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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H03F |
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管理番号 | 1008376 |
審判番号 | 審判1998-19533 |
総通号数 | 8 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-12-10 |
確定日 | 1999-12-13 |
事件の表示 | 平成4年特許願第350964号「出力回路」拒絶査定に対する審判事件(平成6年6月24日出願公開、特開平6-177666)について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願の手続の経緯及び本願発明の要旨 本願は、平成4年12月3日の出願であって、本願発明の要旨は、平成10年8月21日付け手続補正書で補正された明細書と図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりの、 「ベース側に導入された入力信号を増幅するNPN型の第1トランジスタと、この第1トランジスタのエミッタ電流により充電されるとともに充電電圧を出力信号として出力するコンデンサと、このコンデンサの両端にコレクタ・エミッタ間が接続されており前記コンデンサを放電させるNPN型の第2トランジスタと、この第2トランジスタのベース電流を生成する回路であって第1トランジスタのコレクタ電流の増減に応じて当該ベース電流を減増させる帰還回路とが備えられており、前記帰還回路には、第2トランジスタのベース・エミッタ間に、第2トランジスタのベース蓄積電荷を逃がすための抵抗が設けられていることを特徴とする出力回路。」 にあるものと認める。 2.引用例 これに対して、原審の拒絶理由で引用された特開昭61-16603号公報(以下、「引用例」という。)の特に第1図とその説明には、 「コレクタ・エミッタ路が直列接続された入力信号増幅用NPN型の第1トランジスタ10、及びNPN型の第2トランジスタ14と、前記第1トランジスタ10のベースに入力信号を供給する入力回路と、前記第1トランジスタ10のエミッタと前記第2トランジスタ14のコレクタとの共通接続点に接続された負荷21と、第2トランジスタ14のエミッタは負電源を介して負荷21の他端に接続され、前記第1トランジスタ10のコレクタ電流の変化を検出し、それに応じて第2トランジスタ14のベース電流を供給する制御回路を備えた出力回路」 が記載され、該制御回路は、前記第1トランジスタ10のコレクタ電流の増減に応じて第2トランジスタ14のベース電流を減増させるように制御しており、また引用例の第2頁左上欄には、負荷が容量性負荷の場合に適用することも考慮している。 3.対比 そこで、本願発明と引用例に記載されたものとを対比すると、引用例に記載された制御回路は、本願発明の帰還回路と同様の作用効果を奏するものであり、引用例に記載された負荷が容量性負荷の場合は、NPN型の第1トランジスタ10が充電作用があり、NPN型の第2トランジスタ14が放電作用があることは明白であるから、両者は、 「ベース側に導入された入力信号を増幅するNPN型の第1トランジスタと、この第1トランジスタのエミッタ電流により充電されるとともに充電電圧を出力信号として出力するコンデンサと、このコンデンサの両端にコレクタ・エミッタ間が接続されており前記コンデンサを放電させるNPN型の第2トランジスタと、この第2トランジスタのベース電流を生成する回路であって第1トランジスタのコレクタ電流の増減に応じて当該ベース電流を減増させる帰還回路とが備えられた出力回路」 の点で一致し、 本願発明が、帰還回路の、第2トランジスタのベース・エミッタ間に、第2トランジスタのベース蓄積電荷を逃がすための抵抗が設けられているのに対して、引用例にはその点が何も記載されていない点で相違している。 4.当審の判断 しかしながら、トランジスタのベース・エミッタ間に、該トランジスタのオフ時にベース蓄積電荷を逃がすための抵抗を設けることは当業者の常套手段(たとえば、特公平3-37767号公報の特に第4図と第7欄第1行〜同欄第4行の記載等を参照されたい。)であるから、上記相違点は単に上記常套手段を利用したに過ぎず、格別のものとは認められない。 5.むすび したがって、本願発明は、引用例に記載されたもの、及び上記常套手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-09-17 |
結審通知日 | 1999-10-08 |
審決日 | 1999-10-22 |
出願番号 | 特願平4-350964 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H03F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 伊東 和重 |
特許庁審判長 |
木南 仁 |
特許庁審判官 |
鈴木 朗 磯崎 洋子 |
発明の名称 | 出力回路 |
代理人 | 小池 隆彌 |
代理人 | 木下 雅晴 |