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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1009668
審判番号 審判1995-14222  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1989-11-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1995-07-06 
確定日 2000-02-04 
事件の表示 昭和63年特許願第108184号「情報処理装置」拒絶査定に対する審判事件(平成1年11月9日出願公開、特開平1-279337)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明の要旨
本願は、昭和63年4月30日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成7年1月30日付け手続補正書によって補正された明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「所定のログ情報を収集する情報処理装置において、
共通バスを介して接続される装置(1)内のログ情報を循環する態様で書き込むために当該装置(1)内に設けたログメモリ(3-2)と、
共通バスを介して装置に通知された第1のログコマンドに対応して、上記ログメモリ(3-2)を参照して異常が発生していた場合には発生していた異常情報をもとに異常スティタス、異常箇所および異常発生した前後のログなどの関連するログ情報を選択し、ホストに転送するログコマンド処理部(3-1)とを備え、
ホストが必要に応じて共通バスを介して装置(1)に第1のログコマンドを通知し、ログ情報を収集し得るように構成したことを特徴とする情報処理装置。」
により特定されるところにあるものと認める。
2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特公昭59-43768号公報(以下、「引用例」と言う)には、
「中央処理装置からの指示に従ってチャネル装置の初期化を起動するデータ処理装置において、チャネル装置が実行すべき各種の初期化処理を、中央処理装置からの指示コマンドに従って選択的に起動することが可能となるチャネル装置の初期起動方式に関するもの」(第1頁右欄第6〜11行目)であって、
「CPUと主メモリが共通バスを介してチャネル装置に接続される。さらにチャネル装置は、チャネルバスを介してサブチャネル部であるラインアダプタに接続される。
チャネル装置は・・・マイクロプロセッサ(MPU)を有し、そのデータバスに制御プログラム(メインプログラム)を記憶するRAMと初期プログラムを記憶するROMとが接続される。また共通バスとデータバスの間のデータの入出力のためにレシーバ(RC)とドライバ(DR)が設けられる。さらに、CPUコマンド指示用の書込み制御レジスタ(WCR)とCPUコマンド終了通知用の読出し制御レジスタ(RCR)が設けられる。またデータバスとチャネルバスの間にはドライバ/レシーバ(DR/RC)が設けられる。
さらに、チャネル装置よりデータをCPUに転送する際の割込み制御回路と、MPUのコマンドにより主メモリとRAM間で直接データの転送を行なうように制御するDMA制御回路がそれぞれデータバスに接続される」(第2頁右欄第31行〜第3頁左欄第8行目)ように構成され、その動作は、
「まず、CPUはチャネル装置に対して初期プログラムのローディングが自己診断か、またはエラーロギング等の初期動作を行なわせるため、チャネルクリアのコマンドを発する。このコマンドにより前述のチャネルコントロールレジスタよりチャネル装置のハードウエアに対してクリア信号が発せられる。チャネル装置のMPUはこれを解読し関連するハードウエア(自己の内部レジスタ等)をクリアし、同時にROMの個別プログラムのいずれかを起動すべくCPUからのコマンド指示を待つ。そしてWCRにコマンドが指示されると、これを分析してコマンドに応じた処理(個別プログラム)がMPUにより行なわれ」(第3頁左欄第20〜33行目)、
「エラーロギングのコマンドが与えられた場合には、MPUはROM内のロギングプログラムを実行する。これにより、チャネル装置内のRAM内のログ領域に格納されているエラー情報が、ローディングとは逆にROM内の制御プログラムとDMA制御回路を用いて主メモリにロギングされる。
そしてCPUにエラーロギング終了通知が送られる」(第3頁右欄第18〜26行目)ようになっているものが記載されている。
3.対比
本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」と言う)と上記引用例の発明とを対比すると、上記引用例の発明における「エラー情報」,「チャネル装置」,「ログ領域」,「エラーロギングのコマンド」,「CPU(主メモリを含む)」は、本願発明における「ログ情報」,「共通バスを介して接続される装置(1)」,「ログメモリ」,「第1のログコマンド」,「ホスト」に相当する。
従って、両者は共に、
「所定のログ情報を収集する情報処理装置において、
共通バスを介して接続される装置(1)内のログ情報を書き込むために当該装置(1)内に設けたログメモリ(3-2)と、
共通バスを介して装置に通知された第1のログコマンドに対応して、上記ログメモリ(3-2)を参照してログ情報を選択し、ホストに転送するログコマンド処理部(3-1)とを備え、
ホストが必要に応じて共通バスを介して装置
(1)に第1のログコマンドを通知し、ログ情報を収集し得るように構成したことを特徴とする情報処理装置。」
