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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03G
管理番号 1006915
審判番号 審判1999-1365  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-07-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-01-21 
確定日 1999-11-11 
事件の表示 平成8年特許願第339381号「画像形成装置および記録紙再利用システム」拒絶査定に対する審判事件(平成9年7月11日出願公開、特開平9-179452)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.[手続の経緯・本願発明の内容]
本願は、平成2年2月27日に出願した特願平2-48766号の出願の一部を平成8年12月19日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1〜3に係る発明は、平成10年7月31日付け、及び平成11年2月22日付けの手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1〜3に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「画像形成手段によってトナーを記録紙上に形成するための画像形成装置において、
前記画像形成手段によって形成された画情報が所定の消去装置を用いることで消去できるトナーを、前記画像形成手段によって記録紙上に形成するための第1モードと、
前記画像形成手段によって形成した画情報が前記所定の消去装置によっても消去しずらく、通常の複写状態が維持されて、半永久的に保存できる通常のトナーを、前記画像形成手段によって記録紙上に形成するための第2モードとを、記録紙を再利用するか保存するかによって切り替えることを特徴とする画像形成装置。」
2.[引用例]
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭57-158673号公報(以下、「引用例」という。)には、
「3.画像消去用部材を用いてこすると消去されるトナー像と消去されないトナー像の2種類を少なくとも形成する機能を有することを特徴とする画像形成装置」(特許請求の範囲第3項)、「4.画像消去用部材を用いてこすると消去されるトナー像を形成するトナーと、消去されないトナー像を形成するトナーの2種類の両者を貯蔵し、かつその両者を区別して使用できる機能を有する第3項記載の画像形成装置」(特許請求の範囲第4項)、
「第1図は実施例の装置の部分的な断面図であり1は磁気ブラシ現像機と圧力定着機をはずしたエレクトロファックス式複写機(PT730型リコー製)であり、2と3は上下に可動する2個の磁気ブラシ現像機である。4は60cm2の開口を持つキセノン フラッシュ定着器である。この定着器4は860μFのコンデンサーを持ち500Vから700Vの範囲で、前記コンデンサーの充電電圧(以下、単に充電電圧と呼ぶ)を変え、キセノン ランプの発光光量を調節した。・・中略・・複写機1を複写動作とする。これにより静電像が形成された感光紙(用紙と同意語)が排出口15から排出され、ガイド板6に従って右方向に送られる。異なるトナーを保持した現像機2および現像機3の一方を感光紙が現像可能な位置まで下げておき、感光紙を現像する。さらに右に進んだ感光紙は定着器4により定着されて装置外に出る。・・中略・・
実施例1.HMT205トナー(日立金属製)を入れた現像機2により静電像を持つ感光紙を現像し、充電電圧600Vで定着した。この像は手が接触しても消えることが無い状態に定着されていたが、消ゴムにより容易に消去できた。
実施例2.HMT206トナー(日立金属製)を入れた現像機3により感光紙を現像し、充電電圧600Vで定着した。このトナー像は消しゴムで20回こすったがトナー像はほとんど変化なかった。実施例1と実施例2を現像機の選択により区別して使用することにより消ゴムで消去の可能と不能の2種類のトナー像が任意に得られた。」(第2頁右上欄第5行〜同頁左下欄第20行)、
「以上説明した消去用部材によるトナー像の消去の可否の区別は普通紙上のトナー像や静電記録紙上のトナー像にも適用でき、かつ、圧力定着や熱板定着や赤外線ランプ定着にも適用できた。」(第2頁右下欄第20行〜第3頁左上欄第3行)、
が図面と共に記載されている。
そして、引用例の消去用部材によるトナー像の消去の可否の区別は普通紙上のトナー像にも適用できる旨の記載からは、普通紙上にトナー像を形成する画像形成装置が想到されると共に、
