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審決分類 審判 全部申し立て 特17条の2、3項新規事項追加の補正  E21D
審判 全部申し立て 2項進歩性  E21D
管理番号 1007387
異議申立番号 異議1998-73118  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-07-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-06-19 
確定日 1999-06-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2693137号「親子シールド掘進機およびそれを用いるシールド工法」の請求項1ないし14に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2693137号の請求項2ないし7、9ないし14に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
1.本件特許第2693137号[平成7年(1995年)7月14日出願、平成9年(1997年)9月5日設定登録、(以下、「本件特許」という。また、本件特許の特許請求の範囲に記載された各請求項に係る発明を、以下、総称した場合は「本件特許に係る発明」と言い、個別の請求項ごとに説示する場合は「本件特許の請求項1に係る発明」ないし「本件特許の請求項14に係る発明」のようにいう。)]について、特許異議申立人佐藤喜久雄から平成10年6月19日付けで特許異議申立があり、平成10年12月22日付けで取消理由通知がなされたところ、平成11年2月17日付けで訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)が請求され、併せて同日付け特許異議意見書が提出されたものである。
II.本件訂正請求の適否について
1.本件訂正請求の内容
本件訂正請求は、特許請求の範囲を減縮し、併せて不明瞭な記載を釈明することを目的として、本件特許に係る明細書を次の(1)ないし(29)のように訂正しようとするものである(以下、(1)ないし(29)の訂正を、個別に「訂正事項(1)」ないし「訂正事項(29)」という。)。
(1)明細書の【特許請求の範囲】の欄の請求項1を削除する。
(2)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第5行(本件特許公報第1欄第7行)に、「【請求項2】」とあるのを、【請求項1】」と訂正する。
(3)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第5行〜第6行(本件特許公報第1欄第8行)に、「組み合わせてなる」とあるのを、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正する。
(4)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第9行(本件特許公報第1欄第12行)に、「【請求項3】」とあるのを、「【請求項2】」と訂正する。
(5)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第12行(本件特許公報第2欄第2行)に、「請求項2」 とあるのを、「請求項1」と訂正する。
(6)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第14行(本件特許公報第2欄第4行)に、「【請求項4】」とあるのを、「【請求項3】」と訂正する。
(7)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第18行(本件特許公報第2欄第10行)に、「請求項3」とあるのを、「請求項2」と訂正する。
(8)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第20行(本件特許公報第2欄第12行)に、「【請求項5】」とあるのを、「【請求項4】」と訂正する。
(9)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第23行(本件特許公報第3欄第1行)に、「請求項1乃至4」とあるのを、「請求項1乃至3」と訂正する。
(10)明細書の「【特許請求の範囲】の欄の第24行(本件特許公報第3欄第3行)に、「【請求項6】」とあるのを、「【請求項5】」』と訂正する。
(11)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第26行(本件特許公報第3欄第6行)に、 「請求項5」 とあるのを、「請求項4」と訂正する。
(12)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第27行(本件特許公報第3欄第8行)に、「【請求項7】」とあるのを、「【請求項6】」と訂正する。
(13)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第28行(本件特許公報第3欄第9行)に、「請求項1乃至6」とあるのを、「請求項1乃至5」と訂正する。
(14)明細書の【特許請求の範囲】の欄の請求項8を削除する。
(15)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第38行(本件特許公報第3欄第23行)に、「【請求項9】」とあるのを、「【請求項7】」と訂正する。
(16)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第38行〜第39行(本件特許公報第3欄第24行)に、「組み合わせてなる」とあるのを、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正する。
(17)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第47行(本件特許公報第3欄第35行)に、「【請求項10】とあるのを、「【請求項8】と訂正する。
(18)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第52行(本件特許公報第3欄第39行)に、「請求項9」とあるのを、「請求項7」と訂正する。
(19)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第53行(本件特許公報第3欄第41行)に、「【請求項11】」とあるのを、「【請求項9】」と訂正する。
(20)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第55行(本件特許公報第3欄第44行〜同第45行)に、「請求項10」とあるのを、「請求項8」と訂正する。
(21)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第57行(本件特許公報第3欄第46行)に、「【請求項12】」とあるのを、「【請求項10】」と訂正する。
(22)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第60行(本件特許公報第4欄第1行)に、「請求項10または11」とあるのを、「請求項8または9」と訂正する。
(23)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第62行(本件特許公報第4欄第2行)に、 「【請求項13】」とあるのを、「【請求項11】」と訂正する。
(24)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第66行(本件特許公報第4欄第8行〜同第9行)に、「請求項10乃至12」とあるのを、「請求項8乃至10」と訂正する。
(25)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第68行(本件特許公報第4欄第10行)に、「【請求項14】」とあるのを、「【請求項12】」と訂正する。
(26)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第71行(本件特許公報第4欄第14行〜同第15行)に、「請求項10乃至12」とあるのを、「請求項8乃至10」と訂正する。
(27)明細書の段落番号【0001】の欄の第2行(本件特許公報第4欄第19行)に、「組み合わせてなる」とあるのを、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正する。
(28)明細書の段落番号【0010】の欄の第1行〜段落番号【0011】の欄の第6行(本件特許公報第6欄第6行〜同第37行)に、「前記目的を達成するために、・・・・・・このような親子シールド掘進機において、」とあるのを、次のように訂正する。
「前記目的を達成するために、本発明による親子シールド掘進機は、大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機において、前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とすることを特徴とするものである。
【0011】
このような親子シールド掘進機において、」
(29)明細書の段落番号【0017】の欄の第1行〜段落番号【0018】の欄の第11行(本件特許公報第8欄第25行〜同第9欄第13行)に、「次に、本発明によるシールド工法は、・・・・・・本発明のシールド工法において、」とあるのを、次のように訂正する。
「次に、本発明によるシールド工法は、大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機を用いるシールド工法であって、
後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い、
前記親シールド機と前記子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進を行い、
前記子シールド機を単独で掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させてその子シールド機の掘進を行うことを特徴とするものである。
【0018】
本発明のシールド工法において、」
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、拡張、変更の存否について
本件訂正請求の訂正事項(1)、(14)は、本件特許に係る明細書の特許請求の範囲の請求項1と8を削除する訂正をするものであるところ、当該削除は、特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であり、かつ、訂正事項(1)、(14)は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。
訂正事項(3)は、明細書の【特許請求の範囲】の欄の第5行〜第6行(本件特許公報第1欄第8行)に、「組み合わせてなる」と記載されてあるのを、明細書に記載された「子シールド機を単独で掘進する際には」(明細書段落【0011】、【0017】、【0018】)、および「子シールド機の単独掘進時に」(明細書段落【0014】)との事項に基づいて「子シールド機」の掘進の態様を技術的に具体化して限定することによって、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書と図面に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であって、かつ、訂正事項(3)は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項(16)は、明細書の【特許請求の範囲】の欄の第38行〜第39行(本件特許公報第3欄第24行)に、「組み合わせてなる」と記載されてあるのを、訂正事項(3)の訂正と同様に、明細書に記載された「子シールド機を単独で掘進する際には」(明細書段落【0011】、【0017】、【0018】)、および「子シールド機の単独掘進時に」(明細書段落【0014】)との事項に基づいて「子シールド機」の掘進の態様を技術的に具体化して限定することによって、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的として、願書に添付した明細書と図面に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であって、かつ、訂正事項(16)は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項(2)、(4)ないし(13)は、訂正事項(1)の訂正後に、予見できる記載上の矛盾が明細書に残置しないように、訂正事項(1)の訂正に合わせてなされた訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付した明細書と図に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項(15)、(17)ないし(26)は、訂正事項(14)の訂正後に、予見できる記載上の矛盾が明細書に残置しないように、訂正事項(14)の訂正に合わせてなされた訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付した明細書と図面に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
