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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 E06B |
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管理番号 | 1006135 |
異議申立番号 | 異議1998-74547 |
総通号数 | 6 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-07-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-09-17 |
確定日 | 1999-10-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2728638号「出入り口用のサッシ」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2728638号の特許を維持する。 |
理由 |
〔I〕手続きの経緯 本件特許第2728638号発明は、平成7年1月11日に特許出願され、平成9年12月12日に特許権の設定の登録がなされた後、三協アルミニウム工業株式会社、不二サッシ株式会社及び立山アルミニウム工業株式会社より特許異議の申立てがなされ、次いで取消理由通知がなされ、その指定期間内に平成11年2月18日付けで訂正請求がなされたものである。 〔II〕訂正請求について 1.訂正請求の趣旨及び訂正の内容 訂正請求の趣旨は、特許第2728638号の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。 そして、その訂正の内容は、以下のとおりである。 訂正事項a 明細書の特許請求の範囲の請求項1を、 「【請求項1】下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシにおいて、略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしてなる出入り口用のサッシ。」と訂正する。 訂正事項b 明細書の段落【0009】を、「【課題を解決するための手段】このような目的のために本発明では、下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシについて、略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしている。」と訂正する。 2.訂正の適否 (1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否について ▲1▼訂正事項aについて この訂正は、特許請求の範囲の請求項1における「内部が中空排水路となる角筒状に下枠を形成する一方で、障子の下部に弾力性のある防水リップを設け、この防水リップを下枠の上面に押接させることで基本的な水密構造を与えると共に」を、「下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に」とし、水密構造を、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に設けた防水リップを下枠の上面に押接し密着させるものに限定するものであるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、この訂正は、願書に添付した明細書の段落【0004】、【0005】及び第2図の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 ▲2▼訂正事項bについて この訂正は、特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 そして、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 (2)独立特許要件について ▲1▼訂正後の請求項1に係る発明 訂正後の請求項1に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシにおいて、略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしてなる出入り口用のサッシ。」 ▲2▼刊行物の記載事項 当審で通知した取消理由において引用した刊行物1である、特開昭54-26046号公報(異議申立人が提出した甲第3号証)、刊行物2である、実願平2-68215号(実開平4-27078号)のマイクロフィルム(異議申立人が提出した甲第4号証)には、以下の事項が記載されている。 刊行物1には、第4図及びその説明個所の記載によると、内部が中空排水路となる角筒状に下枠を形成する一方で、障子12の下部に気密材15を設け、この気密材15をレールに押設させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠1に所定サイズの水抜き穴7を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを水抜き穴7から下枠1の中空溝に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシにおいて、下枠1の下面に水出口11を形成し、中空溝中の雨水などを外部に排出するようにした出入り口用サッシ、が記載され、第2図の記載によると、下枠1の下面に出口穴9を形成し、出口穴9に水抜きピース10を接続した構造、が記載されている。 刊行物2には、第2図の記載によると、下レールにゴムをとりつけて水密性を与え、略L字状に折曲形成した排水パイプの基端を下レールの下面に接続し、雨水などを外部に排出する構造の出入り口用サッシ、が記載されている。 そして、異議申立人が提出した甲第1号証である、実願平3-26320号(実開平4-120888号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物3」という。)及び同じく甲第2号証である、実公昭46-2515号公報(以下、「刊行物4」という。)には、以下の事項が記載されている。 