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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G03B
管理番号 1007476
異議申立番号 異議1999-71400  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-04-14 
確定日 1999-11-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2813041号「投影表示装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2813041号の特許を維持する。 
理由 1、手続きの経緯
本件特許第2813041号の発明は、平成2年7月2日に特許出願され、平成10年8月7日にその特許の設定登録がなされ、その後、有限会社オフィスアテナより特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年9月7日に訂正請求がなされたものである。
2、訂正の適否についての判断
(1)訂正の要旨
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1を以下のように訂正する。
「表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置において、表示素子からスクリーンに至る光学系の途中に通常の光学系を加え、電圧の印加または遮断により透過光の偏光方向を旋回できる1枚以上の液晶パネルと、入射する光が特定の方向に偏光されているとき透過光が入射光の延長線上からずれを生じさせる複屈折効果を有する1枚以上の透明板と、前記の液晶パネルヘの駆動電圧の印加または遮断する手段と、前記液晶パネルヘの駆動電圧の印加、遮断に応じて、1枚のフレーム画像から水平または垂直、あるいは両方向に画素を間引いた複数の画像を順次、前記表示素子に入力させる手段を設け、投影画像をスクリーン上でスクリーン上における画素ピッチの範囲内で多段階に上下、左右方向、斜め方向、あるいは上下左右方向にシフトを行うことを特徴とする投影表示装置。」
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮に該当し、そして、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(3)独立特許要件の判断
(引用刊行物)
刊行物1 特開平 1-251081号公報
刊行物2 特開昭61-251819号公報
上記刊行物1には、以下のような発明が記載されている。即ち、
「本発明は透過型又は反射型マトリックス液晶パネルをライトバルブとして用いた液晶映像投射装置に関する。」(公報第1頁右欄第1行〜第3行)。
「そのため、本発明は1フィールド分表示用の液晶ライトバルブを用い、奇数,偶数双方のフィールドともに同一画素に表示させ、それによって得られる各フィールドの映像をスクリーン上で半画素分または1画素分ずらして、インタレースさせることを特徴とするものである。従って、本発明では液晶ライトバルブ自体または液晶ライトバルブを透過した光をスクリーン上での縦方向に振動させることになるが、この振動は入力ビデオ信号中の垂直同期信号に同期させて30Hzで振動する振動装置を用いればよい。」(公報第2頁右下欄第14行〜第3頁左上欄第4行)。
「第1図が本発明の一実施例の液晶映像投射装置を示すものであるが、・・・1フィールド毎に映像を書き直して表示する。
上記振動装置8は液晶ライトバルブ3に連結してこれを振動させるもので、入力されるビデオ信号の垂直同期信号に同期して30Hzで上下に振動する。その振動方向は表示画像の奇数フィールドでは上に、偶数フィールドでは下にあるように振動させる。振動の振幅は1画素の縦方向の大きさの約半分とされている。・・・圧電振動素子のようなものを用いるのが望ましい。
上記のように液晶ライトバルブ3は1フィールド分の表示能力しかないがこれを第2図のように振動させると、これを透過してスクリーン1上に映された映像は、奇数フィールドと偶数フィールドとで映像がずれて映される。即ち、インターレースによる映像と同様の映像となる。・・・
第3図は他の実施例を示すものであり、液晶ライトバルブ3を振動させずに、これと投射レンズ2との間にミラー9を配置し、このミラー9で一旦反射させて投射レンズ2を通してスクリーンへ投射するようにし、このミラー9を振動装置8で振動させることにより液晶ライトバルブ3を透過した絵自体を前記同様に振動させるようにしたものである。
第4図は液晶ライトバルブの他の実施例を示すものであり、1水平走査線毎に遮光層10を設けたものである。これを用いて1画素分の振幅で振動させれば通常のインターレース表示と同様の垂直解像度を得ることができる。」(公報第3頁左上欄第18行〜左下欄第16行)。
なる各記載事項があり、該記載事項と図面の第1図〜第6図の記載からして、