さらに、訂正事項(27)、(28)および(29)は、訂正事項(3)、(16)の訂正の後に、予見できる記載上の矛盾が明細書に残置しないように、訂正事項(3)、(16)の訂正に合わせてなされた訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付した明細書と図面に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
以上のとおり、本件訂正請求は、特許請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付した明細書と図面に記載された事項の範囲内においてなされた訂正であって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3.独立特許要件について
3-1.本件特許に係る発明
本件特許に係る発明は、明細書の特許請求の範囲に記載された事項により特定できる次の請求項に係る発明であると認める。
「【請求項1】 大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機において、前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とすることを特徴とする親子シールド掘進機。
【請求項2】 さらに、前記子シールド機の前胴部と後胴部とが重なり合った状態でそれら前胴部と後胴部とを一体に前進させる動作と、これら前胴部と後胴部とが重なり合った状態からその前胴部をその後胴部に対して所定の機長まで伸長させる動作とを行う前進手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の親子シールド掘進機。
【請求項3】 前記前進手段は、(a)子シールド機用シールドジャッキ、(b)前記子シールド機の前胴部と後胴部とを連結する第1連結ブラケットおよび(c)前記子シールド機の後胴部と、前記子シールド機用シールドジャッキの先端部,セグメントまたは前記親シールド機のいずれかとを連結する第2連結ブラケットを有するものであることを特徴とする請求項2に記載の親子シールド掘進機。
【請求項4】 前記親シールド機と前記子シールド機との一体掘進時,前記子シールド機の掘進準備時およびその子シールド機の単独掘進時に、前記子シールド機用シールドジャッキの反力受け部材が前記親シールド機側に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の親子シールド掘進機。
【請求項5】 前記親シールド機が、後胴部とその後胴部に対して屈曲可能な前胴部とを有する中折れ構造とされ、この親シールド機の前胴部に前記反力受け部材が設けられることを特徴とする請求項4に記載の親子シールド掘進機。
【請求項6】 前記子シールド機の後胴部に予めテールシールリングが一体に設けられる請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の親子シールド掘進機。
【請求項7】 大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機を用いるシールド工法であって、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い、前記親シールド機と前記子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進を行い、前記子シールド機を単独で掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させてその子シールド機の掘進を行うことを特徴とするシールド工法。
【請求項8】 子シールド機用シールドジャッキを、前記子シールド機の掘進準備時においては、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作に用い、
前記子シールド機の単独掘進時においては、この子シールド機の前進動作に用いることを特徴とする請求項7に記載のシールド工法。
【請求項9】 前記子シールド機用シールドジャッキを、前記子シールド機の掘進準備時において、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作とその子シールド機の前進動作とに用いることを特徴とする請求項8に記載のシールド工法。
【請求項10】 前記前胴部の前記後胴部に対する伸長可能量が前記子シールド機用シールドジャッキのストロークよりも大きい子シールド機を用い、この子シールド機の掘進準備時における前記子シールド機用シールドジャッキの伸長動作を複数回に分けて行うことを特徴とする請求項8または9に記載のシールド工法。
【請求項11】 前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作は、前記前胴部と前記後胴部とが連結されている状態で行われ、また前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作は、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されるとともに前記前胴部と前記後胴部との連結が解除されている状態で行われることを特徴とする請求項8乃至10のうちのいずれかに記載のシールド工法。
【請求項12】 前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作に先立って、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されている状態で前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作が行われることを特徴とする請求項8乃至10のうちのいずれかに記載のシールド工法。」
3-2.引用刊行物および引用刊行物に記載された事項
当審が平成10年12月22日付けで通知した取消理由で引用した刊行物は下記のものである。
(引用刊行物)
刊行物1:特開平1-94193号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開平3-197791号公報(甲第2号証)
刊行物3:特開平6-58077号公報(甲第3号証)
刊行物4:特開平5-302493号公報(甲第4号証)
刊行物5:特開平6-66085号公報(甲第5号証)
刊行物6:特開平6-240981号公報(甲第6号証)
(引用刊行物に記載された事項)
刊行物1には、
『先行した薬液注入が可能で、しかも注入位置の選択を自由にかつ確実に行うことができる二段式シールド装置を提供することを目的とする。』(第2頁右上欄第7行ないし第10行)、
『<イ>大口径シールド装置(第1図〜3図)大口径シールド装置1には、公知のシールド装置の内部に反力壁41を設けたものを使用する。』(第2頁右上欄第16行ないし第18行)、
『<ロ>小口径シールド装置 小口径シールド装置5には公知のシールド装置を用いる。(中略)小口径シールド装置5の径は、上記の大口径シールド装置1のカッターヘッド2の中央孔26とほぼ等しく形成し、その中央孔26から小口径シールド装置5を大口径シールド装置1内に収納する。』(第2頁右下欄第10行ないし第19行)、
『<イ>小口径シールド装置の突出 小口径シールド装置5のカッターヘッド51を回転させて地盤の掘削を行いながら、後部に小型セグメント53を組立て、ジャッキの推進力によって小口径シールド装置5を地盤内に突出させる。(中略)反力は、反力壁41によって確保される』(第3頁左上欄第8行ないし第15行)、
『<ハ>小口径シールド装置の収納 薬液6の注入後は、組み立てた小型セグメント53を取り外し、大口径シールド装置1の掘削、推進を行うことによって、小口径シールド装置5は自然と大口径シールド装置1内に収納される。』(第3頁右上欄第14行ないし第18行)、および
『<その他の実施例> 上記の実施例ではセグメント式の小口径シールド装置5を用いたが、その他の実施例として、反力壁41側からジャッキによって推進させる推進構造や、油圧によって伸縮させるテレスコピック式構造の小口径シールド装置5を採用することができる。』(第3頁左下欄第7行ないし第13行)と記載されており、これらの記載および第1図ないし第5図によれば、刊行物1には、シールド装置として、
『先行した薬液注入が可能で、しかも注入位置の選択を自由にかつ確実に行うことができるように、前面掘削部の中央部にトンネルの軸方向と並行の中央孔26を有し、内部に小口径シールド用の反力壁41を設けた大口径シールド装置1と、この大口径シールド装置1の中央孔26内に収納可能な小口径シールド装置5を備えた二段式シールド装置であって、小口径シールド装置5(セグメント式の小口径シールド装置、その他の実施例として、反力壁41側からジャッキによって推進させる推進構造や、油圧によって伸縮させるテレスコピック式構造の小口径シールド装置を含む。)は、後方部にセグメント53を組み立てながらジャッキの推進力によって地盤内を突出し、薬液6の注入後は、組み立てた小型セグメント53を取り外し、大口径シールド装置1の掘削、推進を行うことによって、小口径シールド装置5が自然と大口径シールド装置1内に収納されるシールド装置。」を構成とする発明(以下、「刊行物1に記載された第1発明」という。)、および、シールド工法として、
『先行した薬液注入が可能で、しかも注入位置の選択を自由にかつ確実に行うことができるように、前面掘削部の中央部にトンネルの軸方向と並行の中央孔26を有し、内部に小口径シールド用の反力壁41を設けた大口径シールド装置1と、この大口径シールド装置1の中央孔26内に収納可能な小口径シールド装置5を備えた二段式シールド装置を用いるシールド工法であって、使用される小口径シールド装置5(セグメント式の小口径シールド装置、その他の実施例として、反力壁41側からジャッキによって推進させる推進構造や、油圧によって伸縮させるテレスコピック式構造の小口径シールド装置を含む。)は、後方部にセグメント53を組み立てながらジャッキの推進力によって地盤内を突出し、薬液6の注入後は、組み立てた小型セグメント53を取り外し、大口径シールド装置1の掘削、推進を行うことによって、小口径シールド装置5が自然と大口径シールド装置1内に収納されるシールド装置による掘進工法。」を構成とする発明(以下、「刊行物1に記載された第2発明」という。)が記載されている。
刊行物2には、
『トンネルの・・・掘進径多段変更可能なシールド掘進機及びシールド掘進機によるシールド工法に関するものである。』(第1頁右下欄第19行ないし第2頁左上欄第2行)、
『当該シールド掘進機1は径の異なる複数のシールド筒2,3,4をその中心軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるように設置すると共に、各シールド筒2,3、4の先端部にカッターヘッド5,6,7を回転軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるようにそれぞれ設置することにより構成されている。』(第3頁左上欄第17行ないし右上欄第4行)、
『掘進方法について説明する。▲1▼ 先ず、(中略)シールド筒2,3,4を連結すると共にこれらシールド筒2,3,4の先端にカッターヘッド5,6、7をそれぞれ設置してシールド掘進機を組み立てる。▲2▼ 続いて、カッターヘッド5,6、7を同時に回転させつつ、シールド筒2,3,4を同時に発進させることにより最初のシールドトンネルを掘進する。(中略)▲3▼ 続いて、(中略)シールド筒4をシールド筒2及び3より切り離す。又、(中略)カッターヘッド7をカッターヘッド5及び6より切り離す。そしてシールド筒2,3とカッターヘッド5,6のみからなるシールド掘進機1によって前記シールドトンネルより一回り小さい径のシールドトンネルを掘進する。』(第4頁右上欄第13行ないし左下欄第17行)、『(1)複数のシールド筒をその中心軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるように設置すると共に当該シールド筒の先端にカッターヘッドをその回転軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるようにそれぞれ設けてなる掘進径多段変更可能なシールド掘進機に於いて、前記カッターヘッドを油圧式シリンダーによって作動可能な連結ピンによって切り離し出来るように連結されてあることを特徴とする掘進径多段変更可能なシールド掘進機。』(特許請求の範囲、第1頁左下欄第6行ないし第16行)、
『(3)請求項第1項(中略)記載の掘進径多段変更可能なシールド掘進機によって掘進径の異なるシールドトンネルを連続的に掘進するシールド工法において、掘進径の変化する地点の地盤中に外側のシールド筒及びカッターヘッドを埋め殺すことを特徴とする掘進径多段変更可能なシールド掘進機によるシールド工法。』(特許請求の範囲、第1頁右下欄第8行ないし右上欄第15行)と記載されており、これらの記載および第1図ないし第9図によれば、刊行物2には、シールド掘進機として、
『複数のシールド筒をその中心軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるように設置すると共に、当該シールド筒の先端にカッターヘッドをその回転軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるようにそれぞれ設けてなる掘進径多段変更可能なシールド掘進機に於いて、前記カッターヘッドを油圧式シリンダーによって作動可能な連結ピンによって切り離し出来るように連結されてある掘進径多段変更可能なシールド掘進機。』を構成とする発明(以下、「刊行物2に記載された第1発明」という。)、および、シールド工法として、
