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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G01M
管理番号 1375875
異議申立番号 異議2021-700265  
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-11 
確定日 2021-07-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第6771217号発明「加振装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6771217号の請求項1ないし21に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6771217号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成28年10月19日を出願日とするものであって、令和2年10月1日にその請求項1ないし21に係る発明について特許権の設定登録がされ、同年10月21日に特許掲載公報が発行され、その後、請求項1ないし21に係る特許に対して、令和3年3月11日付けで特許異議申立人 IMV株式会社及び株式会社振研(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年4月21日付けで手続補正書が提出されたものである。なお、令和3年4月21日付け手続補正書は、令和3年3月11日付け特許異議申立書の申立ての理由を補正するものである。

第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし21に係る発明(以下「本件発明1」ないし「本件発明21」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし21に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する第1スライド連結機構と、
前記第1スライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたカウンターバランス部と、
を備え、
前記カウンターバランス部が、
第1錘部と、
前記振動テーブルと前記第1錘部とで挟まれた第1緩衝部と、
第2錘部と、
前記第1錘部と前記第2錘部とで挟まれた第2緩衝部と、
を有する、
加振装置。
【請求項2】
振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する第1スライド連結機構と、
前記第1スライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたカウンターバランス部と、
を備え、
前記カウンターバランス部が、
緩衝部と、
前記緩衝部を介して前記振動テーブルに固定された錘部と、を有する、
加振装置。
【請求項3】
X軸、Y軸及びZ軸方向が互いに直交する3方向であり、
振動テーブルと、
前記振動テーブルを前記X軸方向に加振するX軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Y軸方向に加振するY軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Z軸方向に加振するZ軸アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを、前記Y軸及び前記Z軸方向にスライド可能に連結するYZスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを、前記Z軸及び前記X軸方向にスライド可能に連結するZXスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとを、前記X軸及び前記Y軸方向にスライド可能に連結するXYスライド連結機構と、
前記YZスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1のカウンターバランス部と、
前記ZXスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2のカウンターバランス部と、
前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第3のカウンターバランス部と、
を備え、
各カウンターバランス部が、
緩衝部と、
前記緩衝部を介して前記振動テーブルに固定された錘部と、を有する、
加振装置。
【請求項4】
前記錘部が平板状である、
請求項2又は請求項3に記載の加振装置。
【請求項5】
前記緩衝部がシート状である、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の加振装置。
【請求項6】
前記緩衝部が、エラストマーを含む、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の加振装置。
【請求項7】
前記緩衝部が、前記錘部を振動テーブルから離して支持するスペーサーを有する、
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の加振装置。
【請求項8】
前記カウンターバランス部が、
前記錘部を固定する複数のボルトを備え、
前記複数のボルトによる固定間隔が100mm以下である、
請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の加振装置。
【請求項9】
前記固定間隔が50mm以下である、
請求項8に記載の加振装置。
【請求項10】
前記錘部が、
第1錘部と、
第2錘部と、を含み、
前記緩衝部が、
前記振動テーブルと前記第1錘部とで挟まれた第1緩衝部と、
前記第1錘部と前記第2錘部とで挟まれた第2緩衝部と、を含む、
請求項2から請求項9のいずれか一項に記載の加振装置。
【請求項11】
前記錘部が、第3錘部を含み、
前記緩衝部が、前記第2錘部と前記第3錘部とで挟まれた第3緩衝部を含む、
請求項10に記載の加振装置。
【請求項12】
前記第1錘部が第1ボルトによって前記振動テーブルに固定され、
前記第2錘部が第2ボルトによって前記第1錘部に固定され、
前記第3錘部が第3ボルトによって前記第2錘部に固定された、
請求項11に記載の加振装置。
【請求項13】
前記XYスライド連結機構が、
X軸方向の直線運動を案内するX軸リニアガイドウェイと、
Y軸方向の直線運動を案内するY軸リニアガイドウェイと、
を備え、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとが、前記X軸リニアガイドウェイ及び前記Y軸リニアガイドウェイを介して連結された、
請求項3、又は、請求項3を直接又は間接に引用する請求項4から請求項12のいずれか一項に記載の加振装置。
【請求項14】
前記X軸リニアガイドウェイが、
前記X軸方向に延びるX軸レールと、
前記X軸レールと前記X軸方向にスライド可能に係合するX軸キャリッジと、
を備え、
前記Y軸リニアガイドウェイが、
前記Y軸方向に延びるY軸レールと、
前記Y軸レールと前記Y軸方向にスライド可能に係合するY軸キャリッジと、
を備えた、
請求項13に記載の加振装置。
【請求項15】
前記X軸キャリッジと前記X軸レールとの間に、それぞれ複数の転動体が転動する8条の負荷経路が形成された、
請求項14に記載の加振装置。
【請求項16】
前記Y軸キャリッジが前記X軸キャリッジに固定されることにより、前記X軸リニアガイドウェイと前記Y軸リニアガイドウェイが連結してクロスガイドを形成し、
前記クロスガイドのX軸レール及びY軸レールの一方が前記振動テーブルに取り付けられ、他方が前記Z軸アクチュエータに取り付けられた、
請求項14又は請求項15に記載の加振装置。
【請求項17】
前記XYスライド連結機構が、複数の前記クロスガイドを備え、
前記複数のクロスガイドが、
前記X軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第1の向きのクロスガイドと、
前記Y軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第2の向きのクロスガイドと、を含む、
請求項16に記載の加振装置。
【請求項18】
X軸、Y軸及びZ軸方向が互いに直交する3方向であり、
振動テーブルと、
前記振動テーブルを前記X軸方向に加振するX軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Y軸方向に加振するY軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Z軸方向に加振するZ軸アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを、前記Y軸及び前記Z軸方向にスライド可能に連結するYZスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを、前記Z軸及び前記X軸方向にスライド可能に連結するZXスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとを、前記X軸及び前記Y軸方向にスライド可能に連結するXYスライド連結機構と、
前記YZスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたX軸カウンターバランス部と、
前記ZXスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたY軸カウンターバランス部と、
前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたZ軸カウンターバランス部と、
を備え、
前記XYスライド連結機構が、
X軸方向の直線運動を案内するX軸リニアガイドウェイと、
Y軸方向の直線運動を案内するY軸リニアガイドウェイと、
を備え、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとが、前記X軸リニアガイドウェイ及び前記Y軸リニアガイドウェイを介して連結され、
前記X軸リニアガイドウェイが、
前記X軸方向に延びるX軸レールと、
前記X軸レールと前記X軸方向にスライド可能に係合するX軸キャリッジと、
を備え、
前記Y軸リニアガイドウェイが、
前記Y軸方向に延びるY軸レールと、
前記Y軸レールと前記Y軸方向にスライド可能に係合するY軸キャリッジと、
を備え、
前記Y軸キャリッジが前記X軸キャリッジに固定されることにより、前記X軸リニアガイドウェイと前記Y軸リニアガイドウェイが連結してクロスガイドを形成し、
前記クロスガイドのX軸レール及びY軸レールの一方が前記振動テーブルに取り付けられ、他方が前記Z軸アクチュエータに取り付けられ、
前記XYスライド連結機構が、複数の前記クロスガイドを備え、
前記複数のクロスガイドが、
前記X軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第1の向きのクロスガイドと、
前記Y軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第2の向きのクロスガイドと、を含む、
加振装置。
【請求項19】
前記XYスライド連結機構が、
複数の前記第1の向きのクロスガイドと、
複数の前記第2の向きのクロスガイドと、
を備え、
前記複数の第1の向きのクロスガイドと前記複数の第2の向きのクロスガイドが、前記X軸方向及び前記Y軸方向の2方向において交互に配置された、
請求項17又は請求項18に記載の加振装置。
【請求項20】
前記XYスライド連結機構が、前記第1の向きのクロスガイドと前記第2の向きのクロスガイドを同数備えた、
請求項19に記載の加振装置。
【請求項21】
前記複数のクロスガイドが、前記X軸方向及び前記Y軸方向に格子状に配置された、
請求項19又は請求項20に記載の加振装置。」

第3 異議申立理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証ないし甲第13号証を提出し、令和3年4月21日付け手続補正書により補正された以下の異議申立理由(以下「異議申立理由」という。)によって、本件発明1ないし21に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。
<異議申立理由>
特許法第29条第2項(進歩性)について
甲第1号証:株式会社振研の販売資料であり、本件特許発明以前の2010年2月2000部発行のカタログ
甲第2号証:2009年2月13日作成で、前記カタログのカウンターバランス部を明確に示す図面
甲第3号証:特開2003-149077号公報
甲第4号証:特開2010-25790号公報
甲第5号証:特開2005-265541号公報
甲第6号証:特開平8-35907号公報
甲第7号証:実願昭63-37681号(実開平1-141441号)のマイクロフィルム
甲第8号証:広辞苑第二版、株式会社岩波書店発行、昭和44年5月16日発行、246頁
甲第9号証:国際公開第2012/147607号
甲第10号証:特許第5373462号公報
甲第11号証:2009年1月29日作成で、甲第2号証と同一の型式「G75-230L」三方向振動発生機の側面断面図
甲第12号証:特開2010-38872号公報
甲第13号証:特開昭53-82372号公報

