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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1376564
審判番号 不服2020-11858  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-08-25 
確定日 2021-08-17 
事件の表示 特願2019- 53629「情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月 8日出願公開、特開2020-166301、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成31年3月20日の出願であって、令和2年2月12日付けで拒絶理由通知がなされ、同年4月16日に手続補正がなされたが、同年6月1日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、同年8月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和2年6月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1-19に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.「楽天市場」の全店舗にチャットボットを導入へ、各種問い合わせにボットが自動応答,[online],2018年11月28日,URL,https://netshop.impress.co.jp/node/5997
2.Yahoo!ショッピングで10分以内なら注文履歴からキャンセルできる,[online],2018年12月26日,URL,https://hoyaza.com/yahoo-shopping/10min-order-cancel

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえず、また、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-19に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願請求項1-19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明19」という。)は、本件補正後特許請求の範囲の請求項1-19に記載された事項により特定されるものであり、そのうち本願発明1は以下のとおりのものである。

<本願発明1>
「【請求項1】
電子商取引サービスにおいて取引される商品に対する質問に関する複数のカテゴリのうち、ユーザが選択した選択カテゴリを示す選択情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記選択情報が示す前記選択カテゴリに基づいて、前記ユーザが利用する端末装置に表示される質問入力画面に前記選択カテゴリに対応する付加情報を追加するかどうかを決定する決定部と、
を備え、
前記決定部は、
前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する
ことを特徴とする情報処理装置。」

本願発明2-17は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明18は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明19は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の各部を、コンピュータに実行させる各手順とした発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1(「楽天市場」の全店舗にチャットボットを導入へ、各種問い合わせにボットが自動応答,[online],2018年11月28日,URL,https://netshop.impress.co.jp/node/5997)には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した)。

『「楽天市場」の全店舗にチャットボットを導入へ、各種問い合わせにボットが自動応答

テスト運用の位置付けで、まずは決済、返品ポリシー、営業時間の確認について対応する

2018年11月28日

楽天は11月28日、「楽天市場」全店舗にチャットボット機能を導入する。
各ショップへの問い合わせをボットが自動応答するようにし、店舗側の負担軽減、「楽天市場」としての顧客対応力アップにつなげる。導入費用は無料。
購入履歴一覧の「ショップへの問い合わせ」をクリックすると、チャットボットが対応するようにする。テスト運用の位置付けで、まずは決済、返品ポリシー、営業時間の確認について対応する。

「楽天市場」全店舗に導入するチャットボットのイメージ

ボットは各店舗が掲載している「決済」「返品ポリシー」「営業時間」の情報に基づいて、消費者からの問い合わせに自動対応する。店舗側にはチャットボット導入による新たな負担は増えない想定だが、記載情報が不十分の場合、店舗は必要な情報を入力する手間が発生する可能性がある。
(中略)
まずは、購入履歴一覧の「ショップへの問い合わせ」からの自動応答で対応力を向上。』

(2)引用文献1に記載された発明
上記(1)の摘記事項から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されている。

ア 『「楽天市場」の全店舗にチャットボットを導入へ、』という記載によれば、引用文献1には、「楽天市場の全店舗に導入されるチャットボット」が記載されているといえる。

イ 『楽天は11月28日、「楽天市場」全店舗にチャットボット機能を導入する。各ショップへの問い合わせをボットが自動応答するようにし、』との記載によれば、引用文献1には、「楽天市場」全店舗に導入する「チャットボット」は、「楽天市場の全店舗において、前記各店舗への問い合わせに自動応答する機能を有」することが記載されているといえる。

ウ 『「楽天市場」全店舗に導入するチャットボットのイメージ』の題名が付いた画像には、左側に購入履歴一覧の画面が記載され、右側に、チャットボットの画面を表示し、そして、購入履歴一覧の画面内に表示された「ショップへの問い合わせ」から、右側の画面への矢印が記載されている。
この画像と、『購入履歴一覧の「ショップへの問い合わせ」をクリックすると、チャットボットが対応するようにする。』との記載、『楽天は11月28日、「楽天市場」全店舗にチャットボット機能を導入する。各ショップへの問い合わせをボットが自動応答するようにし、』との記載によれば、引用文献1には、『表示された購入履歴一覧画面において「ショップへの問い合わせ」がクリックされると、チャットボットの画面を表示し、問い合わせにチャットボットが自動応答する』ことが記載されているといえる。

エ 上記画像に示されたチャットボットの画面には、「こんにちは。いつもありがとうございます。何かお困りですか?自動応答サービスにてお答えします。」というメッセージと、「決済について確認したい」、「返品ポリシーを確認したい」、「営業時間を確認したい」、「その他(フォームで問い合わせ)」という、選択ボタンが記載されている。
したがって、引用文献1には、『チャットボットの画面には、「何かお困りですか?」というメッセージと、「決済について確認したい」、「返品ポリシーを確認したい」、「営業時間を確認したい」、「その他(フォームで問い合わせ)」という選択ボタンとを表示する』ことが記載されているといえる。

