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審決分類 |
審判 一部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない E21D |
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管理番号 | 1013854 |
審判番号 | 審判1999-35046 |
総通号数 | 11 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-12-10 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1999-01-26 |
確定日 | 2000-03-17 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2712010号発明「管埋設機械」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
〔I〕手続きの経緯 本件特許第2712010号発明は、昭和62年6月30日に出願した特願昭62-161141号の一部を平成7年6月23日に新たな特許出願として出願されたものであって、平成9年10月31日に特許権の設定の登録がなされ、平成11年1月26日に本件特許無効審判が請求され、答弁書の提出期間内に平成11年5月18日付けで訂正請求がされたものである。 〔II〕当事者の主張 1.請求人の主張 請求人は、甲第1〜第3号証を提出して、 本件特許第2712010号の明細書の特許請求の範囲の第1項に記載された発明(以下、「本件第1発明」という。)は、甲第1及び第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、同第4項に記載された発明(以下、「本件第4発明」という。)は甲第1及び第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件第1発明及び本件第4発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、それらの特許は、特許法123条1項2号の規定に該当し無効とすべきである旨主張している。 甲第1号証:実願昭60-148059号(実開昭62-60690号)のマイクロフィルム 甲第2号証:特開昭61-60996号公報 甲第3号証:実願昭59-91067号(実開昭61-6598号)のマイクロフィルム 2.被請求人の主張 被請求人は、本件第1発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載の発明とは、構成、作用・効果において明らかに相違するものであり、甲第1及び第2号証に記載の発明を組み合わせても得られるものではなく、甲第1及び第2号証から容易に想到し得たものではない旨、また、本件第4発明は、甲第1〜第3号証に記載のものから容易に想到し得たものではない旨主張している。 〔III〕訂正請求について 1.訂正請求の趣旨及び訂正の内容 訂正請求の趣旨は、特許第2712010号の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。 そして、その訂正の内容は、以下(a)〜(g)のとおりである。 (a)特許請求の範囲の第4項の「カッタヘッドの面板の」(本件特許公報2欄13行)を、「カッタヘッドの面板に設けた」と訂正する。 (b)特許請求の範囲の第4項の「カッタヘッドの面板に土砂取込口のカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けた」(本件特許公報2欄15行〜3欄2行)を、「前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとした」と訂正する。 (c)段落【0011】の「カッタヘッドの回転により面板の開口に」(本件特許公報5欄12〜13行)を、「カッタヘッドの面板に設けた開口に」と訂正する。 (d)段落【0011】の「カッタヘツドの面板に土砂取込口のカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けた」(本件特許公報5欄14〜16行)を、「前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとした」と訂正する。 (e)段落【0012】の「このような管埋設機械においては土砂取込口の」(本件特許公報5欄17〜18行)を、「このような管埋設機械においては、ロータリディスクカッタを取付けた土砂取込用の開口における」と訂正する。 (f)段落【0012】の「また面板の開口に……取込口に」(本件特許公報5欄20〜23行)を、「また土砂取込口に」と訂正する。 (g)段落【0012】の「カッタヘッド内に取り込める。」(本件特許公報5欄24〜25行)を、「カッタヘッド内に容易に取り込める」と訂正する。 2.