本件発明1は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明1は、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明2は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明2は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明2は、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明3は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術と、甲第7号証に記載された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明3は、甲第1号証に記載された発明、甲第3ないし6号証にも記載された周知技術、及び甲第7号証に記載された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明3は、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明4は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明5は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明6は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明7は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明8は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明9は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術から、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明10は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明11は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明12は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と甲第3ないし6号証にも記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明13は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術と、甲第7号証に記載された周知技術と甲第9号証に記載された周知技術とから、または、甲第1号証に記載された発明、甲第3ないし6号証にも記載された周知技術、甲第7号証に記載された周知技術及び甲第9号証に記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術と、甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明14は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術と、甲第7号証に記載された周知技術と甲第9号証に記載された周知技術とから、または、甲第1号証に記載された発明、甲第3ないし6号証にも記載された周知技術、甲第7号証に記載された周知技術及び甲第9号証に記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術と、甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明15は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術と、甲第7号証に記載された周知技術と甲第9号証に記載された周知技術と甲第10号証に記載された周知技術とから、または、甲第1号証に記載された発明、甲第3ないし6号証にも記載された周知技術、甲第7号証に記載された周知技術、甲第9号証に記載された周知技術、及び甲第10号証に記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術と、甲第9号証に記載された周知技術と、甲第10号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明16は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術と、甲第7号証に記載された周知技術と甲第9号証に記載された周知技術とから、または、甲第1号証に記載された発明、甲第3ないし6号証にも記載された周知技術、甲第7号証に記載された周知技術及び甲第9号証に記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術と、甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明17は、甲第1号証と甲第3号証に記載された発明及び技術と、甲第7号証に記載された周知技術と甲第9号証に記載された周知技術とから、または、甲第1号証に記載された発明、甲第3ないし6号証にも記載された周知技術、甲第7号証に記載された周知技術及び甲第9号証に記載された周知技術から、または、甲第9号証、甲第12号証、甲第13号証に記載された発明及び技術と、甲第3号証の技術又は甲第3ないし6号証にも記載された周知技術と、甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明18は、甲第1号証と甲第7号証に記載された発明及び甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明19は、甲第1号証と甲第7号証に記載された発明及び甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明20は、甲第1号証と甲第7号証に記載された発明及び甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
本件発明21は、甲第1号証と甲第7号証に記載された発明及び甲第9号証に記載された周知技術から、当業者が容易に想到し得たことである。
以上本件発明1ないし21は、甲第1号証ないし甲第13号証に記載する振動試験装置の設計事項あるいは周知技術から容易に想到できたものである。
したがって、本件発明1ないし21に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
よって、その特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

第4 異議申立理由についての判断
特許法第29条第2項(進歩性)について検討する。
1 甲第1ないし13号証の記載事項及び甲第1ないし13号証から認定される発明
(1)甲第1号証
株式会社振研が作成したパンフレット「多次元振動試験装置」には、以下の記載がある。(下線は当審が付与した。以下同じ。)
ア 第1頁左上の写真




イ 第4頁の「三方向同時振動試験装置仕様」の表中に
「システム型式 三方向振動発生機型式
G-6230-3LT-110 G75-230-110
G-6230-3LT-112 G75-230-112
G-6230-3LT-115 G75-230-115」

ウ 最終頁「■特殊システム」の最下行に
「2010.2.2,000」

エ 上記「ア」の写真は、多次元振動試験装置のパンフレットの表紙に採用された写真であることから、上記「ア」の写真が示す装置は、「多次元振動試験装置」であると見てとれる。

オ 上記「ア」の写真が示す装置である「多次元振動試験装置」は、
「振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、連結する第1連結機構と、
前記第1連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1カウンターバランス部と、
前記振動テーブルを第1の方向と直交する第2の方向に加振する第2アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第2アクチュエータとを、連結する第2連結機構と、
前記第2連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2カウンターバランス部と、
を備え
前記第1及び第2カウンターバランスはそれぞれ四角い平板状の錘部を備えた、
多次元振動試験装置」
であると見てとれる。

カ 上記「アないしオ」より、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、連結する第1連結機構と、
前記第1連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1カウンターバランス部と、
前記振動テーブルを第1の方向と直交する第2の方向に加振する第2アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第2アクチュエータとを、連結する第2連結機構と、
前記第2連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2カウンターバランス部と、
を備え
前記第1及び第2カウンターバランスはそれぞれ四角い平板状の錘部を備えた、
多次元振動試験装置。」

(2)甲第2号証
甲第2号証は、図面であり、以下の記載がある。
ア 左上図面枠外に「G6230-092/12」

イ 右下に
「 品名/ 三方向振動発生機外観図
製図 型式/ G75-230L-115
西山 図番/ 4-11348
2009.02.13 株式会社 振研 」

ウ 図面





(3)甲第3号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2003-149077号公報(甲第3号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業製品等の供試体について、振動試験を行う為の加振機に関する。」

イ「【0013】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る加振機1の主要部構成を示す縦断面概略図である。図1に示す加振機1は、振動台2と、この振動台2の一側部に連結される水平加振部3と、振動台2を水平方向に移動可能に支持する水平移動支持機構部4と、振動台2の下部に連結される垂直加振部5と、振動台2の上面と供試体Sを連結する連結軸6と、により概略構成されている。」

ウ「【0019】連結軸6は、金属部材61と、例えば、所定の硬度のゴムからなる弾性部材62とによって構成され、金属部材61と弾性部材62は着脱自在に構成される。ここで、弾性部材62の選択方法について図3を用いて説明する。図3は、水平加振部3における供試体Sの振動特性を示す図であり、横軸は周波数(振動数)、縦軸は加速度(振動レベル)を示す。弾性部材62は、振動台2を水平方向に加振した場合に、図3の実線で示すような周波数帯域で共振を起こす部材を選択する。即ち、図3の破線で示す金属部材のみで連結軸を構成した場合の最大周波数fmaxの付近で共振が生じる周波数特性を有する部材である。この弾性部材62を取り付けたことによる共振によって、図3のf'maxまで最大周波数を引き上げることができる。」

エ「【図1】


オ 上記「アないしエ」より、甲第3号証には次の技術(以下「甲3開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「工業製品等の供試体について、振動試験を行う為の加振機において、振動台2の上面と供試体Sを連結する連結軸6を、金属部材61と、所定の硬度のゴムからなる弾性部材62とによって構成する技術。」

(4)甲第4号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2010-25790号公報(甲第4号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「【0001】
本発明は、被測定物(自動車等)に物理量を与える評価実験の結果を記録する評価実験用記録装置に関する。」

イ「【0017】
図1に示すように、衝突試験用記録装置10は、記録計本体1と、緩衝材2と、歪みゲージ3と、歪み発生部(インバー)4とを有し、これらがハウジング5内に収容されて一体化された構成となっている。
衝突試験用記録装置10は、衝突の際に測定箇所からの応力を伝達させるために、歪み発生部4側(図1の下側)を応力測定したい箇所に向けて設置する。ここで、測定箇所の温度変化により歪み発生部4に歪みが発生するのを抑制するために、歪み発生部4には熱膨張率の小さいインバーを用いることが好ましい。」

ウ「【図1】



エ 上記「アないしウ」より、甲第4号証には次の技術(以下「甲4開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「被測定物(自動車等)に物理量を与える評価実験の結果を記録する評価実験用記録装置において、衝突試験用記録装置10は、記録計本体1と、緩衝材2と、歪みゲージ3と、歪み発生部(インバー)4とを有し、これらがハウジング5内に収容されて一体化された構成とする技術。」

(5)甲第5号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2005-265541号公報(甲第5号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「【0001】
この発明は、加振装置に関し、特に、被加振物と加振装置とを連結するように設けられる加振軸の構造に関する。」

イ「【0022】
(振動伝達特性解析装置100の構造)
本実施の形態における振動伝達特性解析装置100の構造は、図1および図2に示すように、定盤110の上に、振動伝達特性を解析すべきエンジンブロック160と、このエンジンブロック160に所定の振動を与えるための加振装置130とが配設されている。エンジンブロック160は、外方からの振動を遮断するために定盤110との間に防振ゴム150が介在されている。また、加振装置130は、エンジンブロック160に対して正確に振動を加える観点から定盤110との間に高精度高さ調節機構120が介在されている。加振装置130としては、電磁式の加振装置等が用いられる。なお、本実施の形態における振動伝達特性解析装置100の外形寸法は、幅450mm、奥行き450mm、高さ400mm程度である。」

ウ「【図2】



エ 上記「アないしウ」より、甲第5号証には次の技術(以下「甲5開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「加振装置において、エンジンブロック160と定盤110との間に防振ゴム150を介在する技術。」

(6)甲第6号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開平8-35907号公報(甲第6号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は恒温槽付き加振機に関し、より詳細には低温時や高温時における被測定物の振動に関する温度特性を測定するための恒温槽付き加振機に関する。」