「液晶ライトバルブに表示された映像を投射レンズによりスクリーン上に拡大投射する液晶映像投射装置において、液晶ライトバルブもしくは液晶ライトバルブと投射レンズ間に配置された反射ミラーを所定の振幅で振動させて、投射映像をスクリーン上で半画素分又は1画素分振動させるようにした液晶映像投射装置」。
なる発明が記載されている。
上記刊行物2には、以下のような発明が記載されている。即ち、
「対像物の像を形成する結像光学系と、複数の絵素から成る受光面とを有する受像部材と、液晶光偏向器とを具えたことを特徴とする像形成光学系。」(特許請求の範囲)。
「本発明は、イメージガイドの端面,CCD(固体撮像素子),撮像管など複数の画素を幾何学的パターン状に配列してなる像形成部を含む像形成光学系に関するものである。」(公報第1頁左欄第10行〜第13行)。
「第1図は第一実施例の光学系を示しており、・・・4,4は対物レンズ1とイメージガイド2の入射端面との間及びイメージガイド2の出射端面と接眼レンズ3との間において各端面と同一の光軸上に夫々対称的に配置された一対の液晶光偏向器であって、この液晶光偏向器4は図示の如き偏光方向(紙面と平行な方向)を有する偏光板5とツイストネマチック型の液晶セル6と図示の如き結晶軸方向(紙面と平行な方向)を有する水晶板等の複屈折板7とを順次配置して成るものである。そして、液晶セル6の透明電極6a,6aに印加される電圧がOFFの時は第2図(A)に示した如く偏光板5を透過した直線偏光(偏光方向が紙面と平行)が液晶セル6を透過する時にその偏光方向が90°回転せしめられ紙面と垂直な方向になるので、続いて複屈折板7を透過しても屈折されず最初と同じ光路上に出射され、液晶セル6の透明電極6a,6aに印加される電圧がONの時は第2図(B)に示した如く偏光板5を透過した直線偏光が液晶セル6を透過してもその偏光方向が変化せず紙面と平行なままなので、続いて複屈折板7を透過する時に屈折されて最初の光路から例えばΔだけずれた光路上に出射されるようになっている。」(公報第2頁左上欄第10行〜右上欄第18行)。
「液晶セル6,6への印加電圧のON-OFFを肉眼の残像時間よりも短い間隔で繰り返せば、あたかもイメージガイド2の断面全体を通過する光による像を観察することになり解像力が大幅に向上する。」(第3頁左上欄第10行〜第14行)。
「第9図は第四実施例を示しており、これは上記液晶光偏向器10を対物レンズ(撮影レンズ)1とCCD13との間に配置し、信号処理回数14を液晶光偏向器10の駆動電源と同期させながらテレビモニター15上に画像を表示するようにしたものである。この場合CCD13の画素のピッチをQとすると、ΔはQのおよそ1/2以上とすれば良い。従って、CCD13の受光エレメント以外の部分に入射しようとする光もΔの走査により受光エレメントに入射するようになり、この時テレビモニター15に表示される像をΔだけずらしてやれば、上記光による像もテレビモニター15上に表示されるので、解像力が大幅に向上する。」(公報第4頁左上欄第12行〜右上欄第5行)。
「第16図は第十実施例の液晶光偏向器24を示しており、この液晶光偏向器14は上記第四実施例の液晶光偏向器10を二個各結晶軸を含む面が互いに直交又は斜交するように配置してX-Y走査を可能にしたものである。その走査は例えば第17図に示した如き順序で行う。又、この液晶光偏向器24を第9図に示した如きテレビ装置に適用し、上記走査に同期してテレビモニター上の像を第18図に示した如き順序でずらしてやれば、解像力が一層向上した像が得られる。」(公報第5頁左上欄第9行〜第18行)。
なる各記載事項があり、該記載事項と図面の第1図〜第21図の記載からして、
「像形成光学系において、液晶セルと複屈折板を備えた液晶光偏向器により入射画像の光路を所定のずれ幅において振動させて出射画像の解像度を向上させる構成」。
が記載されている。
(対比、判断)
訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)と、当審で引用した上記刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明には、本件発明を特定する事項である、表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置において「液晶パネルヘの駆動電圧の印加、遮断に応じて、1枚のフレーム画像から水平または垂直、あるいは両方向に画素を間引いた複数の画像を順次、表示素子に入力させる手段を設け」とした点の構成については記載されておらず、しかも、この点の構成は刊行物1に記載された発明のものから自明の構成ではなく、また刊行物1に記載された発明に刊行物2に記載された発明を適用しても容易に導き出せるものでもない。即ち、刊行物2に記載された発明は撮像(画像入力)技術に関するものであり、本件発明のような映像投影(画像出力)に関する技術ではなく、像形成光学系において、その出射画像の解像度を向上させるために液晶セルと複屈折板を備えた液晶光偏向器を用いて入射画像の光路を所定のずれ幅において振動させるようにした点が示されているに止まり、本件発明の上記の点の構成を備えるものではなく、またこの点の構成については何らの示唆すらされてはいないのであるから、刊行物1に記載された発明に刊行物2に記載された発明を如何様に適用しても上記の点の構成は導き出せるものではない。
