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審決分類 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  H01C
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01C
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  H01C
管理番号 1003924
異議申立番号 異議1998-74669  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-07-16 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-09-22 
確定日 1999-08-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2732232号「チップ抵抗器の製造方法」の請求項1ないし2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2732232号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2732232号については、平成6年12月28日に出願され、同9年12月26日に設定登録され、その後、特許異議の申立て、及び取消理由の通知がなされ、取消理由の通知の指定期間内である同11年2月22日に願書に添付した明細書について訂正請求がなされたものである。
2.訂正の要旨
上記訂正請求は、本件特許の願書に添付した明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めたものであるが、その要旨は次の▲1▼〜▲3▼のとおりである。
▲1▼願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項2の記載を
「【請求項2】 絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程と、上記第2の透明または半透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」
と訂正する。
▲2▼願書に添付した明細書の第6頁第8行中(段落番号【0019】第6行中、特許第2732232号公報第3頁第6欄14行中)の「さらに、上記第2のガラス膜」の記載を、
「さらに、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜」
と訂正する。
▲3▼願書に添付した明細書の第6頁第16〜17行中(段落番号【0020】第2〜3行中、同特許公報第3頁第6欄第25行中)の「かつ焼成することで、有機顔料をバーンアウトと、」の記載を、
「かつ焼成した第2のガラス膜を形成することで、有機顔料をバーンアウトし、」
と訂正する。
3.訂正の適否についての判断
(ア)、訂正の目的、新規事項及び拡張・変更の存否
(1).上記▲1▼の訂正について
上記▲1▼の訂正は、願書に添付した明細書(以下特許明細書という。)の請求項2に記載された「上記抵抗値調整工程と保護膜形成工程間に、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行なって上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程を含む請求項1に記載のチップ抵抗器の製造方法。」を、請求項1を援用しない記載にするとともに、抵抗値調整工程までを請求項1と同一の構成とし、その後の工程を、
「上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程と、上記第2の透明または半透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」と限定するものである。
そして、この▲1▼の訂正に関連する記載として、特許明細書の発明の詳細な説明には、第5頁第6〜15行中(段落番号【0015】第3行〜段落番号【0016】第4行中、同特許公報第3頁第5欄第14〜26行中)の「その抵抗膜3の抵抗値の調整を行い(抵抗値調整工程)、さらに、上記トリミング溝5内および上記第1の透明ガラス膜4上に、有機顔料としての上記と同じ鉛ホウケイ酸ガラスを混入したガラスペーストを、上面が平滑となるように印刷し、この後焼成を行って、図1(f)に示すような第2の透明ガラス膜6を形成する(第2の透明ガラス膜形成工程)。なお、かかる焼成によっても上記と同時に、ガラスペースト中の有機顔料を高温下でバーンアウトさせることができ、さらに第2の透明ガラス膜6上に無機顔料が混入された保護膜が形成されるが、その無機顔料は遮蔽性を保つため、焼成あるいは焼付後でも残るようにしなければならない。」