刊行物3には、下枠部2に配装した内部空洞状の滑車室6内部に滑車5を配列し、建具3,4の下端面の一側縁から垂設したスライド支持片9の下端縁を滑車5上に、他側縁に固定したスライド片10の下端縁を支持盤部7上面に位置決め載置して、建具をスライドさせるようしに、滑車室の上部開口両側縁に閉塞パッキン8を設け、スライド支持片の両側面に閉塞パッキン8が密着している、下枠滑車埋込みサッシ、が記載され、また、滑車室6夫々の下方に一体状に連設した室外連結部13の底壁に水抜き口23を開穿し、滑車室6に入り込んだ雨を排水口22を通って、室外連結部13の水抜き口23から外部に排出すること、が記載されている。 刊行物4には、引違い窓用窓枠の下枠1を中空とし、殻部材5が取り付けられた障子召し合わせ部の敷居面に孔12を開設し、敷居面の雨水を孔12から中空内部13を通って、正面壁に設けた水出し口14から排出すること、が記載されている。 ▲3▼対比・判断 訂正後の請求項1に係る発明と刊行物1〜4に記載された発明とを対比すると、いずれの刊行物にも、訂正後の請求項1に係る発明における「下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与える」という構成が記載されていないし、示唆もされていない。 すなわち、刊行物1に記載された発明は、障子12の下部に気密材15(防水リップ)を設け、この気密材15をレールに押設させることで基本的な水密構造を与えるものであり、刊行物2に記載された発明は、下レールにゴム(防水リップ)をとりつけて水密性を与えるものであり、刊行物3に記載された発明は、建具(障子)を支持する滑車(戸車)が下枠内に設けられており、しかも上下可動になっていないものであり、刊行物4に記載された発明は、第1図の記載によると、障子の下部に設けられたシール部材がレールに接することにより水密構造を与えていることが推測されるにすぎず、いずれの発明も出入り口サッシにおける基本的な水密構造が、訂正後の請求項1に係る発明とは異なるものである。 したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 よって、訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件請求項1に係る発明」という。)は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、訂正事項a及びbの訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則6条1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法120条の4第2項ただし書1号又は3号に掲げる事項を目的とし、同条3項で準用する126条2〜4項の規定に適合するので、本件訂正請求を認める。 〔III〕特許異議の申立てについて 1.特許異議の申立ての理由の概要 異議申立人は、甲第1〜第4号証を提出して、本件請求項1に係る発明は、甲第1〜第4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は取り消されるべきである旨主張している。 2.特許異議の申立ての理由についての判断 上記〔II〕2.(2)に記載したように、本件請求項1に係る発明は、刊行物1(異議申立人が提出した甲第3号証)、刊行物2(同じく甲第4号証)、刊行物3(同じく甲第1号証)及び刊行物4(同じく甲第2号証)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 〔IV〕むすび 以上のとおりであるから、異議申立人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 出入り口用のサッシ (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシにおいて、 略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしてなる出入り口用のサッシ。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は室内と室外を結ぶ出入り口に用いられるサッシに関する。 【0002】 【発明の背景】 従来の一般的サッシは、水密性能(雨じまい性)を与えるために段差水密構造が採られているが、そのための段差は80mm前後の大きなものとなる。このため、例えば、養護施設や病院のように、身体機能に障害を持ち、歩行が不安定であったり、車椅子での行動を余儀なくされる人々の生活する場所における、室内と例えばベランダあるいは共用廊下のような室外を結ぶ出入り口の場合には大きな障害となっている。つまり、段差が大きいと、サッシの上を通行する際に躓き易く、また車椅子の通行に困難を来す等の問題があるということである。 【0003】 こような理由から、養護施設や病院などの出入り口用のサッシについては、段差を例えば障子の戸車軌道のために必要最小限の範囲にした特別構造のサッシ、つまりフラット形のサッシが用いられるようになって来ている。この従来のフラット形サッシは、従来の一般的サッシにおける水密用段差による水密構造に代えて、密閉方式による水密構造を基本的な水密構造として用いることにより、フラット化を図っている。 【0004】 具体的には、図2に示すように、可動の障子1mの下端面に柔軟な防水リップ2を設けると共に、障子1mの戸車3を図示せぬハンドルの操作により上下動させることで障子1mをサッシの下枠4に対し上下動させることができるようにしている。そして、障子1mを走行させる際には戸車3を下降させて障子1mを下枠4に対し浮かすようにするが、閉鎖時には戸車3を引っ込めて障子1mを下降させることにより、その防水リップ2を下枠4の上面に密着させて密閉化する(図の状態)ことで基本的な水密構造を与えている。 【0005】 ただ、この密閉方式のフラット形サッシの場合には、閉めた状態での一方の障子1mと他方の障子1sとが重なり合う重なり部分については十分な密閉化が困難であり、若干であはあるがそこから浸水を招くおそれがる。このため、中空状に形成した下枠4の中空内部を中空排水路5として利用することで雨水などを処理する補助的な水密構造を設けている。