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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A01K
管理番号 1376105
審判番号 訂正2021-390015  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-01-19 
確定日 2021-05-21 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5969175号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5969175号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5969175号(以下「本件特許」という。)は、平成23年6月14日(優先権主張 平成23年2月25日)に特願2011-132233号として特許出願され、その請求項1及び2について平成28年7月15日に特許権の設定登録がされ、その後、令和3年1月19日(受付)に本件訂正審判の請求(以下「本件訂正審判請求」という。)がされたものである。

第2 請求の要旨
1 請求の趣旨
本件訂正審判請求における請求の趣旨は、「特許第5969175号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
2 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線部が訂正箇所である。)。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「 前記表面シートの長手方向に沿って延び、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な遊端部とを有する起立片と、
前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられるギャザーと、」と記載されているのを、
「 前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片と、
前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有するギャザーと、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「 通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、前記表面シートの長手方向に沿って延び、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部および弾発的に伸縮可能な遊端部を有する起立片と、前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられるギャザーと、を含み、前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく、前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成される請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、」と記載されているのを、
「 請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、」に訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項2に
「 前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態のシート体を所望の形状に型抜きする工程を含むことを特徴とするペット用おむつの製造方法。」と記載されているのを、
「 前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態の型抜き前シート体を所望の形状に型抜きする工程を含むことを特徴とするペット用おむつの製造方法。」に訂正する。
エ 訂正事項4
願書に添付した明細書の段落【0007】に
「 前記表面シートの長手方向に沿って延び、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な遊端部とを有する起立片と、
前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられるギャザーと、」と記載されているのを、
「 前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片と、
前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有するギャザーと、」に訂正する。
オ 訂正事項5
願書に添付した明細書の段落【0009】に
「 また本発明は、通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、前記表面シートの長手方向に沿って延び、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部および弾発的に伸縮可能な遊端部を有する起立片と、前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられるギャザーと、を含み、前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく、前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成される請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、」と記載されているのを、
「 また本発明は、請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、」に訂正する。
カ 訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0009】に
「 前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態のシート体を所望の形状に型抜きする工程を含むことを特徴とするペット用おむつの製造方法である。」と記載されているのを、
「 前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態の型抜き前シート体を所望の形状に型抜きする工程を含むことを特徴とするペット用おむつの製造方法である。」に訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正の目的、新規事項の追加、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の有無について
ア 訂正事項1について
(ア)訂正の目的の適否
a 訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「起立片」について、訂正後に「前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、」と特定するとともに、訂正前の請求項1に記載の起立片が有する「遊端部」について、訂正後に「弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部」と特定することにより、「起立片」及び起立片が有する「遊端部」の構成を更に限定するものである。
b 訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「ギャザー」について、訂正後に「不透水で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有する」と特定することにより、「ギャザー」の構成を更に限定するものである。
c 訂正事項1は、請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正するものであるから、訂正後の請求項2で引用する「請求項1記載のペット用おむつ」における「起立片」及び起立片が有する「遊端部」の構成を上記aと同様に更に限定し、「ギャザー」の構成を上記bと同様に更に限定するものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条1項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「起立片」、起立片が有する「遊端部」及び「ギャザー」について概念的に下位の構成とするものであり、請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正するものであるから、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合する。
(ウ)新規事項追加の有無
a 訂正事項1において、「起立片」に関し、「前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、」と特定することについて、本件特許の願書に添付した明細書(以下、特許請求の範囲及び図面と併せて「本件明細書等」という。)の段落【0034】には、「起立片6」に関し、「表面シート2の長手方向に沿って設けられる帯状のシート体である」との記載があることから、「起立片」について、訂正後のように「帯状のシート体」であることは、本件明細書等に記載されているといえる。
訂正事項1において、起立片が有する「遊端部」に関し、「弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部」と特定することについて、本件明細書の段落【0037】には、起立片6の「遊端部6b」に関し、「弾発的に伸縮可能な索条5が表面シート2および裏面シート3に対して長手方向に緊張、すなわち伸長された状態で内封して配設されて」いるとの記載があることから、「索条5」は訂正後の「第1索条」に相当するので、起立片の「遊端部」が、訂正後のように「第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設され」ているものであることは、本件明細書等に記載されているといえる。
b 訂正事項1において、「ギャザー」に関し、「不透水で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有する」と特定することについて、本件明細書の段落【0049】には、「ギャザー8」に関し、「前述の起立片6と同様の構成であって、不透水性で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な索条が、緊張した状態で内封して配設されており、当該索条が収縮する際の収縮力によって、シートが収縮し、ギャザー8が形成されている。」との記載があり、ここで「前述の起立片6と同様の構成」について、本件明細書の段落【0037】には、「起立片6」の構成に関し、「起立片6の遊端部6bには、弾発的に伸縮可能な索条5が」「長手方向に緊張」し「た状態で内封して配設されて」いるとの記載があることから、上記段落【0049】に記載の「索条」が訂正後の「第2索条」に相当するので、「ギャザー」が、訂正後のように「不透水で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有する」ことは、本件明細書等に記載されているといえる。
c 訂正事項1は、請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正するものであるところ、訂正後の請求項2で引用する「請求項1記載のペット用おむつ」における「起立片」、起立片が有する「遊端部」及び「ギャザー」に係る訂正後の構成が本件明細書等に記載されているといえることは上記a及びbで述べたとおりである。
してみると、訂正事項1は、本件明細書等より導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合する。

イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的の適否
訂正事項2は、訂正前の請求項2に記載の「通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、前記表面シートの長手方向に沿って延び、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部および弾発的に伸縮可能な遊端部を有する起立片と、前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられるギャザーと、を含み、前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく、前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成される請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、」において、上記下線が付された箇所の記載を削除することによって、訂正後の請求項2の記載を訂正事項1に係る訂正後の請求項1の記載と整合させるための訂正である。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項2は、単に訂正後の請求項2の記載を訂正事項1に係る訂正後の請求項1の記載と整合させるための訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合する。
(ウ)新規事項追加の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項2は、単に訂正後の請求項2の記載を訂正事項1に係る訂正後の請求項1の記載と整合させるための訂正であるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合する。

ウ 訂正事項3について
(ア)訂正の目的の適否
訂正事項3は、請求項1の記載を引用する請求項2に訂正前に「シート体」と記載されていたのを、訂正後に「型抜き前シート体」とすることで、訂正事項1に係る訂正後に請求項1に記載されることとなった「帯状のシート体」と識別するための訂正である。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項3は、単に請求項1の記載を引用する請求項2に訂正前に記載されていた事項を、訂正事項1に係る訂正後に請求項1に記載されることとなった事項と区別するための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合する。
(ウ)新規事項追加の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項3は、単に請求項1の記載を引用する請求項2に訂正前に記載されていた事項を、訂正事項1に係る訂正後に請求項1に記載されることとなった事項と区別するための訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合する。

エ 訂正事項4について
(ア)訂正の目的の適否
訂正事項4は、明細書の段落【0007】の記載を、訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載と整合させるための訂正である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項4は、明細書の記載を、訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載と整合させるための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合する。
(ウ)新規事項追加の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項4は、明細書の記載を、訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載と整合させるための訂正であるから、訂正事項1に係る訂正について上記「ア(ウ)」で述べたのと同様の理由により、訂正事項4に係る訂正も願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合する。

オ 訂正事項5について
(ア)訂正の目的の適否
訂正事項5は、明細書の段落【0009】の記載を、訂正事項1及び2に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項2の記載と整合させるための訂正である。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項5は、明細書の記載を、訂正事項1及び2に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項2の記載と整合させるための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合する。
(ウ)新規事項追加の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項5は、明細書の記載を、訂正事項1及び2に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項2の記載と整合させるための訂正であるから、訂正事項1及び2に係る訂正について上記「ア(ウ)」及び「イ(ウ)」で述べたのと同様の理由により、訂正事項5に係る訂正も願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合する。

カ 訂正事項6について
(ア)訂正の目的の適否
訂正事項6は、明細書の段落【0009】の記載を、訂正事項1ないし3に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項2の記載と整合させるための訂正である。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(イ)特許請求の範囲の拡張・変更の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項6は、明細書の記載を、訂正事項1ないし3に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項2の記載と整合させるための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法126条6項の規定に適合する。
(ウ)新規事項追加の有無
上記(ア)のとおり、訂正事項6は、明細書の記載を、訂正事項1ないし3に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項2の記載と整合させるための訂正であるから、訂正事項1ないし3に係る訂正について上記「ア(ウ)」、「イ(ウ)」及び「ウ(ウ)」で述べたのと同様の理由により、訂正事項6に係る訂正も願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法126条5項の規定に適合する。

2 一群の請求項、明細書の訂正と関係する請求項について
訂正前の請求項1及び2について、請求項2は請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1及び2に対応する訂正後の請求項1及び2は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。

3 独立特許要件について
訂正事項1に係る訂正は、請求項1及び2について特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法126条7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。
本件特許については、令和2年2月26日に請求された別件無効審判事件(無効2020-800022号。令和2年12月8日(受付)に取下げられた。)において、本件訂正前の請求項1に係る発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである、との主張がなされ、本件訂正審判請求において請求人が参考資料2ないし6(以下、別件無効審判事件におけるのと同様、甲第1号証ないし甲第5号証という。)として提出した下記の文献を進歩性欠如の証拠とするものである。

甲第1号証:特開2004-159592号公報(参考資料2)
甲第2号証:米国特許出願公開2010/94235号(参考資料3)
甲第3号証:特開2007-20533号公報(参考資料4)
甲第4号証:登録実用新案第3097688号公報(参考資料5)
甲第5号証:登録実用新案第3141580号公報(参考資料6)

そこで、別件無効審判事件における令和2年9月29日付け審決の予告(送達日:同年10月12日)において、本件訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記請求項1に係る発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してなされたものであり、本件訂正前の請求項1に係る特許は無効とすべきものであるとの判断が示されたことを踏まえ、以下では、本件訂正後の請求項1に係る発明が、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明又は技術的事項に基いて、当業者が本件特許出願前に容易に発明をすることができたものではなく、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものに該当しないかについて検討する。

(1)本件訂正発明
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は次のとおりである(以下、本件訂正後の請求項1及び2に係る発明を、それぞれ「本件訂正発明1」、「本件訂正発明2」という。分説は便宜のために当審で付した。)。

「【請求項1】
A ペットの胴体に巻付けて装着され、長手方向を巻付け方向として配置さ
れるペット用おむつであって、
B 通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、
C 前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面
シートと、
D 前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体
と、
E 前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記
表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部
と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配
設される第1遊端部とを有する起立片と、
F 前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手
方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水性で可撓性を有
するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内
封して配設される第2遊端部を有するギャザーと、
G 前記表面シートの長手方向一端部と前記裏面シートの長手方向他端部と
を着脱可能に接合する接合部とを含み、
H 前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面
シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部の
うち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく、
I 前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前
記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成される
ことを特徴とするペット用おむつ。
【請求項2】
J 請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、
K 前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層
され、ギャザーが形成された状態の型抜き前シート体を所望の形状に型抜
きする工程を含む
ことを特徴とするペット用おむつの製造方法。」

