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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F16D
管理番号 1379049
審判番号 訂正2021-390096  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-07-05 
確定日 2021-09-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6905455号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6905455号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6905455号(以下、「本件特許」という。)は、平成29年11月13日の出願であって、令和3年6月29日に特許権の設定登録がされ、令和3年7月5日に本件訂正審判の請求がされたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されているものと同趣旨であり、特許第6905455号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである。(審決注:下線部分が訂正箇所である。)

1 訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項2】の
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
との記載を
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))」
に訂正する(請求項2を引用する請求項4についても同様に訂正する。)。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の【請求項3】の
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
との記載を
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))」
に訂正する(請求項3を引用する請求項4についても同様に訂正する。)。

3 訂正事項3
明細書の【0010】の
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
との記載を
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))」
に訂正する。

4 訂正事項4
明細書の【0012】の
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
との記載を
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))」
に訂正する。

5 訂正事項5
明細書の【0013】の
「開口部を画定する外側面において」
との記載を
「開口部を画定する内側面において」に訂正する。

6 訂正事項6
明細書の【0028】の
「当該基部12の外周面120」
との記載を
「当該基部12の外側面14」に訂正する。

7 訂正事項7
明細書の【0063】の
「各凸部P_(i)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」
との記載を
「各凸部P_(i)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」に訂正する。

8 訂正事項8
明細書の【0064】の
「(図6および表1参照)」
との記載を
「(図7および表1参照)」に訂正する。

9 訂正事項9
明細書の【0066】の
「各凹部Q_(j)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」
との記載を
「各凹部Q_(j)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」に訂正する。

10 訂正事項10
明細書の【0067】の
「(図7および表2参照)」
との記載を
「(図6および表2参照)」に訂正する。

11 訂正事項11
明細書の【0078】の【表6】の、Q_(13)の欄の「θ_(2(13))」及び「θ_(2(14))」との記載を「θ_(2(25))」及び「θ_(2(26))」に訂正し、Q_(14)の欄の「θ_(2(15))」及び「θ_(2(16))」との記載を「θ_(2(27))」及び「θ_(2(28))」に訂正し、Q_(15)の欄の「θ_(2(17))」及び「θ_(2(18))」との記載を、「θ_(2(29))」及び「θ_(2(30))」に訂正する。

12 訂正事項12
明細書の【0096】の
「表9から明らかなように、」
との記載を
「表12から明らかなように、」に訂正する。

13 訂正事項13
明細書の【0101】の
「θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}‥(21)。」
との記載を
「θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))‥(21)。」に訂正する。

14 訂正事項14
明細書の【0103】の
「開口部を画定する外側面」
との記載を
「開口部を画定する内側面」に訂正する。

15 訂正事項15
図面の【図6】の
「O_(2)」
との記載を
「O_(1)」に訂正する。

16 訂正事項16
図面の【図7】の
「O_(1)」
との記載を
「O_(2)」に訂正する。

第3 当審の判断
以下、訂正事項1ないし16について検討する。

1 訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項2】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
から、数式の解釈に不要な「}」を削除し、過不足のない数式の表記に改めることで、特許請求の範囲の【請求項6】並びに明細書の【0019】及び【0033】に記載された数式と同じ表記にするものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項2】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項2】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎず、【請求項2】に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項2】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2 訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項3】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
から、数式の解釈に不要な「}」を削除し、過不足のない数式の表記に改めることで、特許請求の範囲の【請求項7】及び明細書の【0021】に記載された数式と同じ表記にするものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項3】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項3】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎず、【請求項3】に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の【請求項3】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

3 訂正事項3
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の明細書の【0010】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
から、数式の解釈に不要な「}」を削除し、過不足のない数式の表記に改めることで、特許請求の範囲の【請求項6】並びに明細書の【0019】及び【0033】に記載された数式と同じ表記にするものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項3は、訂正前の明細書の【0010】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項3は、訂正前の明細書の【0010】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項3は、訂正前の明細書の【0010】の数式
「偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

4 訂正事項4
(1)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の明細書の【0012】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
から、数式の解釈に不要な「}」を削除し、過不足のない数式の表記に改めることで、特許請求の範囲の【請求項7】及び明細書の【0021】に記載された数式と同じ表記にするものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項4は、訂正前の明細書の【0012】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項4は、訂正前の明細書の【0012】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項4は、訂正前の明細書の【0012】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

5 訂正事項5
(1)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の明細書の【0013】の「開口部を画定する外側面において」との記載を、特許請求の範囲の【請求項3】及び明細書の【0012】、【0015】にも記載されており、明細書の【0030】、【0031】の記載とも整合する「開口部を画定する内側面において」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項5は、訂正前の明細書の【0013】の「開口部を画定する外側面において」との記載を、「開口部を画定する内側面において」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項5は、訂正前の明細書の【0013】の「開口部を画定する外側面において」との記載を、「開口部を画定する内側面において」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項5は、訂正前の明細書の【0013】の「開口部を画定する外側面において」との記載を、「開口部を画定する内側面において」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

6 訂正事項6
(1)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の明細書の【0028】の「当該基部12の外周面120」との記載を、明細書の【0027】の「基部12の外側面14」や【0031】の「基部12を画定する外側面14」という記載と整合する、「当該基部12の外側面14」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項6は、訂正前の明細書の【0028】の「当該基部12の外周面120」との記載を、「当該基部12の外側面14」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項6は、訂正前の明細書の【0028】の「当該基部12の外周面120」との記載を、「当該基部12の外側面14」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項6は、訂正前の明細書の【0028】の「当該基部12の外周面120」との記載を、「当該基部12の外側面14」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

7 訂正事項7
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0063】には「第2部材20の開口部22を画定する内側面24において、径方向内側に突出しているN_(1)個(本実施形態ではN_(1)=6)の凸部P_(1)?P_(6)が周方向に配置されている。開口部22の中心軸線O_(2)に平行な方向について各凸部P_(i)(i=1,2,‥6)の位置(高さ位置)、延在態様および形状は、全部について同一であってもよく、少なくとも一部について相違していてもよい。各凸部P_(i)の横断面形状は図6では略台形状であるが、矩形状、半円形状、半楕円形状、台形および当該台形の上底の少なくとも一部を直径とする半円形が組み合わせられた形状など、さまざまな形状であってもよい。」と記載されている。
また、横断面形状が略台形状であって、径方向内側に突出している凸部P_(i)(i=1,2,・・6)が記載されている図面は、【図6】でなく、【図7】のみである。
そうすると、訂正事項7は、訂正前の明細書の【0063】の「各凸部P_(i)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」との記載を、明細書の【0063】の「凸部P_(i)」に関する記載及び図面の【図7】の記載内容と整合するように、「各凸部P_(i)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項7は、訂正前の明細書の【0063】の「各凸部P_(i)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」との記載を、「各凸部P_(i)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項7は、訂正前の明細書の【0063】の「各凸部P_(i)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」との記載を、「各凸部P_(i)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項7は、訂正前の明細書の【0063】の「各凸部P_(i)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」との記載を、「各凸部P_(i)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

8 訂正事項8
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0064】には「第2部材20の開口部22の中心軸線O_(2)をz軸とした第1円柱座標系において、第1実施形態と同様に6個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている(図6および表1参照)。」と記載されている。
また、第2部材20に6個の凸部P_(i)(i=1,2,・・6)が記載されている図面は【図6】でなく、【図7】のみである。
そうすると、訂正事項8は、訂正前の明細書の【0064】の「(図6および表1参照)」との記載を、明細書の【0064】の「凸部P_(i)」に関する記載及び図面の【図7】の記載内容と整合するように、「(図7および表1参照)」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項8は、訂正前の明細書の【0064】の「(図6および表1参照)」との記載を、「(図7および表1参照)」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項8は、訂正前の明細書の【0064】の「(図6および表1参照)」との記載を、「(図7および表1参照)」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項8は、訂正前の明細書の【0064】の「(図6および表1参照)」との記載を、「(図7および表1参照)」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