『複数のシールド筒をその中心軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるように設置すると共に、当該シールド筒の先端にカッターヘッドをその回転軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるようにそれぞれ設けてなる掘進径多段変更可能なシールド掘進機によって掘進径の異なるシールドトンネルを連続的に掘進するシールド工法において、掘進径の変化する地点の地盤中に外側のシールド筒及びカッターヘッドを埋め殺す工法を採る掘進径多段変更可能なシールド掘進機によるシールド工法』を構成とする発明(以下、「刊行物2に記載された第2発明」という。)が記載されている。
刊行物3には、
『通常径シールド坑に対して同心拡大断面径の拡幅部を構築するシールド坑掘進工法とその装置に関する。』(段落【0001】)、
『図におけるシールド掘進機本体1は、中折れ自在なもので、円筒状の常用スキンプレート2の後部に円筒状の常用テールプレート3を連結してなり、常用テールプレート3の後端部内周にテールシール4を2ないし3列を装備している。』(段落【0014】第1行ないし第5行)、
『(第3図ないし第9図ともに)拡幅径スキンプレート13、拡幅径テールプレート14を備えたシールド機内に常用スキンプレート2,常用テールプレート3を備えたシールド機』、
『常用スキンプレート2および常用テールプレート3が拡幅径スキンプレート13前方に抜け出て拡幅部A2(図1参照)に連続した通常径シールド坑A1(図1参照)が再構築される。』(段落【0028】第5行ないし第9行)、および
『シールド掘進機において、前記常用スキンプレートに対し脱着自在に装備される拡幅用スキンプレートと、該拡幅用スキンプレートに連結される拡幅用テールプレートと、外リング体と内リング体を結合してなり、外径が拡幅径セグメントに相当し、内径が通常径セグメントに相当し、拡幅径セグメントおよび通常径セグメントに接続可能でシールドジャッキの推進反力を伝達するプレスリングと、外径が拡幅径セグメントに相当し、プレスリングに接続されるガイド用セグメントと、プレスリングに接続され、シールドジャッキの推進反力を伝達する反力受けリングを備えたことを特徴とするシールド掘進機。』(請求項2、第4行ないし第15行)
と記載されており、これらの記載および第1図ないし第13図によれば、刊行物3には、シールド装置として、
『中折れ自在なシールド掘進機1において、前記常用スキンプレート2に対し脱着自在に装備される拡幅用スキンプレート13と、該拡幅用スキンプレート13に連結される拡幅用テールプレート14と、外リング体と内リング体を結合してなり、外径が拡幅径セグメントに相当し、内径が通常径セグメントに相当し、拡幅径セグメントおよび通常径セグメントに接続可能でシールドジャッキの推進反力を伝達するプレスリング15と、外径が拡幅径セグメントに相当し、プレスリング15に接続されるガイド用セグメントと、プレスリング15に接続され、シールドジャッキの推進反力を伝達する反力受けリング16を備えたシールド掘進機。』(以下、「刊行物3に記載された第1発明」という。)
を構成とする発明、および、シールド工法として、
『中折れ自在なシールド掘進機1において、前記常用スキンプレート2に対し脱着自在に装備される拡幅用スキンプレート13と、該拡幅用スキンプレート13に連結される拡幅用テールプレート14と、外リング体と内リング体を結合してなり、外径が拡幅径セグメントに相当し、内径が通常径セグメントに相当し、拡幅径セグメントおよび通常径セグメントに接続可能でシールドジャッキの推進反力を伝達するプレスリング15と、外径が拡幅径セグメントに相当し、プレスリング15に接続されるガイド用セグメントと、プレスリング15に接続され、シールドジャッキの推進反力を伝達する反力受けリング16を備えたシールド掘進機において、常用スキンプレート2および常用テールプレート3が拡幅径スキンプレート13前方に抜け出て拡幅部A2に連続した通常径シールド坑A1が再構築される工法。』(以下、「刊行物3に記載された第2発明」という。)
を構成とする発明が記載されている。
刊行物4には、
「シールド掘進機1は、筒状のガータ2と、ガータ2の前部に位置し、軸方向にスライド自在の回転カッタ3と、ガータ2の前端部側に外装され、軸方向にスライド自在のフード4とガータ2の後部側に外装され、軸方向にスライド自在のテールプレート5とにより構成される。」(段落【0007】第2行ないし第7行)、および
『シールドジャッキ21を伸長操作して立坑内の仮支保工や支圧壁から反力を得て掘進を開始する。シールド掘進機1がテールプレート5の伸長可能な距離だけ掘進したら、テールプレート5を後方へ押し出してシールド掘進機1の全長をさらに伸長する。』(段落【0016】第1行ないし第5行)と記載されており、これらの記載及び第1図ないし第3図によれば、刊行物4には、シールド掘進機として、
『筒状のガータ2と、ガータ2の前部に位置し、軸方向にスライド自在の回転カッタ3と、ガータ2の前端部側に外装され、軸方向にスライド自在のフ一ド4とガータ2の後部側に外装され、軸方向にスライド自在のテールプレート5とにより構成されるシールド掘進機1。』を構成とする発明(以下、「刊行物4に記載された第1発明」という。)、および、シールド工法として、
『筒状のガータ2と、ガータ2の前部に位置し、軸方向にスライド自在の回転力ッタ3と、ガータ2の前端部側に外装され、軸方向にスライド自在のフ一ド4とガータ2の後部側に外装され、軸方向にスライド自在のテールプレート5とにより構成されるシールド掘進機1において、シールド掘進機の掘進後、もしくは掘進時に、テールプレートを相対的に後方へ押し出すようにした工法。』(以下、「刊行物4に記載された第2発明」という。)
を構成とする発明が記載されている。
刊行物5には、
『シールド機(1)は、内胴(2)(中略)が前後摺動可能に嵌着されている外胴(3)とからなり、該内胴(2)の前面(4)には多数個のビット(5A)を有するスポーク(5)とフッシュテール(6)とからなるカッター機構(7)が装備されている。』(段落【0006】)、
『ジャッキ(17)に及ぼされる油圧がシールド機(1)の推進力となる。』(段落【0009】第7,8行)、および
『上記シールド工法において、(中略)ビット(5A)が著しく摩耗した時は(中略)図3に示すように外胴(3)のアンカー(19)に内胴(2)のジャッキ(17)を連結し、内胴(2)を図1の状態から図4の状態まで後退させる。』(段落【0010】)と記載されており、これらの記載および第1図ないし第6図によれば、刊行物5には、シールド装置として、
『内胴(2)と該内胴(2)が前後摺動可能に嵌着されている外胴(3)とからなり、該内胴(2)の前面(4)には多数個のビット(5A)を有するスポーク(5)とフッシュテール(6)とからなるカッター機構(7)が装備されているシールド機1を推進するジャッキ(17)を外胴(3)に連結して収縮することによって、内胴(2)を外胴内に沿って摺動させる』構成を備えた発明(以下、「刊行物5に記載された第1発明」という。)、および、シールド工法として、
『内胴(2)と該内胴(2)が前後摺動可能に嵌着されている外胴(3)とからなり、該内胴(2)の前面(4)には多数個のビット(5A)を有するスポーク(5)とフッシュテール(6)とからなるカッター機構(7)が装備されているシールド機1を推進する際、ジャッキ(17)を外胴(3)に連結して収縮することによって、内胴(2)を外胴内に沿って摺動させるシールド工法。』
を構成とする発明(以下、「刊行物5に記載された第2発明」という。)が記載されている。
刊行物6には、
『外筒部1と内筒部2とを互いに結合、切り離し可能に構成し、かつ内筒部2の前側にカッタ部11を設け、このカッタ部11のカッタスポークの少なくとも1本を伸縮可能に構成したシールド機や推進機を用い、カッタ部11が到達壁30に到達するまでは、外筒部1と内筒部とを一体に結合するとともに、伸縮可能なカッタスポーク15を伸長させた状態で掘進し、カッタ部11が到達壁30に到達後、伸縮可能なカッタスポーク15を縮小させ、かつ外筒部1と内筒部2とを切り離したのち外筒部1のみを推進させ、外筒部1の前端面を到達壁30に到達させることを特徴とするシールド掘進機における到達方法。』(特許請求の範囲、【請求項1】)、および
『シールドジャッキ26は、外筒部1の内部側に設置され、シールド機内の後方で組み立てられたセグメント27に反力を取り、外筒部1の摺動部5の支持部材7を押すようになっている。』(段落【0020】)と記載されており、これらの記載および第1図ないし第4図によれば、刊行物6には、シールド装置として、
『シールドジャッキ26により内筒部2を外筒部1に対してスライドさせる』構成(以下、「刊行物6に記載された第1発明」という。)、および、シールド工法として、
『シールドジャッキ26により内筒部2を外筒部1に対してスライドさせる工法』
を構成とする発明(以下、「刊行物6に記載された第2発明」という。)が記載されている。
3-3.対比判断
3-3-1.請求項1に係る発明について
本件特許の請求項1に係る発明と刊行物1に記載された第1発明を比較すると、刊行物1に記載された第1発明における『小口径シールド装置5』は、油圧によって伸縮させるテレスコピック式構造の小口径シールド装置を含むから、刊行物1に記載された第1発明の『前面掘削部の中央部にトンネルの軸方向と並行の中央孔26を有し、内部に小口径シールド用の反力壁41を設けた大口径シールド装置1と、この大口径シールド装置1の中央孔26内に収納可能な小口径シールド装置5を備えた二段式シールド装置であって、』の構成は、本件特許の請求項1に係る発明の「大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、」の構成に一致し、刊行物1の発明は、本件特許の請求項1に係る発明の「前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とする」構成のうち、「前記子シールド機を、テレスコピック状に伸長可能の構造とする」構成を備えているものではあるが、本件特許の請求項1に係る発明の「親子シールド掘進機」において「子シールド機単独で発進可能な」構成であってかつ「前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とする」構成までを併せ備えているもの(以下、「相違点1」という。)であるとは認められない。(なお、刊行物1ないし6に記載された各第1発明は、いずれも本件特許の請求項1ないし6に係る発明の構成に照応して認定されたシールド装置に係る発明であるので、いずれも本件特許の請求項1ないし6に係る発明における認定判断の根拠とされ、刊行物1ないし6に記載された各第2発明は、いずれも本件特許の請求項7ないし12に係る発明の構成に照応して認定されたシールド工法に係る発明であるので、本件特許の請求項1ないし6の発明についての認定判断の根拠としない。以下、同様である。)
前記相違点1について検討すると、
刊行物2に記載された第1発明は、
『複数のシールド筒をその中心軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるように設置すると共に、当該シールド筒の先端にカッターヘッドをその回転軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるようにそれぞれ設けてなる掘進径多段変更可能なシールド掘進機に於いて、前記カッターヘッドを油圧式シリンダーによって作動可能な連結ピンによって切り離し出来るように連結されてある掘進径多段変更可能なシールド掘進機』を構成とする発明であり、
刊行物3に記載された第1発明は、
『中折れ自在なシールド掘進機1において、前記常用スキンプレート2に対し脱着自在に装備される拡幅用スキンプレート13と、該拡幅用スキンプレート13に連結される拡幅用テールプレート14と、外リング体と内リング体を結合してなり、外径が拡幅径セグメントに相当し、内径が通常径セグメントに相当し、拡幅径セグメントおよび通常径セグメントに接続可能でシールドジャッキの推進反力を伝達するプレスリング15と、外径が拡幅径セグメントに相当し、プレスリング15に接続されるガイド用セグメントと、プレスリング15に接続され、シールドジャッキの推進反力を伝達する反力受けリング16を備えたシールド掘進機。』を構成とする発明であり、
刊行物4に記載された第1発明は、
『筒状のガータ2と、ガータ2の前部に位置し、軸方向にスライド自在の回転カッタ3と、ガータ2の前端部側に外装され、軸方向にスライド自在のフ一ド4とガータ2の後部側に外装され、軸方向にスライド自在のテールプレート5とにより構成されるシールド掘進機1。』であり、
刊行物5に記載された第1発明は、『内胴(2)(中略)が前後摺動可能に嵌着されている外胴(3)とからなり、該内胴(2)の前面(4)には多数個のビット(5A)を有するスポーク(5)とフッシュテール(6)とからなるカッター機構(7)が装備されているシールド機1を推進するジャッキ(17)を外胴(3)に連結して収縮することによって、内胴(2)を外胴内に沿って摺動させる』構成を備えた発明であり、
刊行物6に記載された第1発明は、『シールドジャッキ26により内筒部2を外筒部1に対してスライドさせる』構成の発明であるから、刊行物2ないし6に係る各第1発明は、いずれも前記相違点1の構成を備えているものであるとは認められない。
