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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 F16L |
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管理番号 | 1006111 |
異議申立番号 | 異議1998-75615 |
総通号数 | 6 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-03-19 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-11-18 |
確定日 | 1999-11-10 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2753201号「ジョイナおよびストリップ」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2753201号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件特許第2753201号の請求項1乃至3に係る発明は、平成6年9月7日に特許出願され、平成10年2月27日にその特許の設定登録がなされたものである。 これに対し、その後、積水化学工業株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年4月20日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 (イ)明細書の「特許請求の範囲」の欄 訂正事項a 特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1の記載を次のとおり訂正請求されている。 「【請求項1】管の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップの巻回側縁どうしを接合するためのジョイナであって、硬質材料からなり、それぞれの一方主面に前記巻回側縁に嵌まり合う突条が形成された2つの係合部、および軟質材料からなり、前記2つの係合部の間に前記突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ、幅方向に屈伸する屈伸変形部を備える、ジョイナ。」 (ロ)明細書の「発明の詳細な説明」の欄 訂正事項b 明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落番号【0005】の記載を 「【課題を解決するための手段】第1の発明は、管の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップの巻回側縁どうしを接合するためのジョイナであって、硬質材料からなり、それぞれの一方主面に巻回側縁に嵌まり合う突条が形成された2つの係合部、および軟質材料からなり、2つの係合部の間に突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ、幅方向に屈伸する屈伸変形部を備える、ジョイナである。」と訂正請求されている。 訂正事項c 明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落番号【0019】の「さらに、上述のそれぞれの実施例では、屈伸変形部34を軟質材料で形成するようにしているが、たとえば肉厚を薄くすること等によって屈伸性を得られるのであれば、これを硬質材料で形成するようにしてもよい。」という記載部分を削除する旨訂正請求されている。 (2)訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否 上記訂正は、特許請求の範囲の減縮又は不明瞭な記載の釈明に該当し、また、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (3)独立特許要件の判断 (i)請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明1」という)について 本件訂正発明1は、上記2.(1)(イ)訂正事項aで示した特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 (引用刊行物) 当審が取消理由通知において示した引用例1(特開平3-282095号公報)、引用例2(特開平6-143420号公報)及び引用例3(特表昭61-502180号公報)には、それぞれ次の事項が記載されている。 引用例1 ▲1▼「同様に非可塑性ポリ塩化ビニルから押出成形された接合片50は一定間隔の平行脚部52、53を備える本体51を有し、平行脚部52、53はそれぞれ外側に向っているフランジ又はビード54、55を備えている。」(第3頁下段右欄第17行乃至第4頁上段左欄第1行) ▲2▼「ライナー片30が下水管内で完全に巻回された時に、作業員はライナーの一端で隣接継手構造部材33、34と係合させるため接合片50を押圧し、ライナー片30の隣接巻回部を順次共に固定する。