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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 B65H 審判 全部申し立て 2項進歩性 B65H |
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管理番号 | 1005123 |
異議申立番号 | 異議1999-72558 |
総通号数 | 5 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-11-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-07-06 |
確定日 | 1999-10-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2843148号「中央駆動巻き取リドラムを備えた巻き取り装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおリ決定する。 |
結論 | 特許第2843148号の特許を維持する. |
理由 |
1.本件特許発明 本件特許第2843148号(平成4年9月14日出願、パリ条約による優先権主張による国際出願日 1991年9月18日、スウェーデン国、平成10年10月23日設定登録。)の請求項1に係る特許発明(以下、本件特許発明という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2.申立ての理由の概要 申立人三菱重工業株式会社は、証拠として甲第1号証(特開昭60-197556号公報)を提出し、本件特許発明は、甲第1号証にすべて記載され、あるいは同号証に記載された発明に基づいて、いわゆる当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消すべきものである旨主張している。 3.甲第1号証に記載された発明 甲第1号証(特開昭60-197556号公報)には、水平レール型巻取機における巻取枠替方法の改良に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。 「シート(4)は、ぺーパーロール(11)を経由の後にリールドラム(3)を周回し、セカンダリーアーム(12)によってリールドラム(3)に押しつけられたスプール(2)に巻き取られてゆく。・・・シート(4)がスプール(2)に所望長さ巻き取られ、次に枠替を行うには、まずプライマリーアーム(7)上の新スプール(6)をシート速度に同調させると同時に、それまでリールドラム(3)との摩擦力により回転力を得ていたスプール(2)を第2図に示す別の駆動部で同調回転させながらリールドラム(3)から離し、水平レール(1)上を後退させることにより枠替を行う。・・・続いて、第3図に示すようにプライマリーアーム(7)によりリールドラム(3)の上方に待機保持されていた新スプール(6)をリールドラム(3)に押しつけなからその外面に沿って水平レール上まで下降させる。 かかる工程が完了した場合に、新スプール(6)とエンベロープロール(10)で構成されるシートパス部(9)の適当な個所を、例えばナイフ装置(14)などで全巾同時に切断すれば、紙折れを発生することなく直ちにシート(4)の先端部を新スプール(6)に巻きつかせることができる。・・・次いで駆動部(8)について、説明すれば、駆動部(8)は、リールドラム(3)との摩擦力により回転力を得ていたスプール(2)を同調回転させながらリールドラム(3)から離すための装置である。具体的構成は、第4図に示すように、ガイドネジ部(16)をパルスモーター(17)で回転させて、可変速モーター(19)とともにモーター用ベース(18)を水平レール(1)に対し平行に、移動できるようになっており、その移動速度は巻取(5)が大きくなるに従って、スプール(2)が移動する速度に同調できる構成になっている。可変速モーター(19)は取付板(20)に固定され、モーター用ベース(18)の溝部(21)に設置されていて、揺動用シリンダー(22)のロッドを出し入れして取付板(20)を溝部(21)に沿い摺動させることにより、摺動可能な構成となっている。従って、このロッドを出し入れすることにより、クラッチ部(23)の接離ができるようになっている。また、スプール(2)の回転速度をシート速度に同調させるには、例えば第4図に示されるように、リールドラム(3)を駆動するためのりールドラム駆動用モーター(24)及び可変速モーター(19)にパルスジェネレーター(RG)を設置し、シート速度に対応するリールドラム駆動用モーター(24)の回転パルス信号を調節部(25)に入力し、調節部(25)がかかる信号に対応して可変速モーター(19)の回転数を調節することにより得ることができる。」(第2頁左下欄11行乃至第3頁右上欄19行) 4対比・判断 本件特許発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、本件特許発明は、巻き取りドラム7を中央駆動装置50により回転させるタイプの巻き取り装置1であって、2つの平行なレール5に沿って線形に移動できる巻き取りドラム7と同期的に移動可能な二次本体17を各レール5の近くに設け、この二次本体17には、プレス装置19、位置決め装置27等を備えるとともに、中央駆動装置50を二次本体17の一方に装着するという構成を採用して巻き取りを行うものであるのに対して、甲第1号証に記載された発明は、スプール2(巻き取りドラムに相当)をドラムに押しつけながら摩擦力によりスプール2の回転力を得る巻き取り装置であって、基本的に巻き取りドラム(スプール)の駆動機構が相違するものであり、駆動部8も、枠替に際してそれまでリールドラム3との摩擦力により回転力を得ていたスプール2を同調回転させながらリールドラム3から離すための機構を備えているものにすぎないものであって、両者はその装置構成において明らかに相違しているものである。 そして、本件特許発明は、中央駆動装置を備えた特別のスタンド等を必要とせず、巻き取りドラムの回転軸線が中央駆動装置の結合装置の回線軸線と一致するように互いに関連して正確に位置設定することができる等の格別な作用効果を奏するものと認める。 したがって、本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるとすることができないばかりでなく、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることもできない。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては本件特許発明についての特許を取り消すことができない。 また、他に本件特許発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 1999-09-08 |
出願番号 | 特願平5-504693 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(B65H)
P 1 651・ 113- Y (B65H) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 杉野 裕幸 |
特許庁審判長 |
村本 佳史 |
特許庁審判官 |
森林 克郎 市野 要助 |
登録日 | 1998-10-23 |
登録番号 | 特許第2843148号(P2843148) |
権利者 | ヴァルメト カルルスタッド アクチボラグ |
発明の名称 | 中央駆動巻き取りドラムを備えた巻き取り装置 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 奥山 尚一 |
代理人 | 奥山 尚男 |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 村社 厚夫 |
代理人 | 有原 幸一 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 小川 信夫 |