そして、本件特許の請求項1に係る発明は、その発明の構成に欠くことができない事項によって、刊行物1ないし6に記載された各第1発明が奏し得ない「子シールド機が二重構造とされているので、子シールド機の機長を縮小して親シールド機内に収納することができる。したがって、親シールド機と子シールド機とを一体にした時にも全体として機長を短くすることができ、これによって曲進性への悪影響を排除することができ、また発進立坑が大きくなり過ぎるのを回避することができる。また、子シールド機の前胴部と後胴部とが初めから親シールド機内に収納されており、子シールド機の掘進準備時に前胴部を伸長して接続すればよいので、子シールド機の掘進準備時における後胴部の搬入作業およびその後胴部搬入後の接続時の位置合わせ,支持等の煩雑な工程が不必要となり、掘進準備作業を極めて簡略化することが可能となる。」との効果を奏するものである。
そうとすると、本件特許の請求項1に係る発明は、当業者が刊行物1ないし6に記載された各第1発明に基いて容易に発明をすることがでたものではない。
3-3-2.請求項2ないし6に係る発明について
本件特許の請求項2に係る発明は、本件特許の請求項1に係る発明の構成に、さらに「前記子シールド機の前胴部と後胴部とが重なり合った状態でそれら前胴部と後胴部とを一体に前進させる動作と、これら前胴部と後胴部とが重なり合った状態からその前胴部をその後胴部に対して所定の機長まで伸長させる動作とを行う前進手段」の構成を付加した構成を有し、
本件特許の請求項3に係る発明は、本件特許の請求項2に係る発明の構成の「前進手段」の構成を技術的に限定して具体化し「(a)子シールド機用シールドジャッキ、(b)前記子シールド機の前胴部と後胴部とを連結する第1連結プラケットおよび(c)前記子シールド機の後胴部と、前記子シールド機用シールドジャッキの先端部,セグメントまたは前記親シールド機のいずれかとを連結する第2連結ブラケットを有するものである」とした構成を有し、
本件特許の請求項4に係る発明は、本件特許の請求項1ないし3に係る発明の構成において、「前記親シールド機と前記子シールド機との一体掘進時前記子シールド機の掘進準,備時およびその子シールド機の単独掘進時に、前記子シールド機用シールドジャッキの反力受け部材が前記親シールド機側に設けられる」という構成を付加した構成を有し、
本件特許の請求項5に係る発明は、本件特許の請求項4に係る発明の構成において「前記親シールド機が、後胴部とその後胴部に対して屈曲可能な前胴部とを有する中折れ構造とされ、この親シールド機の前胴部に前記反力受け部材が設けられる」構成を有し、および、
本件特許の請求項6に係る発明は、本件特許の請求項1ないし5に係る発明の構成において「子シールド機の後胴部に予めテールシールリングが一体に設けられた」構成を有し、請求項2ないし6に係る発明は、いずれも、帰するところ本件特許の請求項1に係る発明を引用した発明であるから、前示3-3-1において説示したとおり、当業者が刊行物1ないし6に記載された各第1発明に基いて本件特許の請求項1に係る発明に想到することができたものではないので、本件特許の請求項2ないし6に係る発明は、当業者が刊行物1ないし6に記載された各第1発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。、
3-3-3.請求項7に係る発明について
本件特許の請求項7に係る発明と刊行物1に記載された第2発明を比較すると、
刊行物1に記載された第2発明の『小口径シールド装置5』は、油圧によって伸縮させるテレスコピック」式構造の小口径シールド装置を含むから、刊行物1に記載された第2発明の『前面掘削部の中央部にトンネルの軸方向と並行の中央孔26を有し、内部に小口径シールド用の反力壁41を設けた大口径シールド装置1と、この大口径シールド装置1の中央孔26内に収納可能な小口径シールド装置5を備えた二段式シールド装置を用いるシールド工法であって、』の構成は、本件特許の請求項7に係る発明の「大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、」の構成に一致し、刊行物1に記載された第2発明は、本件特許の請求項7に係る発明の「後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い」とする構成のうち、「テレスコピック状に伸長可能の構造とする子シールド機」の構成を備えているものではあるが、本件特許の請求項7に係る発明の「親子シールド掘進機」において、「子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機を用いるシールド工法であって、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い、前記親シールド機と前記子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進を行い、前記子シールド機を単独で掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させてその子シールド機の掘進を行う」構成までを併せ備えているもの(以下、「相違点2」という。)であるとは認められない。
前記相違点2について検討すると、
刊行物2に記載された第2発明は、
『複数のシールド筒をその中心軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるように設置すると共に、当該シールド筒の先端にカッターヘッドをその回転軸が一致するように同心円状に、且つ切り離しできるようにそれぞれ設けてなる掘進径多段変更可能なシールド掘進機によって掘進径の異なるシールドトンネルを連続的に掘進するシールド工法において、掘進径の変化する地点の地盤中に外側のシールド筒及びカッターヘッドを埋め殺す工法を採る掘進径多段変更可能なシールド掘進機によるシールド工法』を構成とする発明であり、
刊行物3に記載された第2発明は、
『中折れ自在なシールド掘進機1において、前記常用スキンプレート2に対し脱着自在に装備される拡幅用スキンプレート13と、該拡幅用スキンプレート13に連結される拡幅用テールプレート14と、外リング体と内リング体を結合してなり、外径が拡幅径セグメントに相当し、内径が通常径セグメントに相当し、拡幅径セグメントおよび通常径セグメントに接続可能でシールドジャッキの推進反力を伝達するプレスリング15と、外径が拡幅径セグメントに相当し、プレスリング15に接続されるガイド用セグメントと、プレスリング15に接続され、シールドジャッキの推進反力を伝達する反力受けリング16を備えたシールド掘進機において、常用スキンプレート2および常用テールプレート3が拡幅径スキンプレート13前方に抜け出て拡幅部A2に連続した通常径シールド坑A1が再構築される工法。』を構成とする発明であり、
刊行物4に記載された第2発明は、
『筒状のガータ2と、ガータ2の前部に位置し、軸方向にスライド自在の回転カッタ3と、ガータ2の前端部側に外装され、軸方向にスライド自在のフ一ド4とガータ2の後部側に外装され、軸方向にスライド自在のテールプレート5とにより構成されるシールド掘進機1において、シールド掘進機の掘進後、もしくは掘進時に、テールプレートを相対的に後方へ押し出すようにした工法。」であり、
刊行物5に記載された第2発明は、
『内胴(2)と該内胴(2)が前後摺動可能に嵌着されている外胴(3)とからなり、該内胴(2)の前面(4)には多数個のビット(5A)を有するスポーク(5)とフッシュテール(6)とからなるカッター機構(7)が装備されているシールド機1を推進する際、ジャッキ(17)を外胴(3)に連結して収縮することによって、内胴(2)を外胴内に沿って摺動させるシールド工法。』であり、
および、
刊行物6に記載された第2発明は、
『シールドジャッキ26により内筒部2を外筒部1に対してスライドさせる工法』
であるから、刊行物2ないし6に記載された各第2発明は、いずれも前記相違点2の構成を備えているものであるとは認められない。
そして、本件特許の請求項7に係る発明は、その発明の構成に欠くことができない事項によって、刊行物1ないし6に記載された各第2発明が奏し得ない「子シールド機が二重構造とされているので、子シールド機の機長を縮小して親シールド機内に収納することができる。したがって、親シールド機と子シールド機とを一体にした時にも全体として機長を短くすることができ、これによって曲進性への悪影響を排除することができ、また発進立坑が大きくなり過ぎるのを回避することができる。また、子シールド機の前胴部と後胴部とが初めから親シールド機内に収納されており、子シールド機の掘進準備時に前胴部を伸長して接続すればよいので、子シールド機の掘進準備時における後胴部の搬入作業およびその後胴部搬入後の接続時の位置合わせ,支持等の煩雑な工程が不必要となり、掘進準備作業を極めて簡略化することが可能となる。」との効果を奏するものである。
そうとすると、本件特許の請求項7に係る発明は、当業者が刊行物1ないし6に記載された各第2発明に基いて容易に発明をすることがでたものではない。
3-3-4.請求項8ないし12に係る発明について
本件特許の請求項8に係る発明は、本件特許の請求項7に係る発明の構成に、さらに
「子シールド機用シールドジャッキ」の用い方について、「子シールド機用シールドジャッキを、前記子シールド機の掘進準備時においては、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作に用い、前記子シールド機の単独掘進時においては、この子シールド機の前進動作に用いる」構成を付加した構成を有し、
本件特許の請求項9に係る発明は、本件特許の請求項8に係る発明の構成の「子シールド機用シールドジャッキ」の用い方について、「前記子シールド機用シールドジャッキを、前記子シールド機の掘進準備時において、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作とその子シールド機の前進動作とに用いる」構成を付加した構成を有し、
本件特許の請求項10に係る発明は、本件特許の請求項8または9に係る発明の構成において、「子シールド機のシールドジャッキの伸長動作」について、「前記前胴部の前記後胴部に対する伸長可能量が前記子シールド機用シールドジャッキのストロークよりも大きい子シールド機を用い、この子シールド機の掘進準備時における前記子シールド機用シールドジャッキの伸長動作を複数回に分けて行う」という構成を付加した構成を有し、
本件特許の請求項11に係る発明は、本件特許の請求項8ないし10に係る発明の構成において、「前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作」について、「前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作は、前記前胴部と前記後胴部とが連結されている状態で行われ、また前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作は、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されるとともに前記前胴部と前記後胴部との連結が解除されている状態で行われる」構成を有し、および、
本件特許の請求項12に係る発明は、本件特許の請求項8ない10に係る発明の構成において、「前記子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作」について、「前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作に先立って、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されている状態で前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作が行われる」
という構成を有し、請求項8ないし12に係る発明は、いずれも、帰するところ本件特許の請求項7に係る発明を引用した発明であるから、前示3-3-3において説示したとおり、当業者が刊行物1ないし6に記載された各第2発明に基いて本件特許の請求項7に係る発明に想到することができたものではないので、本件特許の請求項8ないし12に係る発明は、当業者が刊行物1ないし6に記載された各第2発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件特許に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する同法第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III.特許異議申立についての判断
1.異議申立の理由の概要
特許異議申立人は、概要、
理由1として、「本件特許の請求項1、同8,発明の詳細な説明の段落【0010】および段落【0017】についてされた補正は、本件特許に係る出願の願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしなければならないとの要件を満たしていないものであるから、本件特許は、特許法第17条の2第3項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1号に該当する。」旨、
理由2として、本件特許に係る発明は、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、その出願前に国内において頒布された刊行物(刊行物1 甲第1号証(特開平1-94193号公報)、刊行物2 甲第2号証(特開平3-197791号公報)、刊行物3甲第3号証(特開平6-58077号公報)、刊行物4 甲第4号証(特開平5-302493号公報)、刊行物5 甲第5号証(特開平6-66085号公報)、刊行物6 甲第6号証(特開平6-240981号公報))に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当する。』
」旨主張する。
