• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1013920
審判番号 審判1998-17176  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-06-05 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-05 
確定日 2000-03-10 
事件の表示 平成1年特許願第270775号「半導体装置の製造方法」拒絶査定に対する審判事件(平成3年6月5日出願公開、特開平3-132041)について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本件出願の手続の経緯及び要旨
本件出願は、平成元年10月18日の出願されたものであって、その発明は手続補正書の特許請求の範囲(1)及び(2)に記載されたとおりであって、その(1)の発明は次のものである。
「薄膜半導体層上にゲート酸化膜を介してAl又はAl合金からなるゲート電極を形成する工程と、
上記ゲート電極をマスクとするイオン注入により上記薄膜半導体層に自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する工程と、
エキシマレーザー照射により上記ソース・ドレイン領域を選択的に活性化する工程とを備え、
上記ソース・ドレイン領域の活性化を行うとき、上記ゲート電極に照射されるエキシマレーザーは、上記Al又はAl合金からなるゲート電極より反射されることを特徴とする半導体装置の製造方法。」(以下、本願発明という)
2.引用例記載の発明
前審の拒絶の理由に引用された特開昭58-186967号公報(以下、引用例1という)には、「[発明の目的]本発明は上記の如き問題を解決し、絶縁性基板上のシリコン薄膜を用いて、自己整合法を適用して良好な特性のTFTを得ることを可能とした薄膜半導体装置の製造方法を提供するものである。」(第2頁右上欄第2行〜第7行)、
「(1)絶縁性基板上に堆積されたシリコン薄膜を能動領域とした電界効果トランジスタを形成する際、ゲート電極としてAl-Si合金を用い、このゲート電極をイオン注入のマスクとして不純物のイオン注入を行ってソースおよびドレーン領域を形成することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
(2)Al-Si合金はSiを0.3〜2wt%含むものである特許請求の範囲第1項記載の薄膜半導体装置の製造方法。」(特許請求の範囲)、
「以下に図面を参照して本発明の実施例を述べる。
第1図は、ガラス基板1上に0.5〜0.7μmの厚さシリコン薄膜2を堆積した後、これを島状に残してパターニングし、更に1500Åの厚さのSiO2膜で全面を被覆した状態を示す。
第2図は、この後、A1-Si合金(Si1.2wt%)からなるゲート電極4を形成し、これをマスクにソース領域6、ドレーン領域7に不純物のイオン注入5を行なっている様子である。」(第2頁左下欄第13行〜右下欄第1行)、
「引きつづき、注入燐原子の電気的活性化のために、500℃、20時間の熱処理を窒素中で行なった。」(第2ページ右下欄第17行〜第19行)と記載されている。
上記のSiO2膜は半導体層上に形成されたゲート酸化膜である。してみると引用例1には、薄膜半導体層上にゲート酸化膜を介してAl合金からなるゲート電極を形成する工程と、
上記ゲート電極をマスクとするイオン注入により上記薄膜半導体層に自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する工程と、活性化のために熱処理する工程を有する半導体装置の製造方法が示されている。
前審の拒絶の理由に引用された特開平1-187814号公報(以下、引用例2という)には、「イオン打込み法では、不純物原子が半導体層を突き貫けてしまい、良好な接合が形成できない。」(第2頁左上欄第5行〜第7行)、
「レーザドープ法においては、浅い接合はできるが、必ずしも十分な不純物原子が半導体基板表面に導入されず、低い値のシート抵抗が得られない。」(第2頁右上欄第2行〜第5行)、
「本発明の目的は、ガラス基板等の絶縁性基板の表面に形成される薄いPoly-Si中に十分な量の活性化した不純物原子を導入し、浅い、良好な接合を形成することが可能な、薄膜半導体装置の製造方法を提供することである。」(第2頁左下欄第7行〜第11行)、
「上記目的は、第3図に示すように不純物原子をプラズマ状態にして半導体層中に導入する工程と、不純物原子と同時に半導体層中に導入された水素原子を約600度の熱処理工程で取除く工程と、紫外光領域であり、パルス状のレーザ光を照射することにより、半導体層中の不純物原子の活性化を行う工程とを採用することにより達成される。」(第2頁左下欄第13行〜第19行)と記載されている。
