• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36 条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04B
審判 査定不服 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04B
管理番号 1008354
審判番号 審判1998-8492  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1990-06-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-05-28 
確定日 2000-01-07 
事件の表示 昭和63年特許願第301770号「移動体通信システム」拒絶査定に対する審判事件(平成2年6月7日出願公開、特開平2-148924)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I 本件審判請求に係る出願は、明細書及び図面の記載から見て「移動体通信システム」に関する発明(以下、「本願発明」という)に係るものである。
II 当審の平成11年7月15日付けの拒絶理由は、要するに、
本件出願は、明細書及び図面の記載が下記1、2の点で不備のため、本願発明の目的、構成、効果が不明であるので、特許法第36条第3項乃至第5項に規定する要件を満たしていないというものである。

1 明細書第6頁第6行〜第17行の「検出回路(21)により、‥‥‥(中略)‥‥‥時計(23)がセットされる。」という記載、及び明細書第8頁第15行〜第9頁第9行の「また、本実施例では‥‥‥(中略)‥‥‥確実に間欠受信される。」という記載では、「フレーム番号」及び「指定フレーム番号」の内容(具体例)が不明であるため、「フレーム番号」が何故「一連の時間情報」であるのか、「指定フレーム番号」が何故「当該移動局宛の指定メッセージの送信時間帯に対応する」のか、「フレーム番号」と「指定フレーム番号」から何故「指定メッセージの受信タイミングが演算され」得るのか、何故「このフレーム番号は、例えば272ビット毎に1番だけ増えることになり、一連の時間情報と等価である」のか不明であり、また「各移動局には、‥‥‥(中略)‥‥‥それぞれ指定されている」(第9頁第3行〜第5行)と、何故「各移動局では、‥‥‥(中略)‥‥‥確実に間欠受信される」(第9頁第3行〜第9行)のか不明であるので、本願発明の構成、効果が不明である。
2 特許請求の範囲の欄及び〔課題を解決するための手段〕の欄に記載された構成事項だけで、本願発明の目的、効果が達成できる理由が不明である。
(「一連の時間情報」の内容(具体例)が不明であり、「次に送信される時間帯」をどの様にして「演算」し、どの様にして「上記メッセージを受信するように」しているのか不明であり、「電力消費を低減する」ための要素が何か不明である。1項参照)
III 本件明細書(平成11年9月28日付け手続補正書により補正された明細書、なお図面を含む)の記載について検討する。
1 補正によって「フレーム番号」の内容は解ったが、依然として、「指定フレーム番号」の内容(具体例)が不明であるため、「指定フレーム番号」が何故「当該移動局宛の指定メッセージの送信時間帯に対応する」のか、「フレーム番号」と「指定フレーム番号」から何故「指定メッセージの受信タイミングが演算され」得るのか不明であり、また「各移動局には、‥‥‥(中略)‥‥‥それぞれ指定されている」(第9頁第3行〜第5行)と、何故「各移動局では、‥‥‥(中略)‥‥‥確実に間欠受信される」(第9頁第3行〜第9行)のか不明であるので、本願発明の構成、効果が不明である。
2 補正によっても依然として、特許請求の範囲の欄及び〔課題を解決するための手段〕の欄に記載された構成事項だけで、本願発明の目的、効果が達成できる理由が不明である。
(「当該移動体宛の上記メッセージの送信時間帯に対応した値」が不明であり、「当該移動体側で受信すべきメッセージが次に送信される時間帯」をどの様にして「演算」し、どの様にして「上記メッセージを受信するように」しているのか不明であり、「電力消費を低減する」ための要素が何か不明である。1項参照)
3 本願発明の構成、効果が不明であることについて、以下補足する。
a 前記手続補正書第3頁第5行〜第6行(明細書第9頁第4行)の「特定フレーム群」の内容(具体例)が不明である。(「例えば各認識番号(ID)の上位ビッドのような」事項と「自局宛の指定メッセージの送信時間帯に対応するフレーム番号の群である」事項がどの様に結びつくのか(具体例も無く)不明であり、「指定フレーム番号」との関係も不明である)
