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審決分類 審判 全部申し立て 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降)  C12P
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C12P
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C12P
審判 全部申し立て 2項進歩性  C12P
管理番号 1376697
異議申立番号 異議2020-700812  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-10-21 
確定日 2021-06-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6683782号発明「糖化液」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6683782号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕、4について訂正することを認める。 特許第6683782号の請求項1、3、4に係る特許を維持する。 特許第6683782号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6683782号の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成30年9月19日に出願され、令和2年3月30日にその特許権の設定登録がされ、令和2年4月22日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和2年10月21日に特許異議申立人特許業務法人谷川国際特許事務所により特許異議の申立てがされ、当審は、令和2年12月17日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和3年2月19日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、その訂正の請求に対して、特許異議申立人特許業務法人谷川国際特許事務所は、令和3年4月15日に意見書を提出した。


第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下の(1)、(2)のとおりである。
(1)請求項2を削除する。
(2)請求項3に「請求項1又は2」と記載されているのを「請求項1」に訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)請求項2に係る訂正について
請求項2を削除する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、この訂正は、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)請求項3に係る訂正について
この訂正は請求項2が削除されたことにともない、訂正前に引用していた請求項2を引用しないようにする訂正であるから特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、この訂正は、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3.小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕、4について訂正することを認める。


第3 訂正後の本件発明
訂正後の本件発明は以下のとおりである。
【請求項1】
リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下である広葉樹クラフトパルプまたは針葉樹クラフトパルプを原料として、セルラーゼを添加して加水分解した後に上清を限外濾過膜で濾過して得られた糖化液であって、
前記糖化液の電気伝導度が500μS/cm以上であり、
前記糖化液におけるオリゴ糖の含有量が10ppm以下であり、フルフラールの含有量が1ppm以下であり、可溶性リグニンの含有量が120ppm以上であり、
前記糖化液の酵素活性が10U/ml以下である、糖化液。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
請求項1に記載の糖化液をイオン交換樹脂で処理して得られる精製糖化液。
【請求項4】
リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下である広葉樹クラフトパルプまたは針葉樹クラフトパルプと、水分と、セルラーゼを混合して糖化処理する工程と、
前記糖化処理する工程で得られた処理液を限外濾過膜で膜処理する工程とを含む糖化液の製造方法であって、
前記糖化液電気伝導度が500μS/cm以上であり、
前記糖化液におけるオリゴ糖の含有量が10ppm以下であり、フルフラールの含有量が1ppm以下であり、可溶性リグニンの含有量が120ppm以上であり、
前記糖化液の酵素活性が10U/ml以下である、糖化液の製造方法。


第4 取消理由の概要
当審が通知した令和2年12月17日付け取消理由の概要は次のとおりである。
1.(新規性)本件の請求項1、2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、本件の請求項1、2に係る発明の特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
2.(進歩性)本件の請求項1?4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例1?16に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件の請求項1?4に係る発明の特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
3.(明確性)本件の特許請求の範囲の請求項2、3の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができないものであるから、本件の請求項2、3に係る発明の特許は、特許法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

(引用例)
1.国際公開第2015/119038号(甲第1号証)
2.Nordic Pulp and Paper Research Journal,Vol.17,no.3/2002,pp.222-227 (甲第2号証)
3.アクセルレース・デュエットの製品情報(甲第3号証)
4.国際公開第2012/133477号の再公表公報(甲第4号証)
5.特表2001-511418号公報(甲第5号証)
6.特開2015-142594号公報(甲第6号証)
7.特開2003-278088号公報
8.特開平11-286883号公報
9.特開2004-285532号公報
10.特開2005-76150号公報
11.特開2003-96680号公報
12.特開2009-240168号公報
13.特開昭63-137691号公報
14.特開昭63-7781号公報
15.特開2009-171885号公報
16.特開2000-290887号公報


