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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  A01C
審判 全部申し立て 4項(5項) 請求の範囲の記載不備  A01C
管理番号 1002277
異議申立番号 異議1998-71905  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-09-03 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-04-16 
確定日 1999-09-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2666791号「施肥装置付き乗用型田植機」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2666791号の特許を維持する。 
理由 I.手続きの経緯
特許第2666791号発明は、特願昭61-241033号出願(昭和61年10月9日出願)の一部を新たな特許出願としたものであり、平成9年6月27日にその特許の設定登録がなされた。
その後、ヤンマー農機株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由を通知したところ、平成11年3月5日に訂正請求がなされた。
II.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
(1)特許明細書(平成8年12月16日付け手続補正書で補正された明細書)の特許請求の範囲に記載された「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、」を、「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、」と訂正する。
(2)同特許明細書2頁14〜16行(特許公報第3欄24〜27行)に記載された「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、」を、「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、」と訂正する。
(3)同特許明細書2頁27行〜3頁3行(特許公報第3欄41〜49行)に記載された「更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」を、「更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、副伝動,ケース15bの左右両側方の移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、副伝動ケース15bの左右両側方で回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」と訂正する。
(4)同特許明細書11頁10〜15行(特許公報第10欄16〜24行)に記載された「更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」を、「更に、図4、図5に記載しているように、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」と訂正する。
2.訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否
上記(1)の訂正は、特許請求の範囲に記載された「施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部」の位置を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、上記(2)ないし(4)の訂正は、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲の記載と整合させるためのものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記(1)ないし(4)の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3.独立特許要件の判断
(訂正明細書の発明)
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「訂正明細書の発明」という。)は、訂正請求書に添付した明細書における特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、次の事項により特定されるものである。
