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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C30B
管理番号 1013866
審判番号 審判1997-10700  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-04-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-06-30 
確定日 2000-06-08 
事件の表示 平成2年特許願第143281号「ダイヤモンドフィルム又はダイヤモンド様フィルムの製法」拒絶査定に対する審判事件(平成3年4月23日出願公開、特開平3-97697)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.本件発明
本願は、平成2年5月31日の出願(優先権主張、1989年5月31日、英国)であって、その発明は、平成9年7月29日付手続補正によって補正された明細書および図面の記載よりみて、その特許請求の範囲第1項ないし第9項に記載されたとおりのものであり、そのうち、特許請求の範囲第1項記載の発明は、
「(1)所望のプロフィルを有し、完全に自立したダイヤモンドフィルム又はダイヤモンド様フィルムの製法において、前記所望のプロフィルに成形された表面を有する固体基材を与える工程と、このプロフィルに成形された表面の上に薄い炭化物層を生成させる工程と、前記炭化物層の上にダイヤモンドフィルム又はダイヤモンド様フィルムを成長させる工程と、続く、前記基材を除去する工程とから成る、上記製法。」、
にあるものと認める。(以下本件発明という)
その「所望のプロフィルを有し、完全に自立した・・・フィルム」について、明細書(平成2年7月19日付け手続補正に基づいて浄書された明細書)には、
(i)「本発明は大きな表面積を有しかつ薄いプロフィル化ダイヤモンド又はダイヤモンド状フィルムを生ずる。ダイヤモンド又はダイヤモンド状フィルムの厚さは一般に100ミクロン以下である。勿論、このフィルムは主要表面を有しそしてこの表面は一般に少なくとも10mm2の面積を有する。このフィルムは曲線、回旋等の種々の形状の何れかをとることができる。」(明細書第5頁下第7行ないし第6頁第1行)ものであること、
(ii)「本発明の具体化を添付図面に関連して記載する。これらの図面に言及すると、段階1(第1図の1)には曲がった、半円形の上方表面12を有するグラファイト基材10が示される。段階II(第1図の2)ではチタンの層14が曲線表面12の上に蒸着される。代表的には、この層14は5ミクロン以下の厚さを有する。この層の薄さのために、これが表面12のプロフィルに緊密に従う。チタン層は段階III(第1図の3)で炭化チタンに変換される。・・・中略・・・。次に、段階IV(第1図の4)で化学蒸着により基材上にダイアモンドフィルムを生ずる任意の公知法によってダイアモンドフィルム16が炭化チタン層14の上方曲線表面18上で成長する。段階v(第1図の5)では、グラファイト基材は機械加工され又は腐食されて薄い炭化チタン裏剤4の上にダイアモンドフィルム16を残す。このダイアモンドフィルムは本質的に自立性である。炭化チタン裏材は、例えば、ミリング、プラズマ腐食又は化学温浸により除去されて完全に自立性であるダイヤモンドフィルムを生ずることができる。このダイヤモンドフィルムは代表的には100ミクロン以下の厚さを有しそしてその上方表面20は代表的には少なくとも10mm2の面積を有する。」(明細書第6頁第8行ないし第7頁末行)ものであること、が記載されている。
II.引用例の記載
〔第1引用の記載〕
原審の拒絶の理由で引用した「NEW DIAMOND(ニューダイヤモンド)」第7号 vol.3 No.3 第50〜51頁(1987年10月25日、株式会社 オーム社、以下第1引用例という)には、「CVDダイヤモンド部品」、と題するトピックス記事が掲載され、
「無機材研の瀬高らによって開発された新しい化学蒸着法(CVD法)は、膜状ダイヤモンドの合成を可能とした。これにより、ダイヤモンドを除去的に加工するのではなく、付加的に加工する道が開かれたのである。本稿では、CVD法を使ったダイヤモンド部品の作製について報告する。
作製手段としては、マイクロ波プラズマCVD法と熱フィラメントCVD法の二つを検討した。前者は、基材の先端が鋭利な部分にマイクロ波のパワーが集中しやすいため、均一な析出が難しい。一方、熱フィラメント法の場合はダイヤモンドの微結晶がフィラメント近傍で回転させることにより、曲面成形体を得ることができる。析出後、基材を強酸などで溶解除去すると自立体の作製も可能である。
ダイヤモンド部品製造炉は図1に示すように、熱フィラメントCVD装置に基材の回転機構を加えた構造になっている。原料ガスはメタンなどの炭化水素ガスを水素で約2vol%に希釈した混合ガスであり、マスフローコントローラで所定量が供給される。排気には油回転ポンプを用い、析出中の圧力は30Torrとした。