(2)証拠
ア 甲第1号証(特開2004-159592号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第1号証(以下「甲1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審が付した。以下同様。)。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペット用尿捕捉用品、特に、室内飼育を主とした、老犬やしつけのできていない幼犬等に対するペットの体に装着するペット用尿捕捉用品に関する。具体的には、おむつをサポートするために、ペットの尿道口の部分とその近傍を覆うようにして取り付けられて、尿等の排泄物を処理するペット用尿捕捉用品に関する。」
(イ)「【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、尿等を確実に捕捉可能なペット用尿捕捉用品を提供することにある。また、おむつを装着してもペットの尿道口が隠れない場合や容易に位置ずれ(特にずり落ち)を起こして尿道口がおむつから露出した場合でも、尿等の排泄物を吸収し、粗相を防止するに好適なペット用尿捕捉用品を提供することにある。」
(ウ)「【0017】
本発明によれば、ペットの尿道口を隠すようにして腹巻きのように胴部に巻いた際に、ペットの身体面はトップシートと当設するため、尿等の排泄物を吸収した後の液体吸収性領域には直接に接しないことになり、サラットした感触を呈し、不快感を低減させる。」
(エ)「【0021】
(6) 前記基体の長手方向側縁近傍には、該側縁に沿って立体状の防漏ギャザーを備えることを特徴とする(1)から(5)いずれか記載のペット用尿捕捉用品を提供する。
【0022】
本発明によれば、立体状の防漏ギャザーでペットの尿等の排泄物の漏れをより一層防ぐことができる。また、この尿捕捉用品を雄犬等に適用した場合、防漏ギャザーがペットの陰部に引っ掛かるので、ペット用尿捕捉用品のずれが防止される。
【0023】
(7) 前記固定手段は、その長手方向が、前記基体の幅方向側縁近傍で該側縁に沿って着設されるものであることを特徴とする(1)から(6)いずれか記載のペット用尿捕捉用品を提供する。
【0024】
本発明によれば、ペット用尿捕捉用品をペットの胴部に巻いて固定する場合には、この固定手段をもう一方の側縁近傍の重なり合ったトップシート面またはバックシート面に止着するだけで、ペット用尿捕捉用品をペットに固定できる。尚、この固定手段としては粘着剤による係合でも、メカニカル係止等による係合であってもかまわない。一般的にはペット用尿捕捉用品の内面(トップシート)は不織布であるので、この不織布に対応したメカニカル係止のフック部材を取り付けるだけでも十分である。」
(オ)「【0032】
(11) 前記基体の前記固定手段が着設されている側とは別の側縁近傍には、前記固定手段に対応する被接着部を備えることを特徴とする(2)から(10)いずれか記載のペット用尿捕捉用品を提供する。
【0033】本発明によれば、被接着部の面積を増やせば増やすほど、1サイズでの装着範囲を広げることができ、より多くのペットに対応できる。尚、被接着部としては、固定手段によって、適宜選定される。例えば、固定手段がメカニカル係止のフック部材であって鉤型係合素子を植え付けた係合片やマッシュルーム型係合素子を植え付けた係合片といった雄側係合片である場合の被接着部としては、ループ型係合片や嵩高い不織布といった雌側係合片等の被接着部材が適用される。
【0034】
(12) 前記固定手段はメカニカル係止部材であり、前記被接着部はループ素材または前記メカニカル係止部材との係合力を有する不織布からなる被接着部材であることを特徴とする(11)に記載のペット用尿捕捉用品を提供する。
【0035】
本発明によれば、メカニカル係止部材に対応する被接着部材によって所定の係合固定力を得ることができる。また、ペット用尿捕捉用品が不織布を構成部材とする場合に、この不織布が被接着部材の役割を果たすことになり、改めて被接着部材を取り付ける必要がなく、より一層好ましい。」
(カ)「【0048】
図1は本発明に係るペット用尿捕捉用品の第1の実施形態の構成説明図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)におけるX-X’線の断面を示す断面図である。図2はペット用尿補足用品の使用状態を説明する図、図3はおむつと併用した場合のペット用尿補足用品の使用状態を説明する図である。これらの図において、符番100で示されるペット用尿捕捉用品は、基体101と液体吸収性領域104とからなり、平面状態では略矩形形状を呈している。液体吸収性領域104は尿等の液体を吸収するシート状の吸収体104aを備えており、基体101は吸収体104aの一面側を覆うように配設された液透過性を有するシート状のトップシート102(身体側面のシート)と、吸収体104aの他面側を覆うように配設された液不透過性を有するシート状のバックシート103(反身体側面のシート)とから構成されている。そして、ペット用尿捕捉用品100は、ペッドの胴体に腹巻状に巻かれて装着可能である。
【0049】
上記液体吸収性領域104を構成する吸収体104aは尿等の排泄物の液体を吸収して保持する機能を有するもので、嵩高であり、型崩れし難く、化学的刺激が少ないものであることが好ましい。・・・吸収体104aのサイズ・吸収能力等は、子犬から成犬までの着用対象のペットに対応して変動される。
【0050】
上記基体101を構成するトップシート102は、液親水性であり、肌に刺激を与えない材料が使用される。このようなものとしては・・・不織布を単独又はこれらを複合した材料が挙げられる。・・・
【0051】
また、上記基体101を構成するバックシート103は、吸収体104aに吸収された排泄物が外へ漏れ出すのを防止できるものを使用することができる。また、透湿性素材とすることにより、装着時のムレを低減させることができ、装着時における不快感を低減させることが可能となる。・・・
【0052】
ペット用尿捕捉用品100の他方側縁の近傍には、ペット用尿捕捉用品100をペットの胴部に取り付けるための固定手段105が設けてある。また基体101のトップシート102側の面には、互いに一定距離を隔てて配設されて尿の横(図中のH-H’方向)漏れを防ぐ襞状の防漏ギャザー106a,106bが設けてある。この防漏ギャザー106a,106bの長手方向に沿って、防漏ギャザー106a,106bに伸縮性を付与する弾性体107a,107bが設けてある。
【0053】
固定手段105は合成樹脂材等からなる帯状体で、表面にはメカニカル係合手段であるフック部材を有するものであって、基体101のトップシート102側で、一方の側縁近傍に、側縁に沿って幅方向(図中のH-H’方向)に着設されている。・・・
【0054】
防漏ギャザー106a,106bの上端縁には、伸長した状態で弾性体107a,107bが配設されており、弾性体107a,107bが収縮することで防漏ギャザー106a,106bが立体状に立ち上げられる。この防漏ギャザー106a,106bでペットの陰部を挟み込むことで、尿道口やその周囲が覆われて、尿等の漏れを防止できる。更に、この防漏ギャザー106a,106bがペットの陰部に引っ掛かり、ペット用尿捕捉用品100がずれるのを防止している。
【0055】
次に、図1と図2および図3を用いて本発明に係るペット用尿捕捉用品の具体的な使用例について詳しく説明する。先ず、ペット用尿捕捉用品100を持ち、ペット用尿捕捉用品100の液体吸収性領域104のほぼ中間部分で室内犬(例えばミニチュアダックスフンド犬)200の陰部が防漏ギャザー106a,106bで挟まれるようにして腹部202に当設し、次いで、室内犬(ミニチュアダックスフンド犬)200の背中部201でペット用尿捕捉用品100の側縁同士を重ね合わせるようにして、胴部に腹巻状に巻かれる。この際、固定手段105を着設した面が下側になるようにして重ね合わせる。次いで、固定手段105をペット用尿捕捉用品100の側縁近傍に係合してペット用尿捕捉用品100を固定する。
【0056】
・・・
【0057】
また、ペット用尿捕捉用品100は、図3に示すように、おむつ300と併用して用いられることが可能である。すなわち、おむつ300は、大・小便等を処理するため、また、ペット用尿捕捉用品100は陰部を隠して尿を処理するために装着される。」

(キ)図1は以下のとおり。
「【図1】


(ク)上記(カ)に摘記した【0048】の記載を踏まえると、図1(a)及び図1(b)からは、ペット用尿捕捉用品100の基体101を構成するシート状のトップシート102(身体側面のシート)とシート状のバックシート103(反身体側面のシート)は、上下方向の長さに比べて左右方向の長さが長い帯状をしていることが看て取れ、
上記(カ)に摘記した【0052】及び【0054】の記載を踏まえると、図1(a)からは、ペット用尿捕捉用品100の基体101のトップシート側の面に配設される襞状の防漏ギャザー106a,106bは、シート状のトップシート102よりも上下方向の長さが短い帯状をしていることが看て取れ、
上記(カ)に摘記した【0052】の記載を踏まえると、図1(a)からは、ペット用尿捕捉用品100の長手方向の一方の側縁の近傍に固定手段105が設けてあり、固定手段105は、幅方向の長さが、基体101の幅方向の長さより小さく、液体吸収性領域104の幅方向の長さより小さい長方形であることが看て取れ、
上記(カ)に摘記した【0048】の記載を踏まえると、図1(b)からは、吸収体104aがトップシート102とバックシート103の間に配設されるとともに、バックシート103がトップシート102に前記吸収体104aが存在しない部位で重なって接合されている様子が看て取れ、
上記(カ)に摘記した【0052】の記載を踏まえると、図1(b)からは、防漏ギャザー106a,106bの長手方向に沿って、防漏ギャザー106a,106b内に伸縮性を付与する弾性体107a,107bが内封されている様子が看て取れる。

上記(ア)ないし(ク)からみて、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる(分説aないしiは、本件訂正発明1の分説AないしIに対応させて当審で付した。)。
【甲1発明】
a ペット用尿捕捉用品100の側縁同士を重ね合わせるようにして、ペッ
トの尿道口を隠すようにして腹巻きのように胴部に巻いて、前記ペットの
尿道口の部分とその近傍を覆うようにして取り付けられて、尿等の排泄物
を処理するペット用尿捕捉用品100であって、前記ペット用尿捕捉用品
100は、基体101と液体吸収性領域104とからなり、平面状態では
略矩形形状を呈しており、
b 前記基体101は前記吸収体104aの一面側を覆うように配設された
液透過性を有する不織布からなる帯状のトップシート102(身体側面の
シート)と、
c 前記吸収体104aの他面側を覆うように配設され、前記トップシート
に重なって接合された、液不透過性を有する帯状のバックシート103( 反身体側面のシート)とから構成されており、
d 前記液体吸収性領域104は、前記トップシート102と前記バックシ
ート103の間に配設される、尿等の液体を吸収するシート状の吸収体1
04aを備えており、
e 前記基体101のトップシート102側の面の長手方向側縁近傍には、
該側縁に沿って、互いに一定距離を隔てて配設されて尿の横漏れを防ぐ襞
状の防漏ギャザー106a,106bが設けられ、当該防漏ギャザー10
6a,106bは帯状をしており、その長手方向に沿って伸縮性を付与す
る弾性体107a,107bが内封されており、前記防漏ギャザー106
a,106bの上端縁には、伸長した状態で弾性体107a,107bが
配設されて、当該弾性体107a,107bが収縮することで防漏ギャザ
ー106a,106bが立体状に立ち上げられるものであり、
g 前記基体101のトップシート102側で、一方の側縁近傍には、ペッ
ト用尿捕捉用品100をペットの胴部に取り付けるためのメカニカル係止
のフック部材からなる固定手段105が設けてあり、別の側縁近傍には、
前記固定手段に対応し、不織布からなる被接着部を備え、
h 前記固定手段105は、幅方向の長さが、基体101の幅方向の長さよ
り小さく、液体吸収性領域104の幅方向の長さより小さい長方形であり

