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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1007481
異議申立番号 異議1998-70995  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-03-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-02-27 
確定日 1999-11-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2646905号「真空処理装置およびその運転方法」の請求項1ないし7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2646905号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 
理由 1.本件特許第2646905号は、平成3年9月13日に出願され、平成9年5月9日にその特許権の設定登録がなされ、その後、永田大樹より特許の異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年9月11日に訂正請求がなされたものである。
2.本件特許に対し、異議申立人永田大樹は、甲第1号証として特開平2-65252号公報(以下、「引用例1」という。)を、甲第2号証として実願昭63-103204号(実開平2-26229号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)を、甲第3号証として特開昭60-246635号公報(以下、「引用例3」という。)を、甲第4号証として特開昭62-132321号公報(以下、「引用例4」という。)を、甲第5号証として特開平2-224242号公報(以下、「引用例5」という。)を、甲第6号証として特開昭58-93321号公報(以下、引用例6」という。)を、甲第7号証として月刊Semiconductor World 1990 9、P.122-125(以下、「引用例7」という。)を、甲第8号証として電子材料 1989年3月号、P.22-29(以下、「引用例8」という。)を、甲第9号証としてSolid state technology 1990年10月号、P.35-41(以下、「引用例9」という。)を、甲第10号証としてSolid state technology 1990年12月号、P.37-47(以下、「引用例10」という。)を、甲第11号証として月刊Semiconductor World 1990 9、P.106-139(以下、「引用例11」という。)を提示し、さらに、参考資料1として特開平1-135015号公報(以下、「引用例12」という。)を、参考資料2として、特開平3-19252号公報(以下、「引用例13」という。)を提示し、本件特許の請求項1乃至7に係る発明は、引用例1〜11に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、取り消されるべきものである旨主張する。
3.当審において通知した取消理由は、
前記引用例1〜13を引用し、本件特許の請求項1乃至7に係る発明は、前記引用例1〜13に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって、取り消されるべきというものである。
4.上記訂正請求によって訂正された明細書の請求項1ないし7に係る発明は、その特許請求の範囲に記載されたとおりのものである。
「【請求項1】被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置において、
前記被処理基板を収容する第1の収納手段とともにダミー基板を収容する第2の収納手段を大気雰囲気中に設置し、
前記第1の収納手段とロードロック室又はアンロードロック室との間で前記被処理基板を搬送するとともに、前記第2の収納手段とロードロック室又はアンロードロック室との間で前記ダミー基板を搬送する第1の搬送手段と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室と前記真空処理室との間で前記被処理基板を搬送するとともに、前記ロードロック室又はアンロードロック室と前記真空処理室との間で前記ダミー基板を搬送する第2の搬送手段と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替えるために前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁と、
前記真空処理室は複数あって、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段と、
前記手段での判断に基づく前記各真空処理室のドライクリーニング時に前記ダミー基板を前記第2の収納手段と前記各真空処理室との間で搬送するように前記第1及び第2の搬送手段を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする真空処理装置。
【請求項2】前記ドライクリーニング時期の判断は、前記真空処理室を介して透過するプラズマ光の発光強度を計測するセンサを用いて行なわれる請求項1記載の真空処理装置。
【請求項3】前記ドライクリーニング時期の判断は、前記真空処理室内で前記被処理基板を処理する回数を計数する手段を用いて行なわれる請求項1記載の真空処理装置。
【請求項4】被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、
前記被処理基板を収容する第1の収納手段とともにダミー基板を収容する第2の収納手段を大気雰囲気中に設置する工程と、
前記第1の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記被処理基板を一枚毎前記真空処理室に搬送し、前記被処理基板を真空処理する工程と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、
前記真空処理室のドライクリーニング時に、前記第2の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記ダミー基板を一枚毎前記真空処理室に搬送する工程とを具備し、前記真空処理室は複数あって、前記ダミー基板を前記複数の真空処理室の内の1つまたは複数に配置しドライクリーニングするとともに、残りの前記真空処理室では被処理基板を処理することを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【請求項5】前記ドライクリーニングは、前記真空処理室を介して透過するプラズマ光の発光強度を計測し、前記真空処理室のドライクリーニング時期を判断して行なわれる請求項4記載の真空処理装置の運転方法
【請求項6】前記ドライクリーニングは、前記真空処理室内で前記被処理基板を処理する回数を計数し、前記真空処理室のドライクリーニング時期を判断して行なわれる請求項4記載の真空処理装置の運転方法。
【請求項7】被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、