オ 上記画像のチャットボットの画面(右側)によれば、チャットボットは、消費者が「その他(フォームで問い合わせ)」の選択ボタンをクリックすると、その下に「その他(フォームで問い合わせ)」がクリックされたことを表示し、さらにその下に「以下、問い合わせフォームによりご連絡ください。」というメッセージと「フォームで問い合わせ」ボタンを表示するから、引用文献1には、『選択ボタンのうち「その他(フォームで問い合わせ)」が選択されると、「以下、問い合わせフォームよりご連絡ください。」というメッセージと、「フォームで問い合わせ」という選択ボタンを新たに追加して表示する』ことが記載されているといえる。

カ 上記画像に示されたチャットボットの画面には、チャットボットからのメッセージと消費者がクリックした選択ボタンの内容が時系列に表示されることから、引用文献1には、「チャットボットの画面には、チャットボットと消費者との間でのやりとりの内容が時系列で表示される」ことが記載されているといえる。

キ 『ボットは各店舗が掲載している「決済」「返品ポリシー」「営業時間」の情報に基づいて、消費者からの問い合わせに自動対応する。』との記載によれば、引用文献1には、『チャットボットは、各店舗が掲載している「決済」「返品ポリシー」「営業時間」の情報に基づいて、消費者からの問い合わせに自動対応する』ことが記載されているといえる。

上記ア?キを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>
『楽天市場の全店舗に導入されるチャットボットであって、
前記チャットボットは、楽天市場の全店舗において、前記各店舗への問い合わせに自動応答する機能を有し、
表示された購入履歴一覧画面において「ショップへの問い合わせ」がクリックされると、チャットボットの画面を表示し、前記画面に、「何かお困りですか?」というメッセージと、「決済について確認したい」、「返品ポリシーを確認したい」、「営業時間を確認したい」、「その他(フォームで問い合わせ)」という選択ボタンとを表示し、
前記選択ボタンのうち「その他(フォームで問い合わせ)」がクリックされると、「以下、問い合わせフォームよりご連絡ください。」というメッセージと、「フォームで問い合わせ」という選択ボタンが新たに追加して表示され、
前記チャットボットの画面には、前記チャットボットと消費者との間でのやりとりの内容が時系列で表示され、
前記チャットボットは、各店舗が掲載している「決済」「返品ポリシー」「営業時間」の情報に基づいて、前記消費者からの問い合わせに自動対応する、
楽天市場の全店舗に導入されるチャットボット。』

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(Yahoo!ショッピングで10分以内なら注文履歴からキャンセルできる,[online],2018年12月26日,URL,https://hoyaza.com/yahoo-shopping/10min-order-cancel)には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

『Yahoo!ショッピングで10分以内なら注文履歴からキャンセルできる

Yahoo!ショッピングにて注文後10分以内なら、注文履歴から自分でキャンセルできる機能がリリースされました。リリースは1/10から順次ストアに設定され、すべてのストアで適用されるのは1/31までかかるそうです。

この機能は楽天市場ではずっと以前より存在していますので、むしろ「やっとヤフーでも出来るようになったか」という印象。まあ何にしろ、便利になることは良いことですね。

この機能のメリットは、注文者が様々な理由による注文間違い等を起こした場合に、自ら変更ができる点であり、一方、出店ストア側にとってもキャンセル依頼を受けて、注文をキャンセルして在庫を変更してメールを返信して・・・という煩わしい作業から開放されます。

このように注文者と販売ストアの双方に大きなメリットがあり、ずっと前から楽天にはあった機能なのに、どうしてYahoo!ショッピングではずっと提供されなかったのか?不思議なくらいです。

注文履歴から注文をキャンセルする手順

(1)Myショッピングより注文履歴へ。注文後10分以内ならキャンセルボタンが表示されているのでこちらをクリック。(10分を過ぎている場合はストアへ直接連絡しましょう。)
(2)次にキャンセル理由を選んで「はい(キャンセルする)」をクリックすれば完了。』

上記記載によれば、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているといえる。

<引用文献2記載の技術的事項>
『Yahoo!ショッピングは、注文後10分以内なら注文履歴にキャンセルボタンが表示されており、このキャンセルボタンをクリックして、次にキャンセル理由を選んで「はい(キャンセルする)」をクリックすれば、注文のキャンセルが完了すること。』

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明における「楽天市場」が多数の店舗を備えた「電子商取引サービス」の名称であり、このサービスが、ウェブサーバなどのサーバ装置からインターネットを介して消費者の端末装置に提供されることは、技術常識であるから、引用発明には、「サーバ装置」が存在するといえ、「サーバ装置」が、情報を処理する装置であることは明らかである。
また、引用発明の「楽天市場の全店舗に導入されるチャットボット」は、楽天市場におけるサービスの一つとして導入されることは明らかであるから、引用発明における「チャットボット」が「楽天市場の全店舗において、前記各店舗への問い合わせに自動応答する機能」は、前記サーバ装置によって提供されるといえる。
してみると、引用発明における「楽天市場」は、本願発明1における「電子商取引サービス」に相当し、また、引用発明における「楽天市場の全店舗に導入されるチャットボット」が、「楽天市場の全店舗において、前記各店舗への問い合わせに自動応答する機能」を提供するサーバ装置は、本願発明1と同様の「情報処理装置」といえる。

