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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1000581
審判番号 審判1996-17756  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1988-12-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1996-10-24 
確定日 1999-08-11 
事件の表示 昭和62年 特 許 願 第147235号「割込み処理システム」拒絶査定に対する審判事件(昭和63年12月19日出願公開、特開昭63-310029)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 (手続の経緯、本件発明)
本願は、昭和62年6月11日の出願であって、その発明の要旨は、平成7年6月8日付け、平成8年6月28日付けの各手続補正書により補正された明細書、図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである(以下、本件発明という。)。
「中央処理装置(以下、CPU)が複数の割込み要因の割込み要求信号に従い、多重割込みを行うことのできる割込み処理システムにおいて、前記複数の割込み要因の各々に、その対応する割込み要因による割込み実行の許可または不許可を指定する情報を示した値を、前記CPUから設定し保持することのできる第1の割込み許可フラグ、その対応する割込み要因の前記複数の割込み要因内における割込み実行の優先順位を反映した値を保持することのできる第2の割込み許可フラグ、および、前記第1および第2の割込み許可フラグの保持するそれぞれの値から、その対応する割込み要因の発生によりその割込み実行を前記CPUに指示する信号を生成し、この信号を前記CPUに入力する割込実行指示手段が設けられ、前記複数の割込み要因のそれぞれ第2の割込み許可フラグは、レジスタ内に一括して格納され、前記CPUから設定可能とすることを特徴とする割込み処理システム。」
(引用刊行物)
これに対し、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭57-174745号公報(以下、刊行物という。)には、多重割込処理が可能な演算処理装置に関する発明が記載されており、「この発明は多重割込処理が可能な演算処理装置に係り、特に割込プライオリティレベル数の設定および各割込に対するプライオリティレベルの割当が簡単に変更できるような割込プライオリティ制御回路に関する。」(第2頁左上欄第3〜7行)、「第1図はこの発明に係る割込プライオリティ制御回路のブロック構成図である。図において割込要求ラツチ10は、たとえは16本の割込要求信号線における割込の要求INT0〜INT15を検出し記憶するものであり、各割込の要求INT0〜INT15はたとえばその信号の立上りによって検出される。この割込要求ラツチ10の記憶内容はマスクオフ回路11に送られる。マスクオフ回路11は後述するマスタマスク情報、個別マスク情報およびプライオリティマスク情報に基づき、上記割込要求ラッチ10で検出された割込要求が受付許可状態にあるかあるいはあるいは禁止状態にあるかを判定する。そしてこの判定結果は最上位検出回路12に送られる。最上位検出回路12は上記割込要求を出している割込のうち受付許可状態にあるものの中から最もブライオリティの高いものを検出する。そしてここで検出された最もプライオリテイの高い割込要求は、ベクタアドレス発生回路13およびプライオリティレベル情報発生回路14にそれぞれ送られる。上記ベクタアドレス発生回路13は、上記最上位検出回路1 2で検出された最上位許可割込要求に対応するベククアドレスを発生し、これを内部バスライン15上に出力する。また上記プライオリティ情報発生回路14は、上記最上位許可割込要求に対して予め割当てられているプライオリティレベルを表わす3ビットのプライオリティレベル情報を発生する。そしてこのプライオリティレベル情報はプライオリティレベルレジスタ16に送られる。このプライオリティレベルレジスタ16は上記3ビットのプライオリティレベル情報をいったん格納し、割込受付時および割込リターン時には、このレジスクの内容が図示しないコンディションコードレジスタ(CCR)の内容とともに図示しないスクツクにプッシュされ、またこのスタツクから再びポップされるようになっている。