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審決分類 審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:11  H01L
管理番号 1011954
審判番号 審判1999-50067  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-10-18 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 1999-05-06 
確定日 2000-02-09 
事件の表示 平成5年特許願第73233号「半導体装置及びその製造方法」において、平成10年10月9日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原決定を取り消す。 
理由 本件補正却下の決定に係る出願は、平成5年3月31日に出願され、その後、平成10年6月29日付で明細書を補正する手続補正がなされたが、この補正は、平成10年10月9日付で決定をもって却下された。
原決定における却下の理由の概要は、『補正後の特許請求の範囲に記載された「p型領域上及び前記n型領域上に形成された前記第一層のAuは、それぞれ前記第四層を形成した時点において、前記III―V族半導体のIn、P若しくはドーパント、又は前記第二層を構成する元素と反応し、合金となっており、かつ、前記第四層を形成した後に熱処理が行われることがない」点に関し、願書に最初に添付した明細書又は図面では、【0032】欄に、「本発明の特徴である第一層のAuは、当該第一層形成直後においては、ドーパントを含まないAuとなっているが、当該電極が完成した時点においては、半導体及びそのドーパント、又は第二層を構成する元素を含む合金となっている」と記載されているが、この「積層電極が完成した時点」とは、必ずしも第四層を形成した時点を意味しているとは認められず、先の拒絶理由通知書で提示した特開昭63-95661号公報記載の発明のように、第四層を形成した後、熱処理を行って積層電極を完成させる技術を含む表現であると認められる。 したがって、上記点は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、かつ、同明細書又は図面の記載からみて自明のこととも認められないので、この補正は明細書の要旨を変更するものと認める。よって、この補正は特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。』というものである。
よって検討するに、本願発明の第一実施例においては、第一〜四層の形成方法については、「真空蒸着法を用いて、層厚約10[nm]のAu21、層厚約100[nm]のTi22、層厚約100[nm]のPt23、層厚約1000[nm]のAu24をそれぞれ形成する。」(【0038】)と記載されており、また、第二実施例においても、「真空蒸着法を用いて、p型電極の接触部とn型電極の接触部の双方において、層厚約10[nm]のAu21、層厚約100[nm]のTi22、層厚約100[nm]のPt23、層厚約1000[nm]のAu24をそれぞれ形成する。」(【0047】)と記載されている。これらの記載からすると、本願発明の第一実施例、第二実施例ともに、第二層のTiと第三層のPtとは真空蒸着によって形成されるが、その場合、Ti、Ptともに高温度の融点を有する金属なので、真空蒸着時においては、Auが合金化される程度の相当程度高い温度が維持されて真空蒸着が行われるものと認められる。そうすると、第四層Au層を形成した後、あるいはその前に、必ずしも熱処理を行わなくとも、第一層を合金化して積層電極を完成させることはできると云える。
したがって、上記【0032】の記載においては、第四層の形成後、積層電極の完成までの間に、あるいは第四層の形成前に、第一層の合金化ができるような何らかの熱処理を行うことの必要性はなく、この記載が、特開昭63-95661号公報記載の発明のように、第四層を形成した後、熱処理を行って積層電極を完成させる技術を含む表現であるから、「第四層を形成した後に熱処理が行われることがない」という点が自明ではない、とすることはできない。
そして、「第四層を形成した後に熱処理が行われることがない」という点は、願書に最初に添付した明細書又は図面に特に記載はされておらず、同明細書又は図面には、同第四層を形成した後に熱処理を行わない場合と、熱処理を行う場合との双方のケースが存在し、この点では、原決定における「第四層を形成した後、熱処理を行って積層電極を完成させる技術を含む表現である」という認定に誤りはないが、上記理由により、第四層を形成した後に熱処理を行わなくても第一層のAuが合金化されていることは明白であるから、仮に第四層を形成した後に熱処理を行うことが考えられても、「前記第四層を形成した後に熱処理が行われることがない」との限定を特許請求の範囲に加えることは自明の範囲内である。
よって、当該補正における上記「p型領域上に及びn型留上に形成された前記第一層のAuは、それぞれ前記第四層を形成した時点において、前記III―V族半導体のIn、P若しくはドーパント、又は前記第二層を構成する元素と反応し、合金となっており、かつ、前記第四層を形成した後に熱処理が行われることがない」という点は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されていたものと認められるから、この補正を却下すべきものとした原決定は理由がない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 1999-11-29 
出願番号 特願平5-73233
審決分類 P 1 7・ 11- W (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土屋 知久  
特許庁審判長 張谷 雅人
特許庁審判官 加藤 浩一
左村 義弘
発明の名称 半導体装置及びその製造方法  
代理人 鈴江 武彦  
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