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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1008570 |
審判番号 | 審判1999-2978 |
総通号数 | 8 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1990-02-14 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-02-25 |
確定日 | 2000-01-14 |
事件の表示 | 昭和63年特許願第195539号「半導体集積回路装置」拒絶査定に対する審判事件(平成2年2月14日出願公開、特開平2-44759)について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、昭和63年8月4日の出願であって、平成10年4月1日付、および、平成11年3月26日付手続補正書にて補正されている。 請求項1に記載の発明は、特許請求の範囲に記載された下記のとおりのものと認める。 「一導電型の半導体基板と、前記半導体基板内に形成された第二導電型の第1の領域と、前記第1の領域を前記第二導電型の第2の領域から分離するために形成された前記第一導電型の分離領域と、前記第1の領域内に形成されたバイポーラ型のトランジスタと、前記第1の領域内に前記トランジスタを囲み前記半導体基板及び前記分離領域と電気的に独立して形成されると共に所定の電位が供給される前記一導電型の拡散領域とを備えること特徴とする半導体集積回路装置」 2.引用例 これに対して、原審における拒絶の理由に引用された、刊行物、特開昭50-150387号公報(以下引用例という)には、 「第1図は本願の一実施例に係るICを示すものである。 1はp型半導体基体、2はその半導体基体1の表面部に選択的に形成されたn+型半導体埋込層、3は基体1表面にエピタキシャル成長法により形成されたn型半導体層、4は各半導体素子領域を基体1からアイソレーション(電気的分離)するために設けたp型半導体層、5はベース、6はエミッタ、7はオーミックコンタクト用領域、8はベース領域5の周囲を取りまくように形成されたリング状のp+型半導体層で、アイソレーション層4と電気的に接続されている。・・・・したがって、基板に寄生電流が流れることを防止することができ、サイリスタ現象の生じること、基板と各半導体素子領域間との電位差の変動することを阻止することができるものである。」(第2頁右上欄第19行〜左下欄第19行)の記載と共に、第1図が示されており、第1図において、リング状のp+型半導体層8とアイソレーション層4とが電気的に接続され、接地されている点が記載されている。 また、「このような場合は第2図に示すように適当なバイアスをアースとP+型半導体層8の間に印加する。これによってVccが高くても降伏が生じないようにすることができる。」(第2頁右下欄第9行〜第12行)の記載と共に第2図が示され、第2図においてリング状のp+型半導体層8とアイソレーション層4の間に、バイアス源を接続する点が記載されている。 してみると、上記引用例には、 「p型半導体基体1と、該基体1の表面にエピタキシャル成長法により形成されたn型半導体層3と、各半導体素子領域を分離するために設けたp型半導体層4と、ベース5、エミッタ6、及び、ベース領域5の周囲を取りまくように形成されたリング状のp+型半導体層8を有し、該リング状のp+型半導体層8は、バイアス源を介してアイソレーション層4と接続されたIC」 が記載されているものと認められる。 3.対比・判断 ここで、上記引用例の発明において、リング状のP+型半導体層は、明細書の記載上はベース領域5の周囲を取りまくとされているが、第1図の記載からみてベース8,エミッタ6等からなるバイポーラトランジスタの周囲を取り囲んでいると言えるから、本願発明と引用例に記載された発明とを対比すると、引用例の「p型半導体基体1」、「n型半導体層3」、「アイソレーション(電気的分離)するために設けたp型半導体層4」、「リング状のp+型半導体層8」、「IC」、は、本願発明の「一導電型の半導体基板」、「第二導電型の第一の領域」、「第一導電型の分離領域」、「一導電型の拡散領域」、「半導体集積回路装置」にそれぞれ相当する。 よって、両者は、 「一導電型の半導体基板と、前記半導体基板内に形成された第二導電型の第一の領域と、前記第1の領域を前記第二導電型の第2の領域から分離するために形成された前記第一導電型の分離領域と、前記第1の領域内に形成されたバイポーラ型トランジスタと、前記第1の領域内に前記トランジスタを囲み、所定の電位が供給される前記一導電型の拡散領域とを備えること特徴とする半導体集積回路装置」 の点で一致しており、 一導電型の拡散領域が、本願請求項1に記載の発明では、分離領域から「電気的に独立している」のに対し、引用例に記載の発明では「バイアス源を介して接続されている」点で一応相違する。 上記相違点について検討する。 引用例に記載の発明において、一導電型の拡散領域と分離領域との電気的接続はバイアス源を介しているのであるから、両者は互いに異なる電源に接続されており、一導電型の拡散領域は分離領域から実質的に独立しているといえるので、上記相違点は、実質的に相違点とは認められない。 4.むすび したがって、本願請求項1に記載された発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-10-29 |
結審通知日 | 1999-11-26 |
審決日 | 1999-11-18 |
出願番号 | 特願昭63-195539 |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小川 将之、正山 旭 |
特許庁審判長 |
今野 朗 |
特許庁審判官 |
岡 和久 小田 裕 |
発明の名称 | 半導体集積回路装置 |
代理人 | 京本 直樹 |