前記被処理基板を収容した第1の収納手段とともにダミー基板を収容した第2の収納手段を大気雰囲気中に設置する工程と、
前記第1の収納手段から前記被処理基板を一枚毎第1の搬送手段によりロードロック室へ搬送し、該搬送されたロードロック室の被処理基板を1枚毎第2の搬送手段により前記真空処理室に搬送し、該搬送された被処理基板を真空処理する工程と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、
前記第1の収納手段内の複数枚の前記被処理基板の真空処理終了後に、前記第2の収納手段から前記真空処理室ヘロードロック室を経由して前記ダミー基板を一枚毎前記第1及び第2の搬送手段により搬入して前記真空処理室をドライクリーニング処理する工程と、
前記ドライクリーニング処理終了後に、使用済みの前記ダミー基板をアンロードロック室を経由して前記第2の収納手段の元の収納位置に前記第2及び第1の搬送手段により戻す工程とを具備し、
前記真空処理室は複数あって、前記ドライクリーニングは、前記それぞれの真空処理室のドライクリーニング時期を検出して行なわれることを特徴とする真空処理装置の運転方法。」
5.上記訂正請求の適否について判断する。
(1)上記訂正は、願書に添付された明細書を、以下のa〜Cのとおり訂正するものである。
a.特許請求の範囲について、
特許請求の範囲第1項に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替えるために前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁と、」を追加する訂正をし、「真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段」を、「真空処理室は複数あって、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段」と訂正し、「前記真空処理室のドライクリーニング時に」を「前記各真空処理室のドライクリーニング時に」と訂正し、「前記第2の収納手段と前記真空処理室との間で搬送する」を「前記第2の収納手段と前記各真空処理室との間で搬送する」と訂正する。
b.特許請求の範囲について、
特許請求の範囲第4項に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、」を追加する訂正をし、「第1の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記被処理基板を前記真空処理室に搬送し」を「第1の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記被処理基板を一枚毎前記真空処理室に搬送し」と訂正し、「ダミーウエハ」を「ダミー基板」に訂正し、「ウエハ」を「被処理基板」と訂正する。
c.特許請求の範囲について、
特許請求の範囲第7項に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、」及び「前記真空処理室は複数あって、」を追加する訂正をし、「第1の収納手段から前記被処理基板を第1の搬送手段によりロードロック室へ搬送し、該搬送されたロードロック室の被処理基板を第2の搬送手段により前記真空処理室に搬送し」を「第1の収納手段から前記被処理基板を一枚毎第1の搬送手段によりロードロック室へ搬送し、該搬送されたロードロック室の被処理基板を一枚毎第2の搬送手段により前記真空処理室に搬送し」と訂正し、「前記第2の搬送手段から前記真空処理室ヘロードロック室を経由して前記ダミー基板を前記第1及び第2の搬送手段により搬入して」を「前記第2の搬送手段から前記真空処理室ヘロードロック室を経由して前記ダミー基板を一枚毎前記第1及び第2の搬送手段により搬入して」と訂正する。
(2)上記訂正のうち、
aの訂正事項についてみると、当該訂正は、訂正前の請求項1の構成に、「ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気に切り替えるために前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁」の構成要件を直列的に付加するとともに、「真空処理室」をその下位概念である、複数の真空処理室に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当する。
bの訂正事項についてみると、当該訂正は、訂正前の請求項4の構成に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、」の構成要件を直列的に付加するとともに、第1の収納手段から前記真空処理室への被処理基板の搬送を一枚毎に搬送することに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当し、また、bの訂正事項のうち、「ダミーウエハ」を「ダミー基板」とし、「ウエハ」を「被処理基板」とする訂正は、明らかに誤記の訂正に相当する。
cの訂正事項についてみると、この訂正は、訂正前の請求項7の構成に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、」の構成要件を直列的に付加するとともに、「真空処理室」をその下位概念である、複数の真空処理室に限定し、かつ、第1の収納手段から前記真空処理室への被処理基板及びダミー基板の搬送を一枚毎に搬送することに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当する。
そして、願書に添付された明細書には、その段落【0021】及び【0022】に、ダミーウェハ30(ダミー基板に相当)は、ウェハ20(被処理基板に相当)の搬送と同様、ロードロック室又はアンロードロック室に1枚ずつ搬入出する毎に隔離弁12a、12b、12c又は12dが開閉してロードロック室又はアンロードロック室を真空排気又は大気圧復帰することが記載されている。
なお、「被処理基板もしくはダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁」の装置としての構成は、直接に記載されていないが、段落【0016】に「制御装置19は、搬送装置3および14を制御して」と記載されており、かつ、隔離弁12a、12b、12c、12d、搬送装置13、14と同期して開閉されなければならないことから、隔離弁12a、12b、12c、12dが制御装置19によって制御されていることは明らかであって、ダミー基板の搬入出に同期して開閉する隔離弁を備えた装置は、願書に添付された特許明細書に直接的かつ一義的に記載されているものと認めて差し支えない。訂正された特許請求の範囲に記載された事項は、願書に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものである。
かつ、これらの訂正によって、発明の目的が変更されるものでもないから、前記訂正事項は、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張するものでもなく、また、変更するものでもない。
(3)訂正された明細書の請求項1乃至3に係る発明の独立特許要件について判断する。