の記載、及び特許明細書第3頁第9〜17行中(段落番号【0008】第2〜10行中、同特許公報第2頁第3欄第47行〜同頁第4欄第13行中)の「この発明にかかるチップ抵抗器の製造方法は、絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成し、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成し、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って第1の透明または半透明ガラス膜を形成するとともに、該第1の透明ガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整し、さらに、上記抵抗膜を除去した部分および上第1の透明ガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って第2の透明または半透明ガラス膜を形成する。最後に上記第2の透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成するようにしたものである。」の記載がある。
そうすると、上記▲1▼の訂正は、特許明細書に記載された事項の範囲内において、特許明細書の請求項2が援用している同請求項1の構成の一部である「上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程」を、「上記第2の透明または半透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程」と訂正したものといえるから、誤記の訂正に該当し、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2).上記▲2▼の訂正について
上記▲2▼の訂正は、「上記抵抗膜を除去した部分および」を加入するとともに、「上記第2のガラス膜」を「上記第1のガラス膜」に訂正したものである。
この▲2▼の訂正に関連する記載として、特許明細書の発明の詳細な説明には、上記▲1▼の訂正の場合と同一個所の、第5頁第6〜15行中(段落番号【0015】第3行〜段落番号【0016】第4行中、同特許公報第3頁第5欄第14〜26行中)の「その抵抗膜3の抵抗値の調整を行い(抵抗値調整工程)………焼成あるいは焼付後でも残るようにしなければならない。」の記載、及び特許明細書第3頁第9〜17行中(段落番号【0008】第2〜10行中、同特許公報第2頁左欄第47行〜同頁右欄第13行中)の「この発明にかかるチップ抵抗器の製造方法は、………無機顔料を混入した保護膜を形成するようにしたものである。」の記載がある。
そうすると、上記▲2▼の訂正は、特許明細書に記載された事項の範囲内において、上記のように訂正したものであるから、誤記の訂正及び明瞭でない記載の釈明に該当し、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(3).上記▲3▼の訂正について
上記▲3▼の訂正は、「かつ焼成することで、」の記載を、「かつ焼成した第2のガラス膜を形成することで、」と訂正するとともに、「有機顔料をバーンアウトと、」の記載を、「有機顔料をバーンアウトし、」と訂正したものである。
この▲3▼の訂正に関連する記載として、特許明細書の発明の詳細な説明には、上記▲1▼の訂正の場合と同一個所の、第5頁第6〜15行中(段落番号【0015】第3行〜段落番号【0016】第4行中、同特許公報第3頁第5欄第14〜26行中)に、「その抵抗膜3の抵抗値の調整を行い(抵抗値調整工程)………焼成あるいは焼付後でも残るようにしなければならない。」の記載、及びこの記載に続いた、特許明細書第5頁第15〜18行中(段落番号【0016】第4〜7行中(同特許公報第3頁第5欄第26〜31行中)の「しかし無機顔料と抵抗膜3のトリミングによる露出部で接触していないため、熱的あるいは過負荷特性的に抵抗値が安定している。従って、この有機顔料が上記各透明ガラス膜4,6側に露出している抵抗膜3に化学的、物理的悪影響を及ぼすことがない。」の記載がある。
そうすると、上記▲3▼の訂正は、特許明細書に記載された事項の範囲内において、上記のように訂正したものであるから、誤記の訂正及び明瞭でない記載の釈明に該当し、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(イ)、訂正の適否についての判断結果
上記(ア)に示すとおりであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
4.特許異議の申立ての判断
(ア)、申立ての理由の概要
特許異議申立人は、証拠として甲第1号証(特開平4-355901号公報)、甲第2号証(特開昭53-93399号公報)、甲第3号証(特開昭58-64245号公報)、甲第4号証(特開平6-56461号公報)、及び甲第5号証(特開平3-183103号公報)刊行物を提出し、本件請求項1に係る特許は、甲第1号証乃至甲第4号証から当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件請求項2に係る特許は、甲第1号証乃至甲第5号証から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものでありまた本件特許発明は、その明細書の特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第4項及び第5項の規定に適合していない出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。
(イ)、本件特許発明
本件特許発明は、
