• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G02B
管理番号 1012355
異議申立番号 異議1999-71669  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-03-05 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-04-30 
確定日 1999-12-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2817898号「分岐合波光導波回路」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2817898号の特許を維持する。 
理由 (1)手続きの経緯
本件特許第2817898号発明は、平成2年7月6日に特許出願され、平成10年8月21日にその発明の特許がなされ、その後、河原 浩人より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年9月7日に訂正請求がなされたものである。
(2)訂正の適否についての判断
ア 特許請求の範囲の訂正
a、訂正明細書の請求項(1)に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項(1)に特定された次のとおりのものである。
「(1)基板上のクラッド中に形成された、主導波路と該導波路から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路と該拡大導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる火炎堆積法によって作製された分岐合波光導波回路において、前記拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離したことを特徴とする分岐合波光導波回路。」
イ.発明の詳細な説明の訂正
a、明細書第5〜6頁(課題を解決するための手段)の項(特許掲載公報第3欄第47行〜第4欄第6行)の「分岐合波光導波路回路において、」を「火炎堆積法によって作製された分岐合波光導波路回路において、」と訂正する。
ウ.訂正の目的の適否及び拡張・変更・新規事項の存否
上記訂正ア.は、特許請求の範囲の減縮に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、新規事項の追加もない。また、上記訂正イ.は、発明の詳細な説明の欄中の明瞭でない記載の釈明(特許請求の範囲の訂正に付随する訂正である。)を目的とするものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、新規事項の追加もない。
エ.独立特許要件の判断
(引用刊行物に記載された発明)
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「本件請求項1に係る発明」という。)に対して、当審が通知した取消理由で引用した『1990年電子情報通信学会春季全国大会、講演論文集、分冊4,通信・エレクトロニクス(1990年3月18日〜21日開催)、第4-241頁』(以下、「第1引用例」という。)には、主導波路と該導波路から徐々に外径が拡大して延びるテーパ導波路と該テーパ導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなるY分岐導波路が記載され、同じく引用した『1990年電子情報通信学会春季全国大会、講演論文集、分冊4,通信・エレクトロニクス(1990年3月18日〜21日開催)、第4-259頁』(以下、「第2引用例」という。)には、主導波路と該主導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなるアンテナ結合型Y分岐光導波路が記載され、同じく引用した特開昭62-118308号公報(以下、「第3引用例」という。)には、基板(3)上に形成された、端部の断面積が徐々に減少したテーパー状の光伝送路(1a)、(1b)を備えた直線状伝送路(1)に接続される2本以上の、端部に上記光伝送路(1a)、(1b)と対応し距離dで平行に配置される光伝送路(2a)、(2b)を備えた分岐用伝送路(2)とからなる光分岐回路において、各分岐用伝送路(2)同士を所定の間隔をもって分離したものが記載され、同じく引用した『Electronics Letters、Vol.22,No.6、March、1986発行、第321〜322頁』(以下、「第4引用例」という。)には、導波路同士を3μmの間隔をもって分離し、狭い間隙が火炎堆積クラッドガラスで完全に充填されていることが分かると記載され、同じく引用した『JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY Vol.6,No.6、June.1988発行、第1003〜1010頁』(以下、「第5引用例」という。)には、導波路同士を5μmの間隔をもって分離し、狭い間隙が火炎堆積クラッドガラスで完全に充填されていることが分かると記載され、同じく引用した『ISDN時代の光ファイバ技術、1989年6月10日、理工学社発行、第6-1〜6-5頁』(以下、「第6引用例」という。)には、接続損失の要因が記載さている。
(請求項1に係る発明についての対比・判断)
本件請求項1に係る発明と第1引用例に記載の発明とを対比すると、本件請求項1に係る発明の「拡大導波路」は、第1引用例に記載の発明の「テーパ導波路」に相当するから、両者は、主導波路と該導波路から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路と該拡大導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる分岐合波光導波回路で一致し、
