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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A63F 審判 全部申し立て 1項2号公然実施 A63F |
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管理番号 | 1001275 |
異議申立番号 | 異議1999-70032 |
総通号数 | 2 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-01-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-01-11 |
確定日 | 1999-07-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2773023号「スロットマシン」の請求項1ないし2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2773023号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
(1)本件発明 特許第2773023号(平成6年7月14日出願、平成10年4月24日設定登録)の請求項1及び2に係る発明は、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項によって特定される以下のとおりのものである。 「(請求項1)乱数を発生させる乱数発生手段と、上記乱数発生手段によって発生した乱数を抽出する乱数抽出手段と、前記乱数発生手段から発生する乱数値がとる全領域のうち、予め定められた特定の領域を入賞領域とする第一入賞判定テーブルと、上記第一入賞判定テーブルの入賞領域よりも広い入賞領域を有する第二入賞判定テーブルと、スロットマシンに投入された遊技メダルの枚数を計数する遊技メダル枚数計数手段と、入賞時に遊技者に払い出された賞メダルの枚数を計数する賞メダル枚数計数手段と、上記遊技メダル枚数計数手段からの遊技メダル枚数情報と賞メダル枚数計数手段からの賞メダル枚数情報とにもとづいて、遊技メダル枚数に対する賞メダル枚数の比率を算出するメダル枚数対比手段と、上記メダル枚数対比手段が算出した算出比率が、予め定められた基準比率を越えた場合には、第一入賞判定テーブルを選択するとともに、算出比率が予め定められた基準比率に満たない場合には、第二入賞判定テーブルを選択するテーブル選択手段と、上記乱数抽出手段が抽出した1つの乱数値を、上記テーブル選択手段によって選択された第一又は第二入賞判定テーブルと照合し、当該乱数値が特定の入賞領域に含まれる場合には、入賞と判定する入賞判定手段とを備えたことを特徴とするスロットマシン。 (請求項2)上記スロットマシンには上記テーブル選択手段によって選択された入賞判定テーブルが、上記第一又は第二入賞判定テーブルのいずれかであることを外部に表示するための選択テーブル表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。」 (2)申立て理由の概要 申立人株式会社瑞穂製作所は、証拠として甲第1号証(型式試験番号第04037400号の型式試験結果書:財団法人保安電気通信技術協会、平成2年10月22日作製)、甲第2号証(プログラムソースリスト)、及び甲第3号証(パチンコ攻略マガジンスペシャル:株式会社双葉社、平成4年1月18日発行)を提出し、請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第2号の規定に違反してなされ、さらに甲第4号証(パチスロ完全攻略事典PART5:株式会社日本文芸社、平成2年8月30日発行)を提出し、請求項2に係る発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。 (3)甲第1号証について 甲第1号証は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律[昭和23年法律第122 号](以下、風営適正化法という)第20条第2項、第3項、第5項及び第11項の規定に基づく「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」(以下、遊技機規則という)第15条第4項に従い、風営適正化法第20条第5項に規定する指定試験機関である財団法人保安電子通信技術協会が平成2年10月22日に、製造業者である異議申立人に交付した型式名コンチネンタルの型式試験結果書の写しであるが、型式試験結果書は、遊戯機規則第15条第4項に記載されているとおり、型式試験申請書を提出した者に対し交付されるものであるから、甲第1号証が公開を目的とし、内容自体が広く第三者に情報として流通されるべき性質を備えているとは認められず、また、財団法人保安電子通信技術協会に確認したところ、型式試験結果書を型式試験申請書を提出した者以外に交付した事実は認められなかった。よって、甲第1号証を刊行物として認めることはできない。 (4) 甲第2号証について 申立人は「甲第1号証の別紙10(D)の(2)対比照合結果において、「内容が合致している」との審査結果を得たプログラムソースリストである」と主張しているが、甲第1号証と甲第2号証の関連を示す記載は両号証になく、甲第2号証が甲第1号証の別紙10(D)の(2)に記載のプログラムソースリストであると認めることはできない。また、仮に、甲第2号証が甲第1号証の別紙10(D)の(2)に記載のプログラムソースリストであると認めることができたとしても、甲第1号証に対して述べた理由のとおり、甲第2号証を刊行物と認めることはできない。 (5)甲第3号証について 甲3号証は、コンチネンタルなる機種のスロットマシンがホールに設置されていること並びに中古市場に流通していた事実を示すのみである。 しかしながら、該コンチネンタルなるスロットマシンが本件請求項1に係る発明の「第一入賞判定テーブル」、「第二入賞判定テーブル」、及び「テーブル選択手段」を備えていることにより、賞メダルを払い出していたかどうかについては、何ら記載されておらず、不明である。 (6)対比判断 (イ)請求項1に係る発明について 上記(3)〜(5)に記載したとおりであるから、甲第1〜3号証をもって、請求項1に係る発明と同一のスロットマシンが本件発明の出願前に日本国内において公然実施されていたと認めることはできない。 (ロ)請求項2に係る発明について 上記(3)〜(5)に記載したとおりであるから、甲第1〜3号証によっては、請求項1に係る発明がその出願前に日本国内において公然実施されていたと認めることができないので、請求項2に係る発明は、当業者が甲第1〜4号証のものから容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (7)むすび したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1及び2に係る発明の特許を取り消すことはできない。他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 1999-06-15 |
出願番号 | 特願平6-161642 |
審決分類 |
P
1
651・
112-
Y
(A63F)
P 1 651・ 121- Y (A63F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 植野 孝郎 |
特許庁審判長 |
馬場 清 |
特許庁審判官 |
吉村 尚 新井 重雄 |
登録日 | 1998-04-24 |
登録番号 | 特許第2773023号(P2773023) |
権利者 | サミー株式会社 |
発明の名称 | スロットマシン |
代理人 | 北村 仁 |
代理人 | 米山 淑幸 |