そして、本件発明は上記の点の構成を備えることにより本件訂正明細書に記載の本件発明に特有の作用効果を奏するものである。
してみれば、上記の点の構成を備えた本件発明は、上記刊行物1に記載された発明及び上記刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
また、他に本件発明について、独立して特許を受けることができないとする理由は発見しない。
よって、本件発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
(4)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で規定する訂正について、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定により、なお従前の例によるとされる、改正前の特許法第126条第1項ただし書き、同条第2項及び同条第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3、特許異議の申立てについての判断
(1)異議申立ての理由の概要
異議申立人有限会社オフィスアテナは下記の証拠を提出し、以下のように主張している。
本件特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、下記の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、該発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり取り消されるべきものである。
証拠
甲第1号証刊行物 特開平 1-251081号公報
甲第2号証刊行物 特開昭61-251819号公報
(2)異議申立人の主張についての検討
イ、証拠として提出された甲第1号証及び甲第2号証刊行物に記載された発明
異議申立人有限会社オフィスアテナの提出した甲第1号証刊行物(上記刊行物1に相当)及び甲第2号証刊行物(上記刊行物2に相当)には、それぞれ、前記2-(3)の「独立特許要件の判断」における「(引用刊行物)」の項において述べたとおりの発明が記載されている。
ロ、対比・判断
本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(本件発明)と異議申立人が提出した甲第1号証及び甲第2号証刊行物に記載された発明との「対比・判断」については、前記2-(3)の「独立特許要件の判断」の項において述べたとおりであり、本件発明は上記甲第1号証及び甲第2号証刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反するものではない。
(3)以上のとおりであるから、本件発明の特許、即ち、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の特許は、異議申立人有限会社オフィスアテナの主張した理由及び証拠によっては取り消すことはできない。
また、他に本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
投影表示装置
(57)【特許請求の範囲】
表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置において、表示素子からスクリーンに至る光学系の途中に通常の光学系に加え、電圧の印加または遮断により透過光の偏光方向を旋回できる1枚以上の液晶パネルと、入射する光が特定の方向に偏光されているとき透過光が入射光の延長線上からずれを生じさせる複屈折効果を有する1枚以上の透明板と、前記の液晶パネルヘの駆動電圧の印加または遮断する手段と、前記液晶パネルヘの駆動電圧の印加、遮断に応じて、1枚のフレーム画像から水平または垂直、あるいは両方向に画素を間引いた複数の画像を順次、前記表示素子に入力させる手段を設け、投影画像をスクリーン上でスクリーン上における画素ピッチの範囲内で多段階に上下、左右方向、斜め方向、あるいは上下左右方向にシフトを行うことを特徴とする投影表示装置。
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、大画面表示技術に関し、詳しくは投影表示装置による高精細画像表示技術に関する。
〔従来技術〕
従来の代表的な投影表示装置を第8図に示す。
第8図において、3は液晶パネル、4は投写レンズ系、5は光源、10はスクリーン、13は画信号線である。
