なる主側ROM73(例えば1個)に非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを記憶させる構成としてもよい。この場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとのうち一方のみをチェックする場合には、それに対応する主側ROM73のみを取り出してチェックすることが可能となる。また、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとのうち一方のみを複数の機種間で共通して利用する場合には、それに対応する主側ROM73を共通して使用することが可能となる。
【0597】
(2)上記各実施形態では、非特定制御に対応する処理を実行する場合にはタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止した後に、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる構成としたが、これに代えて、主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させた後にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する構成としてもよい。
【0598】
(3)上記各実施形態では、非特定制御に対応する処理を終了する場合には特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させた後にタイマ割込み処理(図9)の実行を許可する構成としたが、これに代えて、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可した後に特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成としてもよい。
【0599】
(4)上記各実施形態では非特定制御用のスタックエリア74dが設けられており、非特定制御に対応する処理を終了する場合には主側MPU72の全レジスタのデータが非特定制御用のスタックエリア74dに退避され、非特定制御に対応する処理を実行する場合には非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成としたが、非特定制御用のスタックエリア74dが設けられておらず、非特定制御に対応する処理が実行された場合に主側MPU72のレジスタに記憶されたデータは非特定制御に対応する処理を終了する場合に退避されることなく消去される構成としてもよい。この場合、非特定制御に対応する処理を終了して特定制御に対応する処理を開始する場合には、主側MPU72の全レジスタのデータを一旦消去した後に、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成としてもよい。これにより、特定制御に対応する処理を実行する場合に不要なデータが主側MPU72のレジスタに残ったままとなった状態で特定制御に対応する処理が再開されてしまわないようにすることが可能となる。
【0600】
(5)開始待ち処理(図11)において第1非特定制御処理と第2非特定制御処理とが連続した処理順序となるように設定されている構成としてもよい。この場合であっても、第1非特定制御処理が終了する場合には当該第1非特定制御処理を開始する場合に特定制御用のスタックエリア74bに退避させたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させるとともにタイマ割込み処理(図9)の実行を一旦許可し、その後に第2非特定制御処理を開始する場合には主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させるとともにタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する構成としてもよい。これにより、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理とが連続した処理順序となるように設定されている構成であったとしても、これら第1非特定制御処理と第2非特定制御処理との間においてタイマ割込み処理(図9)が実行される機会を担保することが可能となる。
【0601】
(6)非特定制御に対応する処理を実行する場合にはタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する構成に代えて、非特定制御に対応する処理の実行途中であってもタイマ割込み処理(図9)の割込みが発生し得る構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理(図9)の終了後には実行途中であった非特定制御に対応する処理が再開されることとなる。したがって、タイマ割込み処理(図9)の開始に際して、主側MPU72の全レジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア74dに退避させ、当該タイマ割込み処理(図9)が終了する場合に非特定制御用のスタックエリア74dに退避させたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成とする。
【0602】
本構成においては、タイマ割込み処理(図9)は特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のいずれに対しても割り込んで実行されることとなる。したがって、タイマ割込み処理(図9)の開始に際して、現状実行されている処理が特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のいずれであるかを特定し、特定制御に対応する処理であれば主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させ、非特定制御に対応する処理であれば主側MPU72の全レジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる。そして、タイマ割込み処理(図9)を終了する場合にはその開始に際してデータの退避を行った対象が特定制御用のスタックエリア74b及び非特定制御用のスタックエリア74dのいずれであるのかを特定し、その特定したスタックエリア74b,74dから主側MPU72のレジスタにデータを復帰させる構成とする。
【0603】
(7)非特定制御に対応する処理を実行する場合における、タイマ割込み処理(図9)の実行を禁止するための処理(ステップS3001に相当)、主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させる処理(ステップS3002に相当)、特定制御用のスタックエリア74bに対応するスタックポイントの値を非特定制御用のワークエリア74cに保存する処理(ステップS3003に相当)、非特定制御用のスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出す処理(ステップS3004に相当)、非特定制御用のスタックエリア74dから主側MPU72のレジスタにデータを復帰させる処理(ステップS3005に相当)、主側MPU72の全レジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる処理(ステップS3013に相当)、非特定制御用のスタックエリア74dに対応するスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cに保存する処理(ステップS3014に相当)、特定制御用のスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出す処理(ステップS3015に相当)、特定制御用のスタックエリア74bから主側MPU72のレジスタにデータを復帰させる処理(ステップS3016に相当)、及びタイマ割込み処理(図9)の実行を許可するための処理(ステップS3017に相当)が全て、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成としてもよい。
【0604】
(8)主側RAM74において特定制御用のワークエリア74aと非特定制御用のワークエリア74cとが明確に区別されている構成に代えて、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のいずれが実行される場合であっても主側RAM74の共通のワークエリアが使用される構成としてもよい。これにより、主側RAM74のエリアを使用する場合の自由度を高めることが可能となる。
【0605】
(9)上記各実施形態では主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させた場合におけるスタックポインタの情報を非特定制御用のワークエリア74cに保存する構成としたが、これに代えて、当該スタックポインタの情報を特定制御用のワークエリア74aに保存する構成としてもよい。
【0606】
(10)非特定制御に対応する処理として、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理において監視対象となっている不正行為とは異なる種類の不正行為の発生を監視するための処理が設定されている構成としてもよい。また、非特定制御に対応する処理として、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理などといった不正行為の発生を監視するための処理に加えて又は代えて、不正行為の発生を監視するための処理とは異なる処理が設定されている構成としてもよい。例えば、スロットマシン10の動作試験を行う場合に利用される試験情報を外部出力するための処理が非特定制御に対応する処理として設定されている構成としてもよい。
【0607】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
【0608】
(1)インデックス値IV=1?3のいずれかで当選となった場合においてベル入賞成立対応の停止順序とは異なる停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合にはメダルの払出が発生しない構成としてもよい。
【0609】
(2)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
【0610】
(3)主側MPU72から演出側MPU82に送信される情報の種類は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置63などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール32L,32M,32Rが停止していない状況であっても一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置63などにおいて行うことが可能となる。
【0611】
(4)上記実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
【0612】
(5)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
【0613】
(6)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
【0614】
(7)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
【0615】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0616】
<特徴A群>
特徴A1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるメダル払出処理及び遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS1404、ステップS1509、ステップS1510、ステップS1612、ステップS1706、ステップS1707、ステップS1710及びステップS1711の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1804、ステップS1808、ステップS1813、ステップS1906及びステップS1912の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS2002の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0617】
特徴A1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
【0618】
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0619】
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0620】
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
【0621】
なお、上記特徴A1の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
【0622】
特徴A2.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選していない場合、前記第1報知手段にて前記役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0623】
特徴A2によれば、所定対応役に当選していない場合には第1報知手段にて役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されないことにより、第1報知手段の役割を明確なものとすることが可能となる。
【0624】
特徴A3.前記第1報知制御手段は、前記第2報知手段において前記第2報知が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0625】
特徴A3によれば、第2報知手段において第2報知が実行されている場合には第1報知手段において第1報知が実行されることとなるため、第2報知手段において実行されている第2報知が正規のものであるか否かの確認を第2報知が実行される場合には毎回行うことが可能となる。
【0626】
特徴A4.前記第1報知制御手段は、前記第1報知手段における前記第1報知の方が前記第2報知手段における前記第2報知よりも、報知対象となっている停止操作態様の内容を遊技者が把握しづらい態様となるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0627】
