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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1011961 |
審判番号 | 審判1998-9271 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-02-14 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-06-11 |
確定日 | 2000-01-26 |
事件の表示 | 平成7年特許願第194647号「半導体装置及びその製造方法」拒絶査定に対する審判事件(平成9年2月14日出願公開、特開平9-45770)について、次のとおり審決する |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
本願は平成7年7月31日の出願であって、その請求項1〜13に係る発明は、平成9年9月5日付け、平成10年3月16日付け手続補正書によって補正された明細書および図面の記載からみて(平成10年7月13日付け手続補正書は平成11年10月4日に却下された。)、その特許請求の範囲の請求項1〜13に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下、本願第1発明という。)の要旨は請求項1に記載された次のとおりのものである。 「素子あるいは配線間を接続するために層間絶縁膜に設けた貫通口を高融点金属や高融点金属化合物で埋め込んだ半導体装置であって、前記貫通口は、微細なものであり、該貫通口のほとんどは窒化チタニウムで埋め込まれ、前記窒化チタニウム膜上は薄いタングステン膜あるいはタングステン化合物膜で覆われたものであることを特徴とする半導体装置。」 一方、原審の査定に引用された特開平7-29903号公報(以下、第1引用例という。)には、「まず、Si基板11上にSiO2からなる下地絶縁膜12が形成され、この下地絶縁膜12上にAl金属からなる下層配線金属膜13が0.8μmの厚さでスパッタ蒸着される。・・・パターニングされた下層配線金属膜13上にSiO2からなる層間絶縁膜14が1μmの厚さに形成され、さらに、この層間絶縁膜14上にホトレジスト15が塗布される。次に、ホールパターンマスクを用いたホトリソグラフィ技術により、ホトレジスト15が露光され、引き続いて現像処理が行われてホトレジスト15がパターニングされる(図1(a)参照)。」(第4欄第3〜18行)、「次に、パターニングされたこのホトレジスト15をマスクに弗素(F)系ガスを用いたRIEエッチングが行われ、層間絶縁膜14が選択的に除去されてヴィア孔14aが開口される(同図(b)参照)。」(第4欄第19〜22行)、「この選択CVDにより、ヴィア孔14aの途中まで埋め込まれたAl金属膜16上にW金属が選択堆積される。このW金属のヴィア孔14aへの選択堆積は、50〜200nmの厚さで、プラグ高さが層間絶縁膜14の表面とほぼ同じ高さになるまで行われ、W金属膜17が選択形成されてヴィア孔14aが埋め込まれる。(同図(c)参照)。」(第4欄第37〜43行)、「このホトレジスト19をマスクにCl2とBCl2とを主成分とするガス雰囲気でRIEが行われ、上層配線金属膜18が選択的に除去されてパターニングされる(同図(e)参照)。」(第5欄第43〜46行)、「マスク合わせずれに起因してホールパターン21および配線パターン20間にずれが生じ、上層配線金属膜18のパターニング時に埋込プラグの一部が基板表面に露出しても、埋込プラグには従来のように溝が形成されない。これは、埋込プラグの上層部に形成されたW金属膜17は、上層配線金属膜18よりもこの上層配線金属膜18のRIEに対してエッチング速度が遅く、このRIEのエッチングガスプラズマに晒されてもほとんどエッチングされないからである。」(第6欄第1〜10行)と記載されている。 すなわち、第1引用例には半導体装置の貫通口に埋め込まれたAlが、塩素系ガスによりエッチングされて溝が形成されるのを防止する目的で、配線間を接続するために層間絶縁膜に設けた貫通口を高融点金属やAlで埋め込んだ半導体装置であって、前記貫通口のほとんどはAl膜で埋め込まれ前記Al膜上は薄いタングステン膜で覆われたものであることを特徴とする半導体装置が示されている。 同じく引用された「1993年秋季第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集」p.70728p-ZE-2(以下、第2引用例という。)には、「実験結果ー現在コンタクトホールの埋め込みにはWプロセスもしくはAlリフロープロセスが有望視されている。我々はバリアメタルとして使用されるTiNを、そのまま連続プロセスにてプラグ形成に適用した。図1,2はECRーCVDにてTiN埋め込み後CMP(Chemical Mechanical Polishing)にて上部TiNを除去し、プラグ形成を行った結果である。微細ホールに対してもボイドの無い良好な埋め込み・平坦化が得られることが解る。」と記載されている。 したがって、第2引用例には微細貫通口を高融点金属化合物である窒化チタニウムで埋め込むことが記載されている。 本願第1発明と上記第1引用例記載の発明とを対比すると、両者は「配線問を接続するために層間絶縁膜に設けた貫通口を高融点金属や他の埋め込み部材で埋め込んだ半導体装置であって、前記貫通口のほとんどは他の埋め込み部材膜で埋め込まれ前記他の埋め込み部材膜上は薄いタングステン膜で覆われたものであることを特徴とする半導体装置。」の点で一致し、本願第1発明では、貫通口が微細であり、貫通口の他の埋め込み部材が高融点金属化合物である窒化チタニウムであるのに対し、第1引用例記載の発明では貫通口が微細であることが明記されておらず、貫通口の他の埋め込み部材がAlである点で相違している。 そこで、上記相違点について検討する。 本願出願前に半導体装置を微細化する要望は周知であり、また第2引用例には微細な貫通口の埋め込み部材として高融点金属化合物である窒化チタニウムを用いることが記載されており、かつ窒化チタニウムも塩素系ガスによりエッチングされやすいことは周知であるから、第1引用例の貫通口をAlで埋め込むことに代えて、第2引用例の微細貫通口を高融点金属化合物である窒化チタニウムで埋め込む技術を採用することは当業者にとって容易なことである。 以上のとおりであるから、本願第1発明は第1引用例、第2引用例および周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。本願第1発明が特許を受けることができないものである以上、本願請求項2〜13の発明についても検討をするまでもなく特許を受けることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-10-04 |
結審通知日 | 1999-10-15 |
審決日 | 1999-11-02 |
出願番号 | 特願平7-194647 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 瀧内 健夫 |
特許庁審判長 |
張谷 雅人 |
特許庁審判官 |
小田 裕 橋本 武 |
発明の名称 | 半導体装置及びその製造方法 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 福田 修一 |
代理人 | 京本 直樹 |