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審決分類 |
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:2 G11C 審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:11 G11C |
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管理番号 | 1007180 |
審判番号 | 補正審判1999-50102 |
総通号数 | 7 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-01-27 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 1999-09-02 |
確定日 | 2000-01-12 |
事件の表示 | 平成2年特許願第126796号「磁気メモリセル及び磁性薄膜」において、平成11年3月15日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原決定を取り消す。 |
理由 |
I、本件手続補正の経緯 本願は、平成2年5月18日出願であって、平成11年3月15日付けで手続補正がなされたところ、原審においてこの手続補正について平成11年7月6日付けで補正の却下されたものである。 II、本件手続補正の内容 本件補正審判に係る手続補正の内容は、要するに、次のとおりである。 <補正事項▲1▼> 特許請求の範囲第3項の記載を、 「(3)磁性体の少なくとも一方が永久磁石材料であり、2つの磁性体が絶縁層を介してトンネル接合されているメモリ素子と、 前記トンネル接合素子と直列に接続されたトランスファーゲートと、 前記磁性体の少なくとも一つに磁気的に結合できる程度に近接して配置された磁場発生回路とを有することを特徴とする磁気メモリセル。」と補正し、 <補正事項▲2▼> 特許請求の範囲第3項の補正に関連して、 イ、明細書第7頁第20行から第8頁第10行の記載を「本願発明の第2の磁気メモリセルは、マイクロ磁石と、前記マイクロ磁石に局所磁場を印加して前記マイクロ磁石の情報を変化させるための磁場発生回路と、前記マイクロ磁石から情報を読み出す読み出し回路であって、前記マイクロ磁石と磁気的に結合できる程度に近接して配置されたホール素子と、前記ホール素子と直列に接続されたトランスファーゲートからなる読み出し回路とを有することを特徴とする。」と補正し、 ロ、明細書第10頁第10行から第17行の記載を「本願発明の第3の磁気メモリセルは、磁性体の少なくとも一方が永久磁石材料であり、2つの磁性体が絶縁層を介してトンネル接合されているメモリ素子と、前記トンネル接合素子と直列に接続されたトランスファーゲートと、前記磁性体の少なくとも一つに磁気的に結合できる程度に近接して配置された磁場発生回路とを有することを特徴とする。」と補正し、 ハ、明細書11頁7行の「マイクロ磁石」を、「永久磁石材料を用いたマイクロ磁石」と補正し、 ニ、明細書11頁19行から12頁3行の記載を「本願発明の第4は、原子分率で16〜22%のM(MはTi、Zr又はHfの一種以上)を有し、残部が実質的にFe、Co又はNiの一種以上からなり、磁化容易軸が膜面垂直成分を有することを特徴とする硬質磁性薄膜である。」と補正した。 III、原決定の理由 原審の補正却下の決定の理由は、次のとおりである。 『出願人は、平成11年3月15日付け手続補正書によって、特許請求の範囲第3項の記載を、「磁性体の少なくとも一方が永久磁石材料であり、…」というように補正している。 しかしながら、この出願の最初に添付された明細書又は図面には、「磁性体60,62に永久磁石材料を用し、マイクロ磁石とすることによって、…(第31頁3乃至4行)という程度の開示しかなく、磁性体の「少なくとも一方」が永久磁石材料であるということは記載されていない。しかも、「磁性体の少なくとも一方が永久磁石材料であり、…」ということは、この出願の最初に添付された明細書又は図面から自明に導き出すこともできない。 したがって、当該補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、特許法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。』 IV、当審の判断 願書に最初に添付された明細書又は図面(以下「出願当初明細書等」という。)には、上記補正事項▲1▼、▲2▼に関連して次の記載が認められる。 イ、明細書第10頁第15乃至17行の「前記磁性体の少なくとも1つに磁気的に結合できる程度に近接して配置された磁場発生回路とを有することを特徴とする。」 ロ、明細書第11頁第5乃至7行の「磁性体は記録媒体としての役割を果たすために、データの安定保持のためマイクロ磁石であることが望ましい。」 ハ、明細書第11頁第8乃至10行の「第3発明において、データの書き込み、消去はメモリセル中に置かれた磁界発生回路により行われる。」 そこで検討するに、磁性体は永久磁石を、永久磁石はマイクロ磁石を、それぞれ包摂すること、データを安定保持の面で保持力の大きい磁性材であることが望ましい態様であること、永久磁石は保持力の大きい磁性材に包摂されること等を勘案すると、上記イ、ロ、ハ記載事項から、磁性体の少なくとも一方が永久磁石であることを導くことは自明であると認められる。 したがって、補正事項▲1▼、▲2▼は、出願当初明細書等に記載された事項の範囲内であるので、上記平成11年3月15日付でした手続補正は、明細書の要旨を変更するものではない。 V、むすび 以上のとおりであるので、平成11年3月15日付けでした手続補正は特許法第53条第1項の規定により却下すべきものとした原決定は失当である。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-11-30 |
結審通知日 | 1999-12-14 |
審決日 | 1999-12-20 |
出願番号 | 特願平2-126796 |
審決分類 |
P
1
7・
11-
W
(G11C)
P 1 7・ 2- W (G11C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 和田 財太 |
特許庁審判長 |
森田 信一 |
特許庁審判官 |
斉藤 操 山本 穂積 |
発明の名称 | 磁気メモリセル及び磁性薄膜 |
代理人 | 外川 英明 |