そしてこのプライオリテイレベルレジスク16に格納されたプライオリティレベル情報はプライオリティマスク情報発生回路17に送られる。プライオリティマスク情報発生回路17は上記プライオリティレベル情報からこれに対応したプライオリティマスク情報を発生し、この情報は前記マスクオフ回路11に送られる。個別マスク情報記憶回路13は前記各割込の要求INT0〜INT15を個々にマスクするための個別マスク情報(たとえば許可の場合には1、禁止の場合には0)を記憶し、このマスク情報は前記マスクオフ回路11に送られる。マスタマスク情報記憶回路19は前記すべての割込の要求INT0〜INT15に対するマスク情報(たとえばすべて許可の場合には1、すべて禁止の場合には0)を記憶し、このマスタマスク情報も前記マスクオフ回路11に送られる。なお、前記割込要求ラツテ10、個別マスク情報記憶回路18およびマスタマスク情報記憶回路19は、内部バスライン15を介して、命令によってアクセスすることができる。」(第2頁右上欄第14行〜第3頁左上欄第13行)、「このような割込プライオリティ制卸回路において、プライオリティレベル数が8レベルもある必要はなく、たとえば4レベルあれば良いような場合には、前記プライオリティレベル情報発生回路14のノア論理を、第5図に示すレベル数が4レベルの場合のレベル割り当てに従ってMOSトランジスタQを選択的に設けるとともに、前記プライオリティマスク情報発生回路17内のROM28の論理を、第9図に示すレベル数が4レベルの場合の各プライオリティマスクPM0〜PM15も従ってMOSトランジスタQを選択的に設ければよい。すなわち、プライオリティレベル数の設定および各割込要求に対するレベルの割り当ての変更は、ROMそのものまたはROMを主要素とするプライオリティレベル情報発生回路14とプライオリティマスク情報発生回路17とにおいて、そのROMを変えることによって実現でき、ROMの内容の書き換えはこの部分のレベルを交換するのみでよいので、8レベルから4レベルへの変更のみでなく1〜8レベルの範囲で自由にしかも簡単にレベル数の変更が可能である。またこれと同様に各割込要求に対するレベルの割り当ての変更もROMのマスクを交換するのみで極めて簡単に行うことができる。ちなみに、ROMの変更は、LSI製造に必要な、8〜9枚の製造マスクの1枚のマスクのみを変更すればよい。」(第4頁右下欄第10行〜第5頁左上欄第16行)と説明されている。
(対比)
そこで本件発明と上記刊行物記載の発明とを対比検討すると、
(1)上記刊行物記載の発明は、多重割込処理が可能な演算処理装置に関するものであって、多重割込に対する受付許可/禁止の制御に基づき、所定のベクタアドレスを内部バスを介し中央処理装置に送り、所定の割込処理を中央処理装置において実行するものであるから、これらの点は、本件発明が、中央処理装置(以下、CPU)が複数の割込み要因の割込み要求信号に従い、多重割込みを行うことのできる割込み処理システムであるとする点に相当する、
(2)上記刊行物記載の発明においては、各割込の要求を個々にマスクするための個別マスク情報を個別マスク情報記憶回路に記憶するとともに、この個別マスク情報記憶回路は、内部バスライン15を介して、命令によってアクセスすることができるように構成されており、これらの点は、本件発明が、複数の割込み要因の各々に、その対応する割込み要因による割込み実行の許可または不許可を指定する情報を示した値を、前記CPUから設定し保持することのできる第1の割込み許可フラグを有するとする点に相当する、
(3)上記刊行物記載の発明においては、プライオリティマスク情報発生回路によりプライオリテイマスク情報を発生し、この情報をマスクオフ回路に送ることにより、プライオリテイの高い割込要求を優先的に受け付けるようにしており、プライオリティマスク情報及びその発生回路が、本件発明の、複数の割込み要因の各々に、その対応する割込み要因の前記複数の割込み要因内における割込み実行の優先順位を反映した値を保持することのできる第2の割込み許可フラグを有するとする点に相当する、