訂正の適否について (1)訂正の目的等について (1-1)訂正(a)について この訂正は、特許請求の範囲の第4項において、「開口」がカッタヘッドの面板に設けられたものであることを明瞭にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (1-2)訂正(b)について この訂正は、特許請求の範囲の第4項において、切削カッタビットを設ける土砂取込口を、ロータリディスクカッタを設けた開口に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、この訂正は明細書の段落【0012】、【0019】の記載、及び図2の記載に基づくものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (1-4)訂正(c)〜(g)について 訂正(c)〜(f)は、特許請求の範囲の第4項の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために行う訂正であって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正(g)も明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そして、これらの訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、しかも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)独立特許要件について ▲1▼訂正後の本件第4発明の要旨 訂正後の本件第4発明の要旨は、訂正明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の第4項に記載された次のとおりのものと認める。 「後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板に設けた開口に少なくとも1基のロータリディスクカッタを設け、かつ前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとしたことを特徴とする管埋設機械。」 なお、「ディスタカッタ」は、「ディスクカッタ」の明らかな誤記と認められるので、上記のように認定した。 ▲2▼甲第1〜第3号証に記載された事項 請求人が提出した、本件特許発明の特許出願前に国内において頒布された刊行物である甲第1〜第3号証に記載された事項は、以下のとおりである。 《甲第1号証》 甲第1号証には、 「産業上の利用分野 この考案は岩盤掘削が可能なセミシールド型のシールド掘進装置に関する。」(明細書1頁15〜16行)、 「図において1はセミシールド型シールド掘進機のシールド本体で、前部に気密構造のカツタヘツド2が回転自在に設けられている。上記カツタヘツド2は、シールド本体1内の上部に取付けられた回転駆動源3により歯車4を介して回転されるようになつていると共に、カツタヘツド2の前面板2aは球面状をなしていて、前面に、複数組、例えば7組のデイスクカツタ5が取付けられている。」(同3頁11〜19行)、 「これらデイスクカツタ5により掘削された岩盤ズリは、前面板2aに開口された土砂取入れ口2bよりカツタヘツド2内に取込まれるようになつている。」(同4頁2〜6行)の記載がある。 そして、第1図には、球面状の前面板2aに設けた開口にディスクカッタを設けたカッタヘッドを有するセミシールド型シールド掘進機、が記載され、第2図には、ディスクカッタを設けたカッタヘッドが記載されている。 以上の記載からみて、甲第1号証には、 「カツタヘツドの回転により球面状の前面板2aに設けたデイスクカツタ5によって掘削するセミシールド型シールド掘進機において、カツタヘツドの前面板2aに設けた開口に複数のデイスクカツタを設けたセミシールド型シールド掘進機」 が記載されているものと認める。 《甲第2号証》 甲第2号証には、 「塊破砕用のローラビットが複数個設けられたカッタヘッドの面板形状を平板状にすると共に、面板に形成される土砂取込用のスリットを、短辺が略350mm以上の塊を取込める大きさにしたことを特徴とするシールド掘進機」(実用新案登録請求の範囲)、 「1は泥漿式シールド掘進機で、そのシールド本体2内部には、内部に土砂取込用の圧力室3を存するカッタヘッド4が旋回軸受5を介して回転自在に支持され、またこのカッタヘッド4は・・・油圧モータ7により回転駆動される。そして、上記カッタヘッド4の面板4b形状は平板状(フラット状)にされると共に、120°置きに放射状に複数個のローラビット8が設けられ、またこれらローラビット8間には、短辺が略350mm以上の大きさの巨塊を取込可能な大きさの土砂取込用スリット9が形成されている。・・・また、面板4bの外周近傍複数適所には、ゲージカッタ10が、各スリット9の側縁にはカッタビット11がそれぞれ複数個設けられている。」(1頁右下欄19行〜2頁左上欄16行)、 「一般に、カッタヘッドの形状として、第10図に示すようなドーム型と、第11図に示すようなフラット型とがある。ところで、ドーム型カッタヘッドは、特に、地山が流動化しやすい崩壊性地盤である場合に、ゆるみ領域の上部周辺土砂の崩落流入(第10図矢印Aで示す)が問題となる。即ち、崩壊性地山にドーム型カッタヘッドを採用した場合、下記のような問題がある。 (I)地盤との接触面積が大きいため、周辺地山の乱し作用が大きく、地山が崩壊しやすい。 (II)カッタトルクが大きくなる。 (III)カッタヘッドの開口が前面のほかに周辺部にもあり、周辺部からゆるみ土砂が崩落流入しやすい。 (IV)カッタヘッド外周部が丸くなっているため、地山に乗り上げて方向性が悪くなる。 これに対して、フラット型カッタヘッドには、下記の利点がある。 (I)上部ゆるみ領域の土砂の崩落流入が少ない。 (II)地盤との接触面積が小さいため、損失トルクが少ない。 (III)方向修正がしやすい。 (IV)粘性土の場合でも、従来の泥漿式シールド掘進機と同様に、土砂の取込みがよい。」(3頁右上欄3行〜左下欄7行)の記載があり、第1図には、カッタヘッドの面板に設けた開口にローラビットが設けられた構造が記載され、第2図及び第11図には、フラット型カッタヘッドが図示されている。 《甲第3号証》 甲第3号証には、 「本考案はシールド掘進機のオーバーカッタ装置に関する。」(明細書1頁15〜16行)、 「(1)は泥漿式シールド掘進機で、そのシールド本体(2)前部には、内部に土砂取込用の圧力室(3)を有するカツタヘツド(4)が旋回軸受(5)を介して回転自在に支持され、またこのカッタヘツド(4)はその後部筒状部(4a)後端に取付けられたリングギア(6)を介して油圧モータ(7)により回転駆動される。そして、上記カツタヘツド(4)の面板(4b)には120°置きに3本の放射状の溝部(8)と、これら溝部(8)間に位置する複数個の土砂取込用のスリット(9)とが形成されており、このうち所定の溝部(8)の外周縁には本考案に係るオーバーカッタ装置(10)が設けられている。」(同3頁8〜19行)、 「カツタヘツド(4)の溝部(8)には、上記の傾斜ローラビツト(12)の他に、通常の掘削に使用されるローラビツト(18)が複数個設けられ、また面板(4b)のスリツト(9)周縁部にも、カツタビツト(19)、ローラビツト(20)が複数個設けられ」(同4頁14〜19行)の記載があり、第1図及び第2図にカツタヘツドが図示されている。 ▲3▼対比・判断 訂正後の本件第4発明と甲第1号証に記載された発明とを対比する。まず、訂正後の本件第4発明の管埋設機械は、訂正明細書の「17は内管で図示しない後方側に設けた推力装置によって前方側へ押し動かされる。」(段落【0015】)との記載を参酌すると、立抗に配置した推進ジャッキにより推進するセミシールド型シールド掘進機を意味すると解され、甲第1号証に記載された発明の「セミシールド型シールド掘進機」は、訂正後の本件第4発明の「管埋設機械」に相当する。また、甲第1号証に記載された発明の「前面板」は、訂正後の本件第4発明の「面板」に相当するから、両者は、 「後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘツドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板に設けた開口に少なくとも1基のディスクカッタを設けた、管埋設機械」 である点で一致し、以下の点で相違する。 訂正後の本件第4発明では、「カッタヘッドの面板に設けた開口にディスクカッタを設け、かつ前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとした」のに対し、甲第1号証に記載された発明は、そのような構成を備えていない点。 上記相違点について検討する。 甲第2号証には、カッタヘッド4の面板4bに設けた開口にローラビット8(訂正後の本件第4発明の「ディスクカッタ」に対応する。)を設け、土砂取込用のスリット9(訂正後の本件第4発明の「土砂取込口」に対応する。)の側縁にカッタビット11を設け、カッタヘッド4の回転により面板4bに設けたローラビット8によって掘削するシールド掘進機、が記載されているが、土砂取込用のスリット9(訂正後の本件第4発明の「土砂取込口」に対応する。)は、ローラビット8を設けた開口とは別に設けられており、訂正後の本件第4発明のように、ローラビット8を設けた開口の縁に沿ってカッタビットを設け、該開口を土砂取込口の1つとしたものではない。 また、甲第3号証にも、カッタヘッド4の面板4bに形成した溝部8にローラビット18(訂正後の本件第4発明の「ディスクカッタ」に対応する。)を設け、土砂取込用のスリット9(訂正後の本件第4発明の「土砂取込口」に対応する。)の側縁にカッタビット19を設け、カッタヘッド4の回転により面板4bに設けたローラビット8によって掘削するシールド掘進機、が記載されているが、訂正後の本件第4発明のように、溝部8を土砂取込口とすることの記載はなく、土砂取込用のスリット9が溝部8とは別に設けられており、溝部8の縁に沿ってカッタビットも設けられていない。 以上のように、甲第2及び第3号証には、相違点で挙げた訂正後の本件第4発明の構成が記載されていないし、示唆もされていない。 そして、訂正後の本件第4発明は、この構成を備えることにより、「土砂の取込みが容易となり、掘削効率も向上する。また土砂取込口に礫が噛み込んでもロータリディスクカッタの自転により、礫を破砕してカッタヘッド内に容易に取り込める。」(訂正明細書の段落【0012】)という格別の効果を奏するものと認められる。 