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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G11C |
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管理番号 | 1007520 |
異議申立番号 | 異議1999-71689 |
総通号数 | 7 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1992-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-04-30 |
確定日 | 1999-12-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2818628号「メモリカードにおけるデータ記録方法およびメモリカードシステム」の請求項1ないし7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2818628号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 |
理由 |
(1)本件発明 本件特許第2818628号の請求項1ないし7に係る発明(平成3年2月25日出願、平成10年8月21日設定登録。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるとおりのものである。 (2)申立の理由の概要 申立人 高橋 学は、甲第1号証(特開平2-118999号公報)、甲第2号証(特開昭63-237189号公報)、甲第3号証(特開昭62-283497号公報)、甲第4号証(特開昭60-47299号公報)、甲第5号証(特開昭61-216165号公報)、及び甲第6号証(特開昭61-144777号公報)を提出し、請求項1ないし7に係る発明は、甲第1号証ないし甲第6号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、その登録は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。 (3)甲各号証記載の発明 上記甲各号証には、それぞれ次のような技術的事項が記載されている。 (甲第1号証) EEPROMにデータを書き込む際に、1バイトのデータの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行ないつつデータが書き込まれたか否かを判断して書き込み処理を行なうメモリカードにおけるデータ記憶方法において、 前記EEPROMに、データの書き込みが行なわれる際に、1バイト毎にデータの書き込みおよび照合が複数回繰り返されても、データの書き込みが正確に行なえない場合に、該アドレスを不良箇所アドレス書き込み領域に書き込むとともに不良箇所代行領域にデータを書き込んで、 その後、データの書き込みが正確に行なうことができなかった前記アドレスをアクセスする場合は、その不良箇所アドレス書き込み領域に書き込まれた情報を読みだして、該情報にて指定されたアドレスをアクセスするメモリカードにおけるデータ記録方法、が記載されている。(公報第4頁左上欄第15行目〜右下欄第18行目) (甲第2号証) EEPROMにデータを書き込む際、書き込み処理速度を上げた状態でも正確に書き込むことができたかを判別するもので、データの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行いつつデータが書き込まれたか否かを判別して書き込み処理を行なうメモリカードにおけるデータ記録方法、が記載されている。(特許請求の範囲、及び公報第2頁左下欄第17行目〜第3頁右上欄第1行目) (甲第3号証) EEPROMにおいて、記憶領域を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に書き込み回数を記憶し、あらかじめ設定される書き込み回数を越えたブロツクヘの書き込みを抑止させるEEPROMの書き込み回数管理方式、が記載されている。(特許請求の範囲、及び公報第2頁右下欄第3〜18行目) (甲第4号証) EEPROMにデータを書き込む際に、1バイトのデータの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行ないつつデータが書き込まれたか否かを判断して書き込み処理を行なうメモリカードにおけるデータ記憶方法において、 前記EEPROMに、データの書き込みが行なわれる際に、1バイト毎にデータの書き込みおよび照合をし、データの書き込みが正確に行なえない場合に、該アドレスを記憶するとともに予備ビットにデータを書き込んで、 その後、データの書き込みが正確に行なうことができなかった前記アドレスをアクセスする場合は、その予備ビットに書き込まれた情報を読みだすようにしたデータ記録方法、が記載されている。(特許請求の範囲、公報第2頁右下欄第8〜15行目、及び公報第3頁右上欄第3行目〜左下欄第18行目) (甲第5号証) 光ディスクにおいて、エラー訂正コード又はエラーチェックコードをデータと共に記録し、記録後それらのデータを再生し、エラーが検出されたときに、別の場所に書き直しを行なうデータ記録方式、が記載されている。(特許請求の範囲、及び公報第1頁左下欄第17〜20行目の[発明の利用分野]の欄) (甲第6号証) 記録データをセクタ単位に分割して記憶するとともに、そのセクタ毎に完結する誤り訂正符号を付加してデータの誤りを訂正する光ディスク装置において、同一セクタ内におけるデータの誤り度数が所定値を越えると警報を出力する不良セクタ判別手段と、この不良セクタ判別手段により不良と判別されたセクタの記録データを、誤り訂正符号を付加して所定の予備セクタに書き換えるセクタ書換手段を備えた光ディスク装置、が記載されている。