特徴A4によれば、第1報知手段及び第2報知手段の両方が設けられた構成において第2報知手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。これにより、第1報知手段における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0628】
特徴A5.前記第1報知手段の表示範囲は、前記第2報知手段の表示範囲よりも狭いことを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
【0629】
特徴A5によれば、第1報知手段及び第2報知手段の両方が設けられた構成において第2報知手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。これにより、第1報知手段における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0630】
特徴A6.前記第1制御手段は、前記第2報知手段において前記第2報知を実行することを可能とする所定情報を送信する送信手段(主側MPU72におけるステップS1805、ステップS1809、ステップS1814、ステップS1907及びステップS1913の処理を実行する機能)を備え、
前記所定情報には、前記役の抽選処理の結果そのものは含まれないことを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
【0631】
特徴A6によれば、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路に不正にアクセスして所定情報を不正に取得したとしても、その所定情報から役の抽選処理の結果を把握しようとすることを不可とすることが可能となる。これにより、所定情報を取得することによる不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
【0632】
特徴A7.前記第1制御手段は、
前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する報知を実行するか否かを決定する決定手段(主側MPU72におけるステップS1801?ステップS1803、ステップS1806?ステップS1807、ステップS1810?ステップS1812、ステップS1904?ステップS1905及びステップS1910?ステップS1911の処理を実行する機能)と、
当該決定手段により報知を実行することが決定された場合に所定情報を送信する送信手段(主側MPU72におけるステップS1805、ステップS1809、ステップS1814、ステップS1907及びステップS1913の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知制御手段は、前記決定手段により報知を実行することが決定されたことに基づいて、前記第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御し、
前記第2報知制御手段は、前記送信手段が前記所定情報を送信したことに基づいて、前記第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御することを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
【0633】
特徴A7によれば、第1報知手段における第1報知及び第2報知手段における第2報知を実行するか否かの決定が第1制御手段において集約して実行される。これにより、第1制御手段と第2制御手段との間で双方向通信を行わなくても、第2報知が実行される場合には第1報知が実行されるようにすることが可能となる。
【0634】
特徴A8.前記所定対応役は、それに対応する制御が実行されるようにするための前記所定態様の内容を相違させて複数種類存在しており、
前記第1報知制御手段は、前記所定対応役の種類に対応する態様で前記第1報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
【0635】
特徴A8によれば、所定対応役が複数種類存在している構成であっても、第1報知手段における第1報知の内容を確認することで今回の遊技回に対応する報知内容を把握することが可能となる。
【0636】
特徴A9.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が前記第2報知手段にて実行されていない状況において、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
【0637】
特徴A9によれば、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第2報知手段において実行されていないにも関わらず第1報知手段において実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0638】
特徴A10.前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないようにするものの特別報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する手段(演出側MPU82におけるステップS2005の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
【0639】
特徴A10によれば、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないものの特別報知が第2報知手段において実行されている状況において、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第1報知手段において実行されないようにすることが可能となる。
【0640】
特徴A11.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、当該状況に対応する報知が実行されるように前記第1報知手段を制御することを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
【0641】
特徴A11によれば、第2報知手段において特別報知が実行されている場合であっても、第1報知手段を確認することでその特別報知が正規のものか否かを確認することが可能となる。
【0642】
特徴A12.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで前記第2報知手段において前記第2報知が開始されることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
【0643】
特徴A12によれば、第2報知手段において第2報知が開始されたタイミングで第1報知手段を確認することで、その第2報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
【0644】
特徴A13.前記絵柄の変動表示が開始される場合、その開始タイミングから所定期間に亘って前記絵柄の変動表示の停止操作が無効化されるようにする手段を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定期間が経過する前の所定タイミングで前記第1報知が前記第1報知手段にて開始されるようにし、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定タイミングよりも後のタイミングであって前記所定期間が経過する前のタイミングで前記第2報知が前記第2報知手段にて開始されるようにすることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
【0645】
特徴A13によれば、第1報知が開始されるタイミング以降に第2報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において第2報知が開始されるようにすることが可能となり、停止操作が有効化される前に第2報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
【0646】
特徴A14.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
【0647】
特徴A14によれば、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
【0648】
なお、特徴A1?A14の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0649】
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0650】
遊技機の一種として、スロットマシンや遊技媒体としてメダルではなく遊技球を利用してスロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とした遊技機等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
【0651】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
【0652】
上記のようにストップボタンに対する停止操作に基づきリールの回転が停止される遊技機においては、リールの停止態様を所定の態様とすることが報知され、その報知に従ってリールの停止操作を行うことでそれに対応する制御が実行される構成が知られている。例えば、リールの停止順序が報知され、その報知された停止順序に従った順番でリールを停止させることで所定の入賞が成立し、当該所定の入賞に対応するメダルが払い出される構成が知られている。また、リールの停止順序が報知され、その報知された停止順序に従った順番でリールを停止させることで所定の入賞が成立し、当該所定の入賞に対応する遊技状態の移行が発生する構成が知られている。このような停止態様の報知は、上記役の抽選処理を実行する制御手段から情報を受信した他の制御手段が報知用制御を実行することで行われる。
【0653】
ここで、上記例示等のような遊技機においては停止態様の報知を実行するための制御が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0654】
<特徴B群>
特徴B1.複数種類の処理が所定の実行順序となるように設定された特定処理(開始待ち処理、リール制御処理)を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段(主側MPU72のレジスタ)に情報を一時的に記憶させる制御手段(主側MPU72)を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段(主側MPU72におけるステップS401?ステップS411、ステップS413?ステップS415、ステップS601?ステップS602及びステップS604?ステップS617の処理などを実行する機能)と、
前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段(第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態であれば主側MPU72における第1非特定制御処理、第2非特定処理及び第3非特定制御処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72における非特定制御の呼び出し処理、第1非特定制御処理、第2非特定処理及び第3非特定制御処理を実行する機能)と、
前記第1所定処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段(特定制御用のスタックエリア74b)に退避させることなく、前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段(主側MPU72におけるステップS3002、ステップS3102及びステップS3202の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3303及びステップS3309の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3702の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3802の処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段(主側MPU72におけるステップS3016、ステップS3111及びステップS3211の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3305及びステップS3311の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3705の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0655】
特徴B1によれば、特定処理に含まれる第1所定処理が実行される場合には内部記憶手段に記憶された情報の退避記憶手段への退避が実行されないのに対して、特定処理に含まれる第2所定処理が実行される場合には内部記憶手段に記憶された情報の退避記憶手段への退避が実行される。これにより、第2所定処理が実行される場合に、第1所定処理の実行に際して内部記憶手段に記憶された情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。また、第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、退避記憶手段に退避された情報が内部記憶手段に復帰される。これにより、第2所定処理が終了した場合には当該第2所定処理の実行前における内部記憶手段の状態から第2所定処理とは異なる処理を実行することが可能となる。以上より、各種制御を好適に行うことが可能となる。
【0656】
特徴B2.前記第2所定処理は、前記制御手段への動作電力の供給が停止される場合に実行される処理、及び割込み条件が成立した場合に他の処理に対して割り込んで実行される処理のいずれでもないことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0657】
特徴B2によれば、動作電力の供給が停止される場合及び割込み処理が実行される場合のいずれでもない状況であっても第2所定処理が実行される場合には内部記憶手段に記憶された情報が退避記憶手段に退避される。これにより、第2所定処理が実行される場合に、第1所定処理の実行に際して内部記憶手段に記憶された情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となり、第2所定処理とは異なる処理群の処理が実行される場合における内部記憶手段の情報の正確性を高めることが可能となる。
