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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C04B |
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管理番号 | 1014557 |
異議申立番号 | 異議1997-73339 |
総通号数 | 11 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-10-19 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1997-07-16 |
確定日 | 2000-02-16 |
異議申立件数 | 3 |
事件の表示 | 特許第2577157号「セラミック焼成用耐火材」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2577157号の特許を取り消す。 |
理由 |
I.手続の経緯 本件特許第2577157号に係る手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 平成4年3月23日 特許出願 平成8月11月7日 特許権の設定の登録 平成9年1月29日 特許掲載公報の発行 平成9年7月16日 特許異議の申立て(申立人 宮川清一) 平成9年7月18日 特許異議の申立て(申立人 鐘紡株式会社) 平成9年7月29日 特許異議の申立て(申立人 神尾誠) 平成10年1月8日 取消理由の通知 平成10年4月7日 訂正請求書の提出 平成11年7月8日 訂正拒絶理由を兼ねた取消理由の通知 II.訂正の適否について 1.訂正事項 上記訂正請求による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であって、請求項1において、「十点平均粗さが15〜100μmの基材」、「平均粒径5〜100μmの安定化ジルコニア」及び「40〜200μmの厚さのコーティング層」とあるのを、それぞれ「十点平均粗さが15〜50μmの基材」、「平均粒径5〜75μmの安定化ジルコニア」及び「70〜120μmの厚さのコーティング層」とする訂正を含むものである。 すなわち、訂正後の特許請求の範囲第1項に係る発明は、以下のとおりである。 「セラミック成形体を焼成する焼成用治具等の材料として使用されるセラミック焼成用耐火材において、十点平均粗さが15〜50μmの基材の表面に、平均粒径5〜75μmの安定化ジルコニアからなる70〜120μmの厚さのコーティング層を有することを特徴とするセラミック焼成用耐火材。」(以下「訂正後の発明」という。) 2.当審が通知した訂正拒絶理由の概要 平成11年7月8日付けで通知した取消理由通知中に記載した、訂正拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 訂正後の発明は、本件出願前に頒布された下記の刊行物イ乃至ハに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 よって、上記訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第4項の規定に適合しないので、上記訂正は認めることができない。 記 刊行物イ 特開平2-69381号公報 刊行物ロ 特開昭63-84011号公報 刊行物ハ 特開平2-260602号公報 参考資料1 「金属表面技術便覧」昭和56年2月10日、日刊工業新聞社発行、第44〜51頁(申立人宮川清一の提出した甲第4号証参照) 参考資料2 「日本工業規格“表面粗さの定義と表示”JISB0601 第1〜7頁」(申立人神尾誠の提出した参考資料3参照) 3.当審における判断 上記訂正拒絶理由に対し、特許権者に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは何らの応答もなかった。 よって、訂正後の発明は、平成11年7月8日付けで通知した取消理由通知中に記載したとおりの理由により、刊行物イ乃至刊行物ハに記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであると認められるから、特許法第29条第2項に規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび したがって、上記訂正請求は、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第4項の規定に適合しないので、当該訂正は認めない。 III.取消理由について 1.本件特許に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。「セラミック成形体を焼成する焼成用治具等の材料として使用されるセラミック焼成用耐火材において、十点平均粗さが15〜100μmの基材の表面に、平均粒径5〜100μmの安定化ジルコニアからなる40〜200μmの厚さのコーティング層を有することを特徴とするセラミック焼成用耐火材。」(以下「本件発明」という。) 2.取消理由の概要 平成11年7月8日付けで通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 (理由1) 本件発明は、下記の刊行物イ乃至ハに記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 よって、本件特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものである。 記 刊行物イ 特開平2-69381号公報 刊行物ロ 特開昭63-84011号公報 刊行物ハ 特開平2-260602号公報 参考資料1 「金属表面技術便覧」昭和56年2月10日、日刊工業新聞社発行、第44〜51頁 参考資料2 「日本工業規格“表面粗さの定義と表示”JIS B0601第1〜7頁」 (理由2) 本件発明は、下記の刊行物ハ及びロに記載された発明から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 記 刊行物ハ 特開平2-260602号公報 刊行物ロ 特開昭63-84011号公報 参考資料1 「金属表面技術便覧」昭和56年2月10日、日刊工業新聞社発行、第44〜51頁 参考資料2 「日本工業規格“表面粗さの定義と表示”JIS B0601 第1〜7頁」 3.当審における判断 上記取消理由に対し、特許権者に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは何らの応答もなかった。 よって、本件発明は、平成11年7月8日付けで通知した取消理由通知に記載したとおりの理由により、刊行物イ乃至ハに記載された発明、あるいは刊行物ハ及びロに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると認められる。 IV.結び したがって、本件は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認められる。 よって、平成6年法律第116号附則第14条の規定に基づく、平成7年政令第205号第4条第1項及び第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 1999-12-24 |
出願番号 | 特願平4-64762 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Z
(C04B)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 板橋 一隆 |
特許庁審判長 |
沼沢 幸雄 |
特許庁審判官 |
江藤 保子 能美 知康 |
登録日 | 1996-11-07 |
登録番号 | 特許第2577157号(P2577157) |
権利者 | 日本碍子株式会社 |
発明の名称 | セラミック焼成用耐火材 |
代理人 | 藤谷 史朗 |
代理人 | 中谷 光夫 |
代理人 | 村上 智司 |
代理人 | 青木 純雄 |
代理人 | 杉村 暁秀 |
代理人 | 梅本 政夫 |
代理人 | 徳永 博 |
代理人 | 杉村 純子 |
代理人 | 高見 和明 |
代理人 | 冨田 典 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 梁瀬 右司 |
代理人 | 西村 陽一 |