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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F23C
管理番号 1013776
審判番号 審判1997-693  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1990-06-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-01-16 
確定日 2000-03-01 
事件の表示 昭和63年特許願第300926号「パルスバーナ」拒絶査定に対する審判事件(平成2年6月8日出願公開、特開平2-150605)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本願発明
本願は、昭和63年11月30日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、本願発明1」という。)は、平成8年9月27日付の手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりものと認める。
「パルスバーナ本体と、このパルスバーナ本体の燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、上記燃焼室へ向かう方向の流量係数が逆方向の流量係数より大きいノズル状に形成された流量制御弁を介して上記燃焼室へ燃焼用空気を供給する給気手段と、上記燃焼室内で反応したガスを排気する尾管とを備えたパルスバーナにおいて、
上記燃焼室に供給される燃料の量を可変する手段と、
上記燃焼室に供給される燃料の量に応じて上記燃焼室内の圧力と上記パルスバーナ本体の空気取入れ口の圧力との差を可変する差圧制御手段とを具備してなることを特徴とするパルスバーナ。」
2.引用例に記載の事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に国内において頒布された特開昭62-46112号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、「本発明は、燃料ガス量および空気量の流入量を制御して能力を変化させるようにした能力可変形パルス燃焼装置に関する。」(第1頁左下欄第12〜14行)、「本発明は、混合室に連結される燃料供給系路に比例制御弁を設けるとともに、混合室に連結される空気供給系路に正逆回転可能の起動用ファンを設け、広い燃焼量範囲で良好な燃焼を行い得るようにした能力可変形パルス燃焼装置である。」(第2頁左上欄第8〜12行)、「以下本発明の一実施例を図面につき説明する。なお、第1図において第4図と同一部材については同一符号を付す。第1図において符号20は正逆回転可能の起動用ファンであって、この起動用ファン20は、空気供給経路6に設けた空気室7内に配設され、起動用ファン20の回転状態に応じて、空気流量を可変し得るようにしている。また上記空気室7に設けた空気バルブ室8には、空気バルブ押え21および空気フラッパバルブ22が設けられている。一方燃料供給系路3のガスクッションタンク4より上流側の位置には比例制御弁23が設けられていて、比例制御弁23の開度に応じて燃料流量を可変するようにしている。またガスバルブ室5にはガスバルブ押え24およびガスフラッパバルブ25が設けられている。」(第2頁左上欄第17行〜右上欄第9行)、「通常運転時においては、燃料供給系路3を通り混合室2へ導かれた定量の燃料ガスと、空気供給系路6を通り混合室2へ導かれた定量の空気とは、ここで混合され、混合気が混合室2に連なる燃焼室に送られ、ここで点火プラグのような点火装置により、爆発燃焼される。燃焼室で燃焼されたガスは、図示しない熱交換器へ送り込まれ、熱交換されるが、ガスの送り出しにより燃焼室内は負圧状態となる。そのため空気フラッパバルブ22およびガスフラッパバルブ25を作動し、燃料ガスおよび空気が混合室2で混合された混合気が燃焼室内に送り込まれ、ここで爆発燃焼されることになる。」(第2頁右上欄第11行〜第2頁左下欄第4行)、「次に起動用ファン20を正転方向に回転させると、空気室7内に空気が吸引され、空気室7内の圧力は、第2図に示すように、起動用ファン20のフリー状態(大気圧)より高くなり、フリー状態より多くの空気が混合室2へ流入されることになる。また起動用ファン20を逆転方向に回転させると、空気室7内の空気が外部へ放出されるので、空気室7内の圧力は大気圧より低くなる。すなわち混合室2への流入空気量は少なくなる。しかして上記形式の能力可変パルス燃焼装置では、第3図に示すように、従来のもの(実線)に比較して広い燃焼範囲(点線)で良好な燃焼を行うことができる。」(第2頁左下欄第6〜20行)、「以上述べたように本発明によれば、空気供給系路に設けた起動用ファンを正逆回転可能にしたので、空気の混合室への流入量に応じて燃料供給系路に設けた比例制御弁の開度を合わせることで燃焼量調節範囲が、従来のものに比べて広くなるという効果を奏する。」(第2頁右下欄第2〜7行)と記載されている。また、引用例の第4図には、混合室2の反対側で燃焼室1に連なる部材が示されている。
3.対比
