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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1376186
審判番号 不服2020-6075  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-01 
確定日 2021-08-10 
事件の表示 特願2018-192424「情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月14日出願公開、特開2019- 23917、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)6月12日(優先権主張2013年7月9日)を国際出願日とする出願である特願2015-526228号の一部を、平成30年10月11日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は次のとおりである。

平成30年11月12日 :手続補正書の提出
令和 元年 7月22日付け:拒絶理由通知
令和 元年 9月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 1月31日付け:拒絶査定(原査定)
令和 2年 5月 1日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 4月14日付け:拒絶理由(当審拒絶理由)通知
令和 3年 6月16日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和2年1月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし9に係る発明は、以下の引用文献A及びBに記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[引用文献等一覧]
A 特開2002-358162号公報
B 特開2012-37978号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

[理由1]明確性要件違反
本願請求項1ないし9に係る発明は、以下の点において明確ではないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
[理由2]サポート要件違反
本願請求項1ないし9に係る発明は、以下の点において発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

(1)本願請求項1、8及び9に記載の「前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンを表示することが可能な位置において、前記第一のアイコンを基点として前記第二のアイコンを前記画面に表示し」は、明確ではなく、また、発明の詳細な説明に記載したものではない。
(2)本願請求項6に記載の「前記第二のアイコンの表示間隔は可変である」は、発明の詳細な説明に記載したものではない。

[理由3]進歩性欠如
本願請求項1ないし9に係る発明は、以下の引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[引用文献等一覧]
1 特開2010-204844号公報
(当審において新たに引用した文献)
2 特開2012-37978号公報(拒絶査定の引用文献B)
3 特開2011-86036号公報
(当審において新たに引用した文献、周知技術を示す文献)

第4 本願発明
本願請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和3年6月16日に提出された手続補正書に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、そのうち本願発明1は以下のとおりの発明である。なお、下線は、補正された箇所を示す。

「 操作体の位置を検出する検出部と、
画面にアイコンを表示させる表示制御部と、
アイコンに対応する機能を実行する制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、基点となり、前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の任意の位置に移動可能な第一のアイコンを、アプリケーションの起動に応答して画面に表示し、前記画面に表示された前記第一のアイコンに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンのすべてを表示することが可能な位置に前記第一のアイコンを移動させ、前記第一のアイコンを基点として前記第二のアイコンを前記画面に表示し、
前記制御部は、前記第二のアイコンの1つに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第二のアイコンに対応する機能を実行する、情報処理装置。」

なお、本願発明2ないし5は、本願発明1を減縮したものであり、本願発明6は、本願発明1を「情報処理方法」の発明として特定したものであり、本願発明7は、本願発明1を「コンピュータプログラム」の発明として特定したものである。
また、本件補正前の請求項6及び7は、本件補正により削除され、よって、本件補正後の請求項1、2、3、4、5、6及び7のそれぞれは、本件補正前の請求項1、2、3、4、5、8及び9のそれぞれに対応したものといえる。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1記載事項
当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)

「【0001】
本発明は、カメラ等の携帯型電子機器に搭載される操作制御装置、この操作制御装置を搭載したカメラ、操作制御方法および操作制御用プログラムに関する。」

「【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本実施の形態の操作制御装置を搭載したデジタルカメラのシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態のデジタルカメラ1は、デジタルカメラ1を構成する各部に対する指示やデータ転送等を行い、デジタルカメラ1の動作を統括的に制御するためのCPUからなる制御部11を備える。また、デジタルカメラ1は、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、操作部を構成するタッチパネル14、撮像部15、SDRAM16、表示画像制御部17、画像処理部19、圧縮伸長部20、記録・再生部21の各部を備える。これら各部は、制御部11に対してバスライン25によって接続されている。
【0023】
プログラムデータ記憶部12は、例えばフラッシュメモリ等の電気的に書換えが可能な不揮発性メモリである。このプログラムデータ記憶部12は、デジタルカメラ1を動作させ、このデジタルカメラ1が備える種々の機能を実現するためのCPU用のプログラム(例えば、操作制御用プログラム)や、このプログラムの実行中に使用されるデータ、例えば、後述するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面に表示させるアイコン等を含むGUI用画像データが予め格納されている。」