【0658】
特徴B3.前記制御手段は、
割込み条件が成立した場合に前記特定処理に対して割り込んで割込み処理を実行する割込み実行手段(主側MPU72における割込み処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に前記割込み処理の実行を禁止する設定手段(主側MPU72におけるステップS3001、ステップS3101及びステップS3201の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3302及びステップS3308の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3701の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3801の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0659】
特徴B3によれば、第2所定処理が実行される場合には割込み処理の実行が禁止される。これにより、内部記憶手段に記憶された情報が退避記憶手段に退避された状況においてさらに処理の割込みが発生してしまうことを阻止することが可能となる。よって、内部記憶手段に記憶された情報を退避するための処理構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0660】
特徴B4.前記制御手段は、前記複数種類の処理のうちの一部の処理として、前記第2所定処理が実行された後に第3所定処理を実行する第3所定処理実行手段(主側MPU72における第2非特定制御処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に前記割込み処理の実行を許可し、前記第3所定処理を開始する場合又は開始した後に前記割込み処理の実行を禁止することを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
【0661】
特徴B4によれば、特定処理に含まれる第3所定処理が実行される場合にも割込み処理の実行が禁止される構成において、第2所定処理が終了した場合に割込み処理の実行が一旦許可されて、第3所定処理が実行される場合に割込み処理の実行が再度禁止される。これにより、割込み処理の実行が禁止される期間を短くすることが可能となり、第2所定処理と第3所定処理との間で割込み処理が実行される機会を担保することが可能となる。
【0662】
特徴B5.前記退避実行手段は、前記第3所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させ、
前記復帰実行手段は、前記第3所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
【0663】
特徴B5によれば、内部記憶手段に記憶された情報の退避と復帰が第2所定処理及び第3所定処理のそれぞれに対応させて個別に行われる。これにより、第2所定処理及び第3所定処理のそれぞれにおいて情報の退避が行われるようにするとともに、第2所定処理と第3所定処理との間で割込み処理が実行される機会が担保された構成において、内部記憶手段に記憶された情報が退避記憶手段に退避された状況において割込み処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0664】
特徴B6.前記退避記憶手段は、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報が退避される第1退避記憶手段(特定制御用のスタックエリア74b)と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報が退避される第2退避記憶手段(非特定制御用のスタックエリア74d)と、
を備え、
前記退避実行手段は、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段(主側MPU72におけるステップS3002、ステップS3102及びステップS3202の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3303及びステップS3309の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3702の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3802の処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段(主側MPU72におけるステップS3013、ステップS3108及びステップS3208の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3405の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3808の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記復帰実行手段は、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる手段(主側MPU72におけるステップS3016、ステップS3111及びステップS3211の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3305及びステップS3311の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3705の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3811の処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記第2退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる手段(主側MPU72におけるステップS3005、ステップS3105及びステップS3205の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3403の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3805の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
【0665】
特徴B6によれば、第2所定処理が実行される場合にはその時点における内部記憶手段の情報が第1退避記憶手段に退避されるだけではなく、第2所定処理が終了する場合にはその時点における内部記憶手段の情報が第2退避記憶手段に退避される。これにより、第1所定処理に対応する処理群の処理が実行される場合と、第2所定処理に対応する処理群の処理が実行される場合とで、内部記憶手段に記憶される情報を切り換えることが可能となり、各処理群の処理を適切に行うことが可能となる。
【0666】
特徴B7.前記制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段(主側ROM73)を備え、
前記第2所定処理を含めて、処理の実行に際して前記内部記憶手段に記憶された情報が前記退避記憶手段に退避されることとなる特別処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記特別処理群とは異なる処理群であって前記第1所定処理を含む処理群である所定処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに集約させて記憶されていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
【0667】
特徴B7によれば、所定記憶手段において、所定処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群と、特別処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群とが明確に区別されている。これにより、所定処理群及び特別処理群のうち一方のみのプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0668】
特徴B8.前記所定処理群に含まれる第1の処理よりも後であって第2の処理よりも前に前記特別処理群に含まれる第3の処理が実行され、前記特別処理群に含まれる第4の処理は前記第2の処理よりも後に実行されることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
【0669】
特徴B8によれば、処理の実行順序とは無関係に所定処理群と特別処理群との分類が行われており、それら分類された処理群毎に所定記憶手段におけるプログラムのアドレス群が明確に区別されている。これにより、分類された処理群毎にプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0670】
特徴B9.前記制御手段において処理を実行する場合に情報が一時的に記憶される特定記憶手段(主側RAM74)を備え、
前記特定記憶手段は、前記制御手段において前記所定処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(特定制御用のワークエリア74a)と、前記制御手段において前記特別処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(非特定制御用のワークエリア74c)とが、それぞれ異なるアドレス群に集約されるように設定されていることを特徴とする特徴B7又はB8に記載の遊技機。
【0671】
特徴B9によれば、特定記憶手段においても処理群毎に使用エリアのアドレス群が明確に区別されている。これにより、一方の処理群に含まれる処理を実行する場合に、他方の処理群に含まれる処理において利用されている情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0672】
特徴B10.処理の実行に際して前記内部記憶手段に記憶された情報が前記退避記憶手段に退避されることとなる特別処理群として、前記第2所定処理以外にも複数種の処理が存在しており、
前記制御手段は、
前記特別処理群のうちいずれの種類の処理を実行すべきであるかを特定するための特定処理を実行する特定手段(主側MPU72におけるステップS3703の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3806の処理を実行する機能)と、
当該特定処理により特定された種類の処理を開始させる開始手段(主側MPU72におけるステップS3704の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3807の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記退避実行手段は、前記特定処理により特定された種類の処理が前記開始手段により開始される前に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
【0673】
特徴B10によれば、特別処理群に含まれる処理を実行する場合に、内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避されるための処理が、特別処理群に含まれる各処理のそれぞれにおいて実行されるのではなく、特別処理群において実行対象となる処理を特定するための処理側において集約して実行される。これにより、特別処理群に含まれる各処理のそれぞれにおいて上記退避させるための処理が設定されている構成に比べてプログラム容量を抑えることが可能となる。
【0674】
特徴B11.前記第2所定処理は、遊技者の操作に基づき正規の遊技を進行させるための処理とは異なる処理であることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
【0675】
特徴B11によれば、遊技者の操作に基づき正規の遊技を進行させるための処理とは異なる処理を実行する場合に、当該正規の遊技を進行させるための処理において利用されている内部記憶手段の情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0676】
なお、特徴B1?B11の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0677】
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0678】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0679】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される。
【0680】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0681】
<特徴C群>
特徴C1.処理を実行する制御手段(主側MPU72)と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段(主側ROM73)と、
を備え、
当該制御手段により実行される処理として、複数種類の処理を含む所定処理群(特定制御に対応する処理群)と、複数種類の処理を含む特別処理群(非特定制御に対応する処理群)とが存在しており、
前記特別処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記所定処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに集約させて記憶されていることを特徴とする遊技機。
【0682】
特徴C1によれば、所定記憶手段において、所定処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群と、特別処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群とが明確に区別されている。これにより、所定処理群及び特別処理群のうち一方のみのプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0683】