上記引用例には、上記2において指摘した事項からみて、「燃焼室1と、燃焼室1に連なり混合した混合気を燃焼室1へ送り込む混合室2と、点火装置と、定量の燃料ガスを混合室2へ導く燃料供給系路3と、空気フラッパバルブ22を介して定量の空気を混合室2へ導く空気供給経路6と、混合室2の反対側で燃焼室1に連なる部材とを備えた能力可変型パルスバーナ装置において、空気の混合室への流入量に応じて、燃料供給系路3を流れる燃料流量を開度に応じて可変する比例制御弁23と、正転方向に回転されることにより空気室7内の圧力をフリー状態(大気圧)より高くして混合室2内への流入空気量を多くし、逆転方向に回転されることにより空気室7内の圧力を大気圧より低くして混合室2内への空気流量を少なくするよう正逆回転可能の起動用ファン20とを具備してなるパルス燃焼装置」に係る発明が記載されている。
そこで、本願発明1と引用例に記載された発明を対比すると、引用例に記載された「燃焼室1と、燃焼室1に連なり混合した混合気を燃焼室1へ送り込む混合室2と、点火装置」、「燃料供給系路3」、「空気フラツパバルブ22」、「混合室2の反対側で燃焼室1に連なる部材」、「比例制御弁23」、「パルス燃焼装置」は、それぞれ、本願発明1の「パルスバーナ本体」、「燃料供給手段」、「流量制御弁」、「給気手段」、「尾管」、「燃焼室に供給される燃料の量を可変する手段」、「パルスバーナ」に相当し、また、「正逆回転可能の起動用ファン20」は、燃焼量に応じて混合室内の圧力すなわち燃焼室の圧力とパルスバーナ本体の空気取り入口の圧力を可変となるように回転されるものであり、引用例1に記載された発明は、「差圧制御手段」を具備しているといえるから、両者は、
「パルスバーナ本体と、このパルスバーナ本体の燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、流量制御弁を介して燃料室へ燃料用空気を供給する給気手段と、燃焼室内で反応したガスを排気する尾管とを備えたパルスバーナにおいて、燃焼室に供給される燃料の量を可変する手段と、燃焼室内の圧力とパルスバーナ本体の空気取入れ口の圧力との差を可変する差圧制御手段とを具備してなるパルスバーナ。」の点で一致し、次の点で相違する。
イ.本願発明1の流量制御弁は、燃焼室へ向かう方向の流量係数が逆方向の流量係数より大きいノズル状に形成されているのに対し、引用例に記載された発明のものは、フラップバルブである点。
ロ.本願発明1の差圧制御手段は、燃焼室に供給される燃料の量に応じて燃焼室内の圧力とパルスバーナ本体の空気取入れ口の圧力との差を可変するものであるのに対し、引用例に記載された発明の差圧制御手段は、燃焼室内の圧力とパルスバーナ本体の空気取入れ口の圧力との差を可変とし、その差圧に応じて燃焼室に供給される燃料の量を可変するようにしている点。
4.判断
(1)相違点イについて
パルスバーナの分野において、給気手段と燃焼室との間に、燃料室へ向かう方向の流量係数が逆方向の流量係数より大きいノズル状に形成された流量制御弁を介在させることは、本願明細書にも従来技術として記載され、又、査定時に周知技術として例示した特開昭63-116007号号公報、特開昭63-34409号公報、実願昭59-131140号(実開昭61-48213号)のマイクロフィルムにも記載されているように、従来周知の技術であり、引用例に記載された発明の流量制御弁として、上記周知の流量制御弁を採用して上記相違点イであげた本願発明1の構成のようにすることは、当業者であれば容易になし得ることである。
(2)相違点ロについて
引用例に記載された発明の差圧制御手段は、本願発明1の差圧手段同様、パルスバーナの燃焼量に応じて、燃焼室に供給される燃料の量と燃焼空気の量を制御するものであり、しかも、パルスバーナの分野において、燃焼室に供給される燃料の量に応じて燃焼用空気の量を制御して燃焼力を可変とすることは、従来周知の技術(例えば、実願昭57-1498号(実開昭58-107412号)のマイクロフィルム、実願昭56-187445号(実開昭58-93613号)のマイクロフィルム等参照。)であるから、引用例に記載された発明の差圧制御手段に上記周知の技術を適用して、本願発明1のように燃焼室に供給される燃料の量に応じて燃焼室内の圧力とパルスバーナ本体の空気取入れ口の圧力との差を可変とするようにすることは、当業者であれば容易になし得ることである。
(3)なお、本願発明1の効果は、引用例に記載された事項及び上記周知技術から予測できる程度のものであって、格別のものではない。
5.まとめ
以上のとおりであるから、本願発明1は、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることがでない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-12-07 
結審通知日 1999-12-24 
審決日 1999-12-24 
出願番号 特願昭63-300926
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F23C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神山 茂樹和泉 等  
特許庁審判長 大槻 清寿
特許庁審判官 船越 巧子
小林 武
発明の名称 パルスバーナ  
代理人 外川 英明  

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