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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04B
管理番号 1013690
審判番号 審判1998-12224  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-03-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-08-10 
確定日 2000-02-24 
事件の表示 昭和63年特許願第506454号「アナログ‐デジタルデータ記憶システム」拒絶査定に対する審判事件〔(平成1年2月9日国際公開 WO89/01264、平成3年3月14日国内公表 特許出願公表平3-501192号)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は1988年7月22日(パリ条約による優先権主張1987年7月24日及び同年10月19日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成2年1月24日付け、同6年7月14日付け、同9年3月17日付け、同10年8月10日付け、及び同10年9月9日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項1〜48に係る発明は、各々特許請求の範囲の請求項1〜48に記載されている事項により特定されるものと認められるところ、方法の発明である請求項22に係る発明は次の事項により特定されるものである。
「アドレスコードを含む通信パケットを受信するための方法であって、前記通信パケットの前記アドレスコードをストアされたアドレスと比較して記録能動信号を発生するステップと、前記記録能動信号のみに応答して、前記アドレスコードに続く圧縮された音声メッセージを表わすデジタルデータをデジタルメモリに記録するステップとを含むことを特徴とする、方法。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由において引用した特表昭60-500037号公報(以下「引用例」という。)には、デジタル音声記憶システムに関連する発明が記載されており、具体的内容として以下の事項が記載されている。
「少なくとも1個の親局と複数の遠隔局とを有し、全局はコマンド・データ・パケットを送信するのに適合し、各遠隔局は、局アドレス・レジスタに蓄積された所定の局アドレスを有し、通信媒体によって音声及びデータ通信に適合した通信システムにおいて、各親局は、レコード・コードと局アドレスを含むコマンド・データ・パケットを送信する手段、音声メッセージを2次局に送信し、メッセージの終了に続いて終了コードを送信する手段、を具え、各2次局は、レコード・コードと、親局からの所定の局アドレスの局に対応する局アドレスとを有するコマンド・データ・パケットの受信に応答し、レコード起動信号を発生する手段、親局により送信され、2次局により受信された音声メッセージをアナログ-ディジタル変換し、レコード起動信号に応答して変換されたメッセージをディジタル・メモリに記憶する手段、終了コードに応答してアナログ-ディジタル変換を終了させる手段、を具えることを特徴とするディジタル音声記憶システム。」(請求の範囲の第1項)
「コマンド・データ・パケットは、ステイタス情報,コマンド及び、特定の移動局装置に対応するアドレス情報を含んでいる。」(第4頁左上欄第15行〜第17行)
「基地局は、自由に記憶のためにとゞまる時間及び、適切なコマンド・パケットを送信することにより全記億時間を決定できる。メッセージをレコーダに蓄積するため、扱者は、移動局装置がその送信を記録することを指示するコマンド/データ・パケットを発信し、それから普通に通話を進める。記録命令を受信すれば移動局装置は、アナログ・デジタル変換を開始し、変換データをRAMに蓄積する。」(第5頁左下欄第4行〜第11行)
「さて第3図を参照するに、本発明を実行する第2図のマイクロ計算機60用の移動局装置計算機プログラムの開始(BEGIN)ルーチンの流れ図が図示されている。・・・・若しPSKデコード・ルーチンにおいて、データ・パケットのデコードがおこれば、プログラム・フローはブロック112に進み、適切なIDマッチ(突合せ:match)をテストする。若しIDマッチが起れば、プログラム・フローは114で示される解析(PARSE)ルーチンに進み、マッチがおこらない場合には、プログラム・フローは104のPSK初期設定にもどる。・・・・解析(PARSE)ルーチンの流れ図は、第7図に図示され、プログラム・フローとともにブロック210に入れられたルーチンは、直ちにブロック212と進むことを示している。ブロック212において、有効データ・コマンド・パケットが受けられたか決定するテストが行われ、・・・・若しパケットが有効パケットの場合には、プログラム・フローはブロック216に進み、・・・・そこでデータ・コマンド・パケットは、基地局レコード・コマンドが呈示されたか否か決定するようテストされ、結果が肯定ならば、プログラム制御は、226で示すベースRCDルーチンに移される。・・・・第9図には、ベースRCD/STOREルーチンの流れ図が図示され、・・・・また、298より、プログラム制御は、299で示すサンプルIルーチンに移される。・・・・第10図はサンプルIルーチンを図示し、・・・・ブロック302よりプログラム・フローは、ブロック304に進み、こゝでサンプルが取出され、CVSDがエンコードされた後、引続いて306に示す如く、RAMに蓄積される。」(第6頁右上欄第2行〜第8頁左下欄第15行)