前記引用例1〜13に記載された事項は、それぞれ以下のとおりである。
引用例1には、半導体ウェハを真空処理室で処理する半導体製造装置に関し、「真空処理室1に真空予備室2を一体的に連設し、この真空予備室2内に真空供給エレベータ3,真空収納エレベータ4を設け、搬送ベルト機構5に沿って半導体ウェハWを真空処理室1に供給、収納するようになっている。これらのエレベータには大気中に配設した半導体ウェハの供給・収納部に設けた供給エレベータ7,ウェハ収納エレベータ8を対向して設け、半導体ウェハWを真空予備室2の内外で供給、収納させる。また、この種の製造装置では、製造試験やメンテナンス時にダミーウェハを用いて処理を行っているが、このダミーウェハを真空処理室1に供給しかつ収納するためのダミーウェハ供給・収納エレベータ12をウェハ供給・収納部6内にも設けている。(第1頁左下欄20行目-右下欄14行目)」と記載されている。
引用例2には、プラズマエッチング及びプラズマCVD等を行なうプラズマ処理装置に関し、「この種のプラズマ処理装置においては、プラズマエッチング処理に際して、使用ガスのプラズマ重合によるポリマー又は反応生成物等のデポ膜が、反応室内面及び電極等に付着すると、エッチングの均一性或いは速度等のエッチング特性の低下やパーティクル発生の増大等を招き、ICの歩留りが低下するため、例えばO2等を用いたプラズマクリーニング法等を以てデポ膜を除去し、反応室内を常時クリーンな状態に保つようにしていた。(明細書第2頁2-11行目)」、「又、ウエハの所定処理枚数毎にクリーニング処理を行なう場合は、ウエハの状態、例えばレジスト膜の有無やプラズマ処理時間により反応室内へのデポ膜付着量が一定にならないので、クリーニング処理が適切な時期に行われず、(明細書第3頁1-5行目)」、「反応室1の所定部分には、プラズマ発光の透過部となる透過窓8が形成され、この透過窓8の外側には、透過窓8を通過したプラズマ光の透過窓の強度を測定する光検出器9及び信号処理装置10が、上記透過窓8に対向するように順次配設されている。そして、上記信号処理装置10には、この信号処理装置10からの信号により反応室1内のクリーニング開始・終了時期を判断する判定回路11と、この判定回路11の判定信号を入力し、反応室1内のクリーニング処理を制御するクリーニング処理制御ユニット12とが順次接続されている。(明細書第5頁15-第6頁6行目)」及び「検出されるプラズマ発光強度は、第2図のbに示す如く、低下し、そのピーク値は、I1となる。このI1は、判定回路11に送られ、反応室1内のクリーニングを行なうか、否かの判断に用いられる。(明細書7頁5-8行目)」と記載されている。
引用例3には、半導体デバイス等を製造する際に用いる半導体基板等の自動基板処理装置に関し、「被処理基板11はカセット10に1枚または複数枚収納された状態で扉2を開けて右方の外気側からカセット室1に投入設置される。(第2頁左上欄14-16行目)」及び「ダミー用の補助基板51はカセット41,42に収納されている。(第3頁左上欄4-5行目)」と記載されている。
引用例4には、多数枚のウエハーをエッチング室に装着してエッチングを行うドライエッチング装置に関し、「大気とエッチング室23との間に設けたロードロック室22内に配置したロードロック室ロードカセット27中に、エッチングを行うウエハーと、ウエハーの不足分に相当するダミーウエハとを装填している。そして、この装填は、ウエハーをオートローダー21内に配置したオートローダーロードカセット24からロードロック室22内に配置したロードロック室ロードカセット27に搬送後、不足するウエハーに相当する枚数のダミーウエハーをオートローダーダミーカセット25からロードロック室ロードカセット27に搬送することによって行っている。(第2頁右下欄2-13行目)」と記載されている。
引用例5には、半導体基板処理装置、特にそのチャンバーのクリーニング時期決定に供する手段に関し、「半導体基板の処理枚数を目安としたチャンバークリーニング時期の決定が広く行われている。(第2頁左下欄17-19行目)」及び「基板処理枚数に基づくクリーニング時期を決定せねばならず、(第2頁右下欄9-10行目)」と記載されている。
引用例6には、グローまたはアーク放電を利用したプラズマ気相法により、安定して再現性のよい半導体装置を多量に作成するための製造装置に関し、「本発明は第1の反応系には第1の室があり、この室に設けられた移動機構(12)により基板及びホルダ(4)は反応炉(1)と第1の室(7)との間を往復する。さらに同様に第2,第3の反応炉、基板およびホルダの保持及び移動機構(29)、(41)を有している。(第5頁左上欄4-9行目)」、「反応炉内壁は5〜30回作成するとフレイク(薄片)が発生するので、かかる場合には、CF4またはHFによりプラズマエッチングして除去すればよい。(第5頁右下欄5-7行目)」及び「さらにそれらに共通室を設け連続的に製造する構造とすることによりバッチ方式と連続方式とを結合させることが可能となった。(第7頁左上欄7-10行目)」と記載されている。
引用例7には、マルチチャンバスパッタ装置について、「表1 代表的なスパッタ装置の性能比較」の表が掲載され、「ターゲット交換時他のチャンバの使用可/不可」の欄に「可」と記載されたものがある。
引用例8には、図2にマルチチャンバのコンセプトが記載され、図3のマルチチャンバ方式によるプロセス複合化の選択肢に、「チャンバクリーニング(in-situプラズマエッチング)のブロックが記載されており、「ドライエッチングやCVD工程では、化学反応による生成物あるいは副生成物そのものがパーティクルの要因となるのであり、(第26頁24-28行目)」と記載されている。
引用例9には、集積プロセス装置について、「故障が起きても、原則として全体システムを止める必要はない。欠陥のあるモジュールは、検査済みの装置と速やかにリプレースできるし、(第39頁左欄34-36行目)」及び「パーティクルを制御する際に考慮すべき重要な条件は、超清浄なガス分配システム、CVD/エッチプロセスチェンバのin situ クリーニング、(第41頁左欄41頁16-18行目)」と記載されている。
引用例10には、集積プロセス装置-クラスタシステムについて、「Plasam-Thermは、RIEと枚葉方式でエッチバックや堆積前のプラズマクリーニングができるプラズマ処理機構を兼ね備えたモジュールを提供している。(第47頁左欄10-12行目)」と記載されている。
引用例11には、ゼネラルシグナルジャパン社のマルチチャンバシステムの紹介として、「▲4▼終点検出機構は各チャンバ毎にフィルタを選択し完壁な検出が可能(第137頁右欄13-14行)」と記載されている。