即ち引用例2にはパルス状のレーザ光を照射することにより、半導体層中の不純物原子の活性化を行うことが示されている。
前審の拒絶の理由に引用された特開昭60-245124号公報(以下、引用例3という)には、
「本発明は、短波長パルスレーザ光を照射して、非晶質又は多結晶の半導体薄膜を熱処理する工程を有した半導体装置の製法である。
この発明の製法では、基板全体を高温にすることなく低温(室温)にて半導体薄膜の結晶化、不純物の活性化等が行え性能の向上が図れる。」(第2頁右上欄第6行〜第11行)、
「UVパルスレーザ光(10)はSiO2膜(8)を透過し、電極(6)(7)で反射するため温度は上らず、電極(6)(7)を損うことなくチャンネル部を処理できる。」(第3頁左上欄第16行〜第19行)と記載されている。
第2頁右下欄には、アルミニウム又はITO等によるゲート電極を形成することが示されており、引用例3には、短波長パルスレーザ光を照射して、非晶質又は多結晶の半導体薄膜の不純物の活性化等が行えること、UVパルスレーザ光はアルミニウム電極で反射するため温度は上がらず、電極を損なうことなくチャンネル部を処理できることが示されている。
3. 本願発明と引用例記載の発明との対比
3.1 本願発明と引用例1との対比
本願発明と引用例1記載の発明とを対比すると、次の点で一致する。
(一致点)
薄膜半導体層上にゲート酸化膜を介してAl合金からなるゲート電極を形成する工程と、
上記ゲート電極をマスクとするイオン注入により上記薄膜半導体層に自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する工程と、活性化工程とを有する半導体装置の製造方法
(相違点)
そして、本願発明と引用例1記載の発明とは次の点で相違している。
▲1▼活性化工程が本願発明では「エキシマレーザー照射により上記ソース・ドレイン領域を選択的に活性化する工程」であるのに対して、引用例1は「活性化のために熱処理する工程」である点、
▲2▼本願発明は、「ソース・ドレイン領域の活性化を行うとき、上記ゲート電極に照射されるエキシマレーザーは、上記Al又はAl合金からなるゲート電極より反射される」のに対して、引用例1はその旨の記載はない点。
(相違点の判断)
(相違点▲1▼について)
引用例2にはパルス状のレーザ光を照射することにより、半導体層中の不純物原子の活性化を行うことが示され、引用例3には、短波長パルスレーザ光を照射して、非晶質又は多結晶の半導体薄膜の不純物の活性化等が行えることが示されており、エキシマレーザー光は、パルス状のレーザ光であり、短波長パルスレーザ光でもあるから、エキシマレーザによる活性化処理はふつうのことであると認められ、熱処理による活性化に変えて、エキシマレーザー照射により上記ソース・ドレイン領域を選択的に活性化することは当業者が任意に選択できた処理工程である。
したがって、相違点▲1▼は格別のことではない。
(相違点▲2▼について)
引用例3には、UVパルスレーザ光はアルミニウム電極で反射するため温度は上がらず、電極を損なうことなくチャンネル部を処理できることが示されている。してみると、ソース・ドレイン領域の活性化を行うとき、上記ゲート電極に照射されるエキシマレーザーは、上記Al又はAl合金からなるゲート電極より反射されることは、よく知られた事実であり、このことに格別のことが認められない。
したがって、相違点▲2▼は格別のことではない。
4.まとめ
相違点▲1▼、▲2▼は格別のことでないので、本願発明は引用例1ないし3記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。したがって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許請求の範囲(2)を検討するまでもなく本件出願は拒絶される。
よって、上記結論通り審決する。
 
審理終結日 1999-10-29 
結審通知日 1999-11-26 
審決日 2000-01-24 
出願番号 特願平1-270775
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河本 充雄  
特許庁審判長 張谷 雅人
特許庁審判官 左村 義弘
橋本 武
発明の名称 半導体装置の製造方法  
代理人 田村 榮一  
代理人 伊賀 誠司  
代理人 小池 晃  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