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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 H01L 審判 一部申し立て 発明同一 H01L 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 H01L |
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管理番号 | 1012309 |
異議申立番号 | 異議1999-71936 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-02-04 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-05-18 |
確定日 | 1999-12-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2826785号「投影露光装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
(1)手続きの経緯 本件特許第2826785号の請求項1〜3及び7〜9に係る発明は、平成4年7月9日の出願であって、平成10年9月18日にその発明の特許がなされ、その後、株式会社 ニコンより特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年10月4日に訂正請求がなされたものである。 (2)訂正の適否についての判断 ▲1▼特許請求の範囲の訂正 ア.訂正の内容 特許権者は、請求項1〜3及び7〜9を削除し、請求項1〜3に記載された事項に請求項4に記載された事項を合わせて新請求項1とし、請求項5,6を新請求項2,3に繰り上げ、請求項10〜16を新請求項4〜10に繰り上げる訂正を請求し、併せて、特許請求の範囲の訂正に応じて詳細な説明及び図面の簡単な説明の記載の訂正を請求する。 イ.訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否等 上記訂正は、特許請求の範囲の減縮ないし明瞭でない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、新規事項の追加もなく、訂正後の特許請求の範囲に記載された発明が出願の際独立して特許を受けることができるものである。 ウ.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 (3)特許異議の申立てについての判断 請求項1〜3及び7〜9に係る発明は、訂正の結果削除され、特許異議の申立の対象が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 投影露光装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 マスクを介して基板を露光する露光装置において、光源からの光をマスクに向ける照明光学系と、該照明光学系に配され非露光時に閉じて露光時に開く露光用の第1シャッターと、該第1シャッターより光源側にある光学部品の光源側に配され露光に先立って開き露光終了後に閉じる第2のシャッターと、前記光源の点灯制御モードを当該露光装置の動作シーケンスに応じて自動選択する点灯制御手段を有し、前記点灯制御手段は、前記第2シャッターが開放状態の場合は定照度点灯制御を行ない、遮断状態の場合は定電流または定電力点灯制御を前記第2シャッターが閉じる直前の状態を保持すべく行なうことを特徴とする露光装置。 【請求項2】 前記第2シャッターの遮断している時間をモニタする手段と、遮断継続時間を設定する手段と、該設定時間に達したら第2シャッターの開閉動作を行なって前記点灯制御手段が保持すべき状態を更新する手段とをさらに具備することを特徴とする請求項1記載の露光装置。 【請求項3】 前記第2シャッターの遮断時間が前記設定時間に達した際、前記動作シーケンスがアイドル状態であることを条件に前記第2シャッターの開閉を行なうことを特徴とする請求項2記載の露光装置。 【請求項4】 前記第1シャッターより光源側における光源からの光の光量を検知する第1の光量検知手段と、前記第2シャッターより光源側における光源からの光の光量を検知する第2の光量検知手段と、前記第2シャッターが開放状態の場合は第1の光量検知手段の出力に基づく定照度点灯制御を行ない、遮断状態の場合は第2の光量検知手段の出力に基づく定照度点灯制御を行なう点灯制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の露光装置。 【請求項5】 前記第2の光量検知手段は、前記光源から前記光源からの光の光路外へ出射される直接光の光量を検知することを特徴とする請求項4記載の露光装置。 【請求項6】 前記第2の光量検知手段は、前記光源からの光の一部を透過するハーフミラーの透過光量を検知することを特徴とする請求項4記載の露光装置。 【請求項7】 マスクを介して基板を露光する露光装置において、光源からの光をマスクに向ける照明光学系と、該照明光学系に配され非露光時に閉じて露光時に開く露光用の第1シャッターと、前記光源からの光の光量を検出する光量検出手段と、 該光量検出手段の出力を一定にすべく前記照明光源を点灯制御する定照度点灯モードと該照明光源に供給される電力または電流を一定にすべく該照明光源を点灯制御する定電力または定電流点灯モードとを有し、かつ前記定電力または定電流点灯モードに切り換わった際、切り換わる直前の電力または電流を保持すべく前記定電力または定電流点灯モードの点灯制御を行なう点灯制御手段とを具備することを特徴とする露光装置。 【請求項8】 前記点灯モードを前記点灯制御手段の外部より切り換える手段を有することを特徴とする請求項7記載の露光装置。 【請求項9】 前記点灯制御手段は、当該露光装置の動作シーケンスが露光または光量測定時には前記定照度点灯を行ない、それ以外は定電力または定電流点灯することを特徴とする請求項8記載の露光装置。 【請求項10】 前記光源は、超高圧水銀灯であり、該超高圧水銀灯からの紫外光を利用してマスク像を感光剤を塗布した基板に転写することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに一つに記載の露光装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、感光剤を塗布したウエハ等の基板にマスク像を転写する露光装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 図17は超高圧水銀灯からの紫外光を利用して感光剤を塗布したウエハにマスク像を転写する反射型投影露光装置の照明光学系と投影光学系の配置を示している。同図において、超高圧水銀灯1からの光源光は光学部品2,4〜8から作られる光路を通り、スリット9で有効光をスリット状光にして、ミラー10で反射し、ハーフミラー11で光路を2分し、一方は照明照度を一定に保つ目的で取り付けられた光量モニターセンサ12とシャッター13にそれぞれ入射する。 