したがって、訂正後の本件第4発明は、甲第1〜第3号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 また、他に訂正後の本件第4発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 よって、訂正後の本件第4発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、訂正(a)〜(g)は、特許法134条2項ただし書きの規定、並びに同条5項で準用する同法126条2項及び3項の規定に適合するので、本件訂正請求を認める。 〔IV〕請求人が主張する無効理由の検討 1.本件第1発明について (1)本件第1発明の要旨 本件第1発明の要旨は、訂正明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の第1項に記載された次のとおりのものと認める。 「後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスクカッタを設け、かつコーン形ロータリディスクカッタの刃先のうち、切羽側の最先端は推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置し、さらにカッタヘッドの面板は全体的にほぼ平板状に設けたことを特徴とする管埋設機械。」 なお、「ロータリディスタカッタ」は、「ロータリディスクカッタ」の明らかな誤記と認められるので、上記のように認定した。 (2)甲第1及び第2号証の記載事項 甲第1及び第2号証に記載された事項は、上記〔III〕(2)▲2▼に記載したとおりである。 (3)対比・判断 本件第1発明と甲第1号証に記載された発明とを対比する。まず、本件第1発明の管埋設機械は、訂正明細書の「17は内管で図示しない後方側に設けた推力装置によって前方側へ押し動かされる。」(段落【0015】)との記載を参酌すると、立抗に配置した推進ジャッキにより推進するセミシールド型シールド掘進機を意味すると解され、甲第1号証に記載された発明の「セミシールド型シールド掘進機」は、本件第1発明の「管埋設機械」に相当する。また、甲第1号証に記載された発明の「前面板」は、本件第1発明の「面板」に相当するから、両者は、 「後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のロータリディスクカッタを設けた管埋設機械」 である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点 本件第1発明では、ロータリディスクカッタが「コーン型ロータリディスクカッタ」であり、「かつコーン形ロータリディスクカッタの刃先のうち、切羽側の最先端は推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置し、さらにカッタヘッドの面板は全体的にほぼ平板状に設けた」のに対し、甲第1号証に記載された発明では、ロータリディスクカッタはコーン型ではなく、カッタヘッドの面板は球面状である点。 そこで上記相違点について検討する。 甲第2号証には、本件第1発明のような、上・下水道、ガス管等の小口径管類を地下中に埋設するための小口径管埋設機械とは異なるシールド掘進機において、カッタヘッドの面板形状を平板状にすることが記載され、フラット型カッタヘッド、即ち、面板が平板状のカッタヘッドを採用すると、「(I)上部ゆるみ領域の土砂の崩落流入が少ない。(II)地盤との、接触面積が小さいため、損失トルクが少ない。(III)方向修正がしやすい。(IV)粘性土の場合でも、従来の泥漿式シールド掘進機と同様に、土砂の取込みがよい。」という利点があることが記載されている。しかしながら、上記相違点における本件第1発明の構成のうち、ロータリディスクカッタが「コーン型ロータリディスクカッタ」であり、「かつコーン形ロータリディスクカッタの刃先のうち、切羽側の最先端は推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置し」た構成については、記載されていないし、示唆もされていない。 そして、本件第1発明は、この構成を備えることにより、「先導管の自重が軽い場合でも礫によってカッタが蹴られたり、乗ったり、礫を敷き詰めたり、カッタが、礫に深く喰い込んだりしなく、また掘削口径内周を含む掘削域内の壁に全刃が同時に喰いついて自転、公転のうえ垂直壁を圧砕掘進形成するようにコーン形ロータリディスクカッタの刃が運動するので礫に対し掘進方向の圧砕作用を加えることができ、精度良く、効率的に推進できる。かつ直進性は良く、カッタヘッドの半径方向の分力も小さくなる。」(訂正明細書の段落【0006】)という格別の効果を奏するものと認められる。 したがって、本件第1発明は、甲第1及び第2号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 2.本件第4発明について (1)本件第4発明の要旨 本件第4発明の要旨は、訂正明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の第4項に記載されたとおりのものと認める。(上記〔III〕2.(2)▲1▼参照。) (2)甲第1〜第3号証の記載事項 甲第1〜第3号証に記載された事項は、上記〔III〕2.(2)▲2▼に記載したとおりである。 (3)対比・判断 上記〔III〕2.