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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02G |
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管理番号 | 1009709 |
審判番号 | 審判1998-2668 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1991-03-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-02-19 |
確定日 | 2000-02-14 |
事件の表示 | 平成1年特許願第182835号「プレート」拒絶査定に対する審判事件(平成3年3月4日出願公開、特開平3-49516)について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成1年7月15日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成9年11月4日付の手続補正書により補正された明細書の記載からみて、次のとおりのものである。 「プレート枠と、上記プレート枠の前面側に被着され、背面の凹部内に上記プレート枠を収め、開口した窓より配線器具の前面を前面側に露呈する化粧プレートとで構成されるとともに、プレート枠の対向する両端枠片に平行するようにして、両端枠片の両端部に夫々連結された両側枠片間を橋絡する橋絡片と、上記橋絡片に形成され規格化された既成の配線器具を取り付けた取付枠に前面側からプレート枠を固定するためのプレートねじを挿通する挿通孔と、上記橋絡片の両端近傍の上記プレート枠の部位に形成され化粧プレートの嵌合爪が着脱自在に嵌合する嵌合孔とを備えて成ることを特徴とするプレート。」 2.引用刊行物に記載された発明 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭58-22509号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。 「本発明に係る化粧プレートは、壁面に取着されるプレート枠(2)に嵌着されてプレート枠(2)前面を覆うプレートであって、」(第2頁左上欄第8行-第9行)、「本実施例では、スイッチやコンセントなどの電気器具を壁面に取り付けるための化粧プレートを例示する。・・・さらにスイッチやコンセントを露出させるための開口(14)を穿設するのである。こうして成形された化粧プレート(A)の」(第2頁左上欄第18行-右上欄第14行)、「第5図に示すように、基板(3)の裏面には係止突部(6)が突出し、この係止突部(6)先端には外向きに突出する引掛部(7)が形成されている。・・・一方、プレート枠(2)は第6図に示すように中央部が開口した枠体であって、このプレート枠(2)の開口部(1)の側縁の上下両端部に化粧プレート(A)の係止突部(6)の引掛部(7)が夫々係止されるようになっている。プレート枠(2)の上端部及び下端部には第7図に示すようなビス孔(16)が形成してあり、・・・ところで、ビス孔(16)はプレート枠(2)の上下に設けられた台座部(18)に穿設されており、この台座部(16)は、プレート枠(2)の上下両端部に夫々左右方向に沿って形成された長孔(22)とプレート枠(2)の開口部(1)との間に設けられた左右の橋架部(19)によって支持されている。橋架部(19)は前後方向に波打った波形となっており、橋架部(19)に前後方向の弾性をもたせてプレート枠(2)をビスにて壁面に取着したときにこの橋架部(19)の弾性により、プレート枠(2)の周辺部が壁面に密着するようになっているものである。」(第2頁右上欄第17行-右下欄第2行) 上記記載及び第2,5,6図の記載より刊行物1には、「プレート枠(2)と、上記プレート枠(2)の前面側に被着され、背面の凹部内に上記プレート枠(2)を収め、開口(14)よりスイッチやコンセントを露出する化粧プレート(A)とで構成されるとともに、プレート枠(2)の対向する両端枠片に平行するようにして、両端枠片の両端部に夫々連結された両側枠片間を橋絡する橋架部(19)及び台座部(18)と、上記台座部(18)に形成され前面側からプレート枠(2)を固定するためのビスを挿通するビス孔(16)とを備えて成ることを特徴とするプレート。」に関する発明が記載されているものと認められる。 3.対比 本願の請求項1に係る発明(以下、「前者」という。)と上記刊行物1記載の発明(以下、「後者」という。)を対比すると、 後者の「プレート枠(2)」、「開口(14)」「スイッチやコンセント」、「化粧プレート(A)」、「橋架部(19)、台座部(18)」、「ビス」、「ビス孔(16)」は、夫々前者の「プレート枠」、「開口した窓」、「配線器具」、「化粧プレート」、「橋絡片」、「プレートねじ」、「挿通孔」に相当するので、 「プレート枠と、上記プレート枠の前面側に被着され、背面の凹部内に上記プレート枠を収め、開口した窓より配線器具の前面を前面側に露呈する化粧プレートとで構成されるとともに、プレート枠の対向する両端枠片に平行するようにして、両端枠片の両端部に夫々連結された両側枠片間を橋絡する橋絡片と、上記橋絡片に形成され前面側からプレート枠を固定するためのプレートねじを挿通する挿通孔とを備えて成ることを特徴とするプレート。」である点で一致し、次の2点で相違している。 相違点1: ねじでプレート枠を固定する対象が、前者は「規格化された既成の配線器具を取り付けた取付枠」であるのに対し、後者は「壁面」である点。 相違点2: 化粧プレートとプレート枠との取り付けが、前者は「上記橋絡片の両端近傍の上記プレート枠の部位に形成され化粧プレートの嵌合爪が着脱自在に嵌合する嵌合孔」によるものであるのに対し、後者は「プレート枠(2)の開口部(1)の側縁の上下両端部に化粧プレート(A)の係止突部(6)の引掛部(7)への係止」によるものである点。 4.当審の判断 上記2つの相違点について検討する。 相違点1について: スイッチやコンセント等の配線器具を取り付けるプレートにおいて、プレート枠を規格化された既成の配線器具を取り付けた取付枠に取り付ける構成とすることは当業者の周知技術(必要であれば先の拒絶理由通知に記載された特開昭59-201618号公報、特開昭62-277013号公報等参照)であるから、前者の構成は当業者が容易になしえたものである。 相違点2について: 後者も前者と同様に、橋絡片の両端近傍のプレート枠部位で係合するものであり、係合する際に嵌合爪と嵌合孔を用いることは当業者の周知技術(必要であれば、実願昭61-178754号(実開昭63-83918号公報)のマイクロフィルム、実願昭57-81676号(実開昭58-186718号公報)のマイクロフィルム参照)であるから、後者の係合を嵌合爪と嵌合孔を用いて前者の構成とすることは当業者が容易に想到できたことである。 そして、本願の請求項1に係る発明の効果は、上記刊行物1の記載と周知の技術手段から容易に予測できる程度のものと認める。 5.むすび したがって、本願の請求項1に係る発明は、上記刊行物1に記載された発明及び周知の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-11-25 |
結審通知日 | 1999-12-07 |
審決日 | 1999-12-17 |
出願番号 | 特願平1-182835 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H02G)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 新川 圭二 |
特許庁審判長 |
佐藤 荘助 |
特許庁審判官 |
鈴野 幹夫 岡 千代子 |
発明の名称 | プレート |
代理人 | 西川 惠清 |
代理人 | 森 厚夫 |