第5 当審の判断
1.引用例1を主引用例とする新規性進歩性について
引用例1の[0042]?[0043]には、(参考例4)として、広葉樹材の未晒しクラフトパルプであるシートウェットパルプに水、アクセルレース・デュエットを添加し、50℃で24時間反応させて糖化し、糖化処理物をフィルタプレス及び精密ろ過膜を用いて処理し、糖化液を得たことが記載されている。そして、引用例3の記載からみてアクセルレース・デュエットはセルラーゼであると認められる。また、引用例1の[0048]には、(参考例7)として、糖化液を限外濾過することが記載されている。
そうすると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「広葉樹材の未晒しクラフトパルプにセルラーゼを添加して糖化した後、糖化処理物をフィルタプレス及び精密ろ過膜を用いて濾過処理して得られた、糖化液。」
本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)と引用発明1を対比すると、両者は、
「広葉樹クラフトパルプまたは針葉樹クラフトパルプを原料として、セルラーゼを添加して加水分解した後に上清を濾過して得られた糖化液である、糖化液。」である点で一致し、以下の点で相違すると認められる。
(相違点1)
原料のクラフトパルプについて、本件発明1では「リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下である」ことが特定されているのに対して、引用発明1では特定されていない点。
(相違点2)
濾過について、本件発明1では「限外濾過膜」が特定されているのに対して、引用発明1では「フィルタプレス、精密ろ過膜」である点。
(相違点3)
糖化液について、本件発明1では「電気伝導度が500μS/cm以上」、「オリゴ糖の含有量が10ppm以下」、「フルフラールの含有量が1ppm以下」、「可溶性リグニンの含有量が120ppm以上」、「酵素活性が10U/ml以下」という5つのパラメータの特定がなされているのに対して、引用発明1では特定されていない点。

(相違点1)について
本件発明1に特定される「リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下」は、本件特許明細書の段落【0023】の記載から、カッパー価が「約6.67?20」と換算できるところ、引用例2、引用例7(特許請求の範囲)、引用例8(実施例1)、引用例9(段落【0019】)、引用例10(表1)、引用例11(特許請求の範囲)の記載からみて、「約6.67?20」は広葉樹材の未晒しクラフトパルプのカッパー価として通常のものと認められる。
したがって、相違点1は実質的な相違点とはいえない。
(相違点2)及び(相違点3)について
本件発明1は「糖化液」という物に関する発明であるから、処理方法の違い自体は実質的な相違点とはならない。
また、引用例1には、(参考例7)として、糖化液を限外濾過することが記載されており、さらに、引用例12(特許請求の範囲)、引用例13(特許請求の範囲)、引用例14(3頁右下欄)に記載されるように、限外濾過により糖化液から糖化酵素を回収することは周知技術であると認められるから、引用発明1において、フィルタプレス、精密ろ過膜を用いた処理に替えて限外濾過膜による処理を行うことは当業者が容易になし得ることである。
これに対し、特許権者の令和3年2月19日付け意見書に添付された乙第1号証実験成績証明書には、[実験例A]として以下の事項が記載されている。
引用例1の参考例4に従ってパルプ糖化液を調製し、以下の(1)?(3)の条件とし、本件特許明細書の段落【0060】に記載の測定方法に従って酵素活性を測定したこと、
(1)調製された糖化液
(2)調製された糖化液をフィルタプレス処理し、細孔径0.22μmの精密ろ過膜処理した糖化液
(3)調製された糖化液を限外濾過膜で処理した糖化液
上記(1)?(3)について測定された酵素活性が、(1)は2000U/ml以上、(2)は13.51U/ml、(3)は12.94U/mlであったこと。
ここで、上記(2)の条件による処理は、引用発明1(参考例4)に相当し、上記(3)の条件による処理は、引用発明1(参考例4)のフィルタプレス、精密ろ過膜による処理を引用例1(参考例7)に記載の限外濾過膜による処理に替えたものに相当すると認められる。
そうすると、上記[実験例A]の(2)の測定結果からみて、引用発明1は「糖化液の酵素活性が10U/ml以下」が必ず満足されるとはいえず、この点は実質的な相違点であると認められる。
また、上記[実験例A]の(3)の測定結果からみて、引用発明1(参考例4)におけるフィルタプレス、精密ろ過膜を用いた処理に替えて、引用例1の(参考例7)に記載される限外濾過膜による処理を行っても、「糖化液の酵素活性が10U/ml以下」が必ず満足されるとはいえない。
したがって、本件発明1は引用例1に記載された発明であるとも、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。請求項1を引用する請求項3に係る発明についても同様である。
また、本件の請求項4に係る発明についても、同様に、引用例1に記載された発明であるとも、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