(2)▲3▼で述べたのと同様の理由により、本件第4発明は、甲第1〜第3号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 〔V〕請求人の主張に対して 請求人は、審判請求書及び弁駁書において、甲第2号証の第11図には、カッタヘッドの外周部に本件第1発明における「コーン状のディスクカッタ」と同様な「コーン状のゲージカッタ」が設けられ、その刃先の切羽側の最先端を推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置した状態が図示されている旨主張している。 しかしながら、「フラット型カッタヘッドの概略図」である、甲第2号証の第11図をみても、カッタヘッドの外周に設けられているカッタがコーン状であるのか明瞭ではないし、その刃先の切羽側の最先端を推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置しているのかも明らかではない。なお、第1図に、ゲージカッタがカッタヘッドの下部外周に設けられている状態が記載されているが、ゲージカッタがコーン状をなしている点は窺えるものの、刃先の切羽側の最先端を推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置しているのかは、明らかではない。 したがって、請求人の主張は採用できない。 〔VI〕むすび 以上のとおりであるから、請求人が主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件第1発明及び第4発明の特許を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 管埋設機械 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスタカッタを設け、かつコーン形ロータリディスタカッタの刃先のうち、切羽側の最先端は推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置し、さらにカッタヘッドの面板は全体的にほぼ平板状に設けたことを特徴とする管埋設機械。 【請求項2】 後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスクカッタを設け、かつコーン形ロータリディスクカッタの最外周カッタの刃先より半径方向で外側にカッタビットの刃先が位置するようにカッタヘッドの面板外周側に円周カッタビットを配置したことを特徴とする管埋設機械。 【請求項3】 後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスクカッタを設け、かつコーン形ロータリディスクカッタの刃先を外周側にあるカッタビットより推進方向で前方に突出させたことを特徴とする管埋設機械。 【請求項4】 後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスタカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板に設けた開口に少なくとも1基のロータリディスクカッタを設け、かつ前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとしたことを特徴とする管埋設機械。 【請求項5】 後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、ロータリディスクカッタは反スラスト軸受を介して回転自在に内管に支持されていることを特徴とする管埋設機械。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この発明は、上・下水道管、ガス管等の小口径管類を地下中に埋設するための小口径管埋設機械に係るもので、特に掘削範囲内に比較的径の大きな礫があっても、掘進を容易にできるようにしたロータリディスクカッタ、及びロータリディスクカッタとカッタビットを備えた管埋設機械に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来非開削工法による地中掘進の管埋設装置におけるカッタとしては、図4に示すようなオーガタイプのものと、図5、図6に示すような円筒カッタタイプのものがあり、このようなカッタを装備したカッタヘッドに回転運動と押進運動を加えて、管埋設口径穴の切削掘進をして、管埋設機械に後続する管の埋設作業を行なっている。 【0003】 【発明が解決しようとする問題点】 上記従来技術のカッタの場合図4に示したオーガタイプのものは礫の切削破砕作用に適しておらず、大径の礫に接すると掘進が止まるか、あるいは掘進方向が曲がってしまう不具合を生じている。また図5に示したコーンタイプカッタは礫を切断する能力を有するが、礫の破砕能力が弱く、カッタが切り込んでいってカッタの切込量bや喰込量aが大きくなり切削抵抗を増し、掘削トルク変動が発生して、その結果カッタヘッドが振られて掘削精度を維持できない不具合を生じている。さらに図6に示したトリコーンカッタタイプのものは、礫を圧砕する能力を有しているが、礫に対してカッタが斜め方向から一点集中するのみであるために礫から反力が図に示すように働き、この反力が大きいためにカッタヘッドが持ち上げられ礫に乗り上がって掘進できなくなる不具合を生じている。