2.特許権者の主張
特許権者は、平成11年2月17日付け特許異議意見書をもって、概要、前記理由1について「明細書を訂正したことによって、理由1の取消理由は解消している。」旨、前記理由2について「本件特許に係る発明は、当業者が刊行物1ないし6に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。」旨主張し、結論同旨の決定を求めた。
3.当審の判断
前示IIに説示したとおり、理由1は、特許異議申立の対象である請求項が訂正請求によって削除され、併せて発明の詳細な説明の欄が訂正されたので、その申立は理由がなく、理由2は、前示IIにおいて説示したとおりであるから、特許異議申立人の主張は、理由がない。
したがって、特許異議申立の理由および証拠によっては本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
親子シールド掘進機およびそれを用いるシールド工法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機において、前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とすることを特徴とする親子シールド掘進機。
【請求項2】 さらに、前記子シールド機の前胴部と後胴部とが重なり合った状態でそれら前胴部ど後胴部とを一体に前進させる動作と、これら前胴部と後胴部とが重なり合った状態からその前胴部をその後胴部に対して所定の機長まで伸長させる動作とを行う前進手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の親子シールド掘進機。
【請求項3】 前記前進手段は、(a)子シールド機用シールドジャッキ、(b)前記子シールド機の前胴部と後胴部とを連結する第1連結ブラケットおよび(c)前記子シールド機の後胴部と、前記子シールド機用シールドジャッキの先端部,セグメントまたは前記親シールド機のいずれかとを連結する第2連結ブラケットを有するものであることを特徴とする請求項2に記載の親子シールド掘進機。
【請求項4】 前記親シールド機と前記子シールド機との一体掘進時,前記子シールド機の掘進準備時およびその子シールド機の単独掘進時に、前記子シールド機用シールドジャッキの反力受け部材が前記親シールド機側に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の親子シールド掘進機。
【請求項5】 前記親シールド機が、後胴部とその後胴部に対して屈曲可能な前胴部とを有する中折れ構造とされ、この親シールド機の前胴部に前記反力受け部材が設けられることを特徴とする請求項4に記載の親子シールド掘進機。
【請求項6】 前記子シールド機の後胴部に予めテールシールリングが一体に設けられる請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の親子シールド掘進機。
【請求項7】 大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機を用いるシールド工法であって、
後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い、
前記親シールド機と前記子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進を行い、
前記子シールド機を単独で掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させてその子シールド機の掘進を行うことを特徴とするシールド工法。
【請求項8】 子シールド機用シールドジャッキを、
前記子シールド機の掘進準備時においては、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作に用い、
前記子シールド機の単独掘進時においては、この子シールド機の前進動作に用いることを特徴とする請求項7に記載のシールド工法。
【請求項9】 前記子シールド機用シールドジャッキを、前記子シールド機の掘進準備時において、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作とその子シールド機の前進動作とに用いることを特徴とする請求項8に記載のシールド工法。
【請求項10】 前記前胴部の前記後胴部に対する伸長可能量が前記子シールド機用シールドジャッキのストロークよりも大きい子シールド機を用い、この子シールド機の掘進準備時における前記子シールド機用シールドジャッキの伸長動作を複数回に分けて行うことを特徴とする請求項8または9に記載のシールド工法。
【請求項11】 前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作は、前記前胴部と前記後胴部とが連結されている状態で行われ、また前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作は、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されるとともに前記前胴部と前記後胴部との連結が解除されている状態で行われることを特徴とする請求項8乃至10のうちのいずれかに記載のシールド工法。
【請求項12】 前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作に先立って、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されている状態で前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作が行われることを特徴とする請求項8乃至10のうちのいずれかに記載のシールド工法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機およびその親子シールド掘進機を用いるシールド工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一台の掘進機で大口径トンネルに連続して小口径トンネルを掘削するために、親シールド機の内部にその親シールド機の径よりも小さな径の子シールド機を内蔵させるようにした親子シールド掘進機が知られている。
【0003】
従来公知の親子シールド掘進機の一例として特開平3-59292号公報に開示されているものがある。この公報に開示されているシールド掘進機では、子シールド機を前胴部と後胴部とに分割できる構造とし、この子シールド機を親シールド機内に納めて大径トンネルを掘削するときには子シールド機には後胴部を取り付けない状態にしておき、子シールド機を発進させる際の発進準備時に後胴部を坑外より搬入して前胴部に溶接等により接続するようにしている。また、この子シールド機を親シールド機内から発進させる際の推進反力を得るために、子シールド機の発進に先立ってその子シールド機の後方の既設トンネル内に反力受けを構築するようにしている。
【0004】
ところが、このような構造の親子シールド掘進機では、子シールド機の発進準備時に狭い坑内において後胴部の搬入作業とその後胴部の接続作業とが必要となって、これら作業が極めて煩雑で手間のかかる作業になってしまうという問題点がある。また、子シールド機の後方の既設トンネル内に大がかりな反力受けを新たに構築する作業が必要になるという問題点もある。さらに、親シールド機と子シールド機とを一体にして掘進する際に、この子シールド機のカッタヘッドに作用する推力およびトルク反力を受けるための固定ピン等が別途必要であり、かつ子シールド機の発進に際して、この固定ピン等を外してやらねばならない点も問題である。
【0005】
このような問題点に対処するために、例えば特開平2-210189号公報に開示されているように、子シールド機を初めから正規の機長で(少なくとも力ッタヘッド先端からテール後端まで備えた状態で)親シールド機内に納めておくことにより接続作業をなくすとともに、子シールド機の発進準備時や発進時および親子一体で掘進する時の子シールド機のシールドジャッキ推力の反力を親シールド機の一部から得るようにして、既設トンネル内の反力受けや固定ピン等を廃するようにした親子シールド掘進機が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、子シールド機をテール後端まで含めた正規の機長で親シールド機内に納めておく構造では、親シールド機の機長は子シールド機の機長にさらに少なくとも親シールド自身のテール部の長さを加えた非常に長いものとなって曲進性能が悪くなる。すなわち、ある一定値以下の余掘り量で施工可能な最小の曲率半径が大きくなってしまうという不具合が生じる。
【0007】
また、親シールド機を途中で屈曲可能な中折れ式にするためには、中に納められている子シールド機が親シールド機と一緒になって屈曲できるような構造とする必要があるが、この実現は構造上複雑になってしまい極めて難しい。仮に、親シールド機のみで屈曲させようとしたならば、親シールド機の中折れ位置を子シールド機のテール後端のさらに後方にもっていけば、子シールド機を中折れ式にすることなく親シールド機を中折れ式にすることが可能ではあるが、このように中折れ位置を極端に後方にずらしてしまったのでは、親シールド機の中折れ位置より前側の機長が非常に長く(子シールド機の機長と同等以上)なるとともに、中折れ位置より後方の機長も若干伸びるため、中折れ式にしても曲線施工性に対する効果はほとんどなく場合によっては逆効果となることもありうる。
【0008】
このように子シールド機をテール後端まで含めた正規の機長で親シールド機内に納めておく構造では、親シールド機を中折れ構造にして曲線施工性を向上させるという手段をとることもできない。さらに、機長が長くなることによって、親シールド機が発進するための発進立坑もそれに応じて大きくする必要があり、立坑用地費,建設費の高騰や立坑建設工期の長期化といった問題点があるほか、過密化した都市部等では適当な立坑用地を確保すること自体が難しくなることも考えられる。
【0009】
本発明は、前述のような問題点を解消するためになされたもので、子シールド機の発進準備時における後胴部の煩雑な接続作業を不要にするとともに、この子シールド機の後胴部まで含めて親シールド機内に納めてもその親シールド機の機長が長くなるのを回避することのできる親子シールド掘進機およびその親子シールド掘進機を用いるシールド工法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述の目的を達成するために、本発明による親子シールド掘進機は、
大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機において、前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とすることを特徴とするものである。
【0011】
このような親子シールド掘進機において、親シールド機と子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進が行われ、子シールド機を単独で掘進する際には前記前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させた後に掘進が行われる。本発明の親子シールド掘進機によれば、子シールド機が二重構造とされているので、この子シールド機の機長を縮小して親シールド機内に収納することができる。したがって、親シールド機と子シールド機とを一体にした時にも全体として機長を短くすることができ、これによって曲進性への悪影響を排除することができ、また発進立坑が大きくなり過ぎるのを回避することができる。また、子シールド機の前胴部と後胴部とが初めから親シールド機内に収納されており、子シールド機の掘進準備時に前胴部を伸長して接続すればよいので、子シールド機の掘進準備時における後胴部の搬入作業およびその後胴部搬入後の接続時の位置合わせ,支持等の煩雑な工程が不必要となり、掘進準備作業を極めて簡略化することが可能となる。
【0012】
本発明においては、さらに、前記子シールド機の前胴部と後胴部とが重なり合った状態でそれら前胴部と後胴部とを一体に前進させる動作と、これら前胴部と後胴部とが重なり合った状態からその前胴部をその後胴部に対して所定の機長まで伸長させる動作とを行う前進手段を備えるのが好ましい。この場合、前記前進手段は、(a)子シールド機用シールドジャッキ、(b)前記子シールド機の前胴部ど後胴部とを連結する第1連結ブラケットおよび(c)前記子シールド機の後胴部と、前記子シールド機用シールドジャッキの先端部,セグメントまたは前記親シールド機のいずれかとを連結する第2連結ブラケットを有するものであるのが良い。
【0013】
このようにすれば、子シールド機の前進動作時にはその子シールド機の前胴部ど後胴部とが第1連結ブラケットにより連結されるので、子シールド機用シールドジャッキにより前記後胴部を前胴部とともに確実に前進させることができる。
また、前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させる際には子シールド機の後胴部と子シールド機用シールドジャッキの先端部,セグメントまたは親シールド機のいずれかとが第2連結ブラケットにより連結されるので、子シールド機用シールドジャッキにより前記前胴部のみを確実に伸長させることができる。こうして伸長作業用の特別な装置等を別に設ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
【0014】