9 訂正事項9
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0065】?【0066】には
「【0065】
第1部材10の基部12を画定する外側面14において、径方向内側に窪んでいる複数(本実施形態では「12」)の凹部Q_(1)?Q_(12)が周方向に配置されている。各凹部Q_(j)(j=1?12)は基部12の中心軸線O_(1)に平行な方向に延在している。
【0066】 少なくとも1つの凸部P_(i)の全部が少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込んでいるときに、当該凸部P_(i)の先端面または頂面が、凹部Q_(j)の底面に当接または当該底面から離間するように、第1部材10の基部12を画定する外側面14を基準とした各凹部Q_(j)の径方向の窪み量と、第2部材20の開口部22を画定する内側面24を基準とした各凸部P_(i)の径方向の突出量とが設計されている。例えば、第1部材10の基部12の径と、第2部材20の開口部22の径とが同一または略同一である場合、各凹部Q_(j)の径方向の窪み量が、各凸部P_(i)の径方向の突出量以上に設計されている。各凹部Q_(j)の横断面形状は図7では略台形状であるが、矩形状、半円形状、半楕円形状、矩形および当該矩形の一辺の少なくとも一部を直径とする半円形が組み合わせられた形状など、各凸部P_(i)の全部を収容しうるさまざまな形状であってもよい。」と記載されている。
また、横断面形状が略台形状であって、径方向内側に窪んでいる12個の凹部Q_(j)(j=1?12)が記載されている図面は、【図7】でなく、【図6】のみである。
そうすると、訂正事項9は、訂正前の明細書の【0066】の「各凹部Q_(j)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」との記載を、明細書の【0065】?【0066】の「凹部Q_(j)」に関する記載及び図面の【図6】の記載内容と整合するように、「各凹部Q_(j)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項9は、訂正前の明細書の【0066】の「各凹部Q_(j)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」との記載を、「各凹部Q_(j)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項9は、訂正前の明細書の【0066】の「各凹部Q_(j)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」との記載を、「各凹部Q_(j)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項9は、訂正前の明細書の【0066】の「各凹部Q_(j)の横断面形状は図7では略台形状であるが、」との記載を、「各凹部Q_(j)の横断面形状は図6では略台形状であるが、」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

10 訂正事項10
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0067】には「第1部材10の基部12の中心軸線O_(1)をz軸とした第2円柱座標系において、第1実施形態と同様に12個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている(図7および表2参照)。」と記載されている。
また、基部に12個の凹部Q_(j)が記載されている図面は、【図7】でなく、【図6】のみである。
そうすると、訂正事項10は、訂正前の明細書の【0067】の「(図7および表2参照)」との記載を、明細書の【0067】の「凹部Q_(j)」に関する記載及び図面の【図6】の記載内容と整合するように、「(図6および表2参照)」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項10は、訂正前の明細書の【0067】の「(図7および表2参照)」との記載を、「(図6および表2参照)」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項10は、訂正前の明細書の【0067】の「(図7および表2参照)」との記載を、「(図6および表2参照)」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項10は、訂正前の明細書の【0067】の「(図7および表2参照)」との記載を、「(図6および表2参照)」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

11 訂正事項11
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0077】には、「このため、表6に示されているように、第2円柱座標系における15個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている。」と記載されており、凹部Q_(j)の偏角範囲は[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j)]であるから、凹部Q_(13)の偏角範囲は[θ_(2(25)),θ_(2(26))]であり、凹部Q_(14)の偏角範囲は[θ_(2(27)),θ_(2(28))]であり、凹部Q_(15)の偏角範囲は[θ_(2(29)),θ_(2(30))]であると認められる。
そうすると、訂正事項11は、訂正前の明細書の【0078】の【表6】の、Q_(13)?Q_(15)の欄の偏角範囲に関する「θ_(2(15))」?「θ_(2(18))」との誤った記載を、「θ_(2(25))」?「θ_(2(30))」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項11は、訂正前の明細書の【0078】の【表6】の、Q_(13)?Q_(15)の欄の偏角範囲に関する「θ_(2(15))」?「θ_(2(18))」との誤った記載を、「θ_(2(25))」?「θ_(2(30))」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項11は、訂正前の明細書の【0078】の【表6】の、Q_(13)?Q_(15)の欄の偏角範囲に関する「θ_(2(15))」?「θ_(2(18))」との誤った記載を、「θ_(2(25))」?「θ_(2(30))」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項11は、訂正前の明細書の【0078】の【表6】の、Q_(13)?Q_(15)の欄の偏角範囲に関する「θ_(2(15))」?「θ_(2(18))」との誤った記載を、「θ_(2(25))」?「θ_(2(30))」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

12 訂正事項12
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0094】?【0096】には、

「【0094】
このため、表12に示されているように、第2円柱座標系における12個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている。
【0095】
【表12】


【0096】
表9から明らかなように、2個の凹部Q_(1)およびQ_(12)が部分的に重複して1個の凹部を構成しているため、見かけ上は11個の別個の凹部が存在しているが、概念的には12個の凹部Q_(1)?Q_(12)が存在している。見かけ上の11個の凹部を隔てる11個の隔壁部分のそれぞれの周方向の肉厚を表わす第2円柱座標系における偏角は、20°(Q_(1)⇔Q_(2)),25°(Q_(2)⇔Q_(3)),20°(Q_(3)⇔Q_(4)),25°(Q_(4)⇔Q_(5)),20°(Q_(5)⇔Q_(6)),25°(Q_(6)⇔Q_(7)),20°(Q_(7)⇔Q_(8)),25°(Q_(8)⇔Q_(9)),20°(Q_(9)⇔Q_(10)),25°(Q_(10)⇔Q_(11)),20°(Q_(11)⇔Q_(12))である。当該偏角の平均値は22.3°であり、分散は6.2°である。」と記載されている。

そして、明細書の段落【0096】の冒頭の「表9から明らかなように、」との記載に続く
「2個の凹部Q_(1)およびQ_(12)が部分的に重複して1個の凹部を構成しているため、見かけ上は11個の別個の凹部が存在しているが、概念的には12個の凹部Q_(1)?Q_(12)が存在している。見かけ上の11個の凹部を隔てる11個の隔壁部分のそれぞれの周方向の肉厚を表わす第2円柱座標系における偏角は、20°(Q_(1)⇔Q_(2)),25°(Q_(2)⇔Q_(3)),20°(Q_(3)⇔Q_(4)),25°(Q_(4)⇔Q_(5)),20°(Q_(5)⇔Q_(6)),25°(Q_(6)⇔Q_(7)),20°(Q_(7)⇔Q_(8)),25°(Q_(8)⇔Q_(9)),20°(Q_(9)⇔Q_(10)),25°(Q_(10)⇔Q_(11)),20°(Q_(11)⇔Q_(12))である。」との記載は、表6の記載内容と整合せず、表12の記載内容のみと整合しているから、訂正前の明細書の【0096】の冒頭の「表9から明らかなように、」との記載は、誤った記載であることが理解できる。

そうすると、訂正事項12は、訂正前の明細書の【0096】の冒頭の「表9から明らかなように、」との誤った記載を、「表12から明らかなように、」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項12は、訂正前の明細書の【0096】の冒頭の「表9から明らかなように、」との誤った記載を、「表12から明らかなように、」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項12は、訂正前の明細書の【0096】の冒頭の「表9から明らかなように、」との誤った記載を、「表12から明らかなように、」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項12は、訂正前の明細書の【0096】の冒頭の「表9から明らかなように、」との誤った記載を、「表12から明らかなように、」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