特徴C2.前記所定処理群に含まれる第1の処理よりも後であって第2の処理よりも前に前記特別処理群に含まれる第3の処理が実行され、前記特別処理群に含まれる第4の処理は前記第2の処理よりも後に実行されることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0684】
特徴C2によれば、処理の実行順序とは無関係に所定処理群と特別処理群との分類が行われており、それら分類された処理群毎に所定記憶手段におけるプログラムのアドレス群が明確に区別されている。これにより、分類された処理群毎にプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0685】
特徴C3.前記制御手段において処理を実行する場合に情報が一時的に記憶される特定記憶手段(主側RAM74)を備え、
前記特定記憶手段は、前記制御手段において前記所定処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(特定制御用のワークエリア74a)と、前記制御手段において前記特別処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(非特定制御用のワークエリア74c)とが、それぞれ異なるアドレス群に集約されるように設定されていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
【0686】
特徴C3によれば、特定記憶手段においても処理群毎に使用エリアのアドレス群が明確に区別されている。これにより、一方の処理群に含まれる処理を実行する場合に、他方の処理群に含まれる処理において利用されている情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0687】
なお、特徴C1?C3の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0688】
上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0689】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0690】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される。
【0691】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種処理を実行するためのプログラムの管理を好適に行えるようにすることが好ましく、この点について未だ改良の余地がある。
【0692】
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させ、当該周回体が所定の回転方向に進んだ場合のステップ数が所定合計数となることにより当該周回体を当該所定の回転方向に1周させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
を備え、
前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する前記ステップ数である対応ステップ数を合計することにより前記所定合計数となる構成であり、
前記対応ステップ数に対応する対応情報を利用することにより、前記周回体において所定の位置に存在している前記絵柄を把握する把握手段(主側MPU72におけるステップS609及びステップS802?ステップS809の処理を実行する機能)を備えた遊技機において、
前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する前記対応ステップ数が全て同一である構成ではない構成であり、
前記複数種の絵柄のうち前記所定の回転方向に連続する所定数の絵柄が含まれる第1絵柄グループ(第1グループ)と、前記複数種の絵柄のうち前記所定の回転方向に連続する前記所定数の絵柄が含まれ前記第1絵柄グループの絵柄が含まれない第2絵柄グループ(第2グループ)と、が存在しており、
前記第1絵柄グループに含まれる絵柄に対応する前記対応ステップ数の当該絵柄の並びに対応する配列態様と、前記第2絵柄グループに含まれる絵柄に対応する前記対応ステップ数の当該絵柄の並びに対応する配列態様とが所定の配列態様で一致していることを特徴とする遊技機。
【0693】
特徴D1によれば、それぞれ所定数の絵柄が含まれる第1絵柄グループ及び第2絵柄グループが存在しているとともに、それら各絵柄グループに含まれる絵柄に対応する対応ステップ数の当該絵柄の並びに対応する配列態様は所定の配列態様で一致している。これにより、第1絵柄グループに含まれる絵柄と第2絵柄グループに含まれる絵柄とで、対応ステップ数の特定を共通の処理で行うことが可能となる。よって、複数種の絵柄のそれぞれに対応する対応ステップ数が全て同一である構成ではない構成において、対応ステップ数の特定を行うための処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
【0694】
特徴D2.前記周回体に付されている前記絵柄の数は、2以上の整数を前記所定数に積算した数であり、
前記複数種の絵柄は、前記第1絵柄グループ及び前記第2絵柄グループを含めた複数の絵柄グループ(第1?第4グループ)のうちいずれか一の絵柄グループに含まれ、
前記複数の絵柄グループはいずれも、前記所定数の絵柄を含み、前記対応ステップ数の前記絵柄の並びに対応する配列態様が前記所定の配列態様となっていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【0695】
特徴D2によれば、周回体に付されている複数種の絵柄はいずれかの絵柄グループに含まれるとともに、各絵柄グループに含まれる絵柄に対応する対応ステップ数の当該絵柄の並びに対応する配列態様は所定の配列態様で一致している。これにより、一の絵柄グループに含まれる絵柄に対応する対応ステップ数の特定を行うための処理構成を全ての絵柄グループについて共通して利用することで、周回体に付されている全ての各絵柄に対応する対応ステップ数を特定することが可能となる。
【0696】
特徴D3.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて絵柄管理情報(図柄管理データ)が設定されており、
当該遊技機は、前記把握手段により前記所定の位置に存在していると把握されている前記絵柄に対応する前記絵柄管理情報から当該絵柄に対応する前記対応ステップ数を特定するステップ数特定手段(主側MPU72におけるステップS811?ステップS813の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
【0697】
特徴D3によれば、絵柄管理情報を利用して各絵柄に対応する対応ステップ数を特定する構成であるため、対応ステップ数を特定するための処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
【0698】
特徴D4.前記対応ステップ数は第1ステップ数(26ステップ)及び第2ステップ数(24ステップ)のいずれかであり、
前記絵柄管理情報における所定の1ビットが「0」及び「1」の一方である場合には特定対象となる前記対応ステップ数は前記第1ステップ数となり、前記絵柄管理情報における前記所定の1ビットが「0」及び「1」の他方である場合には特定対象となる前記対応ステップ数は前記第2ステップ数となることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
【0699】
特徴D4によれば、対応ステップ数が第1ステップ数及び第2ステップ数の2種類のみである。これにより、複数種の絵柄のそれぞれに対応する対応ステップ数が全て同一である構成ではない構成において、各絵柄に対応する対応ステップ数を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0700】
この場合に、絵柄管理情報における所定の1ビットが「0」及び「1」のいずれであるかを確認することで、対応ステップ数が第1ステップ数及び第2ステップ数のいずれであるのかを特定することが可能となる。これにより、対応ステップ数を特定するために参照すべき情報量が少なくなり、対応ステップ数を特定するための処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
【0701】
特徴D5.前記周回体に付されている前記絵柄の数は、2以上の整数を前記所定数に積算した数であり、
前記複数種の絵柄は、前記第1絵柄グループ及び前記第2絵柄グループを含めた複数の絵柄グループ(第1?第4グループ)のうちいずれか一の絵柄グループに含まれ、
前記複数の絵柄グループはいずれも、前記所定数の絵柄を含み、絵柄グループ内において特定種類の絵柄(「ベル」図柄)が前記所定の回転方向に配列されている順序が同一であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
【0702】
特徴D5によれば、周回体に付されている複数種の絵柄はいずれかの絵柄グループに含まれる構成において、各絵柄グループ内における特定種類の絵柄の配列順序が同一となっている。これにより、特定種類の絵柄を所定の位置に停止させるための停止制御の態様を絵柄グループ間で共通のものとすることが可能となる。
【0703】
特徴D6.前記周回体の回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
当該停止操作手段が操作されたことに基づいて、当該停止操作手段が操作されたタイミングにおける前記周回体の回転位置に対して最大スベリ数の範囲内で当該周回体の回転が停止するように前記駆動手段を制御する停止制御手段(主側MPU72におけるステップS604?ステップS611の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定数は、前記最大スベリ数に1加算した値であることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
【0704】
特徴D6によれば、各絵柄グループに含まれる絵柄の数が最大スベリ数に1加算した値であるとともに、各絵柄グループ内における特定種類の絵柄の配列順序が同一となっている。これにより、特定種類の絵柄を所定の位置に停止させるべき状況となった場合には停止操作手段の操作タイミングに関係なく当該特定種類の絵柄を所定の位置に停止させることが可能な構成としながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0705】
特徴D7.前記周回体の回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
当該停止操作手段が操作された場合に、前記停止操作手段が操作されたタイミングで前記所定の位置に存在している絵柄に基づいて前記所定の位置に停止させる絵柄を決定し、その決定した絵柄を前記所定の位置に停止させるように前記駆動手段を制御する停止制御手段(主側MPU72におけるステップS604?ステップS611の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該停止制御手段は、前記所定の位置に停止させる絵柄を決定するために、各絵柄に対応する停止対応情報が定められた停止対応情報群(スベリテーブル)を利用し、
前記周回体に付されている前記絵柄の数は、2以上の整数を前記所定数に積算した数であり、
前記複数種の絵柄は、前記第1絵柄グループ及び前記第2絵柄グループを含めた複数の絵柄グループのうちいずれか一の絵柄グループに含まれ、
前記複数の絵柄グループはいずれも、前記所定数の絵柄を含み、
前記停止対応情報群には、前記所定数の絵柄に対応する分の前記停止対応情報が設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
【0706】
特徴D7によれば、周回体に付されている複数種の絵柄はいずれかの絵柄グループに含まれる構成において、一の絵柄グループに対応する分の停止対応情報が設定された停止対応情報群を全ての絵柄グループにて共通利用することが可能となる。これにより、停止対応情報群の情報量を抑えることが可能となる。
【0707】
特徴D8.前記対応ステップ数は第1ステップ数(26ステップ)及び第2ステップ数(24ステップ)のいずれかであることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
【0708】
特徴D8によれば、対応ステップ数が第1ステップ数及び第2ステップ数の2種類のみである。これにより、複数種の絵柄のそれぞれに対応する対応ステップ数が全て同一である構成ではない構成において、対応ステップ数を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0709】
特徴D9.前記各絵柄グループ内に含まれる絵柄に対応する前記対応ステップ数は当該絵柄の並びに対して前記第1ステップ数と前記第2ステップ数とが交互に設定されていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
【0710】
特徴D9によれば、各絵柄グループ内において第1ステップ数に対応する絵柄と第2ステップ数に対応する絵柄とが交互に配列されていることにより、一方のステップ数に対応する絵柄が局所的にまとまってしまわないようにすることが可能となる。
【0711】
特徴D10.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記第1ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合には当該第1ステップ数において最後のステップ数となった場合に対応する位置にて前記周回体を停止させる構成であって、前記第2ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合には当該第2ステップ数において最後のステップ数となった場合に対応する位置にて前記周回体を停止させる構成であり、
前記第1ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類と前記第2ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一であることを特徴とする特徴D8又はD9に記載の遊技機。
【0712】
特徴D10によれば、対応ステップ数として第1ステップ数及び第2ステップ数の2種類が設定されている構成において、第1ステップ数に対応する絵柄及び第2ステップ数に対応する絵柄のいずれを所定の位置に停止させる場合であっても、その停止させた状態における相励磁の種類を共通のものとすることが可能となる。よって、いずれの絵柄を所定の位置に停止させる場合であっても停止状態を共通のものとすることが可能となる。
【0713】