【0003】 シャッター13が開くことにより、露光に使用する前記スリット状光は、ミラー14,15で反射され、マスク16に入射する。マスク16の投影光はミラー17〜19より構成される投影光学系で反射され、ウエハ22に転写可能となる。すなわちシャッター13の開閉により、投影光が投影光学系に入射するか否かを制御できる機構となっている。 【0004】 実際の露光動作については以下の点が重要となっている。本装置は露光方式として、平行度を保ったマスクとウエハに対しスリット状光を等速で走査露光する方式を取っているため、露光動作中は露光量を一定に保たねばならない。そのためには露光中は投影光のマスク像面での照度を一定に保つことが必要となっている。そして、ウエハ露光工程における露光条件を等速走査露光するスピードで管理できるようにするためには、繰り返しの毎回の露光時の照度を一定に保つことも必要となっている。そのためには超高圧水銀灯は、安定した状態で点灯していなければならない。 【0005】 超高圧水銀灯は、構造上の特性から点灯(起動)後安定した照度を得るためには、内部の水銀の蒸気圧が安定することが必要であり、上述した露光用としては起動後数十分時間をおかないと使用できない。また、起動時には高電圧を印加する必要があり、露光装置の電源が入っている状態では高電圧による放電ノイズにより露光装置が誤動作するため、装置電源を落とした状態でなければ起動動作はできない。すなわち反射型投影露光装置は、装置が稼働している状態では超高圧水銀灯は常に点灯していなければならないし、かつ繰り返しの露光動作中は照度が一定であることが必要不可欠となっている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 従来例にあるように反射型投影露光装置では、投影露光の光源である超高圧水銀灯が常に点灯状態になっていることが多いために、光路がシャッターより光源に近い光学部品は常に強烈な紫外線に照射されている。光学部品であるミラーおよびレンズには反射率や透過率をコントロールするための各種の多層膜が表面にコーティングされており、長年紫外線に照射されているうちに、これらの膜が劣化したり、強い紫外線によって膜の表面に空気中に浮遊するある種のガスが析出し、透過率または反射率が下がるといった問題がある。 【0007】 また、反射型投影露光装置では繰り返しの露光動作中は照度を一定にするため、光量モニターセンサ12に入射する光量を一定に保つように超高圧水銀灯1に供給する電力を制御するフィードバックループを、光量モニターセンサ12と超高圧水銀灯1と図示しない点灯装置とにおいて構成している。超高圧水銀灯は、長時間点灯すると、その発光効率が点灯時間につれて段々と劣化するため、供給電力を増やすことでこれを補っている。フィードバックループを構成していると、長時間のレンジで見れば電力は連続的に増加することになる。この点灯方式は定照度点灯方式と呼ばれる。 【0008】 定照度点灯を超高圧水銀灯の寿命という観点から捉えると、超高圧水銀灯に対する供給電力を上げれば上げる程、超高圧水銀灯は、電極の劣化および内部温度の上昇に伴う水銀灯管面への異物の付着による透過率劣化等で寿命が短くなってくる。 【0009】 本発明は、上述の従来例における問題点に鑑みてなされたもので、露光装置における照明系の寿命の延長を図り、もって装置の稼働率の向上を図ることを第の目的とする。具体的には、照明系を構成する照明光学系および照明光源の寿命向上を図っている。 【0010】 【課題を解決するための手段および作用】 上記の目的を達成するため本発明の第1の局面では、照明光学系の光源にできるだけ近い位置に、従来例にもある露光用に用いる第1シャッターとは別に第2のシャッターを配置する。この第2シャッターは、装置が露光動作を行なうまでは閉じるようにすることで、強い紫外線が照明光学系に配置された光学部品に常には照射しなくすることにより、光学部品の膜の劣化およびガスの析出による異物の付着を抑えるようにした。 【0011】 光源は、上述のように光量モニターセンサで光源からの光の光量を検知する光量モニターセンサの出力に基づいて定照度(定輝度)点灯されることが多い。この場合、光量モニターセンサが第2シャッターより後ろ側にあると、第2シャッターが閉じた際、光量モニターセンサに光が入射しなくなることで、超高圧水銀灯は定照度制御されないばかりか、供給電力が上限状態まで増加する動作となり、超高圧水銀灯を劣化させることになる。そこで、第2シャッターが開放状態の場合は定照度点灯を行なうが、閉じているときは点灯方式を定電流方式または定電力方式に切り換えることによって、照明光源に対して過大電力を供給することを防止するようにした。 【0012】 また、定電流または定電力点灯時と定照度点灯時とで照度の差が大きいと、定電流または定電力点灯状態から定照度点灯状態に切り換わった際、照度が安定するのに時間がかかり、すぐに露光すると露光むらが発生し、また照度が安定するまで待って露光するとスループットが下がることになる。そこで、第2シャッターが遮断状態である場合の定電流または定電力点灯は第2シャッターが閉じる直前の電力を保持するように制御している。 【0013】 また、第2シャッターが遮断状態から開放状態に移行する際に光源の点灯方式が前記定電力または定電流方式から定照度方式に切り換わる。その際に定電力状態では光源の発光効率が時間経過と供に劣化することから、定照度に復帰した際、定電力または定電流保持状態より電力または電流を増加することになり、電力または電流差が大きい場合は照度が安定状態になるのに時間を必要とする。装置のシーケンス動作中、露光動作の前に前記定電力または定電流と定照度の切り換えを行なう必要がある。その際に照度が安定しないと露光むらになるために安定するまで待つ必要がある。余り待つ時間が長いとスループットが下がることになる。そこで本発明の実施態様においては、自動メンテナンス機能を設けて装置がアイドル状態の時に自動で定電力または定電流点灯と定照度点灯の切り換えを行ない保持する電力値を更新する機能を設けることによりこの問題を解決した。すなわち第2シャッターの遮断している時間をモニターする機能を設けて設定時間に達したら装置シーケンスがアイドル時に自動で第2シャッターの開閉動作を行ない、保持電力を更新することで定電力または定電流点灯から定照度点灯に切り換わった際の電力または電流差を減らし、前記切り換わり応答の安定時間を減少させ、スループットの低下を防止した。 【0014】 上記の第2シャッターを設けたことによる問題は、第2シャッターが閉じることによって光量モニターセンサヘの光が遮断され、点灯装置に光量ゼロの信号が入力されることにより生じる。本発明の実施態様においては、第2シャッターよりも光源側に前記光量モニターセンサを設けるか、第2シャッターよりも光源側に第2の光量モニターセンサを設けて第2シャッター遮断時にも、光量モニター出力を点灯装置に供給できるようにしている。 