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審決分類 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する B41J
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B41J
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する B41J
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B41J
管理番号 1376107
審判番号 訂正2021-390051  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-03-26 
確定日 2021-06-02 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6849015号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6849015号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項10について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6849015号は、平成28年5月19日に出願した特願2016-100763号の一部を令和1年6月27日に新たな特許出願(特願2019-119352号)としたものであって、令和3年3月8日に特許権の設定登録がなされ、令和3年3月26日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件訂正審判に係る特許第6849015号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲を審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項10について訂正すること(以下「本件訂正」という。)を認める、との審決を求めるものである。

第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項10に「請求項8又は9に記載の乾燥装置。」と記載されているのを、「請求項8又は9に記載の印刷装置。」と訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項10が引用する請求項8又は9には、いずれも「印刷装置」が記載されているから、「請求項8又は9に記載の乾燥装置。」の記載が誤りであることは明らかである。
さらに、訂正前の請求項10には「前記液体付与手段」と記載されており、「液体付与手段」は、請求項8又は9が引用する請求項7に含まれるものであるから、訂正前の請求項10が、請求項8又は9を引用することに誤りはなく、「乾燥装置」が記載された請求項1?6を引用するものであるとはいえない。
そうすると、訂正前の「請求項8又は9に記載の乾燥装置。」は、「請求項8又は9に記載の印刷装置。」の誤記といえる。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)訂正が当初明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0011】には、「この印刷装置は、インクジェット記録装置であり、搬送される部材である連帳紙110に対して所要の色の液体であるインクを吐出付与する液体付与手段である液体吐出ヘッドを含む液体付与部101を有している。」と記載され、段落【0014】には、「液体付与部101によって液体が付与された連帳紙110は、本発明に係る乾燥装置としての乾燥装置104を経て、排出ローラ114によって送られて、巻取りローラ105に巻き取られる。」と記載されているから、本件特許の請求項10における「乾燥装置」は、「印刷装置」としても記載されていることは明らかである。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項1は特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1は、上記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
訂正後の請求項10に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、請求項10に係る訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5?7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。


 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が付与されて搬送される部材を乾燥する乾燥装置であって、
前記搬送される部材に赤外線を照射して加熱する赤外線ヒータと、
前記搬送される部材と接触して前記搬送される部材を加熱する加熱ドラムと、備え、
搬送経路において、前記加熱ドラムは、前記赤外線ヒータよりも下流側に配置され、
前記赤外線ヒータは、前記搬送される部材が前記乾燥装置内の上方から下方に移動する経路に向けて、前記搬送される部材の前記加熱ドラムと接触する面とは反対側の面に赤外線を照射するように配置されている
ことを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記赤外線ヒータが赤外線を照射する経路は、前記搬送される部材が、前記加熱ドラムよりも高い位置から前記乾燥装置内の下方へ向かう経路である
ことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記加熱ドラムから前記乾燥装置の出口までの搬送経路には、前記搬送される部材が前記加熱ドラムの上方を通過する第一経路と、前記搬送される部材が前記加熱ドラムの下方を通過する第二経路とを含んでいる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記乾燥装置の入口から前記加熱ドラムまでの搬送経路には、前記搬送される部材が前記加熱ドラムの上方を通過する第三経路と、該第三経路から搬送方向を前記乾燥装置内の下方に変更して前記搬送される部材が前記乾燥装置内の上方から下方に移動する第四経路とを含んでおり、
前記赤外線ヒータは、前記第四経路に向けて赤外線を照射する
ことを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記赤外線ヒータから前記加熱ドラムまでの経路には、前記搬送される部材の前記液体が付与された面に接触する部材が配置されていない
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記搬送される部材が前記乾燥装置内の上方から下方に移動する経路に沿って、複数の前記赤外線ヒータが配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項7】
搬送される部材に液体を付与する液体付与手段と、
前記液体が付与された前記搬送される部材に赤外線を照射して加熱する赤外線ヒータと、
前記液体が付与された前記搬送される部材に接触して加熱する加熱ドラムと、を備えた印刷装置であって、
搬送経路において、前記加熱ドラムは、前記赤外線ヒータよりも下流側に配置され、
前記赤外線ヒータは、前記液体が付与された前記搬送される部材が前記印刷装置内の上方から下方に移動する経路に向けて、前記搬送される部材の前記加熱ドラムと接触する面とは反対側の面に赤外線を照射するように配置されている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記赤外線ヒータが赤外線を照射する経路は、前記搬送される部材が、前記加熱ドラムよりも高い位置から前記乾燥装置内の下方へ向かう経路である
ことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記赤外線ヒータと前記加熱ドラムは、前記液体付与手段よりも下方の位置に配置されている
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記液体付与手段から前記加熱ドラムまでの搬送経路には、前記搬送される部材が前記加熱ドラムの上方を通過する第一経路と、該第一経路から搬送方向を前記印刷装置内の下方に変更して前記搬送される部材が前記印刷装置内の上方から下方に移動する第二経路とを含んでおり、
前記赤外線ヒータは、前記第二経路に向けて赤外線を照射する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷装置。
【請求項11】
液体が付与されて搬送される部材を乾燥する乾燥装置であって、
前記搬送される部材に赤外線を照射して加熱する赤外線ヒータと、
前記搬送される部材と接触して前記搬送される部材を加熱する加熱ドラムと、備え、
搬送経路において、前記加熱ドラムは、前記赤外線ヒータよりも下流側に配置され、
前記加熱ドラムよりも上流側の搬送経路には、前記乾燥装置内の上方から下方に延設されている経路を含んでおり、
前記赤外線ヒータは、前記経路に向けて、前記搬送される部材の前記加熱ドラムと接触する面とは反対側の面に赤外線を照射するように配置されている
ことを特徴とする乾燥装置。
【請求項12】
搬送される部材に液体を付与する液体付与手段と、
前記液体が付与された前記搬送される部材に赤外線を照射して加熱する赤外線ヒータと、
前記液体が付与された前記搬送される部材に接触して加熱する加熱ドラムと、を備えた印刷装置であって、
搬送経路において、前記加熱ドラムは、前記赤外線ヒータよりも下流側に配置され、
前記加熱ドラムよりも上流側の搬送経路には、前記印刷装置内の上方から下方に延設されている経路を含んでおり、
前記赤外線ヒータは、前記経路に向けて、前記搬送される部材の前記加熱ドラムと接触する面とは反対側の面に赤外線を照射するように配置されている
ことを特徴とする印刷装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-04-28 
結審通知日 2021-05-07 
審決日 2021-05-20 
出願番号 特願2019-119352(P2019-119352)
審決分類 P 1 41・ 855- Y (B41J)
P 1 41・ 856- Y (B41J)
P 1 41・ 854- Y (B41J)
P 1 41・ 852- Y (B41J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岩瀬 昌治  
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 平城 俊雅
山崎 勝司
登録日 2021-03-08 
登録番号 特許第6849015号(P6849015)
発明の名称 乾燥装置、印刷装置  
代理人 稲元 富保  
代理人 稲元 富保  

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