特徴D11.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体が定速回転する場合にはステップ数が1進む度に1相励磁及び2相励磁のうち一方から他方に切り換えられる構成であり、
前記第1ステップ数の最初のステップ数に対応する相励磁の種類と前記第2ステップ数の最初のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一であり、
前記第1ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類と前記第2ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一であることを特徴とする特徴D8乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
【0714】
特徴D11によれば、第1ステップ数に対応する絵柄及び第2ステップ数に対応する絵柄のいずれであっても、最初のステップ数に対応する相励磁の種類が共通の開始時の種類となるとともに最後のステップ数に対応する相励磁の種類が共通の終了時の種類となる。これにより、第1ステップ数に対応する絵柄と第2ステップ数に対応する絵柄とをどのように配列したとしても、周回体が定速回転する場合にはステップ数が1進む度に1相励磁及び2相励磁のうち一方から他方に切り換えられる構成とすることが可能となる。
【0715】
特徴D12.前記第1ステップ数と前記第2ステップ数との差は「2」であることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
【0716】
特徴D12によれば、第1ステップ数と第2ステップ数との差が「2」であるため、第1ステップ数と第2ステップ数との差を極力抑えながら、上記特徴D11にて記載した構成に基づく優れた効果を奏することが可能となる。
【0717】
特徴D13.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体を加速させる場合における相励磁の切り換え態様が、前記第1ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止している状況から前記周回体の回転を開始させる場合と、前記第2ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止している状況から前記周回体の回転を開始させる場合とのそれぞれに対応させて設定されていることを特徴とする特徴D8乃至D12のいずれか1に記載の遊技機。
【0718】
特徴D13によれば、第1ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止している状況から周回体の回転を開始させる場合、及び第2ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止ている状況から周回体の回転を開始させる場合のそれぞれに対応する態様で周回体の加速制御を行うことが可能となる。
【0719】
特徴D14.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体を停止させる場合における相励磁の切り換え態様が、前記第1ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合と、前記第2ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合とのそれぞれに対応させて設定されていることを特徴とする特徴D8乃至D13のいずれか1に記載の遊技機。
【0720】
特徴D14によれば、第1ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合及び第2ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合のそれぞれに対応する態様で周回体の停止制御を行うことが可能となる。
【0721】
なお、特徴D1?D14の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0722】
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された周回体(リール32L,32M,32R)と、
当該周回体を回転させ、当該周回体が所定の回転方向に進んだ場合のステップ数が所定合計数となることにより当該周回体を当該所定の回転方向に1周させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
を備え、
前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する前記ステップ数である対応ステップ数を合計することにより前記所定合計数となる構成であり、
前記対応ステップ数に対応する対応情報を利用することにより、前記周回体において所定の位置に存在している前記絵柄を把握する把握手段(主側MPU72におけるステップS609及びステップS802?ステップS809の処理を実行する機能)を備えた遊技機において、
前記対応ステップ数は第1ステップ数(26ステップ)及び第2ステップ数(24ステップ)のいずれかであることを特徴とする遊技機。
【0723】
特徴E1によれば、対応ステップ数が第1ステップ数及び第2ステップ数の2種類のみである。これにより、複数種の絵柄のそれぞれに対応する対応ステップ数が全て同一である構成ではない構成において、対応ステップ数を記憶するために必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0724】
特徴E2.前記複数種の絵柄のうち前記所定の回転方向に連続する所定数の絵柄が含まれる絵柄グループが、当該絵柄グループに含まれる絵柄が異なる絵柄グループとの間で重複しないように複数存在しており、
各絵柄グループ内に含まれる絵柄に対応する前記対応ステップ数は当該絵柄の並びに対して前記第1ステップ数と前記第2ステップ数とが交互に設定されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
【0725】
特徴E2によれば、各絵柄グループ内において第1ステップ数に対応する絵柄と第2ステップ数に対応する絵柄とが交互に配列されていることにより、一方のステップ数に対応する絵柄が局所的に固まってしまわないようにすることが可能となる。
【0726】
特徴E3.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記第1ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合には当該第1ステップ数において最後のステップ数となった場合に対応する位置にて前記周回体を停止させる構成であって、前記第2ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合には当該第2ステップ数において最後のステップ数となった場合に対応する位置にて前記周回体を停止させる構成であり、
前記第1ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類と前記第2ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一であることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
【0727】
特徴E3によれば、複数種の絵柄に対応するステップ数として第1ステップ数及び第2ステップ数の2種類が設定されている構成において、第1ステップ数に対応する絵柄及び第2ステップ数に対応する絵柄のいずれを所定の位置に停止させる場合であっても、その停止させた状態における相励磁の種類を共通のものとすることが可能となる。よって、いずれの絵柄を所定の位置に停止させる場合であっても停止状態を共通のものとすることが可能となる。
【0728】
特徴E4.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体が定速回転する場合にはステップ数が1進む度に1相励磁及び2相励磁のうち一方から他方に切り換えられる構成であり、
前記第1ステップ数の最初のステップ数に対応する相励磁の種類と前記第2ステップ数の最初のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一であり、
前記第1ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類と前記第2ステップ数の最後のステップ数に対応する相励磁の種類とが同一であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
【0729】
特徴E4によれば、第1ステップ数に対応する絵柄及び第2ステップ数に対応する絵柄のいずれであっても、最初のステップ数に対応する相励磁の種類が共通の開始時の種類となるとともに最後のステップ数に対応する相励磁の種類が共通の終了時の種類となる。これにより、第1ステップ数に対応する絵柄と第2ステップ数に対応する絵柄とをどのように配列したとしても、周回体が定速回転する場合にはステップ数が1進む度に1相励磁及び2相励磁のうち一方から他方に切り換えられる構成とすることが可能となる。
【0730】
特徴E5.前記第1ステップ数と前記第2ステップ数との差は「2」であることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
【0731】
特徴E5によれば、第1ステップ数と第2ステップ数との差が「2」であるため、第1ステップ数と第2ステップ数との差を極力抑えながら、上記特徴E4にて記載した構成に基づく優れた効果を奏することが可能となる。
【0732】
特徴E6.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体を加速させる場合における相励磁の切り換え態様が、前記第1ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止している状況から前記周回体の回転を開始させる場合と、前記第2ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止している状況から前記周回体の回転を開始させる場合とのそれぞれに対応させて設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
【0733】
特徴E6によれば、第1ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止している状況から周回体の回転を開始させる場合、及び第2ステップ数に対応する絵柄が所定の位置に停止ている状況から周回体の回転を開始させる場合のそれぞれに対応する態様で周回体の加速制御を行うことが可能となる。
【0734】
特徴E7.前記駆動手段は、励磁される相が切り換えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体を停止させる場合における相励磁の切り換え態様が、前記第1ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合と、前記第2ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合とのそれぞれに対応させて設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
【0735】
特徴E7によれば、第1ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合及び第2ステップ数に対応する絵柄を所定の位置に停止させる場合のそれぞれに対応する態様で周回体の停止制御を行うことが可能となる。
【0736】
なお、特徴E1?E7の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0737】
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各周回体に対応させて設けられ、対応する周回体を回転させる複数の駆動手段(ステッピングモータ33)と、
各周回体に対応させて設けられ、対応する周回体の回転を停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記停止操作手段が操作された場合に、当該停止操作手段に対応する周回体を停止させるように当該周回体に対応する駆動手段を制御する停止制御手段(主側MPU72におけるステップS604?ステップS614及びステップS707?ステップS711の処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記停止制御手段は、
前記停止操作手段が操作されたことに基づき、当該停止操作手段に対応する前記周回体の停止制御を開始するために必要な操作対応処理を実行する操作対応手段(主側MPU72におけるステップS607?ステップS611の処理を実行する機能)と、
前記操作対応処理が実行された後であって停止制御が完了してない状況である場合に該当する停止完了前状況となっている完了前対象の周回体が特定数以上存在している状況で、前記操作対応処理が未だ実行されていない操作前対象の周回体に対応する前記停止操作手段が操作された場合、当該操作前対象の周回体に対して前記操作対応処理が実行されないようにする処理規制手段(主側MPU72における有効操作判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0738】
特徴F1によれば、停止完了前状況となっている完了前対象の周回体が特定数以上存在している状況であることを条件として、操作前対象の周回体に対応する停止操作に対して操作対応処理が実行されない状態となる。これにより、例えば操作対応処理が実行された場合には一律の所定期間に亘って操作前対象の周回体に対する停止操作を無効化させる構成と異なり、操作対応処理が実行された後であって停止制御が完了していない状況である周回体が存在していないにも関わらず操作前対象の周回体に対する停止操作が無効化されてしまわないようにすることが可能となる。よって、全ての周回体が停止するまでに要する最短期間を短縮することが可能となる。
【0739】
その一方、停止完了前状況となっている完了前対象の周回体が特定数以上存在している状況である場合には、操作前対象の周回体に停止操作が行われたとしても当該操作前対象の周回体に対して操作対応処理が実行されない。これにより、停止完了前状況となっている周回体の数を特定数までに抑えることが可能となり、停止制御の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0740】