【0015】 本発明の第2の局面では、上記の目的を達成するため、光源を点灯する点灯装置を定照度点灯モードと定電力または定電流点灯モードとに切り換え可能に構成し、かつ定電力または定電流点灯モード時は前記定照度点灯モードから定電力または定電流点灯モードに切り換わった際の電力または電流を保持するようにしている。 【0016】 反射型投影露光装置においては、前記従来例について説明した理由から、露光中は照度を一定に保つため定照度点灯を行なう必要がある。ところが、露光および照度測定動作以外では照度がある程度変化しても問題はない。そこで、その間は光源に対して露光または照度測定動作終了時の電力を保持した定電力、または露光または照度測定動作終了時の電流を保持した定電流を供給して点灯することで、定照度点灯を連続して行なった場合、すなわち供給電力が時間の経過とともに常時増加する場合より供給電力増加の時間間隔を長くして前記従来例における光源の劣化を軽減し、光源の寿命の延長を図ることができた。 【0017】 【実施例】 【0018】 参考例 図1は本発明の参考例に係る反射投影型の露光装置の概略図である。同図において、50は露光装置の光源および照明光学系を有する照明系、20はマスク像をウエハに転写する機構と不図示のアライメント機構と投影光学系を有する本体である。30は露光装置全体のシーケンス動作をコントロールするCPUを含むコントロールボックス、40は露光装置の光源である超高圧水銀灯1を点灯し、かつ点灯時の電力を制御する点灯装置である。これらの各ユニットはケーブルを通して信号伝達および電力供給を行なっている。 【0019】 照明系50において、1は光源であるところの超高圧水銀灯、2は水銀灯1の光源光を光路(一点鎖線で示す)方向に収束させる球面鏡である。3は光学部品保護用の第2シャッターで、前記従来例(図17)にも用いられている露光用の第1シャッター13とは別に設けられている。 【0020】 本投影露光装置が露光動作中は前記第2シャッター3が開放状態になっており、水銀灯1および球面鏡2で反射された光は一点鎖線で示した光路を通過し、ミラー4、ミラー5、ミラー6、コンデンサーレンズおよびミラー8を経てスリット9へ入射する。スリット9で投影露光に使用する有効光を切り出しスリット状光にする。スリット状光は凹面ミラー10で反射され、ハーフミラー11を通して、照明照度を一定に保つ定照度制御をする際使用する光量モニターセンサ12へ入射する光と本装置の露光用シャッターであるところの第1シャッター13へ行く光に分けられる。露光用シャッター13は装置動作シーケンスが露光になると開放し、スリット状光がミラー14および面ミラー15で反射され、マスク16に入射する。マスク16とウエハ22はキャリッジ21により一体に担持されており、一体移動することにより、マスク16に入射するスリット状光のマスクに対する位置が移動し、マスク16の全体投影像がウエハ22全面に転写される。 【0021】 前記のコントロールボックス30は、装置全体の動作シーケンスプログラムを記憶しているROM31、前記動作シーケンスプログラムを演算したりシーケンス処理する中央処理装置(CPU)36、演算処理データを記憶するRAM32、装置各部の不図示のアクチェータ信号を入出力するインターフェイス回路33、前記のキャリッジ21を不図示のアクチェータを駆動して移動動作をさせるところのキャリッジ駆動回路34、露光用シャッター13と第2シャッター3を不図示のアクチェータを駆動させることにより開閉させるところのシャッター駆動回路35を備えている。 【0022】 水銀灯1は、点灯装置40を点灯操作させると、高電圧を印加するスターター43を通して点灯(起動)する。点灯装置40は点灯動作モードを2つ有している。1つは水銀灯1を定電流で点灯するモードである。もう1つは照度(または輝度)を一定に保つ定照度(または定輝度)モードである。水銀灯1は点灯(起動)直後は前記定電流モードになっている。 【0023】 従来例で説明したように等速走査露光型の露光装置では露光動作時は水銀灯1を定照度モードで使用しなければならない。その定照度モードにおける照明照度の基準値を設定するためには一旦手動にて定照度モードに切換える必要がある。その際、第2シャッター3が閉じていると光量モニターセンサ12へ光が入射しなくなるため、第2シャッター3を開放にする必要がある。そのため定照度モードに切り換える前に本体20に取付けられている不図示のスイッチを操作して、インターフェイス回路33を通して、ROM31のシーケンスリストにある特殊シーケンスを用いて、シャッター駆動回路35から不図示のアクチェータを動作させて第2シャッターを開放にする。その状態で前記点灯装置40の操作パネルを操作し、手動にて水銀灯1を定照度モードに切換える。その状態で照度計を本装置にセットし、照度の設定値を点灯装置40の操作パネルについているダイヤルを操作して設定する。 【0024】 本参考例の主眼点は露光シーケンス動作時は定照度モードで水銀灯1を点灯させ、通常の露光シーケンス動作および前記照度測定動作以外の動作シーケンスでは、第2シャッター3を閉じて照明光学系の光学部品を保護することである。その際、点灯装置40が定照度モードのままで第2シャッター3を閉じると、点灯装置40の内部回路が光量モニターセンサ12の光量が低下したことにより水銀灯1への電力をリミット値まで増大させてしまうことになる(露光シーケンス動作時等、定照度制御が行なわれている時は光量モニターセンサ出力は一定になっている)。そこで本装置では点灯装置40の点灯制御方式を切換えることでこの問題を解決している。 【0025】 図2は本装置の動作シーケンスのうち露光シーケンス前後の露光用シャッター13および第2シャッター3の開閉動作、ならびにその動作に伴う定照度モードと定電流モードの切換えタイミングを示した図である。同図において、60は露光シーケンスを表わし、61は走査露光のためキャリッジの移動を示し、62は露光用シャッターの開閉のタイミング、63は第2シャッター3の開閉タイミングを表わしている。64は定照度モードと定電流モードの切換えタイミングを示す信号であり、図1においてインターフェイス回路33から点灯装置40に対して入力される制御方式切換信号42を示している。65は定照度モードの動作タイミング、66は定電流モードの動作タイミングを示している。 【0026】 タイミングチャート63で紙面左側の第2シャッター3が閉じている状態では、水銀灯1の制御方式はタイミングチャート66の紙面左側に示すように定電流モードがオンして、水銀灯の点灯制御は、光量モニター信号12の信号には無関係に行なわれる。露光シーケンスが始まる前にタイミングチャート63で示すように第2シャッター3が開放(OPEN)する。アクチェータ動作により第2シャッター3が完全に開くt1秒後にタイミングチャート66に示す制御方式切換信号42が変化して、図1の点灯装置40に第2シャッター3の状態が変化したことを伝達する。点灯装置内部でこの信号を受けて自動で定電流モードから定照度モードに制御が変わる。 【0027】 定照度モードになると、定電流モードのときと照度が異なる場合があるため、定照度状態に安定するのに充分な時間t2の余裕をおいてから露光動作に入る。