「【請求項1】絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。
【請求項2】絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程と、上記第2の透明または半透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」である。
(ウ)、特許法36条違反の判断
(1).異議申立人は、異議申立書の(42)具体的理由2の1で、本件請求項1に係る発明が、発明の詳細な説明に記載されていないと主張しているが、本件請求項1の記載は、補正及び訂正が全くなされておらず、出願当初のままであるから、本件請求項1に記載された構成は、出願当初から記載されていたものである。また、本件請求項1のように、第2のガラス膜形成工程を実施しないチップ抵抗器の製造方法であって、「抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」は、本件特許明細書第1頁第24〜25行中(段落番号【0002】第2〜3行中、本件特許公報第1頁第2欄第11行中)に、出願当初から従来例として記載された特公平6-18121号公報、及び下記甲第1号証刊行物(特開平4-355901号公報)等により従来周知であるので、本件請求項1に記載された発明は、実質的に特許明細書の発明の詳細な説明に記載されていると認められる。
(2).次に、異議申立人は、異議申立書の(43)具体的理由2の2で、(a)本件請求項2に係る発明は、特許明細書の請求項2が援用している同請求項1の構成の一部である「上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程」が本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されていない事項であり、(b)また上記の保護膜形成工程と、本件請求項2に係る発明の構成の1部である「抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程」との関係が不明であるため、本件請求項2の構成は不明であると主張しているが、上記「3.(ア)、(1)」で示したように、上記▲1▼の訂正によって特許法36条第4項及び第5項に規定する要件を満たした。
(エ)、特許法第29条第2項違反について
(1).提出された甲第1号証刊行物には、
第2頁右欄第23〜38行中(段落番号【0011】中)に「アルミナ等の絶縁材料で長方形を成す基板2が形成されており、この基板2の表面の対向する縁部間には一対の1次電極4,6が一定の間隔を以て形成されている。この1次電極4,6間の基板2には、各1次電極4,6に跨がって抵抗体8が印刷及び焼成処理によって形成されている。この抵抗体8の表面には、その表面を全面的に覆う第1のガラス層10が形成されている。このガラス層10は、抵抗体8のほぼ全面及び1次電極4,6の1部を覆っており、12は、抵抗体8にガラス層10の上から形成されたレーザートリミングによる切り欠きである。そして、このガラス層10の上面には、ガラス層10及び抵抗体8を全体的に被う保護膜としての第2のガラス層14が印刷、焼成処理で形成されている。切欠き12には第2のガラス層14が埋め込まれ、切欠き12の壁面を成す抵抗体8の表面はガラス層14によって被覆されている。」と記載され、
第3頁左欄第2〜10行中(段落番号【0015】〜【0016】中)に「抵抗体8を覆う第1のガラス層10を印刷し、焼成処理を施して形成する。このガラス層10は、硝酸系ガラス等で形成し、レーザー吸収を良好にするため、半透明グリーン等に設定する。次に、第2図の(D)に示すように、ガラス層10の上から抵抗体8にレーザートリミングを施し、抵抗値を所定値に調整する。」と記載され、
第3頁右欄第16〜19行中(段落番号【0019】中)に「c.第2のガラス層を黒色としたので、第2のガラス層を以て抵抗器の内部を遮蔽できるとともに、その上に印刷する定格等を表す標印文字や抵抗器自体の視認性を高めることができる。」と記載されている。
そして、上記記載、第1図、及び第2図の記載を併せて見ると、甲第1号証刊行物には、
「絶縁基板上に一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に第1の半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に黒色保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」が記載されていると認められる。
(2).甲第2号証刊行物には、
第1頁左下欄第5〜9行中(特許請求の範囲1中)に「ガラス粉末とビヒクルと顔料とから成る印刷用ガラスペーストにおいて、顔料が印刷後のビヒクルの溶剤乾燥時に消色ないし褪色する有機顔料であることを特徴とする印刷用ガラスペースト」が記載され、
第1頁左下欄第14〜19行中に「本発明は、厚膜回路に使用する印刷用ガラスペーストに関するものである。
厚膜回路の形成には、多層配線、クロスオーバの絶縁層、厚膜コンデンサの誘電体および抵抗、コンデンサ等の厚膜素子の保護コートなどに種々のガラスペーストが使用される。」と記載され、