特徴F2.前記完了前対象の周回体に対する停止制御が完了した場合に、前記操作対応処理が実行されないように規制されている状態を解除する手段(主側MPU72におけるステップS1003の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1106の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1203の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1303の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
【0741】
特徴F2によれば、操作対応処理が実行された後であって停止制御が完了していない状況である周回体が存在していないにも関わらず操作前対象の周回体に対する停止操作が無効化されてしまわないようにすることが可能となる。よって、全ての周回体が停止するまでに要する最短期間を短縮することが可能となる。
【0742】
特徴F3.前記駆動手段は、励磁される相が切り替えられることにより回転子が回転することで前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記周回体を停止させる場合には前記周回体を定速回転させる場合よりも多い数の相を同時に励磁する状況が生じることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
【0743】
特徴F3によれば、周回体を停止させる場合には周回体を定速回転させる場合よりも多い数の相を同時に励磁する状況が生じる構成であることにより、周回体を定速回転させる場合と周回体を停止させる場合とのそれぞれに適した態様で駆動手段の駆動制御を行うことが可能となる。
【0744】
この場合に、周回体を停止させる場合に定速回転させる場合よりも多い数の相を同時に励磁する状況が生じる構成においては、同時に停止完了前状況となっている周回体の数が多くなるほど同時に励磁される相の合計数が定速回転の場合よりも多くなってしまう。これに対して、上記特徴F1の構成を備え、停止完了前状況となっている完了前対象の周回体が特定数以上存在している状況である場合には、操作前対象の周回体に停止操作が行われたとしても当該操作前対象の周回体に対して操作対応処理が実行されない。これにより、同時に励磁される相の合計数がある程度の数とすることが可能となる。
【0745】
特徴F4.前記停止制御手段は、
前記停止操作手段が操作されたことに基づいて、当該停止操作手段が操作されたタイミングにおける前記周回体の回転位置に対して最大スベリ数の範囲内となるように所定の位置に停止させる停止絵柄を決定する手段(主側MPU72におけるステップS611の処理を実行する機能)と、
前記停止絵柄が前記所定の位置に停止可能な回転位置となるまでは所定の停止制御処理を実行することなく、前記停止絵柄が前記所定の位置に停止可能な回転位置となることで前記所定の停止制御処理を実行する手段(主側MPU72におけるステップS612?ステップS614及びステップS707?ステップS711の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作対応処理が実行された場合に前記停止完了前状況となることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
【0746】
周回体を停止させる場合にスベリ数が設定され得る構成においては、操作対応処理が実行された周回体であっても所定の停止制御処理が実行される前の状態と所定の停止制御処理が実行された後の状態とが存在することとなる。この場合に、操作対応処理が実行された場合に停止完了前状況となる構成であることにより、完了前対象の周回体が存在しているか否かを特定する場合には操作対応処理が実行された後の周回体が存在しているか否かを特定するだけでよく、操作対応処理が実行された後であって停止制御が完了していない状況であるか否かを特定する必要が生じない。よって、完了前対象の周回体が存在しているか否かを特定するための処理構成を簡素化することが可能となる。
【0747】
特徴F5.前記周回体は3個以上設けられており、
前記処理規制手段は、前記完了前対象の周回体が前記特定数未満存在している状況で前記操作前対象の周回体に対応する前記停止操作手段が操作された場合、当該操作前対象の周回体に対する前記操作対応処理の実行を許容する手段(主側MPU72におけるステップS1005にて否定判定をする機能、主側MPU72におけるステップS1109にて否定判定をする機能、主側MPU72におけるステップS1205にて否定判定をする機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
【0748】
特徴F5によれば、完了前対象の周回体が存在している状況であっても当該完了前対象の周回体の数が特定数未満であれば、操作前対象の周回体に対する操作対応処理の実行が許容される。これにより、完了前対象の周回体が同時に複数存在することが許容されることとなり、全ての周回体が停止するまでに要する最短期間を短縮することが可能となる。
【0749】
特徴F6.前記停止制御手段は、
前記停止操作手段が操作されたことに基づいて、当該停止操作手段が操作されたタイミングにおける前記周回体の回転位置に対して最大スベリ数の範囲内となるように所定の位置に停止させる停止絵柄を決定する手段(主側MPU72におけるステップS611の処理を実行する機能)と、
前記停止絵柄が前記所定の位置に停止可能な回転位置となるまでは所定の停止制御処理を実行することなく、前記停止絵柄が前記所定の位置に停止可能な回転位置となることで前記所定の停止制御処理を実行する手段(主側MPU72におけるステップS612?ステップS614及びステップS707?ステップS711の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記処理規制手段は、前記操作対応処理が実行された後であって前記所定の停止制御処理が実行される前の状況の周回体が存在している場合、前記完了前対象の周回体が前記特定数未満存在している状況で前記操作前対象の周回体に対応する前記停止操作手段が操作されたとしても当該操作前対象の周回体に対して前記操作対応処理が実行されないようにすることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
【0750】
特徴F6によれば、完了前対象の周回体が存在している状況であっても当該完了前対象の周回体の数が特定数未満であれば操作前対象の周回体に対する操作対応処理の実行が許容される構成であったとしても、操作対応処理が実行された後であって所定の停止制御処理が実行される前の状況の周回体が存在している場合には、操作前対象の周回体に対する操作対応処理の実行が阻止される。これにより、例えば先に停止操作が行われた周回体のスベリ数よりも後に停止操作が行われた周回体のスベリ数の方が多いことに起因して前者の周回体よりも後者の周回体の方が先に停止してしまうという事象が発生しないようにすることが可能となる。
【0751】
特徴F7.前記停止制御手段は、
前記停止操作手段が操作されたことに基づいて、当該停止操作手段が操作されたタイミングにおける前記周回体の回転位置に対して最大スベリ数の範囲内となるように所定の位置に停止させる停止絵柄を決定する手段(主側MPU72におけるステップS611の処理を実行する機能)と、
前記停止絵柄が前記所定の位置に停止可能な回転位置となるまでは所定の停止制御処理を実行することなく、前記停止絵柄が前記所定の位置に停止可能な回転位置となることで前記所定の停止制御処理を実行する手段(主側MPU72におけるステップS612?ステップS614及びステップS707?ステップS711の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の停止制御処理が実行された場合に前記停止完了前状況となることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
【0752】
特徴F7によれば、操作対応処理が実行されたとしても停止完了前状況とはならずに所定の停止制御処理が実行されることにより停止完了前状況となる。これにより、操作対応処理が実行された後であって所定の停止制御処理が実行される前の状況は操作対応処理の実行を規制する対象の状況とならないため、操作対応処理の実行が許容される期間を長く確保することが可能となる。
【0753】
特徴F8.前記処理規制手段は、
前記操作前対象の周回体に対応する前記停止操作手段が操作されたことに基づいて、当該操作前対象の周回体が前記操作対応処理の実行対象となった場合における前記所定の停止制御処理の開始タイミングを特定する開始特定手段(主側MPU72におけるステップS1206の処理を実行する機能)と、
当該開始特定手段により特定された開始タイミングが、前記完了前対象の周回体の数が「特定数+1」となる状況を生じさせるタイミングである場合、前記操作前対象の周回体に対して前記操作対応処理が実行されないようにする手段(主側MPU72におけるステップS1207の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
【0754】
特徴F8によれば、完了前対象の周回体の数が特定数以上である状況で操作前対象の周回体に対応する停止操作手段が操作された場合であっても、その操作前対象の周回体に対して操作対応処理を実行した場合に完了前対象の周回体の数が「特定数+1」となる状況が生じないのであれば、その操作前対象の周回体に対して操作対応処理が実行される。これにより、完了前対象の周回体の数が「特定数+1」となる状況が生じることを阻止しながら、操作対応処理の実行が許容される期間を長く確保することが可能となる。
【0755】
なお、特徴F1?F8の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0756】
上記特徴D群、上記特徴E群及び上記特徴F群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0757】
遊技機の一種として、スロットマシンがある。スロットマシンは複数のリールを備えており、それら各リールの外周部に付与された複数の図柄のうちの一部が表示窓を通じて視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルなどの遊技媒体をベットしてスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。
【0758】
また、スロットマシンの内部では遊技媒体のベットとスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数の遊技媒体が払い出されたりする。
【0759】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、上記図柄といった絵柄の停止制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
【0760】
<特徴G群>
特徴G1.複数種類の設定値の中から使用対象の設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS2402の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2502の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2602の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2702の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2802の処理を実行する機能)と、
前記使用対象の設定値に対応する有利度となるように遊技の進行を制御する進行制御手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
所定契機が発生した場合に所定演出(エンディング演出)が実行されるようにし、前記所定契機が発生する度に実行対象となる前記所定演出の種類を順次変更させる演出制御手段(主側MPU72におけるステップS2204?ステップS2209の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるエンディング表示制御処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2904?ステップS2911の処理を実行する機能)と、
前記使用対象の設定値が変更された場合に、当該変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類が、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更態様の規則性に反する種類となり得るようにする変更時制御手段(主側MPU72におけるステップS2404の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2504の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2606及びステップS2608の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2705及びステップS2706の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2804?ステップS2807の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0761】
特徴G1によれば、所定契機が発生した場合に所定演出が実行されるだけではなく、所定契機が発生する度に実行対象となる所定演出の種類が順次変更されるため、所定演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0762】
この場合に、使用対象の設定値が変更された場合には当該変更が行われた後に実行される所定演出の種類が、当該変更が行われる前における所定演出の種類の変更態様の規則性に反する種類となり得る。これにより、使用対象の設定値が変更され得る状況の前後のそれぞれにおいて所定演出の種類を確認することで使用対象の設定値が変更されたか否かを予測し易くなる。よって、所定演出に対する注目度を高めることができ、本遊技機にて遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0763】
特徴G2.遊技機の電断状態から電入状態となった場合に、前記設定手段による前記使用対象の設定値の変更を行うことが可能となることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