(特許請求の範囲) (4)本件請求項1ないし7に係る発明と甲各号証記載の発明との対比・判断 (i)本件請求項1に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項1に係る発明は、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMであるのに対して、上記甲各号証に記載されたもののうちで、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMであるのは、上記甲第3号証に記載されたもののみである。 そして、上記甲第3号証に記載されたものは、ブロックヘの書き込み抑止は、ブロックヘの書き込み回数で管理しており、本件請求項1に係る発明のように「各メモリブロックにデータを書き込む際に、そのデータの書き込み動作の度毎に、そのメモリブロックからデータを読み出して照合を行ないつつ該当メモリブロックにデータが書き込まれたか否かを判別して書き込み処理を行なう」ようにしたものではない。 また、上記甲第1号証及び甲第4号証には、EEPROMにデータを書き込む際に、そのデータの書き込み動作の度毎に、そのEEPROMからデータを読み出して照合しているが、その書き込み、読み出し、及び照合は、1バイト単位で行われている。 したがって、上記上記甲第3号証に記載された、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMに、上記甲第1号証及び甲第4号証に記載された、1バイト単位で書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしたものを採用したとしても、各メモリブロック内において、1バイト単位で、書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしかできず、本件請求項1に係る発明の「各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備え、該EEPROMの各メモリブロックにデータを書き込む際に、そのデータの書き込み動作の度毎に、そのメモリブロックからデータを読み出して照合を行ないつつ該当メモリブロックにデータが書き込まれたか否かを判別して書き込み処理を行なうメモリカードにおけるデータ記録方法において、前記EEPROMに、メモリブロックのアドレスを指定するブロック接続情報を各メモリブロックに対応して記憶するブロック接続領域を設け」との構成(以下、「構成A」という。)のようにすることはできない。 また、上記甲第2号証に記載されたものは、EEPROMにデータを書き込む際、書き込み処理速度を上げた状態でも正確に書き込むことができたかを判別するもので、データの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行いつつデータが書き込まれたか否かを判別するだけのものであり、上記甲各号証記載のものと組合わせても本件請求項1に係る発明の上記「構成A」のようにすることはできない。 更に、上記甲第5号証及び第6号証に記載されたものは、光ディスクに関するものであり、消去及び再書き込み可能なEEPROMではないので、これらを甲第1号証ないし甲第4号証に記載されたEEPROMと組合わせることは、当業者といえども容易になし得るものではない。 そして、本件請求項1に係る発明は、上記「構成A」を有することにより、明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。 したがって、本件請求項1に係る発明は、上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (ii)本件請求項2に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項2に係る発明は、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMであるのに対して、上記甲各号証に記載されたもののうちで、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMであるのは、上記甲第3号証に記載されたもののみである。 そして、上記甲第3号証に記載されたものは、ブロックヘの書き込み抑止は、ブロックヘの書き込み回数で管理しており、本件請求項2に係る発明のように「各メモリブロックにデータを書き込む際に、該データに誤り訂正符号を付加して書き込み、該誤り訂正符号が付加されたデータは任意にそのメモリブロックから読み出されて誤りチェックおよび誤り訂正が行なわれる」ようにしたものではない。 また、上記甲第1号証及び甲第4号証には、EEPROMにデータを書き込む際に、そのデータの書き込み動作の度毎に、そのEEPROMからデータを読み出して照合しているが、その書き込み、読み出し、及び照合は、1バイト単位で行われている。 したがって、上記上記甲第3号証に記載された、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMに、上記甲第1号証及び甲第4号証に記載された、1バイト単位で書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしたものを採用したとしても、各メモリブロック内において、1バイト単位で、書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしかできず、本件請求項2に係る発明の「各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備え、該EEPROMの各メモリブロックにデータを書き込む際に、該データに誤り訂正符号を付加して書き込み、該誤り訂正符号が付加されたデータは任意にそのメモリブロックから読み出されて誤りチェックおよび誤り訂正が行なわれるメモリカードにおけるデータ記録方法において、前記EEPROMに、メモリブロック間のデータの入れ換えを行なう際のブロック接続情報を各メモリブロックに対応して記憶するブロック接続領域を設け」との構成(以下、「構成B」という。)のようにすることはできない。 