以上のように従来の管埋設装置におけるカッタでは、掘進口径の1/3〜1/4以上の礫に当たると掘進作業が困難になっていた。 【0004】 この発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、第1に掘進時に直進性がよく、しかも半径方向の分力の発生が小さいことを目的とするものである。また第2に外周カッタビットとコーン形ロータリディスクの適正配置により推進口径内周壁を精度よく掘削することを目的としている。また第3に掘削した土砂を土砂取込口に取込み易くすることを目的としている。また第4にロータリディスクカッタは反スラスト軸受を介して回転自在に支持し、ガタつき防止を目的としている。 【0005】 【問題を解決するための手段及び作用】 前記目的を達成するために、この発明による管埋設機械は後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスクカッタを設け、かつコーン形ロータリディスクカッタの刃先のうち,切羽側の最先端は推進方向に対してほぼ同一垂直面となるように配置し、さらにカッタヘッドの面板は全体的にほぼ平板状に設けたことを特徴とするものである。 【0006】 このような管埋設機械においてはコーン形ロータリディスクカッタのうち切羽側の最先端及びカッタヘッドの面板は全体的にほぼ平板状に配置したので、先導管の自重が軽い場合でも礫によってカッタが蹴られたり、乗ったり、礫を敷き詰めたり、カッタが礫に深く喰い込んだりしなく、また掘削口径内周を含む掘削域内の壁に全刃が同時に喰いついて自転、公転のうえ垂直壁を圧砕掘進形成するようにコーン形ロータリディスクカッタの刃が運動するので礫に対し掘進方向の圧砕作用を加えることができ、精度良く、効率的に推進できる。かつ、直進性は良く、カッタヘッドの半径方向の分力も小さくなる。さらにカッタヘッドの面板に設けた開口部からの掘削土砂取込口が切羽に対して、ほぼ垂直なため、地山上部からの自然崩落も発生しにくい。 【0007】 またこの発明による管埋設機械は後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスクカッタを設け、かつコーン形ロータリディスクカッタの最外周カッタの刃先より半径方向で外側にカッタビットの刃先が位置するようにカッタヘッドの面板外周側に円周カッタビットを配設したことを特徴とするものである。 【0008】 このような管埋設機械においては面板外周側の円周カッタビットによりディスクカッタによる圧砕のみでは掘進口径内周壁が荒くなって、推進抵抗になるのを防ぎ、推進口径内周壁をきれいに掘進する。 【0009】 またこの発明による管埋設機械は、後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板の開口に少なくとも1基のコーン形ロータリディスクカッタを設け、かつコーン形ロータリディスクカッタの刃先を外周側にあるカッタビットより推進方向で前方に突出させたことを特徴とするものである。 【0010】 このような管埋設機械においては、前方にあるコーン形ロータリディスクカッタにより先行して切羽側の岩盤を大割りしながら掘削し、後行の外周側にあるカッタビットはコーン形ロータリディスタカッタの圧砕跡を担って周壁を綺麗に掘削するので、掘削抵抗が小さくなる。またカッタビットの摩耗も少なく、掘進口径内周壁の径の減少がほとんどないため、推進抵抗の増加がほとんどない。このようにロータリディスクカッタとカッタビットが相互に助け合って十分に機能を発揮して大径礫層を効率よく推進できる。 【0011】 またこの発明による管埋設機械は、後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスタカッタによって掘削する管埋設機械において、カッタヘッドの面板に設けた開口に少なくとも1基のロータリディスクカッタを設け、かつ前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとしたことを特徴とするものである。 【0012】 このような管埋設機械においては、ロータリディスクカッタを取付けた土砂取込用の開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けたので、土砂の取込みが容易となり、掘削効率も向上する。また土砂取込口に礫が噛み込んでもロータリディスクカッタの自転により、礫を破砕してカッタヘッド内に容易に取り込める。 【0013】 またこの発明による管埋設機械は、後方の推力手段により前方へ推進し、かつカッタヘッドの回転により面板に設けたディスクカッタによって掘削する管埋設機械において、ロータリディスクカッタは反スラスト軸受を介して回転自在に内管に支持されていることを特徴とするものである。 【0014】 このような管埋設機械においては、ロータリディスクカッタは軸受を介し回転しない内管に回転自在に支持しているので、従来のカッタヘッド回転軸に支持するものとは異なり、ガタつくことがなく掘削外径を十分に保持できると共に、カッタヘッド部に作用するスラスト荷重やラジアル荷重は軸受手段により十分に支持できるメリットを有する。また反スラスト軸受は内管に支持されているので取付部を含めてコンパクトにできる。