液晶パネル3に通常の液晶テレビと同様に画信号を入力し画像を表示する。この液晶パネル3に表示された画像を投写レンズ系4によってスクリーン10上に投影表示する。ここで、液晶自体は光らないため、液晶パネル3の後部に光源5を配置する。投影表示装置では表示素子上に表示された画像を投写レンズ系4により拡大投影するため大面積表示が可能である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の投影表示装置では、解像度が低いという問題がある。
すなわち、投影画像の解像度は、液晶パネル3の画素数により決まる。液晶テレビのように、液晶パネル3上に表示した画像を直接見る場合は画面サイズが小さいため、現在の液晶パネルの画素数でも十分高精細な画像として見ることができる。しかし、投影表示装置では、液晶パネル3に表示された画像をスクリーン10上に拡大投影して見るため、スクリーン10上での画素密度は低くなり、低解像度の画像となってしまう。現在、HDTV用の画素数を有する投影表示装置が開発されつつある。しかし、1辺が数メートル以上に及ぶ大面積上に投影する場合はこれでも画素数が不十分である。
液晶パネル3の画素数を増加するには、画素の高密度化またはパネルサイズの拡大が必要となる。しかしながら、画素の1辺は液晶の厚み以下にすることは困難であり、現在技術的に既にこの限界に近づいている。したがって、これ以上の画素の高密度化は困難である。さらに、液晶パネル3上で画素を高密度化すると開口率が小さくなり、画像が暗くなるという問題がある。
一方、パネルサイズを大きくすると製造歩留が低下するとともに光学系全体を大きくする必要があり、装置が大型化しかつ高価になる。いずれにしても、液晶パネル3の画素数を現状以上に増加することは難しく、したがって、投影画像の高精細化も困難となっている。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものである。
本発明の目的は、液晶パネルの画素数を増やすことなく投影表示された画像の高精細化を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明では、光学系を液晶パネルやレンズ等の通常の構成部品に加え、新たに光の偏光方向の制御を目的とした液晶パネルと水晶板を各々1枚以上追加した構成とする(以下では、通常の構成部品である液晶パネルを表示用液晶パネルと本発明で追加する液晶パネルを偏光方向制御用液晶パネルとよんで両者を区別する)。新たに追加する光学部品の光学系における配置方法は、全て表示用液晶パネルよりスクリーン側に配置し、その順序は表示用液晶パネル側から偏光方向制御用液晶パネル、水晶板の順とする(各2枚の時は偏光方向制御用液晶パネル、水晶板、偏光方向制御用液晶パネル、水晶体の順とする)。これらの光学部品は表示用液晶パネルからスクリーンに至る光路の途中のどこに配置してもよく、また、途中にレンズ等の他の部品が入っても差し支えない。2枚の水晶板を使用するときは光軸方向を90°ずらすことが望ましい。
〔作用〕
前述の手段によれば、通常投影表示装置に用いられている表示用液晶パネルは、液晶テレビで用いられている液晶パネルと同様に2次元状に配列された多数の画素で構成されており、ここに表示された画像をスクリーン上に投影表示する。ここで、1つの画素は、光を透過させる開口部、信号線やゲート線と呼ばれる金属配線、また、スイッチング用の薄膜トランジスタ等で構成されているが、このうち表示に寄与するのは開口部のみである。すなわち、1つの画素内には表示にとっては全く寄与できない無効領域がある。第6図はスクリーン上に投影表示された画像における1画素分の上記開口部Pと無効領域Qを示す。スクリーン上に投影された画像において、開口部Pが投影された領域は、画信号に依存した明るさとなるが、無効領域Qは常に黒のままである。
本発明は、上記手段によりこの無効領域Qを利用し、表示用液晶パネルの画素数を増やすことなく投影表示された画像の高精細化を実現するものである。
上記手段による作用の説明を簡単にするため、通常の投影表示装置の光学系に1組の偏光方向制御用液晶パネルと水晶板を追加する場合について述べる。
表示用液晶パネルを透過した光の偏光方向は、前面に張り付けられている偏光子により、一定方向に揃っている(以下、この方向をX方向とする)。この光は、次に本発明で新たに追加する偏光方向制御用液晶パネルを透過する。
ここで、液晶パネルヘの印加電圧がONのときは、透過光の偏光方向は入射光と同じである。しかし、印加電圧がOFFのときは、透過光の偏光方向は入射光に比べ90°回転した方向となる。
次に、水晶板を通過するが、光が水晶板を通過する際には複屈折現象が生じる。
この現象は、第7図に示すように、偏光方向がある方向の光は直進させ、これに対し90°偏光方向が異なる光は透過光と入射光の間にシフトが生じる。前者の光は常光線、後者は異常光線と呼ばれている。そこで、X方向に偏光された光が常光線となるように偏光板(水晶板2)の向きを選べば、偏光方向制御用液晶パネルヘの印加電圧がONのときは、光は水晶板2を直進し、印加電圧がOFFのときは、水晶板2の通過で光路がシフトする。このシフトの方向は、水晶板2の光軸方向で決まるが、ここでは仮に表示画像の水平方向とする。