接合片は設定位置にハンマー打ちで嵌入され、その位置において、脚部52、53が継手構造部材33、34の溝に入り、ビード54、54が接合面43、44に係合し、所定個所に接合片50を施錠する。」(第4頁上段左欄第8行乃至第17行) ▲3▼「接合片100(第12図)は、脚部103、104の中間の本体102に可撓性の同時押出し成形部101を有することができる。例えば、下水管が屈曲のような何等かの変動に遭遇した場合、可僥性同時押出し成形部81、91、92、101は必要に応じて拡張或いは圧縮させることができ、ライナー片80、90を下水管の内部で巻回させ、接合片50、70、100によって共に固定させることできる。」(第4頁下段左欄第19行乃至同右欄第8行) 引用例2 ▲1▼「基板12の嵌合突条13と嵌合凹条18との間には、嵌合突条13側へと突出するように、基板12を屈曲して形成した複数の伸縮部50が、等しい間隔をあけて基板12の幅方向に設けられている。各伸縮部50は、突出側とは反対側の開口から内部に弾性部材51が充填されている。」(第3欄第9行乃至第14行) ▲2▼「螺旋管20が下水管40に沿って湾曲することにより、螺旋管20を構成している帯状体10には、幅方向に引っ張り力が作用する。帯状体10にこのような引っ張り力が作用すると、基板12に形成されている各伸縮部50が基板12の幅方向へと広がった状態になり、基板12が幅方向へと伸張して帯状体10に作用する引張力が吸収される。」(第4欄第10行乃至第16行) 引用例3 ▲1▼「本発明は又ストリップの伸縮を可能にすることによって横方向の可撓性を増すために他のリブを中空にすること及びかかる中空部を種々の形状にすることにも及ぶ。」(第3頁下段左欄第16行乃至第18行) ▲2▼「第5図では、ストリップ1に必要に応じて、長手方向の伸縮を与えるキャビティ24が形成されている。ここでも壁は二重であって、部材25、26、及び平らな頂部27を有する。中空部24はストリップから開いているが、フラップ28によって閉じられている。」(第4頁下段右欄第13行乃至第17行) (対比・判断) 引用例1に記載の発明(以下、「引用例発明」という)は、本件特許明細書に先行技術として引用されたものであるから、本件訂正発明1とこの引用例発明とを対比すると、両者は、次の(イ)及び(ロ)の点で相違していると云える。 (イ)本件訂正発明1は、「2つの係合部の間に突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ幅方向に屈伸する屈伸変形部」を備えるのに対して、引用例発明は、2つの係合部の間を可撓性材料で形成するのみで凸となる屈伸変形部を備えていない点 (ロ)本件訂正発明1は、2つの係合部を硬質材料とし屈伸変形部を軟質材料とするのに対して、引用例発明は、このような材料限定を有しない点 そこで、上記(イ)の相違点について検討するに、上記引用例2及び3には、「螺旋管用のストリップ」に「凸部」を形成する記載があるが、この「凸部」は螺旋管のストリップに幅方向の引っ張り力が作用した場合に、ストリップを幅方向に伸張させるためのものであり、本件訂正発明1の屈伸変形部の「凸部」の「屈伸変形部34によってジョイナ10の突状22間の間隔を調整できるので、ストリップ14の巻回側縁間の間隔の変化に十分に対応できる。」(特許明細書第5欄第9行乃至第12行)という作用・機能と別異のものである。 そして、これら証拠には、「ジョイナ」に関する記載は一切なく、ストリップの「凸部」から、本件訂正発明1の「凸部を形成した屈伸変形部」の上記作用が示唆されるものでもないから、本件訂正発明1の少なくとも上記(イ)の点は、上記引用例2及び3に記載の発明に基づいて当業者が容易に想到することができたものとすることはできない。 したがって、本件訂正発明1は、上記引用例1乃至3に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることができないから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (ii)請求項2及び3に係る発明について これら発明は、いずれも上記訂正発明1を引用してなるものであるから、訂正発明1と同様に、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (4)むすび 以上のとおり、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項乃至第4項の規定に適合するから、当該訂正を認める。 3.特許異議申立てについての判断 (1)特許異議申立ての理由の概要 特許異議申立人積水化学工業株式会社は、証拠方法として、甲第1号証(上記引用例1と同じ)、甲第2号証(上記引用例2と同じ)及び甲第3号証(上記引用例3と同じ)を提出して、本件の請求項1乃至3に係る発明は、上記甲第1号証乃至甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第1項第2号の規定によって取り消されるべきものであると主張している。 (2)判断 この主張については、上記2.(3)の「特許独立要件の判断」の項で述べたとおりであるから、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。 