13 訂正事項13
(1)訂正の目的について
訂正事項13は、訂正前の明細書の【0101】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」
から、数式の解釈に不要な「}」を削除し、過不足のない数式の表記に改めることで、特許請求の範囲の【請求項7】及び明細書の【0021】に記載された数式と同じ表記にするものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項13は、訂正前の明細書の【0101】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項13は、訂正前の明細書の【0101】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項13は、訂正前の明細書の【0101】の数式
「偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))}」を、過不足のない数式の表記に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

14 訂正事項14
(1)訂正の目的について
訂正事項14は、訂正前の明細書の【0103】の「開口部を画定する外側面」との記載を、特許請求の範囲の【請求項3】、【請求項6】及び明細書の【0012】、【0015】にも記載されており、明細書の【0063】及び【0068】の記載とも整合する「開口部を画定する内側面」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項14は、訂正前の明細書の【0103】の「開口部を画定する外側面」との記載を、「開口部を画定する内側面」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項14は、訂正前の明細書の【0103】の「開口部を画定する外側面」との記載を、「開口部を画定する内側面」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項14は、訂正前の明細書の【0103】の「開口部を画定する外側面」との記載を、「開口部を画定する内側面」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

15 訂正事項15
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0067】には「第1部材10の基部12の中心軸線O_(1)をz軸とした第2円柱座標系において、第1実施形態と同様に12個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている」と記載されており、第1部材の基部の中心軸線は「O_(1)」であることが理解できるが、第1部材の基部が描かれている【図6】の中心軸線の位置には、「O_(1)」ではなく、「O_(2)」という誤った符号が記載されている。
そうであれば、訂正事項15は、訂正前の図面の【図6】の「O_(2)」という誤った符号の記載を、「O_(1)」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項15は、訂正前の図面の【図6】の「O_(2)」という誤った符号の記載を、「O_(1)」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項15は、訂正前の図面の【図6】の「O_(2)」という誤った符号の記載を、「O_(1)」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項15は、訂正前の図面の【図6】の「O_(2)」という誤った符号の記載を、「O_(1)」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