引用例12には、半導体ウエハのプロセス処理として、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマを用いてプラズマCVD、ないしエッチング等の処理を行う半導体ウエハ処理装置に関し、「第1図において、プロセス反応室1の側方には第1ロック室15と第2ロック室16とが直列に連接配備されている。また、各ロック室は個々に真空排気系17,18を装備し、かつプロセス反応室1と第1ロック室15との間、第1ロック室15と第2ロック室16との間、及び第2ロック室16と室外大気側との間にはそれぞれの通路を個別に仕切る真空仕切弁19,20,21を備えている。さらに第2ロック室16には室外より搬入されたウエハを一時的に受容保持する中継受け渡し機構22が配備されている。この中継受け渡し機構22にウエハ14の処理面を保護するようにウエハの外周マージン部を担持するウエハ保持具を室外の駆動部で上下移動操作するようにしたものである。一方、第1ロック室15にはプロセス反応室1のウエハ保持機構11との間、および前記した第2ロック室内の中継受け渡し機構22との間でウエハを移送、受け渡し操作するハンドリング機構23が装備されている。(第4頁右上欄5行目-左下欄3行目)」、「ここで未処理ウエハを収容したカセット13をクリーンベンチ27内の所定位置にセットし、真空仕切弁21を開いて第2ロック室16を大気側に開放した状態でハンドリング機構24の操作でカセット13より一枚のウエハ14を取り出し、かつウエハ14を反転してその処理面が下を向くようにフェイスダウン姿勢で空気中の塵挨が処理面に付着するのを極力防止しながらウエハ14を第2ロック室内の中継受け渡し機構22に受け渡してここに受容保持させる。(第4頁右下欄7-16行目)」、「一方、ウエハ14を中継受け渡し機構22に受け渡した後に、ハンドリング機構24を後退させた上で真空仕切弁21を閉じ、さらに第2ロック室を真空排気する。(第5頁左上欄1-4行目)」及び「続いて第2ロック室16の圧力が所定の真空圧に低下したところで第1ロック室15との間の真空仕切弁20を開き、ハンドリング機構23の操作で中継受け渡し機構22に保持されているウエハ14をフェイスダウン姿勢のまま第1ロック室15内に取り込む。(第5頁左上欄8-13行目)」と記載されている。
引用例13には、特許異議申立人が主張するとおり、マルチチャンバの構成において、処理室のまわりに複数の処理室を配置する構成、ロードアンロードを分割する構成が記載されている。
訂正された明細書の請求項1に係る発明(以下、「訂正後の請求項1に係る発明」という。)と前記引用例1〜13に記載されたものとを対比すると、前記各引用例には、いずれにも、訂正後の請求項1に係る発明の必須の構成である「被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置において、前記真空処理室は複数あって、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段と、ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替えるために前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁と」を具備した構成が記載されておらず、かつ、当該構成を示唆する記載もない。
なお、前記引用例12には、第2ロック室16の室外大気側と第1ロック室15側にそれぞれ設けられ、ウエハを一枚毎搬入出する毎に開閉して、第2ロック室16を大気雰囲気、真空雰囲気に切り替えるための真空仕切弁21、20を備えたものが記載されているが、引用例12に記載されたものは、複数の真空処理室を備えたものではなく、かつ、前記引用例12に記載されたものを複数の真空処理室を備えた真空処理装置の搬送装置に使用することを示唆する記載もない。
そして、訂正後の請求項1に係る発明は、前記構成によって、クリーニングを実施する周期を任意に設定できるとともに、処理の流れを中断することなくドライクリーニングが行え効率的な処理が行えるという、前記各引用例に記載されたものから予測し得ない格別の効果を奏するものである。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、前記引用例1〜13に記載された発明と同一であるとも、それらの発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることも、できない。
さらに、訂正された明細書の請求項2乃至3に係る発明についてみると、これらの発明は、訂正後の請求項1に係る発明の構成を全て備えた上でさらに限定を加えたものであるから、この限定した構成が前記引用例1〜13のいずれかに記載されているとしても、前記のとおり、訂正後の請求項1に係る発明が、前記引用例1〜13に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができない以上、請求項2乃至3に係る発明も前記引用例1〜13に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(4)訂正された明細書の請求項4乃至7に係る発明の独立特許要件について判断する。
訂正された明細書の請求項4に係る発明(以下、「訂正後の請求項7に係る発明」という。)又は、訂正された明細書の請求項7に係る発明(以下、「訂正後の請求項7に係る発明」という。)と前記引用例1〜13に記載されたものとを対比すると、前記各引用例には、いずれにも、訂正後の請求項4に係る発明及び請求項7に係る発明の、それぞれの必須の構成である「被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段と、ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程を具備し、前記真空処理室は複数あって、前記ダミー基板を前記複数の処理室のうちの1つまたは複数に配置しドライクリーニングするとともに、残りの前記真空処理室では被処理基板を処理」する構成、及び「被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段と、ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程を具備し、前記真空処理室は複数あって、前記ドライクリーニングは、前記それぞれの処理室のドライクリーニング時期を検出して行われる」構成が記載されておらず、かつ、当該各構成を示唆する記載もない。
なお、前記引用例12には、第2ロック室16の室外大気側と第1ロック室15側にそれぞれ真空仕切弁21、20を設け、ウエハを一枚毎搬入出する毎に開閉して、第2ロック室16を大気雰囲気、真空雰囲気に切り替えるものが記載されているが、引用例12に記載されたものは、複数の真空処理室を備えたものではなく、かつ、前記引用例12に記載されたものを複数の真空処理室を備えた真空処理装置の搬送装置に使用することを示唆する記載もない。
そして、訂正後の請求項4に係る発明及び訂正後の請求項7に係る発明は、いずれも、前記それぞれの構成によって、クリーニングを実施する周期を任意に設定できるとともに、処理の流れを中断することなくドライクリーニングが行え効率的な処理が行えるという、前記各引用例に記載されたものから予測し得ない格別の効果を奏するものである。
したがって、訂正後の請求項4に係る発明及び訂正後の請求項7に係る発明は、いずれも前記引用例1〜13に記載された発明と同一であるとも、それらの発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることも、できない。