「後方に延設された副伝動ケース15bと、該副伝動ケース15bの上方で左右往復動する苗載台16と、副伝動ケース15bの後部に設けた植付装置駆動軸98に装着されて回転する回転ケース17に設けた2基の移植具18が苗載台16に載置された苗から一株分の苗を取り出して圃場に植付ける植付装置19と、副伝動ケース15bの下方に設けた整地フロート20・21等により構成される田植作業機14を昇降機構22を介して乗用型走行車体1に装着すると共に、該田植作業機14に施肥装置39を装着した施肥装置付き乗用型田植機において、前記植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102を副伝動ケース15b後部のケース内から外に突出した状態で設け、該施肥駆動軸102にて前記施肥装置39の肥料繰出装置42を連繋部材Aを介して駆動すると共に、該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したことを特徴とする施肥装置付き乗用型田植機。」
(先願明細書記載の考案)
これに対し、取消理由で引用した実願昭60-184020号(実開昭62-91924号)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という)には、次の考案が記載されている。(括弧内に、訂正明細書の発明において相当する構成部材を記す)
後方に延設された左右の植付フレーム58(副伝動ケース15b)と、該植付フレーム58上方で左右往復勤する苗載台16と、左右の植付フレーム58の後部内側に設けた植付爪駆動軸38(植付装置駆動軸98)に装着されて回転する左右のロータリーケース21(回転ケース17)に爪ケース軸51を軸支し、該爪ケース軸51に設けた爪ケース22(移植具18)が苗載台16に載置された苗から一株分の苗を取り出して圃場に植付ける植付装置と、植付フレーム58の下方に設けた田面均平用フロート34(整地フロート20・21)等により構成される植付部15(田植作業機14)を三点リンク機構27を介して走行車1(乗用型走行車体1)に装着すると共に、該植付部15に施肥部68(施肥装置39)を装着した施肥装置付き乗用型田植機において、前記植付爪駆動軸38から回転動力を受けて回転する駆動軸を植付フレーム58後部のケース内から外に突出した状態で設け、該駆動軸にて前記施肥部68の肥料繰出ロ-ル74(肥料繰出装置42)をクランクアーム76及びロッド77等の連繋部材を介して駆動すると共に、該駆動軸と連繁部材との連結部を、機体背面視でロータリーケース21に対して爪ケース22を設けている側とは左右方向反対側に位置させて左右の植付フレーム58の外側に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設した施肥装置付き乗用型田植機。
(対比・判断)
訂正明細書の発明と先願明細書記載の考案とを対比すると、
施肥駆動軸と連繋部材との連結部を、訂正明細書の発明では、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置しているのに対し、先願明細書記載の考案では、機体背面視でロータリーケース21に対して爪ケース22を設けている側とは左右方向反対側に位置させて左右の植付フレーム58の外側に位置している点で両者は構成が相違している。
そして、前記相違点は当業者が単に適宜できる程度の設計事項とはいえないので、訂正明細書の発明と先願明細書記載の考案とを同一とすることはできない。
したがって、訂正明細書の発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
4.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項、同条第3項で準用する第126条第2ないし4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III.本件特許発明
本件請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という)は、上記II.3.独立特許要件の判断における(訂正明細書の発明)に記載したとおりのものである。
IV.特許異議の申立てについて
1.異議申立ての理由の概要
(1)本件発明は、本件特許出願の目前の他の実用新案登録出願であって本件特許出願後に出願公開された甲第1号証(実願昭60-184020号(実開昭62-91924号公報)のマイクロフィルム)に係る出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された考案と同一であり、かつ本件発明の発明者が前記考案の考案者と同一でなく、また本件の出願のときにおいて、本件出願の出願人が前記実用新案登録出願の出願人と同一でもないから、その特許は特許法第29条の2の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきである。