本発明において、前記親シールド機と前記子シールド機との一体掘進時,前記子シールド機の掘進準備時およびその子シールド機の単独掘進時に、前記子シールド機用シールドジャッキの反力受け部材を前記親シールド機側に設けるのが好ましい。こうすることで、子シールド機に作用する推力を子シールド機用シールドジャッキを介して反力受け部材で受けることができ、子シールド機の発進のための既設トンネル内の特別な反力受け部材が不要となって子シールド機の発進作業を大幅に簡略化することができる。さらに、親子一体で掘進する際に、子シールド機に作用する推力をその子シールド機用シールドジャッキを介して親シールド機に設けた反力受け部材で受けることができるため、子シールド機を親シールド機に固定するためのピン等が不要となる。このために、構造を簡略化することができるとともに、掘進準備時および単独掘進開始時におけるピンの引っ掛かり等のトラブルの発生も回避することができる。なお、更に子シールド機用シールドジャッキ先端と反力受け部材ないしはセグメントとを固定して子シールド機が回転しないようにすれば、子シールド機に作用する掘削トルク反力も子シールドジャッキを介して反力受け部材で受けることができる。
【0015】
前記親シールド機は、後胴部とその後胴部に対して屈曲可能な前胴部とを有する中折れ構造とされ、この親シールド機の前胴部に前記反力受け部材が設けられるのが好ましい。このような構成によれば、親シールド機を屈曲させた際にその親シールド機の前胴部の動きと一体となって子シールド機が動くこととなる。この場合、親シールド機の前胴部に前記反力受け部材が設けられているので、この反力受け部材により子シールド機に作用する推力および掘削トルクを受けることができ、前胴部が屈曲自在となって曲線施工が容易に行われる。これに対して直線状のトンネルのみを掘削する場合には、シールド掘進機を中折れ構造とする必要がないので、シールドジャッキの反力受け部材は親シールド機側の任意の位置に設けて良い。
【0016】
前記子シールド機の後胴部には予めテールシールリングを一体に設けるのが好ましい。このようにすれば、子シールド機の掘進準備時にテールシールリングの搬入・接続作業およびそのテールシールリング取付けスペースを確保するための子シールド機の前進動作が不要となる。したがって、掘進準備作業がより簡略化される。また、このテールシールリングを予め接続しておくことで、組立精度の向上および接続の信頼性の向上が図られる。
【0017】
次に、本発明によるシールド工法は、
大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機を用いるシールド工法であって、
後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い、
前記親シールド機と前記子シールド機とを一体にして掘進する際には子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進を行い、
前記子シールド機を単独で掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させてその子シールド機の掘進を行うことを特徴とするものである。
【0018】
本発明のシールド工法において、親シールド機と子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進が行われ、子シールド機を単独で掘進する際には前記前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させた後に掘進が行われる。こうして、親シールド機と子シールド機とを一体にした時にも全体として機長を短くすることができ、これによって曲進性への悪影響を排除することができ、また発進立坑が大きくなり過ぎるのを回避することができる。また、子シールド機の前胴部と後胴部とが初めから親シールド機内に収納されており、子シールド機の掘進準備時に前胴部を伸長して接続すればよいので、子シールド機の掘進準備時における後胴部の搬入作業およびその後胴部搬入後の接続時の位置合わせ,支持等の煩雑な工程が不必要となり、掘進準備作業を極めて簡略化することが可能となる。
【0019】
本発明において、子シールド機用シールドジャッキを、
前記子シールド機の掘進準備時においては、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作に用い、
前記子シールド機の単独掘進時においては、この子シールド機の前進動作に用いるのが好ましい。
【0020】
この場合、前記子シールド機用シールドジャッキを、前記子シールド機の掘進準備時において、この子シールド機の前胴部の後胴部に対する伸長動作とその子シールド機の前進動作とに用いるのが良い。こうすることで、テールシールの接続スペースを設けるための前進動作を子シールドジャッキで行うことができ、前進動作用の特別な装置を別に設ける必要がなく、構造が簡素化される。
【0021】
また、前記前胴部の前記後胴部に対する伸長可能量が前記子シールド機用シールドジャッキのストロークよりも大きい子シールド機を用い、この子シールド機の掘進準備時における前記子シールド機用シールドジャッキの伸長動作を複数回に分けて行うのが好ましい。このようにすれば、子シールド機用シールドジャッキのストロークに制限されずに子シールド機の前胴部と後胴部との重ね合わせ長さを多く取ることができる。したがって、親シールド機に収納された時の子シールド機の機長を短くすることができ、親シールド機の機長も更に短くすることができる。
【0022】
前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作は、前記前胴部と前記後胴部とが連結されている状態で行われ、また前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作は、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されるとともに前記前胴部と前記後胴部との連結が解除されている状態で行われるのが好ましい。
【0023】
また、前記子シールド機の前記親シールド機に対する前進動作に先立って、前記シールドジャッキ先端部,セグメントもしくは親シールド機と前記後胴部とが連結されている状態で前記前胴部の前記後胴部に対する伸長動作が行われるのが好ましい。
【0024】
【実施例】
次に、本発明による親子シールド掘進機およびそれを用いるシールド工法の具体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
(第1実施例)
図1に本発明の第1実施例に係る親子シールド掘進機の縦断面図が示され、図2に同親子シールド掘進機の正面図が示されている。本実施例は泥水式シールド掘進機に適用したものであって、円筒状の大径シールド本体(以下、親シールド機という。)1と、この親シールド機1に内蔵されその親シールド機1に対して前方(図1で左方)へ向けて突出可能な円筒状の小径シールド本体(以下、子シールド機という。)2とを備えている。そして、親シールド機1の前部には円環状の第1カッタヘッド3が回転自在に支持され、子シールド機2の前部には円形の第2カッタヘッド4が回転自在に支持されている。
【0026】
前記第2カッタヘッド4はカッタヘッド用モータ5の駆動により回転駆動される。また、前記第1カッタヘッド3は第2カッタヘッド4に回転トルク伝達ジャッキ6を介して連結されることによりその第2カッタヘッド4と一体に回転駆動される。なお、図1中符号7にて示されるのは第1カッタヘッド3の外周部に設けられるコピーカッタ8を外方に突出させるコピージャッキである。
【0027】
前記第2カッタヘッド4の後方には子シールド機2の内側に設けられる隔壁9との間に圧力室10が画成され、この圧力室10内に先端部が開口するように泥水を送り込む送泥管11と、この送泥管11により送り込まれる泥水と掘削土砂とを混ぜ合わせた状態で排出する排泥管12とがそれぞれ配設されている。また、前記隔壁9には、圧力室10内の掘削土砂と泥水とを攪拌するためのアジテータ13が取り付けられている。
【0028】
前記親シールド機1の胴部は、後端部にワイヤブラシからなるテールシール14が設けられてなる後胴部15と、この後胴部15に対して屈曲可能に取り付けられる前胴部16とに分割形成されている。前記後胴部15には先端部内周に円環状の接続部材17が固着され、この接続部材17の外周面がシール材を介して前胴部16の内周面に摺動可能に取り付けられている。そして、前胴部16と接続部材17との間には複数本のアーティキュレートジャッキ(中折れジャッキ)18の各端部が装着され、これらアーティキュレートジャッキ18が作動されることにより、前胴部16が後胴部15に対して屈曲される、言い換えれば親シールド機1の胴部が中折れ状態にされるようになっている。
【0029】
また、前記後胴部15の内壁面にはリングガーダ19が固定され、このリングガーダ19の後方には、セグメント組立用のエレクタ20およびセグメント組立のための作業台としての張出デッキ21がそれぞれ設けられている。さらに、前記リングガーダ19には複数本の親シールド機用のシールドジャッキ22のフランジ部が装着され、これらシールドジャッキ22の先端部には、セグメント23の前端面に当接して推進反力を得るだめのスプレッダ24が球面継手を介して装着されている。
【0030】
一方、前記子シールド機2の胴部は、後胴部25とその後胴部25に対してテレスコピック状に伸縮可能に取り付けられる前胴部26とに分割形成されている。ここで、この前胴部26は先端部寄りの位置に段部を有し、後部の小径部分の外周面がシール材を介して後胴部25の内周面に摺接されるとともに、前部の大径部分の外周面が後胴部25の外周面と面一になるようにされている。また、前胴部26の後端側には複数本の子シールド機用のシールドジャッキ28のフランジ部が装着され、これらシールドジャッキ28の先端部はスペーサ29を介して親シールド機1の前胴部16の内面に固着される反力受け部材27に固定されるようになっている。親シールド機1と子シールド機2とを一体にして掘進する際には、子シールド機2の作用する推力・掘削トルクはシールドジャッキ28を介して反力受け部材27で支えられる。このとき、子シールド機2の後胴部25と前胴部26とは連結ブラケット30により接続されている。また、前記子シールド機2の内側には前胴部26に固定される形でエレクタ固定用の旋回リング31が配設されている。
【0031】
次に、前述のように構成されている親子シールド掘進機による掘削作業の手順を、子シールド機2の発進時の手順を中心にして図3乃至図8を参照しながら説明する。なお、特に断らない限り、「一体掘進時」とは親シールド機1が掘進を完了するまでを、「掘進準備時」とは親シールド機1の掘進が完了してから子シールド機2が完全な形となって本掘進を開始するまでを、「単独掘進時」とは子シールド機2が本掘進を開始して以後を、それぞれ指すものとする。また、この定義は本明細書全体にわたって使用する。
【0032】
(1)親シールド機の掘進完了および機内整理(図3)
大径のトンネルを掘削するために親シールド機1と子シールド機2とを一体にして掘進する際には、子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して縮めた状態(図1に示される状態)にして掘進を行う。この場合には、後胴部25と前胴部26とは連結ブラケット30により接続されており、シールドジャッキ28の先端部はスペーサ29を介して反力受け部材27に固着されている。
【0033】
この後、親シールド機1の掘進が完了すると、子シールド機2の発進準備作業を行うために、まず親シールド機1の後胴部15を固定ブラケット32によってセグメント23に固定し、次いで親シールド機1のエレクタ20,張出デッキ21および付帯設備等を撤去する。そして、親シールド機1のシールドジャッキ22を取り外して回収する。なお、これら作業の支障とならないように、泥水ホース等は一時的に切り離しておく。
【0034】
(2)子シールド機仮掘進の準備(図4)
子シールド機2用のエレクタフレーム33を搬入し、旋回リング31に接続し、次いでリングガーダ19における親シールド機1のシールドジャッキ22の取付孔およびそのリングガーダ19と反力受け部材27との間に止水プレート34を溶接により取り付ける。この後、コピーカッタ8および回転トルク伝達ジャッキ6を縮めて第1カッタヘッド3への動力伝達を断ち切り、送泥管11および排泥管12の泥水ホース等を後方設備と連結する。
【0035】
(3)子シールド機仮掘進▲1▼,テールシールリング接続(図5)
連結ブラケット30により子シールド機2の前胴部26と後胴部25とを接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2を親シールド機1に対して約セグメント1リング分前進させ、子シールド機2の後方にテールシールリング35の取付スペースをあけるとともに、1リング分のセグメント組立スペースも確保する。次いで、子シールド機2のテールシールリング35を例えば3分割して搬入し、このテールシールリング35を子シールド機2の後胴部25の後端部に溶接により取り付ける。なお、この溶接作業中においては、作業に干渉しないシールドジャッキ28で子シールド機2を支持することによりバックリングを防止する。また、テールシールリング35の溶接に際しては、3分割されている各部分を一旦仮着により取り付けた後最後に全周を溶接するという手法をとる。
【0036】
(4)セグメント組立,スプレッダ取付(図6)
1リング分のセグメント23’(子シールド機用)を組み立てる、この際、シールドジャッキ28先端のスペーサ29を取り外し、このシールドジャッキ28先端にスプレッダ36を取り付ける。そして、このスプレッダ36の先端にローリングストツパ37(セグメント23’のリブ等に引っかけるストッパ)を取り付け、仮掘進中の子シールド機2のローリングを防止する。次に、子シールド機2のシールドジャッキ28先端(もしくはセグメント23’前端部)と後胴部25とを連結ブラケット38で仮接続し、後胴部25と前胴部26とを接続している連結ブラケット30を取り外す。
