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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04B
管理番号 1008343
審判番号 審判1998-878  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1990-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-01-16 
確定日 2000-01-01 
事件の表示 昭和63年特許願第245501号「コードレステレホン」拒絶査定に対する審判事件(平成2年3月30日出願公開、特開平2-92121)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I 本願発明
本件審判請求に係る特許願は昭和63年9月29日になされており、明細書及び図面の記載からみて、
その特許請求の範囲の欄の請求項1の記載に係る発明(以下、「本願発明」という)の目的、効果は、通話チャンネルを開くことによるコントロールチャンネルでの混変調妨害の発生を防止することであり、
本願発明の構成は、
「親機が複数組の送信回路及び受信回路を有し、前記親機と複数の子機との間にコントロールチャンネルを使用して同時に通話チャンネルを開くことができるようにし、前記親機の受信回路が通話チャンネルを順次スキャンすることにより空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、前記親機と複数の子機の間に、前記通話チャンネルを開くとき、前記メモリに登録されている空きチャンネル情報の示す通話チャンネルでチャンネルを開くようにしたMCA方式のコードレステレホンにおいて、
前記空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報として前記メモリに登録するとき、前記空いている通話チャンネルの周波数と、使用中の通話チャンネルの周波数とから算出した混変調信号の周波数が前記コントロールチャンネルの周波数に略等しい場合は、前記空いている通話チャンネルを示すデータを前記空きチャンネル情報として前記メモリに登録することを禁止することを特徴とするコードレステレホン」
である。
(特許請求の範囲の欄参照、なおE課題を解決するための手段の欄の記載はこれと異なる)
II 周知の発明
親機が複数組の送信回路及び受信回路を有し、前記親機と複数の子機との間にコントロールチャンネルを使用して同時に通話チャンネルを開くことができるようにし、前記親機と複数の子機の間に前記通話チャンネルを開くとき、空きチャンネル情報の示す通話チャンネルでチャンネルを開くようにしたMCA方式の無線電話装置、
の発明(以下「周知の発明」という)は、例えば、特開昭50-39804号公報(昭和50年4月12日特許庁発行)、特開昭50-62705号公報(昭和50年5月28日特許庁発行)、特開昭62-48136号公報(昭和62年3月2日特許庁発行)等に記載されているように周知である。
III 刊行物記載の発明
1 当審が平成11年6月28日付けで通知した拒絶の理由において提示した、特開昭60-42952号公報(昭和60年3月7日特許庁発行、以下「引用文献1」という)には、
「無線機」の間に「制御チャンネル(Cチャンネル)」を使用して同時に「通話用チャンネル(Sチャンネル)」を開くことができるようにし、前記「無線機」の受信回路が「通話用チャンネル」を順次スキャンすることにより空いている「通話用チャンネル」を示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、前記「無線機」の間に、前記「通話用チャンネル」を開くとき、前記メモリに登録されている空きチャンネル情報の示す「通話用チャンネル」でチャンネルを開くようにしたMCA方式の無線通信装置、
の発明であって、
「制御チャンネル」で混変調妨害が発生すると「長時間発呼不能となる不都合が生じ」ることが記載されている。
ここで、上記発明を本願発明の用語で表現する。
上記発明の「制御チャンネル(Cチャンネル)」、「通話用チャンネル(Sチャンネル)」は、夫々本願発明の「コントロールチャンネル」、「通話チャンネル」と同義であり、
上記発明の「無線機」は本願発明の「親機」或いは「子機」と等価であり、
上記発明の「無線通信装置」は本願発明の「コードレステレホン」を包摂することを考慮すると、
引用文献1には、
親機と子機との間にコントロールチャンネルを使用して同時に通話チャンネルを開くことができるようにし、前記親機の受信回路が通話チャンネルを順次スキャンすることにより空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、前記親機と子機の間に、前記通話チャンネルを開くとき、前記メモリに登録されている空きチャンネル情報の示す通話チャンネルでチャンネルを開くようにしたMCA方式の無線通信装置、
の発明(以下、「第1の発明」という)であって、
