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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01C
管理番号 1011693
審判番号 審判1998-14139  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-03-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-14 
確定日 2000-03-27 
事件の表示 平成 1年特許願第197936号「チップ抵抗器」拒絶査定に対する審判事件〔平成 3年 3月19日出願公開、特開平 3- 62901、平成 7年11月29日出願公告、特公平 7-111921、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続きの経緯、本願発明
本願は、平成1年8月1日の特許出願であって、その請求項1に係る発明は、出願公告後補正された明細書及び図面の記載よりみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)
「絶縁性のチップ基板と、該チップ基板上に形成した一対のベース電極と、該一対のベース電極に、両端部が重なるように形成した抵抗膜と、前記チップ基板の両端面に形成した端面電極と、該端面電極上に形成したメッキ膜とを基本構成とするチップ抵抗器において、前記ベース電極を金を含有したレジネートペーストの薄膜で焼成して形成すると共に、前記した抵抗膜と端面電極間に形成している前記薄膜のベース電極上の全面には前記端面電極とは別に、150℃〜250℃の低温で焼付けた導電性樹脂材料を被覆形成してなるチップ抵抗器。」

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶理由である特許異議の決定において引用された特開平1-109702号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の発明が記載されている。
セラミック基板2と、該セラミック基板上に形成した一対の第1電極6と、該一対の第1電極に、両端部が重なるように形成した抵抗体3と、前記セラミック基板の両端面に形成した第3電極8と、該第3電極上に形成したNiメッキ9及びハンダメッキ10とを備えたチップ抵抗器において、前記第1電極を銀を含有したメタルグレーズドペーストで焼成して形成すると共に、前記第1電極上の一部には前記第3電極を200℃程度の温度で焼付けた銀-レジン系の導電性ペーストを被覆形成してなるチップ抵抗器。
また、周知例として引用された、電子材料、28〔5〕(1989-5-1)株式会社工業調査会 p.59-64(以下、「引用例2」という。)には、次の発明が記載されている。
基板1と、該基板上に形成した一対の1次電極と、該一対の1次電極に、両端部が重なるように形成した抵抗体2と、前記基板の両端面に形成した2次電極4と、該2次電極上に形成したメッキ5、6とを有するチップ抵抗器において、1次電極をAg/Pd又はAgで印刷焼成すると共に、1次電極と端面電極を接続する接続電極8を金レジネートで印刷焼成して形成してなるチップ抵抗器。(特に、p.63第5図)

3.対比・判断
まず、本願発明と上記引用例1に記載された発明とを対比する。上記引用例1に記載された発明における「セラミック基板」、「第1電極」、「抵抗体」、「第3電極」、及び「Niメッキ及びハンダメッキ」は、それぞれ、本願発明における「絶縁性のチップ基板」、「ベース電極」、「抵抗膜」、「端面電極」、及び「メッキ膜」に相当する。また、引用例1に記載された発明における第1電極を形成する「銀を含有したメタルグレーズドペースト」と本願発明におけるベース電極を形成する「金を含有したレジネートペースト」とは金属を含有したペーストであることで共通する。そうすると、両者は、絶縁性のチップ基板と、該チップ基板上に形成した一対のベース電極と、該一対のベース電極に、両端部が重なるように形成した抵抗膜と、前記チップ基板の両端面に形成した端面電極と、該端面電極上に形成したメッキ膜とを基本構成とするチップ抵抗器において、前記ベース電極を金属を含有したペーストの薄膜で焼成して形成すると共に、前記薄膜のベース電極上には200℃程度の低温で焼付けた導電性樹脂材料を被覆形成してなるチップ抵抗器である点では一致するものの、ベース電極を形成する材料に関し、引用例1に記載された発明においては、銀を含有したメタルグレーズドペーストで焼成するものであって、本願発明のように金を含有したレジネートペーストの薄膜で焼成して形成するものではない。
次に、本願発明と上記引用例2に記載された発明とを対比すると、引用例2に記載された発明における「1次電極」及び「2次電極」は、それぞれ本願発明における「ベース電極」及び「端面電極」に相当するから、両者は、基板と、該基板上に形成した一対のベース電極と、該一対のベース電極に、両端部が重なるように形成した抵抗膜と、前記基板の両端面に形成した端面電極と、該端面電極上に形成したメッキ膜とを基本構成とするチップ抵抗器である点では一致するものの、引用例2に記載された発明においては、ベース電極と端面電極を接続する接続電極を金レジネートで印刷焼成して形成するものであって、本願発明のようにベース電極を金を含有したレジネートペーストの薄膜で形成するものではない。
また、引用例1及び引用例2に記載された発明を組み合わせても、チップ抵抗器のベース電極を金を含有するレジネートペーストの薄膜で焼成して形成することは出てこない。
さらに、本願出願前にチップ抵抗器のベース電極の材料として金を含有するレジネートペーストを用いることが周知であるとはいえない。
そして、本願発明はチップ抵抗器のベース電極を金を含有したレジネートペーストの薄膜で焼成して形成することにより、重なり合った抵抗膜との間の反応拡散を低減することができる等の上記引用例1、2に記載された発明にはみられない格別の効果を奏するものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、上記引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2000-02-18 
出願番号 特願平1-197936
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 下野 和行瀧 廣往須原 宏光  
特許庁審判長 片岡 栄一
特許庁審判官 新川 圭二
治田 義孝
発明の名称 チップ抵抗器  
代理人 酒井 一  
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