露光動作は、まず、図1に示すキャリッジ21が紙面右側方向のマスクおよびウエハ全面に光が入射しない位置へ移動する。その後今度は紙面左側へ移動する前にタイミングチャート62で示すように露光用シャッター13が開放(OPEN)し、その後キャリッジ21が紙面右側から左側へ移動することによりマスクおよびウエハが等速走査露光される。マスクおよびウエハが全面露光された後、露光用シャッター13が閉じる(CLOSE)。そして露光シーケンスが終了してからt3秒後に制御方式切換信号42が変化して点灯制御方式を再び定電流モードにし、さらにt4秒後に第2シャッター3が閉じる。次に露光シーケンスが始まるまでは第2シャッターによって照明光が遮蔽されるので照明系と投影光学系の光学部品は保護される。後は繰り返し上述の動作シーケンスが行なわれる。 【0028】 なお、上述において、第2シャッター遮蔽時は、超高圧水銀灯1を定電力点灯するようにしてもよい。 【0029】 実施例1 上述したように超高圧水銀灯1の点灯効率は点灯時間とともに低下する。すなわち、供給電流または電力を一定にすると、照度(または輝度)は点灯時間とともに低下する。したがって、電流または電力の設定値を固定したままで超高圧水銀灯1を定電流または定電力点灯した場合、定電流または定電力点灯状態と定照度点灯状態とで照度が大きく異なる事態が生じる。定電流または定電力点灯時と定照度点灯時とで照度の差が大きいと、定電流または定電力点灯状態から定照度点灯状態に切り換わった際、照度が安定するのに時間がかかる。このため、すぐに露光すると露光むらが発生し、一方、照度が安定する間で待って露光するとスループットが下がることになる。 【0030】 実施例1はこのような露光むらの発生やスループットの低下を防止するものである。この実施例1の装置は参考例のものに対し、図1に示す点灯装置40の構成が異なる。すなわち、実施例1の点灯装置40は点灯動作モードを3つ有している。1つは水銀灯1を定電流で点灯するモードである。もう1つは照度を一定に保つ定照度モードである。さらにもう1つは第2シャッター3が閉じる直前の電力を保持するモードである。 【0031】 水銀灯1は点灯装置40を点灯操作させると、高電圧を印加するスターター43を通して点灯(起動)する。水銀灯1は点灯(起動)直後は前記定電流モードになっている。従来例で記載したように本装置では露光動作時は水銀灯1を定照度モードで使用しなければならない。照明照度の基準値を設定するために、一旦手動にて定照度モードに切換える必要がある。その際、第2シャッター3が閉じていると光量モニターセンサ12へ光が入射しなくなるため、第2シャッターを開放にする必要がある。そのため定照度モードに切り換える前に不図示の本体に取付けられているスイッチを操作して、インターフェイス回路33を通して、ROM31のシーケンスリストにある特殊シーケンスを用いて、シャッター駆動回路から不図示のアクチェータを動作させて第2シャッターを開放にする。その状態で前記点灯装置40の操作パネルを操作し、手動にて水銀灯1を定照度モードに切換える。その状態で照度計を本装置にセットし、照度の設定値を点灯装置40の操作パネルについているダイヤルを操作して設定する。 【0032】 本実施例の主眼点は露光シーケンス動作時は定照度モードで水銀灯1を点灯させ、通常の露光シーケンス動作および照度測定動作以外の動作シーケンスでは、第2シャッター3を閉じて照明光学系の光学部品を保護することである。その際、点灯装置40が定照度モードのままで、第2シャッター3を閉じると、点灯装置40の内部回路が光量モニターセンサ12の光量が低下したことにより水銀灯1への電力をリミット値まで増大させてしまうことになる(定照度制御が行なわれている時は光量モニターセンサ出力は一定になっている)。そこで本装置では点灯装置40の点灯制御方式を切換えることでこの問題を解決している。 【0033】 図3は前記問題の解決手段の説明のための要部回路図である。電源46と光源1とからなる被制御部41と、この被制御部41の出力である光源1の光出力を検出するフォトダイオードからなる検出部12と、この検出部12の検出出力信号と基準電源50の基準電圧とを比較して誤差信号を出力する第1の誤差増幅部47と、ホールド回路44と、第2の誤差増幅部45とを備えている。また49は演算増幅器、50は基準電源、51,52はバッファアンプ、53は演算増幅器、R1〜R5は抵抗、C1,C2はコンデンサ、SW1,SW3は切換スイッチ、SW2はサンプリングスイッチである。 【0034】 第1の誤差増幅部47は、演算増幅器49と基準電源50と抵抗R1,R2とコンデンサC1とから構成され、第2の誤差増幅部45は、演算増幅器53と抵抗R3〜R5とにより構成され、ホールド回路44は、バッファアンプ51,52とコンデンサC2とサンプリングスイッチSW2とにより構成されている。このサンプリングスイッチSW2はホールド信号によって動作するものである。また切換スイッチSW1,SW3は、第2シャッター3の開閉操作と連動して制御されるものであり、第2シャッター3を閉じて光源1の光出力を遮蔽する場合は、ホールド信号がホールド回路44に加えられ、そして、切換スイッチSW1,SW3が図3の実線矢印位置から点線矢印位置に切換えられた後に、第2シャッター3により光源1の光出力を遮蔽するように制御される。反対に、第2シャッター3を開いて光源1の光出力を送出する場合は、第2シャッター3を開き、次に切換スイッチSW1,SW3を点線矢印位置から実線矢印位置に切換えるように制御される。このような制御機能は、各種の論理回路やマイクロプロセッサ等により容易に実現することができる。 【0035】 第2シャッター3を開き、切換スイッチSW1,SW3を実線矢印位置に切換えている状態で、フィードバックループによる光源1の定照度制御が行なわれるものであり、第2シャッター3を閉じて光源1の光出力を遮蔽すると、フィードバックループを切断したことに相当する。その時、切換スイッチSW1,SW3は点線矢印位置に切換えられるから、第1の誤差増幅部の出力信号は第2の誤差増幅部45に入力され、ホールド回路44のホールド出力信号を基準値として比較され、誤差出力信号が第1の誤差増幅部47に入力される。従って、第1の誤差増幅部47の出力信号は、ホールド回路44のホールド出力信号により規定された値を維持することになる。 【0036】 図4は本実施例の動作説明図で、(a)は第2シャッター3の開閉、(b)はホールド信号、(c)は切換スイッチSW1の切換動作、(d)は切換スイッチSW3の切換動作、(e)は検出部12の検出出力信号、(f)は第1の誤差増幅部47の出力信号、(g)は電源46の入力信号、(h)は光源1に供給される電力のそれぞれ一例を示す。 【0037】 時刻t1にホールド信号によってサンプリングスイッチSW2を動作させて、第1の誤差増幅部47の出力信号をコンデンサC1にホールドし、切換スイッチSW1を(c)の(47側)から(44側)として示すように、第1の誤差増幅部47側からホールド回路44側へ切換え、また切換スイッチSW3を(d)の(12側)から(45側)として示すように、検出部12側から第2の誤差増幅部45側へ切換える。 