「制御チャンネル」で混変調妨害が発生すると「長時間発呼不能となる不都合が生じ」ることが記載されている。
2 同様に、当審が平成11年6月28日付けで通知した拒絶の理由において提示した、実願昭59-70088号(実開昭60-181945号公報)のマイクロフィルム(昭和60年12月3日特許庁発行、以下「引用文献2」という)には、
「呼び出しチャンネル」と通話チャンネルを有し、発呼動作指令に応答して「空き通話チャンネル」を自動的に探索して探索された「空き通話チャンネル」を交信用通話チャンネルとして選択する「無線通信機」において、
「空き通話チャンネル」を示すデータを、空きチャンネル情報として「記憶手段」に登録するとき、通話チャンネルで混変調妨害が発生する場合は、前記空きチャンネル情報として前記「記憶手段」に登録することを禁止する「無線通信機」
具体的には、偶数番号の通話チャンネルを前記「記憶手段」に登録することを禁止し(請求項2)、または奇数番号の通話チャンネルを前記「記憶手段」に登録することを禁止する(請求項3)「無線通信機」
であって、
通話チャンネルを開くことによるチャンネルでの混変調妨害の発生を防止することができる、という発明が記載されている。
ここで、上記発明を本願発明の用語で表現する。
上記発明の「呼び出しチャンネル」、「記憶手段」は、夫々本願発明の「コントロールチャンネル」、「メモリ」と同義であり、
上記発明の「無線通信機」は本願発明の「コードレステレホン」を包摂することを考慮すると、
引用文献2には、
コントロールチャンネルと通話チャンネルを有し、発呼動作指令に応答して空き通話チャンネルを自動的に探索して探索された空き通話チャンネルを交信用通話チャンネルとして選択する無線通信機において、
空き通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録するとき、通話チャンネルで混変調妨害が発生する場合は、前記空きチャンネル情報として前記メモリに登録することを禁止する無線通信機、
であって、
通話チャンネルを開くことによるチャンネルでの混変調妨害の発生を防止することができる、
という発明(以下、「第2の発明」という)が記載されている。
IV 本願発明の創作可能性
本願発明(以下、「前者」という)と周知の発明(以下、「後者」という)とを比較すると、
両者が、
親機が複数組の送信回路及び受信回路を有し、前記親機と複数の子機との間にコントロールチャンネルを使用して同時に通話チャンネルを開くことができるようにし、前記親機と複数の子機の間に前記通話チャンネルを開くとき、空きチャンネル情報の示す通話チャンネルでチャンネルを開くようにしたMCA方式の無線電話装置、
を構成要件としている点で一致しており、
▲1▼ 前者が、前記親機の受信回路が通話チャンネルを順次スキャンすることにより空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、この空きチャンネル情報によりチャンネルを開くようにしているのに対して、後者がどの様にしてチャンネルを開くか明示していない点、
▲2▼ 前者が、通話チャンネルを開くことによるコントロールチャンネルでの混変調妨害の発生を防止するために、空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報として前記メモリに登録するとき、コントロールチャンネルで混変調妨害が発生する場合は、前記空きチャンネル情報として前記メモリに登録することを禁止しているのに対して、後者がどの様にしてチャンネルを開くか明示していない点、
▲3▼ 前者が、▲2▼の様にする際、コントロールチャンネルで混変調妨害が発生する場合として、空いている通話チャンネルの周波数と、使用中の通話チャンネルの周波数とから算出した混変調信号の周波数が前記コントロールチャンネルの周波数に略等しい場合を採用しているのに対して、後者がどの様にしてチャンネルを開くか明示していない点、
▲4▼ 無線電話装置として、前者が、コードレステレホンを採用しているのに対して、後者が限定していない点、
で相違している。
従って、本願発明は、前記周知の発明において、▲1▼′前記親機の受信回路が通話チャンネルを順次スキャンすることにより空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、この空きチャンネル情報によりチャンネルを開くようにし、▲2▼′通話チャンネルを開くことによるコントロールチャンネルでの混変調妨害の発生を防止するために、空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報として前記メモリに登録するとき、コントロールチャンネルで混変調妨害が発生する場合は、前記空きチャンネル情報として前記メモリに登録することを禁止し、その際、▲3▼′コントロールチャンネルで混変調妨害が発生する場合として、空いている通話チャンネルの周波数と、使用中の通話チャンネルの周波数とから算出した混変調信号の周波数が前記コントロールチャンネルの周波数に略等しい場合を採用し、▲4▼′無線電話装置としてコードレステレホンを採用することにより、発明をすることができたものである。