b 明細書第10頁第2行〜第4行の「ステップ▲5▼において、時計(23)が指定メッセージの受信タイミング(所定送信開始時の例えば1分前)になると」という記載では、「指定メッセージの受信タイミング」と「所定送信開始時」の関係が不明であり、例示の「1分前」の意味が不明である。(図面第3図A、Bの実施例に於ける、「フレーム番号」の周期が272/1200≒0.23秒であること及び各移動局のメッセージが最大127バイト即ち1016ビット、1016/1200≒0.85秒であることと、前記「1分(前)」の関係が不明)
4 1〜3項で述べたように本願発明の構成、効果が不明であるので、本願発明の構成に欠くことができない事項が何か不明である。
5 4項で述べたように本願発明の構成に欠くことができない事項が何か不明であるので、特許請求の範囲の欄に本願発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されているとは認められない。
6 以上述べたように、補正によっても依然として、本願発明の構成、効果が不明であり、従って当業者が容易にその実施をすることができる程度に本願発明の構成、効果を記載したとは認められず、また特許請求の範囲の欄に本願発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されているとも認められない。
IV 出願人の平成11年9月28日付け意見書の5.理由の(3)(4)における主張について検討する。
1 出願人は、前記意見書の第4頁第13行〜第20行に於いて、「前述のようにフレーム番号が‥‥‥(中略)‥‥‥メッセージが送信されることになる」と主張している。
しかし、出願人の例はその前提条件が不明であるので、何故「各移動局宛のメッセージの送信時間帯には、それぞれその時間帯に対応した範囲の値のフレーム番号が挿入されることになる」のか不明である。
(明細書及び図面の記載に依れば、実施例でのメッセージは可変であり、且つフラグ、アドレス、FCSを加えても最大127バイト(1016ビット)である(第8頁第11行〜第13行及び第3図A)ので、各移動局のメッセージに272ビット周期で挿入されるフレーム番号は最大4個であり、しかも4個に固定されずメッセージが28バイト以下では0個の場合も在り得ると思量される。どの様な条件の場合に10個のフレーム番号が挿入されるのか、何故、或る時間帯に1つの移動局宛に10個挿入されると、それに続く時間帯にメッセージが送信される移動局に10個挿入されるのか、前記前提条件が記載されて無いので不明である。仮に移動局宛のメッセージが全て同じ長さで固定であれば、同じ個数のフレーム番号が挿入されることも理解出来るが、メッセージの長さが可変であるという明細書の記載と矛盾する)
2 出願人は、前記意見書の第4頁第24行〜第5頁第3行に於いて、「出願当初の明細書‥‥‥(中略)‥‥‥記憶されている」と主張している。
しかし、明細書の当該箇所には、移動局と指定フレーム番号との対応関係が記載されているのみで、移動局とフレーム番号との対応関係は記載されて無い。(フレーム番号と指定フレーム番号の関係も記載されて無い)
また、各移動局に、当該移動局に対して指定された指定フレーム番号が記憶されていることは記載されているものの、当該移動局に対応する範囲の値のフレーム番号が記憶されていることは記載されて無い。
3 従って、前記意見書の第4頁第21行〜第23行及び第5頁第4行〜第9行に於ける、「したがって、各移動局には、‥‥‥(中略)‥‥‥1対1に対応することになる」及び「このように、『指定フレーム番号』は、‥‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」と言う主張は、何れも根拠に欠け失当である。
(出願人は、「指定フレーム番号」は、各移動体宛のメッセージの送信時間帯に対応したフレーム番号の群(フレーム群)であると主張しているが、指定フレーム番号がフレーム番号の群から成ることは勿論、複数個から成ることさえも明細書には記載されて無い(指定フレーム番号が複数個から成るとして、その意味が不明である。「フレーム番号」と、記憶回路(22)からの「指定フレーム番号」から「当該移動体側で受信すべきメッセージが次に送信される時間帯」を「演算」する場合複数個の「指定フレーム番号」のどれを用いるのかも不明である)。確かに、出願当初の明細書の第9頁第3行〜第5行には「各移動局には、例えば各認識番号(ID)の上位ビッドのような、特定のフレーム群がそれぞれ指定されている」という記載があるが、この「特定のフレーム群」が「指定フレーム番号」であることは記載されていないし、また「各移動局」の「各認識番号(ID)(の上位ビッド)」と「特定のフレーム群」(或いは「指定フレーム番号」)の関係も記載されていない。IIIの3のa参照)
