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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A63F 審判 全部申し立て その他 A63F |
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管理番号 | 1002180 |
異議申立番号 | 異議1999-71409 |
総通号数 | 3 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-08-11 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-04-13 |
確定日 | 1999-09-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2818162号「遊技機」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2818162号の特許を維持する。 |
理由 |
(1)本件発明 特許第2818162号に係る発明についての出願は、昭和58年12月31日に特許出願した特願昭58-246441号の一部を新たな特許出願とし、その一部を平成5年12月28日に特願平5-350917号として新たな特許出願とし、その一部を平成6年1月27日に特願平6-24694号として新たな特許出願とし、更にその一部を平成9年11月17日に特願平9-315711号として新たな特許出願とし、平成10年8月21日にその発明について特許の設定登録がなされた後、その特許について、特許異議申立人アルゼ株式会社より特許異議の申し立てがなされたものである。 (2)特許異議申立てについて ア.本件発明の要旨 特許第2818162号に係る発明(以下、「本件発明」という。)の要旨は、その特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。 「複数の識別情報を複数の表示領域に各々可変表示可能な可変表示装置と,遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変換可能な変動入賞装置と,を備え,所定遊技条件の成立に基づき前記可変表示装置に可変表示を行う補助遊技を行い、該補助遊技の結果が特別表示態様になったことを条件に,予め定められた規定に基づき前記変動入賞装置を第1状態へ変換するサイクル遊技を所定回数継続可能な特別遊技を起生するようにした遊技機において,前記特別遊技の進行に際しサイクル遊技の継続回数を前記可変表示装置に表示する継続回数情報表示制御手段と,前記補助遊技の結果が特別表示態様になった際の識別情報を前記可変表示装置に表示する識別情報表示制御手段と,を備え,前記特別遊技の起生中に前記可変表示装置に対して,前記継続回数情報を可視表示し、且つ特別遊技の原因となった識別情報を認識可能に可視表示するようにしたことを特徴とする遊技機。」 イ.申立ての理由の概要 特許異議申立人アルゼ株式会社は、本件特許発明は、特願平5-350917号の特許発明(甲第1号証、以下、「もとの特許発明」という。)と実質的に同一であるから、適法な分割出願ではなく、本件特許の出願日は、本件特許の出願手続をした実際の出願日に繰り下がり、本件特許発明は、もとの特許発明(甲第1号証)と同一であるから、特許法第39条第1項の規定に該当し、また、特願昭58-246441号の公開公報(甲第2号証)に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許が取り消されるべきと主張している。 ウ.分割出願の適法性について もとの特許発明の要旨は、その特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。 「遊技部内に設けられ、複数のゲーム識別情報を可変表示可能な電気的可変表示装置と、 前記遊技部内に設けられ、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変換可能な変動入賞装置と、 前記電気的可変表示装置におけるゲーム識別情報の可変表示が停止した時に、この停止表示されたゲーム識別情報の組合せ態様が特別遊技に移行し得る予め設定された特定のゲーム識別情報になったことを判定する判定手段と、 前記判定手段からの判定出力に基づき、前記特別遊技として前記変動入賞装置を予め設定された所定期間前記第1状態に変換駆動し、継続条件達成出力に基づいて、該特別遊技を繰り返し継続する特別遊技駆動制御手段と、 特別遊技への移行の原因となったゲーム識別情報の組合せ態様の要素となる特定のゲーム識別情報を、前記特別遊技へ移行した後の前記電気的可変表示装置の表示内容の一部として表示する特定ゲーム識別情報表示手段と、 この特別遊技への移行に関連して発生する特別遊技関連情報を、前記特別遊技へ移行した後の前記電気的可変表示装置の表示内容の一部として、数値情報をもって表示する特別遊技関連情報表示手段と、 を具備することを特徴とするパチンコ遊技機。」 そこで、本件特許発明ともとの特許発明とを比較する。 もとの特許発明の「この特別遊技への移行に関連して発生する特別遊技関連情報を、前記特別遊技へ移行した後の前記電気的可変表示装置の表示内容の一部として、数値情報をもって表示する特別遊技関連情報表示手段」について検討する。 その特許明細書の段落【0045】には、「大当たり状態が発生すると、その大当たり状態の期間中に変動入賞装置130に入賞したパチンコ球数が電気的可変表示装置111b・cに特別遊技関連情報の1態様として数値表示され」と記載され、同じく段落【0046】には、「大当たり状態が発生すると、その間の特別球入賞領域402への入賞による大当たり状態の継続回数が電気的可変表示装置111dに特別遊技関連情報の1態様として数値表示され」と記載されている。 「その大当たり状態の期間中に変動入賞装置130に入賞したパチンコ球数」及び「特別球入賞領域402への入賞による大当たり状態の継続回数」が特別遊技関連情報であるから、上記特別遊技関連情報表示手段はこれらの情報を表示するものと認められる。 そうすると、もとの特許発明の「特別遊技関連情報表示手段」と本件特許発明の「継続回数情報表示制御手段」とはその構成が異なり、両者の手段は同一ということはできない。 したがって、本件特許発明は、もとの特許発明と実質的に同一ということはできず、本件の特許出願は適法な分割出願と認められ、その出願日はそ及するので、特許異議申立人の主張は採用できない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 1999-08-24 |
出願番号 | 特願平9-315711 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
Y
(A63F)
P 1 651・ 5- Y (A63F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 斎藤 利久、神 悦彦、中村 和夫 |
特許庁審判長 |
馬場 清 |
特許庁審判官 |
吉村 尚 佐藤 昭喜 |
登録日 | 1998-08-21 |
登録番号 | 特許第2818162号(P2818162) |
権利者 | 株式会社ソフィア |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 工藤 宣幸 |