16 訂正事項16
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0064】には「第2部材20の開口部22の中心軸線O_(2)をz軸とした第1円柱座標系において、第1実施形態と同様に6個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている」と記載されており、第2部材の開口部の中心軸線は「O_(2)」であることが理解できるが、第2部材の開口部が描かれている【図7】の中心軸線の位置には、「O_(2)」ではなく、「O_(1)」という誤った符号が記載されている。
そうであれば、訂正事項16は、訂正前の図面の【図7】の「O_(1)」という誤った符号の記載を、「O_(2)」という正しい記載に改めるものであって、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記の訂正」及び同項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項16は、訂正前の図面の【図7】の「O_(1)」という誤った符号の記載を、「O_(2)」という正しい記載に改めるものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲を超えて新たな技術的事項を導入するものでないから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)のとおり、訂正事項16は、訂正前の図面の【図7】の「O_(1)」という誤った符号の記載を、「O_(2)」という正しい記載に改めるものに過ぎず、本件特許に係る発明の、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
上記(1)のとおり、訂正事項16は、訂正前の図面の【図7】の「O_(1)」という誤った符号の記載を、「O_(2)」という正しい記載に改めるものに過ぎないから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同法同条第5項ないし第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
嵌合機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を有する一の部材と、当該開口部に嵌合される基部を有する他の部材と、を備えている嵌合機構に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部を画定する一の部材の内側面に径方向に窪んでいる複数の凹部が周方向に配置され、基部の外側面から径方向に突出している複数の凸部が周方向に配置されている嵌合機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
少なくとも1つの凹部に少なくとも1つの凸部が位置合わせされたうえで、開口部に基部が嵌合または圧入される。これにより、少なくとも1つの凸部の周方向への変位が少なくとも1つの凹部の周方向両端面により制限されるので、一の部材に対する他の部材の相対的な回転(開口部および基部のそれぞれの中心軸線まわりの回転)が制限される。また、残りの凸部は少なくとも部分的に複数の凹部のいずれからも外れた状態で一の部材の内側面に圧接するので、一の部材の開口部から他の部材の基部が軸線方向に変位することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6061578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、基部および開口部の周方向についての相対的な位置決めが必要である場合、一の部材および他の部材を嵌合させるための作業コストがその分だけ必要になる。
【0006】
そこで、本発明は、一の部材の開口部および他の部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、相対的な回転を制限可能な形で一の部材の開口部に他の部材の基部を嵌合または圧入させることができる嵌合機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様の嵌合機構は、周方向に配置され、径方向外側に突出している複数の凸部を有している外側面により画定されている基部を有する第1部材と、周方向に沿って配置された、径方向外側に窪んでいる複数の凹部を有している内側面により画定されている開口部を有する第2部材と、を備えている。
【0008】
本発明の第1態様の嵌合機構は、前記第1部材の前記基部の中心軸線をz軸とする第1円柱座標系における偏角の範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))](i=1,2,‥,N_(1))に前記複数の凸部としての少なくともN_(1)個の凸部のそれぞれが配置され、前記第2部材の前記開口部の中心軸線をz軸とする第2円柱座標系における偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))](j=1,2,‥,N_(2)(≧N_(1)))に前記複数の凹部としての少なくともN_(2)個の凹部のそれぞれが配置され、数列{1,2,‥N_(1)}の全単射σ_(1)を用いてi(k)(k=1,2,‥)がσ_(1)({(k-1)modN_(1)}+1)と定義され、数列{1,2,‥N_(2)}の全単射σ_(2)を用いてj(k)がσ_(2)({(k-1)modN_(2)}+1)と定義され、前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、任意のkについて、θ_(1(2i(k)-1))=θ_(2(2j(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))<θ_(2(2j(k)))である状態S^(-)(k)から、θ_(2(2j(k)-1))<θ_(1(2i(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))=θ_(2(2j(k)))である状態S^(+)(k)に遷移するまでの間に状態S^(-)(k+1)が実現されるように、前記複数の凸部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凹部が前記開口部の内側面に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1態様の嵌合機構によれば、第2部材の開口部および第1部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部の全部を少なくとも1つの凹部に入り込ませた状態で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合させることができる。少なくとも1つの凸部の周方向の変位が少なくとも1つの凹部の周方向両端面により制限されるので、第1部材および第2部材が相対的な回転を制限可能な形で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合または圧入させることができる。
【0010】
第1態様の嵌合機構において、前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角幅Δ_(1)を有し、かつ、前記N_(1)個の凸部がz軸まわりの回転対称性としてN_(1)回対称性を有するように、前記基部を画定する外側面において周方向に配置され、前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(2)=Δ_(1)+ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることが好ましい。
【0011】
当該構成の嵌合機構によれば、第1部材において、N_(1)個の凸部がz軸まわりの回転対称性としてN_(1)回対称性を有するように、基部を画定する外側面において周方向に配置されている場合でも、第2部材の開口部および第1部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部の全部を少なくとも1つの凹部に入り込ませた状態で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合させることができる。
【0012】
第1態様の嵌合機構において、前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角幅Δ_(2)を有し、かつ、前記N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、前記開口部を画定する内側面において周方向に配置され、前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(1)=Δ_(2)-{ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))}(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることが好ましい。
【0013】
当該構成の嵌合機構によれば、第2部材において、N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、開口部を画定する内側面において周方向に配置されている場合でも、第2部材の開口部および第1部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部の全部を少なくとも1つの凹部に入り込ませた状態で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合させることができる。
【0014】
第1態様の嵌合機構において、前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、前記状態S^(+)(k)および前記状態S^(-)(k+1)が同時に実現されるように、前記複数の凸部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凹部が前記開口部の内側面に配置されていることが好ましい。
【0015】
当該構成の嵌合機構によれば、第2部材の開口部を画定する内側面に配置されている各凹部の周方向の幅を必要最低限に抑制することができる。このため、隣り合う一対の凹部を隔てる隔壁部分の偏角幅(周方向の肉厚またはサイズ)が、第1部材および第2部材の相対的な回転によって凹部に全部が入り込んでいる凸部から作用する力を当該隔壁部分が受け止める強度を確保する観点から適当に確保されうる。
【0016】
本発明の第2態様の嵌合機構は、周方向に配置され、径方向内側に窪んでいる複数の凹部を有している外側面により画定されている基部を有する第1部材と、周方向に沿って配置された、径方向内側に突出している複数の凸部を有している内側面により画定されている開口部を有する第2部材と、を備えている。
【0017】
本発明の第2態様の嵌合機構は、前記第2部材の前記開口部の中心軸線をz軸とする第1円柱座標系における偏角の範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))](i=1,2,‥,N_(1))に前記複数の凸部としての少なくともN_(1)個の凸部のそれぞれが配置され、前記第1部材の前記基部の中心軸線をz軸とする第2円柱座標系における偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))](j=1,2,‥,N_(2))に前記複数の凹部としての少なくともN_(2)個の凹部のそれぞれが配置され、数列{1,2,‥N_(1)}の全単射σ_(1)を用いてi(k)(k=1,2,‥)がσ_(1)({(k-1)modN_(1)}+1)と定義され、数列{1,2,‥N_(2)}の全単射σ_(2)を用いてj(k)がσ_(2)({(k-1)modN_(2)}+1)と定義され、前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、任意のkについて、θ_(1(2i(k)-1))=θ_(2(2j(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))<θ_(2(2j(k)))である状態S^(-)(k)から、θ_(2(2j(k)-1))<θ_(1(2i(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))=θ_(2(2j(k)))である状態S^(+)(k)に遷移するまでの間に状態S^(-)(k+1)が実現されるように、前記複数の凹部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凸部が前記開口部の内側面に配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の第2態様の嵌合機構によれば、第2部材の開口部および第1部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部の全部を少なくとも1つの凹部に入り込ませた状態で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合させることができる。少なくとも1つの凸部の周方向の変位が少なくとも1つの凹部の周方向両端面により制限されるので、第1部材および第2部材が相対的な回転を制限可能な形で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合または圧入させることができる。
【0019】
第2態様の嵌合機構において、前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角幅Δ_(1)を有し、かつ、前記N_(1)個の凸部がz軸まわりの回転対称性としてN_(1)回対称性を有するように、前記開口部を画定する内側面において周方向に配置され、前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(2)=Δ_(1)+ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることが好ましい。
【0020】
当該構成の嵌合機構によれば、第2部材において、N_(1)個の凸部がz軸まわりの回転対称性としてN_(1)回対称性を有するように、開口部を画定する内側面において周方向に配置されている場合でも、第2部材の開口部および第1部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部の全部を少なくとも1つの凹部に入り込ませた状態で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合させることができる。
【0021】
第2態様の嵌合機構において、前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角幅Δ_(2)を有し、かつ、前記N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、前記基部を画定する外側面において周方向に配置され、前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(1)=Δ_(2)-{ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))}(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることが好ましい。
【0022】
当該構成の嵌合機構によれば、第1部材において、N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、基部を画定する外側面において周方向に配置されている場合でも、第2部材の開口部および第1部材の基部の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部の全部を少なくとも1つの凹部に入り込ませた状態で、第2部材の開口部に第1部材の基部を嵌合させることができる。
【0023】
第2態様の嵌合機構において、前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、前記状態S^(+)(k)および前記状態S^(-)(k+1)が同時に実現されるように、前記複数の凹部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凸部が前記開口部の内側面に配置されていることが好ましい。
【0024】
当該構成の嵌合機構によれば、第1部材の基部の外側面に配置されている各凹部の周方向の幅を必要最低限に抑制することができる。このため、隣り合う一対の凹部を隔てる隔壁部分の偏角幅(周方向の肉厚またはサイズ)が、第1部材および第2部材の相対的な回転によって凹部に全部が入り込んでいる凸部から作用する力を当該隔壁部分が受け止める強度を確保する観点から適当に確保されうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態としての嵌合機構の構成に関する説明図。
【図2】第1部材の基部の外側面における凸部の配置例示図。
【図3】第2部材の開口部の内側面における凹部の配置例示図。
【図4】本発明の第1実施形態としての嵌合機構の作用に関する説明図。
【図5】本発明の第2実施形態としての嵌合機構の構成に関する説明図。
【図6】第1部材の基部の外側面における凹部の配置例示図。
【図7】第2部材の開口部の内側面における凸部の配置例示図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
(構成)
図1に示されている本発明の第1実施形態としての嵌合機構1は、第1部材10と、第2部材20と、を備えている。図1において、第1部材10および第2部材20は簡略的に描かれているが、例えば、自動車のサスペンション用のスラスト滑り軸受装置としての、滑り軸受のロワーケースおよびスプリングシートのそれぞれを構成する。
【0027】
第1部材10は、略円柱側面状の外側面14により画定されている基部12を有する。外側面14は略円錐台側面状または楕円球面の一部など、任意の直線線分または曲線線分を一の軸線まわりに回転して得られる任意の形状であってもよい。第1部材10の基部12を画定する外側面14において、基部12の中心軸線O_(1)に対して垂直な径方向外側に突出しているN_(1)個(本実施形態ではN_(1)=6)の凸部P_(1)?P_(6)が周方向に配置されている。基部12の中心軸線O_(1)に平行な方向について各凸部P_(i)(i=1,2,‥6)の位置(基部12を横から見たときの高さ位置)、延在態様および形状は、全部について同一であってもよく、少なくとも一部について相違していてもよい。各凸部P_(i)の横断面における形状または上面視した際の形状は図2では略台形状であるが、矩形状、半円形状、半楕円形状、台形および当該台形の上底の少なくとも一部を直径とする半円形が組み合わせられた形状など、さまざまな形状であってもよい。
【0028】
第1部材10の基部12の中心軸線O_(1)をz軸とした第1円柱座標系において、6個の凸部P_(1)?P_(6)が回転対称性として6回対称性を有するように、当該基部12の外側面14に配置されている。各凸部P_(i)の偏角幅Δ_(1)(最大幅)は「5°」である。具体的には、図2および表1に示されているように、第1部材10の基部12の中心軸線O_(1)をz軸とした第1円柱座標系における6個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている。
【0029】
【表1】