「【0031】
ここで、本実施の形態の制御部11は、操作制御用プログラムにより実行される機能として、GUI制御部11aと条件設定部11bと操作検出部11cとの各機能部を備える。操作検出部11cは、デジタルカメラ1の動作条件の設定等のために表示部18に表示されるGUI画面に対するユーザの指示や、ボタン操作部13によるユーザ操作を検出するための機能部である。また、本実施の形態では、GUI画面が表示される表示部18に重ねて配設されたタッチパネル14を操作部として備えており、操作検出部11cは、このタッチパネル14に対するユーザの操作を検出することで、GUI画面に対するユーザ指示の検出動作を実行する。また、GUI制御部11aは、表示部18のGUI画面に対するユーザ指示に応じてユーザに対する出力を制御するとともに、このGUI画面に関する後述のような各種制御処理を実行するための機能部である。条件設定部11cは、GUI画面に対するユーザ指示に応じてデジタルカメラ1の動作条件を設定するための機能部である。」

「【0032】
つぎに、デジタルカメラ1の動作条件の一例として、撮影モードにおける動作条件設定の場合について、GUI制御部11a等によるGUI画面等の操作・制御の概要を説明する。ここで、本実施の形態では、動作条件設定のための表示パターンとして、第1の表示パターンと第2の表示パターンとが用意されているものとする。これらの第1の表示パターンと第2の表示パターンとのいずれのパターンで表示させるかは、図示しないメニュー画面において切換え可能とする。」

「【0033】
図2は、第1の表示パターンにおけるGUI画面の操作例を模式的に示す説明図である。第1の表示パターンの表示が選択されている場合において、GUI制御部11aは、第1の表示パターンの初期画面を表示部18に表示させる。すなわち、図2(a)に示すように、GUI制御部11aは、GUI画面30として、GUI画像データを用いて第1のアイコン群41を例えば画面中央底辺付近に表示させる。第1のアイコン群41は、動作条件の種類(パラメータ)を示す複数の第1のアイコンからなり、例えば、ストロボ用の第1のアイコン42a、シャッタ速用の第1のアイコン42b、ISO感度用の第1のアイコン42cを横一列に配列させたものである。図2(a)に示す例では、撮影用の動作条件として、ストロボ発光禁止、シャッタ速1/100、ISO感度800に初期設定されている場合を示している。
【0034】
また、特に図示しないが、このような画面表示において、背景にライブビュー画像が表示されていてもよく、あるいは、無色の背景表示であってもよい。
【0035】
このようなGUI画面30上において、ユーザは、パラメータ変更したい第1のアイコンを所望の位置まで指(または、タッチペンなど)でドラッグ操作する。図2(b)は、例えば、ストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作した場合を示し、図2(c)は、この第1のアイコン42aを起点してさらにGUI画面30上にタッチしながらの移動操作を行っている様子を示している。この際、GUI制御部11aは、操作検出部11cの検出結果に基づき、タッチしながらの移動操作による操作軌跡43aの座標情報を順次取得し、この操作軌跡43aの態様が第1の操作であるか否かを判断する。本実施の形態では、移動操作による操作軌跡の曲率に関して、予め所定の閾値(例えば、硬貨相当の曲率、例えば0.1mm-1)が設定されている。そして、操作軌跡の曲率がこの閾値よりも小さい、つまり直線的な移動操作は第1の操作であると判断し、操作軌跡の曲率がこの閾値よりも大きい、つまり回動的な移動操作は後述の第2の操作であると判断するように設定されている。
【0036】
ここで、GUI制御部11aは、図2(c)に示す例の場合、操作軌跡43aの移動操作は曲率が小さな直線的な操作であり、第1のアイコン42aを起点として第1の操作がされたと判断する。そして、GUI制御部11aは、選択された第1のアイコン42aが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44をこの第1の操作に応じた位置に表示させる。すなわち、GUI制御部は、第1のアイコン42aを起点としてなされるタッチ操作が直線的かつ連続的に移動された場合を第1の操作がされたと判断し、移動するタッチ操作位置に第2のアイコン44を表示させるよう制御する。なお、本実施の形態では、第1の操作としていわゆるドラッグ操作を想定しているため、ドラッグされた第1のアイコン42aを第2のアイコン44に切換えているが、タッチしながらの移動操作であればよく、第1のアイコン42aは第1のアイコン群41の位置に固定表示させたままとし、移動操作位置に第2のアイコン44を表示させるようにしてもよい。」

