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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H04W
管理番号 1376101
審判番号 訂正2021-390047  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-03-16 
確定日 2021-05-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6723388号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6723388号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、〔3、4〕、5、6について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6723388号は、2018年(平成30年)1月30日(優先権主張 平成29年2月3日)を国際出願日とする出願である特願2018-565553号の請求項1ないし6について、令和2年6月25日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして、令和3年3月16日に本件訂正審判の請求がされ、令和3年4月16日に審判請求書に対して手続補正がされた。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6723388号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし6について訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次の訂正事項1ないし6のとおりである。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンクスロットを受信するスロットと重なる」と記載されているのを、
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共有チャネルを受信するスロットと重なる」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)(下線は、訂正箇所を示す。以下同様。)

訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存する」と記載されているのを、
「前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存する」に訂正する。

3.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンクスロットを受信するスロットと重なる」と記載されているのを、
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共有チャネルを送信するスロットと重なる」に訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項4も同様に訂正する。)

4.訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に
「前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第1のの情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記物理下りリンク共有チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報に依存する」と記載されているのを、
「前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存する」に訂正する。

5.訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンクスロットを受信するスロットと重なる」と記載されているのを、
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共有チャネルを受信するスロットと重なる」に訂正する。

6.訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンクスロットを受信するスロットと重なる」と記載されているのを、
「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共有チャネルを送信するスロットと重なる」に訂正する。

第3 当審の判断
1.請求項1及び2からなる一群の請求項に係る訂正について
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項2は請求項1を引用したものであり、訂正事項1に係る訂正によって記載が訂正される請求項1と連動して訂正されるものである。したがって、請求項1及び2は、特許法第126条第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正事項1について
ア.訂正の目的について
訂正前の請求項1には、「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンクスロットを受信するスロットと重なる」との記載がある。
ここで、「前記物理下りリンクスロットを受信するスロット」との記載について、この記載よりも前に「物理下りリンクスロット」との記載はなく、「前記」が指し示すものが不明瞭であり、「前記物理下りリンクスロットを受信するスロット」が何を指し示しているか不明瞭である。
これに対して、訂正事項1により、「前記物理下りリンクスロットを受信するスロット」を「前記物理下りリンク共有チャネルを受信するスロット」に訂正することで、「スロット」が「前記物理下りリンク共有チャネルを受信するスロット」であることが明瞭になる。
よって、訂正事項1は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
明細書の段落【0077】において「物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_(_DL)」と記載されており、物理下りリンク共有チャネルは下りであるから、端末装置にとってはタイムスロットn_(_DL)は物理下りリンク共有チャネルが受信されたタイムスロットである。
また、明細書の段落【0080】において「前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するタイムスロットn_(_UL)は、n_(_DL)のエンドポイントを含む上りリンクタイムスロット(n_(_UL)-k)からk番目の上りリンクタイムスロットである(n_(_UL)-k番目の上りリンクタイムスロット区間が下りリンクスロットn_(_DL)と重複する)。」と記載されており、下りリンクスロットn_(_DL)は物理下りリンク共有チャネルが受信されたタイムスロットであるから、明細書の段落【0080】には、「上りリンクタイムスロット(n_(_UL)-k)は物理下りリンク共有チャネルが受信されたタイムスロットであるn_(_DL)と重なる」ことが記載されている。
そして、「上りリンクタイムスロット(n_(_UL)-k)」は訂正後の請求項1の「最後の上りリンクスロット」に対応し、「物理下りリンク共有チャネルが受信されたタイムスロットであるn_(_DL)」は訂正後の請求項1の「物理下りリンク共有チャネルを受信するスロット」に対応することから、明細書の段落【0080】に訂正後の請求項1の「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共有チャネルを受信するスロットと重なる」ことが記載されている。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて
上記ア及びイで説示したとおり、訂正事項1は請求項1の明瞭でない記載を明細書に記載された発明の内容と整合がとれた明瞭な記載にするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更するものではないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(3)訂正事項2について
ア.訂正の目的について
訂正前の請求項2には、「前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存する」との記載がある。
一方、請求項2が引用している訂正前の請求項1において、「前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報および前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報」との記載がある。
ここで、スロット周期とサブキャリア間隔には、明細書の段落【0057】に「サブキャリア間隔がn倍になると、OFDMAシンボル長が1/nとなる。」と記載され、明細書の段落【0059】に「スロットを構成するOFDMシンボル数は、サブキャリア間隔によらず、一定である」と記載されていることから、OFDMAシンボル長が1/nとなると、スロット長も1/nとなり、スロット周期はn倍になるといえる。してみると、サブキャリア間隔とスロット周期とは関連性がある。一方で、明細書の段落【0072】に「本実施形態に係る通信システムは、上りリンク及び下りリンクで異なるサブキャリア間隔を設定することを許容する。」と記載されており、つまり、上りリンクと下りリンクに関連性はない。そうすると、明細書の記載では、訂正前の請求項2における「上りリンクスロットのスロット周期」は、訂正前の請求項1における「前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報」に依存しないものであるから、訂正前の請求項2における「上りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存し、」との記載は、明細書の記載との関係で不整合を生じている。これに対して、訂正事項2により、「上りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存し、」に訂正することで、上りリンクスロットのスロット周期は物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報に依存することとなり、上記不整合を生じている記載を正し、明瞭にするものである。