【0038】 次の時刻t2に第2シャッター3を閉じて光源1の光出力を遮蔽する。それによって、(e)に示すように、検出出力信号は零となる。この時、第1の誤差増幅部47には第2の誤差増幅部45の出力信号が入力され、第2の誤差増幅部45においては、ホールド回路44のホールド出力信号を抵抗R4を介して演算増幅器53の(-)端子に、また第1の誤差増幅部47の出力信号を抵抗R3を介して演算増幅器53の(+)端子にそれぞれ入力されるから、第2の誤差増幅部45の出力信号は、ホールド回路44のホールド出力信号に対応した値として第1の誤差増幅部47に入力され、第1の誤差増幅部47の出力信号は、第2シャッター3を閉じる直前の値を維持することになる。即ち、(f)で示すように、例えば、(1/3)Vの出力信号を維持することになる。 【0039】 また時刻t3に第2シャッター3を開くと、検出部12の検出出力信号は(e)に示すように、光源1の光出力に対応した値となる。この時点では切換スイッチSW1,SW3は点線矢印位置に切換えられているから、第1の誤差増幅部47の出力信号は前の状態を維持している。そして、時刻t4に切換スイッチSW1,SW3を点線矢印位置から実線矢印位置に切換えると、第1の誤差増幅部47の出力信号は、第2シャッター3を閉じる直前の値を維持し、かつ光源1の照度も変化しない場合、(f)で示すように変化しないことになる。それによって、電源の入力信号も(g)で示すように変化しないことになり、光源1への供給電力は例えば(2/3)Wに一定に維持されることになる。 【0040】 図5は本装置の動作シーケンスのうち露光シーケンス前後の露光用シャッター13および第2シャッター3の開閉動作、ならびにその動作に伴う定照度モードと定電力保持モードの切換えタイミングを示した図である。同図において、60は露光シーケンスを表わし、61は走査露光のためキャリッジの移動を示し、62は露光シャッターの開閉のタイミング、63は第2シャッター3の開閉タイミングを表している。67は定照度モードと定電力保持モードの切換えタイミングを示す信号であり、図1のインターフェイス回路33から点灯装置40に対して入力されるホールド信号42を示している。68は定照度モードの動作タイミング、69は定電力保持モードの動作タイミングを示している。 【0041】 タイミングチャート63で紙面左側の第2シャッター3が閉じている状態では、水銀灯1の制御方式はタイミングチャート69の紙面左側に示すように定電力保持モードがオンして、光量モニター信号12の信号には無関係な水銀灯の点灯制御になっている。露光シーケンスが始まる前にタイミングチャート63で示すように第2シャッター3が開放(OPEN)する。アクチェータ動作により第2シャッター3が完全に開くt1秒後にホールド信号が変化して、前記信号42を通じて点灯装置40に第2シャッター3の状態が変化したことを伝達する。点灯装置内部でこの信号を受けて自動で定電力保持モードから定照度モードに制御が変わる。この際に照明光源に供給する電力が変化する。 【0042】 図6は定照度点灯と定電力保持点灯との長時間点灯時の照度変化を比較したものである。破線aは定電力時の電力を表す。それに対応した照度変化は破線cで表される。電力が一定だとランプ効率が長時間点灯時に段々劣化してくるため、照度が落ちてくることを示している。一方、実線bは定照度時の電力、実線dは定照度時の照度を示している。これはランプ効率の劣化を電力を上げることにより補っていることを示している。 【0043】 図7は定電力保持状態から定照度状態に復帰する際の照度変化を示したものである。eは定照度時の照度、fは定照度復帰後の照度を表している。Wは照度が安定状態にある範囲を示す。図7に示されるように、定電力保持状態から定照度安定状態になるまでに時間trが必要である。そのため、切り換わり時の応答安定時間trを超える時間t2の余裕をおいてから露光動作に入るシーケンスになっている。 【0044】 露光動作は、まず、図1で示すキャリッジ21が紙面右側方向のマスクおよびウエハ全面に光が入射しない位置へ移動する。その後今度は紙面左側へ移動する前にタイミングチャート62で示すように露光用シャッター13が開放(OPEN)し、その後キャリッジ21が紙面右側から左側へ移動することによりマスクおよびウエハが等速走査露光される。マスクおよびウエハが全面露光された後、露光用シャッター13が閉じる(CLOSE)。そして露光シーケンスが終了してから時間t3後にホールド信号42が変化して点灯制御方式を再び定電力保持モードにして、時間t4後に第2シャッター3が閉じる。次に露光シーケンスが始まるまでは照明系と投影光学系の光学部品は保護される。後は繰り返し動作シーケンスが行なわれる。 【0045】 なお、上述において、第2シャッター遮蔽時は、超高圧水銀灯1を定電流保持点灯するようにしてもよい。 【0046】 実施例2 前記説明の中で時間t2はなるべく小さな値であることが装置のスループットを下げないようにするため必要となる。それには前記trをなるべく小さくすることが必要である。実際に問題なるのは長時間、定電力保持されている場合である。すなわち点灯モード間の電力差が大きくなった場合が問題となる。そこで本実施例においてはこの電力差をメンテナンスして問題が生じる程度になったら自動補正をするようにした。すなわち第2シャッターの遮断している時間をモニターする機能を設けて設定時間に達したら自動で装置シーケンスがアイドル時に第2シャッターの開閉動作を行ない、保持電力を更新するようにした。 【0047】 図8〜10はそのソフト処理を表わす。本実施例は、これらのソフト処理を上記実施例1の露光シーケンス処理に付加したものである。 【0048】 図8はタイマーのセットタイミングを示す。第2シャッターが閉じた後にタイマーセットする。セット方法はいろいろあるが、不図示のスイッチにより設定時間を可変入力しても良いし、不図示のコンソールにより、設定時間を入力しても良い。 【0049】 図9はタイマー処理を示す。これは割り込みシーケンスの中で一定時間毎にタイマー値を減算し、タイマー値が0になったら、フラグをセットを行なう。 【0050】 図10は装置が次の処理の操作待ちの所に入れるルーチンである。前記タイマーフラグをチェックして設定タイムオーバーの際、第2シャッター3をオープンし、ホールド信号42を定電力モードから定照度モードに切り換える。第2シャッター3および点灯装置40の切り換え動作が収束する時間に相当するタイムディレイをおいて再びホールド信号42を定照度から定電力に切り換える。ホールドに必要な時間だけタイムディレイを入れてから、第2シャッターを閉じる。これにより、自動で電力差を減らすことができ、応答の安定時間が長くなるのを防止することができた。 【0051】 実施例1及び2の変形例 上述の実施例では第2シャッタが閉じることにより定照度制御を定電流または定電力保持に切換えたが、光量モニターセンサ12とともに、または光量モニターセンサ12に代えて、図11で示すように第2のシャッタ3の前に光量モニターセンサ70を配置してもよい。この場合、点灯モードを切換える必要はない。