前記被接着部の面積を増やせば増やすほど、1サイズでの装着範囲を広
げることができるものであり、
i ペット用尿捕捉用品100の液体吸収性領域104のほぼ中間部分で室
内犬200の陰部が防漏ギャザー106a,106bで挟まれるようにし
て腹部202に当設し、室内犬200の背中部201でペット用尿捕捉用
品100の側縁同士を重ね合わせるようにして、胴部に腹巻状に巻かれる

ペット用尿捕捉用品100。」

イ 甲第2号証(米国特許出願公開2010/94235号)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第2号証(以下「甲2」という。)には、以下の記載がある(括弧内に示した訳文は、当審による。)。
(ア)「[0002] The present invention relates in general to a canine diaper, and more particularly, to a disposable canine diaper which is easily, securely, and comfortably positionable around a torso of a dog to, in turn, provide a safe, effective, and convenient remedy for canine incontinence.(本発明は、包括的にはイヌ用おむつに関し、より詳細には、犬の胴の周りに容易に、確実にかつ快適に位置決め可能であり、さらに、イヌの失禁に対する安全で効果的かつ便利な救済策を提供する、使い捨てのイヌ用おむつに関する。)」
(イ)「[0036] Referring now to the drawings and to FIGS. 1-7 in particular, views of canine diaper 100 are shown, which generally comprises outer liner 10, inner liner 30, cavity 40, absorbent core 50, and at least one tab 60.(ここで、図面、特に図1?図7を参照すると、外側ライナ10、内側ライナ30、キャビティ40、吸収性コア50及び少なくとも1つのタブ60を概して備えるイヌ用おむつ100の図が示されている。)」
(ウ)「[0037] Outer liner 10 is shown collectively in FIGS. 1-7, among others, as including first surface 10A, second surface 10B, front region 12, back region 14, longitudinal axis 16, outer perimeter 18, first end 20, and second end 22. As is shown in FIGS. 7A and 7B, when canine diaper 100 is positioned on a torso of a dog, first surface 10A of the outer liner is positioned outward and facing away from the dog, and second surface 10B is positioned inward and facing the dog. As is shown in the figures, it is preferred that outer liner 10 comprises a substantially rectangular shape which comprises a size capable of being secured substantially around a torso of a dog. However, it will be understood that outer liner 10 may comprise any one of a number of different shapes and sizes, in order to accommodate the different shapes and sizes of a variety of dogs. Preferably, outer liner 10 is fabricated from a material which is substantially liquid impermeable, flexible, and soft, in order to provide maximum comfort for a dog. It is also preferred that outer liner 10 is fabricated from an elastic, stretchable material. As such, outer liner 10 of canine diaper 100 may be fabricated from, for example, cotton, spandex, plastic, and/or combinations thereof. However, it will be understood that the invention is not limited to a particular material of outer liner 10, and that outer liner 10 may be fabricated from any one of a number of natural and/or synthetic materials.(外側ライナ10は、特に、第1の面10A、第2の面10B、前方領域12、後方領域14、長手方向軸16、外周18、第1の端20及び第2の端22を含むものとして、図1?図7にまとめて示されている。図7A及び図7Bに示されているように、イヌ用おむつ100が犬の胴に位置決めされると、外側ライナの第1の面10Aは、外方に、犬に面することなく位置決めされ、第2の面10Bは、内方に、犬に面して位置決めされる。図面に示されているように、外側ライナ10は、実質的に犬の胴の周りに固定可能なサイズを有する実質的に矩形の形状を有することが好ましい。しかし、外側ライナ10は、様々な犬の異なる形状及びサイズに対応するために、複数の異なる形状及びサイズのいずれか1つを有することができることが理解される。好ましくは、外側ライナ10は、犬に最大限の快適さを提供するために、実質的に不透液性、可撓性かつ柔らかい材料から作製される。外側ライナ10が弾性で伸縮可能な材料から作製されることも好ましい。したがって、イヌ用おむつ100の外側ライナ10は、例えば、綿、スパンデックス、プラスチック及び/又はこれらの組み合わせから作製することができる。しかし、本発明が外側ライナ10の特定の材料に限定されず、外側ライナ10を複数の天然及び/又は合成材料のいずれか1つから作製することができることが理解される。)」
(エ)「[0038] ・・・(中略)・・・It is preferred that front region 12 comprises primary gathered region 26, as is shown in FIGS. 2B and 4-6, among others. Primary gathered region 26 includes a plurality of gathers or puckers in order for front region 12 to have more flexibility and elasticity which, in turn, provides additional comfort and protection against leaks.(・・・(中略)・・・前方領域12は、特に図2B及び図4?図6に示されているように第1のギャザー状領域26を含むことが好ましい。第1のギャザー状領域26は、前方領域12がより高い可撓性及び弾性を有するために、複数のギャザー又はひだを含み、これがさらに、付加的な快適さ及び漏れに対する保護を提供する。)」
(オ)「[0039]・・・(中略)・・・As can be seen in FIG. 7A, among others, it is also contemplated that back region 14 of outer liner 10 be securable substantially around a rear portion of a torso of a dog. As is shown in FIGS. 4-6, among others, it is preferred that back region 14 comprises primary gathered region 26 to, in turn, provide additional comfort and protection against leaks. In an attempt to provide even more comfort and protection against leaks, when each of front region 12 of outer liner 10 and back region 14 of outer liner 10 comprise primary gathered regions 26, outer liner 10 may further comprise at least one secondary gathered region 27 positioned within primary gathered regions 26 of front and back regions 12 and 14 of outer liner 10. As is shown in FIG. 6, preferably, at least one secondary gathered region 27 comprises two secondary gathered regions 27.(・・・(中略)・・・特に図7Aにおいて分かるように、外側ライナ10の後方領域14が、実質的に犬の胴の後方部分の周りに固定可能であることも意図される。特に図4?図6に示されているように、後方領域14が第1のギャザー状領域26を備え、さらに、付加的な快適さ及び漏れに対する保護を提供することが好ましい。さらにより高い快適さ及び漏れに対する保護を提供するように、外側ライナ10の前方領域12及び外側ライナ10の後方領域14のそれぞれが第1のギャザー状領域26を備える場合、外側ライナ10は、外側ライナ10の前方領域12及び後方領域14の第1のギャザー状領域26内に位置決めされる少なくとも1つの第2のギャザー状領域27をさらに備えることができる。図6に示されているように、好ましくは、少なくとも1つの第2のギャザー状領域27は2つの第2のギャザー状領域27を含む。)」
(カ)「[0044] Cavity 40 is best shown in FIG. 3, as comprising a cavity positioned between outer liner 10 and inner liner 30 of canine diaper 100. Cavity 40 is enclosed by outer perimeter 32 of inner liner 30 and outer liner 10. As such, the size and shape of cavity 40 is defined by the size and shape of outer perimeter 32 of inner liner 30 and its securement to outer liner 10.(キャビティ40は、図3において、イヌ用おむつ100の外側ライナ10と内側ライナ30との間に位置決めされるキャビティを含むものとして最も良く示されている。キャビティ40は、内側ライナ30の外周32及び外側ライナ10によって包囲される。したがって、キャビティ40のサイズ及び形状は、内側ライナ30の外周32のサイズ及び形状、並びに、外側ライナ10へのその固定によって規定される。)」
(キ)「[0045] Absorbent core 50 is best shown in FIG. 3, as being retained within cavity 40. Absorbent core 50 comprises a highly absorbent material capable of absorbing and retaining liquid waste, such as urine, excreted by a dog. As such, absorbent core 50 may comprise an absorbent type sponge, foam, padding, and/or chemical, or other highly absorbent materials known to those skilled in the art.・・・(中略).(吸収性コア50は、図3において、キャビティ40内に保持されるものとして最も良く示されている。吸収性コア50は、犬が排泄する尿等の液状廃棄物を吸収及び保持することが可能な高吸収性材料を含む。したがって、吸収性コア50は、吸収タイプのスポンジ、発泡体、パッド及び/若しくは化学物質、又は、当業者に既知の他の高吸収性材料を含むことができる。・・・(中略)」
(ク)「[0047] Canine diaper 100 is positioned onto a dog by wrapping canine diaper 100 around a rear portion of a torso of a dog, such that second surface 10B of outer liner 10 and inner liner 30 is positioned inward and in contact with the dog's genital region, and first surface 10A of outer liner 10 is positioned outward and away from the dog, as is shown in FIGS. 7A and 7B. At least one tab 60 is then releasably secured to second end 22 of outer liner 10 which associates first end 20 of outer liner 10 with second end 22 of outer liner 10, thereby securing outer liner 10 and, in turn, canine diaper 100, substantially around the dog.(イヌ用おむつ100は、図7A及び図7Bに示されているように、外側ライナ10の第2の面10B及び内側ライナ30が内方に、犬の生殖器領域と接触して位置決めされ、外側ライナ10の第1の面10Aが外方に、犬から離れて位置決めされるように、イヌ用おむつ100を犬の胴の後方部分の周りに巻き付けることによって犬に位置決めされる。次に、少なくとも1つのタブ60が、外側ライナ10の第2の端22に解放可能に固定され、これによって外側ライナ10の第1の端20と外側ライナ10の第2の端22とを関連付け、それによって、外側ライナ10、及びさらにイヌ用おむつ10を実質的に犬の周りに固定する。)」

(ケ)図4は以下のとおりである。



(コ)上記(オ)に摘記した記載を踏まえると、図4からは、外側ライナ10の前方領域12及び外側ライナ10の後方領域14のそれぞれが第1のギャザー状領域26を備える様子が看て取れる。

(サ)図6は以下のとおりである。



(シ)上記(イ)、(オ)に摘記した事項、及び、上記(コ)の看取事項を踏まえると、図6からは、外側ライナ10、内側ライナ30、キャビティ40、吸収性コア50及び少なくとも1つのタブ60を備える犬用おむつ100において、第1のギャザー状領域26は、外側ライナ10の前方領域12の端部及び外側ライナ10の後方領域14の端部に、当該端部の形状に沿って設けられ、第2のギャザー状領域27は、前記第1のギャザー状領域26内に、前記前方領域12の端部の形状及び後方領域14の端部の形状に沿って設けられ、いずれのギャザー状領域も、外側ライナ10の長手方向において前記内側ライナ30が配置される位置とほぼ同じ位置であって、外側ライナ10の長手方向の両方の端部からほぼ等しく離れた位置に形成されている様子が看て取れる。