第2頁左上欄第18行〜第2頁右上欄第1行中に「上記乾燥温度で分解または化学反応により消色し、かつガラス膜の焼成後にガラスの特性に悪影響をおよぼす成分を含まない有機顔料が着色剤として適している。」と記載され、
第2頁右上欄第13〜16行中に「ガラス膜の焼成温度500℃以上では完全に分解し、ガラス中に残る成分は含まれないので、ガラスの特性に悪影響を与えることはない。」と記載されている。
そして、上記記載、及び第2頁左下欄中の表の記載等を併せて見ると、甲第2号証刊行物には、「有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、有機溶剤の乾燥時に顔料が消色または褪色し、かつ焼成を行って上記有機顔料を完全にバーンアウトしたガラス膜を形成するガラス膜形成工程を実施する抵抗等の厚膜回路の製造方法。」が記載されていると認められる。
(3).甲第3号証刊行物には、
第1頁左下欄第12〜19行中に「電気回路には種々の抵抗器が用いられているが、回路の小型化、薄型化、高密度化に伴なって厚膜チップ抵抗器が注目されている。この抵抗器はセラミックの小片(チップ)を基板とし、該基板の両端に導電ペーストを焼き付けて電極を形成し、電極間に抵抗体ペーストを塗布焼成した抵抗被膜を形成したもので、通常抵抗被膜にはガラスペーストによる被覆が施される。」と記載され、
第2頁右上欄第12〜18行中に「ガラスペーストは無機顔料により着色せしめることができる。たとえば抵抗値のレベルによって色分けするのが好都合な場合に着色ガラスペーストの使用は便利である。顔料の添加割合はガラス100重量部当り0.5〜15重量部程度が適当である。無機顔料を用いれば焼成後も着色は消滅しない。」と記載されている。
そして、上記記載及び実験例の記載を併せて見ると、甲第3号証刊行物には、「基板上に一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上にガラスペーストを塗布し、かつ焼成を行ってガラス膜を形成するガラス膜形成工程とを実施する厚膜チップ抵抗器の製造方法であって、ガラスペーストは無機顔料により着色せしめることができ、たとえば抵抗値のレベルによって色分けするのが好都合な場合に着色ガラスペーストの使用は便利であり、無機顔料を用いれば焼成後も着色は消滅しない。」ことが記載されていると認められる。
(4).甲第4号証刊行物には、
第2頁左欄第12〜20行中(段落番号【0002】中)に「ガラスペーストは、軟化点が350〜600℃のガラス粉末と有機質ビヒクルを主成分とし、必要に応じて無機顔料が添加されて作られる。ガラス粉末は、ZnOやTiO2等を含むホウケイ酸ガラスや、ZnO、TiO2等を含むPbO-SiO2-A1203系ガラス等が用いられる。これらガラスペーストは、厚膜抵抗体や厚膜導体やサーマルヘッド等の電子回路を外気と遮断する保護膜の形成や、導体の交差部の絶縁層の形成などに用いられる。」と記載されている。
そして、上記記載及び実施例の記載を併せて見ると、甲第4号証刊行物には、「必要に応じてガラスペーストに無機顔料を混入し、抵抗体の上にガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って保護膜等のガラス膜を形成するガラス膜形成工程を実施する抵抗器の製造方法。」が記載されていると認められる。
(5).甲第5号証刊行物には、
第1頁右下欄第13行〜第2頁右上欄第2行中に「該素材基板の表面における各チップ基板12の左右両側に、Ag・Pdペースト等の導電性ぺーストを塗着したのち、830〜870℃の温度で焼成することにより、上面電極膜13a、13bを形成する。
▲2▼.次に前記各チップ基板12の上面に、RuO2系の抵抗膜用ペーストを、前記両上面電極膜13a、13bに跨るように帯状に塗着したのち、830〜870℃の温度で焼成することにより、厚膜状の抵抗膜14を形成する。
▲3▼.次に、前記各チップ基板12の上面に、ガラスペーストを、前記抵抗膜14の全体を覆うように塗着したのち、適宜温度(例えば、約550℃)で焼成することにより、第1ガラス保護膜15を形成する。
▲4▼.次に、前記抵抗膜14に、レーザ又はサンドブラスとによってトリミング溝16を刻設して、両上面電極13a、13bの間における全抵抗値が、所定の抵抗値の範囲内に入るように調節する。
▲5▼.次に、前記各チップ基板12の上面に、ガラスペーストを、前記第1ガラス保護膜15の全体を覆うように塗着したのち、適宜温度(例えば、約550℃)で焼成することにより、第2ガラス保護膜17を形成する。
▲6▼.次に、前記第2ガラス保護膜17の表面に、当該第2ガラス保護膜17と同様の方法によって第3ガラス保護膜18を形成したのち、この第3ガラス保護膜18の表面に、抵抗値又は製造者を表示する表印を施す。」と記載されている。
そして上記記載から、甲第5号証刊行物には、「基板上に一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上にガラスペーストを塗着し、かつ焼成を行って第1のガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記第1のガラス膜の上にガラスペーストを塗着し、かつ焼成を行って第2のガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程と、上記第2のガラス膜の上に保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」が記載されていると認められる。
