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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B60H |
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管理番号 | 1012526 |
異議申立番号 | 異議1998-73184 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1991-02-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-06-23 |
確定日 | 2000-03-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2694759号「車両用空気調和装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2694759号の請求項1に係る発明についての特許を維持する。 |
理由 |
(1)手続きの経緯 本件特許第2694759号は、平成元年7月6日の出願であって、平成9年9月12日に設定登録がなされ、その後、特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知されたものである。 (2)本件請求項1に係る発明 請求項1に係る発明は、特許明細書と図面の記載からみて特許請求の範囲請求項1に記載されたとおりの次のものである。 外気導入モードと内気循環モ-ドとを切換える空気導入切換手段を備え、外気温度に応じてコンプレッサの作動を自動的に制御する車両用空気調和装置において、外気温度が低く且つ自動制御モードによる空気調和制御時に、前記コンプレッサが不作動状態で且つ前記空気導入切換手段が内気循環モードに切換えられた状態において、前記空気調和装置のエバポレ-タの出口側温度が所定値以上のとき、前記コンプレッサを作動させることを特徴とする車両用空気調和装置。 (3)取消理由の概要は、請求項1に係る発明が 刊行物1 特開昭60-1019号公報 刊行物2 特開昭63-22724号公報 に記載されている事項に基づいて容易に発明をすることができるものであるというものである。 この点を審理すると、 刊行物1には「外気温度が所定温度に低下したときコンプレッサの作動を停止する空調装置において、外気温が前記所定温度よりやや高い所定温度に低下したときインテークドアを外気導入位置に切り換えるインテークドア切換制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置」(1頁左欄5行〜10行)、「ところで、暖房モードにおいては熱効率を考慮してインテークドアは内気循環位置に切り換えられているが、この状態で外気温が所定温度以下で上述したようにコンプレッサの駆動が停止すると乗員の呼気や皮膚からの発汗による車室内の湿度の高い空気が除湿されずまたエバポレータに付着した水滴が蒸発し、再び車室内に吹出されるために車室内の温度が再び高くなってしまいウインドガラスが曇ることがある。そこでコンプレッサの駆動が停止したときにはインテークドアを外気導入位置に切換えて絶対湿度の小さい外気を導入してガラスが曇らないようにする方式が提案されている」(2頁左上欄10行〜右欄2行)と記載されている。 刊行物2には、「窓ガラスの内面に曇りが発生したか否かを判定する第1の判定手段と、前記窓ガラスの温度が所定値以下か否かを判定する第2の判定手段と、内気循環となっているか否かを判定する第3の判定手段と、前記第1の判定手段により前記窓ガラスに曇りが発生したと判定され、前記第2の判定手段により前記窓ガラスの温度が所定値以下と判定され、且つ前記第3の判定手段により内気循環となっていると判定された場合にエバポレータが凍結温度よりも低くなるまでコンプレッサを駆動させるコンプレッサ制御手段とを有することを特徴とする自動車用空調装置のデミスト制御装置」(1頁左欄5行〜16行)、「窓ガラスの内面に曇りが発生したか否かを判定する第1の判定手段と、前記窓ガラスの温度に関連した温度を検出する温度センサと、温度センサの出力に応じて前記窓ガラスの温度が所定値以下か否かを判定する第2の判定手段と」(1頁右欄16行〜末行)「一方、このステップ103により”低”と判断された場合はステップ104へ進む。このステップ104においては、前述したインテークスイッチからの出力に基づいて内外気切換ドアが内気入口を開く内気循環(RECIC)モードとなっているか否かを判定する。内気循環ではない、即ち、外気導入モードであると判定された場合にはステップ106へ進むが、内気循環であると判定された場合はステップ105へ進む。このステップ105に置いては、エバポレータの温度が凍結温度よりも低い温度、例えば一10℃でオフ-8℃でオンとなるようコンプレッサをオンオフ制御する」(4頁左下欄15行〜右下欄8行)と記載されている。 しかしながら、前記各刊行物には、本件請求項1に係る発明の、 「コンプレッサが不作動状態で且つ空気導入切換手段が内気循環モードに切換えられた状態において、空気調和装置のエバポレータの出口側温度が所定値以上のときコンプレッサを作動させる」点は記載されていない。そして、請求項1に係る発明は、この点において、窓ガラスの曇るのを防止するという明細書に記載された効果を奏するものである。 したがって、本件請求項1に係る発明が前記各刊行物に記載された事項から容易に発明をすることができたものということはできない。 (4)特許異議申立人は、 甲第1号証として、特開昭63-22724号公報(刊行物2) 甲第2号証として、特開昭60-1019号公報(刊行物1)を提示して、請求項1に係る発明がこれら刊行に記載された事項から容易に発明をすることができるものと主張しているけれども、前記したようこの主張は採用できない。 また、他に前記請求項に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-02-17 |
出願番号 | 特願平1-175269 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Y
(B60H)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中田 誠二郎 |
特許庁審判長 |
滝本 静雄 |
特許庁審判官 |
岡田 和加子 歌門 恵 |
登録日 | 1997-09-12 |
登録番号 | 特許第2694759号(P2694759) |
権利者 | 株式会社ゼクセル |
発明の名称 | 車両用空気調和装置 |
代理人 | 大貫 和保 |
代理人 | 碓氷 裕彦 |