基材は垂直に保持され、回転軸と平行にタングステンフィラメントがセットされる。基材はダイヤモンドとの熱膨張係数との適合性、ダイヤモンドとの密着性、加工性に優れていることが必要である。フィラメントと基材との距離は2〜3mmである。この距離を一定に保つようにフィラメントの形状を工夫することにより、ダイヤモンドのパイプのほか、ロートやるつぼのように複雑な断面形状の部品も作製できる。何れの場合においても基材温度を約850℃に保つ必要がある。
試作品の例を写真1に示す。これらはシリコンの基材の上に析出させたのち、フッ硝酸で基材を除去したダイヤモンド膜の自立体である。パイプの大きさは直径10mm、長さ30mm、厚さ20μmである。るつぼの大きさは30mm、深さ20mm、厚さ20μmである。パイプについてはこのほかに長さ30mm、膜圧15〜50μm、直径0.5〜10mmの自立体の試作品にも成功している。試作品の、強度に関する詳細なデータはまだそろっていないが、何れも軽く指でつまむには十分な強度がある。気体や液体に対する不浸透性(ピンホールフリー)の確保はCVDダイヤモンド膜の応用上重要な課題である。そこで、るつぼについて、不浸透性を確認するため、るつぼ内部に濃硫酸を入れて純水に浮かべ、純水のpH変化を調べたところ、1時間放置しても有意な変化はなかった。 パイプについても同様の不浸透性があると考えられる。 試作ダイヤモンドパイプ表面の走査型電子顕微鏡写真を写真2に示す。粒径2〜12μmのダイヤモンド微結晶が観察される。小橋らは、マイクロ波プラズマCVD法でダイヤモンド膜が成長する過程をトレースして、膜の形成過程で結晶粒の合体、吸収が起こり、表面の再配列を繰り返して膜が成長していくことを報告している。熱フィラメントCVD法の場合も同様の成長過程をとって膜表面の再配列が起こり、ピンホールの発生防止に寄与していると思われる。 パイプ表面のラマンスペクトルを図2に示す。 1332cm-1にダイヤモンドの強いピークが観察される。佐藤らは、マイクロ波プラズマCVD法でダイヤモンド膜を作製する場合、条件しだいでは黒鉛成分(1360cm-1,1600cm-1)のほかに、1550cm-1付近に幅広い帰属不明のピーク(いわゆるi-カーボン)が観察されることを報告している。析出条件を選べば、このようなダイヤモンド以外の結合成分がほとんど検出されないパイプを作製することができる。 熱フィラメントCVD法ではタングステンフィラメントを使用することから、パイプ表面にタングステンの混入が懸念される。そこで、るつぼをフッ硝酸出煮沸して、溶出成分をプラズマ発光分析装置(ICP)で分析したが、タングステンは検出されなかった。これとは別に、試作したダイヤモンドパイプの表面をX線マイクロアナライザー(EPMA)で分析したところ、カーボン以外の元素は検出されなかった。以上より、含有不純物量は数十ppm以下であって、ダイヤモンド部品の表面は高い純度に保たれていることがわかる。 ダイヤモンドはいうまでもなく地上で最高の硬度を有する物質であるだけではなく、酸化性雰囲気を除けば白金にも比肩できる耐食性、銅を上回る熱伝導率、高屈折率、生体への極めて低い毒性など、ユニークな特性を兼ね備えた素材である。 この素材に複雑な曲面形状を自由自在に付与できれば、機械的用途(例えば高耐摩耗性軸受、真空しゅう動部品、ウォータージェット用ノズル)、熱的用途(熱電対保護管、高純度高耐食性るつぼ)、医学的用途(外科手術用部品:ピンセット、鉗子、カテーテル吸入口、メス)、光学的用途(レンズ、ピンホール)など、数多くの新しい用途が出てくるにちがいない。CVDダイヤモンド部品の登場によって、ダイヤモンドが新しい機能性セラミックスとして位置づけられ、ダイヤモンドの利用がいっそう身近なものになることを期待している。」、
以上のことが記載されている。
〔第2引用例の記載〕
同じく、特開昭64-65092号公報(1989年3月10日公開、以下第2引用例という)には、
「(1)基体表面に金属炭化物を形成した後、物理的気相成長法又は化学的気相成長法によって前記基体表面にダイヤモンド結晶を成長させることを特徴とするダイヤモンド薄膜の形成方法。
(2)金属炭化物として遷移金属炭化物を用いたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のダイヤモンド薄膜の形成方法。
(3)基体表面上に金属薄膜を形成し、上記金属を炭化させて金属炭化物を形成することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のダイヤモンド薄膜の形成方法。
(4)基体表面に金属と炭素の粒子を同時に供給し、金属炭化物を形成することを特徴とする特許請求の範囲第3項記載のダイヤモンド薄膜の形成方法。