「【0039】
ここで、図2(d)に示す例の場合、GUI制御部11aは、操作軌跡43bの移動操作は曲率が閾値より大きな回動的な操作であり、操作軌跡43aから操作軌跡43bへの切換え点Pcで第1の操作から第2の操作が開始されたと判断する。そして、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示位置を固定してから、この第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせる。GUI制御部11aは、この具体的な選択肢の選択操作をガイドするため、例えば、図2(e)に示すように、第2のアイコン44のすぐ下の位置に複数個の丸印を例えば硬貨よりも小さな円の円周上に配列させてなる回転UI45を回転操作方向に順次点滅表示させる。そこで、ユーザが、図2(e)に示すように、回転UI45にガイドされて曲率の大きな操作軌跡43bを伴う第2の操作を引き続き行うと、その回転操作量に応じて、破線矢印で示すようにカーソル44dが第2のアイコン44上で左右方向に移動する。図2(e)では、カーソル44dがストロボ強制発光パラメータ44cなるパラメータの位置まで移動した様子を示している。」

「【0041】
図2(f)は、ユーザの指(または、タッチペンなど)が画面から離され、第2のアイコン44に対する第2の操作が終了した様子を示している。GUI制御部11aは、第2のアイコン44に対して第2の操作がされた後に、タッチ操作が終了された場合には、動作条件として選択された選択肢を確定する。ここでは、確定したことを明示するために、図2(g)に示すように、第2のアイコン44の表示を、ストロボ強制発光パラメータ44c対応の第1のアイコン42aに切換える。そして、図2(h)に示すように、切換えられた第1のアイコン42aを、第1のアイコン群41中の元の位置に戻すことで、図2(a)に相当する初期画面に戻し、第2のアイコン44の表示を消去させる。さらに、条件設定部11bは、第2の操作によって確定された選択肢、ここではストロボ強制発光パラメータ44cなるパラメータで動作条件を改めて設定する。」

「【0042】
一方、図3は、第2の表示パターンにおけるGUI画面の操作例を模式的に示す説明図である。第2の表示パターンの表示が選択されている場合において、GUI制御部11aは、第2の表示パターンの初期画面を表示部18に表示させる。すなわち、図3(a)に示すように、GUI制御部11aは、GUI画面30として、GUI画像データを用いてモードアイコン51を例えば画面左下隅付近に表示させる。このモードアイコン51は、現在選択されている撮影モードに従うものであり、図3(a)の場合は、現在スポーツモードである場合を示している。
【0043】
このような状態で、表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、図3(b)に示すようにタップ操作(クリック)がされると、GUI制御部11aは、モードアイコン51に対応する第1のアイコン群41をモードアイコン51の周囲に位置させてGUI画面30上に表示させる。第1のアイコン群41を構成する複数の第1のアイコン42a?42cは、モードアイコン51に対して紐状表現の連結線で連結することで関連付けられて表示される。
【0044】
後は、図2で説明した場合と同様である。すなわち、図3(c)に示すように、変更したいパラメータ、例えばストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作し、第1のアイコン42aを起点とするドラッグ操作にて第1の操作を開始すると、図3(d)に示すように、移動するタッチ操作位置に応じて第2のアイコン44が表示される。」
ここで、上記【0044】に記載の「図2で説明した場合」とは、上記【0033】ないし【0036】及び【0039】の記載を参酌すると、「第1の表示パターンにおける場合」といい得るものである。

「【0081】
また、第2の表示パターンの初期画面についても同様であり、図3(a)では、モードアイコン51を画面左下隅部付近に表示させるようにしたが、表示位置を変更可能としてもよい。例えば、図12に示すように、モードアイコン51をドラッグ操作することで、画面左上隅部付近、画面右上隅部付近あるいは画面右下隅部付近のうちの所望の位置に変更表示させるようにしてもよい。」