(オ)、対比・判断
本件請求項1及び請求項2に係る発明と、甲第1〜5号証刊行物に記載された発明とを対比すると、甲第1〜5号証刊行物に記載された発明は、いずれも、本件請求項1及び請求項2に係る発明の構成に欠くことのできない事項である「抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程」を有していない。
そして、本件請求項1及び請求項2に係る発明は、上記構成により、「焼成によってバーンアウトできる有機顔料を含むガラス膜によって抵抗膜の保護、トリミングなどを実施することによって、その抵抗膜の電気的特性を劣化させずに、外観が良好で、表面を平滑に形成できるとともに、形状寸法および精度を高めることができるものが容易に得られる効果がある。また、上記抵抗値調整をして一部露出した抵抗膜については、このトリミング蹟と第1のガラス膜との上から有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成した第2のガラス膜を形成することで、有機顔料をバーンアウトし、トリミング蹟における無機顔料の混入による抵抗値の特性変化も防止することができる。」等の明細書に記載された作用効果を奏するものである。
したがって、本件請求項1及び請求項2に係る発明は、甲第1〜5号証刊行物に記載された発明と同一であるとすることも、また甲第1〜5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることもできない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1及び請求項2に係る特許は、特許異議申立人が主張する理由及び提出した証拠によっては、取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1及び請求項2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
チップ抵抗器の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。
【請求項2】 絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程と、上記第2の透明または半透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、絶縁基板上の抵抗体を保護するチップ抵抗器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ抵抗器およびその製造方法としては、例えば特公平6-18121号公報に記載のものがある。これはアルミナなどの絶縁基板上に複数対の電極を形成し、これらの各電極をまたぐように抵抗膜を形成し、さらにこの抵抗膜の上に後工程におけるレーザに対して高い吸光度を示してトリミングをし易くする緑色の無機顔料を含む半透明ガラスを形成している。なお、ここで顔料を用いる意味は、半透明ガラスをスクリーン印刷したものの位置を確認し易くするためである。
【0003】
また、この半透明ガラス膜の上からレーザなどによるトリミングを行って抵抗値調整を行った後、その半透明ガラス膜の上に黒色の無機顔料を含む隠蔽性,耐メッキ性,耐環境性が良好な黒色ガラス膜を形成した後、上記各電極に電気的に接続される端面電極,裏電極を上記絶縁基板の縁部に形成し、さらにその上にニッケルや半田のメッキを施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来のチップ抵抗器の製造方法にあっては、上記抵抗膜の一部をトリミングにより除去して、その抵抗値を調整する前に、予め半透明ガラス膜が形成されており、上記トリミング時に、そのトリミングのレーザエネルギによってその半透明ガラス膜中に含まれる無機顔料が化学的に分解し、これが上記抵抗膜に対し電気的に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0005】
また、上記黒色ガラス膜がその下層の半透明ガラス膜(緑色)とは着色が異なり、印刷時にこれらの位置がずれると、チップ抵抗器として外観上の遜色を招くほか、マウント時にも画像認識装置の認識に異常をきたし所定の位置にマウントされないという理由でトラブル発生の原因になるという問題点があった。
【0006】
さらに、上記トリミングによる抵抗値の調整を行って、半透明ガラス膜上に直接黒色ガラス膜を形成することによって、そのトリミングを行った部分で上記抵抗膜が黒色ガラス膜側に露出し、この露出部分に黒色の無機顔料が入り込んで、各工程における抵抗値のドリフトを生じ、このドリフトが次第に上昇するために抵抗値の電気特性に変化が増大していくなどの問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、ガラス膜中の例えば酸化クロムなどの無機金属酸化物の顔料を除去することによって抵抗膜の保護,トリミングなどを実施することで、その抵抗膜の電気的特性を劣化させずに、外観が良好で、表面を平滑に形成できるとともに、形状寸法および精度を高めることができるチップ抵抗器の製造方法を得ることを目的とする。