以下の説明で単に水平方向または垂直方向とよぶ場合、これらの方向は表示用液晶パネルあるいはスクリーンに表示される画像における水平方向または垂直方向と同一とする。なお、光の偏光方向としてX方向とY方向を定義するが両座標系の関連性は特に明確にする必要がないので、以下の説明では独立した座標系として扱う。
光路のシフト幅は、水晶板2の厚みに依存する。ここでは、偏光方向制御用液晶パネルと水晶板2を表示用液晶パネルに密着させるかあるいは極近い位置に配置することを条件に、シフト幅が表示用液晶パネルの水平方向の画素ピッチの1/2となるよう水晶板2の厚みを選ぶ。
上記光学系の構成と複屈折現象を利用すれば、表示用液晶パネルのもつ表示能力以上の高精細画像の表示が可能となる。すなわち、水平方向の画素数が表示用液晶パネルの画素数の2倍である原画像を水平方向に1画素おきに間引いて2枚の画像に分解し、まず分解された1つの画像を第1のフィールドで表示する。このフィールドでは、偏光方向制御用液晶パネルの印加電圧はONとする。
これにより光は直進するため通常の液晶投影表示装置と同様に表示される。次に、第2のフィールドでは第1のフィールドで間引された残りの画像を表示する。この第2のフィールドでは、偏光方向制御用液晶パネルの印加電圧をOFFにする。この結果、水晶板2の通過により表示用液晶パネルの画素ピッチの1/2に等しい距離だけ光路のシフトが生じる。このシフト幅は、スクリーン上においては画像の拡大と同率で拡大されるため、第2のフィールドでは、第1のフィールドとは水平方向に画素ピッチの1/2だけシフトした位置に画像が表示される。すなわち、第1のフィールドでの無効領域Qを埋めるかたちで第2のフィールドの画像が表示される。この画像は、第1フィールドで1画素おきに間引かれた残りの画像であり、かつ、水平方向に画素ピッチの1/2だけずれた第1のフィールドでの無効領域Qに表示されるため、第1及び第2のフィールドによる表示で高精細な原画像の表示が可能となる。
上記方法では1枚の画像を2枚のフィールドに分け時分割で表示することになるが、フレーム周期を人間の目の残像期間より十分短くすることにより原画像と同様に高精細な画像として見ることが可能となる。
ちなみに、従来の投影表示装置では、上記のように画素数が表示用液晶パネルの画素数の2倍の高精細な画像を入力しても投影表示される画像の画素数は、結局、表示用液晶パネルの画素数と同じになってしまうため高精細な画像として表示することはできない。
以上のように、本発明によると、液晶投影表示装置において表示用液晶パネルのもつ表示能力の2倍以上の高精細画像の表示が可能となる。
以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
〔実施例1〕
第1図は、本発明の投影表示装置の実施例1の概略構成を示すブロック図である。
第1図において、1は偏光方向制御用液晶パネル、2は水晶板、3は表示用液晶パネル、4は投写レンズ系、5は光源、61および62は表示用液晶パネル3の画素数と同一の容量をもつフレームメモリ、7は分配器、8は同期信号発生器、9は偏光方向制御液晶パネル1の駆動電圧発生器、10はスクリーンである。
表示用液晶パネル3は画素数がm×nで画素ピッチが水平、垂直ともに一般的な値である50μmとする。
一方、偏光方向制御用液晶パネル1は、透過光の偏光方向を制御するだけが目的であるため、多数の画素で構成されている表示用液晶パネル3のように複数のセルはもたず、両側のガラス基板に全面に透明電極を形成し、パネル中に1つのセルのみをもつ構造とする。そして、このセルがパネル周辺を除く大部分を占める形状となっている。
偏光方向制御用液晶パネル1に用いた液晶は、ねじれネマッティク型を使用する。このタイプの液晶は、印加電圧がONのとき、液晶の分子長軸は、電界方向に配列するため、入射した光は、偏光方向を変えることなく通過する。一方、印加電圧がOFFのときは、液晶中の電界が無くなり、液晶分子は長軸が90°ねじれたツイスト配列となり、液晶パネルを通過する光の偏光方向は90°変化する。
水晶板2は、光学軸と研磨面のなす角(方向角)が45°のものとする。光軸の方向は、光路が水平方向にシフトする方向に向ける。また、水晶板2の板厚は、4.2mmとする。この厚さの水晶板2では、光路のシフト幅は25μmとなり、本実施例1で使用した表示用液晶パネル3の画素ピッチのちょうど1/2となる。偏光方向制御用液晶パネル1は駆動電圧発生器9からの駆動パルスにより駆動する。
以下、本実施例1において、上記光学系によりイメージをシフトさせ、高精細な画像を表示する方法を第1図及び第2図を用いて説明する。