イ「【0017】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る恒温槽付き加振機の実施例を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符合を付すものとする。図1は、本発明に係る恒温槽付き加振機の模式的側断面図を示している。図中21は加振機本体を示しており、振動方向は例えば図中矢印A方向である。加振機本体21の上面にはアルミニウム製の下部治具としての丸治具22が連結されており、丸治具22は円筒形状の本体部22aと、円板形状の蓋部22bとから成っている。丸治具22の上面には黒鉛、セラミック、発泡スチロール、あるいは発泡ポリスチレン等からなる断熱部材12が配設され、断熱部材12の上面にはアルミニウムあるいはステンレス等からなる金属板11が配設され、金属板11の上面には鉄製の上部治具としての角治具23が配設されている。角治具23の上面中央部には例えばGセンサ等の被測定物24が載置される。角治具23上面の一端部にはブロック25が連結されており、ブロック25上には制御ピックアップ26が配設され、コントローラ30と接続されている。また、角治具23上面の別の一端部にはモニタピックアップ27が配設され、測定器31を介してコンピュータ32と接続されている。また、丸治具22の下部から被測定物24、制御ピックアップ26及びモニタピックアップ27に至るまでを覆い包むように恒温槽28が設置されており、ガス供給源(図示せず)からの恒温ガスが導入口28aから供給され、排出口28bから排出されることによって恒温槽28内が所望の雰囲気温度に保たれるようになっている。なお、丸治具22の下部と恒温槽28との間はゴムパッキン(図示せず)等にて封止されており、振動によって恒温ガスが外部に洩れることのないようになっている。」

ウ「【図1】



エ 上記「アないしウ」より、甲第6号証には次の技術(以下「甲6開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「加振機において、加振機本体の上面には丸治具が連結されており、丸治具の上面には黒鉛、セラミック、発泡スチロール、あるいは発泡ポリスチレン等からなる断熱部材が配設され、断熱部材の上面には金属板が配設され、金属板の上面には鉄製の上部治具としての角治具が配設され、角治具の上面中央部には被測定物が載置される技術。」

(7)甲第7号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である実願昭63-37681号(実開平1-141441号)のマイクロフィルム(甲第7号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「(実施例)
第1図に本考案の第1実施例を示し、図中2は基礎10上に平面静圧軸受3,3を介して水平方向(X-X)に振動可能に配設された振動台、1は基礎10の側部に配設され作動軸1aを振動台2の側部に接続した加振機であって、加振機1に接続されて水平方向(X-X)に振動される振動台2を有し、振動台2上に試験体aを据え付けて加振する加振装置において、振動台2の下側に、試験体aの転倒モーメントMに見合う復元モーメントを生じる調整重り11,12を付設した加振装置になっている。」(明細書第4頁第3-14行)

イ「第1図



ウ 上記「アないしイ」より、甲第7号証には次の技術(以下「甲7開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「加振機において、水平方向(X-X)に振動される振動台上に試験体を据え付けて加振する際に振動台の下側に、試験体の転倒モーメントに見合う復元モーメントを生じる調整重りを付設する技術。」

(8)甲第8号証
本願出願前に公知である広辞苑第二版第一刷、岩波書店発行、昭和44年5月16日発行第246頁(甲第8号証)には、次の技術事項が記載されている。

「エラストマー【elastomer】常温付近でゴム弾性を示す高分子物質の総称。合成ゴムが代表的。」

(9)甲第9号証
本願出願前に日本国内または外国において頒布され刊行物または電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2012/147607号(甲第9号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「[0001] 本発明は、動電型アクチュエータ及びこれを用いた動電型加振装置に関する。」

イ「[0027] (第1実施形態)
先ず、図1?図9を参照して、本発明の第1実施形態に係る動電型3軸加振装置1(以下、「加振装置1」と略記する。)について説明する。図1及び図2は、それぞれ加振装置1の正面図及び平面図である。また、図3は、加振装置1の駆動システムの概略構成を示すブロック図である。以下の第1実施形態の説明において、図1における左右方向をX軸方向(右方向をX軸正方向)、紙面に垂直な方向をY軸方向(紙面表側から裏側へ向かう方向をY軸正方向)、上下方向をZ軸方向(上方向をZ軸正方向)とする。尚、Z軸方向は鉛直方向であり、X軸及びY軸方向は水平方向である。
[0028] 図1及び図2に示すように、加振装置1は、供試体(不図示)が取り付けられる振動テーブル400と、振動テーブル400をX軸、Y軸及びZ軸方向にそれぞれ加振する3つのアクチュエータ(X軸アクチュエータ100、Y軸アクチュエータ200及びZ軸アクチュエータ300)と、各アクチュエータ100、200及び300を支持する装置ベース50を備えている。各アクチュエータ100、200及び300は、それぞれボイスコイルモータを備えた動電型の直動アクチュエータであり、本体101、201及び301と、各本体から突出した可動部(後述)を覆うカバー103、203及び303をそれぞれ備えている。振動テーブル400は、各アクチュエータ100、200及び300と、それぞれ2軸スライダ(YZスライダ160、ZXスライダ260及びXYスライダ360)を介して連結されている。加振装置1は、各アクチュエータ100、200及び300を用いて振動テーブル400を駆動することにより、振動テーブル400上に取り付けられた供試体を直交3軸方向に加振することができる。」

ウ「[0039] 次に、Z軸アクチュエータ300と振動テーブル400とを連結するXYスライダ360の構成を説明する。図7は振動テーブル400付近を拡大した平面図である。図6及び図7に示すように、XYスライダ360は、2本のY軸レール362a、4つのY軸ランナーブロック362b、4つの連結板364、4つのX軸ランナーブロック366b、及び2本のX軸レール366aから構成される。Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に取り付けられている。各Y軸レール362には、Y軸レール362aと係合する2つのY軸ランナーブロック362bが、Y軸レール362aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられている。各X軸レール366aには、X軸レール366aと係合する2つのX軸ランナーブロック366bが、X軸レール366aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、X軸ランナーブロック366bは、それぞれ連結板364を介して1つのY軸ランナーブロック362bと連結されている。具体的には、各X軸レール366aと係合するX軸ランナーブロック366bの一方はY軸レール362aの一方と係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、他方のX軸ランナーブロック366bは他方のY軸レール362aと係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結される。すなわち、各X軸レール366aは、連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362bを介して、各Y軸レール362aと連結されている。この構成により、振動テーブル400は、Z軸アクチュエータ300の可動部350に対してX軸方向及びY軸方向にスライド自在に連結されている。」

エ「[図1]



オ「[図2]



カ「[図6]



キ「[図7]



ク 上記「アないしキ」より、甲第9号証には次の発明(以下「甲9発明」という。)が記載されていると認められる。
「各アクチュエータ100、200及び300を用いて振動テーブル400を駆動することにより、振動テーブル400上に取り付けられた供試体を直交3軸方向に加振することができる、
動電型3軸加振装置において、
加振装置は、供試体が取り付けられる振動テーブル400と、振動テーブル400をX軸、Y軸及びZ軸方向にそれぞれ加振する3つのアクチュエータ(X軸アクチュエータ100、Y軸アクチュエータ200及びZ軸アクチュエータ300)と、各アクチュエータ100、200及び300を支持する装置ベース50を備えており、
振動テーブル400は、各アクチュエータ100、200及び300と、それぞれ2軸スライダ(YZスライダ160、ZXスライダ260及びXYスライダ360)を介して連結されており、
XYスライダ360は、2本のY軸レール362a、4つのY軸ランナーブロック362b、4つの連結板364、4つのX軸ランナーブロック366b、及び2本のX軸レール366aから構成され、
Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に取り付けられており、
各Y軸レール362には、Y軸レール362aと係合する2つのY軸ランナーブロック362bが、Y軸レール362aに沿ってスライド自在に取り付けられており、
X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられており、
各X軸レール366aには、X軸レール366aと係合する2つのX軸ランナーブロック366bが、X軸レール366aに沿ってスライド自在に取り付けられており、
X軸ランナーブロック366bは、それぞれ連結板364を介して1つのY軸ランナーブロック362bと連結されており、
各X軸レール366aと係合するX軸ランナーブロック366bの一方はY軸レール362aの一方と係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、他方のX軸ランナーブロック366bは他方のY軸レール362aと係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、すなわち、各X軸レール366aは、連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362bを介して、各Y軸レール362aと連結されている、
動電型3軸加振装置。」

(10)甲第10号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特許第5373462号公報(甲第10号証)には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
ア「【0012】
図1及び図2は、本発明の第一の実施形態の運動案内装置としてのリニアガイドを示す。図1はリニアガイドの側面図を示し、図2はリニアガイドの正面図を示す。このリニアガイドはテーブルなどが直線運動するのを案内するのに用いられる。リニアガイドは、長尺状をした軌道部材である軌道レール1と、軌道レール1にスライド可能に組み付けられる移動部材である移動ブロック2と、を備える。移動ブロック2は軌道レール1の長手方向に相対的に直線運動する。軌道レール1がベースなどの固定側に取り付けられ、移動ブロック2がテーブルなどの案内対象に取り付けられる。軌道レール1と移動ブロック2との間には転がり運動可能に多数のボール3が介在される。
【0013】
図3に示すように、軌道レール1は異形状をしており、ベースに取り付けられる底面を有する。軌道レール1には、長手方向に沿って複数条の転動体転走面として、複数条のボール転走溝1aが形成される。この実施形態では、底面に対向する軌道レール1の上面1bの左右両端部に1条ずつのボール転走溝1aが形成され、軌道レール1の底面と上面1bを繋ぐ左右側面1cのそれぞれに1条ずつのボール転走溝1aが形成される。各条のボール転走溝1aは、平行な二列の分離ボール転走溝1dから構成される。軌道レール1には合計4条のボール転走溝1a、言い換えれば合計八列の分離ボール転走溝1dが形成される。分離ボール転走溝1dの断面形状には、例えば単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状、又は二つの円弧からなるゴシックアーチ溝形状が挙げられる。ボール3が転がり運動するので、分離ボール転走溝1dは表面粗さが小さくなるように研削加工され、かつ強度が高くなるように熱処理される。分離ボール転走溝1dの列数、分離ボール転走溝1dとボール3との接触角は、リニアガイドの負荷荷重に応じてさまざまに設定される。軌道レール1には、軌道レール1をボルトなどの結合手段によりベースに固定するためのザグリ孔5が加工される。」