また、この発明ではトリミングにより除去した第1のガラス膜の一部を直接無機顔料を混入した保護膜に接しないように、第1のガラス膜と保護膜との間に黒色などの顔料を除去することによって抵抗膜の保護をさらに十分なものにすることを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるチップ抵抗器の製造方法は、絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成し、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成し、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って第1の透明または半透明ガラス膜を形成するとともに、該第1の透明ガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整し、さらに、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1の透明ガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って第2の透明または半透明ガラス膜を形成する。最後に上記第2の透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成するようにしたものである。
【0009】
この発明において用いる焼成によってバーンアウトできる有機顔料としては、フタロシアニンブルー,フタロシアニングリーン,ウオッチングマンガンレッド,ナフトール(赤),キナクリドン(赤),ペリレン(赤),ポリアゾ系(黄),モノアゾ系(黄)などを用い、これらは印刷後の焼成によって、バーンアウトされる。
【0010】
【作用】
この発明におけるチップ抵抗器の製造方法では、抵抗膜上に形成する第1の透明または半透明ガラス膜および第2の透明または半透明ガラス膜は、従来の無機顔料に代えて有機顔料を含むガラスペーストを印刷した後焼成することにより得られる、従来無機顔料では焼成後にも残存した顔料を、ガラスペーストがスクリーン印刷された部分の位置を確認し易くすることと、焼成後のガラス膜を透明にする理由により、有機顔料のみをガラスペースト中に含有し、焼成時に化学結合や分解による水素や炭酸ガス等として、バーンアウトさせることにより得られる。従って、抵抗膜の抵抗調整時のトリミングによって、その抵抗膜の一部が上記各透明ガラス膜側に露出することがあっても、有機顔料が既に消失しているため抵抗膜に悪影響を及ぼすことがなくなり、安定的な抵抗値特性,電気的特性を具現可能にする。
【0011】
【実施例】
以下に、この発明の一実施例を図について説明する。図1はこの発明にかかるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図であり、以下、この図に従ってチップ抵抗の製造プロセスを説明する。
【0012】
まず、セラミックやガラスあるいはアルミナなどで形成された、図1(a)に示すような絶縁基板1を用意し、この絶縁基板1上に一対または複数対の導体からなる電極2を、図1(b)に示すように形成する(電極形成工程)。なお、この導体としては、Ag-Pt系やAg-Pd系の導電用厚膜ペーストが用いられる。
【0013】
次に、上記のAg-Pt系金属などからなる上記対の電極2,2をまたぐように、上記絶縁基板1上に抵抗膜3を、図1(c)に示すように形成する(抵抗膜形成工程)。この抵抗膜3は例えば酸化ルテニウム(RuO2)系のペーストの印刷および例えば850℃の焼成にて形成される。
【0014】
さらに、上記抵抗膜3上にフタロシアニンブルーやフタロシアニングリーンなどの有機顔料を含む鉛ホウケイ酸ガラス系のガラスペーストを印刷し、さらにこれの焼成を行って、図1(d)に示すように第1の透明ガラス膜4を形成する(第1の透明ガラス膜形成工程)。上記焼成によって上記ガラスペースト中の有機材料は例えば600℃の焼成温度によって鉛ホウケイ酸ガラスペースト中に含有される有機顔料中の元素である水素,酸素,炭素,チッ素がバーンアウトし、透明なガラス膜となる。
【0015】
次に、上記第1の透明ガラス膜4および抵抗膜3の一部を、図1(e)に示すように、レーザやサンドブラストなどによりトリミングしてトリミング溝5を形成し、その抵抗膜3の抵抗値の調整を行い(抵抗値調整工程)、さらに、上記トリミング溝5内および上記第1の透明ガラス膜4上に、有機顔料としての上記と同じ鉛ホウケイ酸ガラスを混入したガラスペーストを、上面が平滑となるように印刷し、この後焼成を行って、図1(f)に示すような第2の透明ガラス膜6を形成する(第2の透明ガラス膜形成工程)。
【0016】
なお、かかる焼成によっても上記と同時に、ガラスペースト中の有機顔料を高温下でバーンアウトさせることができ、さらに第2の透明ガラス膜6上に無機顔料が混入された保護膜が形成されるが、その無機顔料は隠蔽性を保つため、焼成あるいは焼付後でも残るようにしなければならない。しかし無機顔料と抵抗膜3のトリミングによる露出部で接触していないため、熱的あるいは過負荷特性的に抵抗値が安定している。従って、この有機顔料が上記各透明ガラス膜4,6側に露出している抵抗膜3に化学的,物理的悪影響を及ぼすことはない。
【0017】