本実施例1では、1画面(1フレーム)を2つの画像(フィールド)に分割して表示する。このため、第1図に示すように、まず、画信号を分配器7により2つの画像に分割し、それぞれの画像をフレームメモリ61および62に書き込む。この分割方法は、画信号をVij(i=1〜m、j=1〜2n)で表すと、水平方向に1画素おきの奇数番目の画信号を間引いた画信号V1ij(i=1〜m、j=1,3,5・・・・2n-1)をフレームメモリ61に書き込み、一方、奇数番目の画信号を間引いた画信号V1ij(i=1〜m、j=2,4,6・・・・2n)をフレームメモリ62に書き込む。そして第1のフィールドでフレームメモリ61から画信号V1を表示用液晶パネル3へ送り表示する。
そして、このフィールドでは偏光方向制御用液晶パネル1への印加電圧をONとする。この場合、上記のように光は、この偏光方向制御用液晶パネル1中を直進するため、通常の表示と同様に表示用液晶パネル3に表示された画像がスクリーン上に投影表示される。
次に、第2のフィールドでは、フレームメモリ62から画信号V2を表示用液晶パネル3への印加電圧をOFFとする。この場合、光はこの表示用液晶パネル3中で、水平方向に表示用液晶パネル3の1/2画素ピッチに等しい距離だけシフトする。したがって、スクリーン上に投影表示される画像も第1のフィールドで表示された画像に比べ水平方向に1/2画素だけずれた位置に表示される。上記第1及び第2のフィールドにおいて、表示用液晶パネル3の開口部がスクリーン上での投影される位置を第2図(a)及び(b)にそれぞれ示す。
第2図において、Pijは表示パネル上の各画素の開口部が投影される領域であり、Qは無効領域を示す。
第2図(c)には、1画素分の開口部の位置関係を示し、Aは第1のフィールドで開口部が投影される位置、Bは第2のフィールドで開口部が投影される位置を示す。第1及び第2のフィールドで表示された画像を合成すれば、第2図(d)に示すように、元の画信号Vijによる高精細な画像となる。ここでは、分割した画像を時分割で表示することになるが、通常のTV画像の1フレーム期間(1/30sec)程度の短時間内に2つのフィールド画像を表示すれば人間の目の残像効果により1枚の高精細な画像として見ることができる。
従来の投影表示装置では、表示用液晶パネル3の画素数で決まる解像度でしか表示することができなかったが、上述のように、本実施例1によれば、水平解像度を表示用液晶パネル3の画素数で決まる解像度の2倍の解像度で表示することが可能である。また、フレームメモリ61,62への書き込み、読み出しを1フレーム期間内に行うことにより動画の表示も可能である。
〔実施例2〕
本実施例2の光学系の構成は、上記実施例1と同じとする。ただし、本実施例2では、光路のシフト方向を斜め45°下方とする。
本実施例2は、1フレームを2つのフィールドに分割して表示する。このため実施例1と同様に画信号を分配器7により2つの画像に分割し、それぞれの画像をフレームメモリ61および62に書き込むが、ここでは奇数ラインをメモリ61に偶数ラインをメモリ62に書き込む。ただし、メモリ62に書き込む画信号は、ディジタル化のためのサンプリングを1/2画素に相当する分だけ位相をずらして行う。そして、実施例1と同様にして第1のフィールドでフレームメモリ61から画信号V1を表示用液晶パネル3へ送り表示する。このフィールドでは、偏光方向制御用液晶パネル1への印加電圧をONとする。
次に、第2のフィールドでは、フレームメモリ62から画信号V2を表示用液晶パネル3へ送り表示する。このフィールドでは偏光方向制御用液晶パネル1への印加電圧をOFFとする。この場合、光はこの偏光方向制御用液晶パネル1中で、斜め下方向にシフトする。このシフト幅は1/√2画素ピッチとする。したがって、スクリーン上に投影表示される画像も第1のフィールドで表示された画像に比べ水平方向に1/2画素、かつ垂直方向にも1/2画素ずれた位置に表示される。
本実施例2の第1及び第2のフィールドにおいて、表示用液晶パネル3の開口部がスクリーン上での投影される位置を第3図(a)及び(b)にそれぞれ示す。第3図(c)には、1画素分の開口部の位置関係を示し、Aは第1のフィールドで開口部が投影される位置、Bは第2のフィールドで開口部が投影される位置を示す。
第2のフィールドで表示される奇数ラインの画信号は、サンプリグ時に1/2画素分だけ位相がずらされているため、2つのフィールドで合成される画像は、入力された画信号による高精細画像となる。この合成画像の開口部の投影位置を第3図(d)に示す。
本実施例2では、表示用液晶パネル3のもつ画素数の2倍の画素数での表示が可能であり、かつ水平方向、垂直方向ともに解像度を高めることができる。
〔実施例3〕
第4図は、本発明の投影表示装置の実施例3の概略構成を示すブロック図である。
第4図において、11,12は偏光方向制御用液晶パネル、21,22は水晶板、61〜64はフレームメモリである。
本実施例3では、実施例1で使用する同一の偏光方向制御用液晶パネル1と水晶板2を2組使用する。そして、1組の偏光方向制御用液晶パネル11と水晶板21により画像を水平方向にシフトさせ、他の1組の偏光方向制御用液晶パネル12と水晶板22により画像を垂直方向にシフトさせる。