上記(ア)ないし(シ)からみて、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認められる。
【甲2発明】
「犬の胴の周りに位置決め可能な犬用おむつ100であって、
実質的に犬の胴の周りに固定可能なサイズを有する実質的に矩形の形状で 弾性で伸縮可能な外側ライナ10、内側ライナ30、キャビティ40、吸収性コア50及び少なくとも1つのタブ60を備え、
前記吸収性コア50は、内側ライナ30の外周32及び外側ライナ10によって包囲されるキャビティ40内に保持され、
外側ライナ10に、第1のギャザー状領域26を備えるとともに、当該第1のギャザー状領域26内に第2のギャザー状領域27を備える犬用おむつ100において、
前記第1のギャザー状領域26は、外側ライナ10の前方領域12の端部及び後方領域14の端部に、当該端部の形状に沿って設けられ、前方領域12がより高い可撓性及び弾性を有するために、複数のギャザー又はひだを含み、これがさらに、付加的な快適さ及び漏れに対する保護を提供するものであり、後方領域14が第1のギャザー状領域26を備えて、さらに、付加的な快適さ及び漏れに対する保護を提供するものであり、
前記第2のギャザー状領域27は、前記第1のギャザー状領域26内に、前記外側ライナ10の前方領域12の端部の形状及び後方領域14の端部の形状に沿って設けられ、より高い快適さ及び漏れに対する保護を提供するものであり、
いずれのギャザー状領域も、外側ライナ10の長手方向において前記内側ライナ30が配置される位置とほぼ同じ位置であって、外側ライナ10の長手方向の両方の端部からほぼ等しく離れた位置に形成されるものであり、
前記内側ライナ30が内方に、犬の生殖器領域と接触して位置決めされるものである、犬用おむつ。」

ウ 甲第3号証(特開2007-20533号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第3号証(以下「甲3」という。)には、以下の記載がある。
(ア)「【0016】
図1に示すように、尿漏れ防止ベルト10は、犬30の尿道口36を覆うことができる所定幅を有する帯状となっており、ベルト本体12の両端側に設けられた一対の面テープ24及び26によって、前記犬30の胴32に着脱可能となっている。該面テープ24又は26のいずれか(図示の例では面テープ24)を幅広とすることにより、図1(D)に示すように長さ調節が可能となっており、犬30の体形に合わせて装着可能となっている。」
(イ)「【0020】
図2には、本実施例の変形例が示されている。図2(A)は、使用状態を示す図,図2(B)は主要断面図である。図2に示す例の尿漏れ防止ベルト10Aは、基本的構造は図1に示す例と同様であるが、胸部側の縁部と、後足34側の縁部に、前記立体ギャザー16及び20に加え、他の立体ギャザー17及び21が、それぞれほぼ全長にわたって設けられている。このように、更に他の立体ギャザー17及び21を設けることにより、更に良好に漏れを防止することができる。」

エ 甲第4号証(登録実用新案第3097688号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第4号証(以下「甲4」という。)には、以下の記載がある。
(ア)「【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明にかかる犬のオムツベルトの実施形態について説明する。図1において、符号10は犬の腹部に当てる腹当て部を示している。この腹当て部10の左右両側は、犬の左右両側から犬の胴部に巻き付けることができる背当て部12、14につながっている。背当て部12、14の先端縁部は、背当て部12、14を犬の胴部に巻き付けた状態で互いに重なり合うことができ、これら背当て部12、14の先端縁部には、両側の背当て部12、14を連結することができる連結部20が設けられている。連結部20は、一方の背当て部12側に止め具18と、他方の背当て部14側に上記ホールが必要に応じた数のホール16とで構成されている。止め具18をホール16を嵌めることにより、背当て部12、14の先端縁部が重なった状態で背当て部12、14を連結することができるようになっている。なお、留め具18とホール16の代わりに、平面ファスナー(商品名「マジックテープ」)を使用してもよい。」

オ 甲第5号証(登録実用新案第3141580号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第5号証(以下「甲5」という。)には、以下の記載がある。
(ア)「【0006】
以下、本考案の実施形態について、図を参照しながら説明する。
図1(a)に本実施形態に係る雄犬用おむつXの正面図を示し、図1(b)に雄犬用おむつXの背面図を示し、図2に雄犬用おむつXの斜視図を示す。雄犬用おむつXは、帯状体からなる本体10、本体10の中央部近傍に設けられる吸水体30、本体10の吸水体30の両側に幅方向に渡って形成されるギャザー20、20、本体の端部表面側に設けられる長方形状の粘着シール41と本体端部裏面側に設けられるシール受け部42とから構成される固定部40を有する。
本体10は、扁平な長方形状を有する不織布からなり、吸水体30が設けられる部分の一方の縁部が円弧状に突出することにより幅広部11を形成する。また、本体10の吸水体30が設けられる部分の裏面側全面に渡って、合成樹脂膜による防水加工が施されており、吸水体30が吸水する尿が裏面側に到達しないようになっている。
ギャザー20は、本体20の2箇所において、幅方向に渡って長手方向に複数のゴム紐を通し固定することで当該箇所が皺になって縮まるように形成されたものである。これによりギャザー20部分は、本体長手方向に引っ張ると伸び、力を緩めると縮むこととなる。
吸水体30は、不織布シートを薄い袋状に形成し、内部に吸水性高分子ポ リマー粒を封入したものであり、本体20に接着固定される広い面積を有する第一吸収体32と、第一吸収体32の上面に重ねて接着固定される第二吸収体31とから構成される。第一吸収体32が装着される位置は、装着する雄犬の泌尿器近傍に位置することが想定される部分である。
固定部40を構成する粘着シール41は、装着前には剥離紙が粘着面に貼り付けられることで粘着しない状態で運搬保存でき、使用の際には、剥離紙を剥がして粘着面を表出することにより使用する。粘着シール41に粘着面は、シール受け部42に対して、複数回貼り直しができるものが採用される。また、シール受け部42は滑らかな表面を有するように加工された紙により形成され、粘着シール41に対して、本体10長手方向の幅を広く取ることで、粘着シール41を貼り付ける位置を本体10長手方向に調整できるようになっている。これにより、犬の胴周りの長さに応じて、適宜、巻きつける本体10の長さを調整することができ、また、ギャザー20の胴回り方向の伸縮の効果と相まって、ぴったりと胴部に沿わせることができる。」

(3)本件訂正発明1について
ア 対比
本件訂正発明1(上記(1)を参照)と甲1発明(上記(2)アを参照)とを対比する。
(ア)甲1発明における構成a(「ペット用尿捕捉用品100の側縁同士を重ね合わせるようにして、ペットの尿道口を隠すようにして腹巻きのように胴部に巻いて、前記ペットの尿道口の部分とその近傍を覆うようにして取り付けられて、尿等の排泄物を処理するペット用尿捕捉用品100であって、前記ペット用尿捕捉用品100は、基体101と液体吸収性領域104とからなり、平面状態では略矩形形状を呈しており、」)と、本件訂正発明1における構成A(『ペットの胴体に巻付けて装着され、長手方向を巻付け方向として配置されるペット用おむつであって、』)とを比較する。
上記構成aの「ペット用尿捕捉用品100」は、尿を捕捉するものであるから、上記構成Aの『ペット用おむつ』に相当するところ、上記構成aの「ペット用尿捕捉用品100」が、「ペットの尿道口を隠すようにして腹巻きのように胴部に巻いて」「取り付け」られることは、上記構成Aの『ペット用おむつ』が、『ペットの胴体に巻付けて装着され』ることに相当し、
上記構成aの「ペット用尿捕捉用品100」は、「平面状態では略矩形形状を呈して」おり、その「側縁同士を重ね合わせるようにして」「ペットの尿道口を隠すようにして腹巻きのように胴部に巻」かれる際に、上記「略矩形形状」の『長手方向』が『巻き付け方向』となることは明らかであるから、上記構成aの「ペット用尿捕捉用品100」が、その「側縁同士を重ね合わせるようにして」「ペットの尿道口を隠すようにして腹巻きのように胴部に巻」かれることは、本件訂正発明1の『ペット用おむつ』が、『長手方向を巻付け方向として配置される』ことに相当する。
よって、甲1発明における構成aは、本件訂正発明1における構成Aに相当する。

(イ)甲1発明における構成b(「前記基体101は前記吸収体104aの一面側を覆うように配設された液透過性を有する不織布からなる帯状のトップシート102(身体側面のシート)と」)、本件訂正発明1における構成B(『通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、』)とを比較する。
上記構成bの「帯状のトップシート102(身体側面のシート)」は、「液透過性を有する」ことを踏まえると、上記構成Bにいう『透液性を有する帯状の表面シート』に相当する。また、上記構成bの「トップシート102」は、「液透過性を有する不織布」からなるところ、「液透過性を有する不織布」は、通常、『通気性』も有する。
よって、甲1発明における構成bは、本件訂正発明1における構成Bに相当する。

(ウ)甲1発明における構成c(「前記吸収体104aの他面側を覆うように配設され、前記トップシートに重なって接合された、液不透過性を有する帯状のバックシート103(反身体側面のシート)とから構成されており、」)と本件訂正発明1における構成C(『前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シートと、』)とを比較する。
上記構成cの「帯状のバックシート103」が「前記トップシートに重なって接合」されることは、上記構成Cの『帯状の裏面シート』が『前記表面シートに重ねた状態で接合され』ることに相当し、
上記構成cの「帯状のバックシート103(反身体側面のシート)」は、「液不透過性を有する」ことを踏まえると、上記構成Cにいう『不透液性を有する裏面シート』に相当する。
よって、甲1発明における構成cは、本件訂正発明1における構成Cに相当する。

(エ)甲1発明の構成d(「前記液体吸収性領域104は、前記トップシート102と前記バックシート103の間に配設される、尿等の液体を吸収するシート状の吸収体104aを備えており、」)と本件訂正発明1における構成D(『前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、』)を比較する。
上記構成dの「吸収体104a」が「尿等の液体を吸収する」ことは、上記構成Dの『吸収体』が『吸液性を有する』ことに相当し、
上記構成dの「シート状の吸収体104a」が「前記トップシート102と前記バックシート103の間に配設」されることは、上記構成Dの『吸収体』が『前記表面シートと裏面シートとの間に配設され』ることに相当する。
よって、甲1発明における構成dは、本件訂正発明1における構成Dに相当する。