2.引用例15を主引用例とする進歩性について
引用例15には、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプなどにセルラーゼを添加して糖化物を得ることが記載されている。
本件発明1と引用例15に記載された発明(以下、「引用発明15」という。)とを対比すると、両者は、
「広葉樹クラフトパルプまたは針葉樹クラフトパルプを原料として、セルラーゼを添加して加水分解した後に上清を濾過して得られた糖化液である、糖化液。」である点で一致し、以下の点で相違すると認められる。
(相違点4)
原料のクラフトパルプについて、本件発明1では「リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下である」ことが特定されているのに対して、引用発明15では特定されていない点。
(相違点5)
本件発明1では「限外濾過膜」で濾過することが特定されているのに対して、引用発明15では特定されていない点。
(相違点6)
糖化液について、本件発明1では「電気伝導度が500μS/cm以上」、「オリゴ糖の含有量が10ppm以下」、「フルフラールの含有量が1ppm以下」、「可溶性リグニンの含有量が120ppm以上」、「酵素活性が10U/ml以下」という5つのパラメータの特定がなされているのに対して、引用発明15では特定されていない点。

(相違点4)について
クラフトパルプとして未漂白もの、漂白したものいずれもが汎用されているから、引用発明15でも広葉樹クラフトパルプとして未晒のものや晒したものが使用されると認められるところ、上記したとおり、引用例2、引用例7(特許請求の範囲)、引用例8(実施例1)、引用例9(段落【0019】)、引用例10(表1)、引用例11(特許請求の範囲)の記載からみて、「約6.67?20」は広葉樹材の未晒しクラフトパルプのカッパー価として通常のものと認められる。
また、引用例7(特許請求の範囲)、引用例9(段落【0009】)、引用例16(特許請求の範囲)の記載から、クラフトパルプは漂白(晒し)によりカッパー価が低下すると認められることから、漂白した広葉樹クラフトパルプや漂白した針葉樹クラフトパルプは、「約6.67?20」のカッパー価を有していることが推認される。
したがって、相違点4は実質的な相違点とはいえない。
(相違点5)及び(相違点6)について
引用例1、12?14に記載されるとおり、限外濾過により糖化液から糖化酵素を回収することは周知技術であると認められるから、引用発明15において糖化液を限外濾過膜で処理すること自体は当業者が容易になし得るといえる。
しかし、特許権者の令和3年2月19日付け意見書に添付された乙第1号証実験成績証明書には、[実験例B]として以下の事項が記載されている。
引用例15の実験例1に従ってパルプ糖化液を調製し、以下の(1)?(3)の条件とし、本件特許明細書の段落【0060】に記載の測定方法に従って酵素活性を測定したこと、
(1)調製された糖化液
(2)調製された糖化液をフィルタプレス処理し、細孔径0.22μmの精密ろ過膜処理した糖化液
(3)調製された糖化液を限外濾過膜で処理した糖化液
上記(1)?(3)について測定された酵素活性が、(1)は2000U/ml以上、(2)は12.54U/ml、(3)は11.74U/mlであったこと。
ここで、上記(3)の条件による処理は、周知技術の限外濾過膜による処理に相当すると認められる。
そうすると、上記[実験例B]の(3)の測定結果からみて、引用発明15に周知技術を適用しても、本件の請求項1に係る発明に特定される「糖化液の酵素活性が10U/ml以下」が必ず満足されるとはいえないから、「糖化液の酵素活性が10U/ml以下」の糖化液を得ることが容易想到であるとはいえない。
そして、本件発明1においては、酵素残存量が少ないという、引用例15及び周知技術から予測できない効果が奏されたと認められる。
したがって、本件発明1は、引用例15に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。請求項1を引用する請求項3に係る発明についても同様である。
また、本件の請求項4に係る発明についても、同様に、引用例15に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.明確性要件について
請求項2及び請求項2を引用する請求項3の記載は明確でないとの取消理由に対して、訂正により請求項2は削除されたから、明確性違反の理由は解消した。