(4)上記刊行物記載の発明においては、割込要求信号をラッチした割込要求ラッチ回路出力と、個別マスク情報及びプライオリティマスク情報に係る信号とをマスクオフ回路に入力して、マスクオフ回路により受付許可にあるか禁止状態にあるかを判定し、その後受付許可となった割込要求のうち、最もプライオリティの高い割込を最上位検出回路にて検出し、当該割込に対応するベクタアドレスをベクタアドレス発生回路で発生し、当該ベクタアドレスを内部バスを介してCPUに送るようにしており、これら構成は、本件発明の、第1および第2の割込み許可フラグの保持するそれぞれの値から、その対応する割込み要因の発生によりその割込み実行をCPUに指示する信号を生成し、この信号を前記CPUに入力する割込実行指示手段が設けられるとする点に相当する。
したがって、本件発明と上記刊行物記載の発明とは、次の点で相違し、その余の点で一致する。
本件発明においては、第2の割込許可フラグをレジスタ内に一括して格納しているのに対し、上記刊行物記載の発明においては、各割込要求に対応するプライオリティマスク情報はプライオリティマスク情報発生回路より一括して出されているものの、そのプライオリティマスク情報を格納する点については記載されていない点、及び、本件発明においては、第2の割込許可フラグはCPUから設定可能とされているのに対し、上記刊行物記載の発明においては最上位検出回路、プライオリティレベル情報発生回路、プライオリティマスク情報発生回路を介して発生するようにしている
点。
(相違点についての判断)
そこで、上記相違点について検討するに、
(a)プライオリティマスク情報を格納する手段としてレジスタを用いるとすることは当業者が適宜なし得ることにすぎず、本件発明のように、第2の割込許可フラグの一括して格納をレジスタに対して行うとすることは当業者が適宜なし得る程度のことにすぎない。
そして、上記刊行物記載の発明においては、多重割込み処理に際し、レジスタ16の内容を待避、復帰等するようにしているところ、現時点における割込み要因に係る値を待避、復帰等すればよいのであって、上記レジスタの内容を待避、復帰等するとすることは当業者が適宜なし得ることにすぎない。
(b)ハードウエアによる処理をソフトウエアによる処理に置き換えること、及び、そのことにより所定の論理構成等の変更に対し柔軟に対処できるといったことは本件の特許出願前普通に知られたことであるから、上記刊行物記載の所定の論理構成(上記刊行物第3図、第5図、第9図)に従ったプライオリティマスク情報の生成を、上記刊行物記載の発明のような最上位検出回路、プライオリティレベル情報発生回路、及び、プライオリティマスク情報発生回路により行うとすることに代えて、CPUによる処理により行うとすることは、当業者が容易になし得ることにすぎない。そして、上記刊行物記載の発明の個別マスク情報の設定と同様に、プライオリティマスク情報を内部バスラインを介してレジスタに設定するようにすることは当業者が適宜なし得ることである。
(c)上記刊行物記載の発明において、プライオリティの順位を変更する場合には、上記刊行物記載の所定の論理構成(上記刊行物第3図、第5図、第9図)を変更し、その変更に基づくROM構成により対処することが想起されるが、そのような所定の論理構成の変更、及び、変更した所定の論理構成(上記刊行物第3図、第5図、第9図)に従ったプライオリティマスクの生成をCPUによる処理により行うとすることは、上記(b)と同じ理由で、当業者が容易になし得ることにすぎない。
したがって、本件発明のように、複数の割込み要因のそれぞれ第2の割込み許可フラグは、レジスタ内に一括して格納され、CPUから設定可能とすることとする点は、当業者が容易になし得ることにすぎない。
(むすび)
以上のとおりであるから、本件発明は、上記刊行物記載の発明に基づき、周知技術を参酌して、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-04-16 
結審通知日 1999-05-07 
審決日 1999-06-24 
出願番号 特願昭62-147235
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉岡 浩井上 正  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 北島 健次
吉見 信明
発明の名称 割込み処理システム  
代理人 吉竹 英俊  
代理人 有田 貴弘  
代理人 吉田 茂明  
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