また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 ジョイナおよびストリップ (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 管の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップの巻回側縁どうしを接合するためのジョイナであって、 硬質材料からなり、それぞれの一方主面に前記巻回側縁に嵌まり合う突条が形成された2つの係合部、および 軟質材料からなり、前記2つの係合部の間に前記突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ、幅方向に屈伸する屈伸変形部を備える、ジョイナ。 【請求項2】 前記2つの係合部の間隔を一定に保持するようにこれらを互いに連結する連結壁をさらに備える、請求項1記載のジョイナ。 【請求項3】 請求項1または2記載のジョイナを用いて隣接する巻回側縁どうしが接合されるストリップであって、 前記巻回側縁どうしを突き合わせるための突合せ片を有し、 前記巻回側縁どうしを前記突合せ片で突き合わせた状態で前記突合せ片の内側に前記屈伸変形部を収容する空間を形成する、ストリップ。 【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 この発明はジョイナおよびストリップに関し、特にたとえば老朽化した下水管を更生するために下水管の内面に沿って螺旋状に巻回されるストリップおよびストリップの巻回側縁どうしを接合するジョイナに関する。 【従来の技術】 この種のジョイナおよびストリップの一例が特開平3-282095号に開示されている。すなわち、この公報のFIG.7には、ストリップの巻回側縁に嵌まり合う2つの突条を有する断面略コ状のジョイナが開示されている。このジョイナを用いてストリップを接合する際には、FIG.4に示されているように、下水管の内面にストリップが密着され、下水管の内面からの反力を得てストリップの巻回側縁にジョイナが嵌め込まれる。この従来技術によれば、巻回側縁にジョイナを嵌め込むだけでストリップを簡単に接合できるという利点はあるものの、ジョイナ自体に伸縮性がないので、ストリップの巻回側縁間に隙間や段差が生じる場合には適用できないという問題点があった。そこでFIG.12およびFIG.13に示されたジョイナでは、ストリップの巻回側縁間の隙間や段差に対応し得るように、ストリップの巻回側縁に嵌合される2っの突条を連結する連結部を可撓性の材料で形成するようにしている。 【発明が解決しようとする課題】 連結部を可撓性材料で形成したジョイナによれば、連結部が伸縮され得るので、ストリップの巻回側縁間に生じた隙間や段差にも対応できる。しかし、ジョイナの裏側に充填される裏込材の圧力によって連結部が管の内側へ突出されるのを防止する必要上、連結部には或る程度以上の硬さを持たせておく必要があり、したがって、伸縮量を十分に確保できず、施工性が悪いという問題点があった。 それゆえに、この発明の主たる目的は、施工性を向上できる、ジョイナおよびストリップを提供することである。 【課題を解決するための手段】 第1の発明は、管の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップの巻回側縁どうしを接合するためのジョイナであって、硬質材料からなり、それぞれの一方主面に巻回側縁に嵌まり合う突条が形成された2つの係合部、および軟質材料からなり、2つの係合部の間に突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ、幅方向に屈伸する屈伸変形部を備える、ジョイナである。 第2の発明は、第1の発明に係るジョイナを用いて隣接する巻回側縁どうしが接合されるストリップであって、巻回側縁どうしを突き合わせるための突合せ片を有し、巻回側縁どうしを突合せ片で突き合わせた状態で突合せ片の内側に屈伸変形部を収容する空間を形成する、ストリップである。 【作用】 第1の発明では、2つの係合部の間に幅方向に屈伸する屈伸変形部を突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成するようにしているので、裏込材の充填圧力に対して十分な強度を確保できるとともに、十分な伸縮量を確保できる。 第2の発明では、ストリップの巻回側縁どうしを突き合わせるための突合せ片を形成するようにしているので、ストリップを巻回する際には、突合せ片で巻回側縁どうしを突き合わせながら容易に巻回できる。また、突合せ片の内側空間にジョイナの屈伸変形部を収容できるので、ストリップの巻回側縁間に隙間や段差が生じた場合でも、屈伸変形部が伸びることによって対応できる。 【発明の効果】 この発明によれば、施工性を向上できる。 この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。 【実施例】 図1に示すこの実施例のジョイナ10は、図2および図3に示すように、地中に埋設された老朽化した下水管12を更生するために下水管12の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップ14の巻回側縁どうしを接合するためのものである。 