(イ)本件請求項1に係る発明では、導波路が基板上のクラッド中に形成されたのに対して、第1引用例記載の発明では、そのような記載が無い点、
(ロ)本件請求項1に係る発明では、光導波路が回路が火炎堆積法によって作製されたのに対して、第1引用例記載の発明では、その点に関する記載が無い点、
(ハ)本件請求項1に係る発明では、前記拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離したのに対して、第1引用例記載の発明では、その点に関する記載が無い点で相違する。
本件請求項1に係る発明と第2引用例に記載の発明とを対比すると、第2引用例に記載の発明は、主導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる光導波回路でのみ一致し、本件請求項1に係る発明の、その余の構成を有しない。
本件請求項1に係る発明と第3引用例に記載の発明とを対比すると、本件請求項1に係る発明の「主導波路」、「分岐導波路」は、第3引用例に記載の発明の「直線状伝送路(1)」、「分岐用伝送路(2)」に相当するから、両者は、基板上に形成された、主導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる分岐合波光導波回路において、導波路の各端面が所定の間隔をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離した分岐合波光導波回路で一致し、
(イ’)本件請求項1に係る発明では、導波路がクラッド中に形成されるのに対して、第3引用例に記載の発明には、そのような記載が無い点、
(ニ)本件請求項1に係る発明では、主導波路から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路を有するのに対して、第3引用例に記載の発明には、そのような記載が無い点、本件請求項1に係る発明では、光導波路が回路が火炎堆積法によって作製されたのに対して、第3引用例記載の発明では、その点に関する記載が無い点、
(ハ’)本件請求項1に係る発明では、前記拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向したのに対して、第3引用例記載の発明では、端部の断面積が徐々に減少したテーパー状の光伝送路(1a)、(1b)を備えた直線状伝送路(1)に接続される2本以上の、端部に上記光伝送路(1a)、(1b)と対応し距離dで平行に配置される光伝送路(2a)、(2b)を備えた分岐用伝送路(2)である点で相違する。
本件請求項1に係る発明と第4及び第5引用例に記載の発明とを対比すると、第4及び第5引用例に記載の発明は、火炎堆積法によって作製され導波路同士が所定の間隔をもって分離した点でのみ一致し、本件請求項1に係る発明の、その余の構成を有しない。
最後に、本件請求項1に係る発明と第6引用例に記載の発明とを対比すると、第6引用例に記載の発明は、接続損失の要因に触れているのみで、本件請求項1に係る発明の、殆ど全ての構成を有しない。
してみれば、第1〜6引用例のいずれにも上記(ハ)及び(ハ’)で示した、本件請求項1に係る発明の構成の一部が無い。
そして、本件請求項1に係る発明は、上記(ハ)及び(ハ’)の点を有することによって、明細書記載の効果を奏するものであるから、本件請求項1に係る発明が、第1〜6引用例に記載された発明であるとも、第1〜6引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとも言えない。
したがって、本件請求項1に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とすることはできない。
オ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(3)特許異議の申立てについての判断
ア. 申立ての理由の概要
申立人河原 浩人は、証拠として甲第1号証(1990年電子情報通信学会春季全国大会、講演論文集、分冊4,通信・エレクトロニクス(1990年3月18日〜21日開催)、第4-241頁、上記第1引用例)、甲第2号証(1990年電子情報通信学会春季全国大会、講演論文集、分冊4,通信・エレクトロニクス(1990年3月18日〜21日開催)、第4-259頁、上記第2引用例)、甲第3号証(特開昭62-118308号公報、上記第3引用例)甲第4号証(Electronics Letters、Vol.22,No.6、March、1986発行、第321〜322頁、上記第4引用例)、甲第5号証(JOURNAL OF LIGITWAVE TECHNOLOGY Vol.6,No.6、June.1988発行、第1003〜1010頁、上記第5引用例)、甲第6号証(ISDN時代の光ファイバ技術、1989年6月10日、理工学社発行、第6-1〜6-5頁、上記第6引用例)を提出し、請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の視定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張しいる。
イ.判断
〔本件請求項1に係る発明〕
申立人河原 浩人の主張に対し、甲第1〜6号証は、上記(2)エ.で示したとおりである。
ウ.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
分岐合波光導波回路
(57)【特許請求の範囲】
