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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04Q |
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管理番号 | 1000622 |
審判番号 | 審判1998-11112 |
総通号数 | 2 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-11-02 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-07-23 |
確定日 | 1999-08-11 |
事件の表示 | 平成3年 特 許 願 第103829号「電話交換装置」拒絶査定に対する審判事件(平成4年11月2日出願公開、特開平4-311197)について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明の要旨 本願は、平成3年4月9日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成8年10月22日付け及び平成10年3月3日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「伝送路を設定する時分割スイッチ手段と、前記時分割スイッチ手段により1本の時分割伝送路に出力された2個の信号を入力して該2個の信号を比較し、該比較結果に基づき前記2個の信号のうち一方の信号を前記時分割スイッチ手段に出力するハンズフリー手段とを備えていることを特徴とする電話交換装置。」 2.引用例の記載 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した実願昭61-140409号(実開昭63-47691号)の願書に添付された明細書と図面の内容を撮影したマイクロフィルム(昭和63年3月31日特許庁発行、以下「引用例」という)には、下記の事項が記載されている。 ▲1▼「本考案は、ボタン電話装置において、ハンズフリー通話のための音声スイッチ回路を主装置内に設け、この音声スイッチ回路を各ボタン電話機が通話の際に共通に使用可能とすることにより、特にハンズフリー用のボタン電話機を使用しなくて済むようにしたものである。」(第1頁第18行〜第2頁第3行)、 ▲2▼「いま、ボタン電話機T1がハンズフリー通話としてボタン電話機T2を呼出すために所定のボタンを押したとすると、CPU(10)は、内線インタフェース(8)を介してこれをキャッチし、交換スイッチ(6)を制御して第1図破線で示すような音声スイッチ回路(9)を経由する通話路を閉成させると同時に、音声スイッチ回路(9)を動作させる。音声スイッチ回路(9)が第2図のものである場合、音声レベル比較器(3)は両ボタン電話機T1,T2からの両送話音声レベルを比較し、音声レベルの小さい方の音声を減衰させて抑圧する。」(第5頁第8行〜同頁第18行)、 ▲3▼「上記の実施例は、主装置(1)とボタン電話機T1〜Tn間の通話線がアナログ4線式の場合であるが、デジタルPCM交換方式のボタン電話装置では、音声レベル比較器(3)及び音声減衰器(4)を時分割多重で使用できるので、更にコストが安くなる。」(第6頁第8行〜同頁第12行)。 3.対比・判断 本願の請求項1の発明(以下「本願発明」という)と上記引用例に記載された発明とを対比すると、引用例に記載された発明の「音声スイッチ回路」、「ボタン電話装置」は、それぞれ本願発明の「ハンズフリー手段」、「電話交換装置」に相当しまた、引用例に記載された発明の「交換スイッチ」は、前記▲3▼の記載よりボタン電話装置がデジタルPCM方式の場合時分割のスイッチ手段で構成されることは明らかであるから、本願発明の「時分割スイッチ手段」に相当するので、両者は、「伝送路を設定する時分割スイッチ手段と、前記時分割スイッチ手段により出力された前記2個の信号を入力して該2個の信号を比較し、該比較結果に基づき前記2個の信号の一方の信号を前記時分割スイッチ手段に出力するハンズフリー手段とを備えていることを特徴とする電話交換装置。」である点で一致し、次の(1)の点で相違する。(1)時分割スイッチ手段からハンズフリー手段へ2個の信号を出力する伝送路として、本願発明は、1本の時分割伝送路を用いるのに対し、引用例に記載された発明では、その点について特に記載されていない点。 4.当審の判断 上記相違点(1)について検討する。 時分割スイッチと該スイッチから出力される複数の信号を処理する手段とを接続する伝送路として、1本の時分割伝送路を用いることは、例えば、特開昭56-104563号公報に記載されるように周知の事項であるから、引用例に記載された発明において、交換スイッチと該スイッチから出力される2つの音声信号を処理する音声スイッチ回路とを接続する伝送路として、1本の時分割伝送路を用いることは、当業者が容易に想到し得たものである。 5.むすび したがって、本願発明は、上記引用例に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-06-09 |
結審通知日 | 1999-06-22 |
審決日 | 1999-06-28 |
出願番号 | 特願平3-103829 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04Q)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 浜野 友茂 |
特許庁審判長 |
松野 高尚 |
特許庁審判官 |
田中 庸介 大塚 良平 |
発明の名称 | 電話交換装置 |
代理人 | 渡部 敏彦 |