(2)本件発明は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていないから、その特許は特許法第36条第4項で規定する要件を満たしてい出願に対してされたものであり、取り消されるべきである。
2.当審の判断
(1)上記(1)の理由について
上記II.3.独立特許要件の判断に記載した理由により、本件発明が、甲第1号証に係る出願の願書の最初に添付した明細書又は図面に記載された考案と同一であるとすることはできない。
(2)上記(2)の理由について
異議申立人は、具体的には次の点が明細書の記載が不備であると主張する。
本件発明は、施肥駆動軸と連繋部材との連結部、移植具18、回転ケース17、副伝動ケース15bの相対的位置関係が特定されていないから、「副伝動ケース15bの左右両側方の移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、副伝動ケース15bの左右両側方で回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くな」るという明細書記載の効果を奏さない。
しかしながら、本件発明では「施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設し」ており、連結部と移植具18との間には回転ケース17が設けられているから、この回転ケース17によって、移植具18によって掻き上げられた泥土や泥水が、連結部に直接かかるのを少なくしているといえる。
したがって、本件明細書に、異議申立人の主張する記載不備があるとは認められない。
3.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠方法によって、本件発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
施肥装置付き乗用型田植機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 後方に延設された副伝動ケース15bと、該副伝動ケース15bの上方で左右往復動ずる苗載台16と、副伝動ケース15bの後部に設けた植付装置駆動軸98に装着されて回転する回転ケース17に設けた2基の移植具18が苗載台16に載置された苗から一株分の苗を取り出して圃場に植付ける植付装置19と、副伝動ケース15bの下方に設けた整地フロート20・21等により構成される田植作業機14を昇降機構22を介して乗用型走行車体1に装着すると共に、該田植作業機14に施肥装置39を装着した施肥装置付き乗用型田植機において、前記植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102を副伝動ケース15b後部のケース内から外に突出した状態で設け、該施肥駆動軸102にて前記施肥装置39の肥料繰出装置42を連繋部材Aを介して駆動すると共に、該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領城内に位置するよう配設したことを特徴とする施肥装置付き乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
この発明は、粒状の肥料を圃場に施す施肥装置を装着した乗用型田植機に関するものである。
【従来技術とその課題】
この種の従来技術としては、実開昭59-34507号公報に開示されたような施肥装置を装着した乗用型田植機がある。
然し乍ら、従来のものは、後方に延設された植付ミッションケースに設けた出力軸の片側に植付爪を装着し、他側に施肥装置を駆動するクランク機構を設けた構成になっている。従って、出力軸とクランク機構との連結部は、回りに何ら遮蔽する部材がないので、その側方に位置する植付爪にて掻き上げられた泥十が直接かかり、また、出力軸とクランク機構との連結部の下側には整地フロートもないので、圃場から泥水等が直接跳ねてかかり、その作動が円滑に行えなくなり、長期に亘り良好な施肥作業が行えるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
この発明は、従来の課題を解決するために、後方に延設された副伝動ケース15bと、該副伝動ケース15bの上方で左右往復動する苗載台16と、副伝動ケース15bの後部に設けた植付装置駆動軸98に装着されて回転する回転ケース17に設けた2基の移植具18が苗載台16に載置された苗から一株分の苗を取り出して圃場に植付ける植付装置19と、副伝動ケース15bの下方に設けた整地フロート20・21等により構成される田植作業機14を昇降機構22を介して乗用型走行車体1に装着すると共に、該田植作業機14に施肥装置39を装着した施肥装置付き乗用型田植機において、前記植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102を副伝動ケース15b後部のケース内から外に突出した状態で設け、該施肥駆動軸102にて前記施肥装置39の肥料繰出装置42を連繋部材Aを介して駆動すると共に、該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したことを特徴とする施肥装置付き乗用型田植機としたものである。
