• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25C
管理番号 1013860
審判番号 審判1998-17674  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-02-18 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-05 
確定日 2000-02-21 
事件の表示 平成4年特許願第196728号「自動給水装置」拒絶査定に対する審判事件(平成6年2月18日出願公開、特開平6-42849)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯.本願発明
本願は、平成4年7月23日にされた特許出願であって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、平成10年11月19日付けの手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「製氷皿への水の供給源となる給水タンクと該給水タンクからの水を一時貯える定量カップと、該定量カップに貯えられた水を製氷皿に運ぶためのポンプと、該ポンプと製氷皿との途中経路をなす給水パイプとからなる冷凍または冷蔵庫冷凍室の自動給水装置において、無機系抗菌剤を含有せしめた合成樹脂により前記給水パイプが形成されると共に、該給水パイプ内部の水の凍結を防止するヒーターを備えることを特徴とする自動給水装置。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である実願平2-36376号(実開平3-127177号)のマイクロフィルム(以下、第1引用例という)には、「この考案は、給水から離氷までを自動的に行う自動製氷装置に関するものである。」(第1頁第17行〜第18行)こと、「この考案は、冷蔵庫等に用いられる給水、製氷、離氷を自動的に行う自動製氷装置において、製氷に使用される水の補給タンクの給水口キャップに活性炭を収容した浄水フィルターを設ける。」(第3頁11行〜第15行)こと、「3は製氷皿1に一定量の水を供給する給水ポンプで、この給水ポンプ3は貯水タンク4の吸上室9に一端を開口する吸上管5と製氷皿1に一端を開口する吐出管6を有する。この給水ポンプ3は、上記駆動装置2と連動して経時的に作動するように制御されており、離氷動作が完了し、製氷皿1が元の位置に復帰した時に給水ポンプ3が一定時間作動するようになっている。」(第4頁第20行〜第5頁第7行)こと、「補給タンク12内部と上記受水室8とは、浄水フィルター18又は空気抜きパイプ19を介して連通する。そこで、受水室8の水面が低下し、キャップ本体15A下端がこの水面より上方になっていると、この水面とキャップ本体15A下部との隙間から空気が空気抜きパイプ19を通って補給タンク12中に侵入し、ほゞその容積に見合った水が浄水フィルター18のフィルター蓋18Aとフィルター本体18Bに設けられた第5図に示すような開口部18a,18bを通って受水室8に流出する。」(第8頁第3行〜第13行)ことが記載されている。
次に、同じく原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平2-10076号公報(以下、第2引用例という)には、「上記製氷機から吐出された氷をカップまで案内する氷シュートとからなり吐出された氷と接触する上記氷シュートの内部又は全体を無機系抗菌剤を混入した樹脂のフィルムを装着するか、又は成型したことを特徴とするカップ式自動販売機。」(特許請求の範囲第3行〜第8行)であること、「本発明は、カップ式自動販売機の内部に氷を作る製氷機を内蔵したカップ式自動販売機に関するものである。」(第1頁左下欄第15行〜17行)こと、「製氷機8の吐出口に取付けられた、氷シュートBの内部を雑菌の繁殖から防ぐには、定期的に殺菌洗浄を行うことが不可欠である。しかし、その作業時間が長く、大変に手間であるという課題を有していた。本発明は上記課題に鑑み、氷シュートの定期的殺菌洗浄を行わなくても、雑菌の繁殖を防止する氷シュートを有するカップ式自動販売機を提供するものである。」(第2頁右上欄第8行〜第17行)こと、「製氷機8の上部に設けられた貯氷室11内の氷は吐出口12から吐出され、氷シュート14を通ってカップ7に入り氷入り飲料となる。この時氷シュート14内に付着した水滴や吐出口12からの結露氷で氷シュート14内は庫内温度と共に雑菌の繁殖条件下になる。しかし、氷シュート14は銀イオンを合成ゼオライトに結合させた無機系抗菌剤を混入した樹脂で成型されているため、雑菌の繁殖を抑制するだけでなく、殺菌作用があるため、衛生的な氷を提供することができる。」(第2頁左下欄20行〜右下欄第9行)ことが記載されている。