また、第2の情報についても同様に、訂正前の請求項2における「下りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存する」との記載は、明細書の記載との関係で不整合を生じている。これに対して、訂正事項2により、「下りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存する」に訂正することで、下りリンクスロットのスロット周期は物理下りリンク共有チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報に依存することとなり、上記不整合を生じている記載を正し、明瞭にするものである。

よって、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2は、請求項2における用語の不統一を正すものであって、新たな技術事項を追加するものではないことから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて
訂正事項2は、請求項2における用語の不統一を正すものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)小活
以上のとおり、請求項1ないし2からなる一群の請求項についての訂正は、特許法第126条第1項第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第6項の規定に適合する。

2.請求項3及び4からなる一群の請求項に係る訂正について
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項4は請求項3を引用したものであり、訂正事項3に係る訂正によって記載が訂正される請求項3と連動して訂正されるものである。したがって、請求項3及び4は、特許法第126条第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正事項3について
ア.訂正の目的について
訂正前の請求項3には、「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンクスロットを受信するスロットと重なる」との記載がある。
ここで、「前記物理下りリンクスロットを受信するスロット」との記載について、この記載よりも前に「物理下りリンクスロット」との記載はなく、「前記」が指し示すものが不明瞭であり、「前記物理下りリンクスロットを受信するスロット」が何を指し示しているか不明瞭である。
これに対して、訂正事項3により、「前記物理下りリンクスロットを受信するスロット」を「前記物理下りリンク共有チャネルを送信するスロット」に訂正することで、「スロット」が「前記物理下りリンク共有チャネルを送信するスロット」であることが明瞭になる。
よって、訂正事項3は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
明細書の段落【0077】において「物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_(_DL)」と記載されており、物理下りリンク共有チャネルは下りであるから、基地局装置にとってはタイムスロットn_(_DL)は物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットである。
また、明細書の段落【0080】において「前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するタイムスロットn_(_UL)は、n_(_DL)のエンドポイントを含む上りリンクタイムスロット(n_(_UL)-k)からk番目の上りリンクタイムスロットである(n_(_UL)-k番目の上りリンクタイムスロット区間が下りリンクスロットn_(_DL)と重複する)。」と記載されており、下りリンクスロットn_(_DL)は物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットであるから、明細書の段落【0080】には、上りリンクタイムスロット(n_(_UL)-k)は物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットであるn_(_DL)と重なることが記載されている。
そして、「上りリンクタイムスロット(n_(_UL)-k)」は訂正後の請求項3の「最後の上りリンクスロット」に対応し、「物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットであるn_(_DL)」は訂正後の請求項3の「物理下りリンク共有チャネルを送信するスロット」に対応することから、明細書の段落【0080】に訂正後の請求項3の「前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共有チャネルを送信するスロットと重なる」ことが記載されている。
よって、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて
上記ア及びイで説示したとおり、訂正事項3は請求項3の明瞭でない記載を明細書に記載された発明の内容と整合がとれた明瞭な記載にするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更するものではないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(3)訂正事項4について
ア.訂正の目的について
訂正前の請求項4には、「前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第1のの情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報に依存する」との記載がある。
一方、請求項4が引用している訂正前の請求項3において、「前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報および前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報」との記載がある。
まず、訂正前の請求項4に「前記第1のの情報」と記載されているが、この記載よりも前に「第1のの情報」との記載はなく、「前記第1のの情報」が何を指し示しているか不明瞭である。
そして、「前記第1のの情報」が「前記第1の情報」だとしても、スロット周期とサブキャリア間隔には、明細書の段落【0057】に「サブキャリア間隔がn倍になると、OFDMAシンボル長が1/nとなる。」と記載され、明細書の段落【0059】に「スロットを構成するOFDMシンボル数は、サブキャリア間隔によらず、一定である」と記載されていることから、OFDMAシンボル長が1/nとなると、スロット長も1/nとなり、スロット周期はn倍になるといえる。してみると、サブキャリア間隔とスロット周期とは関連性がある。一方で、明細書の段落【0072】に「本実施形態に係る通信システムは、上りリンク及び下りリンクで異なるサブキャリア間隔を設定することを許容する。」と記載されており、つまり、上りリンクと下りリンクに関連性はない。そうすると、明細書の記載では、訂正前の請求項4における「上りリンクスロットのスロット周期」は、訂正前の請求項3における「前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報」に依存しないものであるから、訂正前の請求項3における「上りリンクスロットのスロット周期は、前記第1のの情報に依存し、」との記載は、明細書の記載との関係で不整合を生じている。これに対して、訂正事項4により、「上りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存し、」に訂正することで、上りリンクスロットのスロット周期は物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報に依存することとなり、上記不整合を生じている記載を正し、明瞭にするものである。