【0030】
第2部材20は、略円柱側面状の内側面24により画定されている開口部22を有する。内側面24は略円錐台側面状または楕円球面の一部など、任意の直線線分または曲線線分を一の軸線まわりに回転して得られる任意の形状であってもよい。開口部22は、第2部材20の貫通孔を構成していてもよく、第2部材20の穴またはザグリを構成していてもよい。第2部材20の開口部22を画定する内側面24において、開口部22の中心軸線O_(2)に対して垂直な径方向外側に窪んでいるN_(2)個(本実施形態ではN_(2)=12)の凹部Q_(1)?Q_(12)が周方向に配置されている。各凹部Q_(j)(j=1?12)は開口部22の中心軸線O_(2)に平行な方向に延在している。
【0031】
少なくとも1つの凸部P_(i)の全部が少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込んでいるときに、当該凸部P_(i)の先端面または頂面が、凹部Q_(j)の底面に当接または当該底面から離間するように、第2部材20の開口部22を画定する内側面24を基準とした各凹部Q_(j)の径方向の窪み量と、第1部材10の基部12を画定する外側面14を基準とした各凸部P_(i)の径方向の突出量とが設計されている。例えば、第1部材10の基部12の径と、第2部材20の開口部22の径とが同一または略同一である場合、各凹部Q_(j)の径方向の窪み量が、各凸部P_(i)の径方向の突出量以上に設計されている。各凹部Q_(j)の横断面形状は図3では略台形状であるが、台形状、半円形状、半楕円形状、台形および当該台形の上底の少なくとも一部を直径とする半円形が組み合わせられた形状など、各凸部P_(i)の全部を収容しうるさまざまな形状であってもよい。
【0032】
第2部材20の開口部22の中心軸線O_(2)をz軸とした第2円柱座標系において、12個の凹部Q_(1)?Q_(12)が回転対称性を有しないように、第2部材20の内側面24の周方向に配置されている。具体的には、第2円柱座標系において、N_(2)個の凹部Q_(j(k))のそれぞれが、関係式(11)で表わされる偏角θ_(2)(k)を基準とする偏角幅Δ_(2)を有する偏角範囲に配置されている。
【0033】
θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))‥(11)。
【0034】
Δ_(2)=Δ_(1)+ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))(ε(k)≧0)‥(12)。
【0035】
i(k)(k=1,2,‥N_(2))は、数列{1,2,‥N_(1)}の全単射σ_(1)を用いて関係式(13)により定義されている。
【0036】
i(k)=σ_(1)({(k-1)modN_(1)}+1) ‥(13)。
【0037】
数列{1,2,‥N_(1)}の全単射または置換σ_(1)は任意に選定されてもよいが、本実施形態では、数列{1,2,‥N_(1)}の全単射または置換σ_(1)は関係式(14)により定義されている。
【0038】
σ_(1):{1,2,3,4,5,6}→{3,4,2,5,1,6} ‥(14)。
【0039】
j(k)は、数列{1,2,‥N_(2)}の全単射σ_(2)を用いて関係式(15)により定義されている。
【0040】
j(k)=σ_(2)({(k-1)modN_(2)}+1) ‥(15)。
【0041】
数列{1,2,‥N_(2)}の全単射または置換σ_(2)は任意に選定されてもよいが、好ましくは、N_(2)個の凹部Q_(j(k))が相互に離間して配置されるような全単射が選定される。後述するように置換σ_(2)は、N_(2)個の凹部Q_(j(k))のうち一部が重複することにより、見かけ上は(N_(2)-1)個以下の凹部が相互に離間して配置されるような全単射が選定されてもよい。本実施形態では、数列{1,2,‥N_(2)}の全単射または置換σ_(2)は関係式(16)により定義されている。
【0042】
σ_(2):{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}
→{6,8,4,10,2,12,7,9,5,11,3,1} ‥(16)。
【0043】
表2には、「k」、「i(k)」および「j(k)」の対応関係が示されている。
【0044】
【表2】

【0045】
このため、図3および表3に示されているように、第2円柱座標系における12個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている。
【0046】
【表3】

【0047】
第1円柱座標系における各凸部P_(i(k))の偏角幅Δ_(1)が5°であり、凸部P_(i(k))の個数N_(1)が6であり、凹部Q_(j(k))の個数N_(2)が12であるため各凹部Q_(j(k))の偏角幅Δ_(2)は10°である(関係式(12)参照)。
【0048】
本実施形態ではε(k)=0°であるが、ε(k)は各凹部Q_(j)が正値であってもよい。例えば、隣り合う凹部同士を隔てる隔壁部分の周方向の肉厚が最も小さい、第3凹部Q_(3)および第4凹部Q_(4)の間の隔壁部分、ならびに、第5凹部Q_(5)および第6凹部Q_(6)の間の隔壁部分のそれぞれの偏角範囲(周方向の肉厚)は10°であるため、ε(k)は2°または7°等、10°未満の正値であってもよい。ただし、隔壁部分の周方向の肉厚が過小であると、隔壁部分に凸部P_(i)が圧接した際に当該隔壁部分が過度に変形または損傷する可能性がある。このため、隔壁部分の周方向の肉厚が、径方向の肉厚(各凹部Q_(j)の径方向の窪み量)よりも大きくなるようにε(k)が選択されることが好ましい。
【0049】
図4の最上段には、偏角θ_(2)を横軸として、各凹部Q_(j(k))が配置されている偏角範囲が矩形により示されている。図4の最上段より下段には、偏角θ_(1)を横軸として、各凸部P_(i(k))が配置されている偏角範囲が矩形により示されている。図4(0)?(12)は、第1円柱座標系および第2円柱座標系を、それぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、各凸部P_(i(k))の各凹部Q_(j(k))に対する相対的な配置関係の変遷態様が示されている。
【0050】
状態S(0)は、第1円柱座標系および第2円柱座標系の基準を合わせた状態に該当する。本実施形態では、状態S(0)および状態S^(-)(12)は実質的に同一の状態であるが、これは後述するように凸部P_(i)が回転対称性を有するように配置されていることに由来する。第1円柱座標系および第2円柱座標系を相対的に回転させる過程で、任意のkについて状態S^(-)(k)から状態S^(+)(k)に遷移するまでの間に状態S^(-)(k+1)が実現されるように、第1部材10の基部12を画定する外側面14において、各凸部P_(i)が周方向に配置され、かつ、第2部材20の開口部22を画定する内側面24において、各凹部Q_(j)が周方向に配置されている。
【0051】
状態S^(-)(k)は、第i(k)凸部P_(i(k))の全部が第j(k)凹部Q_(j(k))の偏角範囲に含まれ、第i(k)凸部P_(i(k))の偏角範囲の下限値と第j(k)凹部Q_(j(k))の偏角範囲の下限値とが一致している状態(θ_(1(2i(k)-1))=θ_(2(2j(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))<θ_(2(2j(k)))である状態)である。図4(1)?(12)のそれぞれは、黒矩形で表わされている凸部P_(i(k))と、当該凸部P_(i(k))の直上にあって当該凸部P_(i(k))を包含する偏角範囲に存在する凹部Q_(j(k))とにより状態S^(-)(k)が実現されていることを示している。
【0052】
図4(0)?(12)のそれぞれにおいて、白矩形で表わされている凸部P_(i(k’))は、その偏角範囲の少なくとも一部が各凹部Q_(j(k))の偏角範囲から外れていることを示している。
【0053】
状態S^(+)(k)は、第i(k)凸部P_(i(k))の全部が第j(k)凹部Q_(j(k))の偏角範囲に含まれ、第i(k)凸部P_(i(k))の偏角範囲の上限値と第j(k)凹部Q_(j(k))の偏角範囲の上限値とが一致している状態(θ_(2(2j(k)-1))<θ_(1(2i(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))=θ_(2(2j(k)))である状態)である。図4(1)?(12)のそれぞれは、灰矩形で表わされている凸部P_(i(k))と、当該凸部P_(i(k))の直上にあって当該凸部P_(i(k))を包含する偏角範囲に存在する凹部Q_(j(k))とにより状態S^(+)(k)が実現されていることを示している。
【0054】
本実施形態では、第1および第2円柱座標の相対的な回転過程において、状態S^(-)(k)が状態S^(+)(k)に遷移すると同時に状態S^(-)(k+1)が実現される。これは、ε(k)=0°であることに由来する。ε(k)>0°である場合、第1および第2円柱座標の相対的な回転過程において、状態S^(-)(k)が状態S^(+)(k)に遷移する前に状態S^(-)(k+1)が実現されうる。
【0055】
(作用)
図4および表4から明らかなように、第1円柱座標系および第2円柱座標系の相対的な回転角度がn×(Δ_(2)-Δ_(1))?(n+1)×(Δ_(2)-Δ_(1))(本実施形態ではΔ_(2)-Δ_(1)=5°)の範囲では状態S(k)が実現される。ここで、nは正の整数であり、k={(n-1)modN_(2)}+1である(以下同じ)。状態S(k)は、第i(k)凸部P_(i(k))の偏角範囲[θ_(1(2i(k)-1)),θ_(1(2i(k)))]の全部が第j(k)凹部Q_(j(k))の偏角範囲[θ_(2(2j(k)-1)),θ_(2(2j(k)))]に含まれている状態である。状態S^(-)(k)および状態S^(+)(k)は、ともに状態S(k)に該当する。すなわち、状態S(k)で基部12が開口部22に嵌合または挿入された場合、第i(k)凸部P_(i(k))の全部が第j(k)凹部Q_(j(k))に収容されている。
【0056】
「i(k)」および「j(k)」の組み合わせ(表2参照)は、第1および第2円柱座標系を相対的に回転させる過程で、凸部と、当該凸部の偏角範囲の全部を含んでいる偏角範囲を有する凹部と、の組み合わせの遷移を表わしている。
【0057】
(Δ_(2)-Δ_(1))は、基部12が開口部22に嵌合または挿入されて凸部P_(i)の全部が凹部Q_(j)に入り込んだまたは収容された状態で、凹部Q_(j)における凸部P_(i)の変位余裕を表わす偏角幅、ひいては第1部材10および第2部材20の相対的な回転が許容される角度に相当する。表4には、状態S(k)がまとめて示されている。
【0058】
【表4】