【発明の作用効果】
この発明は、植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102を副伝動ケース15b後部のケース内から外に突出した状態で設け、該施肥駆動軸102にて前記施肥装置39の肥料繰出装置42を連繋部材Aを介して駆動する構成としたので、肥料繰出装置42を駆動する特別の駆動系を乗用型走行車体1側から配設する必要がなく、単に、副伝動ケース15bの後部に設けた植付装置19を駆動回転する植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102にて駆動でき、施肥装置39への駆動及び機体構成が非常に簡潔で然もコソパクトな構成になり、適切な駆動を行うことができる。
更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、副伝動ケース15bの左右両側方の移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、副伝動ケース15bの左右両側方で回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。
【実施例】
この発明の一実施例である施肥装置付き乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用型走行車体で、前端側のミッションケース2と後端側に後輪伝動ケース3とをフレームパイプ4で連結した車体1aの前部左右両側に前輸5・5を操行可能に設け、後部左右両側に前記後輪伝動ケース3の両端に取付けたサイドケース6・6を介して後輪7・7を設け、車体1aの前後中間にエンジン8を装着し、この車体1aの上部に左右に幅の広いステップ9を設け、この前側にステップ部を左右両側に残す状態で操縦枠10を立設してこれの上部にハンドル11を設け、後側部分に前記エンジン8を囲むエンジンカバー12をステップ9かも突出ならしめ、このカバー12の上部に操縦席13を設けている。
14は田植作業機で、植付伝動ケース15の前側上部に、前位が上位に傾斜する苗載台16を左右に往復可能に設け、後側部に、回転ケース17に2基の移植具18が装着された植付装置19を装着し、下部側に整地フロート20・21を装着した構成になっている。そして、この植付伝動ケース15はその前側を苗載台16の左右往復機構や変速伝動機構を内装する主伝動ケース15aに、後側を左右に所定の間隔で分岐させて前記回転ケース17を装着伝動する副伝動ケース15bに構成している。
22は昇降機構で、前記後輪伝動ケース3に設けた支柱23に基部を枢着した上下リンク24・25の先端部を縦リンク26で枢着状態に連結して構成し、この上リンク24を車体側から油圧装置27で昇降可能に構成し、前記縦リンク26にローリング可能に支軸28を介して前記田植作業機14を装着している。
29a・29bはブラケットで、前記ミッションケース2の前側に設けた前枠30の左右両側及び前記車体4の前後中間部の両側に、ステップ9の外方へ喰みださないようにして突出され、これに適宜な部材を着脱可能に構成している。
31は予備苗載置装置で、前記ブラケット29a・29bに基部側を装着できる着脱枠32に略々門型状の支柱33をピン33aを介して回動自在に取付け、この支柱33に苗載せ台34を三段にして取付け、この支柱33をばね35で外方へ回動付勢するように設けると共にその外方への回動状態を数段に規制できる規制装置36を前記着脱枠32と支柱33との間に設けている。図例の規制装置36は着脱枠32に回動可能に取付けられた鋸歯状のノッチを一体的に設けたベダル37と支柱33側に設けられて前記ノッチに係脱するピン38とからなっている。
39は施肥装置で、前記田植作業機14の植付伝動ケース15の各副伝動ケース15bの上面に着脱自在に装着される施肥フレーム40に支持された肥料タンク41と該肥料タンク41から肥料を繰り出す肥料繰出装置42と、この肥料繰出装置42の下部に繰り出された肥料を受けて下部の圃場に導き所定の間隔で放出する肥料移送管43とこの移送管43の終端側に設けた作溝器44とで構成される肥料排出装置45と、送風機47aと、空気タンク47bと、風導管48等にて構成されたものである。
この施肥装置39の各部を詳細に説明すると次の通りである。
施肥フレーム40は、前記副伝動ケース15bに固着される支柱40aの上部を前方へ屈曲させてその先端に横枠40bを止着して各支柱40aを連結し、この横枠40bに側面視でL字型、逆L字型の屈局枠40c・40dを介して横方向に延びる上枠40eを止着し、前記横枠40bに筒状の空気タンク47bと前記施肥装置の肥料繰出装置42の肥料繰出ケース本体42aを取付けるブラケット48a・49を取付けた構成になっている。