イ「【図2】



ウ 「【図3】



エ 上記「アないしウ」より、甲第10号証には次の技術(以下「甲10開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「長尺状をした軌道部材である軌道レールと、軌道レールにスライド可能に組み付けられる移動部材である移動ブロックと、を備えたリニアガイドにおいて、軌道レールに合計4条のボール転走溝、言い換えれば合計八列の分離ボール転走溝を形成する技術。」

(11)甲第11号証
甲第11号証は、図面であり、以下の記載がある。
ア 右下に
「 型式 G75-230L
2009.01.29」

イ 図面




(12)甲第12号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開2010-38872号公報(甲第12号証)には、次の技術事項が記載されている。
ア「【背景技術】
【0002】
鉄道構造物や土木構造物等の被試験体の耐震評価試験に用いられる振動試験装置は、仕様上2次元、3次元の同時振動試験を可能とするものが多い。しかし、被試験体の特性把握等を目的とする場合には、1方向のみの加振試験(1次元の振動試験)で十分な場合も多い。
一方、振動試験装置の構成について言えば、振動テーブルに設置される油圧加振機の台数の増加は、材料及びデジタル制御装置等の増加に繋がり、その結果としてコスト高となる。このため、必要最低数の油圧加振機による装置構成が望まれる。従って、ある振動試験方向のみ油圧加振機1台とする装置構成となることもある。この時、継手等による振動テーブルの重心位置の偏心と被試験体のアンバランスの影響を受けて、油圧加振機が振動テーブルをモーメント加振し、回転振動が発生することがある。」

イ 上記「ア」より、以下の技術的背景(以下「甲12技術背景」という。)が読み取れる。
「油圧加振機が振動テーブルをモーメント加振する振動試験装置では、継手等による振動テーブルの重心位置の偏心と被試験体のアンバランスの影響を受けて回転振動が発生することがある。」

(13)甲第13号証
本願出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開昭53-82372号公報(甲第13号証)には、次の技術事項が記載されている。
ア「次に本発明を第1図及び第2図に示す実施例について詳記すればテーブル(1)は基台(2)の上部に揺動支柱(3)を介して水平方向に揺動自在なる如く支持されている。即ち基台(2)の中央部にはコイルスプリング等の弾性体(4)を介してテーブル(1)と同大の台座(5)が水平に配置され、この台座(5)の上方にテーブル(1)が夫々上下両端を回動自在なるように軸(6)を介して連結した複数本の揺動支柱(3)を介して載置されている。またこのテーブル(1)の左右両端は基台(2)に立設した複数本の固定支柱(7)の上端との間に夫々コイルスプリング等の弾性体(8)を介装した軸(9)によって水平方向の動きが許容されるように支持されている。
テーブル(1)の下面中央部には軸受(10)が突設されていて、両端がテーブル(1)の左右両端より外方に突出し得る長さをもつたアーム(11)の中央部が前記軸受(10)に軸(12)を介して回動可能なるように軸支されており、このアーム(11)の一端に振動モーター(13)が固定されている。
この振動モーター(13)は回転軸(14)が両端に突出されていて、両突出端に夫々扇状の鋼板を重合して成る偏心荷重(15)が固定されており、該モーター(13)は回転軸(14)が前記アーム(11)と直交するように取付けられている。
また前記アーム(11)の他端には、上記振動モーター(13)と略同じ重量のカウンターウエイト(16)が固定されていて、アーム(11)の中央軸支部を中心にして振動モーター(13)とカウンターウエイト(16)とがバランス良く支持されるようになつている。」(第2頁左上欄第16行-左下欄第5行)

イ「本発明に係る横振動形振動試験器は上記の如き構造から成り、第1図乃至第3図に示す実施例の場合においては、振動モーター(13)を駆動させると偏心荷重(15)の回転に伴う該モーター自体の振動がアーム(11)を介して他端のカウンターウエイト(16)に伝達され、カウンターウエイト(16)に振動モーター(13)の振動に伴う動揺を与えることとなる。
この場合振動モーター(13)のみでは偏心荷重(15)の回転によつて360°方向に動揺するが、該モーターを連結したアーム(11)の他端には同重量のカウンターウェイト(15)が設けられているので、振動モーター(13)による起振方向のうち上下方向の振動は、バランスされたモーターとウエイトとの荷重及びアーム、テーブル上に載置された試験物の荷重体によつて大部分が打消され、水平方向に対する振動が残されることとなる。しかも振動モーター(13)によるこの水平方向の振動は、同重量のカウンターウエイト(16)をアーム(11)を介して同方向に生じさせた後においては、バランスを維持されたアーム(11)の軸受(10)を介して円滑にテーブル(1)に伝達されることとなり、揺動支柱(3)上に支持された該テーブル(1)に主として横方向即ち水平方向の振動を与えることとなる。」(第2頁左下欄第10行-右下欄第14行)

ウ 上記「アないしイ」より、甲第13号証には次の技術(以下「甲13開示技術」という。)が記載されていると認められる。
「横振動形振動試験器において、テーブル(1)の下面中央部には軸受(10)が突設されていて、両端がテーブル(1)の左右両端より外方に突出し得る長さをもつたアーム(11)の中央部が前記軸受(10)に軸(12)を介して回動可能なるように軸支されており、このアーム(11)の一端に振動モーター(13)が固定されており、この振動モーター(13)は回転軸(14)が両端に突出されていて、両突出端に夫々扇状の鋼板を重合して成る偏心荷重(15)が固定されており、該モーター(13)は回転軸(14)が前記アーム(11)と直交するように取付けられており、また前記アーム(11)の他端には、上記振動モーター(13)と略同じ重量のカウンターウエイト(16)が固定されていて、アーム(11)の中央軸支部を中心にして振動モーター(13)とカウンターウエイト(16)とがバランス良く支持されるようになつており、
振動モーター(13)を駆動させると偏心荷重(15)の回転に伴う該モーター自体の振動がアーム(11)を介して他端のカウンターウエイト(16)に伝達され、カウンターウエイト(16)に振動モーター(13)の振動に伴う動揺を与えることとなるが、この場合振動モーター(13)のみでは偏心荷重(15)の回転によつて360°方向に動揺するが、該モーターを連結したアーム(11)の他端には同重量のカウンターウェイト(15)が設けられているので、振動モーター(13)による起振方向のうち上下方向の振動は、バランスされたモーターとウエイトとの荷重及びアーム、テーブル上に載置された試験物の荷重体によつて大部分が打消され、水平方向に対する振動が残されることとなる技術。」

2 甲第1号証を主引例とする進歩性について
(1)甲第1号証が特許法第29条第1項第3号にいう「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」に該当するかどうかについて
甲第1号証は、株式会社振研の多次元振動試験装置のパンフレットであることは確認された。しかしながら当該パンフレットが、いつ日本国内又は外国において頒布されたのかを示す客観的証拠がないため、本件特許(以下「本願」という。)出願日である平成28年(2016年)10月19日より前に当該パンプレットが日本国内又は外国において頒布されたとは認められない。
これについて、申立人は甲第1号証最終頁右下の「2010.2.2,000」という記載が、当該パンフレットが2010年2月に2000部印刷されたことを示していると主張するが、「2010.2.2,000」という記載が印刷年月日及び印刷部数を示すものであるという客観的証拠がないため、当該主張を採用することはできない。
また当該主張を採用したとしても、当該パンフレットが2010年2月に2000部印刷されたという事実だけでは、当該パンプレットが日本国内又は外国において頒布されたかどうかは不明であり、当該パンプレットが本願出願日前に日本国内又は外国において頒布されたかどうかも不明である。
申立人は、当該パンフレットを本願出願日前に、不特定多数の製造会社の製品開発担当部門に配布し、また展示会や工場見学、商談においても配布した旨主張しているが、配布の事実を示す客観的証拠や、実際に本願出願日前に当該パンフレットを受領した第三者(証人)の宣誓陳述書等も提出されていないことから、当該パンフレットが本願出願前に日本国内又は外国において頒布されたという申立人の主張は採用することができない。
以上のことから、甲第1号証は、本願出願前に日本国内又は外国において頒布されたとは認められず、特許法第29条第1項第3号にいう「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」に該当しない。
よって、甲第1号証は、進歩性判断における主引例としての適格性はなく、甲第1号証を主引例として本件特許1ないし21は進歩性がないとする申立人の異議申立は理由がない。