さらに、訂正された明細書の請求項5乃至6に係る発明についてみると、これらの発明は、訂正後の請求項4に係る発明の構成を全て備えた上でさらに限定を加えたものであるから、この限定した構成が前記引用例1〜13のいずれかに記載されているとしても、前記のとおり、訂正後の請求項4に係る発明が、前記引用例1〜13に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができない以上、請求項5乃至6に係る発明も前記引用例1〜13に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(5)以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する同法第126条第2項〜第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
6.次に、特許異議の申立てについて判断する。
(1)本件特許の請求項1乃至7に係る発明は、訂正された明細書の特許請求の範囲に記載されたとおりのものであって、上記4で認定したとおりのものである。
(2)そして、請求項1乃至7に係る発明は、上記5(3)、(4)で示したように、前記引用例1〜13に記載された発明と同一であるとも、それらの発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともすることができない。
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1乃至7に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1乃至7に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
真空処理装置およびその運転方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置において、
前記被処理基板を収容する第1の収納手段とともにダミー基板を収容する第2の収納手段を大気雰囲気中に設置し、
前記第1の収納手段とロードロック室又はアンロードロック室との間で前記被処理基板を搬送するとともに、前記第2の収納手段とロードロック室又はアンロードロック室との間で前記ダミー基板を搬送する第1の搬送手段と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室と前記真空処理室との間で前記被処理基板を搬送するとともに、前記ロードロック室又はアンロードロック室と前記真空処理室との間で前記ダミー基板を搬送する第2の搬送手段と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及ひ真空側にそれそれ設けられ、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替えるために前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁と、
前記真空処理室は複数あって、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段と、
前記手段での判断に基づく前記各真空処理室のドライクリーニング時に前記ダミー基板を前記第2の収納手段と前記各真空処理室との間で搬送するように前記第1及び第2の搬送手段を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする真空処理装置。
【請求項2】前記ドライクリーニング時期の判断は、前記真空処理室を介して透過するプラズマ光の発光強度を計測するセンサを用いて行なわれる請求項1記載の真空処理装置。
【請求項3】前記ドライクリーニング時期の判断は、前記真空処理室内で前記被処理基板を処理する回数を計数する手段を用いて行なわれる請求項1記載の真空処理装置。
【請求項4】被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、
前記被処理基板を収容する第1の収納手段とともにダミー基板を収容する第2の収納手段を大気雰囲気中に設置する工程と、
前記第1の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記被処理基板を一枚毎前記真空処理室に搬送し、前記被処理基板を真空処理する工程と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロートロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、
前記真空処理室のドライクリーニング時に、前記第2の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記ダミー基板を一枚毎前記真空処理室に搬送する工程とを具備し、
前記真空処理室は複数あって、前記ダミー基板を前記複数の真空処理室の内1つまたは複数に配置しドライクリーニングするとともに、残りの前記真空処理室では被処理基板を処理することを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【請求項5】前記ドライクリーニングは、前記真空処理室を介して透過するプラズマ光の発光強度を計測し、前記真空処理室のドライクリーニング時期を判断して行なわれる請求項4記載の真空処理装置の運転方法。
【請求項6】前記ドライクリーニングは、前記真空処理室内で前記被処理基板を処理する回数を計数し、前記真空処理室のドライクリーニング時期を判断して行なわれる請求項4記載の真空処理装置の運転方法。
【請求項7】被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、
前記被処理基板を収容した第1の収納手段とともにダミー基板を収容した第2の収納手段を大気雰囲気中に設置する工程と、
前記第1の収納手段から前記被処理基板を一枚毎第1の搬送手段によりロードロック室へ搬送し、該搬送されたロードロック室の被処理基板を一枚毎第2の搬送手段により前記真空処理室へ搬送し、該搬送された被処理基板を真空処理する工程と、
前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれそれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉した後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、
前記第1の収納手段内の複数枚の前記被処理基板の真空処理終了後に、前記第2の収納手段から前記真空処理室ヘロードロック室を経由して前記ダミー基板を一枚毎前記第1及び第2の搬送手段により搬入して前記真空処理室をドライクリーニング処理する工程と、
前記ドライクリーニング処理終了後に、使用済みの前記ダミー基板をアンロードロック室を経由して前記第2の収納手段の元の収納位置に前記第2及び第1の搬送手段により戻す工程とを具備し、
前記真空処理室は複数あって、前記ドライクリーニングは、前記それぞれの真空処理室のドライクリーニング時期を検出して行なわれることを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空処理装置およびその運転方法に係り、特に内部のクリーニング処理が必要な真空処理室を有する真空処理装置およびその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドライエッチング装置、CVD装置あるいはスパッタリング装置などの真空処理装置においては、定められた複数枚の被処理基板を一つの単位(一般にロットとよばれる)として基板カセットに収納し装置に投入する。処理済みの基板も同一の単位毎に基板カセットに収容して回収する。これらの装置では、このようにして生産の効率化を図るのが一般的な運転方法である。