(1)基板上のクラッド中に形成された、主導波路と該導波路から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路と該拡大導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる火炎堆積法によって作製された分岐合波光導波回路において、
前記拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離したことを特徴とする分岐合波光導波回路。
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、基板上に形成された1本の主導波路と2本以上の分岐導波路を有し、光の分岐及び合波を行う分岐合波光導波回路に関するものである。
(従来の技術)
光集積回路において、光分岐回路及び光合波回路は、その基本構成要素として必要不可欠である。このような分岐合波光導波回路としては、従来より、2本以上の分岐光導波路を有するY分岐光導波回路が知られている。
このY分岐光導波回路は、方向性結合器を用いた分岐光導波回路に比べ、波長依存性が無く、分岐比の偏差が小さいという長所を有しており、特に、1×Nスプリッタ等への応用が期待されている。
第2図は、従来のY分岐光導波回路を示す構成図であって、同図の(a)は上面図、同図の(b)は(a)のA-A線矢視方向の断面図である。第2図において、1は基板、2はクラッド、31は主導波路、32は主導波路31から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路、33,34は分岐導波路である。
このY分岐光導波回路は、各導波路31,32,33,34が基板1上のクラット2中に埋め込まれる形で形成されており、分岐導波路33,34の曲率半径をR、主導波路31の幅W31と分岐導波路33,34の幅W33,W34が全て等しく、かつ、分岐点4近傍の分岐導波路33,34に囲まれたクサビ形の先端幅が零であるような理想的な形状を有している。
このようなY分岐光導波回路の作製は、例えば特開昭58-105111号公報に開示されているような方法により行われる。
即ち、SiCl4,GeCl4,TiCl4,PCl3,BCl3の塩化物を出発材料とし、例えば、まず、第3図の(a)乃至(c)に示すように、シリコン等の基板1上にクラッド層2a、コア層3を順次堆積する。
次いで、同図の(d)に示すように、エッチング加工により、第2図に示す各導波路31,32,33,34に対応するコア層3の部分のみを残して除去し、その後、クラッド層2aを堆積してY形の導波路を埋め込むことにより、分岐合波光導波回路としてのY分岐光導波回路が作製される。
(発明が解決しようとする課題)
上記した分岐合波光導波回路においては、低損失化のため、分岐点4の形状が理想的な鋭峻形状に近い形状となるように作製される。
しかしながら、現状の作製技術では、導波路が近接している分岐点4の近傍部を精度良く加工したり、クラッド層2aで埋め込むことは困難であった。
即ち、第4図の(a)に示すように、分岐点4近傍に形状変形が生じたり、同図の(b)に示すように、クラッドガラスが分岐点4近傍の分岐導波路33と34との間に充填されずクラッド層2aに空隙5が生じたり、同図の(c)に示すように、分岐点4近傍の分岐導波路33と34との間にクラッドガラスの供給が足りないため、分岐導波路33,34が傾く等の導波路変形が生じる等、種々の不都合があった。
このため、従来においては、分岐合波光導波回路を設計通りに再現性良く製作することが困難であった。
また、従来のY分岐光導波回路においては、分岐点4近傍の不完全性のため、TM偏波光の方がTE偏波光よりも散乱損失が大きくなるという分岐損失の偏波依存性が見られていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐点近傍でのパターン変形や導波路の埋め込み不良等が発生せず、製作が容易で、かつ、再現性に優れた低損失の分岐合波光導波回路を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するため、本発明では、基板上のクラッド中に形成された、主導波路と該導波路から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路と該拡大導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる火炎堆積法によって作製された分岐合波光導波回路において、前記拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離した、分岐合波光導波回路とした。
(作用)
本発明によれば、回路作製時に、主導波路、拡大導波路、分岐導波路をクラッドに埋め込む工程において、各導波路間、特に分岐点近傍に対してもクラッド材が十分に供給され、さらに導波路間隙が3μm未満でないことから導波路作製の容易性が確保され、また、導波路間隙が10μmより大きくないことから低損失性が確保される。
(実施例)
第1図は、本発明に係る分岐合波光導波回路の第1の実施例を示す構成図であって、従来例を示す第2図と同一構成部分は同一符号をもって表す。即ち、2はクラッド、31は主導波路、32aは主導波路31から連続する拡大導波路、33a,34aは分岐導波路である。
分岐導波路33a,34aは、曲率を持たない直線導波路でその分岐角度は1度に設定してあり、それぞれが拡大導波路32aと導波路軸が一致した状態で、端面320aと330a及び320aと340a同士が所定の間隙LGAPをもって分離して形成されている。かつ、分岐導波路33aと34a同士も互いの最接近距離が所定の間隔WGAPをもって分離して形成されている。