4.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人谷川国際特許事務所は、特許異議申立書において、本件発明1はプロダクト・バイ・クレームであり、本件発明1には「不可能又は非現実的事情」はないから、特許を受けようとする発明が明確でない旨を主張している。

しかし、本件発明1の糖化液は、「電気伝導度が500μS/cm以上」、「オリゴ糖の含有量が10ppm以下」、「フルフラールの含有量が1ppm以下」、「可溶性リグニンの含有量が120ppm以上」、「酵素活性が10U/ml以下」と、物の観点から十分具体的に特定されているから、本件発明1は明確であり、特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしているといえる。
したがって、特許異議申立人の主張は採用することができない。

5.意見書における特許異議申立人の主張について
特許異議申立人特許業務法人谷川国際特許事務所は、令和3年4月15日付け意見書において、特許権者が提出した乙第1号証実験成績証明書に記載された実験で使用された限外濾過膜sartorius社製「vivaspin20」の分画分子量が不明であり、該実験を当業者が追試できないこと、引用例1(甲第1号証)の参考例7で使用される限外濾過膜はシンダー社製“SPE30”分画分子量30,000であるから、実験成績証明書は引用例1の追試とはいえない旨を主張している。

しかし、特許権者が示した実験結果から、引用例1、引用例15に記載された糖化液に限外濾過膜による処理を適用しても、本件発明1に特定される「糖化液の酵素活性が10U/ml以下」というパラメータが満足されない場合があることが理解される。
そうすると、引用例1、引用例15に記載された糖化液に、周知技術である限外濾過膜による処理を適用すれば「糖化液の酵素活性が10U/ml以下」というパラメータが満足される蓋然性が高いとまではいえない。
また、異議申立人は、限外濾過膜としてシンダー社製“SPE30”分画分子量30,000を用いた場合に、上記パラメータが満足されることを実験的に示したわけでもないから、異議申立人の主張は採用できない。

さらに、異議申立人は、実施可能要件及びサポート要件違反について予備的主張を行っているが、本件特許明細書には、本件発明について、実施例をもって具体的に記載されているといえるから、特許異議申立人の予備的主張も採用できない。


第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、3、4に係る特許を取り消すことはできず、また、他に本件請求項1、3、4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項2に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下である広葉樹クラフトパルプまたは針葉樹クラフトパルプを原料として、セルラーゼを添加して加水分解した後に上清を限外濾過膜で濾過して得られた糖化液であって、
前記糖化液の電気伝導度が500μS/cm以上であり、
前記糖化液におけるオリゴ糖の含有量が10ppm以下であり、フルフラールの含有量が1ppm以下であり、可溶性リグニンの含有量が120ppm以上であり、
前記糖化液の酵素活性が10U/ml以下である、糖化液。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
請求項1に記載の糖化液をイオン交換樹脂で処理して得られる精製糖化液。
【請求項4】
リグニン含有量が1質量%以上3質量%以下である広葉樹クラフトパルプまたは針葉樹クラフトパルプと、水分と、セルラーゼを混合して糖化処理する工程と、
前記糖化処理する工程で得られた処理液を限外濾過膜で膜処理する工程とを含む糖化液の製造方法であって、
前記糖化液電気伝導度が500μS/cm以上であり、
前記糖化液におけるオリゴ糖の含有量が10ppm以下であり、フルフラールの含有量が1ppm以下であり、可溶性リグニンの含有量が120ppm以上であり、
前記糖化液の酵素活性が10U/ml以下である、糖化液の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-05-18 
出願番号 特願2018-175089(P2018-175089)
審決分類 P 1 651・ 832- YAA (C12P)
P 1 651・ 113- YAA (C12P)
P 1 651・ 121- YAA (C12P)
P 1 651・ 537- YAA (C12P)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松田 芳子  
特許庁審判長 森井 隆信
特許庁審判官 中島 庸子
一宮 里枝
登録日 2020-03-30 
登録番号 特許第6683782号(P6683782)
権利者 王子ホールディングス株式会社
発明の名称 糖化液  
代理人 特許業務法人特許事務所サイクス  
代理人 特許業務法人特許事務所サイクス  

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