V 本願発明の創作容易性
上記▲1▼′〜▲4▼′について検討する。
▲1▼′について、
親機と子機との間にコントロールチャンネルを使用して同時に通話チャンネルを開くことができるようにし、前記親機の受信回路が通話チャンネルを順次スキャンすることにより空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、前記親機と子機の間に、前記通話チャンネルを開くとき、前記メモリに登録されている空きチャンネル情報の示す通話チャンネルでチャンネルを開くようにしたMCA方式の無線通信装置は、引用文献1に第1の発明として記載されているので、
前記周知の発明において、
前記親機の受信回路が通話チャンネルを順次スキャンすることにより空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録し、この空きチャンネル情報によりチャンネルを開くようにして本願発明のようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
▲2▼′について、
通話チャンネルを開くことによるチャンネルでの混変調妨害の発生を防止するために、コントロールチャンネルと通話チャンネルを有し、発呼動作指令に応答して空き通話チャンネルを自動的に探索して探索された空き通話チャンネルを交信用通話チャンネルとして選択する無線通信機において、空き通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報としてメモリに登録するとき、通話チャンネルで混変調妨害が発生する場合は、前記空きチャンネル情報として前記メモリに登録することを禁止する無線通信機は、引用文献2に第2の発明として記載されており、
また、コントロールチャンネルで混変調妨害が発生すると長時間発呼不能となる不都合が生じることが、引用文献1に記載されているので、
前記周知の発明において、
通話チャンネルを開くことによるコントロールチャンネルでの混変調妨害の発生を防止するために、空いている通話チャンネルを示すデータを、空きチャンネル情報として前記メモリに登録するとき、コントロールチャンネルで混変調妨害が発生する場合は、前記空きチャンネル情報として前記メモリに登録することを禁止して本願発明のようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
▲3▼′について、
2つの周波数(その周波数をf1、f2(f1<f2)とする)の電波が存在し、且つ非線形要素が介在する場合に、周波数fx=f1-(f2-f1)、fy=f2+(f2-f1)の電波が発生することは、通信の分野では広く知られたことであり、
前記周知の発明の様に、複数組の送信回路及び受信回路を有する無線電話装置に於いて、同時に2つの通話チャンネル(その周波数をf1、f2とする)を開くと、周波数が前記fx、fyのチャンネルに混変調妨害が発生すること、即ち前記コントロールチャンネルの周波数が前記fx、fyのチャンネルの周波数と略等しいと前記コントロールチャンネルに混変調妨害が発生することは、当業者に容易に推考できるので、
前記周知の発明において、
▲2▼′の様にする際、コントロールチャンネルで混変調妨害が発生する場合として、空いている通話チャンネルの周波数と、使用中の通話チャンネルの周波数とから算出した混変調信号の周波数が前記コントロールチャンネルの周波数に略等しい場合を採用して本願発明のようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
▲4▼′について、
無線電話装置としてのコードレステレホンは、例示するまでもなく周知であるので、
前記周知の発明において、
無線電話装置としてコードレステレホンを採用して本願発明のようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
VI 結び
以上I〜V項を総合して判断すると、本願明細書の特許請求の範囲の欄の請求項1の記載に係る発明は、前記周知の発明に基づき引用文献1、2に記載された第1、第2の発明を用いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、本件審判請求人である本願出願人は本願明細書の特許請求の範囲の欄の請求項1の記載に係る発明について特許を受けることができない。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 1999-10-05 
結審通知日 1999-10-15 
審決日 1999-11-05 
出願番号 特願昭63-245501
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 徳永 民雄  
特許庁審判長 丸山 光信
特許庁審判官 齋藤 操
橋本 正弘
発明の名称 コードレステレホン  
代理人 松隈 秀盛  

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