(2)仮に甲第1号証が特許法第29条第1項第3号にいう「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」に該当する場合について
仮に甲第1号証が、申立人の主張のとおり本願出願日前に日本国内において頒布された刊行物に該当する場合を検討する。
ア 甲第2号証について
甲第2号証には、株式会社振研の品名「三方向振動発生機外観図」の型式「G75-230L-115」の図番「4-11348」の図面であり、西山氏が2009年2月13日に製図した図面であることが、記載されている。
申立人は、甲第2号証は2009年2月13日作成で、甲第1号証のカウンターバランス部を明確に示す図面であると説明している。
しかしながら、当該図面は申立人の図面であり、その日付、図の記載内容について、客観性がなく、頒布された図面であるという事実も認められないことから、頒布された刊行物とも認められない。
ゆえに、甲第2号証は、本願出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物ではない。
さらに、甲第1号証第1頁に記載された多次元振動試験装置は、株式会社振研の製品であることは推認されるものの、甲第1号証第1頁の装置が、どの型式の装置であるのか不明であることから、甲第2号証の図面が示す型式「G75-230L-115」の装置と甲第1号証第1頁に記載された多次元振動試験装置とが同一のものであると認めることはできない。
したがって、甲第2号証の図面の記載が甲第1号証第1頁の装置の構造を示すとは認められない。

イ 甲第11号証について
甲第11号証は、型式「G75-230L」の図面であり、「2009.1.29」という記載もある。
申立人は、甲第11号証は2009年1月29日作成で、甲第2号証と同一の型式「G75-230L」三方向振動発生機の側面断面図であると説明している。
しかしながら、甲第11号証の図面では、黒塗りで覆われた部分もあり、誰が何のために作成した図面であるかを示す客観的証拠もなく、該図面が頒布されたという事実も認められないことから、その日付、図の記載内容について、客観性がなく、頒布された刊行物とも認められない。
ゆえに、甲第11号証は、本願出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物ではない。
さらに、甲第1号証第1頁の装置が、どの型式の装置であるのか不明であることから、甲第11号証の図面が示す型式「G75-230L」の装置と甲第1号証第1頁に記載された多次元振動試験装置とが同一のものであると認めることはできない。
したがって、甲第11号証の図面の記載が甲第1号証第1頁の装置の構造を示すとは認められない。

ウ 甲1発明について
以上「アないしイ」より、甲第1号証第1頁に記載された多次元振動試験装置は、甲第1号証第1頁の写真より読み取ることができる構成しか開示していない。よって、甲第1号証に開示された甲1発明は、上記「第4 1.(1)」で検討したとおりのものである。

エ 甲1発明と本件発明1との対比・判断について
(ア)対比
本件発明1と甲1発明とを比較すると、以下の点で一致する。
「振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、連結する第1連結機構と、
前記第1連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたカウンターバランス部と、
を備え、
前記カウンターバランス部が、
第1錘部を有する、
加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点1>
振動テーブルと第1アクチュエータとを、連結する連結機構が、本件発明1は「前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する」「スライド」連結機構であるのに対し、甲1発明は上記構成を備えているか不明な点。
<相違点2>
カウンターバランス部が、本件発明1は「第1錘部と、前記振動テーブルと前記第1錘部とで挟まれた第1緩衝部と、第2錘部と、前記第1錘部と前記第2錘部とで挟まれた第2緩衝部と、を有する」のに対し、甲1発明は四角い平板状の錘部を備える点。

(イ)判断
上記各相違点について検討する。
a 相違点1について
振動テーブルとアクチュエータとを接続する接続機構に、2軸スライダを用いる技術は、甲9発明に2軸スライダ(YZスライダ160、ZXスライダ260及びXYスライダ360)として開示されている。
よって、甲1発明の接続機構として、甲9発明に開示された上記技術を採用して、上記相違点1に係る構成とすることは、当業者ならば容易になしえたことである。
b 相違点2について
甲3開示技術は、加振機の振動台と供試体の間に弾性部材を備える技術であり、甲4開示技術は、衝突試験用記録装置の記録計本体とひずみ発生部との間に緩衝材を備える技術であり、甲5開示技術は、加振装置におけるエンジンブロックと定盤との間に防振ゴムを介在する技術であり、甲6開示技術は、加振器の被測定物が載置される角治具と加振機本体上の丸治具との間に黒鉛、セラミック、発泡スチロール、あるいは発泡ポリスチレン等からなる断熱部材を配設する技術である。これら甲3ないし6開示技術から、振動する部材と他の部材とをゴム等の緩衝材を介して接続する技術は、本願出願前に周知の技術であると認められる。
しかしながら、加振装置の振動台のカウンターバランス部の錘を振動テーブルに緩衝材を介して接続する技術は、上記甲第3ないし6号証には開示されておらず、甲第7ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても本願出願前に公知の技術であるとも認められない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
上記相違点2に係る構成を採用することにより、本件発明1は、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間での、加振周波数よりも高い周波数の振動ノイズの伝達を遮断し、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間でのびびり振動(chattering)の発生を防止するという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0121】参照。)。

c 以上のことから、甲1発明において、上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。

(ウ)申立人の特許異議申立書における主張について
申立人は令和3年4月21日付け手続補正書により補正された特許異議申立書の申立ての理由において、上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項については、甲第3ないし6号証に開示された技術から、または周知技術から、当業者が容易になし得たものである旨主張している。
しかしながら、上記「(イ)b」で検討したとおり、甲1発明において、上記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることを、甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
よって、上記申立人の特許異議申立書における主張は採用することはできない。

(エ)小括
以上のとおりであるので、本件発明1を、甲1発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

オ 甲1発明と本件発明2との対比・判断について
(ア)対比
本件発明2と甲1発明とを比較すると、以下の点で一致する。
「振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、第1連結機構と、
前記第1スライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたカウンターバランス部と、
を備え、
前記カウンターバランス部が、
前記振動テーブルに固定された錘部と、
を有する、加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点3>
振動テーブルと第1アクチュエータとを、連結する連結機構が、本件発明2は「前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する」「スライド」連結機構であるのに対し、甲1発明は上記構成を備えているか不明な点。
<相違点4>
振動テーブルに固定された錘部を有するカウンターバランス部が、本件発明2は「緩衝部」を「有し」「前記緩衝部を介して前記振動テーブルに」「錘部」を固定するのに対し、甲1発明は四角い平板状の錘部を振動テーブルにどのように取り付けるのか不明な点。

(イ)判断
上記各相違点について検討する。
a 相違点3について
相違点3は上記「エ(ア)」の相違点1と同じであり、上記「エ(イ)a」で検討したとおり、甲1発明の接続機構として、甲9発明に開示された技術を採用して、上記相違点3に係る構成とすることは、当業者ならば容易になしえたことである。
b 相違点4について
相違点4は上記「エ(ア)」の相違点2の構成の一部と同じであり、上記「エ(イ)b」で検討したとおり、加振装置の振動台のカウンターバランス部の錘を振動テーブルに緩衝材を介して接続する技術は、上記甲第3ないし6号証には開示されておらず、甲第7ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても本願出願前に公知の技術であるとも認められない。
上記相違点4に係る構成を採用することにより、本件発明2は、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間での、加振周波数よりも高い周波数の振動ノイズの伝達を遮断し、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間でのびびり振動(chattering)の発生を防止するという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0121】参照。)。

c 以上のことから、甲1発明において、上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項を有するものとすることを、甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。

(ウ)申立人の特許異議申立書における主張について
申立人は令和3年4月21日付け手続補正書により補正された特許異議申立書の申立ての理由において、上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項については、甲第3ないし6号証に開示された技術から、または周知技術から、当業者が容易になし得たものである旨主張している。
しかしながら、上記「(イ)b」で検討したとおり、甲1発明において、上記相違点4に係る本件発明2の発明特定事項を有するものとすることを、甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
よって、上記申立人の特許異議申立書における主張は採用することはできない。

(エ)小括
以上のとおりであるので、本件発明2を、甲1発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

カ 甲1発明と本件発明3との対比・判断について
(ア)対比
本件発明3と甲1発明とを比較する。
a 甲1発明の「第1の方向」は、本件発明3の「X軸方向」に相当し、甲1発明の「第1の方向に加振する第1アクチュエータ」は、本件発明3の「X軸方向に加振するX軸アクチュエータ」に相当する。
b 甲1発明の「第2の方向」は、本件発明3の「Y軸方向」に相当し、甲1発明の「第1の方向と直交する第2の方向に加振する第2アクチュエータ」は、本件発明3の「Y軸方向に加振するY軸アクチュエータ」に相当する。
c 甲1発明の「振動テーブルと」「第1アクチュエータとを、連結する第1連結機構」は、本件発明3の「振動テーブルと」「X軸アクチュエータとを、」「連結する」「連結機構」に相当する。
d 甲1発明の「振動テーブルと」「第2アクチュエータとを、連結する第2連結機構」は、本件発明3の「振動テーブルと」「Y軸アクチュエータとを、」「連結する」「連結機構」に相当する。
e 甲1発明の「前記第1連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1カウンターバランス部」は、本件発明3の「前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1のカウンターバランス部」に相当し、甲1発明の「前記第2連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2カウンターバランス部」は、本件発明3の「前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2のカウンターバランス部」に相当する。
f 甲1発明の「前記第1及び第2カウンターバランスはそれぞれ四角い平板状の錘部を備え」ることは、本件発明3の「第1のカウンターバランス部と」「第2のカウンターバランス部と」が、「前記振動テーブルに固定された錘部と、を有する」点で共通する。