「【0084】
また、本実施の形態では、当該操作制御装置をデジタルカメラ1に搭載した例で説明したが、当然これに限られるものではない。本実施の形態の操作制御装置は、携帯電話あるいは画像表示装置(画像ビュワー)等の各種電子機器に適用してもよい。また、カメラは、デジタルカメラ1に限らず、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部等に適用してもよい。」

「【図1】



「【図2】



「【図3】



「【図4】


上記【図4】を参酌すると、「パワーオン」の際に、「第1の表示パターン」又は「第2の表示パターン」による処理がなされていると把握できる。

「【図12】



(2)引用発明
前記(1)より、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 カメラ等の携帯型電子機器に搭載される操作制御装置又はこの操作制御装置を搭載したカメラであって、
デジタルカメラ1は、デジタルカメラ1を構成する各部に対する指示やデータ転送等を行い、デジタルカメラ1の動作を統括的に制御するためのCPUからなる制御部11、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、操作部を構成するタッチパネル14、撮像部15、SDRAM16、表示画像制御部17、画像処理部19、圧縮伸長部20、記録・再生部21の各部を備え、
プログラムデータ記憶部12は、デジタルカメラ1を動作させ、このデジタルカメラ1が備える種々の機能を実現するためのCPU用のプログラムが予め格納され、
制御部11は、GUI制御部11aと条件設定部11bと操作検出部11cとの各機能部を備え、
操作検出部11cは、このタッチパネル14に対するユーザの操作を検出することで、GUI画面に対するユーザ指示の検出動作を実行し、
GUI制御部11aは、表示部18のGUI画面に対するユーザ指示に応じてユーザに対する出力を制御するとともに、このGUI画面に関する後述のような各種制御処理を実行するための機能部であり、
条件設定部11cは、GUI画面に対するユーザ指示に応じてデジタルカメラ1の動作条件を設定するための機能部であり、
動作条件設定のための表示パターンとして、第1の表示パターンと第2の表示パターンとが用意されており、
パワーオンの際に、第1の表示パターンの表示が選択されている場合において、
GUI制御部11aは、第1の表示パターンの初期画面であるGUI画面30として、GUI画像データを用いて第1のアイコン群41を例えば画面中央底辺付近に表示させ、ユーザは、パラメータ変更したい第1のアイコンを所望の位置まで指(または、タッチペンなど)でドラッグ操作すると、GUI制御部11aは、操作検出部11cの検出結果に基づき、タッチしながらの移動操作による操作軌跡43aの座標情報を順次取得し、この操作軌跡43aの態様が第1の操作であるか否かを判断し、操作軌跡の曲率が閾値よりも小さい、つまり直線的な移動操作は第1の操作であると判断し、操作軌跡の曲率が閾値よりも大きい、つまり回動的な移動操作は後述の第2の操作であると判断するように設定され、
第1の操作がされたとき、GUI制御部11aは、選択された第1のアイコン42aが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44をこの第1の操作に応じた位置に表示させ、第1のアイコン42aは第1のアイコン群41の位置に固定表示させたままとし、移動操作位置に第2のアイコン44を表示させるようにしてもよく、
第1の操作から第2の操作が開始されたとき、GUI制御部11aは、第2のアイコン44の表示位置を固定してから、この第2のアイコン44上での具体的な選択肢の選択を行わせ、この具体的な選択肢の選択操作をガイドするため、第2のアイコン44のすぐ下の位置に複数個の丸印を例えば硬貨よりも小さな円の円周上に配列させてなる回転UI45を回転操作方向に順次点滅表示させ、
GUI制御部11aは、第2のアイコン44に対して第2の操作がされた後に、タッチ操作が終了された場合には、動作条件として選択された選択肢を確定し、
パワーオンの際に、第2の表示パターンの表示が選択されている場合において、
GUI制御部11aは、第2の表示パターンの初期画面であるGUI画面30として、GUI画像データを用いてモードアイコン51を例えば画面左下隅付近に表示させ、
表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、タップ操作(クリック)がされると、GUI制御部11aは、モードアイコン51に対応する第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)をモードアイコン51の周囲に位置させてGUI画面30上に表示させ、
後は、第1の表示パターンにおける場合と同様であり、変更したいパラメータ、例えばストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作し、第1のアイコン42aを起点とするドラッグ操作にて第1の操作を開始すると、移動するタッチ操作位置に応じて第2のアイコン44が表示され、
第2の表示パターンの初期画面について、モードアイコン51をドラッグ操作することで、画面左上隅部付近、画面右上隅部付近あるいは画面右下隅部付近のうちの所望の位置に変更表示させるようにしてもよく、
当該操作制御装置をデジタルカメラ1に搭載した例で説明したが、当然これに限られるものではなく、携帯電話あるいは画像表示装置(画像ビュワー)等の各種電子機器に適用してもよく、また、カメラは、デジタルカメラ1に限らず、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部等に適用してもよい
操作制御装置又はカメラ。」