(オ)甲1発明における構成e(「前記基体101のトップシート102側の面の長手方向側縁近傍には、該側縁に沿って、互いに一定距離を隔てて配設されて尿の横漏れを防ぐ襞状の防漏ギャザー106a,106bが設けられ、当該防漏ギャザー106a,106bは帯状をしており、その長手方向に沿って伸縮性を付与する弾性体107a,107bが内封されており、前記防漏ギャザー106a,106bの上端縁には、伸長した状態で弾性体107a,107bが配設されて、当該弾性体107a,107bが収縮することで防漏ギャザー106a,106bが立体状に立ち上げられるものであり、」)と本件訂正発明1における構成E(『前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片と、』)とを比較する。
上記構成eの「帯状をしている」「防漏ギャザー106a,106b」が、「前記基体101のトップシート102側の面の長手方向側縁近傍に」おいて「該側縁に沿って」「設けられ」ていることは、上記構成Eの『帯状のシート体』が『前記表面シートの長手方向に沿って延び』ていることに相当しており、
上記構成eの「防漏ギャザー106a,106b」は「立体状に立ち上」がる『帯状のシート体』であり、『起立』する『シート体』といえるから、上記構成Eの『起立片』に相当しているといえ、
上記構成eの「防漏ギャザー106a,106b」は、「前記基体101のトップシート102側の面」に設けられており、当該「面」上で「立体状に立ち上」がるものであるから、「前記基体101のトップシート102側の面」に接している部分、及び、「前記基体101のトップシート102側の面」から「立ち上」がる部分が存在しているといえるところ、上記「前記基体101のトップシート102側の面」は、上記構成Eの『前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面』に相当しているから、上記「前記基体101のトップシート102側の面」に接している部分、上記「前記基体101のトップシート102側の面」から「立ち上」がる部分は、それぞれ、上記構成Eの『前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部』及び『第1遊端部』に相当しているといえ、
上記構成eの「弾性体107a,107b」は、「防漏ギャザー106a,106bの上端縁」に「伸長した状態」で「内封」され、「収縮」するものであり、上記構成Eの『弾発的に伸縮可能な第1索条』に相当することを踏まえると、上記構成eの「弾性体107a,107b」が、「防漏ギャザー106a,106bの長手方向に沿って」「防漏ギャザー106a,106bの上端縁」に「伸長した状態」で「内封」されていることは、上記構成Eの『弾発的に伸縮可能な第1索条』が、『長手方向に』『緊張した状態』で『第1遊端部』に『内封』されていることに相当する。
したがって、甲1発明における構成eは、本件訂正発明1における構成Eに相当する。

(カ)甲1発明における構成g(「前記基体101のトップシート102側で、一方の側縁近傍には、ペット用尿捕捉用品100をペットの胴部に取り付けるためのメカニカル係止のフック部材からなる固定手段105が設けてあり、別の側縁近傍には、前記固定手段に対応し、不織布からなる被接着部を備え、」)と本件訂正発明1における構成G(『前記表面シートの長手方向一端部と前記裏面シートの長手方向他端部とを着脱可能に接合する接合部とを含み、』)とを比較する。
上記構成gの「メカニカル係止のフック部材からなる固定手段105」及び「前記固定手段に対応し、不織布からなる被接着部」は、上記構成Gの『接合部』に相当するところ、前者の「メカニカル係止のフック部材からなる固定手段105」は、「前記基体101のトップシート102側で、一方の側縁近傍」、すなわち、上記構成Gにいう『前記表面シートの長手方向一端部』に設けられるといえる。後者の「前記固定手段に対応し、不織布からなる被接着部」は、「別の側縁近傍」に設けられるところ、構成aのとおり、「ペット用尿捕捉用品100」の「側縁同士を重ね合わせるようにして」「腹巻きのように胴部に巻」(構成a)かれた状態で「固定手段105」が「不織布からなる被接着部」に係止することを踏まえると、上記構成gの「前記固定手段に対応し、不織布からなる被接着部」は、「基体101」の「バックシート103側」の「別の側縁近傍」、すなわち、上記構成Gにいう『前記裏面シートの長手方向他端部』に設けられているといえる。
したがって、上記構成gの「メカニカル係止のフック部材からなる固定手段105」、「前記固定手段に対応し、不織布からなる被接着部」は、それぞれ、『前記表面シートの長手方向一端部に形成される接合部』、『前記裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部』といえ、上記構成Gの『前記表面シートの長手方向一端部と前記裏面シートの長手方向他端部とを着脱可能に接合する接合部』に相当する。
よって、甲1発明における構成gは、本件訂正発明1における構成Gに相当する。

(キ)甲1発明における構成h(「前記固定手段105は、幅方向の長さが、基体101の幅方向の長さより小さく、液体吸収性領域104の幅方向の長さより小さい長方形であり、前記被接着部の面積を増やせば増やすほど、1サイズでの装着範囲を広げることができるものであり、」)と本件訂正発明1における構成H(『前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さい、』)とを比較する。
上記(カ)で述べたとおり、上記構成hの「前記固定手段105」及び「前記被接着部」は、それぞれ、上記構成Hの『前記表面シートの長手方向一端部に形成される接合部』、『前記裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部』に相当する。
上記構成hの「前記固定手段105」は、「被接着部の面積を増やせば増やすほど、1サイズでの装着範囲を広げることができるもの」であることから、構成hの「前記被接着部」の面積は、1サイズでの装着範囲を広げることができるように「前記固定手段105」の面積より大きくされていると解するのが自然であり、「前記固定手段105」の面積と「前記被接着部」の面積との関係は、上記構成Hの『当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さ』いことに相当する。
よって、甲1発明における構成hは、本件訂正発明1における構成Hに相当する。

上記(ア)ないし(キ)からみて、本件訂正発明1と甲1発明とは、次の一致点及び相違点を有するものと認められる。
(一致点)
A ペットの胴体に巻付けて装着され、長手方向を巻付け方向として配置さ
れるペット用おむつであって、
B 通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、
C 前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面
シートと、
D 前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体
と、
E 前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記
表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部
と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配
設される第1遊端部とを有する起立片と、
G 前記表面シートの長手方向一端部と前記裏面シートの長手方向他端部と
を着脱可能に接合する接合部とを含み、
H 前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面
シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部の
うち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さい、
ペット用おむつ。

<相違点1>
本件訂正発明1は、「前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片」(構成E)に加えて、「前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水性で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有するギャザー」(構成F)を有しているのに対して、
甲1発明は、上記「起立片」は有しているが、上記「ギャザー」を有していない点。
<相違点2>
本件訂正発明1では、「前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成される」のに対して、
甲1発明では、上記「伸縮部」及び「非伸縮部」が形成されるのか明らかでない点。

イ 相違点についての判断
相違点1について検討する。
甲1には、「前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片」(構成E)は記載されているものの、「前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水性で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有するギャザー」(構成F)を設けることは記載されていない。
甲2発明は、甲1発明と同様の犬の胴の周りに位置決め可能な犬用おむつにおいて、外側ライナに、第1のギャザー状領域を備えるとともに、当該第1のギャザー状領域内に第2のギャザー状領域を備えるようにして、より高い快適さ及び漏れに対する保護を提供するものであるが、当該ギャザー状領域の構成について、甲2には、複数のギャザー又はひだを含むことが記載されているにとどまり、構成Fに係るギャザーは記載されておらず、甲1発明に甲2発明を適用したとしても、構成Fに係るギャザーを得ることができない。
また、甲3には、犬の尿漏れ防止ベルトにおいて、胸部側の縁部と、後足側の縁部に、立体ギャザー16及び20に加え、他の立体ギャザー17及び21を設けることが記載されているが、更に設ける他の立体ギャザー17及び21をほぼ全長にわたって設けるもので、構成Fのように「長手方向の中央部」に設けるものではない。甲4は、犬のオムツベルトに関するが、ギャザーに係る事項を開示するものではない。甲5には、雄犬用おむつにおいて、ギャザーを本体の2箇所において複数のゴム紐を通し固定することで当該箇所が皺になって縮まるようにすることが記載されているが、ギャザーは、幅方向に設けるもので構成Fのように「長手方向の中央部」に設けるものではないし、「索条」が「内封して配設される」「遊端部」を有するものではない。
したがって、甲1ないし甲5には、構成Eに係る起立片に加えて構成Fに係るギャザーを有するようにすることは記載されていないし、構成Fに係るギャザーも記載されていないから、相違点1に係る本件訂正発明1の構成を当業者が容易に想到し得たものということはできない。
そうである以上、相違点2について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲1ないし甲5に記載された発明又は技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

以上のとおりであるから、本件訂正発明1が、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明又は技術的事項に基づいて、当業者が本件特許の優先日において容易に発明をすることができたものではなく、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものには該当しないし、その他に本件訂正発明1が特許出願の際独立して特許を受けることができないと認めるに足りる事情は見いだせない。

(4)本件訂正発明2について
本件訂正発明2は、本件訂正発明1に記載の「ペット用おむつ」に係る製造方法の発明であるから、本件訂正発明1に記載の「ペット用おむつ」が、上記(3)で述べたとおり、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明又は技術的事項に基づいて、当業者が本件特許の優先日において容易に発明をすることができたものではない以上、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものには該当しないし、その他に本件訂正発明2が特許出願の際独立して特許を受けることができないと認めるに足りる事情は見いだせない。