3.対比
そこで、本願の請求項22に係る発明と引用例に記載された発明とを以下に比較する。
まず、引用例における「コマンド・データ・パケット」が通信パケットの一種であることは明らかである。
また、引用例における「アドレス情報」と請求項22に係る発明における「アドレスコード」とは同義であるから、引用例の「コマンド・データ・パケットは、ステイタス情報,コマンド及び、特定の移動局装置に対応するアドレス情報を含んでいる。」(第4頁左上欄第15行〜第17行)という記載より、引用例におけるコマンド・データ・パケットはアドレスコードを含むものであるということができる。
さらに、引用例における「レコード起動信号」と請求項22における「記録能動信号」とは同義である。
以上の点を考慮して、請求項22に係る発明と引用例に記載された発明とを比較すると、両者は、
アドレスコードを含む通信パケットを受信するための方法であって、前記通信パケットの前記アドレスコードをストアされたアドレスと比較し、比較結果に関連して記録能動信号を発生するステップと、前記記録能動信号に応答して、前記アドレスコードに続く音声メッセージを表わすデジタルデータをデジタルメモリに記録するステップとを含む方法。
である点で一致し、以下の3点で相違する。
相違点1:引用例に記載された発明では、通信パケットのアドレスコードをストアされたアドレスと比較し、両者が一致した場合には、更にレコード・コマンドが存在するかどうかをチェックし、当該レコード・コマンドが存在するときにレコード起動信号(すなわち記録能動信号)を発生させているのに対して、請求項22に記載された発明では、当該レコード・コマンドに相当するようなものはなく、アドレスコードをストアされたアドレスと比較して直ちに記録能動信号を発生させている(すなわち、両アドレスが一致したときに記録能動信号を発生させている)点。
相違点2:引用例に記載された発明では、音声メッセージを表わすデジタルデータをデジタルメモリに記録するステップが、レコード起動信号(記録能動信号)のみに応答するという限定がないのに対して、請求項22に係る発明では、当該記録するステップが、記録能動信号のみに応答するという限定が付されている点。
相違点3:引用例に記載された発明おいては、音声メッセージが圧縮されたものであるという限定がないのに対して、請求項22に係る発明では、音声メッセージが圧縮されたものである点。
4.判断
まず、相違点1についてみると、引用例に記載された発明では、親局(送信側)から移動局(受信側)に対して、メッセージを記録するためのレコードコマンドの他に、例えば図7の216、234、238等で表わされるような複数のコマンドが送信され、受信側がこれら複数のコマンドに対応するという多機能の構成になっているものであるため、受信側ではアドレスの比較に加えてコマンドの種類をチェックし、その結果に基づいてレコード起動信号(記録能動信号)を発生するようになっている。
しかしながら、一般に、送信側から送られる音声メッセージを記録する方法において、別途コマンドの受信をチェックすることなく、アドレスコードの比較によって記録を行うようにすることは例えば、実願昭60-3799号(実開昭61-121059号公報)のマイクロフィルム(当該マイクロフィルムには、外部からの電話を受信すると(電話の受信の際には、当然基地局から送信される電話番号(アドレスコード)と自局のそれとを比較することが行われている。)メッセージの記録を行うようにした留守番電話付き自動車電話が記載されている。)に記載されているように周知技術であるから、引用例に記載された発明において、コマンドの比較を行うことなく、アドレス情報すなわちアドレスコードの比較によりレコード起動信号すわなち記録能動信号を発生するようにする(その場合には、当然、複数のコマンドに対応することはできなくなるが)ことは、当業者であれば容易に想到しうるものである。
次に相違点2についてみると、「音声メッセージを表わすデジタルデータをデジタルメモリに記録するステップ」が記録能動信号のみに応答するようにするか、その他の信号(例えば、デジタルメモリのテストのために用いる信号等が想定できよう)にも応答するようにするかという程度のことは、当業者が適宜選択できる設計事項の範囲に含まれるものというべきであり、「のみ」と限定することが当業者にとって着想困難であるとも、格別の効果を奏するものであるとも考えられない。
最後に相違点3についてみると、圧縮された音声メッセージを受信して記録することは、例えば特開昭52-21710号公報及び特開昭60-174557号公報にも記載されているように当業者における周知技術であるから、引用例において音声メッセージを圧縮されたものとすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
以上、相違点1〜3は、いずれも当業者が容易になし得る範囲に含まれる程度のものにすぎない。
5.むすび
以上述べたとおり、本願の請求項22に係る発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-08-27 
結審通知日 1999-09-10 
審決日 1999-09-28 
出願番号 特願昭63-506454
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 清司  
特許庁審判長 内藤 照雄
特許庁審判官 吉見 信明
北島 健次
発明の名称 アナログ‐デジタルデータ記憶システム  
代理人 深見 久郎  
代理人 森田 俊雄  
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