そして、その第2の透明ガラス膜6上に無機顔料が入った保護ガラス膜や保護合成樹脂膜としての保護膜7を、図1(g)に示すように形成する。この保護膜7は酸化クロムなどの無機顔料が入ったガラスペーストの印刷および焼成により形成されても、無機顔料の色(例えば、黒色)が残るため、これの上への白色顔料による文字,記号の印刷を行うことで、色のコントラストで識別性を付加できることになる。
【0018】
次に、絶縁基板1の両端面に上記絶縁基板1の一部を被うように、Ag系のペーストにて端面電極8を形成し、さらにこれらを被うようにニッケルメッキや半田などにより電極膜9を形成することで、図1(h)に示すようなチップ抵抗器が形成されることになる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成し、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成し、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って第1のガラス膜を形成するとともに、該第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整し、さらに、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に無機顔料を混入した保護ガラス膜を形成するようにしたので、焼成によってバーンアウトできる有機顔料を含むガラス膜によって抵抗膜の保護,トリミングなどを実施することによって、その抵抗膜の電気的特性を劣化させずに、外観が良好で、表面を平滑に形成できるとともに、形状寸法および精度を高めることができるものが容易に得られる効果がある。
【0020】
また、上記抵抗値調整をして一部露出した抵抗膜については、このトリミング跡と第1のガラス膜との上から有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成した第2のガラス膜を形成することで、有機顔料をバーンアウトし、トリミング跡における無機顔料の混入による抵抗値の特性変化も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の一実施例によるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 電極
3 抵抗膜
4 第1の透明ガラス膜
5 トリミング溝
6 第2の透明ガラス膜
7 保護膜(保護ガラス膜)
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第2732232号発明の明細書を次のとおり訂正する。
▲1▼願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項2を、誤記の訂正を目的として、
「【請求項2】 絶縁基板上に少なくとも一対の電極を形成する電極形成工程と、上記各電極をまたぐように上記絶縁基板上に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と、上記抵抗膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第1の透明または半透明ガラス膜を形成する第1のガラス膜形成工程と、上記第1のガラス膜を介して上記抵抗膜の一部を除去して抵抗値調整する抵抗値調整工程と、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜の上に有機顔料を混入したガラスペーストを印刷し、かつ焼成を行って上記有機顔料をバーンアウトした第2の透明または半透明ガラス膜を形成する第2のガラス膜形成工程と、上記第2の透明または半透明ガラス膜の上に無機顔料を混入した保護膜を形成する保護膜形成工程とを実施するチップ抵抗器の製造方法。」
と訂正する。
▲2▼願書に添付した明細書の第6頁第8行中(段落番号【0019】第6行中、特許第2732232号公報第3頁第6欄14行中)の「さらに、上記第2のガラス膜」を、誤記の訂正及び明瞭でない記載の釈明を目的として、
「さらに、上記抵抗膜を除去した部分および上記第1のガラス膜」
と訂正する。
▲3▼願書に添付した明細書の第6頁第16〜17行中(段落番号【0020】第2〜3行中、同特許公報第3頁第6欄第25行中)の「かつ焼成することで、有機顔料をバーンアウトと、」を、誤記の訂正及び明瞭でない記載の釈明を目的として、
「かつ焼成した第2のガラス膜を形成することで、有機顔料をバーンアウトし、」
と訂正する。
異議決定日 1999-07-16 
出願番号 特願平6-327139
審決分類 P 1 651・ 531- YA (H01C)
P 1 651・ 534- YA (H01C)
P 1 651・ 121- YA (H01C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 酒井 朋広  
特許庁審判長 小池 正利
特許庁審判官 清水 信行
久保田 健
登録日 1997-12-26 
登録番号 特許第2732232号(P2732232)
権利者 釜屋電機株式会社
発明の名称 チップ抵抗器の製造方法  
代理人 酒井 一  
代理人 酒井 一  

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