より具体的には、戸車軌道6の内側において障子1mと障子1s同士の重なり部分に隣接させて下枠4に排水開口7を設け、この排水開口7から下枠4の中空排水路5に雨水を導き、さらにこれを排出部8から中空排水路外へ排出し、例えばベランダに設けてある排水溝Gに排水するようにしている。 【0006】 その排出部8は、図3に示すように、平べったい角筒状の下枠4の側面に設けられており、下枠4の側面に開口させた排出口9をカバー部材10を取り付けた構造とされ、中空排水路5からの雨水は矢印の如き経路で外部に排出されるようになっている。なおカバー部材10は係止爪11を一対備えており、この係止爪11を排出口9の周縁部に係止させることで取り付けられている。 【0007】 この構造は、簡単で加工が容易であるなどの利点があるものの、排出位置が下枠4の側面となること、及び隣接のベランダからの吹き込みを避けるために余り大きくすることができないなどの理由から、中空排水路5からの排出効率に必ずしも十分なものを取れず、特に大雨などの場合で中空排水路5への水量が多くなる場合には排水速度が追いつけないために逆流してサッシにおける防水性を損なう場合もあり得る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 従って本発明の目的は、密閉方式の水密構造によりフラット化を図ったフラット形のサッシについて、下枠の中空排水路に流れ込んだ雨水などの排出を効率的に行なえるような構造を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】 このような目的のために本発明では、下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシについて、略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしている。 【0010】 本サッシによると、下枠の中空排水路に流れ込んだ雨水などを下枠の下面から排出させることになるので、排出のための雨水などの流れがよくなるし、また隣接のベランダからの吹き込みに配慮する必要がないのでサイズが大きくて雨水などを流し易い構造を与えることができ、効率的な排出を行なえ、たとえ大雨などにより中空排水路への水量が多くなる場合でも十分に有効に排水をなさせることができる。 【0011】 【実施例】 以下、本発明の実施例について説明する。本実施例によるサッシは、図1にその要部を示すように、基本的には上で説明した図2のフラット形サッシと同様で、可動の障子1mが防水リップ2を有し、この防水リップ2を下枠4に密着させて雨水の侵入を防ぐ水密構造を基本的な水密構造とし、また可動の障子1m、固定の障子1sとの重なり部分から侵入ようとする雨水などを下枠4に設けた排水開口7から下枠4の中空排水路5に導いて外部に排出する構造を補助的な水密構造としており、これらの基本的な構成に加えて下枠4の下面に開口させた排出口20に排水管21を接続した点に特徴がある。なお図1では障子1mと障子1sの配列関係が図2とは逆向きになっている。 【0012】 排水管21は、略L字状に曲折形成されており、その基端を排出口20に接続させている。したがってサッシを建物の躯体に設置した際には躯体のコンクリートCに埋め込まれる状態になり、この状態でその先端側をベランダに設けてある排水溝Gに臨むようにされ、中空排水路5から導いた雨水などを排水溝Gに排出する。 【0013】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によると、下枠の中空排水路に流れ込んだ雨水などを中空排水路から効率的に排出させることができ、防水性をより高めることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明によるサッシの施工状態についての要部断面図。 【図2】 従来のサッシの施工状態についての要部断面図。 【図3】 図2のサッシの排出部の拡大断面図。 【符号の説明】 1m 障子 2 防水リップ 4 下枠 5 中空排水路 7 排水開口 20 排出口 21 排水管 |
訂正の要旨 |
〔訂正の要旨〕 特許第2728638号の明細書を、特許請求の範囲の減縮を目的として下記(a)のとおり、明りょうでない記載の釈明を目的として下記(b)のとおり訂正する。 (a)特許請求の範囲の請求項1を、 「【請求項1】下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシにおいて、略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしてなる出入り口用のサッシ。」と訂正する。 (b)明細書の段落【0009】を、「【課題を解決するための手段】このような目的のために本発明では、下枠を戸車軌道に必要な最小限高さの溝を有する中空角筒状に形成し内部を排水路とする一方で、下枠に対し上下可動な戸車を備える障子の下端面に弾力性のある防水リップを設け、戸車を引っ込めた際に防水リップを下枠の上面に押接し密着させることで基本的な水密構造を与えると共に、閉めた状態の障子同士の重なり部と近接させて下枠に所定サイズの排水開口を設け、障子同士の重なり部から侵入しようとする雨水などを排水開口から下枠の中空排水路に導いて処理する補助的な水密構造を与えるようにした出入り口用のサッシにおいて、略L字状に曲折形成した排水管の基端を下枠の下面に接続し、この排水管を通して中空排水路中の雨水などを外部に排出するようにしている。」と訂正する。 |
異議決定日 | 1999-09-22 |
出願番号 | 特願平7-2767 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(E06B)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 五十幡 直子 |
特許庁審判長 |
幸長 保次郎 |
特許庁審判官 |
阿部 綽勝 鈴木 公子 |
登録日 | 1997-12-12 |
登録番号 | 特許第2728638号(P2728638) |
権利者 | 山内サッシ工業株式会社 |
発明の名称 | 出入り口用のサッシ |
代理人 | 竹本 松司 |
代理人 | 塩野入 章夫 |
代理人 | 高月 猛 |
代理人 | 魚住 高博 |
代理人 | 湯田 浩一 |
代理人 | 杉山 秀雄 |
代理人 | 高月 猛 |