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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B01D |
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管理番号 | 1012490 |
異議申立番号 | 異議1999-74000 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1991-01-16 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-10-26 |
確定日 | 2000-03-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2886180号「湿式脱硫装置の排水処理法」の請求項に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2886180号の特許請求の範囲第1項ないし第3項、第5項ないし第9項に記載された発明についての特許を維持する。 |
理由 |
理由 (1)請求項1〜3、請求項5〜9に係る発明 特許第2886180号(平成1年6月5日出願、平成11年2月12日設定登録)の請求項1〜3、請求項5〜9に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1〜3、請求項5〜9載されたとおりのものである。 (2)申立の理由の概要 申立人三菱重工株式会社は、証拠として甲第1号証(特開昭53-19970号公報)、甲第2号証(特開昭52-32896号公報)、甲第3号証(特開昭55-97225号公報)、甲第4号証(本件特許の審査段階で提出された意見書)、甲第5号証(JICSTオンライン情報システム「JOIS」による甲第6号証の日本語抄録)、甲第6号証(The 2nd National Conference Complete Water Reuse,Chicago,Illinois,May4-8,1975,第598〜603頁)及び甲第7号証(「産業副産物による化学的土質安定処理」コンクリート工学、第24巻、No.2、第8〜17頁、1986年)を提出し、請求項1〜3、請求項5〜9に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反されたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。 (3)甲第1〜7号証 甲第1号証には、「石灰石膏法による排煙脱硫法における排水処理方法において、不純物含有廃液を排ガスにより濃縮し、この濃縮廃液を加熱乾燥して固体化し、濃縮工程で生じる水蒸気を排ガスの増湿に利用すること」が記載されている。 甲第2号証には、「湿式石灰石膏法排煙脱硫方法において、不純物含有廃液の適量を中和した後、固相と液相に分離し、分離した固相は加熱乾燥し、一方分離した液相は濃縮して、この濃縮液と加熱乾燥した固相とをその混合物が固形物として存在するように混合し、不純物を固形物の形で取りだし、濃縮工程で発生した水蒸気はプロセスのメークアップ水として利用すること」が記載されている。 甲第3号証には、「湿式排ガス洗浄装置からの排液または排スラッジに乾式集塵装置で捕集したフライアッシュ(石炭灰に相当)を加えて無排水化をなすことを特徴とする排液処理方法」が記載されている。 甲第4号証は、引用例1(甲第3号証)に記載の発明に対しての意見書である。 甲第5号証には、「本法は、フライアッシュと石灰との間にポゾラン反応を起こし、灰と石灰とが、スラッジ成分を包み込んで、物理的化学的に安定な結合体となり、スラッジの溶出を防ぐ方法である」と記載されている。 甲第6号証には、「スラッジの安定化は、ポゾラン反応と他の反応との組み合わせによること」が記載されている。 甲第7号証には、「消石灰安定処理のポゾラン反応過程および生成される反応生成物の種類は、粘土鉱物の種類によって相違すること」が記載されている。 (4)対比・判断 (請求項1に係る発明について) 請求項1に係る発明と甲第1〜7号証に記載されたものとを対比すると、甲第1〜7号証のいずれにも本願発明の構成である「排煙脱硫装置からの排水を濃縮し、この濃縮水に石炭灰を添加してスラリ化し、排水中の溶解成分と石炭灰との水和反応生成物を含む硬化物を生成させ、この硬化物を含むスラリを蒸発乾燥すること」を示唆する記載はない。 そして、請求項1に係る発明は、この構成によって明細書記載の効果を奏するものである。 したがって、請求項1に係る発明は、上記各号証に記載のものから当業者が容易に推考しうるものではない。 (請求項2〜3、請求項5〜9に係る発明について) 請求項2〜3、請求項5〜9に係る発明は、請求項1に係る発明をさらに限定したものであるから、上記請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により甲第1〜7号証に記載のものから当業者が容易に推考しうるものでもない。 (5)むすび 以上のとおりであるから、請求項1〜3、請求項5〜9に係る発明は甲第1〜7号証に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、他に請求項1〜3、請求項5〜9に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-02-14 |
出願番号 | 特願平1-142374 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Y
(B01D)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 服部 智 |
特許庁審判長 |
石井 勝徳 |
特許庁審判官 |
山田 充 新居田 知生 |
登録日 | 1999-02-12 |
登録番号 | 特許第2886180号(P2886180) |
権利者 | バブコツク日立株式会社 |
発明の名称 | 湿式脱硫装置の排水処理法 |
代理人 | 有原 幸一 |
代理人 | 奥山 尚一 |
代理人 | 奥山 尚男 |