(5)金属炭化物としてTiCを用いたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のダイヤモンド薄膜の形成方法。」が記載され(特許請求の範囲)、そのねらいとするところは、従来、「PVD法」によって基体表面上に「形成されたダイヤモンド薄膜はその大部分がアモルファス構造であり」、あるいは「CVD法によって基体表面上にダイヤモンド薄膜を形成する」においては、「ダイヤモンド薄膜を形成する基板をダイヤモンドペーストで表面処理する等の何等かの処理をしなければならず、その処理の具合により、膜厚分布及びダイヤモンド結晶粒の面密度が不均質になるといったように、ダイヤモンド結晶核をいかにして形成するかという問題点を残していた。」ことから、「本発明は前記問題点の検討に鑑みてなされたもので、良質なダイヤモンド薄膜を再現性良く形成することを目的とする。」ものであること、前示(1)ないし(5)に摘示する発明の構成は、この課題を達成すべく鋭意研究の結果、「基体表面に金属炭化物を蒸着した後、PVD法又はCVD法によって前記基体表面にダイヤモンド結晶を成長させてダイヤモンド薄膜を形成」すると、「金属炭化物が結晶核として有効にはたらくことを発見し」、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、金属炭化物を「基体表面に予め形成し、その後PVD法又はCVD法」を実施すると「良質なダイヤモンド薄膜が形成できることを確認した」ものであること、「金属炭化物がダイヤモンド結晶核として如何にはたらくか等詳細は不明であるが、この金属炭化物を均一にコーティングすることによって、アモルファス構造部の少ない膜厚分布及びダイアモンド結晶粒の面密度がともに均一なダイヤモンド薄膜を前記基体表面に再現良く形成でき、前記問題点を一挙に解決できる」ものであること、「この場合、金属炭化物として遷移金属炭化物を用いると有効であること」、そのための形成手段として「基体表面に金属薄膜を形成し、上記金属薄膜を炭化させて金属炭化物を形成すると形成しやすく有効であること」、あるいは「また基体表面に金属と炭素粒子を供給し、金属炭化物を形成すると有効であり、特にTiCが有効であること」も「確認した」こと、
が記載されている。(第2頁右上欄ないし同頁左下欄)
III.本件発明と第1引用例との一致点・相違点
本件発明と第1引用例とを対比すると、本件発明において「所望のプロフィルを有し、完全に自立した・・・フィルム」は、「曲線、回旋等の種々の形状の何れかをとることができる」ものであり、「曲がった」、「半円形の上方表面」を有する、「曲線表面」をもったものもその態様として挙げられるものであることは前示摘示したとおりであって、すなわち、単に二次平面上においてフィルムとしたものとは異なる、いわゆる三次元曲面構造を含んだものを指しているものであるところ、引用例のものも曲面をもった複雑形状のフィルムを意図しているものであるから、両者は、そのねらいとするところにおいて共通しているものである。
また、両者は、そのための作製手順においても、固体基材を成形することによって、所望のプロフィルを有する固体基材を準備すること、この基材の上に、基材表面と同じプロフィルを有するダイヤモンドフィルム膜を成長させ、膜の成長段階終了後、基材を除去し、ダイヤモンドフィルム膜の回収をはかるものであること、以上のプロセスに基づいているものであること、においても共通しているものである。
ただ、本件発明は、ダイヤモンドフィルム膜の成長に際して、基材表面の上に薄い炭化物層を生成する工程により炭化物層を生成し、この上にダイヤモンドフィルム膜を生成させており、ダイヤモンドフィルム膜は、基材表面の薄い炭化物層を介して成長させているものであるに対して、第1引用例は、炭化物層を介することなく基材上に直接生成、成長させているものである。
すなわち、両者の間には、ダイヤモンドフィルム膜を成長させる段階から、完全に自立したフィルム膜を得るまでの間のプロセスにおいて、一方(本件発明)は、炭化物層の存在下で該プロセスを実施するに対し、他方(第1引用例)は、炭化物層を介することなく基材のみの状態で該プロセスを実施するものであるから、両者の間には、基材表面に炭化物層(薄い炭化物層)を生成させる工程の有無に基づく違いがあり、この違いに基づき、その後のプロセスにも、自ずとその条件に炭化物層の有無に基づく違いがあるものである。
IV.相違点についての容易性の判断
本件発明において、基材表面に薄い炭化物層を設ける点の事項は、明細書には、その意義について言及している記載、特に炭化物層を設けない場合に比してその作用効果の違いを明らかにしている記載はないが、同じく本件出願前の先行技術として示された第2引用例には、物理的気相成長法又は化学的気相成長法に基づくダイヤモンド薄膜の形成方法において、予め基体表面に金属炭化物を生成処理した場合は、この処理を行わない場合に比して、得られるダイヤモンド薄膜は、アモルファス構造部の少ない、膜厚分布及びダイヤモンド結晶粒の面密度がともに均一なものを、再現性良く形成できるものであることが記載されており、第1引用例とはダイヤモンドの製膜技術において、技術分野を共通にしているものである。