肥料繰出装置42は、内部に繰出ロ-ル46が収納架設されるケース本体42aと繰出ロ-ル46を軸架する左枠42bとクラッチケース部を構成する右枠42cとに分割可能に繰出ケースを構成し、ケース本体42aの前側に位置する取付け部(イ)を前記ブラケット49に螺着可能に構成し、前記左枠42bには基部が螺軸(ロ)で先端側が非螺軸(ハ)に設けられた筒軸50を一体的に設け、該螺軸(ロ)部に平歯車51を螺合し、非螺軸(ハ)部にブッシュ52・52を圧入して、この部分に溝付繰出ロ-ル46aを回転自在に設け、この溝付繰出ロ-ル46aの溝に嵌合して軸方向に移動自在な繰出調節ロール46bを前記平歯車51のボス部51a部に回転自在に係合して軸方向には該平歯車51と一体的に動くように構成し、施肥従動軸53を前記右枠42c側から挿通して前記筒軸50に回転自在な状態に嵌合ならしめ、この施肥従動軸53からクラッチ機構54を介して溝付繰出ロ-ル46aを回転するように構成されている。
前記平歯車51のボス部51aと繰出調節ロール46bとの連結は、該ボス部51aにブッシュ55を圧入し、繰出調節ロール46bの内周に形成した突状リング(ニ)を前記ブッシュ55の端面に接当するようにしてボス部51aに嵌合し、ボス部51aの端面に抜止リング56を螺着した構造にしている。
前記クラッチ機構54は、次の構成である。
前記溝付繰出ロ-ル46aの外側面にクラッチ爪を一体的に形成し、このクラッチ爪に前記施肥従動軸53に軸方向に移動自在に楔着されるクラッチ体57に一体に形成したクラッチ爪をばね58で弾発係合ならしめ、該クラッチ体57の操作溝57aに係合されるクラッチピン59bを前記繰出,ケース本体42a外から偏心回動することでクラッチ爪とクラッチ爪との係脱を可能ならしめ、クラッチの断続ができるように構成している。尚、前記クラッチピン59bは、前記ケース本体42aと右枠42cとの合体時に、その両合体面に形成する半円状の切矢部(ホ)・(ホ)で形成される円周面で抜け止めされた状態で前記ケース本体42a側に軸受け保持されたクラッチ軸59の内端面に偏心して一体的に設けられ、このクラッチ軸59の外端部に操作レバー59aが一体に形成されている。
前記クラッチ機構54のばね58の一端側はクラッチ体57に接圧され、他端は右枠42c内面に接圧されるが、この右枠42c内面に接圧する部分にブレーキがかかるようにばね58と右枠42cとの間にブレーキ板60を介装している。このようにすると、常に施肥従動軸53にブレーキがかかって回転し難くなり、ラチェット伝動機構で該施肥従動軸53を回転するような場合に軸が揺動せず不測に繰出ロ-ルが揺動して肥料が垂れ流しになるようなことがなくなり的確な繰出が可能になる。
61は肥料取出樋で、前記ケース本体42aの背面側開口部(ヘ)にピン62で回動自在に枢着され、常にケース内に挿入されている部分はケース内幅一杯の板体にできていて、ケース外に開く部分は側板と底板とでできた流し樋の形状に構成され、この肥料取出樋61で前記開口部(ヘ)を開閉可能に構成し、閉じた状態ではケース内の板体部はケースの内面に沿う状態になって肥料の繰出し流下の邪魔にならず、開いた状態では繰り出される肥料を受けて肥料がケースの外側に排出されるように構成している。尚、該肥料取出樋61のケース内の板体の少なくとも先端側にゴム板やブラシ等のシール体63を取付け、取出樋61の開放時にシール体63が繰出ロ-ルの回転周面、特に繰出溝面に接合して肥料の流下を確実に防止している。
64は連れ出し防止用の堰止ブラシで、前記ケース本体42aの背面側開口部(ヘ)の左右内壁面に外側上部から内側下部に向かう樋65に嵌合して抜き差し自在に設けた移動部材66に、前後方向に移動調節設定可能に止着されている。67は移動部材66に固着の板体であり、繰出ロ-ルの外周面にその端面が接近して肥料を受ける機能を行なうものである。
そして、前記堰止ブラシ64及び板体67が一体的に取付けられた移動部材66を樋65に嵌合して差し込み、前記肥料取出樋61を閉じると、この樋61で該移動部材66が動かないように接圧されて固定されるように構成されている。
ケース本体42a側の外側面の各所に設けられている回動自在な係止爪68は、前記左枠42b、右枠42c、肥料取出樋61を取付けたとき、閉鎖したときに係止するもので、69はその係合ピン、70は接合時のノックピンを示す。
尚、71は肥料流入口、72は肥料排出口を示す。
前記の肥料タンク41は、下部側が漏斗状に形成されていて、前記ケース本体42aの肥料流入口71に漏斗が臨むようにして該ケース本体42aに固着されている。
74は漏斗で、前記ケース本体42aの肥料排出口72の外周に嵌合させて取付けられ、この漏斗の下部側は筒状態に構成され、この筒状部に空気吹き込み筒75が一体的に形成されている。
