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審決分類 |
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:13 G06F |
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管理番号 | 1009777 |
審判番号 | 補正審判1999-50099 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1991-03-07 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 1999-08-23 |
確定日 | 2000-02-14 |
事件の表示 | 平成1年特許願第187513号「情報受信装置」において、平成10年9月10日付けてした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
I、本件手続補正の経緯 本願は平成1年7月21日出願であって、平成10年9月10日付けで手続補正がなされたところ、原審においてこの手続補正について平成11年7月12日付けで補正の却下がなされたものである。 II、本件手続補正の内容 本件補正審判に係る手続補正の内容は、要すに、次のとおりの特許請求の範囲の請求項1を補正するものである。 『送信されてくる複数の項目情報を受信する受信手段を備えた情報受信装置であって、 受信された複数の項目をリストとして表示する表示手段と、 上記表示手段で表示されたリストの中で所望する項目を選択することで、その選択された項目の情報を受信情報として所定メモリに一時記憶する一時記憶制御手段と、 上記受信情報の登録保存が指示された際に、上記所定メモリに一時記憶された上記項目情報に所定のファイル名を自動付加して外部記憶手段に登録保存する登録手段と、 を具備したことを特徴とする情報受信装置。』 III、原決定の理由 原審の補正却下の決定の理由は、次のとおりである。 『補正後の特許請求の範囲に記載された「上記受信情報の登録保存が指示された際に、上記所定メモリに一時記憶された上記項目情報に所定のファイル名を自動付加して外部記憶手段に登録保存する登録手段」について、例えば明細書第10頁第9行目〜第17行目には「ここで日記モードであれば、時計部19から現在の日付データを読み出し(ステップB2)、この日付データをファイル名として文書メモリ15および通信データメモリ16内のデータと共に外部記憶部17に登録する(ステップB3)。したがって、文書メモリ15内に日記として格納されている文書データと通信データメモリ16内に格納されているBBS情報は同一ファイルとして外部記憶部17に登録される。」と記載されており、そもそも前記文書データとBBS情報をどのような形態で同一ファイルとしてしているのかは全く不明であるが、自動付加されるファイル名は該同一ファイルに付加されるものであり、BBS情報(補正後の項目情報)自体にファイル名を自動付加することが記載されているとは到底言えないから、補正後の前記構成は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、かつ、同明細書又は図面の記載からみて自明のこととも認められない。 したがって、この補正は、明細書の要旨を変更するものと認められ、特許法第53条第1項の規定により、上記結論の通り決定する。』 IV、 審判請求人の主張とその反論 願書の最初に添付した明細書又は図面(以下「出願当初の明細書等」という。)の第3頁第8行乃至第4頁第1行には「日記として作成した文書とBBS局から得られた情報(BBS情報)とを外部記憶部に登録する場合には、別々のファイル名を付加しなければならず、面倒であると共にそれらを一括して管理することができなかった。そこで、作成した日記文書にBBS情報を追加すればそれらを1つのファイルとして外部記憶部に登録することもできるが、BBS情報の追加という面倒な編集作業を行う必要がある。この発明の課題は、面倒な編集作業を行うことなく簡単に複数の文書データを同一ファイルとして外部記憶部に登録できるようにすることである。」と記載され、同明細書の第10頁第9行乃至第17行には「ここで日記モードであれば、時計部19から現在の日付データを読み出し(ステップB2)、この日付データをファイル名として文書メモリ15及び通信データメモリ16内のデータと共に外部記憶部17に登録する(ステップB3)。したがって、文書メモリ15内に日記として格納されている文書データと通信データメモリ16内に格納されているBBS情報は同一ファイルとして外部記憶部17に登録される」と記載されている。 審判請求人は、上記記載を根拠として、『「文書メモリ15内に日記として格納されている文書データ」をファイルとして外部記憶部17に記憶する際のファイル名と、「通信データメモリ16内に格納されているBBS情報」をファイルとして外部記億部17に記憶する際のファイル名と、が共に同一のファイル名(この実施例では日付データがファイル名)である』旨を主張している。 しかしながら、「文書メモリ15内に日記として格納されている文書データと通信データメモリ16内に格納されているBBS情報は同一ファイルとして外部記憶部17に登録される」なる記載は、「文書メモリ15内に日記として格納されている文書データ」と「通信データメモリ16内に格納されているBBS情報」とを併せた一体のデータを一つのファイルとして外部記憶部17に登録される」と解すべきであり、文書データの「日付データ」というファイル名は、文書データとBBS情報との一体のデータのファイルに付与されるものであって、BBS情報自体のファイルには、文書データのファイル名と同じ「日付データ」をファイル名として付加したものとは認められないので、審判請求人の主張は失当である。 したがって「BBS情報を格納した通信データメモリ16のファイルに、日付データをファイル名として付加して通信データメモリに記憶する手段」を包摂する「所定メモリに一時記憶された項目情報に所定のファイル名を自動付加して外部記憶手段に登録保存する登録手段」は、出願当初の明細書等に記載されていないし、出願当初の明細書等からみて自明事項であるとも認められない。 V、むすび 以上のとおり、平成10年9月10日付けでした手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内でないので、明細書の要旨を変更するものであると認められる。 したがって、平成10年9月10日付けでした手続補正は特許法第53条第1項の規定により却下すべきものとした原決定は妥当である。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-11-30 |
結審通知日 | 1999-12-14 |
審決日 | 1999-12-20 |
出願番号 | 特願平1-187513 |
審決分類 |
P
1
7・
13-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 金子 幸一 |
特許庁審判長 |
森田 信一 |
特許庁審判官 |
山本 穂積 斉藤 操 |
発明の名称 | 情報受信装置 |