【0059】
各凸部P_(i)の配置が6回対称性を有しているため(k={(n-1)modN_(2)}+1であるため)、第1および第2円柱座標系の相対的な回転角度が状態S(0)から60°(=5°×N_(2))の倍数である際の状態(本実施形態では状態S^(-)(12))は、状態S(0)と実質的に同一である(図4(0)および(12)参照)。このため、本実施形態では状態S^(-)(12)において、各凸部P_(i)を表わす指数iの数列{1,2,3,4,5,6}が{6,1,2,3,4,5}に置換されたうえで、状態S(1)?S(12)が同順で実現される(図4(1)?(12)参照)。
【0060】
(効果)
このため、第1部材10の基部12が、第2部材20の開口部22に圧入される際、基部12および開口部22を相対的に周方向に位置決めしなくても、基部12の外側面14に配置されている複数の凸部P_(1)?P_(6)のうち少なくとも1つの凸部P_(i)の全部を、開口部22を画定する内側面24に配置されている複数の凹部Q_(1)?Q_(12)のうち少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込ませることができる。よって、当該少なくとも1つの凸部P_(i)が開口部22を画定する内側面24により径方向に圧力を受けて変形することが回避される。当該少なくとも1つの凸部P_(i)の周方向の変位が、当該少なくとも1つの凹部Q_(j)の周方向両端面で制限されるため、第1部材10の基部12および第2部材20の開口部22の相対的な回転が制限される。
【0061】
また、残りの凸部P_(i’)が少なくとも部分的に開口部22を画定する内側面24に圧接するので、第1部材10の基部12が第2部材20の開口部22から外れることが防止される。
【0062】
(第2実施形態)
(構成)
図5に示されている本発明の第2実施形態としての嵌合機構1は、第1実施形態と同様に第1部材10と、第2部材20と、を備えている。第1部材10の基部12に複数の凸部ではなく径方向内側に窪んでいる複数の凹部Q_(j)が設けられ、第2部材20の開口部22に複数の凹部ではなく径方向内側に突出している複数の凸部P_(i)が設けられているほかは、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略するとともに対応する構成には同一の符号を用いる。
【0063】
第2部材20の開口部22を画定する内側面24において、径方向内側に突出しているN_(1)個(本実施形態ではN_(1)=6)の凸部P_(1)?P_(6)が周方向に配置されている。開口部22の中心軸線O_(2)に平行な方向について各凸部P_(i)(i=1,2,‥6)の位置(高さ位置)、延在態様および形状は、全部について同一であってもよく、少なくとも一部について相違していてもよい。各凸部P_(i)の横断面形状は図7では略台形状であるが、矩形状、半円形状、半楕円形状、台形および当該台形の上底の少なくとも一部を直径とする半円形が組み合わせられた形状など、さまざまな形状であってもよい。
【0064】
第2部材20の開口部22の中心軸線O_(2)をz軸とした第1円柱座標系において、第1実施形態と同様に6個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている(図7および表1参照)。
【0065】
第1部材10の基部12を画定する外側面14において、径方向内側に窪んでいる複数(本実施形態では「12」)の凹部Q_(1)?Q_(12)が周方向に配置されている。各凹部Q_(j)(j=1?12)は基部12の中心軸線O_(1)に平行な方向に延在している。
【0066】
少なくとも1つの凸部P_(i)の全部が少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込んでいるときに、当該凸部P_(i)の先端面または頂面が、凹部Q_(j)の底面に当接または当該底面から離間するように、第1部材10の基部12を画定する外側面14を基準とした各凹部Q_(j)の径方向の窪み量と、第2部材20の開口部22を画定する内側面24を基準とした各凸部P_(i)の径方向の突出量とが設計されている。例えば、第1部材10の基部12の径と、第2部材20の開口部22の径とが同一または略同一である場合、各凹部Q_(j)の径方向の窪み量が、各凸部P_(i)の径方向の突出量以上に設計されている。各凹部Q_(j)の横断面形状は図6では略台形状であるが、矩形状、半円形状、半楕円形状、矩形および当該矩形の一辺の少なくとも一部を直径とする半円形が組み合わせられた形状など、各凸部P_(i)の全部を収容しうるさまざまな形状であってもよい。
【0067】
第1部材10の基部12の中心軸線O_(1)をz軸とした第2円柱座標系において、第1実施形態と同様に12個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている(図6および表2参照)。
【0068】
(効果)
第1実施形態と同様に、第1部材10の基部12が、第2部材20の開口部22に圧入される際、基部12および開口部22を相対的に周方向に位置決めしなくても、開口部22を画定する内側面24に配置されている複数の凸部P_(1)?P_(6)のうち少なくとも1つの凸部P_(i)の全部を、基部12の外側面14に配置されている複数の凹部Q_(1)?Q_(12)のうち少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込ませることができる。このため、当該少なくとも1つの凸部P_(i)が基部12を画定する外側面14により径方向に圧力を受けて変形することが回避される。当該少なくとも1つの凸部P_(i)の周方向の変位が、当該少なくとも1つの凹部Q_(j)の周方向両端面で制限されるため、第1部材10の基部12および第2部材20の開口部22の相対的な回転が制限される。
【0069】
また、残りの凸部P_(i’)が少なくとも部分的に基部12を画定する外側面14に圧接するので、第1部材10の基部12が第2部材20の開口部22から外れることが防止される。
【0070】
(本発明の他の実施形態)
第1および第2実施形態ではN_(1)=6、N_(2)=12であったが、他の実施形態として、(N_(1),N_(2))=(4,6)、(4,8)、(4,12)、(5,12)、(6,6)、(7,10)、(10,12)、(12,6)、(15,8)など、N_(1)およびN_(2)の組み合わせがさまざまに変更されてもよい。ただし、各凹部の偏角幅、ひいては第1部材10および第2部材20の相対的な許容回転角度を低下させる観点から、凹部の個数が凸部の個数よりも多くなるように、N_(1)およびN_(2)の組み合わせが選択されることが好ましい。
【0071】
例えばN_(1)=6、N_(2)=15であり、第1円柱座標系における各凸部P_(i)の偏角幅Δ_(1)が5°である場合、第2円柱座標系における各凹部Q_(j)の偏角幅Δ_(2)が9°となる(関係式(12)参照)。
【0072】
第1および第2実施形態と同様に、第1円柱座標系における6個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている(表1、図2および図7参照)。
【0073】
本実施形態では、置換σ_(1)は関係式(141)により定義されている。
【0074】
σ_(1):{1,2,3,4,5,6}→{6,3,4,2,5,1} ‥(141)。
【0075】
表5には、この場合における「k」、「i(k)」および「j(k)」の対応関係が示されている。
【0076】
【表5】