従って従来この種の埋設機においては、不可能とされていた地層でも、小さな力で礫を切削、破砕しながら埋設管を精度良く推進してゆくことができる。 【0015】 【実施例】 つぎにこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1、図2を参照して1は円筒カッタケーシング、2は反スラスト軸受、3は駆動軸でスクリュウ翼4が設けられ、掘削した土砂等を矢印Xのように後方に運搬して排出する。5,6はコーンタイプのロータリディスクカッタ、7は面板、81,82,83,84,85,86は外周切削を目的とするカッタビット、91,92,101,102はそれぞれ前方の礫および中央部の礫を掘削破砕するカッタビットを示す。そしてディスクカッタ5,6やカッタビット(81,82,83,84,85,86)(91,92)(101,102)で破砕された土砂は土砂取込口11,12,13をとおって容易にスクレーパ部14まで移動し、このスクレーパ部14によってフレーム内に土砂が(粘土質のものであっても)閉塞することがなく、スクリュウ4により後方に運搬排出される。17は内管で図示しない後方側に設けた推力装置によって前方側へ押し動かされる。 【0016】 内管17の内部空間を掘削土砂の排出路とし、内管先端側外周には段差部18が形成されて、これを前記反スラスト軸受手段2の設置個所とする。この反スラスト軸受手段2は前記内管17の外周と円筒カッタケーシング1の内周側に介在し、前記内管17の先端面に図示しないボルトで固定した環状抑え板19で位置固持をされ、円筒カッタケーシング1が内管17とは別個に軸方向へ移動できないように支持すると共に、内管17に対して円筒カッタケーシング1はほぼ同一の直径の分離自在な円筒カッタフレーム20を有し、図示しないボルト手段を介し同心状に円筒回りを等分する位置C,C’を中心とした軸方向の開口を円筒側壁に対称に設けてあり、コーン形ロータリディスクカッタ5,6の大径側ディスクカッタ刃22の刃先23が円筒カッタケーシング1の外周に沿って公転するようにした刃先自転開口を有する。 【0017】 コーン形ロータリディスクカッタ5,6は図示していないが回転中心に自転軸を有し、該自転軸を前記円筒カッタケーシング1の円筒カッタフレーム20の先端内側へ、前記した刃先自転開口の中心位置線C,C’に沿って半径方向放射状に脱着自在に内挿設置してあり、自転軸の小径ディスクカッタ側を円筒の半径方向中心側に設けた軸受手段25並びに自転軸の大径ディスクカッタ側を円筒の半径方向外側に形成した刃先自転開口に設けた軸受手段26により支持した上で、各刃先を地山の掘進面に直交当接させてある。そしてコーン形ロータリディスクカッタ5,6の軸受手段25,26は、軸方向に位置を偏らせてあり、円筒カッタフレーム20の先端前面側から軸方向内側へ差し込んでボルト27で締着させた軸受手段25と、円筒カッタフレーム20側に位置させた軸受手段26から成り立っている。軸受手段26は円筒カッタフレーム20の側壁を切欠いて開口した刃先自転開口に設置してあり、円筒カッタフレーム20の外周と同じ大きさの外周を持つ側壁支柱部28と傾斜軸受部29を含む軸受ブラケットからなり、円筒カッタフレーム20にボルト31で締着している。軸受手段25にも傾斜軸受部32を備えてあり、これら傾斜軸受部29,32を軸方向に偏位してカッタ自転軸の傾斜取付をはかり、大径側ディスクカッタ刃先22を刃先自転開口より円筒カッタケーシング1の外径周線上に合わせ、円筒カッタフレーム20の前端面より突出させると共に各ディスクカッタ刃先がほぼ同一垂直面に位置するようコーン形ロータリディスクカッタ5,6の自転軸を取付けてある。 【0018】 円筒カッタフレーム20は内管17の内側に嵌挿した回転駆動軸3と連結してある。その連結手段は回転駆動軸3の先端に連結ボス部33を設け、図示しない半径方向梁を円筒カッタフレーム20に設けて両者を結合することにより連結してあり、回転駆動軸3を介して円筒カッタフレーム20を回転できる。また上述したように円筒カッタフレーム20は円筒の先端周壁にカッタビット81〜86と、円筒の前面板7を有する。 【0019】 円筒の前面板7はコーン形ロータリディスクカッタ5,6との接触を避けるために71,72に示すように扇形状にしてあって、ディスクカッタ刃先が前面板よりも前方へ突出する厚さにして挟むように円筒の前面を蓋する。この前面板71,72には掘削砂礫の取入開口13(図では4個)及び前面切削兼砂礫ガイド用のカッタビット91,92を設けてある。前記ガイド用カッタビット91,92は円筒カッタフレーム20の正転方向(掘削回転方向)に対して前面の砂礫を切削し、砂礫をディスクカッタ間に流動ガイドして取り込む側に設けられ、前面板の半径方向縁に沿いディスクカッタ刃列間に対向設置してある。 【0020】 カッタビット81〜86は、その刃先36が大径側ディスクカッタ刃先23の公転軌道円をたどって、圧砕跡を二次切削するようにした外径位置で円筒カッタフレーム20の円筒先端周壁に沿って取付けてあって、カッタビット刃先36を大径側ディスクカッタ刃先23の円筒方向先端よりも後方に出代量とすると共に、大径側ディスクカッタ刃先半径方向外側に突出した出代量としてある。すなわち上記ディスクカッタとカッタビットとは図3に示したような位置関係に設置してカッタヘッドに装着されている。