ストリップ14は、たとえば硬質塩化ビニル等の硬質材料からなり、図2に示すように、略帯状の本体16を含む。本体16の一方主面には、その先端に下水管12の内面に当接する当接部18を有する断面略T状の脚部20が長手方向に延びて形成され、また、本体16の幅方向両側縁には、ジョイナ10に形成された突条22と嵌まり合う係合溝24が形成される。係合溝24の内面には、断面略鋸歯状の係合突部26が形成され、さらに、係合溝24の底部から延びて下水管12の内面に当接する断面略コ状の脚部28が形成される。 ジョイナ10(図1)は、たとえば硬質塩化ビニル等の硬質材料からなる2つの係合部30を含む。係合部30の一方主面には、ストリップ14の係合溝24(図2)と嵌め合わされる突条22が形成され、突条22には、ストリップ14に形成された係合突部26と係合される略鋸歯状の係合突部32が形成される。このような2つの係合部30が、たとえば軟質塩化ビニル等の軟質材料からなり、かつ突条22の突出方向と同一方向に凸となる断面略U状の屈伸変形部34を介して連結される。この実施例では、係合部30と屈伸変形部34とが押出成形によって連続して一体に形成される。そして、係合部30の一方主面には、略帯状のシール材36が長手方向に延びて固着される。 下水管12(図2,図3)の更生時には、ジョイナ10の屈伸変形部34を収容する隙間を有してストリップ14を下水管12の内面に沿って螺旋状に巻回し、ストリップ14の巻回側縁どうしをジョイナ10で接合する。すなわち、ストリップ14の巻回側縁間に屈伸変形部34を収容した状態で係合溝24に突条22を嵌め込んでいく。すると、ストリップ14の係合突部26とジョイナ10の係合突部32とが互いに係合され、かつ、係合溝24の開口端面が係合部30に固着されたシール材36に圧着される。ここで、下水管12が所定の曲率で湾曲した曲管である場合には、湾曲部の内側において巻回側縁の間隔が狭くなり、外側において広くなるので、湾曲部の内側においては屈伸変形部34が図4に示すように折り畳まれ、湾曲部の外側においては屈伸変形部34が図5に示すように引き伸ばされる。また、下水管12に段差がある場合には、段差に沿って図6に示すように引き伸ばされる。 ストリップ14の巻回作業か終了すると、図2に示すように、下水管12とストリップ14との間に裏込材37を充填し、屈伸変形部34の凹部に充填材38を充填する。 この実施例によれば、屈伸変形部34によってジョイナ10の突条22間の間隔を調整できるので、ストリップ14の巻回側縁間の間隔の変化に十分に対応できる。 また、屈伸変形部34が突条22の突出方向と同一方向に凸となるように形成されるので、ジョイナ10と下水管12との間に充填された裏込材37の圧力に対して十分な強度を確保できる。 なお、下水管12が直管部を有する場合には、直管部においてはストリップ14の巻回側縁の間隔を一定に保持することができるので、直管部には図7に示すような従来のジョイナ40を用い、曲管部にのみ実施例のジョイナ10(図1,図2)を用いるようにしてもよい。ただし、この場合には、ジョイナ40とジョイナ10との間に図8〜図10に示すようなアダプタ42を装着する必要がある。すなわち、ジョイナ40の2つの突条44の間隔をa(図7)とし、ジョイナ10の2つの突条22の最小の間隔をb(図4)とすると、ストリップ14の2つの係合溝24の間隔がa〜bの間にある領域では、ジョイナ10および40のいずれをも用いることができないので、この領域での隙間を埋めるためにアダプタ42が必要となる。 アダプタ42は、たとえば硬質塩化ビニル等の硬質材料の射出成形によってストリップ14の巻回側縁間の隙間に対応し得る形状に形成され、その幅方向両端部近傍には、互いの間隔がaからbまで徐々に拡がるように、ストリップ14の係合溝24と嵌まり合う突条46がそれぞれ形成される。このように、ジョイナ10(図1,図2)および40(図7)を併用すると、ジョイナ10(図1,図2)のみを用いる場合に比べてコストを低減できる。また、直管部においてはストリップ14を巻回する際に屈伸変形部34を収容するための隙間を設ける必要がないので、施工性を向上できる。 また、上述の実施例では、屈伸変形部34を断面略U状に形成した場合を示したが、この屈伸変形部34の形状はジョイナ10を幅方向に伸縮させ得る形状であればよく、たとえば図11に示すように、断面略C状に形成されてもよいし、また、図12に示すように、支持部48によって支持された断面略W状に形成されてもよい。 また、上述の実施例では、従来のジョイナ40(図7)をも適用し得るストリップ14を用いた場合を示したが、このストリップ14に代えて、たとえば図13または図14に示すようなストリップ50または52を用いるようにしてもよい。ストリップ50(図13)は、ジョイナ10の屈伸変形部34を収容する空間すなわち収容部54を有して略コ状の脚部28の背面すなわち突合せ片どうしか突き合わされ得るように構成されたものであり、一方、ストリップ52(図14)は、屈伸変形部34を収容する空間すなわち収容部54を有して断面略L状の脚部28の短辺部すなわち突合せ片どうしが突き合わされ得るように構成されたものである。このストリップ50または52を用いると、突合せ片どうしを突き合わせながら巻回することができるので、施工性を向上できる。 