45は肥料排出装置で、前記田植作業機14の整地フロート20・21に取付けられた作溝器44の開口部に臨む移送管43が前記漏斗74の下端に連通ならしめた構成になっている。
47aは送風機で、本体部が筒状の電動モータ80の一側面に回転送風羽根が内装された送風ケース81を一体的に設け、前記屈曲枠40dに諦め付けバンド82を介して電動モータの筒部外周を取り巻くようにして着脱自在に取付けている。83は前記バンドの係止バックルを示す。
47bは空気タンクで、左右方向に長い気密のタンクに形成され、前記ブラケット48に固着されている。そして、この空気タンク47bに前記送風機47aから空気が吹き込まれるように、両者を送風管85で連設している。
48は風導管で、前記空気タンク47bと前記漏斗74の吹き込み筒75とを連結している。
87は繰出し調節装置で、各肥料繰出装置42の繰出量を格別に調節する夫々の前記平歯車51と、前記施肥フレーム40の左右両側に支持されて、その一端側に設けられたレバー88で回転可能な回転軸89に取付けた歯車90とを噛み合わせて、該軸89を正逆回転ならしめることにより前記平歯車51を前記筒軸50の軸芯方向に移動ならしめ、繰出調節ロール46bを左右に移動調節して肥料の繰出量が一挙に調節できるように構成している。尚、前記歯車90は、軸89の軸方向に移動できて、前記平歯車51との噛み合いが外せるように構成してあり、これを外した状態で平歯車51を手動回転させるとその肥料繰出装置42のみの繰出量が調節できるように構成されている。
具体的には、第14図・第15図の通り、軸89に外周形状が六角の固定部材91をロールピン84で固定し、この固定部材91に歯車90を嵌合ならしめ、ばね92で軸に固定のストッパ93側に弾圧して該歯車90をばね92に抗して移動できるように構成している。
尚、前記平歯車51の外側面に繰出量を決める目安になる目盛と数字を歯形に対応して設け、この所定の目盛数字歯形を前記左枠42bの横方行目盛枠部(ト)に位置させることによって微量調節設定ができ、平歯車51の外側面を前記目盛枠部(ト)の適当な目盛数字に合せることによって多量調節設定ができるように構成している。
前記作溝器44は、鉄板や合成樹脂で平面視がV型或はU型状の後部が開口された形状に設けられていて、上下方向に長く、前記整地フロート20・21の苗植付け部を整地する部分の横側に土壌面に下端が突っ込まれる状態で該フロートに取付けられている。そして、前記植付装置19の回転ケース17との関係位置は、該回転ケース17の前側に近い位置にあり、この作溝器44のV字或はU字の空間内に上方から介入する前記移送管43は、前記植付伝動ケース15の副伝動ケース15bと植付装置19の先端側外側部に取付けられて首振り移植運動をする移植具18との間に介装され、しかも、回転ケース17の前側に位置ならしめている。換言すれば、副伝動ケース15bと回転ケース17と移植具18と苗載台16とで形成される空間(チ)内に移送管43が介入される構成になっている。このようにすると、構成が非常にコンパクトになるばかりでなく、移送管43を左右に折曲げないで配設できて肥料詰りを少なくすることができる。尚、前記肥料繰出装置42の排出口72とこれに連設される漏斗74は回転ケース17の上方部に位置して前記移送管43が左右に曲げられないでストレートに配設され回転ケース17や移植具18の作動を阻害しない構成になっている。
前記施肥従動軸53の伝動は、該施肥従動軸53に一方向回転機構としてのラチェット機構94を装着し、その作動レバー95を駆動ロッド96を介して前記副伝動ケース15bの下端側の一側部に突出して回転されるように設けたクランク97に連設し、このクランク97の回転によってレバー95が上下に揺動されて施肥従動軸53が一定の方向に伝動回転されるように構成されている。
前記クランク97は、前記回転ケース17の植付装置駆動軸98に平歯車99を取付け、前記副伝動ケース15bの後端に施肥装置39を装着しない場合に取付けられる蓋の代わりにクランク伝動枠100を装着すると、この伝動枠100の内部にあらかじめ軸架した従動中間平歯車101が前記平歯車99と噛み合い、これに噛合う歯車102aが取付けられる施肥駆動軸102が回転され、この軸102に取付けられているクランク97が作動される構成になっている。
従って、施肥駆動軸102の回転動力は、クランク97・駆動ロッド96・作動レバー95・ラチェット機構94・施肥従動軸53・クラッチ機構54よりなる連繋部材Aを介して肥料繰出装置42に伝動される構成となっている。そして、このクランク97は、前記副伝動ケース15bから側方へ大きく突出する前記植付装置駆動軸98を包む軸受メタル(リ)の後方位でやや高い位置に配設されている。このような位置にクランク97が配設されると該クランク97に泥土や泥水が掛かり難くなって極めて有効である。