2 引用文献2(引用文献B)について
当審拒絶理由に引用された引用文献2(原査定の引用文献B)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0046】
まず、図5(a)に示されるように、操作体である指Fが機能オブジェクト50の選択領域内に入ると、図5(b)に示されるように、制御部120は、機能オブジェクト50に隣接する位置に誘導オブジェクト60を表示させる。誘導オブジェクト60は、オブジェクトの一種であり、ユーザに指Fの近接位置の移動を促すオブジェクトである。図5の例においては、誘導オブジェクト60は、機能オブジェクト50に関連づけられた機能の実行を本当に確定してよいか否かを確認するためのオブジェクトである。
【0047】
なお、ここで選択領域とは、オブジェクトに対してオブジェクトを選択していることを検出することができる領域のことをいう。選択領域は、操作画面におけるオブジェクトの形状と対応した領域であることが好ましく、操作画面と操作体との距離を検出することのできる領域であってよい。
【0048】
そして、図5(c)に示されるように、指Fが、誘導オブジェクト60の選択領域内に入ると、次に制御部120は、図5(d)に示されるように、誘導オブジェクト60と隣接する位置に実行オブジェクト70を表示させる。そして、図5(e)に示されるように、指Fが、実行オブジェクト70の選択領域内に入ったことが検出部114により検出されると、制御部120は、実行処理部130に、機能オブジェクト50と関連づけられた機能を実行させる。」

「【0085】
例えば、図21に示されるように、制御部120は、検出部114が検出する指Fと操作画面との距離に応じて、オブジェクトの表示サイズを制御してもよい。このとき、制御部120は、操作画面と指Fとの距離が遠いほどオブジェクトの表示サイズが大きくなるようにオブジェクトの表示サイズを制御してもよい。」

「【図5】



「【図14】



「【図15】



「【図21】



3 引用文献3について
当審拒絶理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【請求項1】
表示部と、
前記表示部に対応付けられたタッチパネルと、
前記タッチパネルへのユーザの操作入力の軌跡によって分割された前記表示部上の表示範囲のうちの1つを、1または複数のアイコンであるアイコン群を表示するためのアイコン群表示範囲として特定する範囲特定部と、
前記アイコン群を構成するアイコンそれぞれの少なくとも中心部分が、前記アイコン群表示範囲内に収まるようにアイコンそれぞれの位置を算出するアイコン群位置算出部と、
前記表示部の前記アイコン群位置算出部が算出した位置に前記アイコン群を表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。」

4 引用文献Aについて
原査定に引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0006】本発明は以上の点を考慮してなされたもので、大きさの限られた表示画面を有効に利用して、種々の情報を確実に提供することができる画像表示装置を提案しようとするものである。」

「【0028】カーナビゲーション装置1では、この検出結果によるメインマイコン11の処理により、指が接近されてなる領域に対応した位置に、メニューが表示される。これによりユーザーにおいては、表示部3の表示画面の全面を使用して種々の情報の提供を受け、必要に応じて指を近づけてメニューを選択することが可能となる。これによりこのカーナビゲーション装置1では、指の接近を検出して表示を切り換え、大きさの限られた表示画面を有効に利用して種々の情報を確実に提供することができるようになされている。」