図15に示す他の実施例のジョイナ56は、断面略M状の屈伸変形部34の凹部58を覆うようにして2つの係合部30を連結する連結壁60を含み、連結壁60の略中央部には、長手方向に連続する溝62が形成される。このジョイナ56を用いて直管部のストリップ52(ストリップ14または50を用いてもよい)を接合する場合には、連結壁60によって2つの係合部30の間隔を一定に保持でき、しかも屈伸変形部34の凹部58に充填材を充填する必要がないので、施工性を向上できる。一方、ストリップ52間の間隔が拡大される曲管部等においてストリップ52を接合する場合には、図16に示すように、溝62に沿って連結壁60を切断することによって屈伸変形部34を幅方向に引き伸ばすことができるので、ストリップ52間に隙間が生じた場合にも十分に対応できる。 なお、この実施例においても、屈伸変形部34の形状はジョイナ56を幅方向に伸縮させ得る形状であればよく、たとえば図17に示すように、断面略U状に形成されてもよい。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の一実施例のジョイナを示す斜視図である。 【図2】 図1のジョイナの使用状態を示す図解図である。 【図3】 図1のジョイナの使用状態を示す図解図である。 【図4】 図1のジョイナにおける屈伸変形部を折り畳んだ状態を示す図解図である。 【図5】 図1のジョイナにおける屈伸変形部を引き伸ばした状態を示す図解図である。 【図6】 図1のジョイナにおける屈伸変形部を引き伸ばした状態を示す図解図である。 【図7】 従来のジョイナを示す斜視図である。 【図8】 図1のジョイナと従来のジョイナとを連結するアダプタを示す図解図である。 【図9】 図8におけるIX-IX線断面図である。 【図10】 図8におけるX-X線断面図である。 【図11】 図1のジョイナにおける屈伸変形部の変形例を示す図解図である。 【図12】 図1のジョイナにおける屈伸変形部の変形例を示す図解図である。 【図13】 この発明の一実施例のストリップを示す図解図である。 【図14】 この発明の他の実施例のストリップを示す図解図である。 【図15】 この発明の他の実施例のジョイナを示す図解図である。 【図16】 図15のジョイナを曲管部で用いた状態を示す図解図である。 【図17】 図15のジョイナにおける屈伸変形部の変形例を示す図解図である。 【符号の説明】 10,56…ジョイナ 12…下水管 14,50,52…ストリップ 22…突条 24…係合溝 26,32…係合突部 34…屈伸変形部 36…シール材 60…連結壁 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 特許第2753201号発明の特許明細書を平成11年4月20日付け訂正請求書に添付した全文訂正明細書のとおりに、すなわち次の(イ)及び(ロ)のとおりにそれぞれ訂正するものである。 (イ)特許請求の範囲の請求項1の記載をその減縮を目的として、次のとおりに訂正する。 「【請求項1】管の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップの巻回側縁どうしを接合するためのジョイナであって、硬質材料からなり、それぞれの一方主面に前記巻回側縁に嵌まり合う突条が形成された2つの係合部、および軟質材料からなり、前記2つの係合部の間に前記突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ、幅方向に屈伸する屈伸変形部を備える、ジョイナ。」 (ロ)明細書の「発明の詳細な説明」の欄 発明の詳細な説明を特許請求の範囲の減縮に伴う明りょうでない記載の釈明を目的として、次の▲1▼及び▲2▼のとおりに訂正する。 ▲1▼明細書の段落番号【0005】の記載を 「【課題を解決するための手段】第1の発明は、管の内面に沿って螺旋状に巻回されたストリップの巻回側縁どうしを接合するためのジョイナであって、硬質材料からなり、それぞれの一方主面に巻回側縁に嵌まり合う突条が形成された2つの係合部、および軟質材料からなり、2つの係合部の間に突条の突出方向と同一方向に凸となるように形成され、かつ、幅方向に屈伸する屈伸変形部を備える、ジョイナである。」と訂正する。 ▲2▼明細書の段落番号【0019】の「さらに、上述のそれぞれの実施例では、屈伸変形部34を軟質材料で形成するようにしているが、たとえば肉厚を薄くすること等によって屈伸性を得られるのであれば、これを硬質材料で形成するようにしてもよい。」という記載部分を削除する。 |
異議決定日 | 1999-10-19 |
出願番号 | 特願平6-213315 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(F16L)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 佐野 遵 |
特許庁審判長 |
沼澤 幸雄 |
特許庁審判官 |
山田 充 野田 直人 |
登録日 | 1998-02-27 |
登録番号 | 特許第2753201号(P2753201) |
権利者 | 株式会社クボタ建設 株式会社大阪防水建設社 株式会社クボタ |
発明の名称 | ジョイナおよびストリップ |
代理人 | 山田 義人 |
代理人 | 山田 義人 |