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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04B
管理番号 1008388
審判番号 審判1995-23830  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-07-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1995-11-02 
確定日 2000-01-11 
事件の表示 平成5年特許願第915号「光モジュール」拒絶査定に対する審判事件〔(平成6年7月22日出願公開、特開平 6-204951)、特許請求の範囲に記載された請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許をすべきものとする。 
理由 (手続の経緯、本件発明)
本願は、平成5年1月7日の出願であって、請求項1に係る発明は、平成7年4月5日付け、平成7年8月7日付け及び平成11年8月19日付けの各手続補正書により補正された明細書、図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである(以下、本件発明という。)。
「信号光の入出力部分、あるいはモジュール内の光素子接続部分に、信号光のコヒーレント長(cを光速、nを伝送媒体の屈折率、Δfを信号光のスペクトル線幅としたとき信号光のコヒーレント長Lは、L=c/(2・π・n・Δf)で表される)よりも長い光ファイバケーブルを用いた光反射歪低減部を有し、前記光反射歪低減部の入力側に光アイソレータを有することを特徴とする光モジュール。」
(引用刊行物)
これに対し、当審が平成11年6月7日付けで通知した拒絶の理由に引用した特開昭57-133422号公報(以下、刊行物1という。)には、半導体レーザの動作がもどり光により不安定となることを防止することを目的として、「半導体レーザからの光を伝送する光伝送路の長さを半導体レーザ光のコヒーレント長の1/2以上とした」構成を備えた光伝送装置に関する発明が記載されている。
また、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭57-198408号公報(以下、刊行物2という。)には、レーザダイオードに再注入される反射光によって発振波長等が変動することを防止するため、「レーザダイオードと光コネクタの間の光ファイバ長を伝送帯域の最大周波数成分の波長の1/2以下とする」構成からなる光伝送装置に関する発明が記載されている。
(対比・検討)
本件発明と上記刊行物1記載の発明とを対比すると、両者は、本件発明が光反射歪低減部の入力側に光アイソレータを有するとしているのに対し、上記刊行物1記載の発明には、そのような構成が設けられていない点、及び、本件発明が信号光のコヒーレント長(cを光速、nを伝送媒体の屈折率、Δfを信号光のスペクトル線幅としたとき信号光のコヒーレント長Lは、L=c/(2・π・n・Δf)で表される)よりも長い光ファイバケーブルを用いた光反射歪低減部を備えるとしているのに対し、上記刊行物1記載の発明は、半導体レーザからの光を伝送する光伝送路の長さを半導体レーザ光のコヒーレント長の1/2以上とした点、で相違する。
そこで、その相違点について検討すると、上記刊行物1記載の発明においては、本件発明のようなアイソレータを上記刊行物1記載の発明にわざわざ用いなくとも、反射光が半導体レーザにもどることを防止できるように、「半導体レーザからの光を伝送する光伝送路の長さを半導体レーザ光のコヒーレント長の1/2以上とした」構成を採用しているのであって、上記刊行物1記載の発明に本件発明のようなアイソレータを用いる必然性はみあたらない。しかし、アイソレータを用いて反射光の半導体レーザヘのもどりを防止すること自体は、本件出願前周知の技術手段であって、本件発明がこの手段を採用したことに格別の創作性はない。
一方、光伝送路(光ファイバケーブル)の長さに関していえば、上記刊行物1記載の発明の光伝送路の長さは半導体レーザ光のコヒーレント長の1/2以上であるから、コヒーレント長以上であるとする本件発明の光ファイバケーブルの長さを含むことになる。しかし、上記刊行物1記載の発明においては、半導体レーザの動作がもどり光により不安定となることを防止することを目的とするものであり、その目的を達する長さであれば足りるとするものであるから、本件発明のような、信号光と反射光との干渉を防止する長さである必然性はない。換言すれば、上記刊行物1記載の発明の光伝送路の長さが半導体レーザ光のコヒーレント長の1/2以上であるからといって、これがコヒーレント長以上とすることの必然性は上記刊行物1記載の発明から導き出すことはできないと言わざるを得ない。また、「コヒーレント長」という用語の意味する技術内容から、信号光と反射光との干渉を防止するためにコヒーレント長以上の長さの光ファイバケーブルを用いるとすることがただちに導き出せるということでもない。そして、この点に関し、その他の先行技術文献もみあたらない。
よって、本件発明が上記刊行物1記載の発明の基づき当業者が容易に発明できたとすることはできない。
また、本件発明と上記刊行物2記載の発明とを対比すると、上記刊行物2記載の発明は、「レーザダイオードと光コネクタの間の光ファイバ長を伝送帯域の最大周波数成分の波長の1/2以下とする」構成、すなわち光ファイバ長を短くすることにより、反射光のピーク成分が伝送帯域外になるようにするというものであり、このことによってレーザダイオードに再注入される反射光によって発振波長等が変動することを防止するというものであるから、この刊行物2記載の発明と本件発明とは技術思想を全く異にするものである。
したがって、本件発明が刊行物2記載発明に基づき当業者が容易になし得たとすることはできない。
(むすび)
以上のとおりであるから、本件発明は上記刊行物1,2記載の発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、他に本願の拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 1999-12-01 
出願番号 特願平5-915
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 伏本 正典  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 吉見 信明
橋本 正弘
発明の名称 光モジュール  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  

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