(5)まとめ
したがって、本件訂正発明1及び2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法126条項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とし、かつ、特許法126条5項ないし7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ペット用おむつ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、愛玩動物であるペットを屋内で飼育する人が増加している。ペットはその習性として排尿行為を単に生理現象として行うだけでなく、自らの縄張りを主張するためのマーキングとして行う場合もあるので、ペットを屋内で飼育する場合、部屋の壁面や家具などに排尿がなされ、屋内が汚損されるという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するための従来技術として、たとえば特許文献1には、ペットの臀部を覆うように装着することができるペット用おむつに関する技術が開示されている。特許文献1に記載のペット用おむつは、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に内包され、トップシートを透過した液体を吸収する吸収体とを有するおむつ本体と、おむつ本体に取り付けられた止着テープと、装着時に排泄器官の尿道口の向く方向(排泄方向前方)とほぼ平行となるようにおむつ本体に設けられた立体ギャザーとからなる。また、同様の技術は特許文献2にも開示されている。
【0004】
このような従来技術のペット用おむつを装着したペットが、たとえば雄犬の場合、尿道口から勢いよく尿が排泄されると、ペット用おむつの排泄方向前方から尿が漏れ出しやすい。特に、特許文献1および2に記載の従来技術では、装着時において尿道口の向く方向とほぼ平行に立体ギャザーが設けられているので、後足の付け根部分から両側への尿の漏れ出しは防ぐことができるものの、尿道口が向く方向からの尿の漏れ出しは確実に防ぐことができない。また、長時間の着用によって装着位置がずれた場合には、排泄方向前方からの尿の漏れ出しが生じ易く、排泄方向前方からの尿の漏れ出しを確実に防ぐことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-159591号公報
【特許文献2】実用新案登録第3031321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、排尿が排泄方向前方から外部に漏れ出すことを確実に防ぐことのできるペット用おむつを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
ペットの胴体に巻付けて装着され、長手方向を巻付け方向として配置されるペット用おむつであって、
通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、
前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シートと、
前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、
前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片と、
前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水性で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有するギャザーと、
前記表面シートの長手方向一端部と前記裏面シートの長手方向他端部とを着脱可能に接合する接合部とを含み、
前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく、
前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成されることを特徴とするペット用おむつである。
【0009】
また本発明は、
請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、
前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態の型抜き前シート体を所望の形状に型抜きする工程を含むことを特徴とするペット用おむつの製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、起立片は、表面シートの長手方向に沿って延び、表面シートの裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な遊端部とを有する。したがって、たとえば索条が緊張された状態で内封されることによって、遊端部が弾発的に伸縮可能である場合などには、ペット用おむつをペットに装着すると、索条の収縮力によって遊端部が基端部よりも収縮する。このことから、起立片が、ペットの排泄器官を排泄方向前方、すなわちペットの頭部側から覆うように起立する。
【0011】
このような起立片が、表面シートの裏面シートに臨む面とは反対側の面に、表面シートの長手方向に沿って延びて設けられるので、ペットが雄犬である場合に、雄犬の排泄器官の尿道口から排尿がなされても、排出された尿を起立片によってせき止めることができる。したがって、排尿が排泄方向前方から外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0012】
また、起立片によってせき止められた排尿は、吸収体が配設される領域に導かれ、表面シートを透過して吸収体に吸収されるので、排尿を確実に吸収体に吸収させることができる。
【0013】
また本発明によれば、両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく形成されるので、ペット用おむつを装着した場合における、接合部にかかる引っ張り力を狭い面積に集中して作用させることができ、ペット用おむつの中央部分が自然と凹部となるようにすることができる。また、長手方向に伸縮可能な伸縮部が長手方向中央部に形成され、伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成されるので、ペット用おむつの装着時に、ペット用おむつの中央部分が自然と凹部となるようにすることができる。
【0014】
このように、装着時にペット用おむつの中央部分を自然と凹部とすることができるので、たとえば、吸収体が前記中央部分に設けられている場合には、尿道口から排泄された排尿を自然と吸収体に導くことができる。したがって、吸収体に排尿を確実に吸収させることができる。また、吸収体が設けられている領域が凹部、すなわちお椀状となっているので、吸収体が設けられる領域が体に接触する面積を小さくすることができ、ペットが排尿を行った場合に不所望にペットの毛が濡れることを防止することができる。
【0015】
また本発明によれば、表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態のシート体を所望の形状に型抜きする工程を含むので、容易に所望の形状のペット用おむつを製造することができる。
【0016】
また、ギャザーが形成された状態で型抜きを行うので、ギャザーを形成するゴムなどの索条も同時に切断することができ、型抜きを行ってからギャザーを形成する場合よりも製造を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態であるペット用おむつ1の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるペット用おむつ1の背面図である。
【図3】装着状態におけるペット用おむつ1の一部を模式的に示す断面図である。
【図4】ペット用おむつ1の両端部を立上げた状態の斜視図である。
【図5】接合部7aとして、2つの面状ファスナを形成したペット用おむつ1を示す展開図である。
【図6】ペット用おむつ1をペット9に装着した状態を示す図である。
【図7】表1における胴回りと腰まわりとを説明するための図である。
【図8】図9に示すペット用おむつを模式的に示す図である。
【図9】ペット用おむつをコーン型に巻きつけた場合の図である。
【図10】本発明の他の実施形態であるペット用おむつ1Aの正面図である。
【図11】本発明の他の実施形態であるペット用おむつ1Aの背面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Bの正面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Bの背面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Cの正面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Cの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態であるペット用おむつ1の正面図である。図2は、本発明の一実施形態であるペット用おむつ1の背面図である。図3は、装着状態におけるペット用おむつ1の一部を模式的に示す断面図である。図4は、ペット用おむつ1の両端部を立上げた状態の斜視図である。
【0019】
ペット用おむつ1は、帯状であって、犬などのペットを屋内で飼育する際に、その長手方向を巻付け方向として、ペットの胴体に巻付けた状態で装着し、使用される。
【0020】
ペット用おむつ1は、通気性および透液性を有する帯状の表面シート2と、表面シート2に重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に配設され、吸液性を有する吸収体4と、表面シート2の長手方向に沿って延び、表面シート2の裏面シート3に臨む面2aとは反対側の面2bに接合される基端部6aと、弾発的に伸縮可能な遊端部6bとを有する起立片6と、表面シート2の長手方向一端部20と裏面シート3の長手方向他端部31とを着脱可能に接合する接合部7とを含む。
【0021】
表面シート2と裏面シート3とは、表面シート2の長手方向一端部20の端縁と裏面シート3の長手方向一端部30の端縁とが重なり、かつ表面シート2の長手方向他端部21の端縁と裏面シート3の長手方向他端部31の端縁とが重なるように接合されており、1枚のシート体となるように形成されている。
【0022】
表面シート2は、通気性および透液性を有するシートであればよく、たとえば合成繊維および再生繊維から成る繊維シートまたは繊維ウェッブの繊維同士を物理的に交絡させて形成される不織布などを用いることができる。本実施の形態では、不織布を用いて形成される。表面シート2は、通気性および透液性を有するシートであるので、表面シート2側から、排尿を吸収体4に導くことができる。
【0023】
本実施形態において、表面シート2は、帯状のシート体である。より詳細には、本実施形態において表面シート2は、長手方向における両端部に向かうにつれて、幅方向の寸法が短くなるように形成され、その長手方向の寸法L1が43cm、幅方向の最も長い部分の寸法L2が17.2cm、幅方向の最も短い部分の寸法L3が7cmである。また表面シート2の長手方向両端縁は、幅方向と平行な一直線に形成される。表面シート2の幅方向は、長手方向に垂直な一方向であり、厚み方向は、長手方向および幅方向に垂直な方向である。
【0024】
表面シート2の寸法L1?L3は、上記数値に限られることはなく、ペット用おむつ1を装着するペットのサイズに合わせて適宜変更されるが、その寸法比はほぼ一定であり、長手方向の寸法、幅方向の最も長い部分の寸法、幅方向の最も短い部分の寸法の比が、だいたい6:2.5:1となるように形成される。
【0025】
裏面シート3は、不透液性で可撓性を有するシートなどを用いて形成することができ、本実施の形態では、たとえばポリエチレン製のシートが用いられる。また裏面シート3には、不透液性および可撓性に加えて透湿性を有するシートを用いてもよい。このような透湿性をも有するシートを用いることによって、装着時においてペット用おむつ1とペットとの間の湿度の上昇を防ぐことができ、蒸れることによるペットの不快感を低減することができる。
【0026】
本実施形態において、裏面シート3は、表面シート2と同一の形状および寸法に形成され、表面シート2の厚み方向に積層されて、表面シート2と接合される。より詳細には、裏面シート3は、後述する吸収体4が介在して配設される部分以外の、裏面シート3の表面シート2および吸収体4に臨む面3aのほぼ全面において、表面シート2の裏面シート3および吸収体4に臨む面2aと接合される。表面シート2と裏面シート3とが接合された状態において、裏面シート3の長手方向、幅方向および厚み方向は、表面シート2の長手方向、幅方向および厚み方向と一致する。
【0027】
表面シート2と裏面シート3との接合には、あらゆる公知の方法を用いることができるが、本実施形態では、工業用のりであるたとえばホットメルト接着剤を用いて加圧・加熱することにより、両シート2,3は接合されている。前記工業用のりとしては、モレスコ社製のTN-269(商品名)、TN-255(商品名)、TN-288(商品名)などを用いることができる。
【0028】
吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に配設され、矩形状で吸液性を有し、吸収した液体を保持する機能を有する。吸収体4は、表面シート2および裏面シート3の長手方向および幅方向における略中央部に配設される。
【0029】
吸収体4のサイズや吸収能力などは、ペット用おむつが用いられるペットのサイズや種類によって適宜決定されるが、生理現象およびマーキングによるペットの複数回の排尿を十分に吸収し、保持することができるサイズおよび吸収能力であればよい。