である点では同じである。
ただ、▲1▼本願発明においては、ログメモリは、ログ情報を循環する態様で書き込むようにされているのに対して、上記引用例の発明においては、そのようにされていない点、および、▲2▼本願発明においては、発生していた異常情報をもとに異常スティタス、異常箇所および異常発生した前後のログなどの異常に関連するログ情報を選択し、ホストに転送しているのに対して、上記引用例1の発明においては、どのようなログ情報がホストに転送されるのかについては記載されていない点、で両者は相違している。
4.容易性の判断
上記相違点▲1▼,▲2▼について検討する。
(a)相違点▲1▼について
一般的に、情報処理装置内に設けられたメモリの記憶容量には限りがあるので、該メモリに情報を循環する態様で記憶させるようにし、最新の情報を記憶させると、最古の情報は自動的に消去するようにして、常に最新の情報から一定以前までの情報を記憶させるようにすることは、当業者に周知の事項であって(例えば、特公昭53-7266号公報の第2頁左欄第37行〜同頁右欄第29行目,特に同頁左欄第43行〜同頁右欄第16行目には、ロギング用メモリに状態情報を記憶するに当たって、「制御回路に・・・タイミング信号が供給されるとき、制御回路はロギング指令を発し、その時点での情報処理装置における状態情報はレジスタから・・・ロギング用メモリに供給される。一方カウンタは上記ロギング指令に応じてカウントを歩進せしめ、これに応じてアドレス発生回路は例えば#0番地から#n番地さらに再び#0番地を順にアクセスするアドレス情報を発生し当該アドレスをアクセスするようにする。このため、情報処理装置における各インストラクションまたはコマンドによる処理終了時点の状態情報はロギング用メモリの各番地に順に記録されて行き、例えば#0番地から#n番地まで記録され終ったら再び#0番地に記録され古い情報は失なわれて行く。
このようにしてロギング用メモリは常時過去n+1個前のインストラクションまたはコマンドによる処理終了時点での状態を記録している」と記載されていることを参照のこと)、上記引用例の発明に該周知の事項を適用して、本願発明のようにすることは、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(b)相違点▲2▼について
本願発明においては、「異常ステイタス、異常箇所および異常発生した前後のログなどの関連するログ情報を選択し、ホストに転送する」ようにしているが、請求項1の記載から見て、この「異常ステイタス」,「異常箇所」,「異常発生した前後のログ」というのは、単なる例示であって、本願発明は、異常の解析に必要なログ情報を選択してホストに転送しているものと認められる。しかしながら、一般的に情報処理装置において、情報を解析処理するためには、その解析に必要な情報のみを選択して収集すること、例えばどのような障害が発生したかを解析するために障害(異常)に関連するログ情報を収集することは当業者にとって周知の事項であるから、ログコマンドが通知されると、それに応じて、発生した障害を解析するために必要なログ情報を選択して収集するようにすることは、当業者が必要に応じて適宜選択実施できた程度のことにすぎないものと認められる。したがって、上記引用例の発明において、発生していた異常情報をもとに異常スティタス、異常箇所および異常発生した前後のログなどの異常に関連するログ情報を選択し、ホストに転送するようにして、本願発明のようにすることは、当業者が何ら困難性なくなし得たことにすぎないものと認められる。
5.審判請求人の主張
審判請求人は、意見書中や審判請求理由中において、本願発明と上記引用例(特公昭59-43768号公報)との相違点は、要約すると、上記引用例においては、異常のログ情報の全てや無作為に異常でないログ情報も含めて全てを主メモリに転送しているが、本願発明においては、障害発生時に、ログコマンドを発行すると、該ログコマンドを受信したログコマンド処理部が発生していた異常情報をもとに異常ステイタス、異常箇所および異常発生した前後のログなどのログ情報を選択し、それを自動的にホストに転送することにある旨主張している。
しかしながら、情報処理装置において、ログコマンドが発行された場合に、それを受信したログコマンド処理部がどのようなログ情報をホストに転送したらよいかは、ログコマンド処理部が、予め与えられているログ処理プログラムを実行することによって、発生していた異常情報を利用してどのようなログ情報をホストに転送すべきかを決定し、その決定に従って選択されたログ情報をホストに転送しているのであって、該選択が自動的に行なわれているのではない。したがって、上記引用例のものにおいても、ログコマンドが発生されたときに、どのようなログ情報をホストに転送すべきであるかを選択し、選択されたログ情報のみを転送するようにすることは、そのようにプログラムすればよいことであって、当業者が必要に応じて適宜選択実施できた程度のことにすぎない。
したがって、審判請求人の主張には根拠がなく、採用することができない。
6.むすび
以上のとおりであるので、本願発明は、上記引用例に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-11-29 
結審通知日 1999-12-03 
審決日 1999-12-13 
出願番号 特願昭63-108184
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 羽鳥 賢一井上 正  
特許庁審判長 丸山 光信
特許庁審判官 橋本 正弘
大橋 隆夫
発明の名称 情報処理装置  
代理人 岡田 守弘  

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