【0003】しかしながら、上記のような真空処理装置、特にドライエッチング装置、CVD装置のように活性ガスによる反応を利用する装置においては、処理を行うにしたがい反応生成物が真空処理室内に付着、堆積する。このため、真空性能の劣化,ゴミの増加,光学モニタ信号のレベル低下などの問題が生じる。これらの問題を解決するために、定期的に真空処理室内をクリーニングするという作業を行っていた。クリーニング作業には、有機溶剤等によって付着物を拭き取る所謂ウェットクリーニングと、付着物を分解する活性ガスやプラズマを利用するドライクリーニングとがある。作業性や効率面からみるとドライクリーニングか優れている。ドライクリーニングのこうした特徴は、生産ラインの自動化が進むにつれて不可欠なものになりつつある。
【0004】このようなドライクリーニングの機能を備えた真空処理装置として、例えば、実開昭63-127125号公報に開示された装置が挙げられる。該装置は、処理室にゲートバルブを介して、被処理用ウエハを大気側から真空側へ搬入するための真空予備室を隣接し、該真空予備室内にダミーウエハを収容しておき、処理室をプラズマクリーニングする際に、真空予備室に収容されたダミーウエハを専用の搬送手段によって処理室内に搬入し、トライクリーニングか終了したら該搬送手段によってダミーウエハを真空予備室に戻すようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、真空処理装置の構造の点について配慮されていなかった。すなわち、ダミーウエハを収容する真空予備室は、大きな内容積を必要とするとともにダミーウエハ専用の搬送機構を必要とし、装置が複雑化するという問題があった。
【0006】また、プラズマクリーニングに使用されたダミーウエハは、再ひ真空予備室に戻され待機する。このとき、使用済みのダミーウエハには、プラズマクリーニング時に生じた反応生成物やプラズマクリーニングに用いた残留ガスが付着した状態となっている。その後、ウエハを処理するための正規の処理が続行される。このため、真空予備室内では使用済みのダミーウエハと処理前のウエハとが混在することになり、未処理ウエハ汚染の点から好ましくない。
【0007】本発明の目的は、装置構成が簡単で、被処理基板の汚染がなく高い製品歩留まりを実現することのできる真空処理装置およびその運転方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置において、被処理基板を収容する第1の収納手段とともにダミー基板を収容する第2の収納手段を大気雰囲気中に設置し、第1の収納手段と真空処理室との間で被処理基板を搬送するとともに第2の収納手段と真空処理室との間でダミー基板を搬送する搬送手段と、真空処理室のドライクリーニング時にダミー基板を第2の収納手段と真空処理室との間で搬送するように搬送手段を制御する制御手段とを備えたものとし、被処理基板を真空下で処理した後、内部のドライクリーニング処理が行なわれる真空処理室を有する真空処理装置の運転方法において、被処理基板を収容する第1の収納手段とともにダミー基板を収容する第2の収納手段を大気雰囲気中に設置する工程と、第1の収納手段と真空処理室との間で被処理基板を搬送し、被処理基板を真空処理する工程と、真空処理室のドライクリーニング時に、第2の収納手段と真空処理室との間でダミー基板を搬送する工程とを有するようにしたものである。
【0009】
【作用】真空処理装置によって被処理基板を処理するにしたがい、反応生成物が真空処理室内に付着、堆積する。真空処理室内に付着、堆積した反応生成物は、真空処理室内にダミーウエハを配置してドライクリーニングすることにより除去される。ドライクリーニングにあたっては、真空処理室のドライクリーニングの時期を判断し、所定枚数の被処理基板の処理の途中または終了後に、被処理基板収納手段と一緒に大気雰囲気中に設置されたダミー基板収納手段から基板搬送手段によってダミー基板を搬出し、真空処理室内に配置する。ダミー基板が配置された後、真空処理室内にガスプラズマを発生させて真空処理室内をドライクリーニングする。真空処理室内でのドライクリーニングが終了したら基板搬送手段によって、ダミー基板を真空処理室からダミー基板収納手段へ戻す。これにより、従来のようなダミー基板を収容するための真空予備室および専用の搬送機構は不要となり、装置構成が簡単になる。また、ドライクリーニング処理に使用されたダミー基板と被処理基板とが同じ室内で混在することもなくなり、ゴミの発生や残留ガスなどによる被処理基板の汚染か防止され、高い製品歩留まりを実現できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を第1図およひ第2図により説明する。
【0011】第1図およひ第2図は、本発明の真空処理装置、この場合、被処理基板であるウエハをガスプラズマによりエッチング処理するドライエッチング装置を示す。
【0012】カセット台2aないし2cは、この場合、L字形に配置され、その位置および姿勢を変えることなく、装置への導入/払出しが可能な位置、すなわち、カセット1aないし1cを略水平の平面上で常に一定の位置に固定される。カセット台2aおよび2bは、L字形の一辺に平行に隣合わせて配置してある。カセット台2cは、L字形の他の辺に配置してある。カセット1aおよび1bは、処理を行うための未処理ウエハを収納したり、処理済みのウエハを回収するためのもので、複数枚(通常25枚)の被処理基板であるウエハ20が収納可能となっている。カセット1cは、この場合、プラズマを用いたドライクリーニング(以下、「プラズマクリーニング」という。)を行うためのダミーウエハを収納したり、プラズマクリーニング後のダミーウエハを回収するためのもので、複数枚(通常25枚)のダミーウエハ30か収納可能となっている。
【0013】カセット台2a,2bに対向して、ロードロック室5およひアンロードロック室6か配置してあり、カセット台2a,2bとロードロック室5およびアンロードロック室6との間に第1の搬送手段13(以下搬送装置13と呼ぶ)が配置してある。ロードロック室5は、真空排気装置3およびガス導入装置4を装備するとともに、ゲート弁12aを介して未処理ウエハを真空装置内に導入可能となっている。アンロードロック室6は、同じく真空排気装置3およびガス導入装置4を装備するとともに、ゲート弁12dを介して処理済みウエハを大気中に取り出し可能となっている。搬送装置13は、X,Y,Zおよひθ軸を有するロボットを備え、ロードロック室5およびアンロードロック室6とカセット1a,1bとの間でウエハ20を、そしてロートロック室5およびアンロードロック室6とカセット1cとの間でダミーウエハ30を授受可能に動作する。