4 出願人は、前記意見書の第5頁第10行〜第21行に於いて、「そして、前述のように、‥‥‥…(中略)‥‥‥確実に受信される」と主張している。
しかし、1〜3で述べた様に「特定の値」が不明であるので、「その送信開始時間にのみメッセージを間欠受信することにより、当該移動局宛のメッセージが確実に受信される」理由が不明である。
(前記意見書の第4頁第16行〜第20行の「或る時間帯に1つの移動局宛に送信されたメッセージに値0から値9までの10個のフレーム番号が挿入され」、「それに続く時間帯にメッセージが送信される移動局には、値10から値19までの10個のフレーム番号が挿入され」という記載及び第3図Bの記載の例に依れば、「メッセージ#j1」は「メッセージ#i2」と共に「フレーム番号の値9」に属し、「フレーム番号の値10」が「指定フレーム番号」であるメッセージには「メッセージ#j1」が存在しないので、「当該移動局宛のメッセージが確実に受信される」と言う出願人の主張は根拠が無い。IIIの3のb参照)
5 従って、前記意見書の第5頁第22行〜第26行及び第5頁第27行〜第6頁第4行に於ける、「出願当初の明細書の‥‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」及び「また、出願当初の明細書‥‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」と言う主張は、何れも根拠に欠けるもので失当である。
6 出願人は、前記意見書の第6頁第5行〜第9行に於いて、「なお、今回提出した‥‥‥(中略)‥‥‥に訂正した」と主張しているが、依然として「特定フレーム群」の内容(具体例)が不明であるので、出願人の前記主張は根拠が無い。(IIIの3のa参照)
7 出願人は前記意見書の第7頁第3行〜第14行に於いて、「また、『当該移動体側で‥‥‥(中略)‥‥‥に訂正した」と主張しているが、訂正によっても依然として「当該移動体宛の上記メッセージの送信時間帯に対応した値」或いは「指定フレーム番号」の内容(具体例)が不明である(IIIの1参照)ので、「これにより、当該移動体側‥‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」という出願人の前記意見書の第7頁第14行〜第16行の主張は根拠が無い。
8 従って、出願人の前記意見書の第7頁第24行〜第28行の「これにより、当該移動体側‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」という主張も、第7頁第29行〜第8頁第3行の「また、このようにメッセージ‥‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」という主張も、第8頁第4行〜第6行の「このように、この特許請求‥‥(中略)‥‥‥明確になったと思料する」という主張も、何れも根拠が無い。
V 結び
以上I〜IV項を総合して判断すると、本件出願は、明細書(図面を含む)に当業者が容易にその実施をすることができる程度に本願発明の構成、効果を記載したとは認められず、また特許請求の範囲の欄に本願発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されているとも認められず、特許法第36条第3項乃至第5項に規定する要件を満たしていないので、当審で通知した上記拒絶理由によって拒絶する。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 1999-10-25 
結審通知日 1999-11-05 
審決日 1999-11-26 
出願番号 特願昭63-301770
審決分類 P 1 8・ 531- WZ (H04B)
P 1 8・ 532- WZ (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 聡史  
特許庁審判長 丸山 光信
特許庁審判官 橋本 正弘
大橋 隆夫
発明の名称 移動体通信システム  
代理人 松隈 秀盛  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