すると、本件発明3と甲1発明とは、以下の点で一致する。
「X軸、Y軸及びZ軸方向が互いに直交する3方向であり、
振動テーブルと、
前記振動テーブルを前記X軸方向に加振するX軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Y軸方向に加振するY軸アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを、連結する連結機構と、
前記振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを、連結する連結機構と、
前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1のカウンターバランス部と、
前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2のカウンターバランス部と、
を備え、
第1のカウンターバランス部と第2のカウンターバランス部が、
前記振動テーブルに固定された錘部を有する、
加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点5>
本件発明3は、「振動テーブルを」「Z軸方向に加振するZ軸アクチュエータ」と、「振動テーブルと」「Z軸アクチュエータとを、前記X軸及び前記Y軸方向にスライド可能に連結するXYスライド連結機構」と、「前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第3のカウンターバランス部と」を備え、「第3のカウンターバランス部」が「緩衝部と、前記緩衝部を介して前記振動テーブルに固定された錘部と、を有する」のに対し、甲1発明は上記構成を備えていない点。
<相違点6>
振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを連結する連結機構が、本件発明3は「前記Y軸及び前記Z軸方向にスライド可能に連結するYZスライド連結機構」であるのに対し、甲1発明は上記構成を備えているか不明な点。
<相違点7>
振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを連結する連結機構が、本件発明3は「前記Z軸及び前記X軸方向にスライド可能に連結するZXスライド連結機構」であるのに対し、甲1発明は上記構成を備えているか不明な点。
<相違点8>
振動テーブルに固定された錘部を有する第1及び第2カウンターバランス部が、本件発明3は「緩衝部」を「有し」「前記緩衝部を介して前記振動テーブルに」「錘部」を固定するのに対し、甲1発明は四角い平板状の錘部を振動テーブルにどのように取り付けるのか不明な点。

(イ)判断
上記各相違点について検討する。
a 相違点5について
甲9発明には、3軸加振装置において、Z軸アクチュエータ300とXYスライダ360とを備え、振動テーブル400とZ軸アクチュエータ300とは2軸スライダであるXYスライダ360を介して連結される技術は開示されている。しかしながら、XYスライド連結機構を振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、振動テーブルに取り付けられた第3のカウンターバランス部と、第3のカウンターバランス部が緩衝部と、前記緩衝部を介して前記振動テーブルに固定された錘部と、を有することについては、甲9発明には開示も示唆もされていない。また、上記相違点5に係る構成を備える技術は、甲第3ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても、本願出願前に周知の技術であるとも認められない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
上記相違点5に係る構成を採用することにより、本件発明3は、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間での、加振周波数よりも高い周波数の振動ノイズの伝達を遮断し、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間でのびびり振動(chattering)の発生を防止するという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0121】参照。)。
b 相違点6及び相違点7について
相違点6及び相違点7のスライド連結機構については、上記「エ(ア)」の相違点1及び上記「オ(ア)」の「相違点3」と同じであり、上記「エ(イ)a」で検討したとおり、甲1発明の接続機構として、甲9発明に開示された技術を採用して、上記相違点6及び相違点7に係る構成とすることは、当業者ならば容易になしえたことである。
c 相違点8について
相違点8は上記「エ(ア)」の相違点2の構成の一部と同じであり、上記「エ(イ)b」で検討したとおり、加振装置の振動台のカウンターバランス部の錘を振動テーブルに緩衝材を介して接続する技術は、上記甲第3ないし6号証には開示されておらず、甲第7ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても本願出願前に公知の技術であるとも認められない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
上記相違点8に係る構成を採用することにより、本件発明3は、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間での、加振周波数よりも高い周波数の振動ノイズの伝達を遮断し、カウンターバランスの錘と振動テーブルとの間でのびびり振動(chattering)の発生を防止するという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0121】参照。)。
d 以上のことから、甲1発明において、上記相違点5及び相違点8に係る本件発明3の発明特定事項を有するものとすることを、甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。

(ウ)申立人の特許異議申立書における主張について
申立人は令和3年4月21日付け手続補正書により補正された特許異議申立書の申立ての理由において、上記相違点5及び相違点8に係る本件発明3の発明特定事項については、甲第3ないし6号証に開示された技術から、または周知技術から、当業者が容易になし得たものである旨主張している。
しかしながら、上記「(イ)b」で検討したとおり、甲1発明において、上記相違点5及び相違点8に係る本件発明3の発明特定事項を有するものとすることを、甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
よって、上記申立人の特許異議申立書における主張は採用することはできない。

(エ)小括
以上のとおりであるので、本件発明3を、甲1発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

キ 甲1発明と本件発明4ないし17との対比・判断について
本件発明4ないし12は、本件発明2又は本件発明3の発明特定事項を備える発明であり、本件発明13ないし17は本件発明3の発明特定事項を備える発明であることから、本件発明4ないし17と甲1発明とは、上記「オ及びカ」で検討した相違点で相違する。それら相違点については上記「オ及びカ」で検討したとおりであることから、本件発明4ないし17も上記「オ及びカ」と同様の理由で、甲1発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ク 甲1発明と本件発明18との対比・判断について
(ア)対比
本件発明18と甲1発明とを比較する。
a 甲1発明の「第1の方向」は、本件発明18の「X軸方向」に相当し、甲1発明の「第1の方向に加振する第1アクチュエータ」は、本件発明18の「X軸方向に加振するX軸アクチュエータ」に相当する。
b 甲1発明の「第2の方向」は、本件発明18の「Y軸方向」に相当し、甲1発明の「第1の方向と直交する第2の方向に加振する第2アクチュエータ」は、本件発明18の「Y軸方向に加振するY軸アクチュエータ」に相当する。
c 甲1発明の「振動テーブルと」「第1アクチュエータとを、連結する第1連結機構」は、本件発明18の「振動テーブルと」「X軸アクチュエータとを、」「連結する」「連結機構」に相当する。
d 甲1発明の「振動テーブルと」「第2アクチュエータとを、連結する第2連結機構」は、本件発明18の「振動テーブルと」「Y軸アクチュエータとを、」「連結する」「連結機構」に相当する。
e 甲1発明の「前記第1連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1カウンターバランス部」は、本件発明18の「前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたX軸カウンターバランス部」に相当し、甲1発明の「前記第2連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2カウンターバランス部」は、本件発明18の「前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたY軸カウンターバランス部」に相当する。

すると、本件発明18と甲1発明とは、以下の点で一致する。
「X軸、Y軸及びZ軸方向が互いに直交する3方向であり、
振動テーブルと、
前記振動テーブルを前記X軸方向に加振するX軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Y軸方向に加振するY軸アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを、連結する連結機構と、
前記振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを、連結する連結機構と、
前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたX軸カウンターバランス部と、
前記連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたY軸カウンターバランス部と、
を備える、加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点9>
本件発明18は、「振動テーブルを」「Z軸方向に加振するZ軸アクチュエータ」と、「振動テーブルと」「Z軸アクチュエータとを、前記X軸及び前記Y軸方向にスライド可能に連結するXYスライド連結機構」と、「前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたZ軸カウンターバランス部」と、を備え、「前記XYスライド連結機構が、X軸方向の直線運動を案内するX軸リニアガイドウェイと、Y軸方向の直線運動を案内するY軸リニアガイドウェイと、を備え、前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとが、前記X軸リニアガイドウェイ及び前記Y軸リニアガイドウェイを介して連結され、前記X軸リニアガイドウェイが、前記X軸方向に延びるX軸レールと、前記X軸レールと前記X軸方向にスライド可能に係合するX軸キャリッジと、を備え、前記Y軸リニアガイドウェイが、前記Y軸方向に延びるY軸レールと、前記Y軸レールと前記Y軸方向にスライド可能に係合するY軸キャリッジと、を備え、前記Y軸キャリッジが前記X軸キャリッジに固定されることにより、前記X軸リニアガイドウェイと前記Y軸リニアガイドウェイが連結してクロスガイドを形成し、前記クロスガイドのX軸レール及びY軸レールの一方が前記振動テーブルに取り付けられ、他方が前記Z軸アクチュエータに取り付けられ、前記XYスライド連結機構が、複数の前記クロスガイドを備え、前記複数のクロスガイドが、前記X軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第1の向きのクロスガイドと、前記Y軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第2の向きのクロスガイドと、を含む」のに対し、甲1発明は上記構成を備えていない点。
<相違点10>
振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを連結する連結機構が、本件発明18は「前記Y軸及び前記Z軸方向にスライド可能に連結するYZスライド連結機構」であるのに対し、甲1発明は上記構成を備えているか不明な点。
<相違点11>
振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを連結する連結機構が、本件発明18は「前記Z軸及び前記X軸方向にスライド可能に連結するZXスライド連結機構」であるのに対し、甲1発明は上記構成を備えているか不明な点。

