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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1004684
審判番号 審判1997-14047  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1989-03-01 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-08-21 
確定日 1999-10-13 
事件の表示 昭和62年特許願第209563号「データ処理システム」拒絶査定に対する審判事件(平成1年3月1日出願公開、特開平1-53243)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 (手続の経緯・本件発明)
本願は、昭和62年8月24日の出願であって、その発明の要旨は、平成7年3月13日付け、平成9年9月22日付けの各手続補正書により補正された明細書、図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである(以下、本件発明という。)。
「ユーザアプリケーションの実行の制御および使用する領域の管理を行うデータ処理システムにおいて,前記ユーザアプリケーションの実行に先だって,当該ユーザアプリケーションが使用する領域を獲得するユーザ領域先行獲得処理手段と,前記ユーザアプリケーションの実行中に当該ユーザアプリケーションより発行されるユーザ領域獲得要求に対して,前記ユーザ領域先行獲得処理手段で獲得した領域の中から,要求された領域を,当該ユーザアプリケーションに利用させるユーザ領域管理処理手段とを備えたことを特徴とするデータ処理システム。」
(引用刊行物)
これに対し、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭60-19256号公報(以下、刊行物という。)には、データ処理装置におけるメモリ領域管理方式に関する発明が記載されており、「〔従来技術と問題点〕プログラムを動作されてデータ処理を実行するとき、ダイナミックにメモリ領域が必要である。例えば入出力バッファや一時的な制御表あるいは作業領域等としてメモリ領域が使用される。このようなダイナミックなメモリ領域を得るため、従来ではその都度スーパバイザマクロ命令としてGET MAINというマクロ命令を使用して必要とするユニット領域を切り出していたので、このため数100ステップの処理が必要であった。これを改善するため、あらかじめ上記スーパバイザマクロ命令でメモリ領域を大量に切り出しておき、メモリ領域が必要となる度にこの大量に切り出したメモリ領域をプライベートなマクロで更に切り分けるという方法が採用されているが、これでも1回について50〜150ステップもの処理が必要であった。」(第1頁右下欄第7行〜第2頁左上欄第4行)、「本発明のメモリ領域管理方式では、データ処理に際して必要なユニット領域をあらかじめメモリ領域より確保しておきこれをプログラムの実行に際して順次切出して必要なユニットを得るようにしたデータ処理装置において、ユニットの使用状態を管理するユニット管理テーブルと、該ユニット管理テーブルの先頭アドレスを保持する先頭アドレス保持手段と、ユニットタイプを識別するユニットタイプ識別手段と、ユニットタイプにより定められている先頭アドレスからのオフセット値を得るオフセット手段と、必要とするユニットのアクセス先を算出するユニット先アクセス手段を設け、データ処理に際してユニットの種類に応じてユニット先のアドレスを上記ユニット管理テーブルから得るようにしたことを特徴としている。」(第2頁左上欄第15行〜右上欄第11行)、「第1図は本発明で使用されるユニット管理テーブル、第2図はユニット管理テーブル・アクセス先アドレス算出回路、第3図は空きアドレス算出回路、第4図は要求されたユニット数が最大値を越えたときのユニット管理テーブル、第5図は要求されるユニット数が最大値を越えたときの検出回路である。」(第2頁右下欄第16行〜第3頁左上欄第2行。第1図〜第5図参照。)、「本発明の動作を各図面に基づき説明する。(1)ジョブの実行に先立ち、第1図に示す如く、ユニット管理テーブルNTを作成し、初期化マクロ(JYRUNITM)でユニット域Uを確保する。このユニット管理テーブルには、同一のユニットの型ごとに使用されるであろうユニット数MAXをふくめて、タイプ、大きさ(サイズ)、MAX、現在使用中の数C-NO、ユニット域における先頭アドレス、空きアドレス等の管理事項が記載された管理区域が各ユニットの型単位で配列されている。(2)ジョブの実行においてユニットが必要となると、切出しマクロ(JYRUNITG)が発行される。その中に明示されたユニットの型(UTYPE)により、第2図に示すユニットタイプ識別部3がこのユニットの型がユニット管理テーブルNTの何番目に記入されているのかその順位番号を出力する。これによりオフセット演算部4が基準オフセット・レジスタ2により出力される管理区域の大きさLに上記順位番号を乗算してそのオフセット値を算出し、これをユニット項目先演算部5において先頭アドレス・レジスタ1より出力されるユニット管理テーブルNTの先頭アドレスに加算して必要とするユニットの型の管理区域を出力する。そしてその管理区域の空きアドレスを読み出し、ユニット切出し先を求めることができる。(3)このとき、第3図において、その管理区域のサイズとそれまで使f用されたユニット数が、それぞれサイズ・レジスタ10,NOレジスタ11に記入され、またユニット域の先頭アドレスがU先頭アドレス・レジスタ14に記入されているので、これにより次のユニット先の空きアドレスが演算されて、これが空きアドレス項目に記入される。そして次の切出し要求に備えることになる。(4)そしてユニットの使用数がそのMAXに達したのちに更らに当該ユニットに対してユニット切出し要求がその切出し要求マクロJYRUNITGにより行われたとき、第5図に示す如く、比較部22の出力が新領域設定処理部23に出力され、そのときのユニット型がタイプ・レジスタ20より伝達されているので、この新領域設定処理部23はそのユニット型に適合した形で新ユニット域を設定する。」(第4頁左上欄第7行〜第4頁左下欄第9行)と説明されている。
(対比・判断)
そこで、本件発明と上記刊行物記載の発明とを対比・判断すると、
(a)上記刊行物記載の発明は、プログラムの実行とその際に使用するメモリ領域の確保を行うデータ処理装置に関するものであり、本件発明が、ユーザアプリケーションの実行の制御および使用する領域の管理を行うデータ処理システムであるとする点に一致する、
(b)上記刊行物記載のデータ処理装置は、初期化マクロ(JYRUNITM)をプログラムの実行に先立って発行し、データ処理に際して必要なユニット域Uをあらかじめメモリ領域に確保するようにしているところ、そのための手段を備えていることは明らかであるから、これらの点は、本件発明のユーザアプリケーションの実行に先だって、当該ユーザアプリケーションが使用する領域を獲得するユーザ領域先行獲得処理手段を備えるとする点に相当する、
(C)上記刊行物記載のデータ処理装置においては、プログラムの実行において、切出しマクロ(JYRUNITG)を発行し、プログラムの実行に先立ち確保されたユニット域Uから必要なユニットを切出しプログラムの実行に用いるようにしているところ、そのための手段を備えていることは明らかであるから、これらの点は、本件発明が、ユーザアプリケーションの実行中に当該ユーザアプリケーションより発行されるユーザ領域獲得要求に対して,ユーザ領域先行獲得処理で獲得した領域の中から,要求された領域を,当該ユーザアプリケーションに利用させるユーザ領域管理処理手段を備えるとする点に相当する。
以上のとおり、本件発明と上記刊行物記載の発明とに格別な差異は見あたらず、少なくとも、本件発明は、上記刊行物記載の発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるというべきである。
(まとめ)
したがって、本件発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-05-13 
結審通知日 1999-05-28 
審決日 1999-08-16 
出願番号 特願昭62-209563
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 漆原 孝治  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 大橋 隆夫
北島 健次
発明の名称 データ処理システム  
代理人 森田 寛  
代理人 小笠原 吉義  
代理人 長谷川 文廣  
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