【0014】ロードロック室5およびアンロードロック室6は、ゲート弁12b,12cを介して搬送室16につながる。この場合、搬送室16は四角状で、搬送室16の3方の側壁には、ゲート弁15a,15b,15cを介してエッチング処理室11a,11b,11cが設けてある。搬送室16内には、ロードロック室5,アンロードロック室6およひエッチング処理室11a,11b,11cとの間でウエハ20またはダミーウエハ30を授受可能に動作する第2の搬送手段14(以下搬送装置14と呼ぶ)が設けてある。搬送室16は、独立に真空排気可能な真空排気装置17を装備している。
【0015】エッチング処理室11a,11b,11cは、この場合、同一の構成で同一の処理が行なわれるようになっている。エッチング処理室11bを例に説明する。エッチング処理室11bは、ウエハ20を配置するための試料台8bを有し、試料台8bの上部に放電部7bを形成するように放電室が設けてある。エッチング処理室11bは、放電部7bへの処理ガス供給のためのガス導入装置10bを有するとともに、エッチング処理室11b内を所定圧力に減圧排気する真空排気装置9bを有し、放電部7bの処理ガスをプラズマ化するための、この場合、マイクロ波と磁場の発生手段を有している。
【0016】この場合、エッチング処理室の上方にプラズマ光の発光強度を計測するセンサ18が設けてある。センサ18の計測値は制御装置19に入力される。制御装置19は、センサ18からの計測値を所定値と比較して、エッチング処理室内のクリーニング時期を判断する。また、制御装置19は、搬送装置13および14を制御して、ダミーウエハ30をカセット1cおよびエッチング処理室11aないし11cの間で搬送制御する。
【0017】このように構成された真空処理装置では、まず、上位の制御装置から送られる情報に基づき動作するライン搬送ロボットまたはオペレータによって、カセット台2a,2bに未処理のウエハを収納したカセット1a、1bが載置される。一方、カセット台2cには、ダミーウエハを収納したカセット1cが載置される。装置は、カセット1aないし1cに付与された生産情報を自ら認識するか、上位の制御装置から送られる情報に基づくか、あるいはオペレータの入力する命令によるか、いずれかの方法によりウエハ処理またはプラズマクリーニングを実行する。
【0018】例えば、搬送装置13および搬送装置14によって、カセット1a内のウエハ20を上から順にエッチング処理室11a,11b,11cに搬入し、それぞれのウエハ20をエッチング処理する。処理されたそれぞれのウエハ20は、搬送装置14および搬送装置13によって、カセット1a内の元の位置に収納する。この場合、運転開始から終了に至る間、カセットの位置および姿勢を変えることなく未処理のウエハを取り出し、そして処理済みのウエハを未処理のウエハが収納されていた元の位置に戻して収納する。このようにすることで、生産ラインの自動化への対応が容易で、且つ、ゴミの発生によるウエハの汚染を低減でき、高い生産効率と高い製品歩留まりを実現できる。
【0019】エッチング室11aないし11cは、エッチング処理を重ねるにつれて反応生成物がエッチング処理室の内壁面に付着,堆積してくるため、プラズマクリーニングによって付着物を除去し元の状態に復旧してやる必要がある。プラズマクリーニングを行なう時期の判断は、制御装置19によって行なう。この場合、エッチング処理室11aないし11cのそれぞれにプラズマ光の透過する部分を設けておき該透過したプラズマ光の発光強度をセンサ18によって計測し、その値が所定値に達した時点でプラズマクリーニング時期に達したことを判断する。または、制御装置19によってそれぞれのエッチング処理室でのウエハ処理枚数を計数しておき、その値が所定値に達した時点でプラズマクリーニング時期に達したことを判断しても良い。実際に行なうプラズマクリーニングのタイミングは、カセット1aまたは1b内のウエハ20の所定枚数の処理途中でも良いし、ウエハ20の処理が全て終り次のカセット内のウエハ処理に移る前でも良い。
【0020】プラズマクリーニングの実施にあたっては、次の順序で行なわれる。この場合、カセット1cに収納されたダミーウエハ30(この場合、25枚収容されている。)の内3枚のダミーウエハ30を用いてエッチング処理室11aないし11cをプラズマクリーニングする場合について説明する。
【0021】カセット1cに収納された未使用または許容使用回数内のダミーウエハ30を搬送装置13によって抜取る。このとき、ダミーウエハ30は、カセット1c内のいずれの場所に収納されたものでも良いが、この場合は、制御装置19にカセット内のダミーウエハの位置番号および使用回数を記憶するようにしておき、常に使用回数の少ないものから取り出すようにしてある。その後、ダミーウエハ30は、ウエハ20のエッチング処理時の搬送と同様に、搬送装置13によってカセット1aとは反対側に配置されたロードロック室5へ隔離弁12aを介して搬入される。ロードロック室5は、隔離弁12aを閉じた後、真空排気装置3によって所定の圧力まで真空排気され、次いで隔離弁12bおよひ隔離弁15aが開放され、搬送装置14によってダミーウエハ30は搬送室16を介してロードロック室5からエッチング室11aへ搬送され、試料台8a上に載置される。ダミーウエハ30が配置されたエッチング室11aは、隔離弁15aを閉じた後、所定の条件によりプラズマクリーニングの処理が施される。
【0022】この間に、ロードロック室5は隔離弁12a,12bを閉じ、ガス導入装置4によって大気圧に復帰される。次に、隔離弁12aを開放し1枚目のダミーウエハ30と同様に2枚目のダミーウエハ30を搬送装置13によってロードロック室5内に搬入し、隔離弁12aを閉じて再び真空排気装置3によって所定の圧力まで真空排気する。その後、隔離弁12bおよび隔離弁15bを開いて、搬送装置13によって2枚目のダミーウエハ30を搬送室16を介してロードロック室5からエッチング処理室11bに搬入し、隔離弁15bを閉じた後プラズマクリーニングの処理を開始する。
【0023】さらにこの間に、2枚目のダミーウエハ30と同様に3枚目のダミーウエハ30をエッチング処理室11cに搬入してプラズマクリーニングの処理を行なう。
【0024】1枚目のダミーウエハ20が配置されたエッチング室11aのプラズマクリーニングが終了すると、隔離弁15aおよび隔離弁12cが開かれる。使用済みのダミーウエハ30は搬送装置14によってエッチング室11aからアンロードロック室6に搬出される。続いて隔離弁12cが閉じられる。ガス導入装置4によってアンロードロック室6を大気圧に復帰した後、隔離弁12dが開かれる。アンロードロック室6に搬出された使用済みダミーウエハ30は、搬送装置13によって隔離弁12dを介して大気中に取り出され、当初収納されていたカセット1c内の元の位置へ戻される。
【0025】エッチング室11bおよびエッチング室11cのプラズマクリーニングが終了すると、同様にして2枚目および3枚目のダミーウエハ20がカセット1c内の元の位置へ戻される。
【0026】このように、使用済みのダミーウエハ30はカセット1c内の元の位置に戻され、ダミーウェーハ30は常にカセット1c内にストックされる。なお、カセット1cのダミーウエハ30が全てプラズマクリーニングで使用された場合や、数回の使用によって予定使用回数に達した場合、ダミーウエハ30はカセット1cごと全て交換される。このカセットの交換時期は、制御装置19によって管理され、ライン搬送ロボットを制御する上位制御装置またはオペレータに指示される。