【0037】
(5)子シールド機仮掘進▲2▼,子シールド機発進準備完了(図7)
連結ブラケット38で子シールド機2のシールドジャッキ28先端(もしくはセグメント23’前端部)と後胴部25とを接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して所定量(前胴部26が伸びきるまで(約セグメント1リング分に相当))前進させる。次いで、前胴部26の伸長量が所定量になった時点でシールドジャッキ28の作動を停止し、子シールド機2の前胴部26と後胴部25とを連結ブラケット39で本付け接続し、更に前胴部26と後胴部25とを全周にわたって止水溶接する。そして、前記連結ブラケット38を取り外す。この後、ローリングストツパ37を取り外し、2リング目のセグメント23’を組み立てる。
【0038】
(6)子シールド機本掘進(図8)
セグメント23’の前端面に推進反力を取りながら子シールド機2を掘進させる。そして、子シールド機2が親シールド機1から完全に抜け出た後、子シールド機2のセグメント23’と親シールド機1との間にモルタル40等を注入する。
【0039】
(第2実施例)
本発明の第2実施例に係る親子シールド掘進機の縦断面図が図9に示されている。この第2実施例の親子シールド掘進機は前記第1実施例のものと全体構成において基本的に異なるところがない。したがって、第1実施例と共通する部分には図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明は省略し、以下本実施例に特有の点を中心に説明することとする。
【0040】
前記第1実施例では、子シールド機2における前胴部26の摺動長がシールドジャッキ28のストローク以下になるように設定されており、シールドジャッキ28を1回ストロークさせるだけで前胴部26を後胴部25に対して伸ばしきることができるものであるが、本実施例においては、機長を短くするために前胴部26の摺動長がシールドジャッキ28のストロークより大きくなるように設定されており、前胴部26を2回に分けてストロークさせるように構成している。また、子シールド機2の後胴部25の長さから後胴部25の摺動長を差し引いた長さおよびシールドジャッキ28先端のスペーサ41の長さが短くされ、親シールド機1と子シールド機2とを一体にして掘進する際に、子シールド機2のシールドジャッキ28先端もしくは親シールド機1(例えば反力受け部材27)ど後胴部25とが連結ブラケット42により接続されるようにしている。
【0041】
次に、この第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業の手順を図10乃至図15を参照しながら説明する。
【0042】
(1)親シールド機の掘進完了および機内整理(図10)
親シールド機1の掘進が完了すると、子シールド機2の発進準備作業を行うために、まず親シールド機1の後胴部15を固定ブラケット32によってセグメント23に固定し、次いで親シールド機1のエレクタ20,張出デッキ21および付帯設備等を撤去する。そして、親シールド機1のシールドジャッキ22を取り外して回収する。なお、これら作業の支障とならないように、泥水ホース等は一時的に切り離しておく。
【0043】
(2)子シールド機仮掘進▲1▼(図11)
子シールド機2用のエレクタフレーム33を搬入し、旋回リング31に接続し、次いでリングガーダ19における親シールド機1のシールドジャッキ22の取付孔およびそのリングガーダ19と反力受け部材27との間に止水プレート34を溶接により取り付ける。この後、コピーカッタ8および回転トルク伝達ジャッキ6を縮めて第1カッタヘッド3への動力伝達を断ち切り、送泥管11および排泥管12の泥水ホース等を後方設備と連結する。次に、連結ブラケット42にて子シールド機2のシールドジャッキ28先端もしくは親シールド機1(例えば反力受け部材27)と後胴部25と接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して所定量(前胴部26の摺動長に対するシールドジャッキ28のストロークの不足分だけ)前進させる。
【0044】
(3)子シールド機仮掘進▲2▼,テールシールリング接続(図12)
連結ブラケット30により子シールド機2の前胴部26と後胴部25とを仮接続し、連結ブラケット42を取り外す。そして、この連結ブラケット30により子シールド機2の前胴部26と後胴部25とを接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2を親シールド機1に対して更に前進させ、子シールド機2の後方にテールシールリング35の取付スペースをあける。このとき1リング分のセグメント組立スペースも確保する。次いで、子シールド機2のテールシールリング35を例えば3分割して搬入し、このテールシールリング35を子シールド機2の後胴部25の後端部に溶接により取り付ける。なお、この溶接作業中においては、作業に干渉しないシールドジャッキ28で子シールド機2を支持することによりバックリングを防止する。
【0045】
(4)セグメント組立,スプレッダ取付(図13)
1リング分のセグメント23’を組み立てる。この際、シールドジャッキ28先端のスペーサ41を取り外し、このシールドジャッキ28先端にスプレッダ36を取り付ける。そして、このスプレッダ36の先端にローリングストツパ37(セグメント23’のリブ等に引っかけるストツパ)を取り付け、仮掘進中の子シールド機2のローリングを防止する。次に、子シールド機2のシールドジャッキ28先端(もしくはセグメント23’前端部)と後胴部25とを連結ブラケット38で仮接続し、後胴部25と前胴部26とを接続している連結ブラケット30を取り外す。
【0046】
(5)子シールド機仮掘進▲3▼,子シールド機発進準備完了(図14)
連結ブラケット38で子シールド機2のシールドジャッキ28先端(もしくはセグメント23’前端部)と後胴部25とを接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して所定量(前胴部26が伸びきるまで(約1リング分に相当))前進させる。次いで、前胴部26の伸長量が所定量になった時点でシールドジャッキ28の作動を停止し、子シールド機2の前胴部26と後胴部25とを連結ブラケット39で本付け接続し、更に前胴部26と後胴部25とを全周にわたって止水溶接する。そして、前記連結ブラケット38を取り外す。この後、ローリングストツパ37を取り外し、2リング目のセグーメント23’を組み立てる。
【0047】
(6)子シールド機本掘進(図15)
セグメント23’の前端面に推進反力を取りながら子シールド機2を掘進させる。そして、子シールド機2が親シールド機1から完全に抜け出た後、子シールド機2のセグメント23’と親シールド機1との間にモルタル40等を注入する。
【0048】
(第3実施例)
本発明の第3実施例に係る親子シールド掘進機の部分縦断面図が図16に示されている。前述の第1実施例および第2実施例では、子シールド機2の仮掘進時にその子シールド機2のテールシールリング35を接続するものとしたが、このテールシールリング35は本実施例に示されているように初めから装着しておくことができる。このようにテールシールリング35を初めから装着しておくと、機長は長くなるけれども、このテールシールリング35の搬入・接続作業が不要となるので子シールド機2の発進作業が簡単になる。
【0049】
次に、この第3実施例の親子シールド掘進機による掘削作業の手順を説明する。なお、この作業手順は図示省略しているが図3乃至図8の符号を用いて説明することとする。
【0050】
(1)親シールド機の掘進完了および機内整理
親シールド機1の掘進が完了すると、子シールド機2の発進準備作業を行うために、まず親シールド機1の後胴部15を固定ブラケット32によってセグメント23に固定し、次いで親シールド機1のエレクタ20,張出デッキ21および付帯設備等を撤去する。そして、親シールド機1のシールドジャッキ22を取り外して回収する。なお、これら作業の支障とならないように、泥水ホース等は一時的に切り離しておく。
【0051】
(2)子シールド機仮掘進
子シールド機2用のエレクタフレーム33を搬入し、旋回リング31に接続し、次いでリングガーダ19における親シールド機1のシールドジャッキ22の取付孔およびそのリングガーダ19と反力受け部材27との間に止水プレート34を溶接により取り付ける。この後、コピーカッタ8および回転トルク伝達ジャッキ6を縮めて第1カッタヘッド3への動力伝達を断ち切り、送泥管11および排泥管12の泥水ホース等を後方設備と連結する。子シールド機2のシールドジャッキ28先端もしくは親シールド機1(例えば反力受け部材27)と後胴部25とを連結ブラケット38で接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して所定量(前胴部26が伸びきるまで(約1リング分に相当))前進させる。
【0052】
(3)子シールド機の前後胴接続,セグメント組立,スプレッダ取付
前胴部26の伸長量が所定量になった時点でシールドジャッキ28の作動を停止し、子シールド機2の前胴部26ど後胴部25とを連結ブラケット39で本付け接続し、更に前胴部26と後胴部25とを全周にわたって止水溶接する。そして、前記連結ブラケット38を取り外す。この後、1リング分のセグメント23’を組み立てる。この際、シールドジャッキ28先端のスペーサ29を取り外し、このシールドジャッキ28先端にスプレッダ36を取り付ける。そして、このスプレッダ36の先端に必要に応じてローリングストツパ37を取り付け、掘進中の子シールド機2のローリングを防止する。
【0053】
(4)子シールド機本掘進
セグメント23’の前端面に推進反力を取りながら子シールド機2を掘進させる。そして、子シールド機2が親シールド機1から完全に抜け出た後、子シールド機2のセグメント23′と親シールド機1との間にモルタル40等を注入する。
【0054】
本実施例において、子シールド機2のシールドジャッキ28の先端部のスペーサ29の代わりに初めからセグメント23’を組み込んでおくこともできる。こうすることで、前述の(3)におけるスペーサ29の取り外し作業が不要となり、全体として作業を簡易化することができる。
【0055】
(第4実施例)
本実施例では、前胴部26の摺動長を長くして機長を短くするとともに、テールシールリング35の搬入・接続作業を不要にするために、第3実施例のようにテールシールリング35を初めから装着しておくものにおいて、前胴部26を2回に分けてストロークさせるように構成したものである。
【0056】
次に、この第4実施例の親子シールド掘進機による掘削作業の手順を説明する。なお、この作業手順についても図示省略しているが図10乃至図15の符号を用いて説明することとする。
【0057】
(1)親シールド機の掘進完了および機内整理
親シールド機1の掘進が完了すると、子シールド機2の発進準備作業を行うために、まず親シールド機1の後胴部15を固定ブラケット32によってセグメント23に固定し、次いで親シールド機1のエレクタ20,張出デッキ21および付帯設備等を撤去する。そして、親シールド機1のシールドジャッキ22を取り外して回収する。なお、これら作業の支障とならないように、泥水ホース等は一時的に切り離しておく。
【0058】
(2)子シールド機仮掘進▲1▼
子シールド機2用のエレクタフレーム33を搬入し、旋回リング31に接続し、次いでリングガーダ19における親シールド機1のシールドジャッキ22の取付孔およびそのリングガーダ19と反力受け部材27との間に止水プレート34を溶接により取り付ける。この後、コピーカッタ8および回転トルク伝達ジャッキ6を縮めて第1カッタヘッド3への動力伝達を断ち切り、送泥管11および排泥管12の泥水ホース等を後方設備と連結する。次に、連結ブラケット42にて子シールド機2のシールドジャッキ28先端もしくは親シールド機1(例えば反力受け部材27)と後胴部25と接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して伸ばしながら子シールド機2を約1リング分前進させる。
【0059】
(3)セグメント組立,スプレッダ取付
連結ブラケット42を取り外した後、1リング分のセグメント23’を組み立てる。この際、シールドジャッキ28先端のスペーサ41を取り外し、このシールドジャッキ28先端にスプレッダ36を取り付ける。そして、このスプレッダ36の先端にローリングストッパ37 (セグメント23’のリブ等に引っかけるストッパ)を取り付け、仮掘進中の子シールド機2のローリングを防止する。次に、子シールド機2のシールドジャッキ28先端もしくはセグメント23’前端部と後胴部25とを連結ブラケット38で仮接続する。
【0060】
(4)子シールド機仮掘進▲2▼,テールシールリング接続
連結ブラケット38で子シールド機2のシールドジャッキ28先端(もしくはセグメント23’前端部)ど後胴部25とを接続したまま、シールドジャッキ28を作動させて子シールド機2の前胴部26を後胴部25に対して伸長させながら、子シールド機2を所定量(前胴部26が伸びきるまで)更に前進させる。次いで、前胴部26の伸長量が所定量になった時点でシールドジャッキ28の作動を停止し、子シールド機2の前胴部26と後胴部25とを連結ブラケット39で本付け接続し、更に前胴部26と後胴部25とを全周にわたって止水溶接する。
そして、前記連結ブラケット38を取り外す。
【0061】
(5)子シールド機仮掘進▲3▼,子シールド機発進準備完了