【0077】
このため、表6に示されているように、第2円柱座標系における15個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている。
【0078】
【表6】

【0079】
表5にしたがって、第1円柱座標系および第2円柱座標系の相対的な回転角度が(n-1)×(Δ_(2)-Δ_(1))?n×(Δ_(2)-Δ_(1))(Δ_(2)-Δ_(1)=4°)の範囲では状態S(k)(k={(n-1)modN_(2)}+1)が実現される。前記実施形態と同様に、各凸部P_(i)の配置が6回対称性を有しているため、状態S(0)から第1および第2円柱座標系の相対的な回転角度が60°の倍数に達したことに応じて各凸部P_(i)を表わす指数iの数列{1,2,3,4,5,6}が{6,1,2,3,4,5}に置換されたうえで、状態S(1)?S(15)が同順で実現される。
【0080】
また、N_(1)=6、N_(2)=6であり、第1円柱座標系における各凸部P_(i)の偏角幅Δ_(1)が5°である場合、第2円柱座標系における各凹部Q_(j)の偏角幅Δ_(2)が15°となる(関係式(12)参照)。表7には、この場合における「k」、「i(k)」および「j(k)」の対応関係が示されている。
【0081】
【表7】

【0082】
この場合、表7にしたがって、第1円柱座標系および第2円柱座標系の相対的な回転角度が(n-1)×(Δ_(2)-Δ_(1))?n×(Δ_(2)-Δ_(1))(Δ_(2)-Δ_(1)=10°)の範囲では状態S(k)(k={(n-1)modN_(2)}+1)が実現される。前記実施形態と同様に、各凸部P_(i)の配置が6回対称性を有しているため、状態S(0)から第1および第2円柱座標系の相対的な回転角度が60°の倍数に達したことに応じて各凸部P_(i)を表わす指数iの数列{1,2,3,4,5,6}が{6,1,2,3,4,5}に置換されたうえで、状態S(1)?S(6)が同順で実現される。
【0083】
さらに、N_(1)=5、N_(2)=9であり、第1円柱座標系における各凸部P_(i)の偏角幅Δ_(1)が5°である場合、第2円柱座標系における各凹部Q_(j)の偏角幅Δ_(2)が13°となる(関係式(12)参照)。具体的には、表8に示されているように、第1円柱座標系における5個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている。
【0084】
【表8】

【0085】
本実施形態では、置換σ_(1)は関係式(142)により定義されている。
【0086】
σ_(1):{1,2,3,4,5}→{4,1,2,5,3} ‥(142)。
【0087】
表9には、この場合における「k」、「i(k)」および「j(k)」の対応関係が示されている。
【0088】
【表9】

【0089】
このため、表10に示されているように、第2円柱座標系における9個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている。
【0090】
【表10】

【0091】
この場合、表9にしたがって、第1円柱座標系および第2円柱座標系の相対的な回転角度が(n-1)×(Δ_(2)-Δ_(1))?n×(Δ_(2)-Δ_(1))(Δ_(2)-Δ_(1)=8°)の範囲では状態S(k)(k={(n-1)modN_(2)}+1)が実現される。本実施形態では、各凸部P_(i)の配置が5回対称性を有しているため、状態S(0)から第1および第2円柱座標系の相対的な回転角度が72°の倍数に達したことに応じて各凸部P_(i)を表わす指数iの数列{1,2,3,4,5}が{5,1,2,3,4}に置換されたうえで、状態S(1)?S(9)が同順で実現される。
【0092】
置換σ_(1)が集合から当該集合自身への写像であってもよい。第1および第2実施形態と同様に、第1円柱座標系における6個の偏角範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))]のそれぞれに各凸部P_(i)が配置されている(表1、図2および図7参照)。表11には、第1および第2実施形態において、置換σ_(1)が集合から当該集合自身への写像である場合における「k」、「i(k)」および「j(k)」の対応関係が示されている。
【0093】
【表11】

【0094】
このため、表12に示されているように、第2円柱座標系における12個の偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))]のそれぞれに各凹部Q_(j)が配置されている。
【0095】
【表12】