また、上記甲第2号証に記載されたものは、EEPROMにデータを書き込む際、書き込み処理速度を上げた状態でも正確に書き込むことができたかを判別するもので、データの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行いつつデータが書き込まれたか否かを判別するだけのものであり、上記甲各号証記載のものと組合わせても本件請求項2に係る発明の上記「構成B」のようにすることはできない。 更に、上記甲第5号証及び甲第6号証には、エラー訂正コード又はエラーチェックコードをデータと共に記録し、記録後それらのデータを再生し、データの誤りを訂正することが、記載されているが、上記甲第5号証及び甲第6号証に記載されたものは、光ディスクに関するものであり、消去及び再書き込み可能なEEPROMではないので、これらを甲第1号証ないし甲第4号証と組合わせることは、当業者といえども容易になし得るものではない。 そして、本件請求項2に係る発明は、上記「構成B」を有することにより、明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。 したがって、本件請求項2に係る発明は、上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (iii)本件請求項3に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において「誤り率の高いメモリブロックから他の空きメモリブロックにデータを書き移す場合に、前記誤り率の高いメモリブロックから読み出したデータは、その誤り訂正が行なわれた後に他の空きメモリブロックに書き移される」との構成を付加するものであるから、本件請求項3に係る発明も、本件請求項2に対する理由と同様の理由により上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (iv)本件請求項4に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項4に係る発明は、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備えたメモリカードシステムであるのに対して、上記甲各号証に記載されたもののうちで、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備えたものは、上記甲第3号証に記載されたもののみである。 そして、上記甲第3号証に記載されたものは、ブロックヘの書き込み抑止は、ブロックヘの書き込み回数で管理しており、本件請求項4に係る発明のように「各メモリブロックにデータを書き込む際に、データの書き込みとそのデータの照合とを行なう」ようにしたものではない。 また、上記甲第1号証及び甲第4号証には、EEPROMにデータを書き込む際に、そのデータの書き込み動作の度毎に、そのEEPROMからデータを読み出して照合しているが、その書き込み、読み出し、及び照合は、1バイト単位で行われている。 したがって、上記上記甲第3号証に記載された、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備えたものに、上記甲第1号証及び甲第4号証に記載された、1バイト単位で書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしたものを採用したとしても、各メモリブロック内において、1バイト単位で、書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしかできず、本件請求項4に係る発明の「各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備えたメモリカードシステムにおいて、該システムは、複数のメモリブロックを備えた前記EEPROMからなり、メモリブロックのアドレスを指定するブロック接続情報を各メモリブロックに対応して記憶するブロック接続領域を備えたメモリ部と、前記EEPROMの各メモリブロックにデータを書き込む際に、データの書き込みとそのデータの照合とを行なうべリファイ手段であって、その照合の結果、データの書き込みが正確に行なわれていない場合は、再度データの書き込みおよび照合を繰り返すベリファイ手段と、該ベリファイ手段にてデータの書き込みおよび照合が何回行なわれるかをカウントするカウント手段と、該カウント手段にて、カウントされたベリファイ回数が所定の回数に達したか否かを判別するベリファイ回数判別手段と、該ベリファイ回数判別手段にてベリファイ回数が所定の回数に達したと判別されたときに、そのメモリブロックに対応する前記ブロック接続領域に他の空きメモリブロックのアドレスを書き込むアドレス選択手段と、前記ベリファイ回数判別手段の判別結果および前記ブロック接続情報に基づいて、該当メモリブロックをアクセスするアクセス手段とを備え」との構成(以下、「構成C」という。)のようにすることはできない。 また、上記甲第2号証に記載されたものは、EEPROMにデータを書き込む際、書き込み処理速度を上げた状態でも正確に書き込むことができたかを判別するもので、データの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行いつつデータが書き込まれたか否かを判別するだけのものであり、上記甲各号証記載のものと組合わせても本件請求項4に係る発明の上記「構成C」のようにすることはできない。 更に、上記甲第5号証及び第6号証に記載されたものは、光ディスクに関するものであり、消去及び再書き込み可能なEEPROMではないので、これらを甲第1号証ないし甲第4号証と組合わせることは、当業者といえども容易になし得るものではない。 そして、本件請求項4に係る発明は、上記「構成C」を有することにより、明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。 