【0027】なお、この場合のプラズマクリーニングは、カセット1c内のダミーウエハ30の内3枚のダミーウエハ30を用いてエッチング処理室11aないし11cを連続的にプラズマクリーニングする場合について説明したが、別の処理方法をとしても良い。
【0028】例えば、1枚のダミーウエハ30を用いてエッチング処理室11aないし11cを順次プラズマクリーニングする。このようなプラズマクリーニングの場合は、プラズマクリーニングの対象となるエッチング処理室以外の他のエッチング処理室においては、未処理のウエハ20をエッチング処理することができ、エッチング処理を中断させずに装置をクリーニングすることかできる。
【0029】また、処理室が、例えば、エッチング室,後処理室,成膜室というように異なっており、順次ウエハが各処理室を通り処理されるような場合には、カセット1aまたは2a内のウエハ20を順次送って処理する途中にダミーウエハ30を送り、プラズマクリーニングの必要のない処理室では単に通過させるだけで、プラズマクリーニングの必要な処理室に来たときだけ処理するようにして、処理室のそれぞれを適宜プラズマクリーニングするようにしても良い。
【0030】以上本実施例によれば、ダミーウエハを収容したカセットと処理用のウエハを収容したカセットとを一緒に大気雰囲気中に配置し、クリーニング時にウエハの搬送と同一の搬送装置によってダミーウエハをカセット内から装置内に取り込み、プラズマクリーニングを行ない、使用済みのダミーウエハをカセット内の元の位置に戻すことによって、プラズマクリーニングのための専用の機構を設ける必要がなく、装置を簡単にすることができる。また、プラズマクリーニングを特別な処理シーケンスとして取り扱う必要はなく、通常のエッチング処理の中に組み込んで一連の作業として効率良く行うことができる。
【0031】また、プラズマクリーニングに使用したダミーウエハは、大気中に配置したカセットの元の位置に戻すようにしてあるので、真空室内では使用済みのダミーウエハと処理前および処理後のウエハとが回し室内で混在することがなく、従来の装置のようにゴミの発生や残留ガスなどによってウエハを汚染する心配がない。
【0032】また、使用済みのダミーウエハは、カセットの元の位置に戻すとともに使用回数を管理しているので、使用済みのダミーウエハと未使用のダミーウエハおよび使用回数の少ないダミーウエハと使用回数の多いダミーウエハの混同を防止でき、プラズマクリーニングを行なう際にダミーウエハを有効に、かつ、不都合なく使用することができる。
【0033】さらに、複数の処理室を有し、同一の搬送装置によってウエハおよひダミーウエハを搬送可能な装置とするとともに、制御装置によってそれぞれの処理室のクリーニング時期を管理して、プラズマクリーニングが行なえるようにしているので、クリーニングを実施する周期を任意に設定できるとともに、処理の流れを中断することなくドライクリーニングが行なえ、効率的な処理ができ高い生産効率を上げることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、装置構成が簡単で、被処理基板の汚染がなく高い製品歩留まりを実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理装置の一実施例であるのドライエッチング装置を示す平面図である。
【図2】第1図を1-1から見た縦断面図である。
【符号の説明】
1a〜1c……カセット、5……ロードロック室、6……アンロードロック室、13……搬送装置、20……ウエハ、30……ダミーウエハ。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
a.特許請求の範囲について、
特許請求の範囲第1項に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替えるために前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁と、」を追加し、「真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段」を、「真空処理室は複数あって、各真空処理室のドライクリーニング時期を判断する手段」とし、「前記真空処理室のドライクリーニング時に」を「前記各真空処理室のドライクリーニング時に」とし、「前記第2の収納手段と前記真空処理室との間で搬送する」を「前記第2の収納手段と前記各真空処理室との間で搬送する」とする、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正をする。
b.特許請求の範囲について、
特許請求の範囲第4項に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、」を追加し、「第1の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記被処理基板を前記真空処理室に搬送し」を「第1の収納手段と前記真空処理室との間でロードロック室を経由して前記被処理基板を一枚毎前記真空処理室に搬送し」とし、「ダミーウエハ」を「ダミー基板」とし、「ウエハ」を「被処理基板」とする、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正をする。
c.特許請求の範囲について、
特許請求の範囲第7項に、「前記ロードロック室又はアンロードロック室の大気側及び真空側にそれぞれ設けられ前記被処理基板もしくは前記ダミー基板を一枚毎搬入出する毎に開閉される隔離弁を閉じた後、該ロードロック室又はアンロードロック室を大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替える工程と、」及び「前記真空処理室は複数あって、」を追加し、「第1の収納手段から前記被処理基板を第1の搬送手段によりロードロック室へ搬送し、該搬送されたロードロック室の被処理基板を第2の搬送手段により前記真空処理室に搬送し」を「第1の収納手段から前記被処理基板を一枚毎第1の搬送手段によりロードロック室へ搬送し、該搬送されたロードロック室の被処理基板を一枚毎第2の搬送手段により前記真空処理室に搬送し」とし、「前記第2の搬送手段から前記真空処理室ヘロードロック室を経由して前記ダミー基板を前記第1及び第2の搬送手段により搬入して」を「前記第2の搬送手段から前記真空処理室ヘロードロック室を経由して前記ダミー基板を一枚毎前記第1及び第2の搬送手段により搬入して」とする、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正をする。
異議決定日 1999-10-05 
出願番号 特願平3-234408
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今井 淳一  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 橋本 武
小田 裕
登録日 1997-05-09 
登録番号 特許第2646905号(P2646905)
権利者 株式会社日立製作所
発明の名称 真空処理装置およびその運転方法  
代理人 作田 康夫  
代理人 作田 康夫  

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