ただ、第1引用例には、第2引用例の発明がねらいとする、アモルファス構造部の少ない、膜厚分布及びダイヤモンド結晶粒の面密度が均一なものを、再現性良く形成しようとすることについて、必ずしも明確に記載がなされているとは言い難いが、その記事中に、ダイヤモンド膜の「均一な析出が難しい」、「気体や液体に対する不浸透性(ピンホールフリー)の確保は・・・重要な課題である」、「膜の形成過程で結晶粒の合体、吸収が起こり、表面の再配列を繰り返して膜が成長していくこと」、「同様の成長過程をとって膜表面の再配列が起こり、ピンホールの発生防止に寄与している」、さらには、「ダイヤモンド膜を作製する場合、条件しだいでは黒鉛成分のほかに、・・・帰属不明のピーク(いわゆるi-カーボン)が監察されることを報告している。析出条件を選べば、このようなダイヤモンド以外の結合成分がほとんど検出されないパイプを作製することができる。」等の記載があり、これらの記載によれば、ダイヤモンド膜を均一に析出しようとすること、膜厚分布及び結晶粒の面密度の均一な、ピンホールのないものを得ようとすること、ダイヤモンドの純粋な結晶粒に基づくものを得ようとすること等は、窺えるものである。さらにいえば、かかる眼目は、ダイヤモンド膜の製造をめざすものである以上、第2引用例によらずきわめて当然の眼目といえるものでもあり、第2引用例の意義は、その当然の眼目である課題に対して、その達成手段を見いだしたところにあるものと認められるものである。
してみれば、第1引用例の技術を実施するにおいて、ダイヤモンドの製膜技術上当然の眼目であるところの、アモルファス構造部の少ない、膜厚分布及び結晶粒の面密度の均一な膜を、再現性良く得ようとすることは、第1引用例においても自ずと、この眼目を有するものであることについては叙上のとおりその例外ではないので、その解決を図るため、第2引用例の解決手段を適用し、これによって解決してみようとすること、すなわち、第1引用例の基材の表面に、金属炭化物を生成する第2引用例記載の解決手段を講じ、これによって解決してみようとすることは当業者の容易に想到しうることと認められるものである。
しかもこの場合、第1引用例の技術に、第2引用例の解決手段を適用することに、適用困難とする事情は、見いだすことはできない。
すなわち、第1引用例に開示する固体基材をも含め、加工性が良く、ダイヤモンドの生成条件下で形状を維持し、且つダイヤモンドの生成、析出を阻害しない、ダイヤモンド膜の生成基材となりうるものに対して、その表面に金属炭化物を生成、形成することは、技術的に何ら困難ではなく、第2引用例、そして本件発明においてもこの手段によることを利用しているものであることについてはその例外ではないと認められる。
ただこの場合、金属炭化物層を形成する、第2引用例の解決手段を適用することによって、膜成長終了後、完全に自立した膜を分離回収する工程は、基材の除去に加えて炭化物層の除去をも必要としているに対して、該手段を適用しない場合においては、基材の除去工程のみに基づき、そこには、炭化物層除去の必然性はない、以上の点において、なお違いが残るものではあるが、この点の違いは、叙上の理由によって講じた手段に基づき必然的に生じた、単なる自明の違いといえるものにすぎず、前者(第1引用例を第2引用例の手段を適用することによって実施する場合)は、後者(第2引用例の手段を適用することなく、第1引用例のみに基づいて実施した場合)に比して炭化物層の除去を必要とするだけ複雑な工程を要するものであるというにすぎず、この点に、格別の意義を見いだすことはできない。
すなわち、本件発明と第1引用例との炭化物層の有無に基づく相違点は、実質上、第2引用例に記載されているものと認められ、その相違点に基づく本件発明の作用効果も予想しうるところにすぎずないものと認められる。
以上のとおり、本件発明は、第1引用例の技術を、第2引用例に記載する手段を適用することによってなしたものであり、当業者者が容易に想到し、実施し得たところと認められる。そして、その作用効果も予想しうるものにすぎず、格別とはいえない。
V.結論
以上のとおりであるので、本件発明は、その出願前頒布された、第1引用例と第2引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定によって特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 1999-12-03 
結審通知日 1999-12-21 
審決日 1999-12-27 
出願番号 特願平2-143281
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C30B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八原 由美子大工原 大二五十棲 毅  
特許庁審判長 石井 勝徳
特許庁審判官 森竹 義昭
野田 直人
発明の名称 ダイヤモンドフィルム又はダイヤモンド様フィルムの製法  
代理人 浅村 肇  
代理人 浅村 皓  
代理人 歌門 章二  
代理人 長沼 暉夫  

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