ここで、2つの水晶板21,22は偏光方向がX方向の時はシフトが生じず、Y方向の時にそれぞれにおいての所定の方向にシフトが生じるものとする。シフト幅は、ともに1/2画素ピッチとする。
本実施例3では、1フレームを4フィールドで構成する。そのため画信号を分配器7により4つの画像に分割し、それぞれの画像をフレームメモリ61〜64に書き込む。この分割方法は、画信号をVij(i=1〜2m、j=1〜2n)で表すと、まず、奇数ラインで水平方向に1画素おき偶数番目の画信号を間引いた画信号V1ij(i=1,3・・・・2n-1、j=1,3,・・・・2n-1)をフレームメモリ61に書き込み、奇数番目の画信号を間引いた画信号V1ij(i=1,3,・・・・2n-1,j=2,4,・・・・2n)をフレームメモリ62に書き込む。次に、偶数ラインで水平方向に1画素おき偶数番目の画信号を間引いた画信号V1ij(i=2,4・・・・2n、j=1,3,・・・・2n-1)をフレームメモリ63に書き込み、奇数番目の画信号を間引いた画信号V1ij(i=2,4・・・・2n、j=2,4,・・・・2n)をフレームメモリ64に書き込む。そして第1のフイールドでフレームメモリ61から画信号V1を表示用液晶パネルへ送り表示する。このフィールドでは偏光方向制御用液晶パネル11への印加電圧(VH)と、偏光方向制御用液晶パネル12への印加電圧(VU)をともにONとし、上記2つの液晶パネル中を光を直進させる。このフィールドで表示用液晶パネル3の開口部がスクリーン上での投影される位置を第5図(a)に示す。1画素中での位置は第5図(e)のAで示す領域となる。
次に、第2のフィールドでフレームメモリ62から画信号V2を表示用液晶パネル3へ送り表示する。ここで表示される画像は、第1フィールドと同一ラインの偶数番目の画素による画像であるため、第1フィールドで表示された画像の水平方向の画素間を埋める位置に表示すればよい。
すなわち、水平方向に1/2画素ピッチだけシフトすればよい。このため、VHをOFFとし水晶板21を通過する光の偏光方向をY方向とする。また、垂直方向にはシフトさせないため、VUもOFFとして偏光方向を90°回転させ、再びX方向に戻して水晶板22を通過させる。このフィールドで表示用液晶パネル3の開口部がスクリーン上での投影される位置を第5図(b)に示す。1画素中での位置は第5図(e)のBで示す領域となる。
つづいて第3のフィールドでフレームメモリ63から画信号V3を表示用液晶パネル3へ送り表示する。ここで表示される画像は、偶数ラインの奇数番目の画素であるため、第1フィールドで表示された画像と水平方向には同じ位置に表示し、垂直方向の画素間を埋める位置に表示すればよい。
すなわち、垂直方向に1/2画素ピッチだけシフトすればよい。したがって、VHはONとして、水平方向にはシフトさせず、VUをOFFとし水晶板22を通過する光の偏光方向をY方向として垂直方向に1/2画素ピッチ分シフトさせる。このフィールドで表示用液晶パネル3の開口部がスクリーン上での投影される位置を第5図(c)に示す。1画素中での位置は第5図(e)のCで示す領域となる。
最後に、第4のフィールドでフレームメモリ64から画信号V4を表示用液晶パネル3へ送り表示する。ここで表示される画像は、偶数ラインの偶数番目の画素による画像である。したがって、第1フィールドで表示した画像に対し、水平方向、垂直方向ともに1/2画素ピッチだけシフトした位置に表示すればよい。このため、VHをOFFとして水晶板21を通過する光の偏光方向をY方向とし、水平方向に1/2画素ピッチシフトさせる。また、VUはONとして偏光方向がY方向の光をそのまま偏光方向を変えずに水晶板22を通過させ、垂直方向にも1/2画素ピッチシフトさせる。このフィールドで表示用液晶パネル3の開口部がスクリーン上での投影される位置を第5図(d)に示す。1画素中での位置は第5図(e)のDで示す領域となる。
第1〜第4の4つのフィールドで表示された画像を合成すれば、第5図(f)に示すように元の画像信号Vijによる高精細な画像となる。ここでも通常のTV画像の1フレーム期間(1/30sec)程度の短時間内に全フィールド画像を表示すれば、人間の目の残像効果により1枚の高精細な画像として見ることができる。
本実施例3では、表示用液晶パネル3のもつ画素数の4倍の画素数での表示が可能であり、かつ水平方向、垂直方向ともに解像度を高めることができる。
以上、本発明を実施例にもとづき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施例では複屈折効果を有する材料として水晶板を使用したが、複屈折効果を有する透明板であれば種類を問わず使用可能である。
また、上記実施例では水平方向あるいは垂直方向への各々の方向へはそれぞれ1組の偏光方向制御用液晶パネルと水晶板により1/2画素ピッチの画像シフトにより2倍の高解像度化を実現したが、各々の方向への画像シフトに2組の偏光方向制御用液晶パネルと水晶板を用い1組のそれらによるシフト幅を1/3画素ピッチとすれば、各々の方向に3倍の高解像度化が実現できる。そしてさらに偏光方向制御用液晶パネルと水晶板の組数を増してゆけば、各方向の解像度を4倍、5倍などと高めてゆくことも可能である。この場合、水平方向と垂直方向の解像度を同じ倍率で高める必要がなく、例えば水平方向は4倍、垂直方向は3倍にできることも明白である。