「【図1】



第6 当審拒絶理由についての判断
1 理由1(明確性要件違反)及び理由2(サポート要件違反)について
(1)本件補正により、本件補正前の請求項1、8及び9に記載されていた「前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンを表示することが可能な位置において、前記第一のアイコンを基点として前記第二のアイコンを前記画面に表示し」は、本件補正後の請求項1、6及び7の記載においては、「前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンのすべてを表示することが可能な位置に前記第一のアイコンを移動させ、前記第一のアイコンを基点として前記第二のアイコンを前記画面に表示し」と補正された。
(2)本件補正により、本件補正前の請求項6及びこれを引用していた請求項7は削除された。

よって、本件補正後の請求項1ないし7に係る発明は、明確となり、また、発明の詳細な説明に記載したものとなったため、理由1(明確性要件違反)及び理由2(サポート要件違反)は、いずれも解消した。

2 理由3(進歩性欠如)について
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明は、「操作検出部11cは、このタッチパネル14に対するユーザの操作を検出することで、GUI画面に対するユーザ指示の検出動作を実行し」及び「GUI制御部11aは、操作検出部11cの検出結果に基づき、タッチしながらの移動操作による操作軌跡43aの座標情報を順次取得し」との構成を備え、また、「ユーザの指示」とは具体的には、「指(または、タッチペンなど)」による「ドラッグ操作」及び「タップ操作(クリック)」といった操作である。
そうすると、引用発明の「指(または、タッチペンなど)」は、本願発明1の「操作体」に相当し、引用発明において、「GUI制御部11a」が「操作検出部11c」の検出結果に基づき、「操作軌跡43a」の「座標情報」を取得することは、本願発明1の「操作体の位置を検出する」ことに相当する。
よって、引用発明の「GUI制御部11a」及び「操作検出部11c」は、本願発明1の「操作体の位置を検出する検出部」に相当する。

(イ)引用発明の「モードアイコン51」、「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」及び「第2のアイコン44」はいずれも、本願発明1の「アイコン」に相当する。
引用発明の「GUI制御部11a」は、「表示部18のGUI画面に対するユーザ指示に応じてユーザに対する出力を制御するとともに、このGUI画面に関する後述のような各種制御処理を実行するための機能部」であり、具体的には、「第2の表示パターンの初期画面であるGUI画面30として、GUI画像データを用いてモードアイコン51を例えば画面左下隅付近に表示させ」る機能、「表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、タップ操作(クリック)がされる」と「モードアイコン51に対応する第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)をモードアイコン51の周囲に位置させてGUI画面30上に表示させ」る機能、「第1の操作がされたとき」に「選択された第1のアイコン42aが示す動作条件の具体的な選択肢を示す第2のアイコン44をこの第1の操作に応じた位置に表示させ」る機能、「第2のアイコン44に対して第2の操作がされた後に、タッチ操作が終了された場合には、動作条件として選択された選択肢を確定」する機能を備える。
すなわち、引用発明の「GUI制御部11a」は、「モードアイコン51」、「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」及び「第2のアイコン44」といった「アイコン」を画面に表示させる表示制御部として機能するとともに、各アイコンに対する操作に基づいて異なるアイコンを表示したり、選択された第2のアイコン44に対応する動作条件を確定したりする制御部として機能しているといえる。
また、引用発明の「条件設定部11c」は、「GUI画面に対するユーザ指示に応じてデジタルカメラ1の動作条件を設定するための機能部」であり、「GUI画面に対するユーザ指示」は、「第2のアイコン44」に対する「第2の操作」が含まれるから、「GUI制御部11a」とともに、選択されたアイコンに対応する動作条件を設定する制御部として機能しているといえる。
よって、引用発明の「GUI制御部11a」は、本願発明1の「画面にアイコンを表示させる表示制御部」に相当し、引用発明の「GUI制御部11a」及び「条件設定部11c」は、「アイコンに対応する機能を実行する制御部」に相当する。