(イ)判断
上記各相違点について検討する。
a 相違点9について
甲9発明には、3軸加振装置において、Z軸アクチュエータ300とXYスライダ360とを備え、振動テーブル400とZ軸アクチュエータ300とは2軸スライダであるXYスライダ360を介して連結される技術、及びXYスライダ360は、2本のY軸レール362a、4つのY軸ランナーブロック362b、4つの連結板364、4つのX軸ランナーブロック366b、及び2本のX軸レール366aから構成され、Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に取り付けられており、各Y軸レール362には、Y軸レール362aと係合する2つのY軸ランナーブロック362bが、Y軸レール362aに沿ってスライド自在に取り付けられており、X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられており、各X軸レール366aには、X軸レール366aと係合する2つのX軸ランナーブロック366bが、X軸レール366aに沿ってスライド自在に取り付けられており、X軸ランナーブロック366bは、それぞれ連結板364を介して1つのY軸ランナーブロック362bと連結されており、各X軸レール366aと係合するX軸ランナーブロック366bの一方はY軸レール362aの一方と係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、他方のX軸ランナーブロック366bは他方のY軸レール362aと係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、すなわち、各X軸レール366aは、連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362bを介して、各Y軸レール362aと連結されている技術は開示されている。ここで、甲9発明の「XYスライダ360」は、本件発明18の「XYスライド連結機構」に相当し、甲9発明における「X軸ランナーブロック366b」、「Y軸ランナーブロック362b」は、それぞれ本件特許18における「X軸キャリッジ」「Y軸キャリッジ」に相当し、甲9発明の4つの「連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362b」は、本件特許18における「複数のクロスガイド」に相当する。
しかしながら、「前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたZ軸カウンターバランス部」を有することについては、甲9発明には開示も示唆もされていないし、甲7開示技術は、振動台の水平方向加振によって生じる試験体の転倒モーメントに見合う復元モーメントを生じるよう調整重りを振動台の下側に敷設する技術であり、上記相違点9に係る構成のXYスライド連結機構を振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償するための「Z軸カウンターバランス部を有する」技術とは異なるものである。
さらに、甲9発明では「X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられており、」「Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に取り付けられてお」ることから、X軸レールは振動テーブルに取り付けられ、Y軸レールはZ軸アクチュエータに取り付けられることとなり、上記相違点9の「前記複数のクロスガイドが、前記X軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第1の向きのクロスガイドと、前記Y軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第2の向きのクロスガイドと、を含む」構成を充足していない。
そして、上記相違点9に係る構成を備える技術は、甲第3ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても、本願出願前に周知の技術であるとも認められない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
上記相違点9に係る構成を採用することにより、本件発明18は、振動テーブルにおけるZ方向のアンバランスを補償し、クロストークの少ない加振を可能とし、振動テーブル上の振動のばらつきを低減した3軸同時加振を可能とするという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0029】【0096】【0097】参照。)。

b 相違点10及び相違点11について
相違点10及び相違点11のスライド連結機構については、上記「エ(ア)」の相違点1、上記「オ(ア)」の「相違点3」及び上記「カ(ア)」の「相違点6及び7」と同じであり、上記「エ(イ)a」で検討したとおり、甲1発明の接続機構として、甲9発明に開示された技術を採用して、上記相違点10及び相違点11に係る構成とすることは、当業者ならば容易になしえたことである。

c 以上のことから、甲1発明において、上記相違点9に係る本件発明18の発明特定事項を有するものとすることを、甲9発明及び甲7開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。

(ウ)申立人の特許異議申立書における主張について
申立人は令和3年4月21日付け手続補正書により補正された特許異議申立書の申立ての理由において、上記相違点9に係る本件発明18の発明特定事項については、甲第7及び9号証に開示された技術または周知技術から、当業者が容易になし得たものである旨主張している。
しかしながら、上記「(イ)b」で検討したとおり、甲1発明において、上記相違点9に係る本件発明18の発明特定事項を有するものとすることを、甲第7及び9号証に開示された技術または周知技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
よって、上記申立人の特許異議申立書における主張は採用することはできない。

(エ)小括
以上のとおりであるので、本件発明18を、甲1発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ケ 甲1発明と本件発明19ないし21との対比・判断について
本件発明19ないし21は、本件発明18の発明特定事項を備える発明であることから、本件発明19ないし21と甲1発明とは、上記「ク」で検討した相違点で相違する。それら相違点については上記「ク」で検討したとおりであることから、本件発明19ないし21も上記「ク」と同様の理由で、甲1発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

3 甲第9号証を主引例とする進歩性について
ア 甲9発明と本件発明1との対比・判断について
(ア)対比
本件発明1と甲9発明とを比較する
a 甲9発明の「X軸アクチュエータ100」は、本件発明1の「第1の方向に加振する第1アクチュエータ」に相当する。
b 甲9発明の「YZスライダ160」は、本件発明1の「前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する第1スライド連結機構」に相当する。

すると、本件発明1と甲9発明とは、以下の点で一致する。
「振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する第1スライド連結機構と、
を備えた、加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点12>
本件発明1は「前記第1スライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたカウンターバランス部」を備え、「前記カウンターバランス部が、第1錘部と、前記振動テーブルと前記第1錘部とで挟まれた第1緩衝部と、第2錘部と、前記第1錘部と前記第2錘部とで挟まれた第2緩衝部と、を有する」のに対し、甲9発明は上記構成を備えていない点。

(イ)判断
上記相違点12について検討する。
上記相違点12は、上記「2(2)エ(ア)」の相違点2に係る構成を含むものであり、上記「2(2)エ(イ)」で検討したとおり、上記相違点2に係る構成を有するものとすることを、甲1発明と甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではないから、同様の理由で甲9発明において上記相違点12に係る構成を有するものとすることを、甲1発明と甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
また、申立人の主張は上記「2(2)エ(ウ)」で検討したとおり、採用することはできない。
よって、本件発明1を、甲9発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

イ 甲9発明と本件発明2との対比・判断について
(ア)対比
本件発明2と甲9発明とを比較する
a 甲9発明の「X軸アクチュエータ100」は、本件発明2の「第1の方向に加振する第1アクチュエータ」に相当する。
b 甲9発明の「YZスライダ160」は、本件発明2の「前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する第1スライド連結機構」に相当する。

すると、本件発明2と甲9発明とは、以下の点で一致する。
「振動テーブルと、
前記振動テーブルを第1の方向に加振する第1アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第1アクチュエータとを、前記第1の方向と直交する第2の方向にスライド可能に連結する第1スライド連結機構と、
を備えた、加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点13>
本件発明2は「前記第1スライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたカウンターバランス部」を備え、「前記カウンターバランス部が、緩衝部と、前記緩衝部を介して前記振動テーブルに固定された錘部と、を有する」のに対し、甲9発明は上記構成を備えていない点。

(イ)判断
上記相違点13について検討する。
上記相違点13は、上記「2(2)オ(ア)」の相違点4に係る構成を含むものであり、上記「2(2)オ(イ)」で検討したとおり、上記相違点4に係る構成を有するものとすることを、甲1発明と甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではないから、同様の理由で甲9発明において上記相違点13に係る構成を有するものとすることを、甲1発明と甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
また、申立人の主張は上記「2(2)オ(ウ)」で検討したとおり、採用することはできない。
よって、本件発明2を、甲9発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ウ 甲9発明と本件発明3との対比・判断について
(ア)対比
本件発明3と甲9発明とを比較する
a 甲9発明の「YZスライダ160」は、本件発明3の「YZスライド連結機構」に相当する。
b 甲9発明の「ZXスライダ260」は、本件発明3の「ZXスライド連結機構」に相当する。
c 甲9発明の「XYスライダ360」は、本件発明3の「XYスライド連結機構」に相当する。

すると、本件発明3と甲9発明とは、以下の点で一致する。
「X軸、Y軸及びZ軸方向が互いに直交する3方向であり、
振動テーブルと、
前記振動テーブルを前記X軸方向に加振するX軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Y軸方向に加振するY軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Z軸方向に加振するZ軸アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを、前記Y軸及び前記Z軸方向にスライド可能に連結するYZスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを、前記Z軸及び前記X軸方向にスライド可能に連結するZXスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとを、前記X軸及び前記Y軸方向にスライド可能に連結するXYスライド連結機構と、
を備えた、加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点14>
本件発明3は「前記YZスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第1のカウンターバランス部と、前記ZXスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第2のカウンターバランス部と、前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられた第3のカウンターバランス部と、を備え、各カウンターバランス部が、緩衝部と、前記緩衝部を介して前記振動テーブルに固定された錘部と、を有する」のに対し、甲9発明は上記構成を備えていない点。

(イ)判断
上記相違点14について検討する。
上記相違点14は、上記「2(2)カ(ア)」の相違点5及び相違点8に係る構成を含むものであり、上記「2(2)カ(イ)」で検討したとおり、上記相違点5及び相違点8に係る構成を有するものとすることを、甲1発明と甲9発明と甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではないから、同様の理由で甲9発明において上記相違点14に係る構成を有するものとすることを、甲1発明と甲3ないし6開示技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
また、申立人の主張は上記「2(2)カ(ウ)」で検討したとおり、採用することはできない。
よって、本件発明3を、甲9発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