前記肥料タンク41内に設けられた肥料切れセンサー103は、該タンク41内の下部側斜面に装着されていて、肥料圧を受けてセンシングするように構成されている。そして、該肥料タンク41はバランスの関係でできるだけ前方に位置するようにするため、タンク内面の壁面を前方側が緩くなる傾斜に構成し、この緩い傾斜面に貼付られる格好にして該センサー103が設けられている。このようにすると肥料が少なくなってもセンサーが肥料圧を充分に受けることができて的確に肥料切れを検出できる。尚、このセンサー103はブザーあるいは警告灯に連結されることは謂うまで主ない。また、このセンサー103の前側には、前記空気タンク47bが位置する状態に延びている構成にしているから、センサー部分が充分に保護され、不測にこのセンサー部分に異物が衝突して破損されたり検出性能が変わってしまう等の事態を防止できる。104は肥料詰り表示器で、前記施肥フレーム40に回動可能に設けた後板84の背面に装着され、前記作溝器44の内壁前面から適当間隔離して垂下した電導杆105と該作溝器44壁面との間に肥料が詰ったり、作溝器内に進入する泥水に肥料が充分溶けた肥料詰りの状態になったときに両者間に難なく電気が流れるのを検出してこれを表示するものである。尚、この肥料詰り検出機構106によると、水田の泥土や、泥水にほとんど影響されないで正確な検出ができる。107は該検出機構106の調整装置で、検出感度を圃場に応じて調整するものである。即ち、電導抵抗を調整することによって、未だ肥料が撒かれていない時点の圃場における泥水が充分に電導性を有するとき、検出機構が働らいて誤報するのを防止するものである。
次に、上例の作用について説明する。
先ず、乗用型走行車体1側に予備苗を多量搭載するときは、第1図及び第2図に示した通り、予備苗載置装置31を前側及び後側の各ブラケット29a・29bに装着して多量の苗を搭載する。多量の苗を搭載する必要がないときは、前側の両サイドあるいは後側の両サイドの予備苗載置装置31を外しておくとよい。
この状態において、田植作業機14の苗載台16に苗を搭載すると共に、各肥料タンク41に粒状の肥料を収納して、乗用型走行車体1を前進しながら各伝動回転部を駆動すると、苗載台16が左右に往復移動して、その下端側に苗が繰り出される。そして、回転ケース17の回転と共に移植具18が揺動してその移植爪が上下に長い閉ループ状の移植軌跡を描いて運動し、前記苗載台16から一株分づつの苗を分割保持して整地フロート20・21で整地した水田の土壌面に苗が植付けられる。
一方、回転ケース17を駆動する植付装置駆動軸98から歯車99・101・102aを介して伝動される施肥駆動軸102に基部が連結された連繋部材A(クランク97・駆動ロッド96・作動レバー95・ラチェット機構94・施肥従動軸53・クラッチ機構54)で各肥料繰出装置42の繰出ロ-ル46が一定方向に回転伝動される。このため、クラッチ機構54を「入」にしておくと繰出ロ-ル46が回転されて肥料タンク41から肥料が繰り出されて下部の漏斗74に排出され、移送管43内を流下して作溝器44の開口部に排出される。このとき、送風機47aによる圧風が空気タンク47bで溜められ、この高圧空気が風導管48を介して漏斗74下部の移送管43内へ吹き込まれ強制的に移送管43内を流下する肥料を作溝器44内へ的確に移送するこのようにして、作溝器44で開口される溝内に撒かれた肥料は、その後に覆土板108で溝が埋め戻されて土壌面下に埋没される。
このようにして、苗植付け作業と施肥作業とが同時に行われるが、各肥料繰出装置42の繰出量を夫々調節するには、歯車90を移動させて歯車51との噛み合いを外し、該歯車51を正あるいは逆に回転して筒軸50の螺子で該歯車51を左右に移動させ、これにより繰出調節ロール46bを移動して調節するとよい。また、各肥料繰出装置42の繰出量を一挙に調節するには、レバー88で植付装置駆動軸89を正逆回転すると歯車90で歯車51が回転されて前記と同じように調節ができる。
次に、作業が終わり、肥料タンク41内の肥料を排出する場合には、肥料取出樋61を第8図の仮想線のように開口ならしめ、堰止ブラシ64が装備された移動部材66を引き抜くとタンク41内の肥料が肥料取出樋61で受けられてそのまま後側の外部へ排出される。排出される肥料は適宜収容器で受けるとよい。
また、この肥料繰出装置42の繰出ロ-ル46部分やその他の適宜な部分を掃除したり、洗浄後の水切りをするときには、送風機47aを外して風を吹き付けると簡単に清掃、水切りができる。
そして、特に、植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102を副伝動ケース15b後部のケース内から外に突出した状態で設け、該施肥駆動軸102にて前記施肥装置39の肥料繰出装置42を連繋部材Aを介して駆動する構成としたので、肥料繰出装置42を駆動する特別の駆動系を乗用型走行車体1側から配設する必要がなく、単に、副伝動,ケース15bの後部に設けた植付装置19を駆動回転する植付装置駆動軸98から回転動力を受けて回転する施肥駆動軸102にて駆動でき、施肥装置39への駆動及び機体構成が非常に簡潔で然もコンパクトな構成になり、適切な駆動を行うことができる。