(ウ)引用発明において、「GUI制御部11a」は、「パワーオンの際に、第2の表示パターンの表示が選択されている場合」において「第2の表示パターンの初期画面であるGUI画面30として、GUI画像データを用いてモードアイコン51を例えば画面左下隅付近に表示させ」る機能を備える。
また、引用発明は、「プログラムデータ記憶部12は、デジタルカメラ1を動作させ、このデジタルカメラ1が備える種々の機能を実現するためのCPU用のプログラムが予め格納され」との構成を備えることから、「パワーオン」の際に、「プログラム」が起動することに応答して、「GUI制御部11a」が「モードアイコン51」を表示するものといえる。
本願明細書の【0018】の「情報処理装置100に保存されているアプリケーション」との記載からすると、本願発明1の「アプリケーション」は、プログラムの一種であるといえる。
そうすると、引用発明の「プログラム」と本願発明1の「アプリケーション」とは、「プログラム」である点において共通する。
また、引用発明は、「表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、タップ操作(クリック)がされると、GUI制御部11aは、モードアイコン51に対応する第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)をモードアイコン51の周囲に位置させてGUI画面30上に表示させ」との構成を備えることから、「モードアイコン51」は、その周囲に表示される「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」の「基点」となるものといえる。
さらに、引用発明は、「第2の表示パターンの初期画面について、モードアイコン51をドラッグ操作することで、画面左上隅部付近、画面右上隅部付近あるいは画面右下隅部付近のうちの所望の位置に変更表示させるようにしてもよく」との構成を備えることから、「モードアイコン51」は、そのドラッグ操作に応じて、画面の所定の位置に移動可能なものといえ、前記(ア)を参酌すれば、「GUI制御部11a」及び「操作検出部11c」が検出する「指(または、タッチペンなど)」の「座標情報」(操作体の位置)に応じて画面の所定の位置に移動可能なものといえる。(ただし、移動可能な範囲は、画面の四隅の何れかであるから、「任意の位置」に移動可能ではない。)
また、「モードアイコン51」を「第一のアイコン」と称することは任意である。
以上から、引用発明の「GUI制御部11a」の機能と、本願発明の「前記表示制御部」の機能の一部である「基点となり、前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の任意の位置に移動可能な第一のアイコンを、アプリケーションの起動に応答して画面に表示し」とは、「基点となり、前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の位置に移動可能な第一のアイコンを、プログラムの起動に応答して画面に表示し」との点において共通する。

(エ)引用発明の「表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、タップ操作(クリック)がされると、GUI制御部11aは、モードアイコン51に対応する第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)をモードアイコン51の周囲に位置させてGUI画面30上に表示させ」において、「表示されたモードアイコン51に対して特定の操作として、タップ操作(クリック)がされる」ことを検出することは、前記(ア)及び(ウ)を参酌すると、画面に表示された「モードアイコン51」(第一のアイコン)に、「指(または、タッチペンなど)」(操作体)が位置したことを「GUI制御部11a」及び「操作検出部11c」(検出部)が検出することに他ならない。
また、引用発明の「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」は「モードアイコン51」の周囲に表示されるものであり、また、これらを(1以上の)「第二のアイコン」と称することは任意である。
また、引用発明は、「第2の表示パターンの初期画面について、モードアイコン51をドラッグ操作することで、画面左上隅部付近、画面右上隅部付近あるいは画面右下隅部付近のうちの所望の位置に変更表示させるようにしてもよく」との構成を備えることからすると、「モードアイコン51」が、画面の四隅のうちいずれに位置していても、「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」のすべてが、「モードアイコン51」の周囲に表示されることは明らかである。
以上から、引用発明の「GUI制御部11a」の機能と、本願発明の「前記表示制御部」の機能の一部である「前記画面に表示された前記第一のアイコンに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンのすべてを表示することが可能な位置に前記第一のアイコンを移動させ、前記第一のアイコンを基点として前記第二のアイコンを前記画面に表示し」とは、「前記画面に表示された前記第一のアイコンに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に1以上の第二のアイコンのすべてを前記画面に表示し」との点において共通する。