また図12で示すように図1のミラー4をハーフミラー72とし、光ファイバー73を通して光をモニターするように光量モニターセンサ74を配置してもよい。その際は第2のシャッタは71の位置に配置する必要がある。但しこの場合、光学部品72,73の保護はできない。 【0052】 さらに、定電力保持を長時間行なった際のメンテナンス機能をソフトタイマーで行なったが、実際に電力指示値をA/Dコンバーターで読みとるようにすれば、定期的に定照度に切換えて電力指示値の差を管理することでタイマーを使用したのと同等の処理を行なうことができる。 【0053】 実施例3 上述の実施例1及び2は、投影露光装置の照明系における照明光学系の光学部品に膜を保護することによってこれらの光学部品の寿命を向上する例を示したが、本実施例では、超高圧水銀灯の寿命を向上する例を示す。 【0054】 図13は本発明の第3の実施例に係る反射投影型の露光装置の概略図である。同図において、60は露光装置の光源および照明光学系を有する照明系、20はマスク像をウエハに転写する機構と不図示のアライメント機構と投影光学系を有する本体である。30は露光装置全体のシーケンス動作をコントロールするCPUを含むコントロールボックス、40は露光装置の光源である超高圧水銀灯1を点灯し点灯時の電力を制御する点灯装置である。これらの各ユニットはケーブルを通して信号伝達および電力供給を行なっている。 【0055】 照明系60において、1は光源であるところの超高圧水銀灯、2は水銀灯1の光源光を光路(一点鎖線で示す)方向に光を収束させる球面鏡である。水銀灯1および球面鏡2で反射された光は一点鎖線で示した光路を通過し、ミラー4、ミラー5、ミラー6、コンデンサーレンズ7およびミラー8を経て、スリット9へ入射する。スリット9で投影露光に使用する有効光を切り出しスリット状光にする。スリット状光は球面ミラー10で反射され、ハーフミラー11を通して、照明照度を一定に保つ定照度制御をする際、使用する光量モニターセンサ12へ入射する光と露光用シャッター13へ行く光に分けられる。露光用シャッター13は装置動作シーケンスが露光になると開放し、スリット状光がミラー14および面ミラー15で反射され、投影光学系20に配置されたマスク16に入射する。 【0056】 投影光学系20において、マスク16とウエハ22はキャリッジ21により一体に担持されており、一体移動することにより、マスク16に入射するスリット状光のマスクに対する位置が移動し、マスク16の全体投影像がウエハ22全面に転写される。 【0057】 コントロールボックス30は、装置全体の動作シーケンスプログラムを記憶しているROM31、前記動作シーケンスプログラムを演算したり、シーケンス処理する中央処理装置CPU36、演算処理データを記憶するRAM32、装置各部の不図示のアクチェータ信号を入出力するインターフェイス回路33、前記のキャリッジ21を不図示のアクチェ一夕を駆動して移動動作をさせるところのキャリッジ駆動回路34、露光用シャッター13、およびシャッター駆動回路35を備えている。 【0058】 水銀灯1は点灯装置40を点灯操作させると、高電圧を印加するスターター43を通して点灯する。点灯装置40は点灯動作モードを3っ有している。1つは水銀灯1を定電流で点灯するモードである。もう1つは照度を一定に保つ定照度モードである。さらにもう1つは露光用シャッター13が閉じる直前の電力を保持するモードである。 【0059】 水銀灯1は点灯直後は前記定電流モードになっている。従来例で記載したように本装置では露光動作時は水銀灯1を定照度モードで使用しなければならない。照明照度の基準値を設定するために、一旦手動にて定照度モードに切換える必要がある。そこで前記点灯装置40の操作パネルを操作し、手動にて水銀灯1を定照度モードに切換える。その状態で照度計を本装置にセットし、照度の設定値を点灯装置40の操作パネルについているダイヤルを操作して設定する。 【0060】 本実施例の主眼点は露光および照度測定動作時は定照度モードで水銀灯1を点灯させ、それ以外のシーケンスでは露光および照度測定終了時の電力保持した一定電力で点灯することにより、定照度電力を連続して行なった場合より、電力増加の時間間隔を長くして超高圧水銀灯の劣化を遅らせている。 【0061】 図14は前記問題の解決手段の説明のための要部回路図である。電源46と光源1とからなる被制御部41と、この被制御部41の出力である光源1の光出力を検出するフォトダイオードからなる検出部12と、この検出部12の検出出力信号と基準電源50の基準電圧と比較して誤差信号を出力する第1の誤差増幅部47と、ホールド回路44と、第2の誤差増幅部45とを備えている。49は演算増幅器、50は基準電源、51,52はバッファアンプ、53は演算増幅器、54はホールド信号42を遅延する遅延回路、R1〜R5は抵抗、C1,C2はコンデンサ、SW1,SW3は切換えスイッチ、SW2はサンプリングスイッチである。 【0062】 第1の誤差増幅部47は、演算増幅器49と基準電源50と抵抗R1,R2とコンデンサC1とから構成され、第2の誤差増幅部45は、演算増幅器53と抵抗R3〜R5とにより構成され、ホールド回路44は、バッファアンプ51,52とコンデンサC2とサンプリングスイッチSW2とにより構成されている。このサンプリングスイッチSW2はホールド信号によって動作するものである。また切換スイッチSW1,SW3は、遅延回路54の出力信号であるホールド信号42を時間td遅延した指令値切換信号と連動して制御されるものである。 【0063】 ホールド回路44に加えられるホールド信号42がオフすると、ホールドオフを表わす指令値切換信号により、切換スイッチSW1,SW3が実線矢印位置に切換えられる。切換スイッチSW1,SW3が実線矢印位置に切換えられている状態では、フィードバックループによる光源1の定照度制御が行なわれる。ホールド信号がオンすると、切換スイッチSW1,SW3は実線矢印位置から点線矢印位置に切換えられるから、第1の誤差増幅部47にはホールド回路44の出力が入力される。従って、第1の誤差増幅部47の出力信号は、ホールド回路44のホールド出力信号により規定された値を維持することになる。 【0064】 図15は本実施例における電力または電流保持動作の説明図である。同図において、(a)はホールド信号42のオン/オフ、(b)はホールド状態、(c)は切換スイッチSW1の切換動作、(d)は切換スイッチSW3の切換動作、(e)は第1の誤差増幅部47の出力信号、(f)は電源46の入力信号、(g)は光源1に供給される電力のそれぞれ一例を示す。 【0065】 時刻t1にホールド信号によってサンプリングスイッチSW2を動作させて、第1の誤差増幅部47の出力信号をコンデンサC1にホールドし、切換スイッチSW1を(c)の(47側)から(44側)として示すように、第1の誤差増幅部47側からホールド回路44側へ切換え、また切換スイッチSW3を(d)の(12側)から(45側)として示すように、検出部12側から第2の誤差増幅部45側へ切換える。 【0066】 次の時刻t2にホールド信号をオンする。