【0764】
使用対象の設定値の変更が遊技機の電断状態から電入状態となった場合に可能となる構成に対して上記特徴G1にて記載した構成を適用することにより、遊技ホールの一営業日の最後及び次の営業日の最初のそれぞれにおいて本遊技機にて遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0765】
特徴G3.前記所定契機が新たに発生した場合に実行対象となる前記所定演出の種類を特定可能とする情報を記憶し、動作電力が供給されている場合に当該情報の記憶保持を可能とする情報記憶手段(主側RAM74)と、
遊技機の電断中において前記情報記憶手段に動作電力を供給する電断中電力供給手段(電源装置54)と、
を備えていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
【0766】
特徴G3によれば、情報記憶手段に対して遊技機の電断中であっても動作電力が供給されるため、所定の営業日において実行される所定演出の種類を、その前の営業日における所定演出の種類の変更態様の規則性に従った種類とすることが可能となる。この場合に、遊技機の電断状態から電入状態となった場合に使用対象の設定値の変更が行われた場合、所定の営業日において実行される所定演出の種類が、その前の営業日における所定演出の種類の変更態様の規則性に反する種類となり得る。これにより、遊技ホールの一営業日の最後及び次の営業日の最初のそれぞれにおいて本遊技機にて遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0767】
特徴G4.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類が、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更順序に従った次の順序の種類とは異なる種類となり得るようにすることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
【0768】
特徴G4によれば、使用対象の設定値が変更された場合にはその変更後に実行される所定演出の種類が、当該変更が行われる前に最後に実行された所定演出の種類に対して、当該変更が行われる前における所定演出の種類の変更順序に従った次の順序の種類とは異なる種類となり得る。これにより、使用対象の設定値が変更されたか否かを予測する上での情報が欲しいと考えている遊技者は、使用対象の設定値が変更され得る状況の前後の所定演出の種類に注目するとともに、使用対象の設定値が変更され得る状況の前における所定演出の種類の変更順序にも注目することとなる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0769】
特徴G5.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に最初に実行される前記所定演出の種類が所定の種類となるようにすることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
【0770】
特徴G5によれば、使用対象の設定値が変更された場合には当該変更が行われた後に最初に実行される所定演出の種類が所定の種類となることにより、使用対象の設定値が変更され得る状況の後に実行された所定演出の種類が所定の種類であるか否かを確認することで、使用対象の設定値が変更された可能性が高いか否かを予測することが可能となる。また、使用対象の設定値が変更される前における所定演出の種類が所定の種類に対して手前の順序ではないことを確認した状況において、使用対象の設定値が変更され得る状況の後に実行された所定演出の種類が所定の種類となった場合、使用対象の設定値が変更された可能性が飛躍的に高くなる。したがって、本構成であっても使用対象の設定値が変更され得る状況の前に実行された所定演出の種類に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0771】
特徴G6.前記所定契機が新たに発生した場合に実行対象となる前記所定演出の種類を特定可能とする情報を記憶する情報記憶手段(主側RAM74)と、
当該情報記憶手段に記憶された情報を初期化する初期化手段(主側MPU72におけるステップS104の処理を実行する機能)と、
を備え、
所定の状況となった場合に前記使用対象の設定値の変更が行われ得る構成であって、前記所定の状況となった場合に前記初期化手段による初期化が行われ得る構成であり、
前記初期化手段による前記情報記憶手段に記憶された情報の初期化が実行された場合、その後に最初に実行される前記所定演出の種類が前記所定の種類となり得ることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
【0772】
特徴G6によれば、使用対象の設定値が変更された場合だけではなく情報記憶手段が初期化された場合にもその後に実行される所定演出の種類が所定の種類となり得る。これにより、所定の状況となった後において所定演出の種類が所定の種類となったことを確認した遊技者は、その契機が使用対象の設定値の変更、及び情報記憶手段の初期化のうちいずれであるかを予測しながら遊技を行うこととなる。よって、所定演出の種類を確認することで設定値の変更の有無を予測させ易くしながらも、使用対象の設定値が変更されたことが明確に理解できてしまわないようにすることが可能となる。
【0773】
特徴G7.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値の変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に応じて当該変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類が変動するように、当該所定演出の種類を決定することを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
【0774】
特徴G7によれば、使用対象の設定値の変更後に実行される所定演出の種類が使用対象の設定値の変更前に実行された所定演出の種類に応じて変動することとなるため、使用対象の設定値の変更後に実行対象となる所定演出の種類を多様化させることが可能となる。
【0775】
特徴G8.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類が、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更順序に従った「2」以上の数である特別数分後の順序の種類となるようにすることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
【0776】
特徴G8によれば、使用対象の設定値の変更前に実行された所定演出の種類がいずれであったとしても、使用対象の設定値の変更後に実行される所定演出の種類をそれまでの所定演出の種類の変更態様の規則性に反する種類となるようにすることが可能となる。これにより、使用対象の設定値が変更されたか否かを予測する上での情報が欲しいと考えている遊技者は、使用対象の設定値が変更され得る状況の前後の所定演出の種類に注目するとともに、使用対象の設定値が変更され得る状況の前における所定演出の種類の変更順序にも注目することとなる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0777】
特徴G9.前記所定契機が新たに発生した場合に実行対象となる前記所定演出の種類を特定可能とする情報を記憶する情報記憶手段(主側RAM74)と、
当該情報記憶手段に記憶された情報を初期化する初期化手段(主側MPU72におけるステップS104の処理を実行する機能)と、
を備え、
所定の状況となった場合に前記使用対象の設定値の変更が行われ得る構成であって、前記所定の状況となった場合に前記初期化手段による初期化が行われ得る構成であり、
前記初期化手段による前記情報記憶手段に記憶された情報の初期化が実行された場合、その後に最初に実行される前記所定演出の種類が所定の種類となり得ることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
【0778】
特徴G9によれば、使用対象の設定値の変更が行われた場合と、情報記憶手段の初期化が実行された場合とで、その後に実行される所定演出の種類が異なる状況を生じさせることが可能となる。これにより、所定の状況の前後における所定演出の種類を確認することで使用対象の設定値の変更が行われたことを明確に把握できる状況が起こり得る。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0779】
特徴G10.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を前記使用対象の設定値の変更度合いに対応する種類に決定することを特徴とする特徴G1乃至G9のいずれか1に記載の遊技機。
【0780】
特徴G10によれば、使用対象の設定値が変更された場合にはその後に実行される所定演出の種類が使用対象の設定値の変更度合いに対応する種類に決定されることにより、使用対象の設定値の変更の前後における所定演出の種類を確認することで使用対象の設定値の変更の有無だけではなく使用対象の設定値の変更度合いまでも予測することが可能となる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0781】
特徴G11.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、前記使用対象の設定値の変更度合いに対応した分だけ実行順序がずれた種類に決定することを特徴とする特徴G10に記載の遊技機。
【0782】
特徴G11によれば、使用対象の設定値が変更され得る状況の前後の所定演出の種類を確認して当該所定演出の種類の順番のずれ量を把握することで、使用対象の設定値の変更度合いを予測することが可能となる。よって、所定演出への注目度を高めることが可能となる。
【0783】
特徴G12.前記変更時制御手段は、
前記有利度が高くなる側に前記使用対象の設定値が変更された場合、当該変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を第1決定態様により決定する第1変更時制御手段(主側MPU72におけるステップS2606の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2705の処理を実行する機能)と、
前記有利度が低くなる側に前記使用対象の設定値が変更された場合、当該変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を第2決定態様により決定する第2変更時制御手段(主側MPU72におけるステップS2608の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2706の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G10又はG11に記載の遊技機。
【0784】
特徴G12によれば、有利度が高くなる側に使用対象の設定値が変更された場合にはそれに対応する態様で変更後の所定演出の種類が決定されるとともに、有利度が低くなる側に使用対象の設定値が変更された場合にはそれに対応する態様で変更後の所定演出の種類が決定される。これにより、使用対象の設定値の変更の前後における所定演出の種類を確認することで、使用対象の設定値の変更の有無だけではなく、使用対象の設定値が有利度の高い側及び低い側のいずれに変更されたのかを把握することが可能となる。よって、所定演出への注目度を高めることが可能となる。
【0785】
特徴G13.前記使用対象の設定値が大きい値ほど前記有利度が高くなる構成であり、
前記第1変更時制御手段は、前記有利度が高くなる側に前記使用対象の設定値が変更された場合、当該変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、変更後における前記使用対象の設定値に対する変更前における前記使用対象の設定値の差分に対応する分だけ所定順序に従って実行順序がずれた種類に決定し、
前記第2変更時制御手段は、前記有利度が低くなる側に前記使用態様の設定値が変更された場合、当該変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、変更前における前記使用態様の設定値に対する変更後における前記使用対象の設定値の差分に対応する分だけ前記所定順序の反対の順序に従って実行順序がずれた種類に決定することを特徴とする特徴G12に記載の遊技機。
【0786】
特徴G13によれば、使用対象の設定値の変更の前後における所定演出の種類を確認することで、使用対象の設定値が有利度の高い側及び低い側のいずれに変更されたのかということだけでなく、どの程度ずれた設定値に変更されたのかということを予測することが可能となる。よって、所定演出への注目度を高めることが可能となる。
【0787】
特徴G14.前記第1変更時制御手段により決定される前記所定演出の種類と前記第2変更時制御手段により決定される前記所定演出の種類とが同一の種類となり得ることを特徴とする特徴G13に記載の遊技機。
【0788】
特徴G14によれば、使用対象の設定値が有利度の高い側に変更された場合と有利度の低い側に変更された場合とで、その後に実行される所定演出の種類が同一の種類となり得ることにより、使用対象の設定値の変更の前後における所定演出の種類を確認しても使用対象の設定値が有利度の高い側及び低い側のうちいずれに変更されたのかを遊技者が把握できない状況を生じさせることが可能となる。これにより、所定演出の種類を確認することで使用対象の設定値が有利度の高い側及び低い側のうちいずれに変更されたのかを予測させ易くしながらも、いずれに変更されたのかが明確に理解できてしまわないようにすることが可能となる。
【0789】
特徴G15.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値が変更される場合、当該変更が行われた後における前記所定演出の種類の変更順序を、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更順序とは異なる順序とすることを特徴G1乃至G14のいずれか1に記載の遊技機。
【0790】