さらに、上記実施例では各フィールド毎の画像に1枚のフレームメモリを用いたが、画信号を1枚のフレームメモリに入れ、読み出し時に例えば1番地おきに読み出すなどアドレス制御しながら各フィールドにおける必要な番地の画信号を読み出す方法を用いても、本発明を実施することが可能である。
さらに、上記実施例では表示素子として液晶パネルを使用したが、画素構成により、かつ開口率が100%未満であり、投影表示装置に適用できる表示素子であれば、種類を問わず本発明の実施が可能である。
また、上記実施例では水晶板の通過による光路のシフト幅が表示用液晶パネルの画素ピッチの1/2に等しくなるよう水晶板の厚みを選んだ。これは、偏光方向制御用液晶パネルと水晶板を表示用液晶パネルの近くに配置したためである。しかし、上述のようにこれらの部品は表示用液晶パネルからスクリーンに至る光路の途中のどこに配置してもよく、また、途中にレンズ等の他の部品が入っても差し支えない。この場合水晶板の厚みはスクリーン上での表示画像のシフトが表示画像における画素ピッチの1/2になるよう選べばよい。
〔発明の効果〕
以上、説明したように、本発明によれば、表示用液晶パネルの画素数を増やすことなく投影表示画像の高精細化が可能である。
また、新たに使用する部品が液晶パネルおよび水晶板といった構造が簡単で、しかも必要なその大きさは数cmと小さいため、装置のサイズは従来の装置とほぼ同じにすることができる。
また、これらの部品は安価であり装置のコストも従来の装置とほとんど変らない。
さらに、画像のシフトを電気光学的に行い、画像シフトのために可動部を全く使用しないため信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の投影表示装置の実施例1の概略構成を示すブロック図、
第2図は、実施例1において表示用液晶パネルの開口部がスクリーン上で投影される位置を示す図、
第3図は、本発明の投影表示装置の実施例2において表示用液晶パネルの開口部がスクリーン上で投影される位置を示す図、
第4図は、本発明の投影表示装置の実施例3の概略構成を示すブロック図、
第5図は、実施例3において表示用液晶パネルの開口部がスクリーン上で投影される位置を示す図、
第6図は、スクリーン上に投影表示された液晶パネル1画素分の模式図、
第7図は、複屈折現象を説明するための説明図、
第8図は、従来の投影表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図中、1,11,12…偏光方向制御用液晶パネル、2,21,22…水晶板、3…表示用液晶パネル(液晶パネル)、4…投写用レンズ系、5…光源、61,62,63,64…フレームメモリ、7…分配器、8…同期信号発生器、9…偏光方向制御用液晶パネルの駆動電圧発生器、10…スクリーン、13…画信号線、Pij…表示パネル上の各画素の開口部が投影される領域、P…開口部、Q…無効領域。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1をその減縮を目的として以下のように訂正する。
「表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリーン上に拡大投影する投影表示装置において、表示素子からスクリーンに至る光学系の途中に通常の光学系を加え、電圧の印加または遮断により透過光の偏光方向を旋回できる1枚以上の液晶パネルと、入射する光が特定の方向に偏光されているとき透過光が入射光の延長線上からずれを生じさせる複屈折効果を有する1枚以上の透明板と、前記の液晶パネルヘの駆動電圧の印加または遮断する手段と、前記液晶パネルヘの駆動電圧の印加、遮断に応じて、1枚のフレーム画像から水平または垂直、あるいは両方向に画素を間引いた複数の画像を順次、前記表示素子に入力させる手段を設け、投影画像をスクリーン上でスクリーン上における画素ピッチの範囲内で多段階に上下、左右方向、斜め方向、あるいは上下左右方向にシフトを行うことを特徴とする投影表示装置
異議決定日 1999-10-19 
出願番号 特願平2-175781
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G03B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 越河 勉  
特許庁審判長 森 正幸
特許庁審判官 柏崎 正男
綿貫 章
登録日 1998-08-07 
登録番号 特許第2813041号(P2813041)
権利者 日本電信電話株式会社
発明の名称 投影表示装置  
代理人 澤井 敬史  
代理人 澤井 敬史  

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