エ 甲9発明と本件発明4ないし17との対比・判断について
本件発明4ないし12は、本件発明2又は本件発明3の発明特定事項を備える発明であり、本件発明13ないし17は本件発明3の発明特定事項を備える発明であることから、本件発明4ないし17と甲9発明とは、上記「イ及びウ」で検討した相違点で相違する。それら相違点については上記「イ及びウ」で検討したとおりであることから、本件発明4ないし17も上記「イ及びウ」と同様の理由で、甲9発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

オ 甲9発明と本件発明18との対比・判断について
(ア)対比
本件発明18と甲9発明とを比較する
a 甲9発明の「YZスライダ160」は、本件発明18の「YZスライド連結機構」に相当する。
b 甲9発明の「ZXスライダ260」は、本件発明18の「ZXスライド連結機構」に相当する。
c 甲9発明の「XYスライダ360」は、本件発明18の「XYスライド連結機構」に相当する。
d 甲9発明の「X軸レール366aと係合する」「X軸ランナーブロック366b」は、本件発明18の「X軸レールと前記X軸方向にスライド可能に係合するX軸キャリッジ」に相当する。
e 甲9発明の「Y軸レール362aと係合する」「Y軸ランナーブロック362b」は、本件発明18の「Y軸レールと前記Y軸方向にスライド可能に係合するY軸キャリッジ」に相当する。
f 甲9発明の「X軸レール366a」と「X軸ランナーブロック366b」は、本件発明18の「X軸方向の直線運動を案内するX軸リニアガイドウェイ」に相当する。
g 甲9発明の「Y軸レール362a」と「Y軸ランナーブロック362b」は、本件発明18の「Y軸方向の直線運動を案内するY軸リニアガイドウェイ」に相当する。
h 甲9発明の「X軸ランナーブロック366bは、」「連結板364を介して」「Y軸ランナーブロック362bと連結され」、「各X軸レール366aと係合するX軸ランナーブロック366bの一方はY軸レール362aの一方と係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、他方のX軸ランナーブロック366bは他方のY軸レール362aと係合するY軸ランナーブロック362bの一つと連結され、すなわち、各X軸レール366aは、連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362bを介して、各Y軸レール362aと連結されている」いることは、本件発明18の「Y軸キャリッジが」「X軸キャリッジに固定されることにより、」「X軸リニアガイドウェイと」「Y軸リニアガイドウェイが連結してクロスガイドを形成」することに相当し、甲9発明の「連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362b」は本件発明18の「リニアガイド」に相当する。
i 甲9発明の「Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に取り付けられており」、「X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられてお」ることは、本件発明18の「前記クロスガイドのX軸レール及びY軸レールの一方が前記振動テーブルに取り付けられ、他方が前記Z軸アクチュエータに取り付けられ」ることに相当する。
j 甲9発明は「XYスライダ360は、2本のY軸レール362a、4つのY軸ランナーブロック362b、4つの連結板364、4つのX軸ランナーブロック366b、及び2本のX軸レール366aから構成され」、「X軸ランナーブロック366bは、それぞれ連結板364を介して1つのY軸ランナーブロック362bと連結されてお」ることは、本件発明18の「前記XYスライド連結機構が、複数の前記クロスガイドを備え」ることに相当する。
k 甲9発明は「X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられている」ことから、4つの「連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362b」は全て、本件発明18の「X軸レールが」「振動テーブルに取り付けられた第1の向きのクロスガイド」に相当する。

すると、本件発明3と甲9発明とは、以下の点で一致する。
「X軸、Y軸及びZ軸方向が互いに直交する3方向であり、
振動テーブルと、
前記振動テーブルを前記X軸方向に加振するX軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Y軸方向に加振するY軸アクチュエータと、
前記振動テーブルを前記Z軸方向に加振するZ軸アクチュエータと、
前記振動テーブルと前記X軸アクチュエータとを、前記Y軸及び前記Z軸方向にスライド可能に連結するYZスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Y軸アクチュエータとを、前記Z軸及び前記X軸方向にスライド可能に連結するZXスライド連結機構と、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとを、前記X軸及び前記Y軸方向にスライド可能に連結するXYスライド連結機構と、
を備え、
前記XYスライド連結機構が、
X軸方向の直線運動を案内するX軸リニアガイドウェイと、
Y軸方向の直線運動を案内するY軸リニアガイドウェイと、
を備え、
前記振動テーブルと前記Z軸アクチュエータとが、前記X軸リニアガイドウェイ及び前記Y軸リニアガイドウェイを介して連結され、
前記X軸リニアガイドウェイが、
前記X軸方向に延びるX軸レールと、
前記X軸レールと前記X軸方向にスライド可能に係合するX軸キャリッジと、
を備え、
前記Y軸リニアガイドウェイが、
前記Y軸方向に延びるY軸レールと、
前記Y軸レールと前記Y軸方向にスライド可能に係合するY軸キャリッジと、
を備え、
前記Y軸キャリッジが前記X軸キャリッジに固定されることにより、前記X軸リニアガイドウェイと前記Y軸リニアガイドウェイが連結してクロスガイドを形成し、
前記クロスガイドのX軸レール及びY軸レールの一方が前記振動テーブルに取り付けられ、他方が前記Z軸アクチュエータに取り付けられ、
前記XYスライド連結機構が、複数の前記クロスガイドを備え、
前記複数のクロスガイドが、
前記X軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第1の向きのクロスガイドを含む、
加振装置。」

一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点15>
本件発明18は「前記YZスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたX軸カウンターバランス部と、前記ZXスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたY軸カウンターバランス部と、前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたZ軸カウンターバランス部と」を備えるのに対し、甲9発明は上記構成を備えていない点。
<相違点16>
複数のクロスガイドが、本件発明18は「前記Y軸レールが前記振動テーブルに取り付けられた第2の向きのクロスガイド」「を含む」のに対し、甲9発明はX軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に取り付けられているが、Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に取り付けられているため、Y軸レールが振動テーブルに取り付けられたクロスガイドを備えていない点。

(イ)判断
上記各相違点について検討する。
a 相違点15について
振動テーブルにX軸カウンターバランスとY軸カウンターバランスを備える技術は、甲1発明で開示されている。
しかしながら、「前記XYスライド連結機構を前記振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償する、前記振動テーブルに取り付けられたZ軸カウンターバランス部」を有することについては、甲1発明には開示も示唆もされていないし、甲7開示技術は、振動台の水平方向加振によって生じる試験体の転倒モーメントに見合う復元モーメントを生じるよう調整重りを振動台の下側に敷設する技術であり、上記相違点15に係る構成のXYスライド連結機構を振動テーブルに取り付けることによって生じる被加振部のアンバランスを補償するための「Z軸カウンターバランス部を有する」技術とは異なるものである。
そして、上記相違点15に係る構成を備える技術は、甲第3ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても、本願出願前に周知の技術であるとも認められない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
上記相違点15に係る構成を採用することにより、本件発明18は、振動テーブルにおけるZ方向のアンバランスを補償して振動テーブル上の振動のばらつきを低減した3軸同時加振を可能とするという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0029】参照。)。

b 相違点16について
相違点16に係る構成を備える技術は、甲第1号証、甲第3ないし10号証及び甲第12ないし13号証を参酌しても、本願出願前に周知の技術であるとも認められない。なお、仮に甲第2号証及び甲第11号証の図面を見たとしても、該技術の開示は認められない。
上記相違点16に係る構成を採用することにより、本件発明18は、クロストークの少ない加振を可能とし、振動テーブル上の振動のばらつきを低減した3軸同時加振を可能とするという、格別の効果を奏するものである(本件特許の【発明の詳細な説明】の【0029】【0096】【0097】参照。)。

(ウ)申立人の特許異議申立書における主張について
申立人は令和3年4月21日付け手続補正書により補正された特許異議申立書の申立ての理由において、上記相違点15及び相違点16に係る本件発明18の発明特定事項については、甲第1号証、甲第7及び9号証に開示された技術または周知技術から、当業者が容易になし得たものである旨主張している。
しかしながら、上記「(イ)」で検討したとおり、甲9発明において、上記相違点15及び相違点16に係る本件発明18の発明特定事項を有するものとすることを、甲第1号証、甲第7号証に開示された技術または周知技術を採用したとしても当業者が容易になし得るものではない。
よって、上記申立人の特許異議申立書における主張は採用することはできない。

(エ)小括
以上のとおりであるので、本件発明18を、甲9発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

カ 甲9発明と本件発明19ないし21との対比・判断について
本件発明19ないし21は、本件発明18の発明特定事項を備える発明であることから、本件発明19ないし21と甲9発明とは、上記「オ」で検討した相違点で相違する。それら相違点については上記「オ」で検討したとおりであることから、本件発明19ないし21も上記「オ」と同様の理由で、甲9発明を基礎として当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

4 小括
以上のとおりであるので、上記「第3」の異議申立理由はいずれも理由がない。

第5 むすび
以上のとおり、申立人が特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1ないし21に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1ないし21に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2021-06-21 
出願番号 特願2016-205586(P2016-205586)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G01M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福田 裕司  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 伊藤 幸仙
森 竜介
登録日 2020-10-01 
登録番号 特許第6771217号(P6771217)
権利者 国際計測器株式会社
発明の名称 加振装置  
代理人 松岡 修平  
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