【0030】
吸収体4としては、公知のあらゆる吸水性材料を用いることができる。本実施形態では、吸収体4は、フラッフ状繊維、吸水性ポリマおよび消臭剤を含む。フラッフ状繊維は、たとえばパルプを1mm以上10mm以下の長さに切断した親水性繊維を撹拌して綿状にした綿状パルプを用いることができる。吸収体4は、フラッフ状繊維で形成されるので、吸収体4は繊維間に多数の空隙を有する。したがって、液体を面方向および厚み方向に効率よく移動させて吸収することができる。
【0031】
吸水性ポリマは、自重の約10倍以上300倍以下の水分を吸収してゲル状に凝固する高分子吸収体であり、吸水性ポリマとしては、たとえば抗菌性を有する吸水性ポリマや荷重下通液性を有する吸水性ポリマ等を用いることができる。前記抗菌性を有する吸水性ポリマの例としては商品名サンフレッシュST-900E(サンダイヤポリマー株式会社製)を挙げることができ、荷重下通液性を有する吸水性ポリマとしては、商品名サンウェットIM-930(サンダイヤポリマー株式会社製)を挙げることができる。本実施形態では、吸水性ポリマとして、アクリル酸ナトリウム塩およびアクリル酸カリウム塩などの吸水性ポリマに、抗菌剤を電気的に重合させて付着させた抗菌性を有する高機能吸水性ポリマを用いている。このように吸水性ポリマが抗菌性をも有することで、吸収体4における菌の繁殖を抑えることができる。
【0032】
また、本実施形態では、吸水性ポリマは、吸収体4内に均等に分散されている。このように構成されることによって、ペットの排尿が表面シート2上のいずれの部分から滴下された場合であっても、効率よく排尿を吸収し保持することができる。また、消臭剤を吸収体4内に均等に分散することで、アンモニア臭などの人にとって不快な臭いが外部に漏れ出すのを防ぐことができる。
【0033】
本実施形態において吸収体4は、長手方向の寸法L4が12.5cm、幅方向の寸法L5が9.5cm、厚み方向の寸法L6が1.0cmである。吸収体4の長手方向、幅方向および厚み方向は、ペット用おむつ1、表面シート2および裏面シート3の長手方向、幅方向および厚み方向と一致する。吸収体4の寸法L4?L6は、上記数値に限られず、ペット用おむつが用いられるペットのサイズや種類によって適宜決定され、前述のように生理現象およびマーキングによるペットの複数回の排尿を十分に吸収し、保持することができるサイズおよび吸収能力であればよい。本実施形態では、吸収体4は、約175ccを吸収し保持することができる。
【0034】
起立片6は、表面シート2の2つの主面(厚み方向における面)のうち、吸収体4と接触しない面2b、すなわち裏面シート3に臨み、吸収体4と接触する面2aとは厚み方向反対側の面2b上の、表面シート2の幅方向一側部22寄りの部位に表面シート2の長手方向に沿って設けられる帯状のシート体である。
【0035】
起立片6は、その幅方向一端部が表面シート2の面2bに接合される基端部6aとして形成され、幅方向他端部が遊端部6bとして形成される。起立片6における長手方向および幅方向は、ペット用おむつ1を水平面上に展開して載置した場合において、表面シート2の長手方向および幅方向と一致する。
【0036】
本実施形態において起立片6は、裏面シート3と同様に不透水性および可撓性を有するシートなどを用いて形成することができ、本実施の形態では、スパンボンド法およびメルトブロー法で製造したポリプロピレン製の複数の不織布を、スパンボンド法で製造した不織布、メルトブロー法で製造した不織布、メルトブロー法で製造した不織布、スパンボンド法で製造した不織布の順で積層させ、防水加工を施した不織布によって形成されている。起立片6は、いわゆる立体ギャザーである。
【0037】
起立片6の遊端部6bには、弾発的に伸縮可能な索条5が表面シート2および裏面シート3に対して長手方向に緊張、すなわち伸長された状態で内封して配設されており、遊端部6bは、弾発的に伸縮可能である。したがって、ペット用おむつ1の装着時には、索条5の収縮力によって遊端部6bが基端部6aよりも収縮し、図3および図4に示すように、起立片6が立体的に立ち上げられる。
【0038】
このように、起立片6が立体的に立ち上がることによって、たとえばペット用おむつ1を、雄犬に装着する場合には、起立片6を排泄器官を排泄方向前方から覆うように起立させ、起立片6と表面シート2との間に雄犬の陰部を挟みこむように装着することができる。したがって、起立片6によって、排泄器官の尿道口が覆われるので、尿道口から排尿を行った場合には、起立片6によって排尿がせき止められ、尿道口の向く方向から排尿が漏れ出すのを防ぐことができる。
【0039】
また、起立片6によって、せき止められた排尿は、起立片6に沿って吸収体4に導かれることになるので、排尿を吸収体4に確実に吸収させることができる。
【0040】
索条5は、弾発的に伸縮可能なものであれば、公知のあらゆる素材を用いることができ、本実施形態では細いゴム紐が用いられる。
【0041】
接合部7は、表面シート2の面2bの長手方向一端部20に設けられる接合部7aと、裏面シート3の吸収体4と当接する面3aとは厚み方向反対側の面3bの長手方向他端部31に設けられる接合部7bとからなり、表面シート2の長手方向一端部20と裏面シート3の長手方向他端部31とを着脱可能に接合する。両接合部7a,7bを接合することによって、表面シート2の長手方向一端部20と裏面シート3の長手方向他端部31とが接合され、ペット用おむつ1をループ状にすることができる。
【0042】
両接合部7a,7bは、互いに接合することができるものであればよく、本実施形態では、面状ファスナである。両接合部7a,7bの大きさや形状などは、互いに接合することができるものであれば、特に限定はされないが、本実施形態では、接合部7bの長手方向の寸法L7は、接合部7aの長手方向の寸法L8よりも大きく、接合部7bの幅方向の寸法L10は、接合部7aの幅方向の寸法L9よりも大きく形成される。
【0043】
より詳細には、接合部7aは、一辺が2?3cmの正方形状に形成され、接合部7bは、長方形状に形成され、接合部7bの長手方向および幅方向の寸法L7,L10は、接合部7aの一辺の寸法L8,L9よりも大きく形成される。すなわち、接合部7aは、接合部7bと比較してその面積が小さくなるように形成される。
【0044】
図5は、接合部7aとして、2つの面状ファスナを形成したペット用おむつ1を示す展開図であり、図5(a)は、各面状ファスナに均等に引っ張り力が作用した状態を示し、図5(b)は、各面状ファスナに均等に引っ張り力が作用していない状態を示す。接合部7aの面状ファスナは、2つ以上でもよいが、2つ以上の場合には、2点で接合部7bと接合されることになるので、各面状ファスナに均等に引っ張り力を作用させることは難しく、図5(b)に示すように、通常は、面状ファスナ同士に作用する引っ張り力に差が生じ、ペット用おむつを装着した場合に、ゆがみが生じることになる。
【0045】
したがって、本実施形態では、接合部7aは、1つの面状ファスナによって形成される。このように、1つの面状ファスナによって形成されることで、ペット用おむつ1を装着した場合に、ゆがみが生じることを防ぐことができ、きれいに装着することができる。
【0046】
このように、接合部7bの各寸法L7,L10が接合部7aの各寸法L8,L9よりも大きいことによって、装着対象のペットの胴回りが多少異なる場合であっても、接合部7bに接合部7aを接合させてペット用おむつ1をペットの胴部に最適な締付け強さで装着することができ、ペット用おむつ1の汎用性を高めることができる。
【0047】
また、接合部7aは、正方形状に形成され、接合部7bの長手方向および幅方向の寸法L7,L10は、接合部7aの各辺の寸法L8,L9よりも大きく形成されているので、ペット用おむつ1を装着した場合における、接合部7にかかる引張り力を狭い面積に集中して作用させることができる。
【0048】
また、接合部7aの一辺が長い場合には、接合部7にかかる引っ張り力の差が部分によって生じてしまい、ペット用おむつ1を装着した場合に、ゆがみが生じ、きれいに装着することができない。しかし、本実施形態では、接合部7aの一辺の寸法が2?3cmと短く形成されているので、前述のように接合部7にかかる引張り力を狭い面積に集中して作用させることができるとともに、接合部7全体に均等に引張り力を作用させることができる。したがって、ペット用おむつ1を装着した場合に、ゆがみが生じず、きれいに装着することができる。
【0049】
ペット用おむつ1には、幅方向一端部および幅方向他端部であって、長手方向中央部にギャザー8が形成される。ギャザー8は、長手方向に沿うように形成される。ギャザー8は、前述の起立片6と同様の構成であって、不透水性で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な索条が、緊張した状態で内封して配設されており、当該索条が収縮する際の収縮力によって、シートが収縮し、ギャザー8が形成されている。
【0050】
ギャザー8は、ペット用おむつ1の長手方向中央部、より詳細には、ペット用おむつ1の長手方向一端縁から長手方向寸法の3分の1の領域とペット用おむつ1の長手方向他端縁から長手方向寸法の3分の1の領域との間に形成される。すなわち、ギャザー8は、ペット用おむつ1の長手方向中央部であって、ペット用おむつ1の長手方向寸法の3分の1の領域にのみ形成される。このように本実施形態のペット用おむつ1には、ギャザー8が形成された長手方向に伸縮可能な伸縮部と、伸縮部の長手方向両側に索条が内封されておらず伸縮しない非伸縮部とが形成される。
【0051】
本実施形態ではシートが、熱風不織布(RNP社製、商品名:DE-20)によって形成され、索条が細いゴム紐によって形成されている。
【0052】
図6は、ペット用おむつ1をペット9に装着した状態を示す図である。図6に示すように、ペット用おむつ1は、表面シート2をペット9に対向させた状態で、長手方向がペット9の胴回りおよび腰まわりに沿うようにペット9の胴体に巻きつけ、接合部7a,7bを重ね合わせて接合することによってペット9の胴体に固定されて装着される。装着時において、ペット用おむつ1の巻き付け方向は、ペット9の胴回りに沿う方向と一致する。
【0053】
また、ペット用おむつ1は、幅方向両端部のうち、起立片6が形成される側の端部が、ペット9の頭部側に向き、起立片6が形成されない側の端部が、ペット9の臀部側に向くようにし、さらに起立片6が、ペット9の陰部よりも頭部側に位置するように配置されて装着される。
【0054】
ペット9に装着された状態においてペット用おむつ1は、表面シート2の面2bがペット9に当接し、表面シート2のうちその下部に吸収体4が配設される領域が、ペット9の陰部を含む腹部に接触するように使用される。
【0055】
また、ペット9に装着された状態では、起立片6も表面シート2および裏面シート3とともにペット9の胴回りに沿うように湾曲して巻きつけられるので、起立片6の遊端部6bに内封された索条5が収縮する。したがって、図3に示すように起立片6が立体的に立ち上がった状態となる。
【0056】
このように、起立片6が立体的に立ち上がることによって、たとえばペット用おむつ1を、雄犬に装着する場合には、起立片6をペットの排泄器官を排泄方向前方から覆うように起立させ、起立片6と表面シート2との間に雄犬の陰部を挟みこむように装着することができる。
【0057】
また、起立片6が立ち上がる際には、索条5の収縮にともない起立片6が胴部に沿って弧状に湾曲するので、湾曲部分がペット9の陰部に引掛かることによって、ペット9が動いた場合であっても、ペット用おむつ1を位置ずれしにくくすることができる。
【0058】
また、ペット用おむつ1の幅方向一端部および幅方向他端部であって、長手方向中央部には、長手方向に沿うようにギャザー8が形成され、長手方向に伸縮可能な伸縮部が形成されている。また、伸縮部の長手方向両側には、ギャザー8が形成されず、伸縮しない非伸縮部が形成されている。このように伸縮部と非伸縮部とが形成されているので、装着時にペット用おむつ1の中央部分、すなわち吸収体4が設けられている領域が自然と凹部となり、吸収体4が保持しやすい形状となっている。
【0059】
また、前述のように、ペット用おむつ1を装着した場合における、接合部7にかかる引っ張り力を狭い面積に集中して作用させることができるので、ギャザー8のみが形成される場合よりも、装着時にペット用おむつ1の中央部分、すなわち吸収体4が設けられている領域が、より自然と凹部となるようにすることができる。
【0060】
このように、吸収体4が設けられている領域が凹部、すなわちお椀状となるので、装着時にペットの排泄器官を包み込むように、ペット用おむつ1を装着させることができ、尿道口から排泄された排尿を自然と吸収体4に導くことができる。したがって、吸収体4に排尿を確実に吸収させることができる。また、吸収体4が設けられている領域がペットの腹部に対して離反する方向に凸に湾曲した、いわばお椀状となるので、吸収体4が設けられる領域が体に接触する面積を小さくすることができ、ペットが排尿を行った場合に、不所望にペットの毛が排泄した尿に付着して濡れることを防止することができる。
【0061】
下記の表1は、複数の犬について、犬の種類(犬種)と、その年齢、体重、サイズ、胴まわりの寸法、腰まわりの寸法をまとめた表である。図7は、表1における胴まわりと腰まわりとを説明するための図である。
【0062】
表1に示す、胴まわりの寸法は、図7に記載のように、犬の首の付け根部分Xから後足の付け根部分Yまでの距離において、後足の付け根部分Yから首の付け根部分Xに向かって、前記距離X-Yの3分の1だけ移動した部分における胴まわりの寸法である。また、表1に示す腰まわりの寸法とは、図7に記載のように、後足の付け根部分Yにおける腰まわりの寸法である。図7において、Z1、Z2、Z3の距離は等しく、X-Y間の距離を3等分した距離である。
【0063】
【表1】

