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審決分類 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  B28B
審判 一部申し立て 2項進歩性  B28B
管理番号 1014600
異議申立番号 異議1999-70433  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-04 
確定日 2000-02-07 
異議申立件数
事件の表示 特許第2784716号「陶磁器の成形方法及び成形装置」の請求項1ないし4、6ないし10に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2784716号の請求項1ないし4、6ないし8、10に係る特許を取り消す。 同請求項9に係る特許を維持する。 
理由 1.本件請求項1〜4,6〜10に係る発明
特許第2784716号(平成6年2月21日出願、平成10年5月29日設定登録)の請求項1〜4,6〜10に係る発明についての出願は、特許請求の範囲の請求項1〜4,6〜10に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】成型品の外形に倣った複雑な凹凸形状を備える押型を、該押型を支持する縦向きの回転軸の周りに回転させながら、振動させつつある型枠に収めた杯土に押し付けて成形を行うことを特徴とする陶磁器の成形方法。
【請求項2】前記振動の振動数は、5〜100回/秒、好ましくは10〜50回/秒であり、振幅は、0,05mm〜3,0mm、好ましくは0,lmm〜1,0mmであることを特徴とする請求項1記載の陶磁器の成形方法。
【請求項3】装置本体Aの基盤3に弾性支持部材5を介して支持された振動台6と、該振動台6に着脱自在に載置される型枠1と、該型枠1内に収容した杯土に押付けられる上型31又は下型41と、前記上型31又は下型41を下降動又は上昇動させる上型下降手段34又は下型上昇手段44、及びこれ等両手段の駆動制御装置と、前記振動台6を所定の振動数と振幅で振動させる起振機構8,11とを具備することを特徴とする陶磁器の成形装置。
【請求項4】前記起振機構8,11は、前記振動台6にカム外周面を接触させて該振動台6に振動を与える偏心カム8aを備えることを特徴とする請求項3記載の陶磁器の成形装置。
【請求項6】前記起振機構8.11によって発生させた振動が、前記型枠1に直接伝えられる様にしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の陶磁器の成形装置。
【請求項7】前記上型31又は下型41を垂直軸周りに回転させる型回転手段33,43、及びこの回転速度を上型31及び下型41の外形や杯土の性質に応じて経時変化させる回転制御装置を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の陶磁器の成形装置。
【請求項8】前記上型下降手段34及び下型上昇手段44の上下動を、成形品の外形や杯土の性質等に応じて経時変化させる駆動制御装置を備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の陶磁器の成形装置。
【請求項9】前記上型31又は下型41は、前記駆動制御装置によって、所定の周期とストロークで上下及び前後(又は円周)方向に揺動させる様にしたことを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の陶磁器の成形装置。
【請求項10】前記弾性支持部材5は、ウレタンゴム製ブロックから成ることを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の陶磁器の成形装置。」
2.特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人高浜工業株式会社は、甲第1号証(特開昭56-101808号公報),甲第2号証(特開昭54-130616号公報),甲第3号証(特公昭36-1393号公報),甲第4号証(昭和55年7月1日、社団法人窯業協会発行「セラミックス」第15巻第7号、表紙、第484〜489頁及び奥付),甲第5号証(特開平5-285910号公報),甲第6号証(特開昭54-37109号公報),甲第7号証(特開昭54-61211号公報),甲第8号証(特公昭53-45206号公報),甲第9号証(実公昭41-5249号公報),甲第10号証(実願昭50-171846号(実開昭52-84961号公報)のマイクロフィルム),甲第11号証(実開平3-96303号公報),甲第12号証(実公昭57-57921号公報),甲第13号証(実開昭57-24007号公報)を提出し、本件請求項1〜4,6〜10の発明は甲第1〜13号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は取り消されるべきであることを主張している。
3.請求項1ないし4,6ないし8及び10の発明
当審はこれらの請求項の発明に係る特許について、平成11年8月9日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは何らの応答もない。
そして、上記の取消理由は妥当なものと認められるので、本件請求項請求項1ないし4,6ないし8及び10の発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきものである。
4.請求項9の発明
請求項9の発明と甲第1〜13号証の発明を対比すると、請求項9の発明は上型又は下型を所定の周期,ストロークで上下及び前後(又は円周)方向に揺動するのに対して、甲第1〜11,13号証には上型又は下型を上下及び前後(又は円周)方向に揺動することは記載されていない。
また、甲第12号証には成形型Dを載置して回転するロクロ軸に対して成形鏝Kを回転自在とした陶磁器成形機が記載されているが、このものにおいて回転自在とされているのは成形鏝であって成形型ではないから、甲第12号証の「回転自在」とする点が「所定の周期,ストロークで上下及び前後(又は円周)方向に揺動する」構成に相当するとしても、上型又は下型を上下及び前後(又は円周)方向に揺動することは甲第12号証にも記載されていないといえる。
してみれば、甲第1〜13号証のいずれにも「上型又は下方を所定の周期,ストロークで上下及び前後(又は円周)方向に揺動する」点は記載されていないから、請求項9の発明は甲第1〜13号証に記載された発明を併せて勘案しても当業者が容易になし得たものとはいえない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項請求項1ないし4,6ないし8及び10の発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、同法第114条第2項の規定により取り消されるべきものである。
また、本件請求項9の発明に係る特許については、取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-12-13 
出願番号 特願平6-22244
審決分類 P 1 652・ 121- ZC (B28B)
P 1 652・ 113- ZC (B28B)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 徳永 英男  
特許庁審判長 沼澤 幸雄
特許庁審判官 山田 充
新居田 知生
登録日 1998-05-29 
登録番号 特許第2784716号(P2784716)
権利者 株式会社アルタック 会津碍子株式会社
発明の名称 陶磁器の成形方法及び成形装置  
代理人 松波 祥文  
代理人 村山 信義  

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