該画像形成装置が、普通紙上にトナー像を形成するために、例えば、走査光学部、感光ドラム、現像部、定着部、転写部等から構成される従来慣用されている画像形成手段を備えていることは自明であるから、
これらを総合すると、引用例には、
「画像形成手段によってトナーを普通紙上に形成するための画像形成装置において、
前記画像形成手段によって形成されたトナー像が画像消去用部材で消去可能なトナーを、前記画像形成手段によって普通紙上に形成するための現像機2と、
前記画像形成手段によって形成したトナー像が画像消去用部材で消去不能なトナーを、前記画像形成手段によって普通紙上に形成するための現像機3とを、トナー像の消去の必要性に応じて選択により区別して使用する画像形成装置」、
が記載されている。
3.[対比・判断]
本願発明と引用例とを比較すると、
引用例の普通紙、トナー像は、各々本願発明の記録紙、画情報に相当し、
また、引用例の現像機2を使用する形態、現像機3を使用する形態は、各々本願発明の第1モード、第2モードに相当するものとして理解され、
更に、引用例の画像消去用部材で消去不能なトナーは、トナー像が画像消去用部材によっても消去しずらく、通常の複写状態が維持されて、半永久的に保存できる通常のトナーを、
また、引用例の現像機2と現像機3を選択により区別して使用する旨の事項が、現像機2と現像機3を切り替える事項を意味することは明らかであり、
加えて、引用例の画像消去用部材と本願発明の所定の消去装置とは、共に消去手段と言えるから、
両者は、表現は相違するが、
「画像形成手段によってトナーを記録紙上に形成するための画像形成装置において、
前記画像形成手段によって形成された画情報が消去手段を用いることで消去できるトナーを、前記画像形成手段によって記録紙上に形成するための第1モードと、
前記画像形成手段によって形成した画情報が前記消去手段によっても消去しずらく、通常の複写状態が維持されて、半永久的に保存できる通常のトナーを、前記画像形成手段によって記録紙上に形成するための第2モードとを、切り替える画像形成装置」、
の点で一致しており、以下の点で相違していると認められる。
(相違点1)
切り替えに関し、本願発明は記録紙を再利用するか保存するかによって切り替える構成としているのに対し、引用例はトナー像の消去の必要性に応じて切り替えている点。
(相違点2)
消去手段に関し、本願発明は所定の消去装置を構成としているのに対し、引用例は画像消去用部材である点。
そこで、上記相違点1について検討する。
コピー用紙にコピーされた文字や図形等を消去するために、消去可能なインクやトナーを用いてコピーを行い、該コピーされた文字や図形等を消去してコピー用紙を再利用することは、上記拒絶理由で先行技術文献とし提示された特開昭60-133458号公報、特開平1-137266号公報に記載のように周知技術であり、
且つ、引用例において、トナー像を消去する場合に、画像形成手段によって形成されたトナー像が画像消去用部材で消去可能なトナーを、前記画像形成手段によって普通紙上に形成するための現像機2を選択し、
トナー像を消去せず保存する場合に、前記画像形成手段によって形成したトナー像が画像消去用部材で消去不能なトナーを、前記画像形成手段によって普通紙上に形成するための現像機3を選択すること、
及び、現像機2により形成されたトナー像を消去することにより普通紙の再利用が可能であることは自明であるから、
引用例に上記周知技術を適用することにより、上記相違点1の構成を想到することに何等困難性は認められない。
次に、上記相違点2について検討する。
コピーされた文字や図形等の消去手段として消去機を用いることは上記特開昭60-133458号公報に記載のように周知技術であり、引用例に上記周知技術を適用することにより、上記相違点2の構成を想到することに何等困難性は認められない。
そして、本願発明の奏する作用効果として、上記引用例及周知技術から予測される以上のものは認められない。
4.[結論]
以上のとおりであるから、本願発明は、上記引用例及周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-08-16 
結審通知日 1999-08-27 
審決日 1999-09-08 
出願番号 特願平8-339381
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 下村 輝秋  
特許庁審判長 木下 幹雄
特許庁審判官 伏見 隆夫
小橋 立昌
発明の名称 画像形成装置および記録紙再利用システム  
代理人 有我 軍一郎  

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