また、第2の情報についても同様に、訂正前の請求項4における「下りリンクスロットのスロット周期は、前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報に依存する」との記載は、訂正前の請求項3の「前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報」という記載と不整合であり、明細書の記載との関係でも不整合を生じている。これに対して、訂正事項4により、「下りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存する」に訂正することで、下りリンクスロットのスロット周期は物理下りリンク共有チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報に依存することとなり、上記不整合を生じている記載を正し、明瞭にするものである。

よって、訂正事項4は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項4は、請求項4における用語の不統一を正すものであって、新たな技術事項を追加するものではないことから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて
訂正事項4は、請求項4における用語の不統一を正すものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)小活
以上のとおり、請求項3ないし4からなる一群の請求項についての訂正は、特許法第126条第1項第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第6項の規定に適合する。

3.訂正事項5について
(1)訂正の目的について
請求項1が端末装置の発明であるのに対し、請求項5は端末装置に用いられる通信方法の発明であり、訂正事項5は、請求項5について訂正事項1と同様の訂正を行うものである。
よって、訂正事項5は、訂正事項1と同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項5は、請求項5について訂正事項1と同様の訂正を行うものである。
よって、訂正事項5は、訂正事項1と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて
上記(1)及び(2)で説示したとおり、訂正事項5は請求項5の明瞭でない記載を明細書に記載された発明の内容と整合がとれた明瞭な記載にするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更するものではないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4.訂正事項6について
(1)訂正の目的について
請求項3が基地局装置の発明であるのに対し、請求項6は基地局装置に用いられる通信方法の発明であり、訂正事項6は、請求項6について訂正事項3と同様の訂正を行うものである。
よって、訂正事項6は、訂正事項3と同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項6は、請求項6について訂正事項3と同様の訂正を行うものである。
よって、訂正事項6は、訂正事項3と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて
上記(1)及び(2)で説示したとおり、訂正事項6は請求項6の明瞭でない記載を明細書に記載された発明の内容と整合がとれた明瞭な記載にするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更するものではないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信する端末装置であって、
下りリンク制御情報を物理下りリンク制御チャネル経由で受信し、無線リソース制御シグナリングを物理下りリンク共用チャネル経由で受信する受信部と、
物理下りリンク制御チャネルに対応するHARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)を物理上りリンク制御チャネルで送信する送信部と、を備え、
前記HARQ-ACKについてのタイミング情報は前記下りリンク制御情報および/または前記無線リソース制御シグナリングに含まれ、
前記無線リソース制御シグナリングは、前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報および前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報を含み、前記第1の情報と前記第2の情報とは互いに独立に設定され、
前記送信部は、物理上りリンク制御チャネルでのHARQ-ACKについての情報をスロットn+k内で送信し、
インデックスkは、前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットの数であり、前記HARQ-ACKについてのタイミング情報によって示され、インデックスnは、前記物理上りリンク制御チャネルについての最後の上りリンクスロットに対応し、前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共用チャネルを受信するスロットと重なる
端末装置。
【請求項2】
前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存する
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
端末装置と通信する基地局装置であって、
下りリンク制御情報を物理下りリンク制御チャネル経由で送信し、無線リソース制御シグナリングを物理下りリンク共用チャネル経由で送信する送信部と、