カッタビットとコーンタイプデイスクカッタ最外周側の刃先とは相互に助け合う関係に配置されている。つまり軸方向にはディスクカッタがカッタビットより前方に位置することによって、ディスクカッタは前方の礫を効率よく圧砕し、従ってディスクカッタに続くカッタビットは喰い込み量が少なくなって抵抗トルクが小なくなるので、カッタビットの負担は小さい。 【0021】 また半径方向にはカッタビットがディスクカッタよりも外側に位置するので、先導管の自重だけで端面Bを切削し、カッタビットにより半径方向にかかる礫を破砕し、ヘッドがせり上がるのを防止する。そしてコーンタイプのディスクカッタの軸を斜めに取り付けることによって、最外周に刃先が当り枕のような礫でも破砕し、せり上りを防止している。 【0022】 さらにこの実施例ではディスクカッタの最外周の刃先に、常にシヤープさを維持する形状を持たせ、カッタ側面の摩耗が進んでも、常にシャープさを維持すように工夫してある。また刃の角度は礫破砕に最適な角度とし、最外周側のみ礫による蹴られ防止のため面取りして鋭角にすると共に、刃の向きを推進力の方向と同一の向きとして礫を容易に破砕できるようにした。なおカッタビット(81,82、……86)のピッチはヘッドの振れを小なくする最適ピッチとしている。 【0023】 さらに土砂取込口11,12,13については土砂流入側の取込口を大きくすることにより破砕礫、土砂の流れをスムーズにし、土砂流入側にカッタビットを装着したことにより、前述の如くディスクカッタとカッタビットで礫を破砕し、取込口に礫が噛み込んでもディスクカッタの自転により礫を破砕してカッタビット内に取り込めるようになっている。また土砂取込口の配置は、外周付近の土砂は取り込まず正面の土砂だけを取り込むように工夫されている。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の一実施例のカッタヘッドを図解的に示した側面図である。 【図2】 図1のA-A矢視図である。 【図3】 コーンディスクカッタとカッタビットとの配置を示す説明図である。 【図4】 従来のタイプを示す。 【図5】 従来のタイプを示す。 【図6】 従来のタイプを示す。 【符号の説明】 1…円筒カッタケーシング 2…反スラスト軸受 5…ロータリディスクカッタ 6…ロータリディスクカッタ 7…面板 81,82,……86…カッタビット 91,92…カッタビット 101,102…カッタビット 11…土砂取込口 12…土砂取込口 13…土砂取込口 25…軸受手段 26…軸受ブラケット手段 |
訂正の要旨 |
〔訂正の要旨〕 特許第2712010号の明細書を、特許請求の範囲の減縮を目的として下記(b)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的として下記(a)、(c)〜(g)のとおり訂正する。 (a)特許請求の範囲の第4項の「カッタヘッドの面板の」(本件特許公報2欄13行)を、「カッタヘッドの面板に設けた」と訂正する。 (b)特許請求の範囲の第4項の「カッタヘッドの面板に土砂取込口のカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けた」(本件特許公報2欄15行〜3欄2行)を、「前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとした」と訂正する。 (c)段落【0011】の「カッタヘッドの回転により面板の開口に」(本件特許公報5欄12〜13行)を「カッタヘッドの面板に設けた開口に」と訂正する。 (d)段落【0011】のカッタヘッドの面板に土砂取込口のカッタヘツドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けた」(本件特許公報5欄14〜16行)を、「前記開口におけるカッタヘッドの掘削回転方向の後ろ側の縁に沿って切削カッタビットを設けることにより、該開口を土砂取込口の1つとした」と訂正する。 (e)段落【0012】の「このような管理設機械においては土砂取込口の」(本件特許公報5欄17〜18行)を「このような管理設機械においては、ロータリーディスクカッタを取付けた土砂取込用の開口における」と訂正する。 (f)段落【0012】の「また面板の開口に……取込口に」(本件特許公報5欄20〜23行)を「また土砂取込口に」と訂正する。 (g)段落【0012】の「カツタヘッド内に取り込める。」(本件特許公報5欄24〜25行)を「カッタヘッド内に容易に取り込める。」と訂正する。 |
審理終結日 | 1999-12-17 |
結審通知日 | 2000-01-04 |
審決日 | 2000-01-06 |
出願番号 | 特願平7-179721 |
審決分類 |
P
1
122・
121-
YA
(E21D)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大森 伸一、中槙 利明 |
特許庁審判長 |
幸長 保次郎 |
特許庁審判官 |
鈴木 公子 小野 忠悦 |
登録日 | 1997-10-31 |
登録番号 | 特許第2712010号(P2712010) |
発明の名称 | 管埋設機械 |
代理人 | 井上 勉 |
代理人 | 中川 裕幸 |
代理人 | 中川 周吉 |
代理人 | 井上 勉 |