それによって、第1の誤差増幅部47には第2の誤差増幅部45の出力信号が入力され、第2の誤差増幅部45においては、ホールド回路44のホールド出力信号を抵抗R4を介して演算増幅器53の(-)端子に、また第1の誤差増幅部47の出力信号を抵抗R3を介して演算増幅器53の(+)端子にそれぞれ入力されるから、第2の誤差増幅部45の出力信号は、ホールド回路44のホールド出力信号に対応した値として第1の誤差増幅部47に入力され、第1の誤差増幅部47の出力信号は、ホールド信号をオンにする直前の値を維持することになる。すなわち、(e)で示すように、例えば(1/3)Vの出力信号を維持することになる。 【0067】 また時刻t3にホールド信号をオフにすると、それから時間tdの間、切換スイッチSW1,SW3は点線矢印位置に切換えられたままであるから、第1の誤差増幅部47の出力信号は、前の状態を維持している。そして、時刻t4に切換スイッチSW1,SW3を点線矢印位置から実線矢印位置に切換えると、第1の誤差増幅部47の出力信号は、ホールド信号をオンする前の値を維持し、かつ光源1の照度も変化しない場合、(e)の実線で示すように変化しないことになる。それによって、電源の入力信号も(f)の実線で示すように変化しないことになり、(g)で示すように光源1への供給電力は例えば(2/3)W一定に維持されることになる。 図16は本装置の動作シーケンスのうち露光シーケンス前後の露光用シャッター13の開閉動作およびその動作に伴う定照度モードと定電力保持モードの切換えタイミングを示した図である。同図において、60は露光シーケンスを表わし、61は走査露光のためキャリッジの移動を示し、62は露光シャッターの開閉のタイミングを表わしている。67は定照度モードと定電力保持モードの切換タイミングを示す信号であり、前記インターフェイス回路33から点灯装置40に対して入力されるホールド信号42を示している。68は定照度モードの動作タイミング、69は定電流保持モードの動作タイミングを示している。 【0068】 水銀灯1の制御方式はタイミングチャート69の紙面左側に示すように定電力保持モードがオンして、光量モニター信号12の信号には無関係な水銀灯の点灯制御になっている。露光シーケンスが始まるt1秒前にタイミングチャート67のホールド信号を切換えて、前記信号42を通じて点灯装置40に点灯方式が変わったことを伝達する。点灯装置内部でこの信号を受けて自動で定電力保持モードから定照度モードに制御が変わる。定照度になると定電力保持モード時との照度の違いがある場合があるため、切換わり時の応答時間を超える時間t2の余裕をおいてからキャリッジ移動シーケンスに移行する。 【0069】 露光動作は図13に示すキャリッジ21が紙面右側方向のマスクおよびウエハの全面に光が入射しない位置へ移動する。その後今度は紙面左側へ移動する前に62のタイミングで露光用シャッター13がオープンし、その後マスクとウエハは等速走査露光される。マスクおよびウエハが全面露光された後、露光用シャッター13が閉じる。そして露光シーケンスが終了してから、t3秒後にタイミングチャート67に示すホールド信号が変化して点灯制御方式を再び定電力保持モードにする。後は繰り返し上記の動作シーケンスが行なわれる。 【0070】 本実施例によれば、ランプ電力が連続的に増加することを防止でき、ランプの電極の劣化を抑えることができ、それにより、ランプの寿命を長くすることができる。 【0071】 本実施例においては、装置の露光シーケンスおよび照度(または露光量)測定では定照度モードとし、それ以外では定電力または定電流モードとしたが、装置のアイドル状態を検知して、装置内またはカセット内にウエハがある場合、すなわち装置の実働時を定照度モード、ウエハが無い場合、すなわち装置のアイドル時を定電力または定電流モードとするようにしてもよい。 【0072】 【発明の効果】 光学部品を交換すると光軸調整などが難しいため、装置のダウンタイムが増える。本発明の第1の局面によれば、光源の近くに第2のシャッタを設けることで照明光学系の光学部品の膜を保護するようにしたため、光学部品の耐久性が向上して部品交換が長時間不要になり、装置の稼働率を上げることができる。 【0073】 また、膜の劣化でミラーの反射率が低下すると照明光源、例えば超高圧水銀灯への供給電力を上げて照明照度を上げることが必要になる。このことは超高圧水銀灯の寿命を短くすることになる。上記第1の局面によれば、膜の反射率の変化が抑えられることで超高圧水銀灯を効率よく点灯でき、水銀灯の寿命も長くすることでランプ交換のためのダウンタイムを少なくできる。 【0074】 ハーフミラーを通して光量モニタを検知する方式だと、実際のマスクに照射する照度と光量モニタする照度の比率が変化すると正しい照明照度が得られない。そのため上記第1の局面によればそのような違いを少なくすることができる。 【0075】 さらに、本発明の第2の局面によれば、光源、例えば超高圧水銀灯を露光動作時など定照度で点灯することが必要な時以外は直前の定照度点灯における電流または電力を保持する定電流または定電力点灯を行なっている。このため、ランプ電力が連続的に増加することを防止でき、ランプの寿命劣化を抑えることができ、ランプ寿命が長くなる。その結果、ランプ交換の回数を減らすことができ、ランニングコストを下げることができる。また、装置の稼働率の向上および消耗品としてのランプのストックコストの削減を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 参考例、本発明の第1及び第2実施例に係る反射型投影露光装置の構成図である。 【図2】 参考例に係る露光装置の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 【図3】 本発明の第1実施例に係る点灯装置の電力保持の動作説明のための要部回路図である。 【図4】 上記第1実施例における第2シャッターの開閉に伴う定照度/電力保持動作切換の際の電力保持動作の説明図である。 【図5】 上記第1実施例における露光シーケンスと水銀灯制御の切換方式のタイミングを表わすタイミングチャートである。 【図6】 定照度点灯と定電力保持点灯との電力と照度の経時特性を示す説明図である。 【図7】 定電力保持点灯から定照度点灯に切換わった際の過渡応答を示す説明図である。 【図8〜10】 本発明の第2実施例の動作説明のためのフローチャートである。 【図11,12】 上記第1及び第2実施例の変形例を示す露光装置の概略構成図である。 【図13】 本発明の第3実施例に係る反射型投影露光装置の構成図である。 【図14】 図13の露光装置の点灯装置における電力保持の動作説明のための要部回路図である。 【図15】 図13の露光装置における第2シャッターの開閉に伴う定照度/電力保持動作切換の際の電力保持動作の説明図である。 【図16】 図13の露光装置における露光シーケンスと水銀灯制御の切換方式のタイミングを表わすタイミングチャートである。 【図17】 従来の反射型投影露光装置の概略構成図である。 