物理下りリンク制御チャネルに対応するHARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)を物理上りリンク制御チャネルで受信する受信部と、を備え、
前記HARQ-ACKについてのタイミング情報は前記下りリンク制御情報および/または前記無線リソース制御シグナリングに含まれ、
前記無線リソース制御シグナリングは、前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報および前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報を含み、前記第1の情報と前記第2の情報とは互いに独立に設定され、
前記受信部は、物理上りリンク制御チャネルでのHARQ-ACKについての情報をスロットn+k内で受信し、
インデックスkは、前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットの数であり、前記HARQ-ACKについてのタイミング情報によって示され、インデックスnは、前記物理上りリンク制御チャネルについての最後の上りリンクスロットに対応し、前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共用チャネルを送信するスロットと重なる
基地局装置。
【請求項4】
前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットのスロット周期は、前記第2の情報に依存し、前記物理下りリンク共用チャネルの下りリンクスロットのスロット周期は、前記第1の情報に依存する
請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
基地局装置と通信する端末装置に用いられる通信方法であって、
下りリンク制御情報を物理下りリンク制御チャネル経由で受信するステップと、
無線リソース制御シグナリングを物理下りリンク共用チャネル経由で受信するステップと、
物理下りリンク制御チャネルに対応するHARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)を物理上りリンク制御チャネルで送信するステップと、を備え、
前記HARQ-ACKについてのタイミング情報は前記下りリンク制御情報および/または前記無線リソース制御シグナリングに含まれ、
前記無線リソース制御シグナリングは、前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報および前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報を含み、前記第1の情報と前記第2の情報とは互いに独立に設定され、
物理上りリンク制御チャネルでのHARQ-ACKについての情報はスロットn+k内で送信され、
インデックスkは、前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットの数であり、前記HARQ-ACKについてのタイミング情報によって示され、インデックスnは、前記物理上りリンク制御チャネルについての最後の上りリンクスロットに対応し、前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共用チャネルを受信するスロットと重なる
通信方法。
【請求項6】
端末装置と通信する基地局装置に用いられる通信方法であって、
下りリンク制御情報を物理下りリンク制御チャネル経由で送信するステップと、
無線リソース制御シグナリングを物理下りリンク共用チャネル経由で送信するステップと、
物理下りリンク制御チャネルに対応するHARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)を物理上りリンク制御チャネルで受信するステップと、を備え、
前記HARQ-ACKについてのタイミング情報は前記下りリンク制御情報および/または前記無線リソース制御シグナリングに含まれ、
前記無線リソース制御シグナリングは、前記物理下りリンク共用チャネルのサブキャリア間隔についての第1の情報および前記物理上りリンク制御チャネルのサブキャリア間隔についての第2の情報を含み、前記第1の情報と前記第2の情報とは互いに独立に設定され、
物理上りリンク制御チャネルでのHARQ-ACKについての情報はスロットn+k内で送信され、
インデックスkは、前記物理上りリンク制御チャネルについての上りリンクスロットの数であり、前記HARQ-ACKについてのタイミング情報によって示され、インデックスnは、前記物理上りリンク制御チャネルについての最後の上りリンクスロットに対応し、前記最後の上りリンクスロットは前記物理下りリンク共用チャネルを送信するスロットと重なる
通信方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-04-28 
結審通知日 2021-05-07 
審決日 2021-05-18 
出願番号 特願2018-565553(P2018-565553)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石田 紀之  
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 中木 努
國分 直樹
登録日 2020-06-25 
登録番号 特許第6723388号(P6723388)
発明の名称 基地局装置、端末装置およびその通信方法  
代理人 野村 進  
代理人 西澤 和純  
代理人 三木 雅夫  
代理人 覚田 功二  
代理人 野村 進  
代理人 野村 進  
代理人 覚田 功二  
代理人 西澤 和純  
代理人 三木 雅夫  
代理人 覚田 功二  
代理人 西澤 和純  
代理人 三木 雅夫  

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