子シールド機2を更に前進させ、2リング目のセグメントスペースを確保する。この後、ローリングストツパ37を取り外し、2リング目のセグメント23’を組み立てる。
【0062】
(6)子シールド機本掘進
セグメント23’の前端面に推進反力を取りながら子シールド機2を掘進させる。そして、子シールド機2が親シールド機1から完全に抜け出た後、子シールド機2のセグメント23’と親シールド機1との間にモルタル40等を注入する。
【0063】
(第5実施例)
前記第1実施例乃至第4実施例においては親シールド機1の胴部を中折れ式にしたものについて説明したが、直線状のトンネルのみを掘削するシールド掘進機の場合には、この親シールド機1を中折れ式にする必要はない。そして、このように親シールド機1を中折れ式にしない場合には、図17に示されているように、この親シールド機1の前胴部16側に設けられる反力受け部材27が不要となり、直接親シールド機1のリングガーダ19により推進反力を受けることが可能となる。したがって、全体として機長を短くすることができる。この場合の掘削作業の手順は中折れ式の場合の手順とほぼ同様であるので詳細な説明は省略することとする。なお、本実施例の場合、リングガーダ19と反力受け部材27との間に設ける止水プレート34は不要となる。
【0064】
前述の各実施例においては、泥水式シールド掘進機に適用したものについて説明したが、本発明は、土圧式シールド掘進機に対しても適用できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の第1実施例に係る親子シールド掘進機の縦断面図である。
【図2】
図2は、第1実施例の親子シールド掘進機の正面図である。
【図3】
図3は、第1実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲1▼である。
【図4】
図4は、第1実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲2▼である。
【図5】
図5は、第1実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲3▼である。
【図6】
図6は、第1実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲4▼である。
【図7】
図7は、第1実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲5▼である。
【図8】
図8は、第1実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲6▼である。
【図9】
図9は、本発明の第2実施例に係る親子シールド掘進機の縦断面図である。
【図10】
図10は、第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲1▼である。
【図11】
図11は、第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲2▼である。
【図12】
図12は、第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲3▼である。
【図13】
図13は、第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲4▼である。
【図14】
図14は、第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲5▼である。
【図15】
図15は、第2実施例の親子シールド掘進機による掘削作業手順を示す説明図▲6▼である。
【図16】
図16は、本発明の第3実施例に係る親子シールド掘進機の部分縦断面図である。
【図17】
図17は、本発明の第5実施例に係る親子シールド掘進機の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 親シールド機
2 子シールド機
14 テールシール
15 後胴部(親シールド機)
16 前胴部(親シールド機)
17 接続部材
18 アーテ,イキュレートジャッキ
19 リングガーダ
22 シールドジャッキ(親シールド機用)
23 セグメント(親シールド機用)
23’ セグメント(子シールド機用)
25 後胴部(子シールド機)
26 前胴部(子シールド機)
27 反力受け部材
28 シールドジャッキ(子シールド機用)
29,41 スペーサ
30,38,39,42 連結ブラケット
35 テールシールリング
 
訂正の要旨 [2]訂正の内容
特許請求の範囲を減縮し、併せて不明瞭な記載を釈明することを目的として、明細書を次のように訂正する。
(1)明細書の【特許請求の範囲】の欄め請求項1を削除する。
(2)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第5行(本件特許公報第1欄第7行)に、「【請求項2】」とあるのを、「【請求項1】」と訂正する。
(3)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第5行〜第6行(本件特許公報第1欄第8行)に、「組み合わせてなる」とあるのを、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正する。
(4)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第9行(本件特許公報第1欄第12行)に、「【請求項3】」とあるのを、「【請求項2】」と訂正する。
(5)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第12行(本件特許公報第2欄第2行)に、「請求項2」とあるのを、「請求項1」と訂正する。
(6)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第14行(本件特許公報第2欄第4行)に、「【請求項4】」とあるのを、「【請求項3】」と訂正する。
(7)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第18行(本件特許公報第2欄第10行)に、「請求項3」とあるのを、「請求項2」と訂正する。
(8)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第20行(本件特許公報第2欄第12行)に、「【請求項5】」とあるのを、「【請求項4】」と訂正する。
(9)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第23行(本件特許公報第3欄第1行)に、「請求項1乃至4」とあるのを、「請求項1乃至3」と訂正する。
(10)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第24行(本件特許公報第3欄第3行)に、「【請求項6】」とあるのを、「【請求項5】」と訂正する。
(11)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第26行(本件特許公報第3欄第6行)に、「請求項5」とあるのを「請求項4」と訂正する。
(12)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第27行(本件特許公報第3欄第8行)に、「【請求項7】」とあるのを、「【請求項6】」と訂正する。
(13)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第28行(本件特許公報第3欄第9行)に、「請求項1乃至6」とあるのを、「請求項1乃至5」と訂正する。
(14)明細書の【特許請求の範囲】の欄の請求項8を削除する。
(15)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第38行(本件特許公報第3欄第23行)に、「【請求項9】」とあるのを、「【請求項7】」と訂正する。
(16)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第38行〜第39行(本件特許公報第3欄第24行)に、「組み合わせてなる」とあるのを、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正する。
(17)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第47行(本件特許公報第3欄第35行)に、「【請求項10】」とあるのを、「【請求項8】」と訂正する。
(18)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第52行(本件特許公報第3欄第39行)に、「請求項9」とあるのを、「請求項7」と訂正する。
(19)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第53行(本件特許公報第3欄第41行)に、「【請求項11】」とあるのを、「【請求項9】」と訂正する。
(20)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第55行(本件特許公報第3欄第44行〜同第45行)に、「請求項10」とあるのを、「請求項8」と訂正する。
(21)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第57行(本件特許公報第3欄第46行)に、「【請求項12】」とあるのを、「【請求項10】」と訂正する。
(22)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第60行(本件特許公報第4欄第1行)に、「請求項10または11」とあるのを、「請求項8または9」と訂正する。
(23)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第62行(本件特許公報第4欄第2行)に、「【請求項13】」とあるのを、「【請求項11】」と訂正する。
(24)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第66行(本件特許公報第4欄第8行〜同第9行)に、「請求項10乃至12」とあるのを、「請求項8乃至10」と訂正する。
(25)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第68行(本件特許公報第4欄第10行)に、「【請求項14】」とあるのを、「【請求項12】」と訂正する。
(26)明細書の【特許請求の範囲】の欄の第71行(本件特許公報第4欄第14行〜同第15行)に、「請求項10乃至12」とあるのを、「請求項8乃至10」と訂正する。
(27)明細書の段落番号【0001】の欄の第2行(本件特許公報第4欄第19行)に、「組み合わせてなる」とあるのを、「組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な」と訂正する。
(28)明細書の段落番号【0010】の欄の第1行〜段落番号【0011】の欄の第6行く本件特許公報第6欄第6行〜同第37行)に、「前記目的を達成するために、……このような親子シールド掘進機において、」とあるのを、次のように訂正する。
「前記目的を達成するために、本発明による親子シールド掘進機は、大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機において、前記子シールド機を、後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造とすることを特徴とするものである。
【0011】
このような親子シールド掘進機において、」
(29)明細書の段落番号【0017】の欄の第1行〜段落番号【0018】の欄の第11行(本件特許公報第8欄第25行〜同第9欄第13行)に、「次に、本発明によるシールド工法は、……本発明のシールド工法において、」とあるのを、次のように訂正する。
「次に、本発明によるシールド工法は、大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなり、子シールド機単独で発進可能な親子シールド掘進機を用いるシールド工法であって、
後胴部とその後胴部に対してテレスコピック状に伸長可能な前胴部とを有する二重構造の子シールド機を用い、
前記親シールド機と前記子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して縮めた状態で掘進を行い、
前記子シールド機を単独で掘進する際にはその子シールド機の前胴部を後胴部に対して所定の機長まで伸長させてその子シールド機の掘進を行うことを特徴とするものである。
【0018】
本発明のシールド工法において、」
異議決定日 1999-06-18 
出願番号 特願平7-179142
審決分類 P 1 651・ 121- YA (E21D)
P 1 651・ 561- YA (E21D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中槙 利明  
特許庁審判長 砂川 克
特許庁審判官 櫻井 義宏
青山 待子
登録日 1997-09-05 
登録番号 特許第2693137号(P2693137)
権利者 横浜市 株式会社小松製作所
発明の名称 親子シールド掘進機およびそれを用いるシールド工法  
代理人 佐藤 孝雄  
代理人 井上 勉  
代理人 井上 勉  
代理人 井上 勉  

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