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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1008871
異議申立番号 異議1997-72479  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1989-06-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 1997-05-26 
確定日 1999-10-25 
異議申立件数
事件の表示 特許第2558765号「半導体装置の製造方法」の特許に対する特許異議の申立について、平成10年4月10日にした決定に対し、東京高等裁判所において決定の取消の判決(平成10年(行ケ)第176号、平成11年2月9日判決言渡により確定。)があったので、さらに審理した結果、次のとおり決定する。 
結論 特許第2558765号の特許を維持する。 
理由 1.経緯
本件特許2558765号は、昭和62年12月17日に出願され、平成8年9月5日に設定登録され、平成9年5月26日に特許異議申立され、平成10年4月10日に取消決定され、平成10年6月10日に取消決定の取消を求める訴えが東京高等裁判所にされ、平成10年7月2日に訂正審判請求がされ、平成10年9月9日に訂正を認める審決がされ、その後当該審決が確定し、平成11年2月9日に平成10年4月10日にした取消決定に対し、東京高等裁判所において上記取消決定の取消の判決があった。
2.本件特許発明
本件特許発明は、平成10年7月2日に訂正審判請求され、その後確定した訂正特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲第1項に記載された次のとおりのものと認める。
「還元性を有する元素を含む雰囲気中において、表面に酸化膜を有する半導体基板上に前記元素を含む薄膜を堆積する工程と、前記薄膜堆積後に前記半導体基板および前記薄膜に対してアニールを行う工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。」
3.異議申立ての理由の概要
異議申立人安藤純男は、甲第1号証(特開昭61-141118号公報)、甲第2号証(特開昭61-158178号公報)、甲第3号証(特開昭59-143318号公報)及び甲第4号証(特開昭57-133626号公報)を提出し、本件特許は特許法第29条第1項又は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
4.申立人が提出した甲第各号証に記載の内容
4.1 甲第1号証の記載内容
甲第1号証には、「気相成長方法」に関する発明が開示されており、その第1図、および第2頁右上欄第13行〜左下欄第1行には、「本発明のエピタキシャル装置において、以下のような手順でエピタキシャル成長させた。…半導体基板(5)上にモノシランと水素の混合ガスを供給し、約550℃の温度で半導体基板(5)上に0.4μmの非晶質膜を堆積させる。次に約1100℃の温度に半導体基板(5)を熱し、約10分間H2アニールを行ない非晶質膜を単結晶化させる。」と記載され、また、甲第1号証の第2頁右下欄第11〜13行には、「なお本実施例において、H2アニール法を赤外線加熱としたが、レーザーアニールでもかまわない。」記載されている。
4.2 甲第2号証の記載内容
甲第2号証には、「半導体装置の製造方法」に関する発明が開示されており、その第1頁左欄第8〜11行には、「前記ポリシリコンを成長した後に、水素雰囲気中でアニールを行って、前記開口部の基板とポリシリコンとの界面の酸化膜を除去する工程を含む」と記載され、第2頁右上欄第20行〜左下欄第6行には、「本発明は半導体装置のベース領域とポリシリコンとの境界に生ずる薄い絶縁層とポリシリコン膜の抵抗を低くするために、ポリシリコン膜の成長後の工程で水素雰囲気中で熱処理することにより、酸化膜を還元すると共に、ポリシリコン膜のグレンサイズを大きくして抵抗を減少させるように考慮したものである。」と記載され、第3頁左上欄第13〜15行には、「水素雰囲気中でアニールすることにより、べース電極部とコレクタ部の薄い酸化膜28、29のみを除去することが可能であり」と記載され、薄膜形成後にアニールを行うことによって、薄膜の下層の酸化膜をする技術が開示されている。
4.3 甲第3号証の記載内容
甲第3号証には、「光アニール法」に関する発明が開示さており、その第1頁左欄第5〜8行には、「半導体を水素を含む雰囲気あるいは水素化合物を含む雰囲気中に晒し、かつ、該雰囲気中に紫外線あるいは遠紫外線を照射し、半導体を活性水素でアニールすることを特徴とするアニール法。」が記載されている。
4.4 甲第4号証の記載内容
甲第4号証には、「半導体薄膜製造法」に関する発明が開示されており、その第1頁左欄第4〜7行には「絶縁基板上の半導体薄膜を電子ビームおよび、レーザの如きエネルギー密度の高い光の双方を用いてアニールすることを特徴とする半導体薄膜製造法」が記載されている。
5.本件特許発明と異議申立人安藤純男が提出した甲各号証記載の発明との対比・判断
本件特許発明と異議申立人が提出した甲第1号証〜甲第4号証記載の発明とを対比すると、本件特許発明は、甲第1号証〜甲第4号証いずれも、本件特許発明の特徴である、「還元性を有する元素を含む雰囲気中において、表面に酸化膜を有する半導体基板上に前記元素を含む薄膜を堆積する工程」(以下、「本件特許発明の特徴的構成」という。)についての構成を有しておらず、また上記本件特許発明の特徴的構成の示唆もない。
また、上記甲第1号証〜甲第4号証を合わせて考慮しても、当業者が容易に上記本件特許発明の特徴的構成を導き出すことができない。
そして、本件特許発明は、上記本件特許発明の特徴的構成を有することにより、本件特許発明は、上記甲1〜4号証いずれからも導き出すことができない、半導体基板上の酸化膜の還元方法を開示するものである。
そうすると、本件特許発明が、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとすることができない。
5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-09-20 
出願番号 特願昭62-319441
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小野田 誠  
特許庁審判長 高橋 美実
特許庁審判官 森 正幸
柏崎 正男
綿貫 章
辻 徹二
登録日 1996-09-05 
登録番号 特許第2558765号(P2558765)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 半導体装置の製造方法  
代理人 滝本 智之  
代理人 岩橋 文雄  

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