更に、図4、図5に記載しているように、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 施肥装置付き乗用型田植機の全体側面図
【図2】 施肥装置付き乗用型田植機の全体平面図
【図3】 要部の正断面図
【図4】 要部の一部断面右側面図
【図5】 要部の一部断面背面図
【図6】 要部の一部断面左側面図
【図7】 要部の背面図
【図8】 要部の側断面図
【図9】 要部の背断面図
【図10】 要部を分解した状態の斜視図
【図11】 要部の背面図
【図12】 要部の一部断面右側面図
【図13】 要部の断面図
【図14】 要部の断面図
【図15】 要部の側面図
【符号の説明】
1 乗用型走行車体 14 田植作業機
15b 副伝動ケース 16 苗載台
17 回転ケース 18 移植具
19 植付装置 20 整地フロート
21 整地フロート 22 昇降機構
39 施肥装置 42 肥料繰出装置
98 植付装置駆動軸 102 施肥駆動軸
A 連繋部材
 
訂正の要旨 特許第2666791号発明の明細書を本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりに、すなわち、特許請求の範囲の減縮を目的として下記(1)のとおりに訂正し、明りょうでない記載の釈明を目的として下記(2)ないし(4)のとおりに訂正する。
(1)特許明細書(平成8年12月16日付け手続補正書で補正された明細書)の特許請求の範囲に記載された「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、」を、「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、」と訂正する。
(2)同特許明細書2頁14〜16行(特許公報第3欄24〜27行)に記載された「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、」を、「該施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、」と訂正する。
(3)同特許明細書2頁27行〜3頁3行(特許公報第3欄41〜49行)に記載された「更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」を、「更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、副伝動ケース15bの左右両側方の移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、副伝動ケース15bの左右両側方で回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」と訂正する。
(4)同特許明細書11頁10〜15行(特許公報第10欄16〜24行)に記載された「更に、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、回転ケース17に対して機体背面視で移植具18を設けている側とは反対側に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、移植具18にて掻き上げられた泥土や泥水が、回転する回転ケース17によって、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部に直接かかり難くなり、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」を、「更に、図4、図5に記載しているように、施肥駆動軸102と連繋部材Aとの連結部を、機体背面視で回転ケース17に対して移植具18を設けている側とは左右方向反対側に位置させて副伝動ケース15bの左右に配置した回転ケース17の左右間に位置し、機体側面視で回転ケース17の回転領域内に位置するよう配設したので、施肥装置の作動が長期に亘り円滑に行えて良好な施肥作業が行える。」と訂正する。
異議決定日 1999-08-27 
出願番号 特願平7-322602
審決分類 P 1 651・ 532- YA (A01C)
P 1 651・ 161- YA (A01C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 番場 得造森 正幸嶋 失督  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 新井 重雄
吉村 尚
登録日 1997-06-27 
登録番号 特許第2666791号(P2666791)
権利者 井関農機株式会社
発明の名称 施肥装置付き乗用型田植機  

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