【符号の説明】 1:超高圧水銀灯、2:球面鏡、3:第2シャッター、4,5,6,8,14:ミラー、7:コンデンサーレンズ、9:スリット、10:球面ミラー、11:ハーフミラー、12:光量モニターセンサ、13:露光用シャッター、15,18:凹面ミラー、16:マスク、17:台形ミラー、19:凸面ミラー、20:本体、21:キャリッジ、22:ウエハ、30:コントロールボックス、31:ROM、32:RAM、33:インターフェイス回路、34:キャリッジ駆動回路、35:シャッター駆動回路35、36:CPU、40:点灯装置、41:被制御部、42:ホールド信号、43:スターター、44:ホールド回路、45:第2誤差増幅器、46:電源、47:第1誤差増幅器、49,53:演算増幅器、50:基準電源、51,52:バッファアンプ、54:遅延回路、60:照明系。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 特許請求の範囲の減縮ないし明瞭でない記載の釈明を目的として下記(1)のように特許請求の範囲を訂正する。また、特許請求の範囲の訂正に応じて、詳細な説明及び図面の簡単な説明についても適合性を持たせる為に下記(2)〜(19)のように訂正する。 (1)特許請求の範囲を次のとおり訂正する。 「【請求項1】マスクを介して基板を露光する露光装置において、光源からの光をマスクに向ける照明光学系と、該照明光学系に配され非露光時に閉じて露光時に開く露光用の第1シャッターと、該第1シャッターより光源側にある光学部品の光源側に配され露光に先立って開き露光終了後に閉じる第2のシャッターと、前記光源の点灯制御モードを当該露光装置の動作シーケンスに応じて自動選択する点灯制御手段を有し、前記点灯制御手段は、前記第2シャッターが開放状態の場合は定照度点灯制御を行ない、遮断状態の場合は定電流または定電力点灯制御を前記第2シャッターが閉じる直前の状態を保持すべく行なうことを特徴とする露光装置。 【請求項2】前記第2シャッターの遮断している時間をモニタする手段と、遮断継続時間を設定する手段と、該設定時間に達したら第2シャッターの開閉動作を行なって前記点灯制御手段が保持すべき状態を更新する手段とをさらに具備することを特徴とする請求項1記載の露光装置。 【請求項3】前記第2シャッターの遮断時間が前記設定時間に達した際、前記動作シーケンスがアイドル状態であることを条件に前記第2シャッターの開閉を行なうことを特徴とする請求項2記載の露光装置。 【請求項4】前記第1シャッターより光源側における光源からの光の光量を検知する第1の光量検知手段と、前記第2シャッターより光源側における光源からの光の光量を検知する第2の光量検知手段と、前記第2シャッターが開放状態の場合は第1の光量検知手段の出力に基づく定照度点灯制御を行ない、遮断状態の場合は第2の光量検知手段の出力に基づく定照度点灯制御を行なう点灯制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の露光装置。 【請求項5】前記第2の光量検知手段は、前記光源から前記光源からの光の光路外へ出射される直接光の光量を検知することを特徴とする請求項4記載の露光装置。 【請求項6】前記第2の光量検知手段は、前記光源からの光の一部を透過するハーフミラーの透過光量を検知することを特徴とする請求項4記載の露光装置。 【請求項7】マスクを介して基板を露光する露光装置において、光源からの光をマスクに向ける照明光学系と、該照明光学系に配され非露光時に閉じて露光時に開く露光用の第1シャッターと、前記光源からの光の光量を検出する光量検出手段と、該光量検出手段の出力を一定にすべく前記照明光源を点灯制御する定照度点灯モードと該照明光源に供給される電力または電流を一定にすべく該照明光源を点灯制御する定電力または定電流点灯モードとを有し、かつ前記定電力または定電流点灯モードに切り換わった際、切り換わる直前の電力または電流を保持すべく前記電力または定電流点灯モードの点灯制御を行なう点灯制御手段とを具備することを特徴とする露光装置。 【請求項8】前記点灯モードを前記点灯制御手段の外部より切り換える手段を有することを特徴とする請求項7記載の露光装置。 【請求項9】前記点灯制御手段は、当該露光装置の動作シーケンスが露光または光量測定時には前記定照度点灯を行ない、それ以外は定電力または定電流点灯することを特徴とする請求項8記載の露光装置。 【請求項10】前記光源は、超高圧水銀灯であり、該超高圧水銀灯からの紫外光を利用してマスク像を感光剤を塗布した基板に転写することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに一つに記載の露光装置。」 (2)明細書段落【0011】の「本発明の第1の実施態様においては」を削除する。 (3)明細書段落【0012】の「本発明の第2の実施態様においては」を削除する。 (4)明細書段落【0013】及び【0014】の「第3の」を削除する。 (5)明細書段落【0018】の「実施例1」及び「一実施例」を「参考例」と訂正する。 (6)明細書段落【0024】の「実施例」を、「参考例」と訂正する。 (7)明細書段落【0029】の「実施例2」を、「実施例1」と訂正する。 (8)明細書段落【0030】の「実施例2」(3ケ所)を、「実施例1」と訂正し、「実施例1」を、「参考例」と訂正する。 (9)明細書段落【0046】の「実施例3」を、「実施例2」と訂正する。 (10)明細書段落【0047】の「実施例2」を、「実施例1」と訂正する。 (11)明細書段落【0051】の「実施例1〜3の変形例」を、「実施例1及び2の変形例」と訂正する。 (12)明細書段落【0053】の「実施例4」を、「実施例3」と訂正し、「実施例1〜3」を、「実施例1及び2」と訂正する。 (13)明細書段落【0054】の「第4の」を、「第3の」と訂正する。 (14)明細書【図1】の「本発明の第1〜3実施例」を、「参考例、本発明の第1及び第2実施例」と訂正する。 (15)明細書【図2】の「本発明の第1実施例」を、「参考例」と訂正する。 (16)明細書【図3】、【図4】、及び【図5】の「第2実施例」を、「第1実施例」と訂正する。 (17)明細書【図8〜10】の「第3実施例」を、「第2実施例」と訂正する。 (18)明細書【図11,12】の「第1〜3実施例」を、「第1及び第2実施例」と訂正する。 (19)明細書【図13】の「第4実施例」を、「第3実施例」と訂正する。 |
異議決定日 | 1999-11-09 |
出願番号 | 特願平4-204285 |
審決分類 |
P
1
652・
161-
XA
(H01L)
P 1 652・ 113- XA (H01L) P 1 652・ 121- XA (H01L) |
最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 國島 明弘 |
特許庁審判長 |
高橋 美実 |
特許庁審判官 |
橋本 栄和 綿貫 章 |
登録日 | 1998-09-18 |
登録番号 | 特許第2826785号(P2826785) |
権利者 | キヤノン株式会社 |
発明の名称 | 投影露光装置 |
代理人 | 渡辺 隆男 |
代理人 | 関口 鶴彦 |
代理人 | 関口 鶴彦 |
代理人 | 伊東 辰雄 |
代理人 | 伊東 哲也 |
代理人 | 伊東 辰雄 |
代理人 | 伊東 哲也 |