【0064】
表1に示すように、犬種、年齢、体重およびサイズの異なる全ての犬において、胴まわりの寸法と腰まわりの寸法とは一致することがなく、どちらか一方の寸法が他方の寸法よりも大きい。したがって、ペット用おむつ1の装着時において、ペット用おむつ1を尻尾側から頭部側にかけて径が大きくなる、または頭部側から尻尾側にかけて径が大きくなるコーン型に容易に巻きつけることができる。なお、胴まわりの寸法と腰まわりの寸法が同一である場合であっても、コーン型に巻きつけることは当然可能である。
【0065】
図8は、図9に示すペット用おむつを模式的に示す図であり、図8(a)は、図9(a)に示すペット用オムツ100を示し、図8(b)は、図9(b)に示すペット用おむつ1を示す。図9は、ペット用おむつをコーン型に巻きつけた場合の図であり、図9(a)は、矩形状のペット用おむつ100を犬にコーン型に巻きつけた状態を示し、図9(b)は、本実施形態のペット用おむつ1を犬にコーン型に巻きつけた状態を示す図である。
【0066】
図9(a)に示すように、矩形状のペット用おむつをコーン型に巻きつけた場合には、その角部が突出してしまい、きれいに巻きつけることができない。これに対して、本実施形態のペット用おむつ1は、長手方向における両端部に向かうにつれて、幅方向の寸法が短くなるように形成されているので、図9(b)に示すように、本実施形態のペット用おむつ1をコーン型に巻きつけた場合に、角部が突出してしまうことがなく、きれいに巻きつけることができる。
【0067】
また、接合部7bの長手方向の寸法L7は、接合部7aの長手方向の寸法L8よりも大きく、接合部7bの幅方向の寸法L10は、接合部7aの幅方向の寸法L9よりも大きく形成されており、接合部7aを接合部7bの中央部付近に配置しなくても接合することができるので、装着時においてペット用おむつ1を尻尾側から頭部側にかけて径が大きくなる、いわゆるコーン型に巻きつけることができる。
【0068】
たとえば、一般には、犬の胴体は、腹部側がもっとも大きく、臀部に向かうにつれて細くなるので、前述のようにコーン型に巻きつけ可能なことによって、犬の体型に合わせた状態でペット用おむつ1を装着することができ、排尿の漏れ出しをより効果的に防止することができる。
【0069】
このようなペット用おむつ1は、表面シート2に起立片6を貼着する工程と、裏面シート3に接合部7bを形成する工程と、起立片6が貼着された表面シート2と吸収体4と接合部7bが形成された裏面シート3とを積層して貼り合わせるとともにギャザー8を形成する工程と、両シート2,3および吸収体4が積層されたシート体の型を抜く工程と、型抜きされたシート体を個々のペット用おむつ1に切断する工程とを経て製造される。
【0070】
本実施形態における、シート体の型を抜く工程では、ペット用おむつ1がその長手方向における両端部に向かうにつれて、幅方向の寸法が短くなり、長手方向両端縁が、幅方向と平行な一直線となる形状に型抜きが行われる。
【0071】
また、表面シート2に起立片6を貼着する方法、裏面シート3に接合部7bを形成する方法、起立片6が貼着された表面シート2と吸収体4と接合部7bが形成された裏面シート3を積層して貼り合わせるとともにギャザー8を形成する方法、両シート2,3および吸収体4が積層されたシート体の型を抜く方法と、型抜きされたシート体を個々のペット用おむつ1に切断する方法の各方法には、公知のあらゆる方法を用いることができる。
【0072】
このように、両シート2,3および吸収体4が積層され、起立片6およびギャザー8が形成された状態で、所望の形状に型抜きを行うので、容易に所望の形状のペット用おむつ1を製造することができる。また、ギャザーが形成された状態で型抜きを行うので、ギャザーを形成するゴム紐などの索条も同時に切断することができ、型抜きを行ってからギャザーを形成する場合よりも製造を容易にすることができる。
【0073】
また、このように両シート2,3および吸収体4が積層され、起立片6およびギャザー8が形成された状態で、所望の形状に型抜きを行うので、前述のようにペット用おむつ1の長手方向一端縁から長手方向寸法L1の3分の1の領域とペット用おむつ1の長手方向他端縁から長手方向寸法L1の3分の1の領域とを索条が内封されず(ギャザー8が形成されず)、伸縮しない非伸縮部として形成し、ペット用おむつ1の長手方向中央部であって、前記両領域の間の領域を伸縮部として形成することが容易に可能である。
【0074】
図10は、本発明の他の実施形態であるペット用おむつ1Aの正面図である。図11は、本発明の他の実施形態であるペット用おむつ1Aの背面図である。ペット用おむつ1Aは、ペット用おむつ1と略同一に構成されるので、対応する部分については、それぞれ同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。ペット用おむつ1Aは、表面シート2Aおよび裏面シート3Aの形状が、前述の実施形態のペット用おむつ1の表面シート2および裏面シート3の形状と相違する。
【0075】
表面シート2Aおよび裏面シート3Aは、その長手方向両端縁が、幅方向と平行な一直線に形成されるのではなく、弧状に形成される。このような形状であっても、前述のペット用おむつ1と同様の効果を奏することができる。
【0076】
図12は、本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Bの正面図である。図13は、本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Bの背面図である。
ペット用おむつ1Bは、ペット用おむつ1と略同一に構成されるので、対応する部分については、それぞれ同一の参照符を付して重複する説明は省略する。ペット用おむつ1Bは、起立片6Bが、前述の実施形態のペット用おむつ1の起立片6と相違する。
【0077】
本実施形態のペット用おむつ1Bでは、起立片6Bが表面シート2の2つの主面(厚み方向における面)のうち、吸収体4と接触しない面2b、すなわち裏面シート3に臨み、吸収体4と接触する面2aとは厚み方向反対側の面2b上の、表面シート2の幅方向一側部22寄りの部位および幅方向他側部23寄りの部位に、表面シート2の長手方向に沿って設けられる。
【0078】
このように、起立片6Bが表面シート2の幅方向一側部22寄りの部位および幅方向他側部23寄りの部位にそれぞれ設けられるので、表面シート2の幅方向一側部22または幅方向他側部23のいずれの側部をペットの頭部側に位置するように装着しても、頭部側に配置される一方の起立片6Bと表面シート2との間に雄犬の陰部を挟みこむように装着することができる。
【0079】
したがって、いずれの向きであっても装着することができるので、ペットに装着する際に、ペット用おむつ1Bの装着向きを確認する必要がなくなり、ペットへの装着をより容易に行うことができる。
【0080】
図14は、本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Cの正面図である。図15は、本発明のさらに他の実施形態であるペット用おむつ1Cの背面図である。
【0081】
ペット用おむつ1Cは、ペット用おむつ1Bと略同一に構成されるので、対応する部分については、それぞれ同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。ペット用おむつ1Cは、表面シート2Cおよび裏面シート3Cの形状が、前述の実施形態のペット用おむつ1Bの表面シート2および裏面シート3の形状と相違する。
【0082】
本実施形態のペット用おむつ1Cでは、表面シート2Cおよび裏面シート3Cは、その長手方向両端縁が、幅方向と平行な一直線に形成されるのではなく、弧状に形成される。このような形状であっても、前述のペット用おむつ1Bと同様の効果を奏することができる。
【0083】
前記ペット用おむつ1,1A,1B,1Cの使用例として、ペット用のおむつについて説明を行ったが、使用例はペット用のおむつに限られず、たとえば愛玩動物や人の創傷部位を覆い、保護する被覆材としても使用可能である。創傷部位としては、たとえば踵や肘などが挙げられる。
【0084】
創傷部位に用いられる場合には、創傷部位に医療用パッドをあて、当該パッドを医療用フィルムで固定し、その上にペット用オムツ1,1A,1B,1Cを固定して使用する。このように固定されることによって、創傷部位の調湿を行うことができるとともに、当該部位に対する衝撃を緩衝することができる。
【0085】
また、吸収体4が創傷部位を覆う位置で固定して使用することによって、医療用パッドおよび医療用フィルムから漏れ出した体液や当該部位に塗布した薬品などの液体を、吸収体4によって吸収することができるので、当該液体による室内の床面などの汚損を防ぐことができる。
【0086】
また、創傷部位を動かすことによって、医療用パッドや吸収体4などの位置が創傷部位から多少ずれた場合であっても、起立片6,6Bによって、外部への体液などの液体の漏れ出しを防ぐとともに、吸収体4に体液などの液体を導くことができる。したがって、創傷部位を動かす場合であっても、動かさない場合と同様に体液などの液体による室内の床面などの汚損を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0087】
1 ペット用おむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 索条
6 起立片
7 接合部
8 ギャザー
9 ペット
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの胴体に巻付けて装着され、長手方向を巻付け方向として配置されるペット用おむつであって、
通気性および透液性を有する帯状の表面シートと、
前記表面シートに重ねた状態で接合され、不透液性を有する帯状の裏面シートと、
前記表面シートと裏面シートとの間に配設され、吸液性を有する吸収体と、
前記表面シートの長手方向に沿って延びる帯状のシート体であり、前記表面シートの前記裏面シートに臨む面とは反対側の面に接合される基端部と、弾発的に伸縮可能な第1索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第1遊端部とを有する起立片と、
前記長手方向に垂直な幅方向の一端部および他端部であって、前記長手方向の中央部に、前記長手方向に沿って設けられ、不透水性で可撓性を有するシートに弾発的に伸縮可能な第2索条が長手方向に緊張した状態で内封して配設される第2遊端部を有するギャザーと、
前記表面シートの長手方向一端部と前記裏面シートの長手方向他端部とを着脱可能に接合する接合部とを含み、
前記接合部は、表面シートの長手方向一端部に形成される接合部と裏面シートの長手方向他端部に形成される接合部とからなり、当該両接合部のうち一方の接合部は、他方の接合部よりも面積が小さく、
前記長手方向に伸縮可能な伸縮部が前記長手方向中央部に形成され、前記伸縮部の前記長手方向両側に非伸縮部が形成されることを特徴とするペット用おむつ。
【請求項2】
請求項1記載のペット用おむつを製造するための方法であって、
前記起立片が貼着された表面シート、吸収体、および裏面シートが積層され、ギャザーが形成された状態の型抜き前シート体を所望の形状に型抜きする工程を含むことを特徴とするペット用おむつの製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-04-26 
結審通知日 2021-04-30 
審決日 2021-05-13 
出願番号 特願2011-132233(P2011-132233)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (A01K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 竹中 靖典  
特許庁審判長 森次 顕
特許庁審判官 住田 秀弘
長井 真一
登録日 2016-07-15 
登録番号 特許第5969175号(P5969175)
発明の名称 ペット用おむつ  
代理人 西教 圭一郎  
代理人 西教 圭一郎  
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