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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04B
管理番号 1005604
審判番号 審判1998-9755  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1989-05-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-07-01 
確定日 1999-11-26 
事件の表示 昭和62年特許願第276931号「ディジタル信号伝送装置」拒絶査定に対する審判事件(平成1年5月11日出願公開、特開平1-119127)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 (手続の経緯・本願発明の要旨)
本願は、昭和62年10月31日の出願であつて、その発明の要旨は、平成9年8月29日及び平成10年7月30日付けの手続補正書により補正された明細書と図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載の下記のとおりのものである。「ディジタル情報信号の複数のサンプルをエラー訂正符号化して伝送するディジタル信号伝送装置において、
所定周期に含まれるディジタルオーディオデータのサンプル数を制御する制御手段と、
伝送されるディジタルオーディオデータに対して、同期信号、識別情報及び誤り訂正符号のパリティを付加してブロックを生成する生成手段と、
上記ブロック毎に含まれる上記識別情報に上記サンプル数を示すサンプル数識別情報を挿入して伝送する伝送手段と
を有することを特徴とするディジタル信号伝送装置。」
(引用例)
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭60-212874号公報(以下、引用例という)には、本願発明と同様なフィールド周波数と音声信号のサンプリング周波数とが正数比の関係にないものにおいて、
「記録時に音声信号をディジタルに変換した後、音声信号をフィールドに分割し、時間圧縮を行って、各フィールドの音声サンプル数情報を含めたダミーサンプルを生成し、前記ダミーサンプルを各フィールドに加えて、各フィールドのサンプル数を同数とする」(第2頁上左欄18行〜同頁下右欄3行目)
「ダミーサンプル(斜線部)を800サンプルのフィールドには4サンプル分、801サンプルのフィールドには3サンプル付加する。この時、ダミーサンプルの1ビットをフィールドの音声サンプル数情報として使い、たとえば″1″の時は800サンプルのフィールドを示し、″0″の時は801サンプルのフィールドを示すものとする。(第2頁下右欄7〜14行目)
「その後、インターリーブ処理と、音声信号の6サンプルに対して2系列のパリティ符号(誤り訂正符号)P,Oの付加を行ない、更にインターリーブ処理音声信号6サンプル、2パリティ毎に分割して同期信号(SYNC)と誤り検出符号(CRCC)を付加して第2図dに示すようにブロック構成を行う。(第2頁下右欄17行〜第3頁上左欄3行目)
なる記載がなされているので、それらを総合すると、引用例には、
「ディジタル情報信号の複数のサンプルをエラー訂正符号化して伝送するディジタル信号伝送装置において、
所定周期に含まれるディジタルオーディオデータのサンプル数を制御する制御手段と、
伝送されるディジタルオーディオデータに対して、同期信号、識別情報及び誤り訂正符号のパリティを付加してブロックを生成する生成手段と、
上記フィールド毎に上記サンプル数を示すサンプル数識別情報を挿入して伝送する伝送手段とを有することを特徴とするディジタル信号伝送装置。」
なる発明が記載されているものと認められる。
なお、引用例に記載ものは、ディジタル信号記録再生装置であって、ディジタル信号伝送装置ではないが、引用例に記載のもの(記録再生装置)においても、1フィールドにおける音声信号のサンプル数が800又は801に選択されているので、サンプル数を制御する制御手段に相当する構成が当然含まれており、かつ、信号を記録する時、又は再生する時には、上記の如き信号列が構成されるので、ディジタル信号伝送に関しても実質的に開示されているものとして上記の如く認定した。
(対比)
そこで、本願発明と引用例に記載の発明とを対比すると、両者は、
「ディジタル情報信号の複数のサンプルをエラー訂正符号化して伝送するディジタル信号伝送装置において、
所定周期に含まれるディジタルオーディオデータのサンプル数を制御する制御手段と、
伝送されるディジタルオーディオデータに対して、同期信号、識別情報及び誤り訂正符号のパリティを付加してブロックを生成する生成手段と、
ディジタルオディオデータに上記サンプル数を示すサンプル数識別情報を挿入して伝送する伝送手段と
を有することを特徴とするディジタル信号伝送装置。」
である」点で一致し、以下の点で相違している。
(相違点)
・サンプル数を示すサンプル数識別情報を挿入する単位が本願発明では、ブロック毎に含まれる上記識別情報に上記サンプル数を示すサンプル数識別情報を挿入しているのに対して、引用例に記載の発明では、フィールド毎に挿入している点。
(当審の判断)
・次に、上記相違点について検討すると、本願発明も引用例に記載の発明もどちらも、1フィールド(1フレーム)毎の音声信号に対するサンプリング数を800又は801のどちらかを選択し、そのサンプル数情報をディジタルオーディオデータに挿入して伝送する点において一致しているので、該サンプル数を示す情報をどのような単位(周期)で挿入するかは、挿入される付加データによるビット長の増加による影響を考慮して当業者が適宜決定すべき設計事項であって、この点に格別の発明力を要するものとは認められない。
(むすび)
以上のとおりであるから、本願発明は引用例に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-09-08 
結審通知日 1999-09-21 
審決日 1999-09-30 
出願番号 特願昭62-276931
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 清司  
特許庁審判長 内藤 照雄
特許庁審判官 北島 健次
橋本 正弘
発明の名称 ディジタル信号伝送装置  
代理人 杉浦 正知  

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