3.対比
第1引用例には、上記2において指摘した事項からみて、「製氷皿1に給水する補給タンク12と給水タンク12に連通する貯水タンク4と、貯水タンク4の水を製氷皿1に供給する給水ポンプ3と、給水ポンプ3に設けられ、製氷皿1に一端を開口する吐出管6とを有する冷蔵庫等に用いられる自動製氷装置の給水を自動的に行う装置」に係る発明が記載されている。
そこで、本願発明と、第1引用例に記載された発明とを対比すると、第1引用例に記載された「製氷皿1に給水する補給タンク12」、「給水タンク12に連通する貯水タンク4」、「貯水タンク4の水を製氷皿1に供給する給水ポンプ3」、「給水ポンプ3に設けられ、製氷皿1に一端を開口する吐出管6」、「冷蔵庫等に用いられる自動製氷器の給水を自動的に行う装置」はそれぞれ、本願発明の「製氷皿への水の供給源となる給水タンク」、「給水タンクからの水を一時貯える定量カップ」、「定量カップに貯えられた水を製氷皿に運ぶためのポンプ」、「ポンプと製氷皿との途中経路をなす給水パイプ」、「冷凍または冷蔵庫冷凍室の自動給水装置」に相当するから、両者は、「製氷皿への水の供給源となる給水タンクと該給水タンクからの水を一時貯える定量カップと、該定量カップに貯えられた水を製氷皿に運ぶためのポンプと、該ポンプと製氷皿との途中経路をなす給水パイプとからなる冷凍または冷蔵庫冷凍室の自動給水装置」の点で一致し、下記の点で相違する。
相違点1.本願発明が「無機系抗菌剤を含有せしめた合成樹脂により前記給水パイプが形成される」のに対し、第1引用例に記載された発明では、そのようになっていない点
相違点2.本願発明が「給水パイプ内部の水の凍結を防止するヒーターを備える」のに対し、第1引用例に記載された発明では、そのようになっていない点
4.当審の判断
上記相違点について検討する。
(1)相違点1について
第2引用例には、製氷装置において、雑菌の繁殖を抑制するために、氷シュート全体を無機系抗菌剤を含有した合成樹脂で形成した点が記載されている。
そして、第1引用例と第2引用例に記載されたものは製氷装置という点で共通し、しかも第2引用例に記載された氷シュートは、製氷装置の通路における雑菌の繁殖を抑制するという本願発明と同様の機能を有するものであるから、製氷装置の通路である第1引用例に記載された発明の給水パイプに、第2引用例に記載された事項を適用して、給水パイプを無機系抗菌剤を含有せしめた合成樹脂により形成することは、当業者であれば容易になし得ることである。
(2)相違点2について
冷蔵庫等の自動製氷装置において、その給水パイプ内部の水の凍結を防止するため、給水パイプにヒーターを設けることは、本願の出願前周知の技術事項(必要ならば、実公昭51-40121号公報、実願昭63-34165号(実開平1-136867号)のマイクロフィルム、特開平3-156269号公報等参照。)であるから、第1引用例に記載された発明の給水パイプに上記周知の技術を適用して相違点2であげた本願発明の構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜なしうる設計的事項にすぎないものである。
(3)なお、本願発明の効果も、第1引用例及び第2引用例に記載された事項並びに上記従来周知の技術から予測しうるものであって、格別のものではない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、上記周知技術を考慮すれば、第1引用例及び第2引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-12-07 
結審通知日 1999-12-17 
審決日 1999-12-24 
出願番号 特願平4-196728
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F25C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柳田 利夫川本 真裕  
特許庁審判長 大槻 清寿
特許庁審判官 櫻井 康平
歌門 恵
発明の名称 自動給水装置  
代理人 木下 雅晴  
代理人 小池 隆彌  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