イ 引用発明における『「決済について確認したい」、「返品ポリシーを確認したい」、「営業時間を確認したい」、「その他(フォームで問い合わせ)」という選択ボタン』のうち、「決済について確認したい」、「返品ポリシーを確認したい」、「営業時間を確認したい」という選択ボタンは、それぞれ電子商取引サービスにおいて「問い合わせの多いカテゴリ」である「決済」、「返品ポリシー」、「営業時間」に対応する選択ボタンであり、これらの選択ボタンは、消費者がクリック可能なボタンであって、消費者がこれらの選択ボタンのうちの一つを選択してクリックすると、これらの選択ボタンに対応するカテゴリを示す情報が、上記アで検討したサーバ装置に送信され、前記サーバ装置は、前記送信された前記情報を取得することは明らかである。
そして、引用発明における「消費者」、「問い合わせ」は、それぞれ本願発明1における「ユーザ」、「質問」に相当する。
してみると、引用発明には、「質問」の内容は別にして、本願発明1における「電子商取引サービスにおいて質問に関する複数のカテゴリのうち、ユーザが選択した選択カテゴリを示す選択情報を取得する取得部」に相当する構成があるといえる。

ウ 引用発明における「チャットボットの画面」は、『「決済について確認したい」、「返品ポリシーを確認したい」、「営業時間を確認したい」という選択ボタン』のいずれかを選択してクリックすることによって、消費者が質問したい内容を入力することが可能な画面であり、クリックされた結果、決済、返品ポリシー、営業時間についての情報が、前記画面に時系列で追加されて表示されることは明らかであるから、引用発明の当該構成は、本願発明1の「前記取得部により取得された前記選択情報が示す前記選択カテゴリに基づいて、前記ユーザが利用する端末装置に表示される質問入力画面に前記選択カテゴリに対応する付加情報を追加するかどうかを決定する決定部」と、「前記取得部により取得された前記選択情報が示す前記選択カテゴリに基づいて、前記ユーザが利用する端末装置に表示される質問入力画面に前記選択カテゴリに対応する情報を追加する」点で共通する。

(2)一致点及び相違点
以上のことから、本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「電子商取引サービスにおいて質問に関する複数のカテゴリのうち、ユーザが選択した選択カテゴリを示す選択情報を取得する取得部を備え、
前記取得部により取得された前記選択情報が示す前記選択カテゴリに基づいて、前記ユーザが利用する端末装置に表示される質問入力画面に前記選択カテゴリに対応する情報を追加する
情報処理装置。」

(相違点1)
電子商取引サービスにおける質問、及び、選択カテゴリが、本願発明1では、「取引される商品」に対する質問であり、選択カテゴリに「注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリ」を含むのに対し、引用発明では、「ショップへの問い合わせ」の質問であって、選択カテゴリが、「決済」「返品ポリシー」「営業時間」「その他」であり、「注文キャンセルカテゴリ」を含まない点。

(相違点2)
追加される情報が、本願発明1では、「付加情報」であるのに対し、引用発明では、「情報」であって、本願発明1では、付加情報を追加するかどうかを決定するのに対し、引用発明では、単に、情報を追加するものであり、したがって、本願発明1は、「前記決定部は、前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する」構成を備えるのに対し、引用発明ではそのような構成を備えていない点。

(3)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点2について検討する。
上記相違点2に係る本願発明1の「前記決定部は、前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する」という構成は、引用文献2に記載も示唆もされていない。
引用文献2には、注文履歴にキャンセルボタンを表示することが記載されているが、この構成を引用発明に適用しても、その注文履歴に対応する引用発明の購入履歴一覧に、キャンセルボタンを表示することが想到し得るだけである。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2-17について
本願発明2-17も、本願発明1の「前記決定部は、前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

3 本願発明18について
本願発明18は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「前記決定部は、前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

4 本願発明19について
本願発明19は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の「前記決定部は、前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-19は「前記決定部は、前記選択カテゴリが注文のキャンセルに関する注文キャンセルカテゴリである場合、前記商品が注文前であれば、前記付加情報を追加しないと決定し、前記商品が注文後かつ配達完了前であれば、前記商品がキャンセル可能かどうかを示すページを表示させるためのリンクと、当該リンクで前記商品がキャンセル可能かどうかを確認可能であることを示す文字情報とを含む前記付加情報を追加すると決定する」という事項、または、これに対応する事項を有するものとなっており、拒絶査定において引用された引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-07-29 
出願番号 特願2019-53629(P2019-53629)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 久慈 渉  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 上田 智志
畑中 高行
発明の名称 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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