この拡大導波路32aと分岐導波路33a及び34aとの導波路間隙LGAPの値は、導波路作製技術の現状から3μm以上が望ましく、また、損失の増大等の点から10μm以下が望ましい。
このような構成の分岐合波光導波回路は、第3図に示す工程と同様の工程を経て作製される。
即ち、例えば直径3インチ、厚さ700μmのシリコン基板1上に火炎堆積法によって、まず、クラッド層2aとして組成がSiO2-P2O5-B2O3の多孔質ガラス膜を堆積する。
次に、コア層3として組成がSiO2-GeO2-P2O5-B2O3の多孔質ガラスを堆積し、その後、温度1390℃のHeとO2との混合雰囲気中で2時間熱処理する。
次いで、反応性イオンエッチングにより上述したような光導波路パターンを形成する。その後、このコア層3を埋め込むように上記したと同様のクラッド層2aを堆積することにより作製される。
実際に、この方法によりコア寸法8×8μm、比屈折率差0.25%を有する分岐合波光導波回路を作製した。
第5図及び第6図は、上記した導波路間隙LGAP及び分岐導波路間隔WGAPと導波回路損失との関係を示すグラフである。第5図の横軸は導波路間隙LGAPの長さを、縦軸は分岐導波路間隔WGAPが3μm,4μm,5μmの場合の過剰損失を表し、また、第6図の横軸は導波路間隔WGAPを、縦軸は導波路間隙LGAPが4μmの場合の過剰損失を表している。
第5図から分かるように、導波路間隙LGAPが10μm程度では、過剰損失はほとんど無視できる。また、第6図から分かるように分岐導波路間隔WGAPも4μm程度までは、過剰損失を0.3dB以下に抑えることができる。
以上説明したように、本第1の実施例によれば、導波路間隙LGAPを3〜10μmとしたので、従来の作製時のエッチング工程における導波路パターンの変形を防止することができる。
また、主導波路31、拡大導波路32a、分岐導波路33a,34aを埋め込むクラッド2が導波路間に入り込み易くなり、分岐導波路33aと34a間に空隙が生じたり、2本の分岐導波路33a,34aが互いに傾くような変形が防止される。
従って、第1図の分岐合波光導波回路は、設計通りに再現性良く作製することができる。
また、Y分岐の分岐点近傍の不完全性が生じないため、TM偏波光がTE偏波光よりも散乱損失が大きくなるという、分岐損失の偏波依存性を抑制することができる。
第7図は、本発明に係る分岐合波光導波回路の第2の実施例を示す構成図である。
本第2の実施例が前記第1の実施例と異なる点は、分岐導波路33b,34bを曲率をもたない直線逆波路ではなく、曲率半径40mm以上の曲線導波路により構成したことにある。なお、拡大導波路32bの広がり角度は1度である。
本第2の実施例においても、前記第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
(発明の効果)
以上説明したように、本発明によれば、拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離したので、分岐点近傍でのパターン変形や導波路埋め込み不良を確実に防止でき、容易かつ再現性良く作製でき、従って分岐損失の偏波依存性を抑制することができ、極めて低損失の分岐合波光導波回路を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る分岐合波光導波回路の第1の実施例を示す構成図、第2図は従来例の構成図、第3図は分岐合波光導波回路の作製方法の説明図、第4図は従来の問題点の説明図、第5図は導波路間隙長と過剰損失との関係を示すグラフ、第6図は分岐導波路間隔と過剰損失との関係を示すグラフ、第7図は本発明に係る分岐合波光導波回路の第2の実施例を示す構成図である。
図中、1…基板、2…クラッド、2a…クラッド層、3…コア層、31…主導波路、32a,32b…拡大導波路、33a,33b,34a,34b…分岐導波路、LGAP…導波路間隙、WGAP…分岐導波路間隔。
 
訂正の要旨 特許請求の範囲の減縮を目的として、下記(1)のように特許請求の範囲を訂正する。また、特許請求の範囲の訂正に応じて、発明の詳細な説明についても、適合性を持たせるために下記(2)のように訂正する。
(1)特許請求の範囲を次のとおり訂正する。
「(1)基板上のクラッド中に形成された、主導波路と害導波路から徐々に外径が拡大して延びる拡大導波路と該拡大導波路に接続される2本以上の分岐導波路とからなる火炎堆積法によって作製された分岐合波光導波回路において、前記拡大導波路と前記分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもっていずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同士を所定の間隔をもって分離したことを特徴とする分岐合波光導波回路。」
(2)明細書第5〜6頁(課題を解決するための手段)の項(特許掲載公報第3欄第47行〜第4欄第6行)の「分岐合波光導波路回路において、」を「火炎堆積法によって作製された分岐合波光導波路回路において、」と訂正する。
異議決定日 1999-11-10 
出願番号 特願平2-179348
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G02B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中田 誠  
特許庁審判長 高橋 美実
特許庁審判官 柏崎 正男
綿貫 章
登録日 1998-08-21 
登録番号 特許第2817898号(P2817898)
権利者 日本電信電話株式会社
発明の名称 分岐合波光導波回路  
代理人 澤井 敬史  
代理人 澤井 敬史  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