特徴G15によれば、使用対象の設定値が変更されることにより所定演出の種類の変更順序が変更される。これにより、使用対象の設定値が変更され得る状況の前後における所定演出の種類の変更順序を確認することで、使用対象の設定値の変更の有無を予測することが可能となる。また、変更順序が変更される構成であるため使用対象の設定値が変更され得る状況の前後においてそれぞれの変更順序を確認することで、使用対象の設定値の変更の有無を確実に把握することが可能となる。また、変更順序を把握するためには複数回の所定演出を確認する必要があるため、使用対象の設定値の変更の有無を把握するためには使用対象の設定値が変更され得る状況の前後のそれぞれにおいて所定演出を複数回確認する必要が生じる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0791】
特徴G16.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値が変更された場合、当該変更が行われた後における前記所定演出の種類の変更順序を、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更順序に対して逆の順序とすることを特徴とする特徴G15に記載の遊技機。
【0792】
特徴G16によれば、使用対象の設定値が変更された場合には所定演出の種類の変更順序が逆の順序に変更される構成であるため、所定演出の種類の変更順序を2パターン用意するだけで上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0793】
特徴G17.前記変更時制御手段は、前記変更順序を変更した場合であっても、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、前記使用対象の設定値の変更が行われる前における前記変更順序において次の順番の種類に決定することを特徴とする特徴G15又はG16に記載の遊技機。
【0794】
特徴G17によれば、使用対象の設定値の変更が行われ得る状況の後において最初の所定演出の種類を確認したとしても所定演出の種類の変更が行われたか否かを把握することができないようにすることが可能となる。これにより、使用対象の設定値の変更の有無を把握するためには使用対象の設定値の変更が行われ得る状況の後において所定演出を複数回確認する必要が生じる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0795】
なお、特徴G1?G17の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0796】
<特徴H群>
特徴H1.複数種類の設定値の中から使用対象の設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS2402の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2502の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2602の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2702の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2802の処理を実行する機能)と、
前記使用対象の設定値に対応する有利度となるように遊技の進行を制御する進行制御手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
所定契機が発生した場合に所定演出(エンディング演出)が実行されるようにし、前記所定契機が発生する度に実行対象となる前記所定演出の種類を順次変更させる演出制御手段(主側MPU72におけるステップS2204?ステップS2209の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるエンディング表示制御処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2904?ステップS2911の処理を実行する機能)と、
前記使用対象の設定値が変更される場合、当該変更が行われた後における前記所定演出の種類の変更順序を、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更順序とは異なる順序とする変更時制御手段(主側MPU72におけるステップS2804?ステップS2807の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0797】
特徴H1によれば、所定契機が発生した場合に所定演出が実行されるだけではなく、所定契機が発生する度に実行対象となる所定演出の種類が順次変更されるため、所定演出の実行態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0798】
この場合に、使用対象の設定値が変更されることにより所定演出の種類の変更順序が変更される。これにより、使用対象の設定値が変更され得る状況の前後における所定演出の種類の変更順序を確認することで、使用対象の設定値の変更の有無を予測することが可能となる。また、変更順序が変更される構成であるため使用対象の設定値が変更され得る状況の前後においてそれぞれの変更順序を確認することで、使用対象の設定値の変更の有無を確実に把握することが可能となる。また、変更順序を把握するためには複数回の所定演出を確認する必要があるため、使用対象の設定値の変更の有無を把握するためには使用対象の設定値が変更され得る状況の前後のそれぞれにおいて所定演出を複数回確認する必要が生じる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0799】
特徴H2.前記設定手段による前記使用対象の設定値の変更は、遊技機の電断状態から電入状態となった場合に可能となることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
【0800】
使用対象の設定値の変更が遊技機の電断状態から電入状態となった場合に可能となる構成に対して上記特徴H1にて記載した構成を適用することにより、遊技ホールの一営業日の最後及び次の営業日の最初のそれぞれにおいて本遊技機にて遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0801】
特徴H3.前記所定契機が新たに発生した場合に実行対象となる前記所定演出の種類を特定可能とする情報を記憶し、動作電力が供給されている場合に当該情報の記憶保持を可能とする情報記憶手段(主側RAM74)と、
遊技機の電断中において前記情報記憶手段に動作電力を供給する電断中電力供給手段(電源装置54)と、
を備えていることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
【0802】
特徴H3によれば、情報記憶手段に対して遊技機の電断中であっても動作電力が供給されるため、所定の営業日において実行される所定演出の種類を、その前の営業日における所定演出の種類の変更態様の規則性に従った種類とすることが可能となる。この場合に、遊技機の電断状態から電入状態となった場合に使用対象の設定値の変更が行われた場合、所定の営業日において実行される所定演出の種類が、その前の営業日における所定演出の種類の変更態様の規則性に反する種類となり得る。これにより、遊技ホールの一営業日の最後及び次の営業日の最初のそれぞれにおいて本遊技機にて遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0803】
特徴H4.前記変更時制御手段は、前記使用対象の設定値が変更された場合、当該変更が行われた後における前記所定演出の種類の変更順序を、当該変更が行われる前における前記所定演出の種類の変更順序に対して逆の順序とすることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
【0804】
特徴H4によれば、使用対象の設定値が変更された場合には所定演出の種類の変更順序が逆の順序に変更される構成であるため、所定演出の種類の変更順序を2パターン用意するだけで上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0805】
特徴H5.前記変更時制御手段は、前記変更順序を変更した場合であっても、前記使用対象の設定値の変更が行われた後に実行される前記所定演出の種類を、当該変更が行われる前に最後に実行された前記所定演出の種類に対して、前記使用対象の設定値の変更が行われる前における前記変更順序において次の順番の種類に決定することを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
【0806】
特徴H5によれば、使用対象の設定値の変更が行われ得る状況の後において最初の所定演出の種類を確認したとしても所定演出の種類の変更が行われたか否かを把握することができないようにすることが可能となる。これにより、使用対象の設定値の変更の有無を把握するためには使用対象の設定値の変更が行われ得る状況の後において所定演出を複数回確認する必要が生じる。よって、本遊技機にて継続して遊技を行うことへの動機付けを与えることが可能となる。
【0807】
なお、特徴H1?H5の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B11、特徴C1?C3、特徴D1?D14、特徴E1?E7、特徴F1?F8、特徴G1?G17、特徴H1?H5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0808】
上記特徴G群及び上記特徴H群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0809】
遊技機の一種として、スロットマシンがある。スロットマシンは複数のリールを備えており、それら各リールの外周部に付与された複数の図柄のうちの一部が表示窓を通じて視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルなどの遊技媒体をベットしてスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。
【0810】
また、スロットマシンの内部では遊技媒体のベットとスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数の遊技媒体が払い出されたりする。
【0811】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0812】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0813】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0814】
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0815】
10…スロットマシン、31…リールユニット、32L,32M,32R…リール、33…ステッピングモータ、41…スタートレバー、42?44…ストップボタン、47?49…クレジット投入ボタン、63…画像表示装置、67…特別表示部、72…主側MPU、73…主側ROM、74…主側RAM、74a…特定制御用のワークエリア、74b…特定制御用のスタックエリア、74c…非特定制御用のワークエリア、74d…非特定制御用のスタックエリア、82…演出側MPU。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記所定記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記領域内処理では遊技を進行させるための処理が実行され、
前記領域外処理では遊技を進行させるための処理とは異なる処理が実行され、
前記領域外処理には、所定の管理を行うための管理用処理と、当該管理用処理の結果に対応する報知を行うための報知用処理と、が含まれており、
前記退避記憶手段として、前記領域内処理に対応させて設けられた第1退避記憶手段と、前記領域外処理に対応させて設けられた第2退避記憶手段と、を備え、
前記退避実行手段は、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段と、
前記領域外処理を実行している状況において前記内部記憶手段の情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段と、
を備え、
前記領域外処理として、第1処理と第2処理とが設定されており、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第1処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第1処理を開始する場合には当該第1処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第1処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第1処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記内部記憶手段の情報の前記第1退避記憶手段への退避が行われ、当該第2処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報の前記内部記憶手段への復帰が行われる構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記第2処理を開始する場合には当該第2処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2処理において前記割込み処理の実行が許可されない構成であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体を利用して遊技が行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-03-23 
結審通知日 2021-03-26 
審決日 2021-04-06 
出願番号 特願2015-199108(P2015-199108)
審決分類 P 1 41・ 841- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 851- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡崎 彦哉  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 小島 寛史
▲高▼橋 祐介
登録日 2019-06-14 
登録番号 特許第6536337号(P6536337)
発明の名称 遊技機  
代理人 安藤 悟  
代理人 安藤 悟  

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