(オ)前記(イ)を参酌すると、引用発明の「変更したいパラメータ、例えばストロボ用の第1のアイコン42aにタッチ操作し、第1のアイコン42aを起点とするドラッグ操作にて第1の操作を開始すると、移動するタッチ操作位置に応じて第2のアイコン44が表示され」において、「第1のアイコン42a」に対する「タッチ操作」の後にドラッグ操作がなされたことに応じて「第2のアイコン44」を表示することは、本願発明1の「前記制御部は、前記第二のアイコンの1つに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第二のアイコンに対応する機能を実行する」ことに相当する。

(カ)引用発明の「操作制御装置又はカメラ」は、本願発明1の「情報処理装置」に相当する。

イ 一致点、相違点
前記アより、本願発明1と引用発明との間には、次の点において一致ないし相違する。

[一致点]
「操作体の位置を検出する検出部と、
画面にアイコンを表示させる表示制御部と、
アイコンに対応する機能を実行する制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、基点となり、前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の位置に移動可能な第一のアイコンを、プログラムの起動に応答して画面に表示し、前記画面に表示された前記第一のアイコンに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に1以上の第二のアイコンのすべてを前記画面に表示し、
前記制御部は、前記第二のアイコンの1つに前記操作体が位置したことを前記検出部が検出すると、前記第二のアイコンに対応する機能を実行する、情報処理装置。」

[相違点]
<相違点1>
「第一のアイコン」が、本願発明1は、「前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の任意の位置に移動可能」であるのに対し、引用発明の「モードアイコン51」は、画面の四隅の何れかの位置に移動可能であるものの、「画面の任意の位置」に移動可能ではない点。

<相違点2>
「プログラム」が、本願発明1は「アプリケーション」であるのに対し、引用発明は、いかなるプログラムであるのか具体的に特定していない点。

<相違点3>
「第二のアイコン」を表示するにあたり、本願発明1は、「前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンのすべてを表示することが可能な位置に前記第一のアイコンを移動させ」るのに対し、引用発明は、「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」を表示する際に「モードアイコン51」を移動することが特定されていない点。

ウ 相違点についての判断
本願発明1は、「第一のアイコン」が「前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の任意の位置に移動可能」であるとの前提の下で、「前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンのすべてを表示することが可能な位置に前記第一のアイコンを移動させ」るという構成を備えるものであるから、相違点1と相違点3とをまとめて判断する。
相違点1及び相違点3に係る本願発明1の、「第一のアイコン」が「前記検出部が検出する前記操作体の位置に応じて前記画面の任意の位置に移動可能」であるとの前提の下で、「前記第一のアイコンを基点として前記第一のアイコンの周囲に表示される1以上の第二のアイコンのすべてを表示することが可能な位置に前記第一のアイコンを移動させ」るという構成は、上記引用文献2及び3には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
また、「モードアイコン51」をあえて画面の四隅の何れかにしか移動ができない構成を採用している引用発明において、当該構成に替えて、「モードアイコン51」を画面の任意の位置に移動可能とし、さらに、「モードアイコン51」が操作されたときに「第1のアイコン群41(複数の第1のアイコン42a?42c)」のすべてを表示することが可能な画面の位置に「モードアイコン51」を移動する構成を採用すべき動機付けも存在しない。
したがって、相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)本願発明2ないし5について
本願発明2も、上記相違点1及び上記相違点3に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(3)本願発明6及び7について
本願発明6及び7は、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であって、上記相違点1及び上記相違点3に係る本願発明1の構成に対応する技術的事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

以上のとおりであるから、理由3(進歩性欠如)は、解消した。

第7 原査定についての判断
本件補正により、補正後の請求項1ないし7は、上記相違点1及び上記相違点3に係る本願発明1の構成又は当該構成に対応する技術的事項を有するものとなった。当該構成又は技術的事項は、原査定における引用文献A及び引用文献B(当審拒絶理由における引用文献2)には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし7は、当業者であっても、原査定における引用文献A及びBに記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-07-20 
出願番号 特願2018-192424(P2018-192424)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 池田 聡史  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 小田 浩
林 毅
発明の名称 情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラム  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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