【0096】
表12から明らかなように、2個の凹部Q_(1)およびQ_(12)が部分的に重複して1個の凹部を構成しているため、見かけ上は11個の別個の凹部が存在しているが、概念的には12個の凹部Q_(1)?Q_(12)が存在している。見かけ上の11個の凹部を隔てる11個の隔壁部分のそれぞれの周方向の肉厚を表わす第2円柱座標系における偏角は、20°(Q_(1)⇔Q_(2)),25°(Q_(2)⇔Q_(3)),20°(Q_(3)⇔Q_(4)),25°(Q_(4)⇔Q_(5)),20°(Q_(5)⇔Q_(6)),25°(Q_(6)⇔Q_(7)),20°(Q_(7)⇔Q_(8)),25°(Q_(8)⇔Q_(9)),20°(Q_(9)⇔Q_(10)),25°(Q_(10)⇔Q_(11)),20°(Q_(11)⇔Q_(12))である。当該偏角の平均値は22.3°であり、分散は6.2°である。
【0097】
したがって、当該分散が37.5°である第1および第2実施形態と比較して、隔壁部分の周方向の肉厚の均一化が図られている。2個の凹部Q_(1)およびQ_(12)が部分的に重複して構成されている1個の凹部に凸部P_(i)の全部が含まれている状況で、当該1個の凹部の周方向の幅(=15°)と、当該凸部P_(i)の周方向の幅(=5°)との偏差10°だけ、第1部材10および第2部材20の相対的な回転が許容される。
【0098】
なお、凹部Q_(1)およびQ_(12)の重複を回避するため、凹部Q_(12)が他の凹部Q_(2)?Q_(11)との重複を回避するように、60°(=360°/N_(1))の倍数、具体的には120°だけ偏角がずらされて(凹部Q_(4)およびQ_(5)の間に)配置されてもよい。
【0099】
第1実施形態の変形実施形態として、第2円柱座標系においてN_(2)個の凹部Q_(j)が回転対称性を有するように第2部材20に設けられ、第1円柱座標系においてN_(1)個の凸部P_(i)が回転対称性を有しないように第1部材10に設けられていてもよい。
【0100】
具体的には、第2円柱座標系において、N_(2)個の凹部Q_(j)のそれぞれが偏角幅Δ_(2)を有し、かつ、N_(2)個の凹部Q_(j)がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように配置されている。第1円柱座標系において、N_(1)個の凸部P_(i)のそれぞれが関係式(21)で表わされる偏角θ_(1)(k)を基準として、関係式(22)で表わされる偏角幅Δ_(1)を有する偏角範囲に配置されている。
【0101】
θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))‥(21)。
【0102】
Δ_(1)=Δ_(2)-{ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))}(ε(k)≧0)‥(22)。
【0103】
当該変形実施形態の嵌合機構1によれば、第2部材20において、N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、開口部を画定する内側面において周方向に配置されている場合でも、第2部材20の開口部22および第1部材10の基部12の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部P_(i)の全部を少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込ませた状態で、第2部材20の開口部22に第1部材10の基部12を嵌合させることができる。
【0104】
第2実施形態の変形実施形態として、第2円柱座標系においてN_(2)個の凹部Q_(j)が回転対称性を有するように第1部材10に設けられ、第1円柱座標系においてN_(1)個の凸部P_(i)が回転対称性を有しないように第2部材20に設けられていてもよい。
【0105】
具体的には、第2円柱座標系において、N_(2)個の凹部Q_(j)のそれぞれが偏角幅Δ_(2)を有し、かつ、N_(2)個の凹部Q_(j)がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、第1部材10の基部12を画定する外側面14において周方向に配置されている。第1円柱座標系において、N_(1)個の凸部P_(i)のそれぞれが関係式(21)で表わされる偏角θ_(1)(k)を基準として関係式(22)で表わされる偏角幅Δ_(1)を有する偏角範囲に配置されている。
【0106】
当該変形実施形態の嵌合機構1によれば、第1部材10において、N_(2)個の凹部Q_(j)がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、基部12を画定する外側面14において周方向に配置されている場合でも、第2部材20の開口部22および第1部材10の基部12の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部P_(i)の全部を少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込ませた状態で、第2部材20の開口部22に第1部材10の基部12を嵌合させることができる。
【0107】
さらに、第1円柱座標系においてN_(1)個の凸部P_(i)が回転対称性を有しないように第1部材10または第2部材20に設けられ、かつ、第2円柱座標系においてN_(2)個の凹部Q_(j)が回転対称性を有しないように第2部材20または第1部材10に設けられていてもよい。
【0108】
この場合も、第1円柱座標系および第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、任意のkについて状態S^(-)(k)から状態S^(+)(k)に遷移するまでの間に状態S^(-)(k+1)が実現されている。このため、第2部材20の開口部22および第1部材10の基部12の周方向についての相対的な位置決めを不要としながら、少なくとも1つの凸部P_(i)の全部を少なくとも1つの凹部Q_(j)に入り込ませた状態で、第2部材20の開口部22に第1部材10の基部12を嵌合させることができる。
【0109】
前記実施形態において、凸部P_(i)の個数がN_(1)よりも多くてもよく、これに代えてまたは加えて、凹部Q_(j)の個数がN_(2)よりも多くてもよい。この場合、基部12が開口部22に嵌合または挿入された際、全部が凹部に入り込むまたは収容される凸部の個数の増加を図り、ひいては第1部材10および第2部材20の相対的な回動をより確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0110】
1‥嵌合機構、10‥第1部材、12‥基部、14‥外側面、20‥第2部材、22‥開口部、24‥内側面、P_(i)‥凸部、Q_(j)‥凹部。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に配置され、径方向外側に突出している複数の凸部を有している外側面により画定されている基部を有する第1部材と、周方向に沿って配置された、径方向外側に窪んでいる複数の凹部を有している内側面により画定されている開口部を有する第2部材と、を備えている嵌合機構であって、
前記第1部材の前記基部の中心軸線をz軸とする第1円柱座標系における偏角の範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))](i=1,2,‥,N_(1))に前記複数の凸部としての少なくともN_(1)個の凸部のそれぞれが配置され、
前記第2部材の前記開口部の中心軸線をz軸とする第2円柱座標系における偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))](j=1,2,‥,N_(2))に前記複数の凹部としての少なくともN_(2)個の凹部のそれぞれが配置され、
数列{1,2,‥N_(1)}の全単射σ_(1)を用いてi(k)(k=1,2,‥)がσ_(1)({(k-1)modN_(1)}+1)と定義され、数列{1,2,‥N_(2)}の全単射σ_(2)を用いてj(k)がσ_(2)({(k-1)modN_(2)}+1)と定義され、
前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、任意のkについて、θ_(1(2i(k)-1))=θ_(2(2j(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))<θ_(2(2j(k)))である状態S^(-)(k)から、θ_(2(2j(k)-1))<θ_(1(2i(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))=θ_(2(2j(k)))である状態S^(+)(k)に遷移するまでの間に状態S^(-)(k+1)が実現されるように、前記複数の凸部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凹部が前記開口部の内側面に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項2】
請求項1記載の嵌合機構において、
前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角幅Δ_(1)を有し、かつ、前記N_(1)個の凸部がz軸まわりの回転対称性としてN_(1)回対称性を有するように、前記基部を画定する外側面において周方向に配置され、
前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(2)=Δ_(1)+ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項3】
請求項1記載の嵌合機構において、
前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角幅Δ_(2)を有し、かつ、前記N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、前記開口部を画定する内側面において周方向に配置され、
前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(1)=Δ_(2)-{ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))}(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項4】
請求項1?3のうちいずれか1つに記載の嵌合機構において、
前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、前記状態S^(+)(k)および前記状態S^(-)(k+1)が同時に実現されるように、前記複数の凸部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凹部が前記開口部の内側面に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項5】
周方向に配置され、径方向内側に窪んでいる複数の凹部を有している外側面により画定されている基部を有する第1部材と、周方向に沿って配置された、径方向内側に突出している複数の凸部を有している内側面により画定されている開口部を有する第2部材と、を備えている嵌合機構であって、
前記第2部材の前記開口部の中心軸線をz軸とする第1円柱座標系における偏角の範囲[θ_(1(2i-1)),θ_(1(2i))](i=1,2,‥,N_(1))に前記複数の凸部としての少なくともN_(1)個の凸部のそれぞれが配置され、
前記第1部材の前記基部の中心軸線をz軸とする第2円柱座標系における偏角範囲[θ_(2(2j-1)),θ_(2(2j))](j=1,2,‥,N_(2))に前記複数の凹部としての少なくともN_(2)個の凹部のそれぞれが配置され、
数列{1,2,‥N_(1)}の全単射σ_(1)を用いてi(k)(k=1,2,‥)がσ_(1)({(k-1)modN_(1)}+1)と定義され、数列{1,2,‥N_(2)}の全単射σ_(2)を用いてj(k)がσ_(2)({(k-1)modN_(2)}+1)と定義され、
前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、任意のkについて、θ_(1(2i(k)-1))=θ_(2(2j(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))<θ_(2(2j(k)))である状態S^(-)(k)から、θ_(2(2j(k)-1))<θ_(1(2i(k)-1))、かつ、θ_(1(2i(k)))=θ_(2(2j(k)))である状態S^(+)(k)に遷移するまでの間に状態S^(-)(k+1)が実現されるように、前記複数の凹部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凸部が前記開口部の内側面に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項6】
請求項5記載の嵌合機構において、
前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角幅Δ_(1)を有し、かつ、前記N_(1)個の凸部がz軸まわりの回転対称性としてN_(1)回対称性を有するように、前記開口部を画定する内側面において周方向に配置され、
前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角θ_(2)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(1)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(2)=Δ_(1)+ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項7】
請求項5記載の嵌合機構において、
前記第2円柱座標系において、前記N_(2)個の凹部のそれぞれが偏角幅Δ_(2)を有し、かつ、前記N_(2)個の凹部がz軸まわりの回転対称性としてN_(2)回対称性を有するように、前記基部を画定する外側面において周方向に配置され、
前記第1円柱座標系において、前記N_(1)個の凸部のそれぞれが偏角θ_(1)(k)=(i(k)-1)×360°/N_(2)+k×(Δ_(2)-Δ_(1))を基準とする偏角幅Δ_(1)=Δ_(2)-{ε(k)+360°/(N_(1)・N_(2))}(ε(k)≧0)を有する偏角範囲に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【請求項8】
請求項5?7のうちいずれか1つに記載の嵌合機構において、
前記第1円柱座標系および前記第2円柱座標系をそれぞれのz軸を共通にした状態で相対的に回転させる過程で、前記状態S^(+)(k)および前記状態S^(-)(k+1)が同時に実現されるように、前記複数の凹部が前記基部の外側面に配置され、かつ、前記複数の凸部が前記開口部の内側面に配置されていることを特徴とする嵌合機構。
【図面】







 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-08-27 
結審通知日 2021-09-01 
審決日 2021-09-15 
出願番号 特願2017-218358(P2017-218358)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (F16D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 前田 浩糟谷 瑛  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 内田 博之
杉山 健一
登録日 2021-06-29 
登録番号 特許第6905455号(P6905455)
発明の名称 嵌合機構  
代理人 特許業務法人創成国際特許事務所  
代理人 特許業務法人創成国際特許事務所  

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