したがって、本件請求項4に係る発明は、上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (v)本件請求項5に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において「いずれかのメモリブロックにデータを書き込むアクセスが生じた際に、その書き込みおよび照合が繰り返されて、そのベリファイ回数が所定の値に達した場合に、その所定の回数に達したメモリブロックがあることを使用者に警報する警報手段を備えた」との構成を付加するものであるから、本件請求項5に係る発明も、請求項4に対する理由と同様の理由により上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (vi)本件請求項6に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項6に係る発明は、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備えたメモリカードシステムであるのに対して、上記甲各号証に記載されたもののうちで、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備えたものは、上記甲第3号証に記載されたもののみである。 そして、上記甲第3号証に記載されたものは、ブロックヘの書き込み抑止は、ブロックヘの書き込み回数で管理しており、本件請求項6に係る発明のように「メモリ部の各メモリブロックにデータを書き込む際に、該データに誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加手段と、該訂正符号付加手段にて誤り訂正符号が付加されて一のメモリブロックに格納されたデータを、そのメモリブロックから任意に読み出して誤りチェックを行なう」ようにしたものではない。 また、上記甲第1号証及び甲第4号証には、EEPROMにデータを書き込む際に、そのデータの書き込み動作の度毎に、そのEEPROMからデータを読み出して照合しているが、その書き込み、読み出し、及び照合は、1バイト単位で行われている。 したがって、上記上記甲第3号証に記載された、各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMに、上記甲第1号証及び甲第4号証に記載された、1バイト単位で書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしたものを採用したとしても、各メモリブロック内において、1バイト単位で、書き込み、読み出し、及び照合を行うようにしかできず、本件請求項6に係る発明の「各メモリブロック単位で消去および再書き込み可能なEEPROMを備え、該EEPROMの各メモリブロックにデータを書き込む際に、該データに誤り訂正符号を付加して書き込み、該誤り訂正符号が付加されたデータは任意にそのメモリブロックから読み出されて誤りチェックおよび誤り訂正が行なわれるメモリカードにおけるデータ記録方法において、前記EEPROMに、メモリブロック間のデータの入れ換えを行なう際のブロック接続情報を各メモリブロックに対応して記憶するブロック接続領域を設け」との構成(以下、「構成D」という。)のようにすることはできない。 また、上記甲第2号証に記載されたものは、EEPROMにデータを書き込む際、書き込み処理速度を上げた状態でも正確に書き込むことができたかを判別するもので、データの書き込み動作の度毎に、データを読み出して照合を行いつつデータが書き込まれたか否かを判別するだけのものであり、上記甲各号証記載のものと組合わせても本件請求項6に係る発明の上記「構成D」のようにすることはできない。 更に、上記甲第5号証及び甲第6号証には、エラー訂正コード又はエラーチェックコードをデータと共に記録し、記録後それらのデータを再生し、データの誤りを訂正することが、記載されているが、上記甲第5号証及び甲第6号証に記載されたものは、光ディスクに関するものであり、消去及び再書き込み可能なEEPROMではないので、これらを甲第1号証ないし甲第4号証と組合わせることは、当業者といえども容易になし得るものではない。 そして、本件請求項6に係る発明は、上記「構成D」を有することにより、明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。 したがって、本件請求項6に係る発明は、上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (vii)本件請求項7に係る発明と上記甲各号証記載の発明との対比・判断 本件請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において「いずれかのメモリブロックのデータの誤りチェックを行なった際に、その誤りが所定数以上ある場合に、その誤り率の高いメモリブロックがあることを使用者に警報する警報手段を備えた」との構成を付加するものであるから、本件請求項7に係る発明も、請求項6に対する理由と同様の理由により上記甲各号証のいずれかに記載された発明であるとも、また、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともすることができない。 (5)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては本件請求項1ないし7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 1999-10-25 |
出願番号 | 特願平3-50122 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(G11C)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 江口 能弘 |
特許庁審判長 |
森田 信一 |
特許庁審判官 |
久保田 健 山本 穂積 |
登録日 | 1998-08-21 |
登録番号 | 特許第2818628号(P2818628) |
権利者 | 富士写真フイルム株式会社 |
発明の名称 | メモリカードにおけるデータ記録方法およびメモリカードシステム |
代理人 | 香取 孝雄 |